説明

コンピュータ実現の学習方法および学習装置

コンピュータ実現の適応的学習方法が開示されている。本方法は、ユーザによって行われているタスクの文脈内で実行するように意図されている。上記タスクの一部として上記ユーザに提示される一連の要素のうちの少なくとも1つが、学習項目として指定される。学習オブジェクトは、指定された上記学習項目と、上記ユーザに関する、上記学習方法の以前の実行に関する情報と、上記ユーザのための学習プロセス全体を管理するために考案された所定のスキームとに応じて選択される。選択された当該学習オブジェクトの上記ユーザへの提示は、指定された上記学習項目に関する上記ユーザの知識をある形式にて向上させるように意図されている。上記学習オブジェクトが上記ユーザに提示されると、上記情報は、提示された上記学習オブジェクトに応じて、および/または、提示された上記学習オブジェクトに対して上記ユーザがどのように対話または応答するのかに応じて、更新される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ実現の学習方法および学習装置に関する。本発明は、任意の教科(subject)または技能の学習に適用可能であり、特に言語学習に適用可能であるが、言語学習への適用に限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
いくつかの技能、教科、または知識体系の学習は、多くの年数を要しうる長期的プロセスである場合が多い。例えば言語学習の場合、単語に関する知識は、入念な勉強および練習によって、さらに、(例えば読書および会話において)偶発的な読書や会話を通じて、長い期間をかけて(over time)累積されていく。
【0003】
近年の学習理論は、入念な勉強および練習に加えて、実践により学習する必要性を重視している。このような理論は、意味のあるタスクを基本とするアクティビティ(activity)の文脈(context)中において(文脈化(contextualization)と呼ばれる)、人工的ではない本物の文脈(authentic context)が用いられているときに、学習がより効果的かつ学習者の意欲を高めるとするものである。理論上、人は、その技能を学習するために特別に設計された人工的なタスクまたは課題を通してではなく、その技能を必要とする個別の関連するタスクまたはアクティビティを行うことによって、その技能をより効果的に学習することができる。言語学習では、例えば多読は、流暢に読むのに適したレベルの本物のテキスト(authentic text)を大量に読むことによって、文法や語彙などのような言語技能を学習する方法である。多読は、生徒が流暢に読むことができるようになり、好きなことをしながら達成感を得ることができるため、生徒の意欲を非常に高めることができる方法である。言語学習の本物のタスク(authentic task)の他の例は、これらに限定されるものではないが、会話、映画の視聴またはリスニング、レポートまたは手紙の執筆、文書の翻訳、辞書の使用、言語を使用した対話(interaction)を伴うゲームのプレイを含んでいる。本物のタスクは、学習方法を支援する目的だけのために設計されたタスクではなく、すなわち、関連技能の学習とは独立して、それ自体のみを実行可能なタスクである。
【0004】
言語学習では、語彙、文法、および発音という、言語の基礎的な面(aspect)と、リーディング(読む)、ライティング(書く)、リスニング(聞く)、およびスピーキング(話す)という4つの基本技能とを学習する必要がある。言語(母語または第2言語)の学習には長い期間がかかりうるため、管理によって学習プロセスをより効果的かつ効率的にできることが分かっている。例えば、単語に関する知識の様々な面を学習するには、複数の細かなステップにおいて、まず語形(form)(綴りおよび発音)の学習から意味の学習へと進み、次に句および文での用法の学習へ進むのが最良であることが分かっている。さらに単語は、概ねその言語における使用頻度と相関がある単語の難易度の順で、より効率的に学習される(非特許文献1に記載されている)。言語の語彙および他の面に関する学習プロセスは、良好な結果および効率を達成するため、および学習に対する意欲を維持するために、長期間にわたって注意深く指導および管理されなければならない。さらに、全ての学習者はそれぞれ独自のペースで進歩していくため、個人別の管理が必要とされる。
【0005】
しかし、指導された学習(directed learning)が要求されることは、文脈化された学習が要求されることといくらか対立する。これは、特に単語が現段階の学習者には難しすぎるため現時点では(now)調べずにおいて後で調べた方が好ましい場合には、学習者が、調べる(例えば知らない単語の発音または意味を調べる)ために本物のタスク(例えばリーディングの本物のタスク)を過度に中断したくないからである。さらに、学習者の知識は時間が経つにつれて(over time)向上するため、単語に遭遇する度に異なる情報またはアクティビティが必要とされ、適切な情報を探すのには時間が掛かる。その一方で、その情報を持たないことは、リーディングの流暢さに影響を与え、より一般的にはタスクの実行に悪影響を与えうる。従って、学習を促進させる一方でタスク実行に過度に影響を及ぼすことのない、(時間が経つにつれて変化する)情報またはアクティビティを迅速に提示し、これによって効果的かつ意欲を高める学習システムを提供することが必要とされている。つまり、学習者に適応することのできる、文脈化された学習方法と指導された学習方法との効果的な組み合わせが必要とされている。
【0006】
学習プロセスを管理する旧来の方法は、人間中心である。例えば、どのようなカリキュラム、方策(strategy)、課題、および学習教材を使用すべきであるのかを、教師が決定する。このような方法は、大きな労力がかかり、個々の学習者が必要とするものに応じてパーソナライズするのは容易ではない。学習者は、自己指導型方法を用いて自身の学習を管理することもできるが、人手による管理の負担は多大なものとなる可能性があり、結果的には非効率、意欲の低下、および学習の不成功につながる。例えば学習者は、知らない単語に遭遇する度に辞書を調べて、必要とする単語知識の適切な面を辞書項目(dictionary entry)中から探す。しかし、これによって、学習者は、リーディングタスクから気が逸れ、リーディングが困難になる。
【0007】
本物のタスクの実行中における言語学習を支援および管理するための、様々なデバイスおよびコンピュータシステムが開発されてきた。例えば、リーディング支援システムは、学習者がテキストを読むのと同時に言語技能(例えば、語彙や文法)を学習することを可能にする。先行技術では、テキストから或る単語が選択されたときに、その単語に関する様々なタイプの情報、例えば単語の訳語、単語の定義(特許文献1)、例文(特許文献2)、音声発音(LeapFrog(登録商標)エンタープライズによるLeapPad(登録商標)デバイス)、マルチメディア・プレゼンテーションなどを、表示または提示する方法が周知である。このような方法は、ユーザに適応するものではなく、常に同じ情報を提示する(例えば、或る単語が選択されたときに常にその単語の定義を提示する、あるいは、単に、異なるタイプの複数の情報を交互に提示する)。これらの方法は、学習者が進歩する助けにならない。
【0008】
インテリジェント個人指導システム(Intelligent Tutoring System)または教育エキスパートシステム(Instructional Expert System)は、適応的な、コンピュータベースの解決策である。このようなシステムの一般的な構造は、先行技術において周知であり、例えば、ユーザに1つ以上の課題を提示するステップと、ユーザモデルにおけるユーザの成績(performance)を探知するステップと、推論エンジンおよび教育モデルを用いて学習者の強みおよび弱みを推論するステップと、1つ以上の適切な課題を選択することによってシステムの応答を適応させて、教育モデルに従って次を提示するステップとを含んでいる。このようなシステムは、典型的には、一連の質疑応答型シーケンス、または人間とコンピュータとの対話システムに組み込まれている。先行技術の一例では、REAPシステム(非特許文献2)は、生徒がまだ学習していない語彙を含む文書を探す。上記システムは、所定の単語リスト内の各単語に対して語彙課題を自動的に生成することによって、まず生徒の現在の語彙知識を試験する。次に、上記システムは、生徒がまだ学習していない単語を1つ以上含む文書を探す。生徒がその文書を読んだ後、上記システムは、ターゲット単語に関するさらなる語彙課題を生成して、学習されたかどうかを判定する。次に、上記システムは、続くリーディング教材を選択する。上記REAPシステムは、リーディングの前および後に語彙質問を解く人工的なタスク、および文書を読む本物のタスク、という2つのタイプのタスクを含んでいる。しかし、上記システムは、長い時間が掛かりユーザの意欲を低下させるタスクである、人工的な質疑応答タスク中においてしか、ユーザに適応することができない。上記システムは、ユーザが文書を読んでいる間に、適切な教育内容を適応または提示させない。一般的に、このようなインテリジェント個人指導システムは、文脈化されていない。このようなシステムにおけるタスクは、主として教育上の目的のために、一連の質問または人間とコンピュータとの対話としてシステムが生成するものであるため、人工的である。
【0009】
別のタイプの適応システムは、学習原理を暗記として具現化する、フラッシュカード、または、キューおよび応答システム(cue-and-response system)である。特許文献3は、語彙学習のための課題(キュー)を提示し、応答を受け取り、応答を評価し、そしてユーザにフィードバックを提供するシステムを提供する。特許文献4では、同様のシステムが、学習される情報をキューとして提示し、ユーザ応答を監視するが、認知モデルに基づいて記憶維持を最大化するように設計されている。ユーザの正確性および応答時間を監視することによって、提示のタイミングおよび順序と、キューおよび応答の順序とが、ユーザに適応される。このようなキューおよび応答システムは、ユーザに迅速に適応することができるが、人工的な文脈での暗記に基づいているため、本物のタスクの文脈では機能しない。
【0010】
別のタイプの適応システムとして、教育システムではないが、ユーザがタスク実行中に困難に直面したときにインテリジェントな支援をユーザに提供することを目的とするシステムがある。例えば特許文献5は、ソフトウェアプログラム(例えばワードプロセッサ)におけるユーザ動作を監視し、上記ソフトウェアプログラムの操作を支援するためにユーザ動作からユーザの意図とユーザが必要としている情報とを推論する、エキスパートシステムについて記載している。上記システムは、さらに、推論システムのベイズ(Bayesian)ネットワーク実現と、ユーザ能力の持続的な記録(例えば、プログラム内における動作の完了、プログラム内の機能の適切な利用、あるいは閲覧されたヘルプ)を保持するユーザモデルとを含んでいる。上記推論システムは、プログラム内でのユーザ・アクティビティおよびプログラム機能の過去の利用に基づいて決定を行う。このようなシステムを典型例とするシステムは、本物のタスクの文脈内において適応するが、言語学習システムではない。このようなシステムは、ユーザによる非常に特異的な動作(例えばファイルの保存)の実行を補助することを目的としており、ユーザの言語知識を漸進的に向上させることが可能な段階的管理プロセスを実行できない。
【0011】
関連する他の従来技術は、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、LeapFrog(登録商標)エンタープライズによるLeapPad(登録商標)デバイス(および他のインタラクティブ・ブックおよび「トーキング」ブック)を含む。
【0012】
要約すると、いかなる先行技術のシステムも、パーソナライズ、管理、適応性(adaptivity)、および文脈化を組み合わせていないため、効果的な文脈化された言語学習システムを提供しない。先行技術の言語学習システムの一部は、適応的ではなく、学習者の進歩に関わらず毎回同じ学習体験を提供する。他の先行技術のシステムは、適応的である。このような適応システムの一種類は、文脈化されておらず、インテリジェント個人指導システムによってモデル化および制御が可能な人工的な教育的タスクを介してのみ適応する。他の種類の適応システムは、文脈化されてはいるが、言語学習プロセスを管理することのできないヘルプ機能を提供するに過ぎない。
【0013】
(言語技能を必要とする)本物のタスクが学習者によって実行されている間に、上記タスクとは別の言語学習プロセスを管理することのできる、文脈化された言語学習システムが必要とされている。さらに、学習者が別のタスクを実行している間に学習者の増加していく言語知識に適応でき、その結果として、そのタスクの実行に過度に影響を与えることなく適切な学習アクティビティを提示して学習者の知識を向上させ、それゆえにユーザの学習意欲を持続させることができるシステムが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第6,632,094号
【特許文献2】米国特許第5,256,607号
【特許文献3】米国特許第5,585,083号
【特許文献4】米国特許第6,652,283号
【特許文献5】米国特許第6,262,730号
【特許文献6】米国特許第6,077,085号
【特許文献7】米国特許第6,801,751号
【特許文献8】米国特許第6,017,219号
【特許文献9】米国特許第6,986,663号
【特許文献10】米国特許第6,206,700号
【特許文献11】米国特許第6,022,221号
【特許文献12】米国特許第5,842,868号
【特許文献13】米国特許第6,953,343号
【特許文献14】米国特許第6,212,358号
【特許文献15】米国特許第6,405,167号
【特許文献16】米国特許第5,920,838号
【特許文献17】米国特許出願公開第2006/063139号
【特許文献18】米国特許出願公開第2001/031456号
【特許文献19】米国特許出願公開第2005/196733号
【特許文献20】米国特許出願公開第2005/084830号
【特許文献21】米国特許出願公開第2002/098463号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】I. Nation, Learning Vocabulary in Another Language, Cambridge University Press、2001
【非特許文献2】Heilman and Eskenazi,“Language Learning: Challenges for Intelligent Tutoring Systems”, in the Workshop on Intelligent Tutoring Systems for Ill-Defined Domains、2006
【非特許文献3】Proactive Response to Eye Movements, Hyrskykari et al., Human-computer Interaction INTEACT'03、pp.129-136、2003
【発明の概要】
【0016】
本発明の一実施形態の基本概念について、以下に説明する。
【0017】
本発明の一実施形態は、言語学習のための文脈化された適応的教育システムを提供する。上記システムは、言語技能を必要とするタスク(例えば、読書や会話)を学習者が実行している間に動作する。上記システムは、1)タスクを実行するためのタスクインターフェース、2)学習者による言語学習アクティビティの実行を追跡(track)する学習者追跡部、および3)上記追跡および上記文脈に基づいて学習者に適した言語学習アクティビティを選択する意思決定部(decision-making component)を組み合わせている。従って、上記システムは、学習者の増加していく言語知識または言語技能に適応することができ、また、タスクの文脈においてパーソナライズされた管理を提供し、これによってユーザの知識を効果的に向上させることができる。
【0018】
一実施形態では、語彙学習のための適応的教育システムは、学習者が本を読んでいる間に動作する。上記システムは、語彙(例えば単語または句)に関する、学習者の増加していく知識を履歴部内において追跡する。学習者が本を読んでいる間に或る単語を選択すると、意思決定プロセス(decision-making process)は、(現在およびそれ以前のリーディングタスク中に探知(track)された)その単語に関する学習者の現在の知識と、語彙学習の効果的な管理から導かれる様々な因子とを考慮して、学習者に提示する適切な言語学習アクティビティまたは他の情報を決定する。学習者が学習アクティビティを見るか、または学習アクティビティと対話(interact)した後、上記システムは、履歴を更新し、これによって、学習者の増加していく知識を探知する1つのループが完結する。
【0019】
上記システムは、任意の種類の言語学習アクティビティまたは学習オブジェクトをサポートするが、言語学習アクティビティは、学習者が主なタスクの実行から気が逸れないように、短いものであることが好ましい。一般的なタイプのアクティビティの例は、これらに限定されるものではないが、情報の表示、ヒントの提供、学習課題またはゲームの実行、またはチュートリアル(tutorial)の提供を含んでいる。
【0020】
上記意思決定プロセスは、任意のタイプの意思決定部を1つまたは複数含みうる。意思決定部は、例えば、アクティビティの固定パターンまたは配列、手作業で生成される決定木、自動決定木学習によって生成される決定木、機械学習に基づく方法、エキスパートシステム(手続き的推論エンジン、およびターゲット教科に関する教育モデルを組み込んだ別々のルールベースを含みうる)、あるいは任意の他の推論システムを含んでいる。
【0021】
上記システムは、リーディングタスク、ライティングタスク、リスニングタスク、スピーキングタスク、翻訳タスク、および会話タスクを含む、言語を必要とする任意のタスクをサポートすることができる。語彙、文法、発音、および会話(discourse)を含む、言語の任意の面(aspect)を追跡および教授することができる。
【0022】
上記適応的教育システムは、特に、電子ブック・リーディングデバイスなどの携帯用教育デバイス上、パーソナルコンピュータ上で実行されるソフトウェアプログラム内、コンピュータデバイスによってアクセスされるウェブベースのサーバ内、携帯情報端末(PDA)内で、実現することができる。
【0023】
上記適応的教育システムは、他の領域(domain)、教科、専門分野(discipline)、および技能に適用することができる。他の領域、教科、専門分野、および技能としては、これらに限定されるものではないが、例えば、数学、自然科学、社会科学、音楽、美術、地理学、歴史、文化、技術、ビジネス、経済、および様々な訓練のシナリオなどが挙げられる。
【0024】
本発明の一実施形態は、以下の利点を1つ以上有している。
【0025】
上記システムは、言語学習への文脈化されたアプローチ(すなわち実践による学習)と、学習者の知識を増加させるための注意深く段階的な管理を行う直接的アプローチとを組み合わせるため、言語を学習すると同時に学習者の意欲を持続させる効果的な手段を提供できるという利点を有している。
【0026】
上記システムは、学習者に適応できるため、進行中のタスクの文脈内で項目が選択される度に、時間が経つにつれて変化する適切な情報またはアクティビティを提供することによって、学習者の言語知識を向上させることができる、というさらなる利点を有している。
【0027】
上記システムは、複合的な学習プロセスをパーソナライズして管理することができ、それゆえ、ユーザが管理ではなく学習に集中できるようにユーザを自由にし、また、学習者が必要とするものおよび学習者の学習ペースに合わせてパーソナライズした独自の管理を提供できる、というさらなる利点を有している。
【0028】
上記システムは、長い期間をかけて(over time)知識を蓄積させ勉強しなければならない教科または技能(例えば人の言語)に特に適している。
【0029】
上記システムは、異なる複数の動作モードに応じて、タスクの円滑な実行を維持するために、ユーザへの割り込みを必要最低限に抑えることができるというさらなる利点を有している。
【0030】
上記システムは、教科または技能に関する学習者の知識を、教育学的に適切かつ効果的な原理を用いて向上させることができるというさらなる利点を有している。
【0031】
上記システムは、例えば、復習システム(review system)、試験システム、質疑応答型システム、操作者のインターフェース、学習管理システム、電子学習(e−ラーニング)システムなどの外部システムによって、ユーザの履歴をアクセスおよび更新することができる、というさらなる利点を有している。従って、提案されている上記システムは、包括的な言語学習プラットフォームの一部を形成することができる。
【0032】
上記システムは、単一の装置として実現することもできるし、互いに結合された別個のタスクインターフェースと適応的学習部とに分離することもできる。
【0033】
本発明の一実施形態は、概ね教育システムまたは教育デバイスに関し、より具体的には、教科または技能に関する学習者の増加していく知識に適応する教育システムまたは教育デバイスに関する。実施形態は、任意の教科または技能の学習に適用可能であるが、特に言語学習に有用である。
【0034】
本発明のいくつかの態様について以下に説明する。
【0035】
本発明の第1の態様によれば、ユーザによって行われているタスクの文脈内で実行するための、コンピュータ実現の適応的学習方法であって、上記タスクの一部として上記ユーザに提示される一連の要素のうちの少なくとも1つを、学習項目として指定するステップ;指定された上記学習項目と、上記ユーザに関する、上記学習方法の以前の実行に関する情報と、上記ユーザのための学習プロセス全体を管理するために考案された所定のスキーム(scheme)とに応じて、学習オブジェクトを選択するステップであって、選択された上記学習オブジェクトの上記ユーザへの提示が、指定された上記学習項目に関する上記ユーザの知識をある形式にて向上させるように意図されているステップ;上記学習オブジェクトを上記ユーザに提示するステップ;および、提示された上記学習オブジェクトに応じて、および/または、提示された上記学習オブジェクトに対して上記ユーザがどのように対話(interact)または応答するのかに応じて、上記情報を更新するステップを含む、方法が提供される。
【0036】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0037】
本発明の第2の態様によれば、ユーザによって行われているタスクの文脈内で実行するための、コンピュータ実現の適応的学習方法であって、上記タスクの一部として上記ユーザに提示される一連の要素のうちの少なくとも1つを含む、指定された学習項目と、上記ユーザに関する、上記学習方法の以前の実行に関する情報と、上記ユーザのための学習プロセス全体を管理するために考案された所定のスキームとに応じて、学習オブジェクトを選択するステップであって、選択された上記学習オブジェクトの上記ユーザへの提示が、指定された上記学習項目に関する上記ユーザの知識をある形式にて向上させるように意図されているステップ;および、選択された上記学習オブジェクトに応じて、および/または、選択された上記学習オブジェクトに対して上記ユーザがどのように対話または応答するのかに応じて、上記情報を更新するステップを含む、方法が提供される。
【0038】
本発明の第3の態様によれば、ユーザによって行われているタスクの文脈内で適応的学習方法を実行するのに用いる、適応的学習装置であって、上記タスクの一部として上記ユーザに提示される一連の要素のうちの少なくとも1つを学習項目として指定する手段;指定された上記学習項目と、上記ユーザに関する、上記学習方法の以前の実行に関連する情報と、上記ユーザのための学習プロセス全体を管理するために考案された所定のスキームとに応じて、学習オブジェクトを選択する手段であって、選択された上記学習オブジェクトの上記ユーザへの提示が、指定された上記学習項目に関する上記ユーザの知識をある形式にて向上させるように意図されている手段;上記学習オブジェクトを上記ユーザに提示する手段;および、提示された上記学習オブジェクトに応じて、および/または、提示された上記学習オブジェクトに対して上記ユーザがどのように対話または応答するのかに応じて、上記情報を更新する手段を含む、適応的学習装置が提供される。
【0039】
本発明の第4の態様によれば、ユーザによって行われているタスクの文脈内で適応的学習方法を実行するのに用いる、適応的学習装置であって、上記タスクの一部として上記ユーザに提示される一連の要素のうちの少なくとも1つを含む、指定された学習項目と、上記ユーザに関する、上記学習方法の以前の実行に関する情報と、上記ユーザのための学習プロセス全体を管理するために考案された所定のスキームとに応じて、学習オブジェクトを選択する手段であって、選択された上記学習オブジェクトの上記ユーザへの提示が、指定された上記学習項目に関する上記ユーザの知識をある形式にて向上させるように意図されている手段;および、選択された上記学習オブジェクトに応じて、および/または、選択された上記学習オブジェクトに対して上記ユーザがどのように対話または応答するのかに応じて、上記情報を更新する手段を含む、適応的学習装置が提供される。
【0040】
本発明の第5の態様によれば、装置を、本発明の第1または第2の態様に係る方法を実行するように制御するプログラム、あるいは、装置にロードされたときに、上記装置を本発明の第3または第4の態様に係る装置にするプログラムが提供される。上記プログラムは、担持媒体に担持されうる。上記担持媒体は、記憶媒体であってもよい。上記担持媒体は、伝送媒体であってもよい。
【0041】
本発明の第6の態様によれば、本発明の第3の態様に係るプログラムによってプログラムされている装置が提供される。
【0042】
本発明の第7の態様によれば、本発明の第3の態様に係るプログラムを含む記憶媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】適応的教育システムのブロック図である。
【図2】学習管理プロセスのフローチャートである。
【図3】一般的な意思決定プロセスのフローチャートである。
【図4】語彙学習のための意思決定プロセスのフローチャートである。
【図5】コンピュータシステムのブロック図である。
【図6】デバイスおよびユーザインターフェースの正面図である。
【図7】デバイスおよびユーザインターフェースの正面図である。
【図8】デバイスおよびユーザインターフェースの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の好ましい一実施形態は、言語学習、特に語彙学習のための適応的教育システムを提供する。上記システムは、ユーザが別のタスク(例えばテキストまたは本のリーディング)を実行している間に作動する。タスクは、その実行をユーザが任意の方法で独立して選択するものであって、適応的学習方法を支援する目的だけのために設計されたものではない、本物のタスクであることが好ましい。「本物のタスク」の概念については、既に詳細に説明した。上記システムは、テキストまたは本のリーディングの文脈内における学習オブジェクトとのユーザの対話を追跡することによって、ユーザの増加していく語彙知識に適応することができる。上記システムは、ユーザがテキスト内または本内の単語または句を選択する度に、その単語または句に関するユーザの知識を最も良く向上させるであろう学習オブジェクトを選択する。上記学習オブジェクトは、語形、意味、および用法を含みうる様々な面の語彙知識を包含(cover)する単語知識に関する情報、説明、ヒント、短いアクティビティ、またはチュートリアルを提供する。
【0045】
本明細書の以下の部分において、「テキスト」という用語が記載されている場合、これは、任意のリーディング教材のテキストを意味する。任意のリーディング教材は、これらに限定されるものではないが、例えば、本、新聞、文書、紙形式(印刷された形式)または電子形式のウェブページなどである。「単語」という用語が記載されている場合、これは、単語、句、または、テキストの他の任意の短い部分(segment)を意味する。
【0046】
図1は、言語学習のための適応的教育システムの好ましい実施形態を構成する構成要素群のブロック図である。ユーザは、テキストリーディングインターフェース100を介してテキストを読む。本実施形態では、テキストリーディングインターフェース100は、リーディングの現在の文脈に関する情報(例えば、現在のページ番号)をタスク文脈モジュール160に提供することができる。タスク文脈モジュール160は、文脈レコードを受け取って格納し、必要に応じて、意思決定モジュール(decision-making module)120に与える。テキストリーディングインターフェース100は、さらに学習サイクルを起動するために学習管理モジュール110と通信する。学習管理モジュール110は、ユーザのための学習プロセス全体を管理するために考案された所定のスキームを監視しながら、語彙知識の学習プロセスをユーザのために管理する。学習管理モジュール110は、意思決定モジュール120を呼び出して、どの学習オブジェクトを実行するのかに関する決定を受け取る。これは、それぞれの起動中にユーザ履歴130を更新する。この機能については、後段で十分に説明する。意思決定モジュール120は、ターゲット学習項目、すなわちテキストリーディングインターフェース100内でユーザが選択した単語と、現在のテキストのリーディングの現在の文脈内において学習項目に関するユーザの知識を最も効果的に向上または増加させるであろう学習オブジェクトを決定する。本実施形態では、意思決定モジュール120は、ユーザ履歴130、タスク文脈モジュール160、ユーザ情報170、および学習オブジェクトライブラリ150のうちの1つ以上のシステム構成要素を用いてその決定を行うことができる。学習オブジェクトライブラリ150は、語彙に関する複数の学習オブジェクトを含んでいる。これについては後述する。ユーザ情報170は、ユーザの学習レベルおよびフォーカスするべき語彙項目のリストなどの情報を含むことができる。
【0047】
当該分野における熟練者であれば、図1に示されている構成要素群を別々の構成要素として実現してもよく、これら構成要素の一部または全部を単一の構成要素に一体化してもよいことが分かるであろう。例えば、学習管理モジュール110を、意思決定モジュール120と一体化することができる。この組み合わせでは、意思決定プロセスを管理プロセスと一体化して、例えば学習オブジェクトとのユーザの対話に基づいて、意思決定を行うことが可能となる。別の組み合わせでは、テキストリーディングインターフェース100にタスク文脈モジュール160を組み込むことができる。この組み合わせでは、タスクインターフェースは、その文脈を内部的に保持して、意思決定モジュール120がその文脈を問い合わせる方法を提供する。また、ユーザ履歴130およびユーザ情報170を一体化して、一般化されたユーザモデルにすることもできる。
【0048】
図1に示されている構成要素群の機能について、以下により詳しく説明する。
【0049】
テキストリーディングインターフェース100は、ディスプレイ上に電子テキストを表示し、ページ間移動および単語選択のための標準的なユーザ制御を提供するインターフェースである。ユーザが或る単語を選択すると、テキストリーディングインターフェース100は、選択された単語を含む文脈レコードをタスク文脈モジュール160に送信し、学習管理モジュール110に上記選択を通知する。テキストリーディングインターフェース100は、上記システム内へ新しいテキストをロードすることを可能にする。新しいテキストがロードされると、テキストリーディングインターフェース100は、この新しいテキストの重要な単語を含む文脈レコードをタスク文脈モジュール160に送信することができる。テキストリーディングインターフェース100は、多読モードおよび勉強モードを含む様々な動作モードをサポートすることができる。前者のモードは、ユーザが、語彙学習よりもリーディングの流暢さにフォーカスしたいことを表している。このモードでは、学習オブジェクトは、現在の文脈内における流暢さを補助すべきであって、ユーザに過度に割り込むべきではない。従って、例えば単語の発音方法または単語の意味に関するクイックグロス(quick gloss;簡単な解説)は許容される。勉強モードでは、ユーザは、新しい語彙知識の学習にフォーカスすることを希望している。このモードでは、短い割り込みは許容されるため、記憶を助けるアクティビティおよびヒントを提供することができる。これら両モードにおいて、リーディングのタスクへの割り込みを最小限に抑えることが好ましい。モードが変更されると、リーディングインターフェース100は、変更の通知として文脈レコードをタスク文脈モジュール160に送信する。
【0050】
タスク文脈モジュール160は、データベースまたは他のストレージシステム内に、テキストリーディングインターフェース100内におけるアクティビティの現在の文脈を格納する。現在の文脈は、1セットの文脈レコードである。文脈レコードの種類は、上記タスクと、意思決定モジュール120の要求に依存する。好ましい実施形態では、文脈レコードは、ユーザが見ている現在の単語、ユーザが選択した単語、テキスト内において選択された単語付近にある1セットの単語、テキスト内の重要または関連する単語のリスト、インターフェース100の現在の動作モード、テキストの名称または他の識別子、およびテキストの現在のページ番号を含むことができる。これらは、単なる例であって、上記システムの範囲を限定することを意図したものではない。文脈レコードは、意思決定モジュール120によって、意思決定基準として使用される。
【0051】
学習管理モジュール110は、図2のフローチャートに示すように学習管理プロセスを実現する。第1のステップ200は、モジュールの起動である。起動は、様々な方法で行うことができる。好ましい実施形態では、リーディングインターフェース100のユーザは、学習サイクルを開始したいときに、上記システムを手作業で起動する。例えばリーディングタスクでは、ユーザは、単語を選択することで学習管理モジュールを起動することができる。起動後、次のステップ220において、意思決定モジュール120を呼び出すことによって意思決定を行う。このプロセスについては、後段でより詳しく説明する。次のステップ230では、意思決定モジュール120から決定を受け取る。受け取られた決定は、いくつかの部分を含みうる。これら部分の一部分は、学習アクティビティが行われる対象の単語または句(ターゲット学習項目と呼ぶ)を表す識別子である。これら部分の他の部分は、学習オブジェクトである。何も行わない決定である場合、学習オブジェクトは受け取られない。次のステップ240では、モジュールは、学習オブジェクトがあれば学習オブジェクトを実行する。次のステップ250では、ステップ240で発生したユーザ応答またはユーザとの任意の対話の結果を受け取る。ステップ260は、ユーザ履歴130を更新する。ステップ260は、1つ以上のユーザ履歴レコードを生成する。ユーザ履歴レコードのタイプについては後述する。ステップ260は、ユーザ履歴レコードをユーザ履歴130に送ることによって履歴を更新する。最後のステップ270では、学習管理モジュール110は、自らを終了させる(deactivate)。これにより、学習管理モジュール110は、別の起動を待つ待機状態になる。
【0052】
ユーザ履歴130は、様々な語彙項目(例えば単語または句)に関するユーザの増加していく知識を追跡する。ユーザ履歴130は、データベースまたは他のストレージシステム内にユーザ履歴レコードを格納する。上記ユーザ履歴は、ユーザの一生を通じて持続するものとすることができる。各学習項目について1セットのユーザ履歴レコードが格納される。各履歴レコードには、タイムスタンプが付与されている。ユーザ履歴レコードは、ユーザがテキスト内で特定の単語を読んだというレコード、ユーザがテキスト内で特定の単語を選択したというレコード、ユーザが以前にテキスト内の特定の単語に関してヘルプを要求したというレコード、学習管理モジュール110の起動サイクル中のステップ240において特定の単語に関する特定の学習オブジェクトがユーザに提示されたというレコード、ユーザがステップ250において回答を与えることによって特定の学習オブジェクトを完了したというレコード、ステップ250においてユーザが特定の学習オブジェクトとの対話を行ったというレコード(例えば、ユーザ応答、ヒントまたはクイズに与えられる回答、クイズの肯定的または否定的な結果、または学習オブジェクトに費やされた時間の長さを含む)を含みうる。上記ユーザ履歴は、テキストリーディングインターフェース100においてユーザが読んだテキストの履歴、および、タスク文脈モジュール160において時間が経つにつれて変化する文脈の詳細を記録することもできる。
【0053】
意思決定モジュール120は、ターゲット学習項目すなわち単語を決定し、学習管理モジュール110へ返すべき学習オブジェクトを選択する。意思決定プロセスの目的は、ユーザがその単語と遭遇した履歴に鑑みて、ユーザの単語知識を最も向上させそうな学習オブジェクトを選択することにある。
【0054】
いかなる意思決定方法も、上記システム内において実現することができる。従って、上記方法は、任意のタイプの1つまたは複数の意思決定部を含みうる。この意思決定部は、固定されたパターンまたは配列の複数のアクティビティ、手作業で生成される決定木、自動決定木学習によって生成される決定木、機械学習に基づく方法、エキスパートシステム(これは、手続き的推論エンジンと、言語学習に関する教育モデルを包含する個別のルールベースとを含みうる)、または任意の他の推論システムを含む。ここで用いる意思決定方法(decision-making method)は、意思決定基準の形式、およびこれらがどのように上記システム内において表現されるのかを定義する。意思決定基準の一般的なカテゴリーは、これらに限定されるものではないが、ユーザが学習項目に遭遇した履歴、ユーザがその学習項目に関する学習オブジェクトと対話した履歴、ユーザの学習のレベルまたは段階、上記項目の学習のレベル、段階、または難易度、教育モデル、タスクの現在の文脈内における上記学習項目の重要性、タスクインターフェースのモード、およびライブラリ内における学習オブジェクトの利用可能性および適合性を含んでいる。
【0055】
図3は、意思決定モジュール120内において実現することのできる一般的な意思決定方法のフローチャートである。意思決定モジュール120は、意思決定を行うために呼び出されると、タスク文脈160、ユーザ情報170、およびユーザ履歴130を入力として取得する。好ましい実施形態では、意思決定モジュール120は、ターゲット学習項目(すなわち、ユーザが選択した単語)の決定、返される学習オブジェクトのタイプの決定、および返される特定の学習オブジェクトの決定という、3つの段階プロセスを用いる。第1のステップ300は、現在の文脈内におけるターゲット学習項目を求める。好ましい実施形態では、上記のターゲット学習項目は、テキストリーディングインターフェース100内においてユーザによって選択されて、タスク文脈160内に格納されている単語である。ステップ305は、推論エンジン306を実行して学習オブジェクトのタイプを選択する。推論エンジン306は、単純なもの、例えば所定配列の複数のアクティビティに従ったものであってもよく、複雑なもの、例えば教育エキスパートシステムを実現するものであってもよい。教育推論エンジンまたは教育エキスパートシステムの機能は、先行技術において周知であるため、ここで詳細に説明する必要はない。推論プロセスの目的は、どのタイプの学習オブジェクトがターゲット学習項目に関するユーザの知識を最も効果的に向上させるのかを、十分な確からしさで決定することである。言語のターゲット面(例えば語彙)を教えるための教育モデルは、複数の宣言型ルール(declarative rules)を符号化する、オプションのルールベース330内において実現してもよく、推論エンジン306内の手順ステップとして実現してもよい。好ましい本実施形態では、後者の方法が用いられる。これについては、後段でさらに詳しく説明する。ステップ308は、ターゲット学習項目に適合し、かつ、ステップ305において選択された学習オブジェクトタイプに適合する相手となる学習オブジェクトを学習オブジェクトライブラリ150中から探す。ステップ310は、上記学習項目の識別子と、上記学習オブジェクトとを返す。
【0056】
好ましい実施形態では、意思決定モジュール120は、例えば、非特許文献1に教示されている語彙獲得の理論的原理から導かれる様々な因子に基づいて手続き的知識を用いる推論エンジンを含んでいる。第1の因子は、その単語にフォーカスするべきなのが、現時点であるのか、後であるのかに関する。ユーザの現在の語彙レベルに適した難易度の単語には、現時点でフォーカスすることができる。単語は、典型的には、概ねその言語における使用頻度によって順序付けられている。第2の因子は、学習者がフォーカスすることができるのは語彙知識のどの面であるのかについての決定に関する。典型的には、学習者は、語形(発音および綴り)から意味へ、さらに用法へと進むことができる。第3の因子は、説明的な(informative)学習オブジェクト、ヒントを提供する学習オブジェクト、ユーザとの対話を必要とするアクティビティを提供する学習オブジェクト、あるいはチュートリアルを提供する学習オブジェクトを含む、学習オブジェクトの一般的タイプの決定に関する。第4の因子は、長期間にわたって或る範囲内の特定の複数の学習オブジェクトがユーザに提示されること、および必要でない限りは上記複数の学習オブジェクトが繰り返されないことを、確実にすることである。
【0057】
当該分野における熟練者であれば、意思決定プロセスにおいて上記複数の因子を用いる方法には多くの方法があることが分かるであろう。上記複数の因子のうちの1つ以上を任意のプロセスに適用することができる。上記複数の因子は、任意の順序で適用することができる。上記複数の因子は、複数の別々の決定ステップにそれぞれ適用してもよく、特定の1つの決定ステップにおいて任意の組み合わせで適用してもよい。好ましい実施形態では、上記システムは、長期間にわたる所定のターゲット単語に関するユーザ選択の順序として、これに対応する学習オブジェクトを、第1に知識の面によって順序付け(例えば、語形、次に意味、次に用法)、第2にタイプによって順序付ける(例えば、2つのグロス(解説)およびこれに続くアクティビティおよびヒントの交互の配列)ことができる。この順序は、ユーザの成功およびペースに応じて変更される。
【0058】
図4は、語彙学習のための適応的教育システムの意思決定モジュール120において実現することのできる意思決定方法のフローチャートである。第1のステップ400は、ユーザがリーディングインターフェース内で選択した単語をタスク文脈モジュール160から取得する。この単語を、ターゲット学習項目またはターゲット単語と呼ぶ。上記方法は、次のステップ402において、ユーザが上記単語を選択したのが今回が初めてであるかを、ユーザ履歴130を参照することによって判定する。YES(今回が初めて)である場合、ステップ404において、学習オブジェクトのタイプをクイックグロスにセットする。NO(今回が初めてではない)の場合、ステップ406において、上記単語がフォーカス項目であるかを判定する。
【0059】
フォーカス項目とは、ユーザが学習において現在フォーカスするべき単語である。実際には、1つの言語における単語は、数が多すぎて全てを同時に学習することはできない。このため、学習者は、全てを同時に学習する代わりに、ほぼ難易度(これはその言語における出現頻度と相関する)の順に単語を学習することができる。このようにして、学習者は、テキストおよび会話の中で遭遇する可能性が最も高い単語をまず学習することができる。学習者は、より出現頻度の高い単語に関する十分な知識を獲得するにつれて、より出現頻度の低い単語に進むことができる。本実施形態では、ユーザ情報170は、ユーザが現時点で学習するのに適した難易度の単語と、および学習に関連すると判断される他の単語とを含む、単語リストを含んでいる。
【0060】
ターゲット単語がユーザ情報170内の単語リスト上に存在する場合、あるいは、タスク文脈160からの判断においてターゲット単語が現在のテキスト中において重要であることが判明した場合、そのターゲット単語はフォーカス項目である。ターゲット単語がフォーカス項目ではない場合、ステップ404を処理する。ステップ404は、学習オブジェクトのタイプをクイックグロスにセットする。ターゲット単語に関するクイックグロスは、リーディングの流れを中断させることなく読み手がテキストを理解するのを助けることによって、読み手のリーディングの流暢さを向上させる。
【0061】
ステップ410は、ターゲット単語に関する知識のどの面に現時点でフォーカスするべきであるかを判定する。ステップ410は、知識における語形、意味、および用法の各面について、ユーザ履歴130を参照して、ユーザがその面の知識に関する学習オブジェクト中において上記ターゲット単語と遭遇した履歴のレコードのセットを取り出す。次いで、ステップ410において、閲覧または対話された学習オブジェクトのタイプの範囲、成功率、期間の長さ、および/または、対話の新近性(recency)に応じて、現時点における、上記面に関する知識の学習についての成功の確率を決定する。上記システムは、語形、次に意味、次に用法、という所定の順序でフォーカスを割り当てる。フォーカスが割り当てられる任意の面について、その前の面は十分に高い確率(例えば0.70よりも高い)で学習済みでなければならず、その面自体は十分に低い確率(例えば、0.90よりも低い)で学習済みでなければならない。2つ以上の面がこのルールを満たす場合、無作為な選択が行われる。確率値の使用は、ユーザが面の学習に成功した程度の尺度の一例にすぎず、例えば、尺度は0から1の間の確率値として表される必要はなく、任意の選択された上限と下限との間の値として表すことができることが分かるであろう。他の成功尺度を用いることもできる。
【0062】
ステップ412は、ターゲット単語の全ての面の学習に成功済みであるか、例えば、各面の確率が0.80よりも大きいかを決定する。ユーザが上記単語の学習に成功した場合、ステップ404において、ユーザにその単語について思い出させるために、学習オブジェクトをクイックグロスにセットする。学習者が、表面上はその単語を学習済みであるにも関わらずその単語を選択したという事実は、そのユーザが、その単語の一部の面を忘れていることを意味する。この事実を用いて、続く起動サイクルにおいて、その単語を学習した確率を下げることができる。
【0063】
ステップ414は、ユーザが、ターゲット単語を学習するに際して困難に直面したかを判定する。選択された面の知識についての成功率が、十分な回数のユーザの試みがなされたときに閾値未満である場合、上記システムは、補習的な措置を講じなければならない。上記閾値パラメータは、30%の成功率にセットすることができる。補習的な措置が呼び出されると、ステップ416において、ユーザ履歴130を用いて、どのタイプの学習オブジェクトが選択されるべきであるのかを判定する。本実施形態では、上記システムは、同一の学習オブジェクトを繰り返すこと、前の学習オブジェクトを繰り返すこと、単語知識の前の面に戻ること、または説明的な学習オブジェクトを返すことができる。
【0064】
補習的な措置が不要である場合、ステップ418において、学習オブジェクトのタイプが説明的であるべきかを決定する。このタイプの学習オブジェクトをグロスとも呼ぶ。グロスは、リーディングインターフェース100が多読モードにある場合、単語がテキスト中において重要ではない場合、あるいは単語知識の現在の面(語形、意味、または用法)に関するグロスが返された回数が閾値未満である場合に要求される。上記閾値は、パラメータであって、本実施形態では、他のタイプの学習オブジェクトが提示される前に単語知識の各面について2つのグロスが示されるように、3にセットすることができる。グロスに決定されると、ステップ420において、どのような種類のグロスを使用すべきかを決定する。
【0065】
グロスが不要である場合、ステップ422において、学習オブジェクトのタイプがヒントであるべきか、アクティビティであるべきかを判定する。本実施形態では、上記システムは、アクティビティとヒントとを交互にする。ステップ424は、どのようなタイプのヒントを返すのかを決定する。これは、任意の前の学習アクティビティに関係づけることができる。ステップ428は、どのようなタイプのアクティビティを返すのかを決定する。
【0066】
このように、要約すると、ユーザが或る面の学習において長期間にわたって成功している場合、ステップ410〜428は、一般的な学習オブジェクトタイプを、グロス、グロス、アクティビティ、ヒント、アクティビティ、ヒント、アクティビティ、ヒント、・・・(以下同様)、という順序で提示する。他の面の知識についても、ユーザの長期間にわたる成功に応じて、これと同様の順序で交互の提示がなされる。
【0067】
上記システムが学習オブジェクトのタイプをセットすると、ステップ430は、学習オブジェクトライブラリ150の中から適切な適合する学習オブジェクトを検索する。これは、選択されたタイプおよび形態に関する、ターゲット単語のための学習オブジェクトであってもよく、呼び出されるかまたは必要とされない限りは以前に返した学習オブジェクトを繰り返さない学習オブジェクトであってよい。
【0068】
最後に、ステップ432は、上記単語および上記学習オブジェクトを学習管理モジュール110に返す。
【0069】
好ましい実施形態の上記仕様中で特定された複数のパラメータは、典型的かつ効果的な値にセットされたが、システム内では上記とは異なる値にセットすることもでき、システムの実行中にシステム内部プロセスまたはシステム外部プロセスによって変更することもできる。これらのパラメータは、ユーザ情報170内に個々のユーザ基準で格納することができる。ユーザ情報170は、例えば、個人の嗜好、個人の特質、年齢、居住国などのような、任意のタイプのユーザ固有のデータを格納することができる。
【0070】
学習オブジェクトライブラリ150は、学習オブジェクトのデータベースあるいは他のストレージシステムである。上記ライブラリに問い合わせて、適切な学習オブジェクトを取り出すことができる。各学習オブジェクトは、学習項目(またはその識別子)と、学習オブジェクトのタイプ、カテゴリー、面、または他の特徴を示すメタデータと、実行可能な関数または処理とを含みうる。上記システムは、任意の種類の学習オブジェクトをサポートするが、実行されるのが短い学習オブジェクトであることが好ましい。「短い」とは、例えば、1つのスクリーンまたはページ上に表示することができるように、学習項目に関する1つの知識面のみにフォーカスするように、または、ユーザが読む、聴く、もしくは対話するのにかかる時間が短くなるように、学習オブジェクトの内容の量が十分に少ないことを意味している。学習オブジェクトは、教育的であるよう意図されており、任意の公知または未来の教育学的方法を組み入れることができる。上記教育学的方法は、例えば、提示、試験、レビュー(reviewing)、ヒント提供、コーチング、説明、実証、支援、指導、および交渉であり、これらはそれぞれ異なる種類の学習オブジェクトを表すことができる。好ましい本実施形態では、いくつかの一般的なカテゴリーの学習オブジェクトが提供される。1つの一般的なカテゴリーの学習オブジェクトは、実行されたときにユーザとの対話を必要としない学習オブジェクトである。ユーザとの対話を必要としない学習オブジェクトは、例えば、静的情報の短時間の表示、短いプレゼンテーション、アニメーション、ビデオ、または音声のセグメントの再生を含みうる。第2のカテゴリーは、ユーザからの簡単な応答を必要とするものである。このカテゴリーは、例えば、上記のように静的または動的情報の表示を含みうるが、ユーザに対してそのような情報を見たかあるいは聞いたかの確認を要求するものである。第3のカテゴリーは、ユーザとの対話を必要とするものである。このカテゴリーは、例えば、ユーザがその期間だけ対話した後に回答または他の入力の提供を終えるような、対話セッション(例えばクイズまたは他の学習アクティビティ)である。当該分野における熟練者であれば、これらは、例にすぎず、上記システムをいかなる形でも限定するものではないことが分かるであろう。学習オブジェクトの完了に要するであろう時間の長さは、ユーザに提示する適切な学習オブジェクトを選択するときに考慮することができる。好ましい本実施形態では、知識の語形の面を教える語彙学習オブジェクトの例は、単語を音声発音するシステム(グロス)、発音標記または音声記号表記を表示するシステム(グロス)、聴いて繰り返すこと(listen and repeat)(アクティビティ)、スペルテスト(アクティビティ)、ユーザが単語を書く練習(アクティビティ)、多肢選択式問題(アクティビティ)、単語の一部分の発音ガイド(ヒント)、同韻語を表示するシステム(ヒント)を含みうる。知識の意味の面を教える語彙学習オブジェクトの例は、訳を表示するシステム(グロス)、定義を表示するシステム(グロス)、画像を表示するシステム(グロス)、ユーザが単語を描画するもの(アクティビティ)、ユーザにニーモニックキーワード(記憶を助けるキーワード)を選択させるもの(アクティビティ)、多肢選択式問題(アクティビティ)、同義語を表示するシステム(ヒント)、描画された画像を表示するシステム(ヒント)、ニーモニックキーワードを表示するシステム(ヒント)、多肢選択式問題の回答を表示するシステム(ヒント)を含みうる。知識の用法の面を教える学習オブジェクトの例は、用例を示すシステム(グロス)、コロケーション(連語)または句を示すシステム(グロス)、多肢選択式問題(アクティビティ)、穴埋めアクティビティ(アクティビティ)、前の多肢選択式問題の回答を示すシステム(ヒント)、穴埋めタスクの回答を示すシステム(ヒント)を含みうる。これらは、例にすぎず、上記システムがサポートしうる全ての語彙学習オブジェクトをいかなる形でも限定するものではない。
【0071】
図5は、好ましい実施形態または他の実施形態を実施するのに適したコンピュータシステム500のブロック図である。当該分野における熟練者であれば、図5に示されているシステムは、例示のためのみに示されているのであって、パーソナルコンピュータシステム、携帯用コンピュータシステム、および分散コンピュータシステムを含む他のシステム構成も適していることが分かるであろう。コンピュータシステム500は、プロセッサ510、メモリカード514、RAM516、およびROM518を備えている。コンピュータシステム500は、出力システム528および入力システム534も備えている。出力デバイスは、ディスプレイ530およびスピーカ532を備えている。入力デバイスは、マイク536、タッチセンサ538、キーボード540、マウス542、および他のセンサ544を備えている。上記システムは、有線技術または無線技術を用いて外部のコンピュータネットワーク522とインターフェース接続する、ネットワークインターフェース520も備えている。上記システムは、外部システム526(例えば物理的なブック・リーディングデバイスまたは楽器)とインターフェース接続する、外部システムインターフェース524も含みうる。システムバス512は、これら構成要素の全てを相互接続する。当該分野における熟練者であれば、メモリカード514、RAM516、ROM518内のソフトウェアとして適応的教育システムを含むことによって、あるいは、(任意でプロセッサ510を備えていてもよい)専用ハードウェアチップ内のハードウェアとして適応的教育システムを含むことによって、適応的教育システムを上記システム500に統合できることが分かるであろう。テキストリーディングインターフェース100をは、コンピュータシステム500または外部システム526に統合することができる。これについては、以下の変形例(variation)においてさらに説明する。
【0072】
図6、図7、および図8は、語彙学習のための適応的教育システムを含む、教育デバイス600および電子ブック・リーディングのためのユーザインターフェースの例の正面図を示している。当該分野における熟練者であれば、図6に示されているデバイスは、例示のためのみに示されているのであって、他のデバイス設計を用いることができることが分かるであろう。デバイス600は、コンピュータシステム(例えば、ディスプレイ601、左ページ移動ボタン602、および右ページ移動ボタン604を備えたコンピュータシステム500)を含む携帯用デバイスであることが好ましい。ディスプレイ601は、その上に積層されたタッチセンサ・インターフェース(図示せず)を備えている。ディスプレイ601は、テキストリーディングインターフェース100を表示する。ディスプレイ601上には、物語の本のテキスト606の一部、およびその物語に関する画像607が表示されている。ディスプレイ601は、4つの典型的なボタンも表示する。これらボタンのうちの1つは、ユーザの現在の単語リストを表示する単語リストボタン608であり、他の1つは、新しい本を開始する新しい本ボタン610であり、さらに他の1つは、テキストリーディングインターフェース100を勉強モードに切り替える勉強モードボタン612である。ボタン614は、機能を変更して再び多読モードに切り替える。単語616は、ユーザが単語616に触れて単語616を選択したことを示すように、ディスプレイ601上において強調表示される。ボックス618は、学習管理モジュール110が実行してスクリーン上に表示した、タイプ「グロス」の学習オブジェクト(単語「sacks(袋)」の中国語への翻訳)を示している。図7においてもまた、ユーザが同じ単語を選択しているが、図7では、ボックス718が示している学習オブジェクトが、タイプ「アクティビティ」の学習オブジェクト(多肢選択式問題)である。図8においてもまた、ユーザが同じ単語を選択しているが、上記システムは、図8では、単語「sacks」に関する、ユーザの増加していく知識に適応し、タイプ「ヒント」の学習オブジェクト(発音に関するヒント)を示すボックス818を表示している。
【0073】
好ましい実施形態の一変形例では、ステップ200は、いつステップ200自身を起動して介入を行うかを自動的に決定する。1つの方法としては、タスク進行中における事前に設定された時点で(例えばページの最後で)、あるいは事前に設定された時間間隔で、自動的に起動する方法がある。他の方法としては、ときに、タスクインターフェース100内におけるイベントを監視する推論システムを用いて、ユーザがタスク実行に困難を感じていると思われる時を自動的に決定する方法がある。この方法は、特許文献5および他の先行技術に教示されている。
【0074】
好ましい実施形態の他の変形例では、リーディングインターフェース100内に視線追跡システムが備えられている。視線追跡システムは、非特許文献3に教示されている。視線追跡は、テキストリーディングにおけるユーザの理解における問題を検出するために用いることができる。本実施形態では、視線情報をタスク文脈モジュール160に送ることができる。これによって、意思決定モジュール120は、テキスト内のどの単語が、どのような頻度で、どれくらいの速度で見られたのかを決定し、意思決定プロセスに通知することができる。このように、学習オブジェクトは、1つ以上の期間にわたるユーザの視線方向の監視に応じて選択することができる。さらに、ユーザの理解における問題が検出されると、リーディングインターフェース100は、学習管理モジュール110を自動的に起動する一方で、ユーザの理解に問題が生じている位置をタスク文脈モジュール160に提供する。
【0075】
好ましい実施形態の他の変形例では、リーディングインターフェース100は、物理インターフェースであってもよく、物理インターフェースは、物理的なテキスト(例えば本物の本)を含んでいてもよい。上記インターフェースは、本の中の単語に指またはペンが触れた時を検出することができる。この技術は、先行技術のシステム(例えば、LeapFrog(登録商標)Enterprisesによって製造されたLeapPad(登録商標)学習システム)に記載されている。本変形例では、物理タスクインターフェース100は、システムから分離されており、物理タスクインターフェース100から分離されたシステムに結合されている。上記分離されたシステムは、学習管理モジュール110、タスク文脈モジュール160、意思決定モジュール120、ユーザ履歴130、学習オブジェクトライブラリ150、およびユーザ情報170から成る。図5を参照すると、タスクインターフェースを外部システム526内に実現することによって、および、上記分離されたシステムを、コンピュータシステム500の外部システムインターフェース524をこれら2つの部分同士を結合する手段として用いたコンピュータシステム500として実現することによって、本変形例を実施することができる。本変形例では、学習管理モジュール110は、物理タスクインターフェースを物理タスクインターフェース上のタッチイベントについて監視して、自身を起動することができる。
【0076】
従って、上記装置の様々な部分、およびこれら部分のそれぞれによって行われる複数の方法ステップは、互いに分離され、互いに遠い場所のもの(remote)であってもよいことが分かるであろう。学習項目を指定するステップ、学習オブジェクトを選択するステップ、学習オブジェクトを提示するステップ、およびユーザ情報を更新するステップのうちの少なくとも1つは、これらステップのうちの少なくとも1つの他のステップから遠い場所で(remotely)行うことができる。例えば、選択するステップおよび更新するステップのうちの少なくとも1つは、指定するステップおよび提示するステップのうちの少なくとも1つから遠い場所で行うことができる。学習オブジェクトを提示するステップは、リモートデバイス(例えばユーザのリモートデバイス)での提示を可能にするための情報を提供するステップを含みうる。
【0077】
好ましい実施形態の他の変形例では、タスクインターフェース100内にロードされるテキストまたは本と共にパッケージ化されている学習オブジェクトによって、学習オブジェクトライブラリ150を増強することができる。これによって、上記システムおよびユーザが、例えば本の中の登場人物および出来事に関連する学習オブジェクトを利用できるようになる。
【0078】
好ましい実施形態の他の変形例では、学習される様々な領域、教科、および技能のための異なる複数のタスクインターフェースの範囲全体において、単一のユーザ履歴130を保持することができる。ユーザ履歴130は、ユーザ個人のものであると考えられ、異なる複数のデバイス間で持ち運び可能である。この目的のために、ユーザ履歴130(の全部または一部)を、リムーバブルで、かつコンピュータ読み取り可能な媒体に格納することができる。
【0079】
本発明の他の実施形態は、特に限定されることなく、語彙、文法、発音、綴り、および会話を含む言語の任意の面の学習、およびこれら言語の面の任意の組み合わせの学習に適用することができることが、当該分野における熟練者であれば分かるであろう。
【0080】
本発明の他の実施形態は、特に限定されることなく、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング、翻訳、および会話を含む言語技能を必要とする任意のタイプのタスク、およびこれら言語技能の任意の組み合わせを必要とする任意のタイプのタスクに適用することができることが、当該分野における熟練者であれば分かるであろう。
【0081】
上記複数のシステム構成要素の内部機能、およびこれらシステム構成要素間で受け渡し(pass)される項目ならびにレコードが、学習されるタスクのタイプとターゲット教科または技能とに応じて変わることも、当該分野における熟練者であれば分かるであろう。
【0082】
本発明の他の実施形態は、例えば数学、自然科学、社会科学、音楽、美術、地理学、歴史、文化、技術、ビジネス、経済など、他の領域、教科、専門分野、技能、様々な訓練のシナリオ、および様々な教育のシナリオに適用することができるが、当該分野における熟練者であれば適用範囲がこれらに限定されないことも分かるであろう。
【0083】
上記または下記の構成要素の1つ以上によって行われる動作は、上記デバイスまたは装置上で動作するプログラムによって制御可能であることが分かるであろう。この動作するプログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体上に格納してもよく、例えば信号(例えば、インターネット・ウェブページから供給される、ダウンロード可能なデータ信号)内に含めてもよい。請求項は、動作プログラムそれ自体、担体上のレコードとしての動作プログラム、信号としての動作プログラム、および任意の他の形式の動作プログラムを包含するものと解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって行われているタスクの文脈内で実行するための、コンピュータ実現の適応的学習方法であって、
上記タスクの一部として上記ユーザに提示される一連の要素のうちの少なくとも1つを、学習項目として指定するステップ;
指定された上記学習項目と、上記ユーザに関する、上記適応的学習方法の以前の実行に関する情報と、上記ユーザのための学習プロセス全体を管理するために考案された所定のスキームとに応じて、学習オブジェクトを選択するステップであって、選択された当該学習オブジェクトの上記ユーザへの提示が、指定された上記学習項目に関する上記ユーザの知識をある形式にて向上させるように意図されているステップ;
上記学習オブジェクトを上記ユーザに提示するステップ;および、
提示された上記学習オブジェクトに応じて、および/または、提示された上記学習オブジェクトに対して上記ユーザがどのように対話または応答するのかに応じて、上記情報を更新するステップを含む、適応的学習方法。
【請求項2】
上記タスクは、上記適応的学習方法を支援する目的だけのために設計されたものではない、本物のタスクである請求項1に記載の適応的学習方法。
【請求項3】
上記ユーザによる少なくとも1つの要素の選択を監視するステップと、上記選択に応じて上記学習項目を指定するステップとを含む、請求項1または2に記載の適応的学習方法。
【請求項4】
上記学習項目を自動的に指定するステップを含む、請求項1、2、または3に記載の適応的学習方法。
【請求項5】
上記一連の要素を上記ユーザに提示するステップを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項6】
上記学習オブジェクトを選択するステップは、上記学習オブジェクトのカテゴリーを決定するステップと、決定された上記カテゴリーに応じて特定の学習オブジェクトを選択するステップとを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項7】
上記学習オブジェクトの上記カテゴリーは、ユーザとの対話を必要としないカテゴリー;上記ユーザからの単純な応答を必要とするカテゴリー;および上記ユーザとのより複雑な対話を必要とするカテゴリーのうちの1つ以上を含む、請求項6に記載の適応的学習方法。
【請求項8】
上記学習オブジェクトを選択するステップは、上記学習項目にフォーカスするべきなのは、現時点であるのか、後であるのかを、上記ユーザによって決定するステップを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項9】
選択された上記学習オブジェクトの上記提示は、指定された上記学習項目に関する上記ユーザの知識の特定の面を向上させるように意図されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項10】
上記学習オブジェクトを選択するステップは、所望の学習項目の知識における、上記ユーザがフォーカスするべき上記面を決定するステップを含む、請求項9に記載の適応的学習方法。
【請求項11】
知識の上記面は、語形、意味、および用法のうちの少なくとも1つを含む、請求項9または10に記載の適応的学習方法。
【請求項12】
可能である場合には、上記複数の面を上記順序で優先させるステップを含む、請求項11に記載の適応的学習方法。
【請求項13】
各面について、上記ユーザがその面の学習に成功した確率、または他の同様の成功尺度を求めるステップと、求められた上記確率に応じて上記学習オブジェクトを選択するステップとを含む、請求項9〜12のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項14】
1つの面の確率が所定の閾値未満であり、より高い学習優先度を有する他の複数の面のそれぞれの確率が所定の閾値よりも高い場合には、上記1つの面をフォーカスとして選択する、請求項13に記載の適応的学習方法。
【請求項15】
上記面の成功率が長期間にわたって所定の閾値未満である場合には、上記面に関する補習的な措置を講じること、およびこれに応じた学習オブジェクトを選択することを決定するステップ、請求項13または14に記載の適応的学習方法。
【請求項16】
上記学習オブジェクトを選択する上記ステップは、学習オブジェクトの一般的なタイプを、説明的な学習オブジェクト、ヒントを提供する学習オブジェクト、ユーザとの対話を必要とするアクティビティを提供する学習オブジェクト、およびチュートリアルを提供する学習オブジェクトのうちの1つ以上から決定するステップを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項17】
上記学習オブジェクトは、長期間にわたって或る範囲内の複数の上記学習オブジェクトが上記ユーザに提示されること、および必要でない限りは上記複数の学習オブジェクトが繰り返されないことを、確実にしようと試みるように選択される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項18】
上記学習オブジェクトは、学習オブジェクトのライブラリから選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項19】
上記一連の要素内における指定された上記学習項目の文脈に応じて、上記学習オブジェクトを選択するステップを含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項20】
学習項目の文脈は、上記学習項目の少なくとも一部を含む一連のページのページ番号;上記ユーザによって現在考慮されている一要素または複数の要素;指定された上記学習項目を構成する少なくとも1つの学習項目のうちの少なくとも1つに近接する1つまたは複数の要素;上記適応的学習方法にとって重要または関連すると考えられる1つまたは複数の要素;および上記一連の要素の名称または他の識別子、のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の適応的学習方法。
【請求項21】
上記学習オブジェクトを、指定された上記学習項目の重要性の評価に応じて選択するステップを含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項22】
上記学習オブジェクトを、上記一連の要素中における重要または関連する要素の所定のリストに応じて選択するステップを含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項23】
上記情報は、上記ユーザに適した難易度である学習項目のリスト;学習に関連すると判断される学習項目のリスト;以前に遭遇したことのある学習項目;以前に学習項目として指定されたことのある項目;以前に提示されたことのある学習オブジェクト;以前に提示されたことのある、応答を必要とする学習オブジェクト;例えば、応答、ヒントまたはクイズに与えられる回答、クイズの肯定的または否定的な結果、上記学習オブジェクトに費やされた時間の長さなどのような、以前の学習オブジェクトとの上記ユーザの対話に関連する情報;上記ユーザによって以前に読まれた上記一連の要素;タスク文脈モジュール内の時間が経つにつれて変化する文脈に関する情報;異なる複数の学習項目に遭遇した過去の履歴;学習オブジェクトとの対話の新近性;上記ユーザの学習レベルまたは学習段階;学習項目のレベル、段階、または難易度、のうちの1つ以上を含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項24】
上記情報をデータベースまたは他のストレージシステム内に格納するステップを含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項25】
上記情報の少なくとも一部は、リムーバブルで、かつコンピュータ読み取り可能な媒体上に格納される、請求項24に記載の適応的学習方法。
【請求項26】
上記情報の少なくとも一部は、上記ユーザの一生を通じて持続するものである、請求項1〜25のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項27】
情報は、遭遇された学習項目の各々に関して保持されている、請求項1〜26のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項28】
遭遇された学習項目の各々に関する上記情報にタイムスタンプが付与されている、請求項27に記載の適応的学習方法。
【請求項29】
上記学習オブジェクトを、上記ユーザの個人の特質などのような、上記適応的学習方法の以前の実行に関連しないユーザ情報に応じて選択するステップを含む、請求項1〜28のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項30】
上記学習オブジェクトを、指定された上記学習項目に関するユーザ知識を上記学習オブジェクトが向上させる確からしさに応じて選択するステップを含む、請求項1〜29のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項31】
少なくとも2つの動作モードを用意するステップと、動作モードに応じて上記学習オブジェクトを選択するステップとを含む、請求項1〜30のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項32】
上記学習オブジェクトを、上記学習オブジェクトの実行に要するであろう時間に応じて選択するステップを含む、請求項1〜31のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項33】
上記学習オブジェクトは、上記タスクに関して上記学習オブジェクトを完了するのに要する時間が比較的短く、上記タスクの実行を過度に損ねることがない、請求項1〜32のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項34】
上記学習オブジェクトを、指定された上記学習項目にそれぞれ関連する、提示;試験;復習;ヒント提供;コーチング;説明;実証;支援;指導;および交渉、という学習オブジェクトのタイプのうちの1つ以上から選択するステップを含む、請求項1〜33のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項35】
上記学習オブジェクトを、複数の宣言型ルールを符号化するルールベースに応じて選択するステップを含む、請求項1〜34のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項36】
上記学習オブジェクトを、推論エンジン内の手順ステップに応じて選択するステップを含む、請求項1〜35のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項37】
上記学習オブジェクトを、1つ以上の期間にわたる上記ユーザの視線方向の監視に応じて選択するステップを含む、請求項1〜36のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項38】
上記一連の要素および/または学習オブジェクトを提示するステップは、上記一連の要素および/または学習オブジェクトを視覚形式および/または聴覚形式で提示するステップを含む、請求項1〜37のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項39】
上記タスクは、上記ユーザによって独立して選択されるタスクである、請求項1〜38のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項40】
上記一連の要素は、少なくとも提示されるときに可視形式である少なくともいくつかの要素を含む、請求項1〜39のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項41】
上記一連の要素は、少なくとも提示されるときに可聴形式である少なくともいくつかの要素を含む、請求項1〜40のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項42】
上記一連の要素は、文書形式で提示される、請求項1〜41のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項43】
上記文書は、印刷物を含む、請求項42に記載の適応的学習方法。
【請求項44】
請求項1〜43のいずれか1項に記載の適応的学習方法であって、
上記要素は、テキストの単語、句、または部分であり、
上記タスクは、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング、翻訳、会話のうちの1つ以上であり、
学習オブジェクトは、語彙、文法、発音、および会話のうちの1つ以上に関する上記ユーザの知識を向上させるように適応されている、コンピュータ実現の適応言語学習方法。
【請求項45】
知識の語形の面を教える上記語彙学習オブジェクトは、単語を音声発音するもの;発音標記または音声記号表記を表示するもの;聴いて繰り返すアクティビティを提供するもの;スペルテストを提供するもの;上記ユーザが単語を書く練習をするアクティビティを提供するもの;多肢選択式問題アクティビティを提供するもの;単語の少なくとも一部分の発音ガイドを提供するもの;および同韻語を表示するヒントを提供するもの、のうちの1つ以上を含む、請求項11に従属する場合の請求項44に記載の適応言語学習方法。
【請求項46】
知識の意味の面を教える上記学習オブジェクトは、翻訳を表示するもの;定義を表示するもの;画像を表示するもの;上記ユーザが単語を描画するアクティビティを提供するもの;上記ユーザがニーモニックキーワードを選択するアクティビティを提供するもの;多肢選択式問題アクティビティを提供するもの;同義語を表示するもの;描画された画像を表示するもの;ニーモニックキーワードを表示するもの;および多肢選択式問題の回答を表示するもの、のうちの1つ以上を含む、請求項11に従属する場合の請求項44または45に記載の適応言語学習方法。
【請求項47】
知識の用法の面を教える学習オブジェクトは、用例を示すもの;上記学習オブジェクトに関連するコロケーションまたは句を示すもの;多肢選択式問題アクティビティを提供するもの;穴埋めアクティビティを提供するもの;前の多肢選択式問題の回答を示すもの;および穴埋めタスクの回答を示すもの、のうちの1つ以上を含む、請求項11に従属する場合の請求項44、45、または46に記載の適応言語学習方法。
【請求項48】
携帯情報端末(PDA)または電子ブック・リーディングデバイスなどのような携帯用電子デバイスを用いて実現される、請求項1〜47のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項49】
パーソナルコンピュータを用いて実現される、請求項1〜48のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項50】
タッチセンサ式インターフェースを用いて少なくとも1つの要素の選択を監視するステップを含む、請求項1〜49のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項51】
設計ステップ、選択ステップ、提示ステップ、および更新ステップのうちの少なくとも1つが、これらステップのうちの少なくとも1つの他のステップから遠い場所で行われ、例えば、選択ステップおよび更新ステップのうちの少なくとも1つが、指定ステップおよび提示ステップのうちの少なくとも1つから遠い場所で行われる、請求項1〜50のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項52】
上記提示するステップは、上記ユーザのリモートデバイスなどのようなリモートデバイスでの提示を可能にするための情報を提供するステップを含む、請求項1〜51のいずれか1項に記載の適応的学習方法。
【請求項53】
ユーザによって行われているタスクの文脈内で実行するための、コンピュータ実現の適応的学習方法であって、
上記タスクの一部として上記ユーザに提示される一連の要素のうちの少なくとも1つを含む、指定された学習項目と、上記ユーザに関する、上記適応的学習方法の以前の実行に関する情報と、上記ユーザのための学習プロセス全体を管理するために考案された所定のスキームとに応じて、学習オブジェクトを選択するステップであって、選択された当該学習オブジェクトの上記ユーザへの提示が、指定された上記学習項目に関する上記ユーザの知識をある形式にて向上させるように意図されているステップ;および、
選択された上記学習オブジェクトに応じて、および/または、選択された上記学習オブジェクトに対して上記ユーザがどのように対話または応答するのかに応じて、上記情報を更新するステップを含む、適応的学習方法。
【請求項54】
ユーザによって行われているタスクの文脈内で適応的学習方法を実行するのに用いる、適応的学習装置であって、
上記タスクの一部として上記ユーザに提示される一連の要素のうちの少なくとも1つを学習項目として指定する手段;
指定された上記学習項目と、上記ユーザに関する、上記適応的学習方法の以前の実行に関する情報と、上記ユーザのための学習プロセス全体を管理するために考案された所定のスキームとに応じて、学習オブジェクトを選択する手段であって、選択された当該学習オブジェクトの上記ユーザへの提示が、指定された上記学習項目に関する上記ユーザの知識をある形式にて向上させるように意図されている手段;
上記学習オブジェクトを上記ユーザに提示する手段;および、
提示された上記学習オブジェクトに応じて、および/または、提示された上記学習オブジェクトに対して上記ユーザがどのように対話または応答するのかに応じて、上記情報を更新する手段を含む、適応的学習装置。
【請求項55】
ユーザによって行われているタスクの文脈内で適応的学習方法を実行するのに用いる、適応的学習装置であって、
上記タスクの一部として上記ユーザに提示される一連の要素のうちの少なくとも1つを含む、指定された学習項目と、上記ユーザに関する、上記適応的学習方法の以前の実行に関する情報と、上記ユーザのための学習プロセス全体を管理するために考案された所定のスキームとに応じて、学習オブジェクトを選択する手段であって、選択された当該学習オブジェクトの上記ユーザへの提示は、指定された上記学習項目に関する上記ユーザの知識をある形式にて向上させるように意図されている手段;および、
選択された上記学習オブジェクトに応じて、および/または、選択された上記学習オブジェクトに対して上記ユーザがどのように対話または応答するのかに応じて、上記情報を更新する手段を含む、適応的学習装置。
【請求項56】
装置を、請求項1〜53のいずれか1項に記載の適応的学習方法を実行するように制御するプログラム。
【請求項57】
装置にロードされたときに、当該装置を請求項54または55に記載の装置にするプログラム。
【請求項58】
担持媒体上に担持されている請求項56または57に記載のプログラム。
【請求項59】
上記担持媒体は、記憶媒体である請求項58に記載のプログラム。
【請求項60】
上記担持媒体は、伝送媒体である請求項58に記載のプログラム。
【請求項61】
請求項56〜60のいずれか1項に記載のプログラムによってプログラムされている装置。
【請求項62】
請求項56〜59のいずれか1項に記載のプログラムを含む記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2010−518416(P2010−518416A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533410(P2009−533410)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際出願番号】PCT/JP2008/052479
【国際公開番号】WO2008/096902
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】