説明

コンフィグ設定プログラム、コンフィグ設定装置、及びコンフィグ設定システム

【課題】 コンフィグの自動設定の危険度を軽減することを可能とする。
【解決手段】 情報処理装置に対するコンフィグの設定をコンフィグ設定装置に半自動的に行わせるためのコンフィグ設定プログラムであって、コンフィグ設定装置に、コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルにもとづき各処理を順次実行させ、一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止させ、入力された処理コマンドを実行させ、実行コマンドの入力にもとづき、コンフィグ設定処理を、一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行させるコンフィグ設定プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク機器に対するコンフィグの自動設定において、危険工程についての手動設定を可能としたコンフィグ設定プログラム、コンフィグ設定装置、及びコンフィグ設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク機器に対するコンフィグの設定は、ネットワーク機器ごとにネットワークの知識を持った人により手作業で行われていたが、ネットワークが大規模になるにつれて、コンフィグの設定作業は大変煩雑なものとなりつつあり、また手作業による入力ミスの発生なども問題となっていた。
このような問題を解決すべく、例えば、特許文献1には、各ネットワーク機器のコンフィグ設定を集中的にホスト端末に入力しておき、各ルータにホスト端末にアクセスさせて自身のコンフィグ情報を受信させ、自動設定させるネットワークのコンフィギュレーション設定情報入力方式が提案されている。
この方式によれば、コンフィグ設定情報の入力作業が効率化でき、設定ミスを減少させることが可能となっている。
【0003】
また、特許文献2に記載のハード・ソフト連動シミュレーション方法には、コマンド記述したファイルからデバイスのコンフィギュレーションの設定を行うことが提案されている。
この方法を用いれば、コンフィグ設定の効率化及び設定ミスの低減を促進できるものと考えられる。
【0004】
【特許文献1】特開平07−162448号公報
【特許文献2】特開2000−113021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のコンフィグ設定の自動化によれば、一連の処理がすべて自動的に進行するため、処理が失敗した場合には、かえって復旧が煩雑になるという問題があった。特に、ネットワーク機器のコンフィグ設定は、多数のコンピュータに影響が及び、コンフィグ設定の失敗は重大な問題である。このため、その設定における危険工程作業の実行にあたっては、慎重に確認可能とすることが好ましい。
【0006】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、コンフィグ設定の自動化において、一連の処理の中に自由に停止位置を設け、手動で確認、実行を繰り返しながらの設定を可能とすることで、自動設定の危険度を軽減することの可能なコンフィグ設定プログラム、コンフィグ設定装置、及びコンフィグ設定システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のコンフィグ設定プログラムは、情報処理装置に対するコンフィグの設定をコンフィグ設定装置に半自動的に行わせるためのコンフィグ設定プログラムであって、コンフィグ設定装置に、コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルにもとづき各処理を順次実行させ、一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止させ、入力された処理コマンドを実行させ、実行コマンドの入力にもとづき、コンフィグ設定処理を、一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行させる構成としてある。
【0008】
コンフィグ設定プログラムをこのような構成にすれば、予め作業手順ファイルにおいて、危険工程に対応する処理について一時停止を行うとの情報を保有させておくことで、コンフィグ設定装置に危険工程についての設定前に設定処理を停止させることができ、このような危険工程などについては、コマンドを手動入力することで、設定を行うことができる。そして、危険工程の設定が終了した後に、コンフィグ設定装置に再び次の処理から自動的にコンフィグ設定を実行させることができる。
このため、コンフィグ設定における危険度を軽減することが可能となる。
なお、「実行コマンドの入力」は、処理コマンドとして入力しても、あるいは実行ボタンの押下などにもとづき入力するようにしてもかまわない。
【0009】
また、本発明のコンフィグ設定プログラムは、コンフィグ設定装置を、コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルを記憶する作業手順ファイル記憶手段と、作業手順ファイルを指定可能な領域、作業状況を表示するための作業状況表示領域、手動操作を実行するための手動操作実行領域、及びコンフィグ設定処理を継続実行させるための実行ボタンを備えた作業実行画面を記憶する作業画面記憶手段として機能させるとともに、コンフィグ設定装置に、作業画面記憶手段から作業実行画面を読み出して表示させるとともに、当該作業実行画面から指定された作業手順ファイルを作業手順ファイル記憶手段から読み出させて、当該作業手順ファイルにおける各処理を順次実行させ、この実行によるログを作業状況表示領域に表示させ、一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止させ、手動操作実行領域から入力された処理コマンドを実行させ、実行ボタンが押下されると、コンフィグ設定処理を、一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行させる構成としてある。
【0010】
コンフィグ設定プログラムをこのような構成にすれば、上記の作業実行画面によりコンフィグ設定処理の作業状況を参照することができ、またコンフィグ設定の一時停止が行われた際には、手動操作実行領域からコンフィグ設定を行うことができる。そして、危険工程等の処理が終了すると、実行ボタンを押下することで、次の処理からコンフィグ設定を継続することができる。
このため、この作業実行画面を用いて、安全かつ効率的にコンフィグ設定を行うことが可能となる。
【0011】
また、本発明のコンフィグ設定プログラムは、コンフィグ設定装置に、手動操作実行領域から停止コマンドが入力されると、コンフィグ設定処理を停止させることを実行させる構成としてある。
コンフィグ設定プログラムをこのような構成にすれば、作業状況表示領域を参照していて、問題のあるログなどを視認した場合、手動操作実行領域から停止コマンドを入力して、コンフィグ設定の自動実行を停止することができる。
このため、作業手順ファイルに予め定義しなかった処理について、問題があった場合にも、早い段階で切り戻し(正常に設定が行われた箇所から再び設定を行い直すこと)などの対処を行うことが可能となる。
【0012】
また、本発明のコンフィグ設定プログラムは、コンフィグ設定対象の情報処理装置がネットワーク機器である構成としてある。
コンフィグ設定プログラムをこのような構成にすれば、特に多くの情報処理装置などに影響を与えるネットワーク機器について、コンフィグ設定を半自動化することができる。
このため、このようなネットワークコンフィグの設定の危険度を軽減することが可能となる。
【0013】
また、本発明のコンフィグ設定装置は、情報処理装置に対するコンフィグの設定を半自動的に行うコンフィグ設定装置であって、コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルにもとづき各処理を順次実行し、一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止し、入力された処理コマンドを実行し、実行コマンドの入力にもとづき、コンフィグ設定処理を、一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行する設定実行手段を備えた構成としてある。
【0014】
また、本発明のコンフィグ設定装置は、コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルを記憶する作業手順ファイル記憶手段と、作業手順ファイルを指定可能な領域、作業状況を表示するための作業状況表示領域、手動操作を実行するための手動操作実行領域、及びコンフィグ設定処理を継続実行させるための実行ボタンを備えた作業実行画面を記憶する作業画面記憶手段と、を備え、設定実行手段が、作業画面記憶手段から作業実行画面を読み出して表示するとともに、当該作業実行画面から指定された作業手順ファイルを作業手順ファイル記憶手段から読み出して、当該作業手順ファイルにおける各処理を順次実行し、この実行によるログを作業状況表示領域に表示し、一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止し、手動操作実行領域から入力された処理コマンドを実行し、実行ボタンが押下されると、コンフィグ設定処理を、一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行するものである構成としてある。
【0015】
また、本発明のコンフィグ設定装置は、手動操作実行領域から停止コマンドが入力されると、コンフィグ設定処理を停止する手動実行手段を備えた構成としてある。
また、本発明のコンフィグ設定装置は、コンフィグ設定対象の情報処理装置がネットワーク機器である構成としてある。
【0016】
また、本発明のコンフィグ設定システムは、情報処理装置に対するコンフィグの設定をコンフィグ設定装置により半自動的に行うコンフィグ設定システムであって、コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルにもとづき各処理を順次実行し、一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止し、入力された処理コマンドを実行し、実行コマンドの入力にもとづき、コンフィグ設定処理を、一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行する設定実行手段を備えたコンフィグ設定装置と、コンフィグ設定装置によりコンフィグの設定を受ける情報処理装置と、を有する構成としてある。
【0017】
また、本発明のコンフィグ設定システムは、コンフィグ設定装置が、コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルを記憶する作業手順ファイル記憶手段と、作業手順ファイルを指定可能な領域、作業状況を表示するための作業状況表示領域、手動操作を実行するための手動操作実行領域、及びコンフィグ設定処理を継続実行させるための実行ボタンを備えた作業実行画面を記憶する作業画面記憶手段と、を備え、設定実行手段が、作業画面記憶手段から作業実行画面を読み出して表示するとともに、当該作業実行画面から指定された作業手順ファイルを作業手順ファイル記憶手段から読み出して、当該作業手順ファイルにおける各処理を順次実行し、この実行によるログを作業状況表示領域に表示し、一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止し、手動操作実行領域から入力された処理コマンドを実行し、実行ボタンが押下されると、コンフィグ設定処理を、一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行するものである構成としてある。
【0018】
また、本発明のコンフィグ設定システムは、コンフィグ設定装置が、手動操作実行領域から停止コマンドが入力されると、コンフィグ設定処理を停止する手動実行手段を備えた構成としてある。
また、本発明のコンフィグ設定システムは、情報処理装置がネットワーク機器である構成としてある。
【0019】
コンフィグ設定装置及びコンフィグ設定システムをこれらのような構成にすれば、予め設定した任意の処理位置において、コンフィグ設定を一時停止し、手動による設定操作を可能とすることができる。
このため、特にネットワーク機器などに対する危険工程におけるコンフィグ設定について、安全にその設定作業を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、コンフィグ設定の自動化において、一連の処理の中に自由に停止位置を設け、手動で確認、実行を繰り返しながらの設定ができ、自動設定の危険度を軽減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係るコンフィグ設定システムの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に示す本発明のコンフィグ設定システムは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。コンピュータのCPUは、プログラムにもとづいてコンピュータの各構成要素に指令を送り、コンフィグ設定装置の動作に必要となる所定の処理、例えば、作業ファイルの読み込み処理、コンフィグの自動設定処理等を行わせる。このように、本発明のコンフィグ設定システムにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現できるものである。
【0022】
プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。
また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ,磁気ディスク,光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
【0023】
まず、本発明の一実施形態の構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施形態のコンフィグ設定システムの構成を示すブロック図である。図2は、同システムにおける作業手順ファイルを示す図である。図3は、同システムにおける作業実行画面を示す図である。
図1に示すように、本実施形態のコンフィグ設定システムは、コンフィグ設定装置10と、これに接続されたネットワーク機器20(20−1〜20−n)を有している。
【0024】
コンフィグ設定装置10は、ネットワーク機器20のコンフィグ設定を行う情報処理装置であり、例えばワークステーションやサーバ、パーソナルコンピュータなどを用いることができる。
このコンフィグ設定装置10は、図1に示すように、作業手順ファイル記憶手段11,作業画面記憶手段12,設定実行手段13,手動実行手段14を有している。
【0025】
作業手順ファイル記憶手段11は、コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルを記憶する記憶装置であり、例えばハードディスクやメモリなどを用いることができる。
この作業手順ファイルとしては、例えば図2に示すようなものとすることができる。同図の例において、作業手順ファイルA1は、行単位に処理コマンドを定義している。また、一時停止項目を備えており、危険工程のため、コンフィグ設定者の目視による確認が必要である処理コマンド2については、一時停止項目に停止が必要であることを示す情報(同図の場合は○)が設定されている。
【0026】
コンフィグの設定は、この作業手順ファイルにおける実行番号の順に実行され、一時停止項目に停止が必要である情報が設定されている処理については、自動実行されずに、その手前の処理終了直後にコンフィグ設定処理は一時停止する。そして、当該処理については、手動により実行が行われ、実行ボタンの押下により、次の処理から再び自動実行が行われる。もちろん、このような一時停止を必要とする処理が連続する場合には、連続するこれらの処理について手動で実行が行われた後に、以降の処理が同様にして継続自動実行される。
【0027】
作業画面記憶手段12は、コンフィグ設定者が、コンフィグの設定にあたって使用するための作業実行画面A2を表示するための情報を記憶する記憶装置であり、例えばハードディスクやメモリなどを用いることができる。
この作業実行画面A2には、図3に示すように、例えば作業手順ファイル指定領域A21,作業状況表示領域A22,手動操作実行領域A23,実行ボタンA24を設けたものとすることができる。
【0028】
作業手順ファイル指定領域A21は、コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルを指定するための領域であり、作業手順ファイルのパスを直接入力や参照入力(ドロップダウンリストによる選択入力)により指定するための領域である。
作業状況表示領域A22は、コンフィグ設定処理のログを表示する領域であり、処理コマンドやその応答結果などの作業状況を表示する。
【0029】
手動操作実行領域A23は、手動によりコマンドを直接入力して実行するための領域である。
実行ボタンA24は、作業手順ファイルにおける一時停止位置において停止したコンフィグ設定処理を、その次の処理から継続して実行する際に押下するためのコマンドボタンである。
また、作業手順ファイル指定領域A21に作業手順ファイルが指定して、当該実行ボタンA24を押下することで、コンフィグ設定を開始するようにすることもできる。
【0030】
設定実行手段13は、作業手順ファイル記憶手段11から作業手順ファイルを読み込んで、実行番号順に処理コマンドを順次実行する。この設定実行手段13は、CPUやメモリ等により構成することができる。
また、実行ボタンA24が押下されると、停止位置の次の実行番号からコンフィグ設定処理を開始する。例えば、図2の例において、実行番号2の処理でコンフィグ設定が一時停止している場合に、実行ボタンA24が押下されると、設定実行手段13は、次の実行番号である実行番号3の処理の処理コマンド3から以降の処理を順次実行する。そして、一時停止が必要であることを示す情報が設定された処理が以降にあれば、同様にして、その処理については自動実行することなしに一時コンフィグ設定処理を停止する。
【0031】
手動実行手段14は、手動操作実行領域A23から入力されたコマンドを実行する。この手動実行手段14も、CPUやメモリ等により構成することができる。
すなわち、手動実行手段14は、作業手順ファイルにおいて一時停止が設定された項目について、コンフィグ設定者により手動操作実行領域A23から入力された処理コマンドを実行する。また、設定実行手段13によりコンフィグ設定処理が実行されている最中に、コンフィグ設定者により手動操作実行領域A23から停止コマンドが入力されると、手動実行手段14は、実行中のコンフィグ設定処理を一時停止する。
【0032】
例えば、図2の例において、実行番号3の処理の実行中に、コンフィグ設定者が、作業状況表示領域を参照していて、コンフィグ設定に問題が生じる可能性のあるようなログを見つけた場合には、手動操作実行領域A23から停止コマンドを入力することにより、処理コマンド3の処理の直後や、停止コマンド入力時において実行していた処理の直前の状態に切り戻して、コンフィグ設定処理を停止するようにすることができる。
【0033】
ネットワーク機器20は、コンフィグ設定装置10によりコンフィグ設定を行われるネットワーク機器であり、例えばルータやブリッジなどとすることができる。
このネットワーク機器20は、コンフィグ設定装置10により設定されたコンフィグを記憶する。
【0034】
次に、本実施形態のコンフィグ設定システムにおける処理手順について、図4を参照して説明する。
同図は、本実施形態のコンフィグ設定システムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【0035】
まず、コンフィグ設定装置10は、作業画面記憶手段12から作業実行画面A2を読み込んで、コンフィグ設定装置10におけるディスプレイなどの表示装置に表示する(ステップ10)。
次に、コンフィグ設定者により、作業実行画面A2の作業手順ファイル指定領域A21において作業手順ファイルの指定が行われる。
このとき、コンフィグ設定装置10は、指定された作業手順ファイル名を入力して(ステップ11)、この作業手順ファイル名の作業手順ファイルを作業手順ファイル記憶手段11から読み込んで(ステップ12)メモリ上に展開し、作業手順ファイルに定義されている処理を行単位に順次実行する(ステップ13)。
【0036】
コンフィグ設定装置10は、作業手順ファイルにおける処理コマンドの実行にあたって、まず各レコードの一時停止項目に一時停止を必要とすることを示す情報が設定されているかどうかを確認する(ステップ14)。
一時停止を必要とすることを示す情報が設定されている場合には(ステップ14のYes)、当該レコードの処理を実行することなく、コンフィグ設定処理を一時停止する。
【0037】
そして、手動操作実行領域A23に入力されたコマンドを実行する(ステップ15)。これによって、コンフィグ設定者は、危険工程などにおけるコンフィグの設定を手動で確認しながら慎重に行うことができ、危険度を低減させることが可能となる。
手動で設定すべき危険工程が終了すると、コンフィグ設定者は実行ボタンを押下する。コンフィグ設定装置10は、実行ボタンが押下されると、一時停止した処理の次の処理からコンフィグ設定処理を継続して実行する(ステップ16)。
【0038】
また、一時停止を必要とすることを示す情報が設定されておらず、実行番号が終了を示すものでない場合は(ステップ14のNo,ステップ17のNo)、順次ステップ13以降の処理を繰り返し、一時停止を必要とすることを示す情報が設定されておらず、実行番号が終了を示すものである場合は(ステップ14のNo,ステップ17のYes)、処理を終了する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態のコンフィグ設定システムによれば、予め作業手順ファイルにおいて、危険工程に対応する処理について一時停止を行うとの情報を保有させておくことで、コンフィグ設定装置に危険工程についての設定前に設定処理を停止させることができ、このような危険工程などについては、コマンドを手動入力することで、設定を行うことができるため、コンフィグ設定における危険度を軽減することが可能となる。
特に、多くの情報処理装置などに影響を与えるネットワーク機器について、コンフィグ設定を半自動化することにより、従来のネットワークコンフィグの設定の危険度を大きく低減することが可能となる。
【0040】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、作業実行画面A2においては、画面領域内に作業手順ファイル指定領域A21を設けた構成としてるが、これを作業実行画面A2におけるメニュー項目として設けたり、あるいは各領域の位置を変更するなど適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、情報処理装置に対するコンフィグの自動設定において利用でき、特に、ネットワーク機器のコンフィグ設定に好適に利用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態のコンフィグ設定システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態のコンフィグ設定システムにおける作業手順ファイルを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態のコンフィグ設定システムにおける作業実行画面を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態のコンフィグ設定システムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
10 コンフィグ設定装置
11 作業手順ファイル記憶手段
12 作業画面記憶手段
13 設定実行手段
14 手動実行手段
20(20−1〜20−n) ネットワーク機器
A1 作業手順ファイル
A2 作業実行画面
A21 作業手順ファイル指定領域
A22 作業状況表示領域
A23 作業操作実行領域
A24 実行ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に対するコンフィグの設定をコンフィグ設定装置に半自動的に行わせるためのコンフィグ設定プログラムであって、
前記コンフィグ設定装置に、
コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルにもとづき各処理を順次実行させ、
一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止させ、
入力された処理コマンドを実行させ、
実行コマンドの入力にもとづき、前記コンフィグ設定処理を、前記一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行させる
ことを特徴とするコンフィグ設定プログラム。
【請求項2】
前記コンフィグ設定装置を、前記コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルを記憶する作業手順ファイル記憶手段と、前記作業手順ファイルを指定可能な領域、作業状況を表示するための作業状況表示領域、手動操作を実行するための手動操作実行領域、及びコンフィグ設定処理を継続実行させるための実行ボタンを備えた作業実行画面を記憶する作業画面記憶手段として機能させるとともに、
前記コンフィグ設定装置に、
前記作業画面記憶手段から前記作業実行画面を読み出して表示させるとともに、当該作業実行画面から指定された作業手順ファイルを前記作業手順ファイル記憶手段から読み出させて、当該作業手順ファイルにおける各処理を順次実行させ、
この実行によるログを前記作業状況表示領域に表示させ、
一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止させ、
前記手動操作実行領域から入力された処理コマンドを実行させ、
前記実行ボタンが押下されると、前記コンフィグ設定処理を、前記一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行させる
ことを特徴とする請求項1記載のコンフィグ設定プログラム。
【請求項3】
前記コンフィグ設定装置に、
前記手動操作実行領域から停止コマンドが入力されると、前記コンフィグ設定処理を停止させることを実行させるための請求項2記載のコンフィグ設定プログラム。
【請求項4】
前記情報処理装置がネットワーク機器であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンフィグ設定プログラム。
【請求項5】
情報処理装置に対するコンフィグの設定を半自動的に行うコンフィグ設定装置であって、
コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルにもとづき各処理を順次実行し、一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止し、入力された処理コマンドを実行し、実行コマンドの入力にもとづき、前記コンフィグ設定処理を、前記一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行する設定実行手段を備えた
ことを特徴とするコンフィグ設定装置。
【請求項6】
前記コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルを記憶する作業手順ファイル記憶手段と、前記作業手順ファイルを指定可能な領域、作業状況を表示するための作業状況表示領域、手動操作を実行するための手動操作実行領域、及びコンフィグ設定処理を継続実行させるための実行ボタンを備えた作業実行画面を記憶する作業画面記憶手段と、を備え、
前記設定実行手段が、前記作業画面記憶手段から前記作業実行画面を読み出して表示するとともに、当該作業実行画面から指定された作業手順ファイルを前記作業手順ファイル記憶手段から読み出して、当該作業手順ファイルにおける各処理を順次実行し、この実行によるログを前記作業状況表示領域に表示し、一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止し、前記手動操作実行領域から入力された処理コマンドを実行し、前記実行ボタンが押下されると、前記コンフィグ設定処理を、前記一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行するものである
ことを特徴とする請求項5記載のコンフィグ設定装置。
【請求項7】
前記手動操作実行領域から停止コマンドが入力されると、前記コンフィグ設定処理を停止する手動実行手段を備えた
ことを特徴とする請求項6記載のコンフィグ設定装置。
【請求項8】
前記情報処理装置がネットワーク機器であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のコンフィグ設定装置。
【請求項9】
情報処理装置に対するコンフィグの設定をコンフィグ設定装置により半自動的に行うコンフィグ設定システムであって、
コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルにもとづき各処理を順次実行し、一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止し、入力された処理コマンドを実行し、実行コマンドの入力にもとづき、前記コンフィグ設定処理を、前記一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行する設定実行手段を備えたコンフィグ設定装置と、
前記コンフィグ設定装置によりコンフィグの設定を受ける前記情報処理装置と、を有する
ことを特徴とするコンフィグ設定システム。
【請求項10】
前記コンフィグ設定装置が、前記コンフィグ設定処理における各処理毎に一時停止を行うかどうかの情報を保有する作業手順ファイルを記憶する作業手順ファイル記憶手段と、前記作業手順ファイルを指定可能な領域、作業状況を表示するための作業状況表示領域、手動操作を実行するための手動操作実行領域、及びコンフィグ設定処理を継続実行させるための実行ボタンを備えた作業実行画面を記憶する作業画面記憶手段と、を備え、
前記設定実行手段が、前記作業画面記憶手段から前記作業実行画面を読み出して表示するとともに、当該作業実行画面から指定された作業手順ファイルを前記作業手順ファイル記憶手段から読み出して、当該作業手順ファイルにおける各処理を順次実行し、この実行によるログを前記作業状況表示領域に表示し、一時停止を行うとの情報に対応する処理の実行前に、当該コンフィグ設定処理を一時停止し、前記手動操作実行領域から入力された処理コマンドを実行し、前記実行ボタンが押下されると、前記コンフィグ設定処理を、前記一時停止を行うとの情報に対応する処理の次の処理から継続して実行するものである
ことを特徴とする請求項9記載のコンフィグ設定システム。
【請求項11】
前記コンフィグ設定装置が、前記手動操作実行領域から停止コマンドが入力されると、前記コンフィグ設定処理を停止する手動実行手段を備えたことを特徴とする請求項10記載のコンフィグ設定システム。
【請求項12】
前記情報処理装置がネットワーク機器であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のコンフィグ設定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−157311(P2006−157311A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343170(P2004−343170)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】