説明

コンバージョンレンズモード付きカメラ

【課題】フロントコンバージョンレンズ装着時に、蹴られの発生が無く画質低下も発生させない最大のズーム制限範囲を光学ズームと電子ズームとによって得ることが可能なコンバージョンレンズモード付きカメラを供給する。
【解決手段】フロントコンバージョンレンズ装着時に撮像素子の画素数よりも小さい画素数で記録する画素数変換モードが設定された場合には、撮像素子の切出し画素数を画素数変換モードの記録画素数と等しくした状態で、テレ端からズーム範囲の途中の所定のズームポジションまでの光学ズームを可能とする光学ズーム手段の制限を行い、その所定のズームポジションでさらにワイド側へのズームが要求されたときには撮像素子の切出し画素数を変化させる電子ズーム手段を使用して撮像素子の切出し画素数が撮像素子の有効画素数になるまでズームを続ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子的に画像を記録可能なカメラであって、光学的なズーム機能と電子的なズーム機能を併せ持ち、加えて、テレコンバージョンレンズ、ワイドコンバージョンレンズ、マクロコンバージョンレンズ別名クローズアップレンズ等のフロントコンバージョンレンズの装着を可能としているカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラのレンズの前側に装着することによって、合成焦点距離を長くするテレコンバージョンレンズ、撮影距離範囲を近距離にシフトするマクロコンバージョンレンズ別名クローズアップレンズ、画角を広くするワイドコンバージョンレンズ等のフロントコンバージョンレンズが知られており、その内のテレコンバージョンレンズ、マクロコンバージョンレンズ別名クローズアップレンズについてはカメラ本体の画角が大きい場合に、フロントコンバージョンレンズによって周辺の光線が邪魔されて撮影画面の四隅が黒くなる蹴られ現象が発生する場合があることも知られており、光学ズーム機能におけるワイド寄りの領域で発生する。
【0003】
また、ワイドコンバージョンレンズについては光学ズーム機能におけるテレ寄りの領域で結像性能低下が発生する場合があることも知られている。
【0004】
テレコンバージョンレンズにおける蹴られ現象の発生を防止する為に、テレコンバージョンレンズモードとして、ズーム範囲を蹴られ現象の発生しない範囲に制限し、その場合のズーム制限基準としてテレコンバージョンレンズとカメラ本体による合成焦点距離を用い、所定の合成焦点距離よりも長焦点側でのみズーム動作が可能となるように、光学ズーム機能或いは、電子ズーム機能によってズーム範囲制限を行なう技術が特許文献1に提案されている。
【特許文献1】特開2000−231149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1における技術においては、テレコンバージョンレンズ装着時に蹴られ現象を発生しない合成焦点距離を基準に電子ズーム機能によるズーム領域制限を行うことによって、蹴られ現象の発生しないズームポジションをよりワイド側に持って行くことは可能となったが、電子ズーム機能による切出し画素数の低下が連続して起こり、これによって、記録画像の画質劣化が加速して起こってしまう問題、加えて、光学ズーム機能をよりワイド側にまで使用することによって、テレコンバージョンレンズの射出瞳位置とカメラレンズの入射瞳位置のミスマッチが増加し、これによって、光学性能低下を発生させてしまう問題を有していた。
【0006】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、テレコンバージョンレンズに限らずマクロコンバージョンレンズ別名クローズアップレンズ装着時においても蹴られ現象の発生を防ぎつつ画質劣化とテレコンバージョンレンズ或いは、マクロコンバージョンレンズ別名クローズアップレンズの射出瞳位置とカメラレンズの入射瞳位置のミスマッチ増加による光学性能低下を発生させないズーム動作を可能としたコンバージョンレンズモード付きカメラを供給することを目的とする。
【0007】
また、ワイドコンバージョンレンズ装着時においてもワイドコンバージョンレンズの射出瞳位置とカメラレンズの入射瞳位置のミスマッチ増加による光学性能低下を防止するワイドコンバージョンレンズモードを有するコンバージョンレンズモード付きカメラの供給をも可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、
(1)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、被写体からの光学的信号を集光する光学系と、前記集光された光学的信号を電気信号に変換して画像データを生成する撮像素子と、前記光学系内の少なくとも1群以上のレンズ群を移動させることによって前記撮像素子上に結像される像の撮像倍率を変化させる光学ズーム手段と、前記撮像素子の切出し画素数を変化させることによって画像データを拡大/縮小させる電子ズーム手段と、前記光学ズーム手段と前記電子ズーム手段とを制御する制御手段と、を備え、前記撮像素子の有効画素数よりも小さい画素数で記録する画素数変換モードを有するカメラにおいて、前記制御手段は、フロントコンバージョンレンズ装着時に前記画素数変換モードが設定された場合には、前記光学ズーム手段のテレ端からズーム範囲の途中の所定のズームポジションまで、前記撮像素子の切出し画素数を前記画素数変換モードの記録画素数と等しくした状態で、前記光学ズーム手段を制御し、前記所定のズームポジションから前記撮像素子の切出し画素数が前記撮像素子の有効画素数に等しくなるまで、前記光学ズーム手段のズームポジションを前記所定のズームポジションとした状態で、前記電子ズーム手段を制御する、ことを特徴とする。
【0009】
撮像素子の有効画素数よりも小さい画素数で記録する画素数変換モードにおいて、光学ズーム手段のテレ端からズーム範囲の途中の所定のズームポジションまで、光学ズーム手段を制御し、所定のズームポジションから撮像素子の切出し画素数が撮像素子の有効画素数に等しくなるまで、電子ズーム手段を制御する、ので、蹴られ現象の発生を防ぎつつ画質劣化とフロントコンバージョンレンズの射出瞳位置とカメラレンズの入射瞳位置のミスマッチ増加による光学性能低下を発生させないズーム動作を可能とした。
(2)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記制御手段が、前記光学ズーム手段のズームポジションが前記所定のズームポジションよりもワイド側にあるときは、前記所定のズームポジションまで前記光学ズーム手段を制御し、前記撮像素子の切出し画素数を前記撮像素子の有効画素数と等しくする、ことを特徴としてもよい。
【0010】
そこからテレ側にズーム動作をしたときは、初めに電子ズーム手段を制御し、撮像素子の切出し画素数と画素数変換モードの記録画素数とが等しくなった時点で電子ズーム手段を停止し、以後、光学ズーム手段を制御するので、ズーム範囲を最大に活用したいと考えるユーザにとって好適である。
(3)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記制御手段が、前記光学ズーム手段のズームポジションが前記所定のズームポジションよりもワイド側にあるときは、前記所定のズームポジションまで前記光学ズーム手段を制御し、前記撮像素子の切出し画素数を前記画素数変換モードの記録画素数と等しくする、ことを特徴としてもよい。
【0011】
そこからテレ側にズーム動作をしたときは、光学ズーム手段を制御し、そこからワイド側へズーム動作をしたときは、電子ズーム手段を制御するので、できるだけ電子ズームを使いたくないと考えるユーザにとって好適である。
(4)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記制御手段が、前記所定のズームポジションと光学ズーム手段のテレ端の間の一部で前記光学ズーム手段と前記電子ズーム手段とを同時に制御する、ことを特徴としてもよい。
【0012】
電子ズーム手段を停止して光学ズーム手段を制御する或いは、光学ズーム手段を停止して電子ズーム手段を制御すると、ズーム動作が一旦停止してから再度動作するので、連続感に欠ける場合がある。所定のズームポジションと光学ズーム手段のテレ端の間の一部で光学ズーム手段と電子ズーム手段とを同時に制御することで、電子ズーム手段の制御と光学ズーム手段の制御とを滑らかに切り替えることができる。
(5)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記フロントコンバージョンレンズが、テレフロントコンバージョンレンズである、ことを特徴としてもよい。
(6)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記フロントコンバージョンレンズが、マクロフロントコンバージョンレンズ、別名クローズアップレンズである、
ことを特徴としてもよい。
(7)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記所定のズームポジションが、前記撮像素子の切出し画素数を前記撮像素子の有効画素数と等しくした状態で、前記フロントコンバージョンレンズによる蹴られが発生しないズームポジションである、ことを特徴としてもよい。
(8)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記所定のズームポジションが、テレ端である、ことを特徴としてもよい。
【0013】
すなわち、撮像素子の切出し画素数を変化させる電子ズーム手段のみを使用して、撮像素子の切出し画素数が撮像素子の有効画素数と等しくなるまでズーム動作を実施する。例えば、テレ端での使用に限定されているテレコンバージョンレンズを使用する場合であっても、電子ズーム手段によるズーム動作が可能となる。
(9)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、被写体からの光学的信号を集光する光学系と、前記集光された光学的信号を電気信号に変換して画像データを生成する撮像素子と、前記光学系内の少なくとも1群以上のレンズ群を移動させることによって前記撮像素子上に結像される像の撮像倍率を変化させる光学ズーム手段と、前記撮像素子の切出し画素数を変化させることによって画像データを拡大/縮小させる電子ズーム手段と、前記光学ズーム手段と前記電子ズーム手段とを制御する制御手段と、を備え、前記撮像素子の有効画素数よりも小さい画素数で記録する画素数変換モードを有するカメラにおいて、前記制御手段は、ワイドフロントコンバージョンレンズ装着時に前記画素数変換モードが設定された場合には、前記光学ズーム手段のワイド端からズーム範囲の途中の第2の所定のズームポジションまで、前記撮像素子の切出し画素数を前記撮像素子の有効画素数と等しくした状態で、前記光学ズーム手段を制御し、前記第2の所定のズームポジションから前記撮像素子の切出し画素数が前記画素数変換モードの記録画素数と等しくなるまで、前記光学ズーム手段のズームポジションを前記第2の所定のズームポジションとした状態で、前記電子ズーム手段を制御する、ことを特徴とする。
【0014】
撮像素子の有効画素数よりも小さい画素数で記録する画素数変換モードにおいて、ワイド端からズーム範囲の途中の第2の所定のズームポジションまで、光学ズーム手段を制御し、第2の所定のズームポジションから撮像素子の切出し画素数が画素数変換モードの記録画素数に等しくなるまで、電子ズーム手段を制御する、ので、ワイドコンバージョンレンズの射出瞳位置とカメラレンズの入射瞳位置のミスマッチ増加による光学性能低下を防止するズーム動作を可能とした。
(10)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記制御手段が、前記光学ズーム手段のズームポジションが前記第2の所定のズームポジションよりもテレ側にあるときは、前記第2の所定のズームポジションまで前記光学ズーム手段を制御し、前記撮像素子の切出し画素数を前記画素数変換モードの記録画素数と等しくする、ことを特徴としてもよい。
【0015】
そこからワイド側にズーム動作をしたときは、初めに電子ズーム手段を制御し、撮像素子の切出し画素数と撮像素子の有効画素数とが等しくなった時点で電子ズーム手段を停止し、以後、光学ズーム手段を制御するので、ズーム範囲を最大に活用したいと考えるユーザにとって好適である。
(11)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記制御手段が、前記光学ズーム手段のズームポジションが前記第2の所定のズームポジションよりもテレ側にあるときは、前記第2の所定のズームポジションまで前記光学ズーム手段を制御し、前記撮像素子の切出し画素数を前記撮像素子の有効画素数と等しくする、ことを特徴としてもよい。
【0016】
そこからテレ側にズーム動作をしたときは、電子ズーム手段を制御し、そこからワイド側へズーム動作をしたときは、光学ズーム手段を制御するので、できるだけ電子ズームを使いたくないと考えるユーザにとって好適である。
(12)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記制御手段が、前記第2の所定のズームポジションとワイド端の間の一部で前記光学ズーム手段と前記電子ズーム手段を同時に制御する、ことを特徴としてもよい。
【0017】
電子ズーム手段を停止して光学ズーム手段を制御する或いは、光学ズーム手段を停止して電子ズーム手段を制御すると、ズーム動作が一旦停止してから再度動作するので、連続感に欠ける場合がある。第2の所定のズームポジションと光学ズーム手段のワイド端の間の一部で光学ズーム手段と電子ズーム手段とを同時に制御することで、電子ズーム手段の制御と光学ズーム手段の制御とを滑らかに切り替えることができる。
(13)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記第2の所定のズームポジションが、前記撮像素子の切出し画素数を前記撮像素子の有効画素数と等しくした状態で、前記ワイドフロントコンバージョンレンズによる光学性能劣化が発生しないズームポジションである、ことを特徴としてもよい。
(14)本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラは、前記第2の所定のズームポジションが、前記光学ズーム手段のワイド端である、ことを特徴としてもよい。
【0018】
すなわち、撮像素子の切出し画素数を連続的に変化させる電子ズーム手段のみを使用して、撮像素子の切出し画素数が画素数変換モードの記録画素数と等しくなるまでズーム動作を実施する。例えば、ワイド端での使用に限定されているワイドコンバージョンレンズを使用する場合であっても、電子ズーム手段によるズーム動作が可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、テレコンバージョンレンズに限らずマクロコンバージョンレンズ別名クローズアップレンズ装着時においても蹴られ現象の発生を防ぎつつ画質劣化とテレコンバージョンレンズ或いは、マクロコンバージョンレンズ別名クローズアップレンズの射出瞳位置とカメラレンズの入射瞳位置のミスマッチ増加による光学性能低下を発生させない状態で最大のズーム範囲を得たズーム動作を可能としたコンバージョンレンズモード付きカメラを供給することが可能となる。また、ワイドコンバージョンレンズ装着時においてもワイドコンバージョンレンズの射出瞳位置とカメラレンズの入射瞳位置のミスマッチ増加による光学性能低下を防止した状態で最大のズーム範囲を得たズーム動作を可能としたワイドコンバージョンレンズモードを有するコンバージョンレンズモード付きカメラの供給が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。以下に説明するコンバージョンレンズモード付きカメラは光学的信号を画像データに変換し、記録媒体に記録するカメラであり、デジタルスチルカメラがこれに含まれる。なお、以下の説明では、「蹴られ現象」を単に「蹴られ」と、「光学ズーム手段」を単に「光学ズーム」と、「電子ズーム手段」を単に「電子ズーム」とそれぞれ記載する。
(実施の形態1)
(1.構成)
図1は、本発明による実施の形態の1例を示す図である。
【0021】
カメラ10は、光学系11と撮像素子であるCCD13と、CCD13からのアナログ信号をデジタル信号に変換するADコンバータ15と、ADコンバータ15からの画像データ処理を含むカメラ10全体の処理を制御する制御回路17とを備える。
【0022】
光学系11は4つのレンズ11a〜11dを含み、レンズ11aは対物レンズであり、レンズ11bはズームレンズであり、レンズ11cは手ぶれ補正レンズであり、レンズ11dはフォーカスレンズである。光学系11は、レンズ鏡筒に収納されている。
【0023】
テレコンバージョンレンズ12は、光学系11の前側に着脱可能である。テレコンバージョンレンズ12を装着することによって、光学系11とテレコンバージョンレンズ12の合成焦点距離が光学系11の焦点距離よりも長くなるので、撮像倍率をより大きくすることが可能であるが、光学ズームをズーム範囲の途中の所定のズームポジションよりもワイド側に移動させると蹴られが発生することが解っている。
【0024】
さらに、カメラ10は、ズームレンズ11bを駆動する光学ズーム駆動部19と、手ぶれ補正レンズ11cを駆動する手ぶれ補正駆動部21と、CCD13を駆動するCCD駆動部23とを備える。光学ズーム駆動部19は、ズームレンズ11bを光軸方向に移動させるための電気機械的機構を含む。手ぶれ補正駆動部21は、手ぶれ補正レンズ11cを光軸方向と垂直な方向に移動させるための電気機械的機構を含む。これらの駆動部19、21は、制御回路17からの指令に応じて、それぞれのレンズ11b、11cの位置を移動する。
【0025】
また、カメラ10は、ユーザが種々の操作を行う操作部25と、画像データ処理のために一時的に画像データを格納するバッファメモリ27と、CCD13によって生成された画像データをそのまま表示するスルー画像や撮像した静止画を表示する液晶表示素子29とを備える。操作部25は、ズーム倍率を操作するためのズームレバー25aとモードスイッチ25bとを含む。
【0026】
制御回路17は、前処理部31と、解像度調整部33と、画素数変換部35と、画像圧縮部37と、表示制御部39と、メモリインタフェース40と、制御部41とを含む。制御回路17は、半導体集積回路で構成することができる。
【0027】
前処理部31は、ADコンバータ15からの画像データを受け、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、キズ補正等の前処理を行う。解像度調整部33は、前処理された後のRGB信号をYC信号に変換する処理を行い、さらに、アパーチャ補正等の解像度を調整するための処理を行う。
【0028】
画素数変換部35は、画像データの画素数を変換する為の処理を行う。画素数変換部35は、画像データの一部を切り出し(切出し処理)て、画素の補間、間引き等を行う(画素数変換処理)ことで電子的に画像の拡大、縮小を行い、これにより電子ズームを実現する。
【0029】
画像圧縮部37は、JPEGによる画像圧縮を行う。画像圧縮の方法はJPEGに限られない。画像圧縮部37により圧縮された画像データは、最終的に記録媒体50に格納される。表示制御部39は、液晶表示素子29上での画像表示を制御する。記録媒体50には、SDカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)等のフラッシュメモリを使用した半導体記憶装置やハードディスクが含まれる。
【0030】
前処理部31、解像度調整部33、画素数変換部35、画像圧縮部37及び表示制御部39は、メモリインタフェース40を介してバッファメモリ27にアクセスし、各処理前の画像データの読み出し、各処理後の画像データの書き込みを適宜行う。
【0031】
制御部41は、前処理部31、解像度調整部33、画素数変換部35、画像圧縮部37及び表示制御部39を制御し、画像データ処理を行わせる。さらに、制御部41は、光学ズーム駆動部19及び手ぶれ補正駆動部21を制御して光学系11の動作を制御し、CCD駆動部23を制御してCCD13を制御する。
(2.動作)
以下、カメラ10にテレコンバージョンレンズ12が装着され、テレコンバージョンレンズモードが選択された場合のズーム動作を説明する。
【0032】
テレコンバージョンレンズ12が装着され、モードスイッチ25bによってテレコンバージョンレンズモードが選択される、或いはテレコンバージョンレンズ12の装着が認識されてテレコンバージョンレンズモードが自動的に選択されると、蹴られの発生しない最小合成焦点距離のズームポジションP1以上に光学ズーム手段の動作範囲を制限する。
【0033】
ここで、特に、画素数変換モードについて詳細に説明する。画素数変換モードとは、CCD13の有効画素数よりも小さい画素数で記録媒体50に画像を記録するモードである。例えば、CCD13の有効画素数が800万画素である場合に、撮像画像を300万画素の画像として記録媒体50に記録するモードである。このモードは、画像データサイズが小さくなることから、高画素数のカメラにおいても小さい画素数で記録媒体50に画像を記録するモードを実用的と考えるユーザには大変有用である。
【0034】
画素数変換モードにおいては、画素数変換モードでは無い通常の状態の光学ズームの動作範囲制限を適用すると、画素数変換モードで蹴られの発生しない最小合成焦点距離に達しないズームポジションで光学ズームの動作範囲を制限してしまい、有効な制限と言えない状態となる。しかし、画素数変換モードで蹴られの発生しない最小合成焦点距離のズームポジションまで光学ズームの動作範囲を拡張すると、今度はテレコンバージョンレンズ12の射出瞳位置とカメラ10の入射瞳位置のミスマッチ増加による光学性能低下を発生させてしまうことになる。
【0035】
カメラ10はズーム機能として光学ズームと電子ズームとを有している。光学ズームは、ズームレンズ11bを光軸方向に移動して、CCD13上に結像される像の撮像倍率を拡大、縮小することで実現される。電子ズームは、CCD13で得られた画像データに対し、画素数変換部35により切出し処理と画素数変換処理を行って画像のサイズを拡大、縮小することで実現される。
【0036】
ここで、テレコンバージョンレンズモードにおける画素数変換モードにおいては、画素数変換モードでは無い通常の状態で決定された蹴られの発生しない最小合成焦点距離のズームポジションP1以上となる光学ズームの動作範囲制限を行い、さらにワイド側へのズームが要求されたときは、記録画素数がCCD13の有効画素数に等しくなるまで電子ズームを行なうこととする。
【0037】
なお、以下の説明において、「光学ズーム作動」とは、ズーム倍率(=光学ズーム倍率×電子ズーム倍率)を変える際にズームレンズ11bを移動する状態にあることをいい、「光学ズーム固定」とは、ズーム倍率を変える際にもズームレンズ11bを固定した状態にあることをいう。
【0038】
また、「電子ズーム作動」とは、ズーム倍率を変える際に画素数変換部35により切出し処理と画素数変換処理を行う状態にあることをいい、「電子ズーム固定」とは、ズーム動作を行う際に画素数変換部35により切出し処理を行わず、画素数変換モードの記録画素数に変換する画素数変換処理を行うように固定された状態またはCCD13で得られた画像データの画素数変換モードの記録画素数に相当する部分を切り出す切出し処理を行い、画素数変換処理を行わないように固定された状態にあることをいう。
【0039】
以下、図2から4を用いてテレコンバージョンレンズ12が装着され、テレコンバージョンレンズモードが選択された場合のカメラ10のズーム動作を詳細に説明する。以下の説明では、具体的に、CCD13の有効画素数を800万画素とし、画素数変換モードは、300万画素の画像を記録媒体50に記録するモードであるとし、光学ズームの動作範囲は画素数変換モードでは無い通常の状態で決定された蹴られの発生しない最小合成焦点距離となるズームポジションP1よりもテレ側に制限されている前提で、ズームポジションP1からテレ側にズーム倍率を変化させる場合のズーム動作について説明する。図3、4において、画像XはCCD13上に結像された像を示し、画像Yは記録媒体50に記録される画像を示す。
【0040】
テレコンバージョンレンズモード、画素数変換モードが選択されると、現在の光学ズームのズームポジションがズームポジションP1よりもワイド側の場合はズームポジションP1まで光学ズームを制御し、図3(a)の状態にする。
(2.1 電子ズーム動作)
光学ズームのズームポジションがズームポジションP1で、光学ズーム固定・電子ズーム固定の状態では、図3(a)に示すように、画素数変換部35は切出し処理を行わず、800万画素の画像Xから画素数変換処理により300万画素の画像Yを生成する。
【0041】
つまり、図3(a)の場合、画像Yは、画像Xの全体を画素数変換処理によって0.62倍(=√(300万/800万))して得られる。このように、画素数変換モードでは、ズーム動作を作動させない状態でも、元の画像Xを0.62倍に縮小する画素数変換処理が行われている。この画素数変換処理は画素数変換部35により実行される。なお、図3(a)の状態は、図2におけるズームポジションP1、合成焦点距離f1の状態(A点)に対応する。この状態は蹴られの発生しない最小合成焦点距離状態である。
【0042】
図3(a)の状態からズームレバー25aによってズーム倍率を上昇させていくと、切出し処理によって、図3(b)に示すように、画像Xの一部の領域Rが切り出され、この切り出された領域Rについて、300万画素の画像Yを生成する画素数変換処理が実行される。領域Rの切出し処理は、前処理部31、解像度調整部33、画素数変換部35、画像圧縮部37または表示制御部39のいずれかによる処理の前に行われればよい。
【0043】
このように、f1からf3の間の合成焦点距離においては、CCD13上の全ての領域が使用されるのではなく、切出し処理によって切り出されたCCD13の中心部を含む一部の領域Rのみが使用される。電子ズーム倍率は、画像Yと領域Rのサイズに応じて決定され、領域Rのサイズを縮小することで電子ズーム倍率は増加する。
【0044】
図3(b)は、光学ズーム固定・電子ズーム作動、電子ズーム倍率が0.8倍の状態、すなわち、図2におけるズームポジションP1、合成焦点距離f2の状態(B点)に対応する。図3(c)は、光学ズーム固定・電子ズーム固定、電子ズーム倍率が最大値(1倍)に達したので画素数変換処理を行わない状態、すなわち、図2におけるズームポジションP1、合成焦点距離f3の状態(C点)に対応する。
【0045】
図3(b)の領域Rのサイズは画像Xのサイズよりも小さいため、300万画素の画像Yを生成するときの電子ズーム倍率は、図3(b)の場合の方が、図3(a)の場合よりも大きくなる。よって、図3(b)の場合の方が図3(a)よりも、より拡大した画像Yが得られる。
【0046】
図3(c)に示すように、電子ズーム倍率が最大値(1倍)に達したとき、領域Rのサイズは最小となる。このとき、領域Rと画像Yとは同じサイズとなる。
(2.2 光学ズーム動作)
次に、図4を用いて、光学ズーム動作について説明する。図2に示すように、本実施形態では、電子ズームが限界に達すると、光学ズームに切り替える。すなわち、電子ズーム倍率が最大値(1倍)に達した後(図3(c)、図4(a))、ズームレバー25aによりさらにズーム倍率を上昇させると、光学ズームが作動する。
【0047】
光学ズームは、ズームレンズ11bを移動させることでズーム倍率を増加させる。これにより、図4(b)、(c)に示すように、CCD13上に結像する被写体Aの像の大きさが拡大する。画像Xの一部の領域Rを切り出し、この切り出された領域Rを画像Yとする。この場合、画素数変換処理は行わない。このように、CCD13上に結像される被写体Aの像の大きさを光学ズームによって変化させるとともに、CCD13上の画像Xの一部の領域R(画素数変換モードの記録画素数に相当するサイズ)を切り出して画像Yを得る。図4(c)の状態は、図2におけるズームポジションがテレ端、合成焦点距離f5の状態(E点)に対応する。
【0048】
テレコンバージョンレンズモード、記録画素数300万画素の画素数変換モードが選択され、その時の光学ズームのズームポジションがズームポジションP1よりテレ側であった場合には、電子ズーム倍率を最大値(1倍)に、領域Rのサイズを画素数変換モードの記録画素数に相当するサイズにそれぞれ設定する(図4(b))。図4(b)の状態は、図2におけるズームポジションQ1、合成焦点距離f4の状態(D点)に対応する。
【0049】
ここからズームレバー25aによってワイド側にズーム動作をさせると、ズームポジションP1まで光学ズーム、ズームポジションP1に達すると電子ズームというようにズーム動作して合成焦点距離はf4→f3→f2→f1というようにf1まで変化してズーム動作は停止する。
【0050】
以上のように、本実施形態では、テレコンバージョンレンズモードが選択され、かつ画素数変換モードが選択された場合のズーム動作において、蹴られの発生を防ぎつつ画質劣化と光学性能低下を発生させない状態で最大のズーム範囲を得たズーム動作を可能としている。
(実施の形態2)
実施の形態2では、図面を参照し、本発明のワイドコンバージョンレンズモードを有するコンバージョンレンズモード付きカメラの実施形態を説明する。以下に説明するコンバージョンレンズモード付きカメラは、光学的信号を画像データに変換し、記録媒体に記録するカメラであり、デジタルスチルカメラがこれに含まれる。
(1.構成)
本発明のコンバージョンレンズモード付きカメラの構成は、実施の形態1におけるコンバージョンレンズモード付きカメラと同じであるので、説明を省略する。なお、以下の説明では、図1におけるテレコンバージョンレンズ12をワイドコンバージョンレンズ12と読み替える。
【0051】
ワイドコンバージョンレンズ12は、光学系11の前側に着脱可能である。ワイドコンバージョンレンズ12を装着することによって、光学系11とワイドコンバージョンレンズ12の合成焦点距離が光学系11の焦点距離よりも短くなるので、撮像倍率をより小さくすることが可能であるが、光学ズームをズーム範囲の途中の第2の所定のズームポジションよりもテレ側に移動させると光学性能低下が発生することが解っている。
(2.動作)
以下、カメラ10にワイドコンバージョンレンズ12が装着され、ワイドコンバージョンレンズモードが選択された場合のズーム動作を説明する。
【0052】
ワイドコンバージョンレンズ12が装着され、モードスイッチ25bによってワイドコンバージョンレンズモードが選択される、或いはワイドコンバージョンレンズ12の装着が認識されてワイドコンバージョンレンズモードが自動的に選択されると、光学性能低下の発生しない最大合成焦点距離のズームポジションP2以下に光学ズーム手段の動作範囲を制限する。
【0053】
実施の形態1におけるコンバージョンレンズモード付きカメラと同様に、画素数変換モードは、CCD13の有効画素数が800万画素であり、撮像画像を300万画素の画像として記録媒体50に記録するモードとする。
【0054】
以下、図5から7を用いてワイドコンバージョンレンズ12が装着され、ワイドコンバージョンレンズモードが選択された場合のカメラ10のズーム動作を詳細に説明する。以下の説明では、光学ズームの動作範囲は光学性能低下の発生しない最大合成焦点距離となるズームポジションP2よりもワイド側に制限されている前提で、ズームポジションP2からワイド側にズーム倍率を変化させる場合のズーム動作について説明する。
【0055】
ワイドコンバージョンレンズモード、画素数変換モードが選択されると、現在の光学ズームのズームポジションがズームポジションP2よりもテレ側の場合はズームポジションP2まで光学ズームを制御し、図6(a)の状態にする。また、CCD13の切出し画素数をCCD13の画素数変換モードの記録画素数と等しくする。
(2.1 電子ズーム動作)
光学ズームのズームポジションがズームポジションP2で、光学ズーム固定・電子ズーム固定の状態では、図6(a)に示すように、画素数変換部35は切出し処理により800万画素の画像Xから画素数変換モードの記録画素数に相当する領域Rを切り出し、画素数変換処理を行わず300万画素の画像Yを生成する。図6(a)の状態は、図5におけるズームポジションP2、合成焦点距離f6の状態(F点)に対応する。この状態は光学性能低下の発生しない最大合成焦点距離状態である。
【0056】
図6(a)の状態からズームレバー25aによってズーム倍率を下降させていくと、電子ズームによって、図6(b)に示すように、切出し処理によって画像Xの一部の領域Rが切り出され、この切り出された領域Rについて、300万画素の画像Yに変換する画素数変換処理が実行される。
【0057】
図6(b)は、光学ズーム固定・電子ズーム作動、電子ズーム倍率が0.8倍の状態、すなわち、図5におけるズームポジションP2、合成焦点距離f7の状態(G点)に対応する。図6(c)は、光学ズーム固定・電子ズーム固定、電子ズーム倍率が最小値(0.62倍)に達したので切出し処理を行わない状態、すなわち、図5におけるズームポジションP2、合成焦点距離f8の状態(H点)に対応する。
(2.2 光学ズーム動作)
次に、図7を用いて、光学ズーム動作について説明する。図5に示すように、本実施形態でも、電子ズームが限界に達すると、光学ズームに切り替える。すなわち、電子ズーム倍率が最小値(0.62倍)に達した後(図6(c)、図7(a))、ズームレバー25aによりさらにズーム倍率を下降させると、光学ズームが作動する。
【0058】
これにより、図7(b)、(c)に示すように、CCD13上に結像する被写体Aの像の大きさが縮小する。このとき、800万画素の画像Xから画素数変換処理により300万画素の画像Yが生成される。このように、CCD13上に結像される被写体Aの像の大きさを光学ズームによって変化させるとともに、画素数変換処理により画像Yを得る。図7(c)の状態は、図5におけるズームポジションがワイド端、合成焦点距離f10の状態に対応する。
【0059】
ワイドコンバージョンレンズモード、記録画素数300万画素の画素数変換モードが選択され、その時の光学ズームのズームポジションがズームポジションP2よりワイド側であった場合には、電子ズーム倍率を最小(0.62倍)に設定する(図7(b))。図7(b)の状態は、図5におけるズームポジションQ2、合成焦点距離f9の状態に対応する。
【0060】
ここからズームレバー25aによってテレ側にズーム動作をさせると、ズームポジションP2まで光学ズーム、ズームポジションP2に達すると電子ズームというようにズーム動作して合成焦点距離はf9→f8→f7→f6というようにf6まで変化してズーム動作は停止する。
【0061】
以上のように、本実施形態では、ワイドコンバージョンレンズモードが選択され、かつ画素数変換モードが選択された場合のズーム動作において、光学性能低下を発生させない状態で最大のズーム範囲を得たズーム動作を可能としている。
(その他の実施の形態)
実施の形態1では、光学ズームのズームポジションがズームポジションP1よりもワイド側にあるときは、ズームポジションP1まで光学ズームを制御し、CCD13の切出し画素数をCCD13の有効画素数と等しくすることとしたが、ズームポジションP1まで光学ズームを制御し、CCD13の切出し画素数を画素数変換モードの記録画素数と等しくする(図2におけるC点に移動する)こととしてもよい。そこからテレ側にズーム動作をしたときは、光学ズームを制御し、そこからワイド側へズーム動作をしたときは、電子ズームを制御するので、できるだけ電子ズームを使いたくないと考えるユーザにとって好適である。
【0062】
同様に、実施の形態2では、光学ズームのズームポジションがズームポジションP2よりもテレ側にあるときは、ズームポジションP2まで光学ズームを制御し、CCD13の切出し画素数を画素数変換モードの記録画素数と等しくすることとしたが、ズームポジションP2まで光学ズームを制御し、CCD13の切出し画素数をCCD13の有効画素数と等しくする(図5におけるH点に移動する)こととしてもよい。そこからワイド側にズーム動作をしたときは、光学ズームを制御し、そこからテレ側へズーム動作をしたときは、電子ズームを制御するので、できるだけ電子ズームを使いたくないと考えるユーザにとって好適である。
【0063】
実施の形態1では、電子ズームを停止して光学ズームを制御する或いは、光学ズームを停止して電子ズームを制御することとしたが、ズームポジションP1と光学ズームのテレ端の間の一部で光学ズームと電子ズームとを同時に制御することとしてもよい。電子ズームを停止して光学ズームを制御する或いは、光学ズームを停止して電子ズームを制御すると、ズーム動作が一旦停止してから再度動作するので、連続感に欠ける場合がある。ズームポジションP1と光学ズームのテレ端の間の一部で光学ズームと電子ズームとを同時に制御することで、電子ズームの制御と光学ズームの制御とを滑らかに切り替えることができる。例えば、図8におけるB点とD点との間で光学ズームと電子ズームとを同時に制御すればよい。
【0064】
同様に、実施の形態2では、電子ズームを停止して光学ズームを制御する或いは、光学ズームを停止して電子ズームを制御することとしたが、ズームポジションP2と光学ズームのワイド端の間の一部で光学ズームと電子ズームとを同時に制御することとしてもよい。電子ズームを停止して光学ズームを制御する或いは、光学ズームを停止して電子ズームを制御すると、ズーム動作が一旦停止してから再度動作するので、連続感に欠ける場合がある。ズームポジションP2と光学ズームのワイド端の間の一部で光学ズームと電子ズームとを同時に制御することで、電子ズームの制御と光学ズームの制御を滑らかに切り替えることができる。例えば、図9におけるG点とI点との間で光学ズームと電子ズームとを同時に制御すればよい。
【0065】
なお、実施の形態1では、テレコンバージョンレンズ12を装着する場合を例示したが、マクロコンバージョンレンズ別名クローズアップレンズでも同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、電子ズームと光学ズームの双方のズーム機能を備えたデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置でフロントコンバージョンレンズ取り付けが可能な撮像装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係るカメラの構成の一例を示す図
【図2】実施の形態1におけるカメラのズームポジションと合成焦点距離の関係を示す図
【図3】実施の形態1におけるカメラの電子ズーム動作を説明するための図
【図4】実施の形態1におけるカメラの光学ズーム動作を説明するための図
【図5】実施の形態2におけるカメラのズームポジションと合成焦点距離の関係を示す図
【図6】実施の形態2におけるカメラの電子ズーム動作を説明するための図
【図7】実施の形態2におけるカメラの光学ズーム動作を説明するための図
【図8】実施の形態1におけるカメラの光学ズーム動作と電子ズーム動作との同時動作を説明するための図
【図9】実施の形態2におけるカメラの光学ズーム動作と電子ズーム動作との同時動作を説明するための図
【符号の説明】
【0068】
11 光学系
11a 対物レンズ
11b ズームレンズ
11c 手ぶれ補正レンズ
11d フォーカスレンズ
12 テレコンバージョンレンズ
13 CCD
15 ADコンバータ
17 制御回路
19 光学ズーム制御部
21 手ぶれ補正制御部
23 CCD駆動部
25 操作部
25a ズームレバー
25b モードスイッチ
29 液晶表示素子
31 前処理部
33 解像度調整部
35 画素数変換部
37 画像圧縮部
39 表示制御部
41 制御部
50 記録媒体
A 被写体
R 切り出し領域(画像生成領域)
X CCD上の撮像画像
Y 記録画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体からの光学的信号を集光する光学系と、
前記集光された光学的信号を電気信号に変換して画像データを生成する撮像素子と、
前記光学系内の少なくとも1群以上のレンズ群を移動させることによって前記撮像素子上に結像される像の撮像倍率を変化させる光学ズーム手段と、
前記撮像素子の切出し画素数を変化させることによって画像データを拡大/縮小させる電子ズーム手段と、
前記光学ズーム手段と前記電子ズーム手段とを制御する制御手段と、
を備え、
前記撮像素子の有効画素数よりも小さい画素数で記録する画素数変換モードを有するカメラにおいて、
前記制御手段は、
フロントコンバージョンレンズ装着時に前記画素数変換モードが設定された場合には、
前記光学ズーム手段のテレ端からズーム範囲の途中の所定のズームポジションまで、前記撮像素子の切出し画素数を前記画素数変換モードの記録画素数と等しくした状態で、前記光学ズーム手段を制御し、
前記所定のズームポジションから前記撮像素子の切出し画素数が前記撮像素子の有効画素数に等しくなるまで、前記光学ズーム手段のズームポジションを前記所定のズームポジションとした状態で、前記電子ズーム手段を制御する、
ことを特徴とするコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記光学ズーム手段のズームポジションが前記所定のズームポジションよりもワイド側にあるときは、
前記所定のズームポジションまで前記光学ズーム手段を制御し、
前記撮像素子の切出し画素数を前記撮像素子の有効画素数と等しくする、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記光学ズーム手段のズームポジションが前記所定のズームポジションよりもワイド側にあるときは、
前記所定のズームポジションまで前記光学ズーム手段を制御し、
前記撮像素子の切出し画素数を前記画素数変換モードの記録画素数と等しくする、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記所定のズームポジションと前記光学ズーム手段のテレ端の間の一部で前記光学ズーム手段と前記電子ズーム手段とを同時に制御する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項5】
前記フロントコンバージョンレンズは、
テレフロントコンバージョンレンズである、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項6】
前記フロントコンバージョンレンズは、
マクロフロントコンバージョンレンズ別名クローズアップレンズである、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項7】
前記所定のズームポジションは、
前記撮像素子の切出し画素数を前記撮像素子の有効画素数と等しくした状態で、前記フロントコンバージョンレンズによる蹴られが発生しないズームポジションである、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項8】
前記所定のズームポジションは、
前記光学ズーム手段のテレ端である、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項9】
被写体からの光学的信号を集光する光学系と、
前記集光された光学的信号を電気信号に変換して画像データを生成する撮像素子と、
前記光学系内の少なくとも1群以上のレンズ群を移動させることによって前記撮像素子上に結像される像の撮像倍率を変化させる光学ズーム手段と、
前記撮像素子の切出し画素数を変化させることによって画像データを拡大/縮小させる電子ズーム手段と、
前記光学ズーム手段と前記電子ズーム手段とを制御する制御手段と、
を備え、
前記撮像素子の有効画素数よりも小さい画素数で記録する画素数変換モードを有するカメラにおいて、
前記制御手段は、
ワイドフロントコンバージョンレンズ装着時に前記画素数変換モードが設定された場合には、
前記光学ズーム手段のワイド端からズーム範囲の途中の第2の所定のズームポジションまで、前記撮像素子の切出し画素数を前記撮像素子の有効画素数と等しくした状態で、前記光学ズーム手段を制御し、
前記第2の所定のズームポジションから前記撮像素子の切出し画素数が前記画素数変換モードの記録画素数と等しくなるまで、前記光学ズーム手段のズームポジションを前記第2の所定のズームポジションとした状態で、前記電子ズーム手段を制御する、
ことを特徴とするコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項10】
前記制御手段は、
前記光学ズーム手段のズームポジションが前記第2の所定のズームポジションよりもテレ側にあるときは、
前記第2の所定のズームポジションまで前記光学ズーム手段を制御し、
前記撮像素子の切出し画素数を前記画素数変換モードの記録画素数と等しくする、
ことを特徴とする請求項9に記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項11】
前記制御手段は、
前記光学ズーム手段のズームポジションが前記第2の所定のズームポジションよりもテレ側にあるときは、
前記第2の所定のズームポジションまで前記光学ズーム手段を制御し、
前記撮像素子の切出し画素数を前記撮像素子の有効画素数と等しくする、
ことを特徴とする請求項9に記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項12】
前記制御手段は、
前記第2の所定のズームポジションと前記光学ズーム手段のワイド端の間の一部で前記光学ズーム手段と前記電子ズーム手段とを同時に制御する、
ことを特徴とする請求項9または10に記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項13】
前記第2の所定のズームポジションは、
前記撮像素子の切出し画素数を前記撮像素子の有効画素数と等しくした状態で、前記ワイドフロントコンバージョンレンズによる光学性能劣化が発生しないズームポジションである、
ことを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。
【請求項14】
前記第2の所定のズームポジションは、
前記光学ズーム手段のワイド端である、
ことを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載のコンバージョンレンズモード付きカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−301172(P2008−301172A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144784(P2007−144784)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】