説明

コンピュータシステム

【課題】BIOSを共通化して使用することができるコンピュータシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のコンピュータシステム(1)は、自己のコンピュータシステム(1)を制御する装置である基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)と、格納部(51)と、BIOS(61)とを具備する。格納部(51)には、基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)を表す装置固有情報と基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)の数とを含む装置情報(1’)が格納されている。BIOS(61)は、格納部(51)から装置情報(1’)を読み出し、装置情報(1’)に基づいて自己のコンピュータシステム(1)をブートする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BIOS(Basic Input/Output System)を具備するコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子計算機装置(コンピュータシステム)のブートには、BIOS(Basic Input/Output System)と呼ばれるファームウエアが必要である。ブートとは、BIOSによってコンピュータシステムを起動することをいう。また、人間がコンピュータシステムに電源を投入してから、操作可能な状態になるまでに、BIOSによって自動的に行われる一連の処理をいう。
【0003】
BIOSは装置固有のファームウエアである。このため、コンピュータシステムの基本構成要素(CPUの種類、PCIスロットの種類、メモリスロットの種類、チップセットの種類)などが同じでも、基本構成要素の数(CPUの数、PCIスロットの数、メモリスロットの数、チップセットの数)が違えば、別々にBIOSを作成しなければならず、開発工数がかかってしまっていた。これについて説明する。
【0004】
図1Aは、従来のコンピュータシステムとしてコンピュータシステム101の構成を示している。コンピュータシステム101は、第1基本構成要素と、第1のBIOS161(以下、BIOS161)とを具備している。
【0005】
第1基本構成要素は、自己のコンピュータシステム101を制御する装置である。第1基本構成要素は、CPU(Central Processing Unit)111、112と、メモリスロット121〜123と、PCI(Peripheral Component Interconect)スロット131〜134と、チップセット141とを含んでいる。
【0006】
これにより、BIOS161は、第1基本構成要素111、112、121〜123、131〜134、141とその数とに基づいてコンピュータシステム101をブートする。
【0007】
コンピュータシステム101の構成の基幹部分を同じにしたまま、コンピュータシステム101に対して仕様を変更する場合、例えば、図1Bに示されるようなコンピュータシステムが作成される。
【0008】
図1Bは、従来のコンピュータシステムとしてコンピュータシステム102の構成を示している。コンピュータシステム102は、第2基本構成要素と、第2のBIOS162(以下、BIOS162)とを具備している。
【0009】
第2基本構成要素は、自己のコンピュータシステム102を制御する装置である。第2基本構成要素は、CPU111と、メモリスロット121と、PCIスロット131、132と、チップセット141とを含んでいる。ここで、CPU111、メモリスロット121、PCIスロット131、132、チップセット141は、コンピュータシステム101の第1基本構成要素に含まれるCPU111、メモリスロット121、PCIスロット131、132、チップセット141と同じ種類が使用される
【0010】
これにより、BIOS162は、第2基本構成要素111、121、131、132、141とその数とに基づいてコンピュータシステム102をブートする。
【0011】
このように、コンピュータシステム101の構成の基幹部分を同じにしたまま、コンピュータシステム101に対して仕様変更されたコンピュータシステム102を作成することができる。
【0012】
しかし、コンピュータシステム101とコンピュータシステム102では、第1基本構成要素の種類と第2基本構成要素の種類(CPUの種類、PCIスロットの種類、メモリスロットの種類、チップセットの種類)が同じであるが、第1基本構成要素の数と第2基本構成要素の数(CPUの数、PCIスロットの数、メモリスロットの数、チップセットの数)が異なっている。この場合、コンピュータシステム101には、第1基本構成要素111、112、121〜123、131〜134、141とその数によりコンピュータシステム101をブートするためのBIOS161が必要であり、コンピュータシステム102には、第2基本構成要素111、121、131、132、141とその数によりコンピュータシステム102をブートするためのBIOS162が必要となる。
【0013】
したがって、従来では、コンピュータシステム101に対して仕様変更されたコンピュータシステム102を作成する場合、BIOS161とBIOS162の2種類のBIOSが必要であり、コンピュータシステムそのものが似通っているにもかかわらずBIOSが2種類存在することになり工数がかかってしまう。
【0014】
BIOSを具備するシステムについて紹介する。
【0015】
特開2000−235483号公報(特許文献1)には“情報処理装置”が記載されている。この情報処理装置は、システム情報が記憶された第1のメモリと、BIOSプログラムが記憶された第2のメモリとを具備し、電源投入時において、前記BIOSプログラムが前記第1のメモリ内のデータに基づいてシステム各部をチェックする情報処理装置において、ユーザの第1のキー操作に応じて前記第1のメモリ内のデータを前記第2のメモリに書き込み、ユーザの第2のキー操作に応じて前記第2のメモリ内のデータを前記第1のメモリに書き込む制御手段を具備してなることを特徴としている。
【0016】
特開平8−137588号公報(特許文献2)には“コンピュータシステム”が記載されている。このコンピュータシステムは、コンピュータ本体と、このコンピュータ本体に設けられたフロッピー(登録商標)ディスクコネクタと、3モードフロッピー(登録商標)ディスクドライブ装置と2モードフロッピー(登録商標)ディスクドライブ装置のいずれか一方の装置に対応して設けられ、その対応する装置を前記フロッピー(登録商標)ディスクコネクタに接続するインターフェースケーブルであって、前記対応する装置が前記フロッピー(登録商標)ディスクコネクタに接続された時、その装置と前記フロッピー(登録商標)ディスクコネクタに含まれる複数の電源またはグランドピンの中の所定ピンとの間が電気的に分離されるように構成されたインターフェースケーブルと、前記フロッピー(登録商標)ディスクコネクタの前記所定ピンの電圧に応じて、前記3モードフロッピー(登録商標)ディスクドライブ装置と前記2モードフロッピー(登録商標)ディスクドライブ装置のどちらが前記フロッピー(登録商標)ディスクコネクタに接続されているかを検出するドライブタイプ検出手段とを具備することを特徴としている。
【0017】
特開平8−179937号公報(特許文献3)には“ブートプログラム切替え装置”が記載されている。このブートプログラム切替え装置は、CPUをブートするためのブートプログラムを複数保持する保持手段と、前記CPUの強制リセットを行うリセット手段と、前記リセット手段によるリセットのタイミングで、前記保持手段に保持された複数のブートプログラムを切り替える切替え手段とを有することを特徴としている。
【0018】
【特許文献1】特開2000−235483号公報
【特許文献2】特開平8−137588号公報
【特許文献3】特開平8−179937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の課題は、BIOSを共通化して使用することができるコンピュータシステムを提供することにある。
本発明の他の課題は、開発工数を削減することができるコンピュータシステムを提供することにある。
本発明の更に他の課題は、コンピュータシステムの仕様を切り替えることができるコンピュータシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0021】
本発明のコンピュータシステム(1)(2)は、
自己のコンピュータシステム(1)(2)を制御する装置である基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)と、
前記基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)を表す装置固有情報と前記基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)の数とを含む装置情報(1’)(2’)が格納された格納部(51)(52)と、
前記格納部(51)(52)から前記装置情報(1’)(2’)を読み出し、前記装置情報(1’)(2’)に基づいて前記自己のコンピュータシステム(1)(2)をブートするBIOS(Basic Input/Output System)(61)と
を具備する。
【0022】
本発明のコンピュータシステム(1)(2)において、
前記基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)は、
CPU(Central Processing Unit)(11、12)(11)
を含む。
【0023】
本発明のコンピュータシステム(1)(2)において、
前記基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)は、
メモリスロット(21〜23)(21)
を更に含む。
【0024】
本発明のコンピュータシステム(1)(2)において、
前記基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)は、
PCI(Peripheral Component Interconect)スロット(31〜34)(31)
を更に含む。
【0025】
本発明のコンピュータシステム(1)(2)において、
前記基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)は、
チップセット(41)(41)
を更に含む。
【0026】
本発明のコンピュータシステム(3)では、
前記基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)のうちの第1、第2基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)と前記BIOS(61)は、それぞれ、第1、第2コンピュータシステム(1)(2)を構成し、
前記格納部(51)(52)は、前記第1、第2基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)を表す第1、第2装置固有情報と前記第1、第2基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)の数とを含む第1、第2装置情報(1’)(2’)が前記装置情報として格納された第1、第2格納部(51)(52)を備え、
前記BIOS(61)は、前記第1、第2格納部(51)(52)の一方の格納部(51/52)から前記第1、第2装置情報(1’)(2’)の一方の装置情報(1’/2’)を読み出し、前記一方の装置情報(1’/2’)に基づいて前記第1、第2コンピュータシステム(1)(2)の一方のコンピュータシステム(1/2)をブートする。
【0027】
本発明のコンピュータシステム(3)は、
前記一方のコンピュータシステム(1/2)が利用されるときに、前記一方の格納部(51/52)と前記BIOS(61)とを接続するスイッチ(71)
を更に具備する。
【0028】
本発明のコンピュータシステム(1)(2)の起動方法は、
自己のコンピュータシステム(1)(2)を制御する装置である基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)と、格納部(51)(52)と、BIOS(Basic Input/Output System)(61)とを具備するコンピュータシステム(1)(2)に適用され、
前記基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)を表す装置固有情報と前記基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)(11、21、31、32、41)の数とを含む装置情報(1’)(2’)を前記格納部(51)(52)に格納するステップと、
前記BIOS(61)が、前記格納部(51)(52)から前記装置情報(1’)(2’)を読み出し、前記装置情報(1’)(2’)に基づいて前記自己のコンピュータシステム(1)(2)をブートするステップと
を具備する。
【発明の効果】
【0029】
以上の説明により、本発明のコンピュータシステム(1)(2)では、BIOS(61)を共通化して使用することができる。即ち、コンピュータシステム(1)のBIOS(61)は、自己のコンピュータシステム(1)をブートするときに、装置情報(1’){第1基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)を表す装置固有情報、第1基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)の数}をSROM(51)から読み出す。コンピュータシステム(2)のBIOS(61)は、自己のコンピュータシステム(2)をブートするときに、装置情報(2’){第2基本構成要素(11、21、31、32、41)を表す装置固有情報、第2基本構成要素(11、21、31、32、41)の数}をSROM(52)から読み出す。このように、本発明のコンピュータシステム(1)(2)によれば、BIOS(61)を共通化することにより、BIOSを開発するための開発工数を削減することができる。
【0030】
また、本発明では、コンピュータシステム(1)の構成の基幹部分を同じにしたまま、コンピュータシステム(1)に対して仕様を変更して、コンピュータシステム(2)を作成する場合、コンピュータシステム全体を開発するときの開発工数を大幅に削減することができる。
【0031】
また、本発明のコンピュータシステム(3)では、コンピュータシステムの仕様をコンピュータシステム(1)(2)の一方のコンピュータシステムから他方のコンピュータシステムに切り替えることができる。
【0032】
また、本発明のコンピュータシステム(3)では、一方のコンピュータシステム(1/2)の基本構成要素の一部が故障してブートしなくなってしまった場合、スイッチ(71)により一方のSROM(51/52)とBIOS(61)との接続を、他方のSROM(52/51)とBIOS(61)との接続に切り替えることにより、コンピュータシステムの構成を縮小した状態でブートを試みることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に添付図面を参照して、本発明のコンピュータシステムについて詳細に説明する。
【0034】
(第1実施形態)
図2Aは、本発明のコンピュータシステムとしてコンピュータシステム1の構成を示している。コンピュータシステム1は、第1基本構成要素と、第1のSROM51(以下、SROM51)と、BIOS61とを具備している。
【0035】
第1基本構成要素は、自己のコンピュータシステム1を制御する装置である。第1基本構成要素は、CPU11、12と、メモリスロット21〜23と、PCIスロット31〜34と、チップセット41とを含んでいる。
【0036】
作業者は、第1基本構成要素11、12、21〜23、31〜34、41を表す装置固有情報と、第1基本構成要素11、12、21〜23、31〜34、41の数とを含む装置情報1’を、上記の装置情報として、SROM51に格納しておく。
【0037】
これにより、BIOS61は、コンピュータシステム1をブートするとき、SROM51から装置情報1’を読み出す。このとき、BIOS61は、その装置情報1’に基づいてコンピュータシステム1をブートする。
【0038】
コンピュータシステム1の構成の基幹部分を同じにしたまま、コンピュータシステム1に対して仕様を変更する場合、例えば、図2Bに示されるようなコンピュータシステムが作成される。
【0039】
図2Bは、本発明のコンピュータシステムとしてコンピュータシステム2の構成を示している。コンピュータシステム2は、第2基本構成要素と、第2のSROM52(以下、SROM52)と、BIOS61とを具備している。ここで、BIOS61は、コンピュータシステム1のBIOS61と同じ種類が使用される。
【0040】
第2基本構成要素は、自己のコンピュータシステム2を制御する装置である。第2基本構成要素は、CPU11と、メモリスロット21と、PCIスロット31、32と、チップセット41とを含んでいる。ここで、CPU11、メモリスロット21、PCIスロット31、32、チップセット41は、コンピュータシステム1の第1基本構成要素に含まれるCPU11、メモリスロット21、PCIスロット31、32、チップセット41と同じ種類が使用される
【0041】
作業者は、第2基本構成要素11、21、31、32、41を表す装置固有情報と、第2基本構成要素11、21、31、32、41の数とを含む装置情報2’を、上記の装置情報として、SROM52に格納しておく。
【0042】
これにより、BIOS61は、コンピュータシステム2をブートするとき、SROM52から装置情報2’を読み出す。このとき、BIOS61は、その装置情報2’に基づいてコンピュータシステム2をブートする。
【0043】
以上の説明により、本発明のコンピュータシステム1、2では、BIOS61を共通化して使用することができる。即ち、コンピュータシステム1のBIOS61は、自己のコンピュータシステム1をブートするときに、装置情報1’(第1基本構成要素11、12、21〜23、31〜34、41を表す装置固有情報、第1基本構成要素11、12、21〜23、31〜34、41の数)をSROM51から読み出す。コンピュータシステム2のBIOS61は、自己のコンピュータシステム2をブートするときに、装置情報2’(第2基本構成要素11、21、31、32、41を表す装置固有情報、第2基本構成要素11、21、31、32、41の数)をSROM52から読み出す。このように、本発明のコンピュータシステム1、2によれば、BIOS61を共通化することにより、BIOSを開発するための開発工数を削減することができる。
【0044】
また、本発明では、コンピュータシステム1の構成の基幹部分を同じにしたまま、コンピュータシステム1に対して仕様を変更して、コンピュータシステム2を作成する場合、コンピュータシステム全体を開発するときの開発工数を大幅に削減することができる。
【0045】
また、本発明では、例示してあるのはコンピュータシステム1、2の2台だが、この方式は2台以上の装置にも適用できる。
【0046】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態と重複する説明を省略する。
【0047】
図3は、本発明のコンピュータシステム3の構成を示している。コンピュータシステム3は、上記の第1基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)及び第2基本構成要素(11、21、31、32、41)と、上記のSROM51及びSROM52と、BIOS61と、スイッチ71とを具備している。
【0048】
第1基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)とBIOS61は、上記のコンピュータシステム1として第1コンピュータシステムを構成する。第2基本構成要素(11、21、31、32、41)とBIOS61は、上記のコンピュータシステム2として第2コンピュータシステムを構成する。
【0049】
スイッチ71は、第1端子、第2端子、第3端子(図示しない)を備えている。第1端子は、SROM51に接続されている。第2端子は、SROM52に接続されている。第3端子は、BIOS61に接続されている。スイッチ71は、SROM51とBIOS61との接続と、SROM52とBIOS61との接続とを切り替える。
【0050】
前述のように、作業者は、第1基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)を表す装置固有情報と、第1基本構成要素(11、12、21〜23、31〜34、41)の数とを含む装置情報1’を、上記の装置情報として、SROM51に格納しておく。また、作業者は、第2基本構成要素(11、21、31、32、41)を表す装置固有情報と、第2基本構成要素(11、21、31、32、41)の数とを含む装置情報2’を、上記の装置情報として、SROM52に格納しておく。
【0051】
利用者は、コンピュータシステム1、2の一方のコンピュータシステムを利用するときに、第1端子、第2端子の一方の端子と第3端子とが接続するように、スイッチ71を操作する。この場合、スイッチ71は、SROM51、52の一方のSROMとBIOS61とを接続する。これにより、BIOS61は、一方のコンピュータシステムをブートするとき、一方のSROMから装置情報1’、2’の一方の装置情報を読み出す。このとき、BIOS61は、その一方の装置情報に基づいて一方のコンピュータシステムをブートする。
【0052】
例えば、利用者は、コンピュータシステム1を利用するときに、第1端子と第3端子とが接続するように、スイッチ71を操作する。この場合、スイッチ71は、SROM51とBIOS61とを接続する。これにより、BIOS61は、コンピュータシステム1をブートするとき、SROM51から装置情報1’を読み出す。このとき、BIOS61は、装置情報1’に基づいてコンピュータシステム1をブートする。
【0053】
例えば、利用者は、コンピュータシステム2を利用するときに、第2端子と第3端子とが接続するように、スイッチ71を操作する。この場合、スイッチ71は、SROM52とBIOS61とを接続する。これにより、BIOS61は、コンピュータシステム2をブートするとき、SROM52から装置情報2’を読み出す。このとき、BIOS61は、装置情報2’に基づいてコンピュータシステム2をブートする。
【0054】
以上の説明により、本発明のコンピュータシステム3では、コンピュータシステムの仕様をコンピュータシステム1、2の一方のコンピュータシステムから他方のコンピュータシステムに切り替えることができる。
【0055】
また、本発明のコンピュータシステム3では、一方のコンピュータシステム(例えばコンピュータシステム1)の基本構成要素の一部が故障してブートしなくなってしまった場合、スイッチ71により一方のSROM(例えばSROM51)とBIOS61との接続を、他方のSROM(例えばSROM52)とBIOS61との接続に切り替えることにより、コンピュータシステムの構成を縮小した状態でブートを試みることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1A】図1Aは、従来のコンピュータシステムとしてコンピュータシステム101の構成を示している。
【図1B】図1Bは、従来のコンピュータシステムとしてコンピュータシステム102の構成を示している。
【図2A】図2Aは、本発明のコンピュータシステムとしてコンピュータシステム1の構成を示している(第1実施形態)。
【図2B】図2Bは、本発明のコンピュータシステムとしてコンピュータシステム2の構成を示している(第1実施形態)。
【図3】図3は、本発明のコンピュータシステム3の構成を示している(第2実施形態)。
【符号の説明】
【0057】
1、2、3 マシン、
1’、2’ 装置情報、
11、12 CPU、
21〜23 メモリ、
31〜34 PCIスロット、
41 チップセット、
51、52 SROM、
61 BIOS、
71 スイッチ、
101、102 マシン、
111、112 CPU、
121〜123 メモリ、
131〜134 PCIスロット、
141 チップセット、
161、162 BIOS、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己のコンピュータシステムを制御する装置である基本構成要素と、
前記基本構成要素を表す装置固有情報と前記基本構成要素の数とを含む装置情報が格納された格納部と、
前記格納部から前記装置情報を読み出し、前記装置情報に基づいて前記自己のコンピュータシステムをブートするBIOS(Basic Input/Output System)と
を具備するコンピュータシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記基本構成要素は、
CPU(Central Processing Unit)
を含むコンピュータシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記基本構成要素は、
メモリスロット
を更に含むコンピュータシステム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記基本構成要素は、
PCI(Peripheral Component Interconect)スロット
を更に含むコンピュータシステム。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれかに記載のコンピュータシステムにおいて、
前記基本構成要素は、
チップセット
を更に含むコンピュータシステム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンピュータシステムにおいて、
前記基本構成要素のうちの第1、第2基本構成要素と前記BIOSは、それぞれ、第1、第2コンピュータシステムを構成し、
前記格納部は、前記第1、第2基本構成要素を表す第1、第2装置固有情報と前記第1、第2基本構成要素の数とを含む第1、第2装置情報が前記装置情報として格納された第1、第2格納部を備え、
前記BIOSは、前記第1、第2格納部の一方の格納部から前記第1、第2装置情報の一方の装置情報を読み出し、前記一方の装置情報に基づいて前記第1、第2コンピュータシステムの一方のコンピュータシステムをブートする
コンピュータシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンピュータシステムにおいて、
前記一方のコンピュータシステムが利用されるときに、前記一方の格納部と前記BIOSとを接続するスイッチ
を更に具備するコンピュータシステム。
【請求項8】
自己のコンピュータシステムを制御する装置である基本構成要素と、格納部と、BIOS(Basic Input/Output System)とを具備するコンピュータシステムに適用される方法であって、
前記基本構成要素を表す装置固有情報と前記基本構成要素の数とを含む装置情報を前記格納部に格納するステップと、
前記BIOSが、前記格納部から前記装置情報を読み出し、前記装置情報に基づいて前記自己のコンピュータシステムをブートするステップと
を具備するコンピュータシステムの起動方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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