説明

コンピュータ周辺装置

【課題】 コンピュータで文書データを作成する際に、文字絵などのコンテンツを容易に文書データに貼り付けて楽しむことのできるコンピュータ周辺装置を提供する。
【解決手段】 装置本体がコンピュータに着脱可能にされたコンピュータ周辺装置(1)である。装置本体には、コンピュータとの間で信号の入出力を行うインターフェース部と、外部から操作可能でありコンテンツデータの出力をコンピュータに指示するための出力キー(17)とが設けられ、さらに、前記コンテンツデータを記憶したコンテンツ記憶媒体を備え、装置本体がコンピュータ(100)に接続された状態で出力キー(17)が操作されることで、コンテンツデータがコンピュータ(100)の文書データ中に付加される構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンピュータに接続されて所定の機能を提供するコンピュータ周辺装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータに接続されて様々な機能を提供するコンピュータ周辺機器がある。記憶装置やキーボードなどの実用的な機能を提供するものから、コンピュータの画面上にキャラクターを表示させて遊ぶことのできる趣味的な機能を提供するものまである。
【0003】
また、本発明に関連する技術として、特許文献1には、移動体通信端末において定型句や顔文字などをグループ分けしてユーザが選択しやすいようにする技術が開始されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−270115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、コンピュータを使用して、電子メールの作成、ブログや電子掲示板への書き込みなど、文書データを作成することが多くなっている。また、このような文書データには、文字に加えて、文字と記号により表現される絵図のコンテンツ(顔文字やアスキーアートなど)や、マルチメディアコンテンツ(画像、動画、音声など)などが挿入されることもある。
【0006】
本発明者らは、文書データの作成の際、特殊なコンテンツを文書データに容易に挿入することができたり、旅先でその土地にちなんだコンテンツを文書データに容易に挿入することができれば、文書データに独自性や興趣性を付加してユーザが楽しめるのではないかと考えた。
【0007】
この発明の目的は、コンピュータで文書データを作成する際に、所定のコンテンツを容易に文書データに付加することのできるコンピュータ周辺装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
装置本体がコンピュータに着脱可能にされたコンピュータ周辺装置であって、
前記装置本体には、
前記コンピュータとの間で信号の入出力を行うインターフェース部と、
外部から操作可能でありコンテンツデータの出力を前記コンピュータに指示するための出力キーと、
が設けられ、
さらに、前記コンテンツデータを記憶したコンテンツ記憶媒体を備え、
前記装置本体がコンピュータに接続された状態で前記出力キーが操作されることで、前記コンテンツデータが当該コンピュータの文書データ中に付加または付加可能な状態にされることを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコンピュータ周辺装置において、
前記コンテンツ記憶媒体は、前記装置本体内に設けられ、
前記装置本体には、
前記コンテンツデータを前記インターフェース部を介して前記コンピュータへ読み出し可能とするデータ読出手段が設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のコンピュータ周辺装置において、
前記コンテンツ記憶媒体は、コンピュータによりデータ読取可能な構成であり、且つ、前記装置本体とは別体に設けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のコンピュータ周辺装置において、
前記装置本体がコンピュータに接続された状態で前記出力キーが操作されることで、前記コンテンツデータのコンテンツが前記文書データの表示画面中のカーソル位置に貼り付けられることを特徴としている。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のコンピュータ周辺装置において、
前記コンテンツデータには、文字または記号を複数行および複数列に配置させて絵図を形成する文字絵のデータ、画像データ、動画データ、または、音声データが含まれることを特徴としている。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載のコンピュータ周辺装置において、
前記コンテンツ記憶媒体には、複数のコンテンツデータが記憶され、
前記装置本体には、
前記複数コンテンツデータの中から何れかのコンテンツデータを選択するための選択キーが設けられ、
前記選択キーの操作によって選択されたコンテンツデータのコンテンツが前記出力キーの操作によって前記コンピュータの文書データ中に付加又は付加可能な状態にされることを特徴としている。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載のコンピュータ周辺装置において、
前記複数のコンテンツデータは複数のカテゴリにグループ分けされ、
前記選択キーは、前記複数のカテゴリに対応して複数個設けられ、
前記複数個の選択キーの何れかが操作されることで、操作された選択キーに対応するカテゴリのコンテンツデータが選択されることを特徴としている。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項6又は7に記載のコンピュータ周辺装置において、
コンピュータに、
当該コンピュータの表示画面上に前記コンテンツデータの見本出力用の表示窓を出力する表示窓出力機能と、
前記選択キーが操作された場合に選択されたコンテンツデータの見本を前記表示窓に出力する選択コンテンツ見本出力機能と、
前記出力キーが操作された場合に前記表示枠に出力されているコンテンツデータのコンテンツをカーソル位置に貼り付けるコンテンツ貼り付け機能と、
を実現させる制御プログラムを記憶した記憶媒体を備え、
前記装置本体がコンピュータに接続された状態で当該コンピュータにより前記制御プログラムが実行されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に従うと、コンピュータ周辺装置のコンテンツ記憶媒体に種々のコンテンツデータを記憶させておくことで、ユーザはこのコンピュータ周辺装置をコンピュータに接続してキー操作を行うことで、上記コンテンツ記憶媒体のコンテンツを容易に文書データに付加することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態のアートボード装置の外観を示す平面図である。
【図2】第1実施形態のアートボード装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】シリアルROMに格納されているデータの内容を示すデータチャートである。
【図4】アートボード装置の使用手順の一例を示した説明図である。
【図5】アートボード装置が接続されたコンピュータにより実行されるアートボード制御プログラムの制御手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態のアートボード装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態のアートボード装置1の外観を示す平面図、図2は、このアートボード装置1の内部構成を示すブロック図である。
【0020】
この実施形態のコンピュータ周辺装置としてのアートボード装置(装置本体)1は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータに接続して使用されるもので、図1に示すように、複数の選択キー13〜16および出力キーとしてのエンターキー17が設けられた本体部12と、コンピュータに着脱されるUSB(Universal Serial Bus)コネクタ11とを備えている。
【0021】
また、その本体部12には、図2に示すように、USBモジュールを複数接続するためのインターフェース部としてのUSBハブ21と、コンテンツデータや制御プログラムが記憶された記憶媒体およびコンテンツ記憶媒体としてのシリアルROM(Read Only Memory)24と、コンピュータに対して汎用のUSBディスクドライブとして振舞ってシリアルROM24からデータの読み出しを行うデータ読出手段としてのUSBダミーディスクドライブ22と、選択キー13〜16およびエンターキー17の各接点スイッチの信号を入力してキー操作の有無を表わす信号をコンピュータへ送信するキーボードコントローラ23等が設けられている。そして、USBコネクタ11がUSBハブ21に接続され、USBハブにUSBダミーディスクドライブ22とキーボードコントローラ23とが並列に接続されている。特に制限されるものでないが、上記構成のうちUSBハブ21、USBダミーディスクドライブ22およびキーボードコントローラ23は、例えば、1個の半導体集積回路に集積化されている。
【0022】
シリアルROM24には、コンピュータにアートボード装置1の機能を実現させるアートボード制御プログラム242と、コンピュータにUSBコネクタ11が接続された場合にコンピュータでアートボード制御プログラム242を自動起動させるための自動起動スクリプト241とが格納されている。
【0023】
また、シリアルROM24には、複数のコンテンツデータが格納された文字絵データテーブル243が格納されている。図3の例では、アートボード制御プログラム242の内部に文字絵データテーブル243が含まれる形態になっている。なお、文字絵データテーブル243はアートボード制御プログラム242から独立したデータファイルとしてシリアルROM24に格納され、アートボード制御プログラム242の中から文字絵データテーブル243のデータファイルが呼び出されてコンテンツデータが使用される形態としても良い。
【0024】
文字絵データテーブル243には、文字絵(アスキーアートとも呼ばれる)を表わすデータA1〜A5,B1〜B5,C1〜C5,D1〜D5が格納されている。文字絵とは、文字や記号を複数行および複数列に配置して人物や風景ならびにキャラクター等の絵図を表現したものである。上記文字絵のデータA1〜A5,B1〜B5,C1〜C5,D1〜D5は、種々の文字絵を表わすテキストコード列のデータである。
【0025】
また、特に制限されるものではないが、この実施形態の文字絵データテーブル243には、4個の選択キー13〜16に対応させて第1パターン〜第4パターンの絵文字のデータA1〜A5,B1〜B5,C1〜C5,D1〜D5がグループ分けされて登録されている。第1パターンの文字絵データA1〜A5は喜んだ表情をしたキャラクターの絵図、第2パターンの文字絵データB1〜B5は怒った表情をしたキャラクターの絵図、第3パターンの文字絵データC1〜C5は悲しんだ表情をしたキャラクターの絵図、第4パターンの文字絵データD1〜D5は楽しい表情をしたキャラクターの絵図をそれぞれ表現したものである。
【0026】
なお、文字絵データテーブル243に登録される文字絵データの内容やグループ分けの仕様は、上記の例に限られるものでない。例えば、複数種類のキャラクターの絵図を表現した文字絵データを複数登録して、キャラクターの種類ごとにグループ分けするなど、種々の変更が可能である。
【0027】
次に、上記構成のアートボード装置1の動作および使用方法について説明する。
【0028】
図4には、アートボード装置1の使用手順の一例を表わした説明図を示す。図4は、アートボード装置1を用いて送信メールの本文中に文字絵を挿入する例を示している。図4(b),(d)において、選択キー13〜16とエンターキー17のうち斜線の影付けによりキーが押されたことを表わしている。
【0029】
先ず、図4(a)に示すように、コンピュータ100にアートボード装置1を接続すると、文字絵の見本出力用の表示窓31が表示画面101のデスクトップ上に表示出力される。
【0030】
詳細には、アートボード装置1をコンピュータ100に接続すると、コンピュータ100は、先ず、USBハブ21を汎用ハブとして認識し、次に、USBハブ21に接続されたUSBダミーディスクドライブ22をディスクドライブとして認識し、キーボードコントローラ23を汎用キーボードとして認識する。さらに、コンピュータ100は、シリアルROM24をディスクドライブに搭載されたコンパクトディスクROMとして認識して、その中の自動起動スクリプト241を自動的に読み出す。そして、自動起動スクリプト241に自動起動プログラムとして記載されているアートボート制御プログラム242を自動的に実行する。それにより、上記の表示窓31の表示出力が行われる。
【0031】
次に、図4(b)に示すように、表示窓31が表示された状態で、ユーザがアートボード装置1の選択キー13〜16の何れか(例えば選択キー16)を押すと、この選択キー16に対応してグループ分けされている文字絵データD1〜D5の中から1つが読み出されて表示窓31にこの文字絵が出力される。
【0032】
なお、ここで、別の選択キー(例えば選択キー15)を押せば、その選択キー15に対応してグループ分けされている文字絵データC1〜C5の中から1つが読み出されて表示窓31にこの文字絵が表示される。また、同一の選択キー16を続けて押すことで、同一グループ内の複数の文字絵データD1〜D5の中から別のデータが読み出されてこの文字絵が表示窓31に出力されることになる。すなわち、複数の選択キー13〜16の何れかを選択的に押すことで、第1パターンから第4パターンの4つのグループの選択ができ、同一の選択キーを複数回押すことで、同一グループ内の複数の文字絵データの中から何れか1つを選択することができるようになっている。
【0033】
そして、文書データに挿入する文字絵の選択が完了したら、図4(c)に示すように、ユーザは、文字絵を挿入する文書データ(例えば送信メール文書データ)のウインドウ41にフォーカスを移し、文字絵の挿入箇所にカーソルを移動させる。
【0034】
続いて、図4(d)に示すように、ユーザはこの状態でアートボード装置1のエンターキー17を押す。すると、選択されて表示窓31に出力されていた文字絵が文書中のカーソル位置に貼り付けられる。
【0035】
このように、ユーザは、アートボード装置1にデータ登録されている絵文字を、その見本を確認しながら容易にコンピュータ100上の文書データ中に挿入することが可能になっている。
【0036】
次に、アートボード装置1の上記機能をコンピュータ上で実現するアートボード制御プログラム242について詳細に説明する。
【0037】
図5には、このアートボード制御プログラム242の制御手順を表わしたフローチャートを示す。
【0038】
このアートボード制御プログラム242は、アートボード装置1をコンピュータに接続することでコンピュータのCPUにより実行される。或いは、アートボード装置1をコンピュータに接続した後、ユーザがコンピュータ上でこのプログラムの実行指示を与えることでコンピュータのCPUにより実行される。
【0039】
アートボード制御プログラム242が開始されると、先ず、CPUは、文字絵の見本が表示される専用の表示窓31(図4参照)を表示画面101のデスクトップ上に出力させる(ステップQ1: 表示窓出力機能)。次に、CPUは、選択キー13〜16の操作があったか確認し(ステップQ2)、無ければ、エンターキー17の操作があったか確認する(ステップQ6)。さらに、エンターキー17の操作も無ければステップQ2に戻って、再び、これらのキー操作の確認処理を繰り返す。
【0040】
一方、ステップQ2の確認処理で、選択キー13〜16の何れかが操作されたと判別されたら、文字絵データテーブル243の第1パターン〜第4パターンの文字絵データA1〜A5,B1〜B5,C1〜C5,D1〜D5のうち、操作された選択キーに対応づけられたパターンの文字絵データを1番目から5番目へとサイクリックに切り替えて選択する(ステップQ3)。そして、選択されている文字絵データを文字絵データテーブル243から読み出して、この文字絵を表示窓31に表示出力する(ステップQ4:選択コンテンツ見本出力機能)。さらに、この絵文字データを、コンピュータ上の文書中に貼り付け可能とするクリップボード(共有メモリ領域)へコピーする(ステップQ5)。そして、ステップQ6のエンターキー17の確認処理に移行する。
【0041】
なお、アートボード制御プログラム242の起動時に、文字絵データテーブル243がコンピュータのメモリ上に読み出されている場合には、上記ステップQ4の選択されている文字絵データの読出しは、メモリ上の文字絵データテーブル243から読み出すようにすれば良い。また、文字絵データのクリップボードへのコピーは、表示窓31に表示出力した文字絵を全選択するコマンドと、コピーコマンドとを表示窓31のウインドウへ送ることで実現するようにしても良い。
【0042】
また、ステップQ6の確認処理で、エンターキー17の操作ありと判別されたら、コンピュータのCPUは現在のフォーカスがあるウインドウにペーストコマンドを送る(ステップQ7)。これにより、フォーカスのあるウインドウのカーソル位置にクリップボードにコピーされた文字絵データが貼り付けられる。上記のステップQ5,Q7の処理によりコンテンツ貼り付け機能が構成される。その後、再び、ステップQ2のキー操作の確認処理へ戻る。
【0043】
このようなアートボード制御プログラム242によって、図4(a)〜(d)で説明した機能動作が実現される。
【0044】
以上のように、この第1実施形態のアートボード装置1によれば、コンピュータに接続して選択キー13〜16やエンターキー17を操作することで、コンピュータの文書データ中に文字絵などのコンテンツを簡単に付加することができる。従って、特殊な文字絵が登録されたアートボード装置1を用いることで、電子メール、ブログ、または電子掲示板などの文書データ中に、この特殊な文字絵を簡単に付加することができる。また、旅先などでその土地にちなんだ文字絵が登録されているアートボード装置1を使用することで、電子メール、ブログまたは電子掲示板などの文書データ中に、その土地にちなんだ文字絵を簡単に挿入することができる。
【0045】
また、この実施形態のアートボード装置1では、エンターキー17を操作することで、コンピュータの現在のカーソル位置に文字絵が貼り付けられるようになっているので、ユーザにとってどこに文字絵が挿入されるのか分かりやすくなっている。
【0046】
また、この実施形態のアートボード装置1によれば、複数種類の文字絵がグループ分けされて登録され、複数の選択キー13〜16を操作することで、これらの文字絵を選択して貼り付けることができるので、ユーザは多くの文字絵の中から所望のものを容易に選択して使用することができる。
【0047】
また、この実施形態のアートボード装置1によれば、アートボード制御プログラム242がコンピュータにより実行されることで、見本出力用の表示窓31がデスクトップ上に表示され、この表示窓31で文字絵の見本を確認しながら文字絵を選択することができるので、ユーザは多くの文字絵の中から所望のものを間違いなく選択して使用することができる。
【0048】
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態のアートボード装置1Aを示すブロック図である。
【0049】
第2実施形態のアートボード装置1Aは、アートボード制御プログラム242Aおよび文字絵データテーブル243Aを格納した記憶媒体24Aを、USBコネクタ11と本体部12Aからなる装置本体と別体に構成したものである。その他、操作キーの構成などは第1実施形態とほぼ同様である。
【0050】
記憶媒体24Aを別体構成としたため、第2実施形態のアートボード装置1Aの本体部12Aからは、第1実施形態のUSBダミーディスクドライブ22およびシリアルROM24が省かれている。そして、本体部12Aには主にキーボードコントローラ23のみが設けられて、これがUSBコネクタ11に直接的に接続されている。
【0051】
記憶媒体24Aは、例えばコンパクトディスクなどからなり、コンピュータ100によってデータ読取可能な構成である。この記憶媒体24Aは、アートボード制御プログラム242Aを記憶する記憶媒体、および、文字絵データテーブル243Aを記憶するコンテンツ記憶媒体として構成されている。アートボート制御プログラム242Aと文字絵データテーブル243Aは、第1実施形態のアートボード制御プログラム242と文字絵データテーブル243とほぼ同様のものである。ただし、特に制限されるものではないが、第2実施形態においては、文字絵データテーブル243Aを独立的なデータファイルとし、アートボード制御プログラム242Aの中から文字絵データテーブル243Aが呼び出されてコンテンツデータが読み出されるように構成している。
【0052】
上記構成のアートボード装置1Aによれば、装置本体をコンピュータ100に接続し、且つ、記憶媒体24Aをコンピュータ100のデータ読込装置(光ディスクドライブなど)にセットして、ユーザがアートボード制御プログラム242Aを実行させることで、第1実施形態と同様の動作によって、文書データ中に所望のコンテンツを挿入できるようになっている。
【0053】
なお、記憶媒体24Aに、アートボード制御プログラム242Aを自動起動させる自動起動スクリプトを格納しておき、記憶媒体24Aをコンピュータ100のデータ読込装置に挿入することで、自動的にアートボード制御プログラム242Aが実行されるように構成しても良い。
【0054】
以上のように、この第2実施形態のアートボード装置1Aによれば、第1実施形態と同様に、電子メール、ブログまたは電子掲示板などの文書データ中に、様々な文字絵を簡単に挿入することができる。
【0055】
なお、本発明は、上記第1および第2の実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態では、選択キー13〜16が操作されることで文字絵のデータがコンピュータのクリップボードにコピーされ、エンターキー17が操作されることでコンピュータの文書ウインドウ中に文字絵が貼り付けられる構成を例示したが、選択キー13〜16の操作では文字絵のデータをクリップボードへコピーする処理は行わず、且つ、エンターキー17が操作されたときに文字絵のデータをコンピュータのクリップボードにコピーするだけとし、それにより、文字絵を文書ウインドウ中に貼り付け可能な状態としても良い。その後にユーザがコンピュータ上で貼付けの操作を行うことで文字絵を文書ウインドウ中に貼り付けることができる。
【0056】
また、上記実施形態では、選択キー13〜16やエンターキー17を汎用キーボードとしてコンピュータに認識させる構成を例示したが、専用の操作キーとしてコンピュータに操作信号を送る構成としても良い。また、第1実施形態では、制御プログラムやコンテンツデータ(例えば絵文字データ)をコンピュータに読み出すための構成として、汎用のディスクドライブとして振舞ってシリアルROM24のデータを読み出す構成を例示したが、例えば、メモリコントローラを介して制御プログラムやコンテンツデータを格納した半導体メモリがコンピュータに接続される構成など、種々の変形を適用可能である。
【0057】
また、文字絵をコンピュータの文書データの表示画面上に挿入する方法も、コンピュータのコピーおよび貼り付けの機能を使うものに限られず、文字絵を実際に書き出す一連のキーボードの操作コマンドをコンピュータへ遂次出力することで文字絵を文書画面上へ出力するようにしても良い。
【0058】
また、文書データ中に挿入可能とするコンテンツデータは、文字絵のデータに制限されるものでなく、例えば、画像データ、動画データ、音声データなどのマルチメディアコンテンツのデータを含めるようにしても良い。また、複数のコンテンツのグループ分けの形態も、喜怒哀楽の表情によるグループ分けに制限されるものでなく、種々の内容に応じたグループ分けを適用することができる。
【0059】
また、上記第1実施形態では、制御プログラムとコンテンツデータとの両方を本体部12の記憶媒体(シリアルROM)に格納した例を示し、第2実施形態では、制御プログラムとコンテンツデータの両方を装置本体と別体の記憶媒体(24A)に格納した例を示したが、制御プログラムは光ディスクなどに格納して装置本体と別体に提供する一方、コンテンツデータは装置本体内に格納するようにしても良い。
【0060】
また、アートボード装置1の接続対象のコンピュータとして、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話などの携帯情報端末など種々のコンピュータを対象としても良い。
【0061】
その他、コンピュータと接続するためのインターフェースは、USBに限られず、有線および無線を含めた種々のインターフェースを適用することができるし、制御プログラムを自動起動とせずにユーザの指示操作による起動としても良いなど、実施形態で示した細部構造および細部方法は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0062】
1,1A アートボード装置(コンピュータ周辺装置)
11 USBコネクタ
12 本体部
13〜16 選択キー
17 エンターキー
21 USBハブ
22 USBダミーディスクドライブ
23 キーボードコントローラ
24 シリアルROM
31 表示窓
242 アートボード制御プログラム
243 文字絵データテーブル
A1〜A5,B1〜B5,C1〜C5,D1〜D5 文字絵データ
100 コンピュータ
101 表示画面
24A CD−ROM
242A アートボード制御プログラム
243A 文字絵データテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体がコンピュータに着脱可能にされたコンピュータ周辺装置であって、
前記装置本体には、
前記コンピュータとの間で信号の入出力を行うインターフェース部と、
外部から操作可能でありコンテンツデータの出力を前記コンピュータに指示するための出力キーと、
が設けられ、
さらに、前記コンテンツデータを記憶したコンテンツ記憶媒体を備え、
前記装置本体がコンピュータに接続された状態で前記出力キーが操作されることで、前記コンテンツデータが当該コンピュータの文書データ中に付加または付加可能な状態にされることを特徴とするコンピュータ周辺装置。
【請求項2】
前記コンテンツ記憶媒体は、前記装置本体内に設けられ、
前記装置本体には、
前記コンテンツデータを前記インターフェース部を介して前記コンピュータへ読み出し可能とするデータ読出手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のコンピュータ周辺装置。
【請求項3】
前記コンテンツ記憶媒体は、コンピュータによりデータ読取可能な構成であり、且つ、前記装置本体とは別体に設けられていることを特徴とする請求項1記載のコンピュータ周辺装置。
【請求項4】
前記装置本体がコンピュータに接続された状態で前記出力キーが操作されることで、前記コンテンツデータのコンテンツが前記文書データの表示画面中のカーソル位置に貼り付けられることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のコンピュータ周辺装置。
【請求項5】
前記コンテンツデータには、文字または記号を複数行および複数列に配置させて絵図を形成する文字絵のデータ、画像データ、動画データ、または、音声データが含まれることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のコンピュータ周辺装置。
【請求項6】
前記コンテンツ記憶媒体には、複数のコンテンツデータが記憶され、
前記装置本体には、
前記複数コンテンツデータの中から何れかのコンテンツデータを選択するための選択キーが設けられ、
前記選択キーの操作によって選択されたコンテンツデータのコンテンツが前記出力キーの操作によって前記コンピュータの文書データ中に付加又は付加可能な状態にされることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のコンピュータ周辺装置。
【請求項7】
前記複数のコンテンツデータは複数のカテゴリにグループ分けされ、
前記選択キーは、前記複数のカテゴリに対応して複数個設けられ、
前記複数個の選択キーの何れかが操作されることで、操作された選択キーに対応するカテゴリのコンテンツデータが選択されることを特徴とする請求項6記載のコンピュータ周辺装置。
【請求項8】
コンピュータに、
当該コンピュータの表示画面上に前記コンテンツデータの見本出力用の表示窓を出力する表示窓出力機能と、
前記選択キーが操作された場合に選択されたコンテンツデータの見本を前記表示窓に出力する選択コンテンツ見本出力機能と、
前記出力キーが操作された場合に前記表示枠に出力されているコンテンツデータのコンテンツをカーソル位置に貼り付けるコンテンツ貼り付け機能と、
を実現させる制御プログラムを記憶した記憶媒体を備え、
前記装置本体がコンピュータに接続された状態で当該コンピュータにより前記制御プログラムが実行されることを特徴とする請求項6又は7に記載のコンピュータ周辺装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−227702(P2011−227702A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96839(P2010−96839)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】