コンベア装置
【課題】コンベア上での組付作業やコンベア上のパレットへの部品搭載作業を容易化する。
【解決手段】コンベア2の支持部(支持レール33及び支持ローラ34)をパレット1に対して幅方向一方側に偏在させ、支持部の幅方向他方側に形成される作業空間Qをパレット1の搬送経路内に侵出させる。また、支持部で支持されたパレット1の幅方向一方側の端部(突出片12)を上方から押さえる押さえ部(押さえローラ51)を設ける。
【解決手段】コンベア2の支持部(支持レール33及び支持ローラ34)をパレット1に対して幅方向一方側に偏在させ、支持部の幅方向他方側に形成される作業空間Qをパレット1の搬送経路内に侵出させる。また、支持部で支持されたパレット1の幅方向一方側の端部(突出片12)を上方から押さえる押さえ部(押さえローラ51)を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークが搭載されたパレットを搬送するためのコンベア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車のエンジンやトランスミッションの組立ラインでは、パレットに搭載されたワークをコンベアで搬送しながら、ワークに対して各種部品が組み付けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−203385号公報
【特許文献2】特開2004−196454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような組立ラインにおいて、コンベアの高さは、作業者が作業しやすい高さ(例えば床面から50cm程度)に設定される。このようにコンベアが所定の高さを有する場合、作業者がコンベアを跨いで横切ることは困難であるため、作業者はコンベアの一方側からしか組付作業を行うことができない。このため、ワークの反対側の面(作業者から見て奥側の面)への組付作業性が悪いという問題が生じる。
【0005】
また、上記のような組立ラインでは、パレットに部品を搭載する際、図9に示すように、コンベアCに向かって作業する作業者Mの背後に部品ストック部Sが設置されていると、作業者Mは部品ストック部Sの部品をパレットP上に搭載するために反転する必要が生じる。このような反転動作は、作業者の大きな負担となり、作業効率が低下する。
【0006】
このような部品搭載時の反転による作業者の負担を軽減するために、図10(a)に示すように、作業者Mから見てコンベアCの向こう側に部品ストック部Sを設置し、作業者Mが前向きのまま部品ストック部Sから部品を取り出してパレットP上に移載する、いわゆる前取り方式の部品搭載ラインが採用されることがある。しかし、このような前取り方式を採用した場合、図10(b)に示すように作業者MがコンベアCの上方に身を乗り出して部品ストック部Sの部品を取る必要があるため、特に重量が大きい部品を搭載する場合には作業者の負担が大きくなる。
【0007】
例えば特許文献2に示されている可動式の部品ストック部(同文献では部品棚4)を、前取り方式の部品搭載ラインに適用し、この可動式の部品ストック部をコンベアの上方まで移動させれば、作業者の負担を軽減することができる。しかし、このような装置は非常に大掛かりで設備スペースが嵩む上、設備コストも大幅に高騰する。
【0008】
本発明の解決すべき課題は、大掛かりな装置を用いることなく、コンベア上での組付作業やパレットへの部品搭載作業を容易化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、パレットを下方から支持する支持部を有し、この支持部で支持されたパレットを所定方向に搬送するコンベア装置であって、支持部をパレットに対して幅方向一方側に偏在させ、支持部で支持されたパレットの幅方向一方側の端部を上方から押さえる押さえ部を設けたことを特徴とするコンベア装置を提供する。
【0010】
尚、「幅方向」とは、パレット搬送方向と直交する水平方向のことを言う。また、「支持部が幅方向一方側に偏在」しているとは、支持部によるパレットの支持幅(すなわち、パレットと支持部との接触部分の幅方向両端部間の領域)が、パレットの幅方向中央部に対して幅方向一方に偏在した状態のことを言う。例えば図12に示す例では、幅方向に離隔した2箇所に設けられた支持部C1,C2によるパレットPの支持幅Wが、パレットPの幅方向中央部に対して幅方向一方に偏在している。また、図示は省略するが、ベルトコンベアのようにパレットを面接触で支持する支持部の場合は、ベルトコンベアとパレットとの接触部の幅方向領域が支持幅Wとなる。
【0011】
このように、パレットを支持する支持部をパレットに対して幅方向一方に偏在させることにより、支持部の幅方向他方側に形成された作業空間をパレット搬送経路内に侵出させることができる。この作業空間に作業者が侵入することにより、ワークの幅方向一方側の面(作業者から見て奥側の面)へのアクセスが容易化され、作業性が高められる。また、上記のコンベア装置を前取り方式の部品搭載ラインに適用すれば、すなわち、上記のコンベア装置と、コンベア装置の支持部に支持されたパレットと、コンベア装置の幅方向一方側に設けられた部品ストック部と、コンベア装置の幅方向他方側に設けられ、パレットの搬送経路内に侵出した作業空間とを有し、作業空間に侵入した作業者が部品ストック部から部品を取り出してパレット上に搭載する部品搭載ラインでは、作業者が作業空間に侵入して部品ストック部に近づくことができるため、部品ストック部の部品が取り出しやすくなって作業性が高められる。
【0012】
ところで、パレットを安定的に支持するためには、図11に示すように、パレットPを下方から支持するコンベアCの支持部C1,C2を、パレットPに対して幅方向対称な位置、好ましくは幅方向両端部付近に設けることが好ましい。これに対し、上記のように支持部をパレットに対して幅方向一方に偏在させると、パレットの支持が不安定となる恐れがある。具体的には、図12に示すように、コンベアCの幅方向他方側の支持部C2を幅方向一方側の支持部C1に接近させ、支持部C1,C2をパレットPの幅方向一方側(図中右側)に偏在させると、図中矢印で示すように、パレットPがバランスを失って図中右側の支持部C1から浮き上がり、コンベアCから脱落する恐れが生じる。
【0013】
そこで、コンベア装置に、幅方向一方に偏在した支持部で支持されたパレットの幅方向一方側の端部(図12で支持部C1から浮き上がる側の端部)を上方から押さえる押さえ部を設ければ、図12に矢印で示すようなパレットの回転を規制して、パレットを安定的に支持することができる。すなわち、本発明のコンベア装置は、作業空間をパレット搬送経路内に侵出させるために、支持部を偏在させてパレットの支持をあえて不安定な状態とした上で、パレットの端部を抑える押さえ部を設けてパレットの支持安定性を確保することにより、作業性の向上及びパレットの安定的支持の両立を可能としたものである。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明のコンベア装置によれば、支持部をパレットに対して幅方向一方側に偏在させることで、作業者のワークや前取り方式の部品ストック部へのアクセスが良好となり作業性が向上する。また、幅方向に偏在した支持部で支持されたパレットの端部を押さえる押さえ部を設けることで、パレットを安定的に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】トランスミッションユニットの組立ラインの平面図である。
【図2】本発明のコンベア装置を適用した搭載ラインコンベアの平面図である。
【図3】搭載ラインコンベアの幅広部の幅方向断面図(図2のIII−III線における断面図)である。
【図4】搭載ラインコベアの幅広部の搬送方向断面図(図3のIV−IV線における断面図)である。
【図5】搭載ラインコンベアの幅狭部の幅方向断面図(図2のV−V線における断面図)である。
【図6】搭載ラインコンベアの幅狭部の搬送方向断面図(図5のVI−VI線における断面図)である。
【図7】搭載ラインコンベアの幅狭部の搬送方向断面図(図5のVII−VII線における断面図)である。
【図8】本発明のコンベア装置を適用した組付ラインコンベアの平面図である。
【図9】作業者の背後に部品ストック部を配置した部品搭載工程を示す平面図である。
【図10】部品前取り方式の部品搭載工程を示す(a)平面図及び(b)側面図である。
【図11】パレットの幅方向両端部を支持したコンベアを示す正面図である。
【図12】パレットの幅方向一方に偏在した領域を支持したコンベアを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、自動車のトランスミッションユニットの組立ライン100を示している。この組立ライン100は、パレット1に各種部品を搭載する部品搭載ラインL1と、トランスミッションTに各種部品を組み付ける部品組付ラインL2とを有する。部品搭載ラインL1には搭載ラインコンベア2が設けられ、部品組付ラインL2には組付ラインコンベア3が設けられる。搭載ラインコンベア2の下流端及び上流端は、組付ラインコンベア3の上流端及び下流端と、連結コンベア4,5を介して連結される。以上により、パレット1をループ状に搬送するループコンベアが設けられる。
【0018】
部品搭載ラインL1では、搭載ラインコンベア2に載置された空のパレット1に、部品ストック部6から取り出した部品(図示省略)が作業者Mにより搭載される。所定の部品が搭載されたパレット1は、搭載ラインコンベア2の下流端から排出されて連結コンベア4を介して部品組付ラインL2(組付ラインコンベア3)に搬入される。
【0019】
部品組付ラインL2では、組付ラインコンベア3の上流端においてパレット1にトランスミッションTが搬入される(図1の矢印A参照)。そして、トランスミッションT及び各種部品を搭載したパレット1を、組付ラインコンベア3で下流側に搬送しながら、作業者Mにより各種部品がトランスミッションTに組み付けられる。こうして完成したトランスミッションユニットは、次の工程へ搬出される(図1の矢印B参照)。そして、トランスミッションユニットが搬出された空のパレット1は、組付ラインコンベア3の下流端から排出されて連結コンベア5を介して部品組付ラインL1(搭載ラインコンベア2)に搬入される。以上を繰り返すことにより、トランスミッションTが組み立てられる。
【0020】
以下、搭載ラインコンベア2の構成を詳しく説明する。
【0021】
搭載ラインコンベア2は、図1に示すように、上流端部及び下流端部に相対的に幅方向寸法の広い幅広部21,21が設けられ、幅広部21,21の間に相対的に幅方向寸法の狭い幅狭部22が設けられる。幅広部21の幅方向寸法はパレット1の幅方向寸法と同程度であり、幅狭部22の幅方向寸法はパレット1の幅方向寸法の半分程度である。幅狭部22は、パレット1に対して幅方向一方側に偏在している。この搭載ラインコンベア2の幅狭部22に、本発明の一実施形態に係るコンベア装置が適用される。
【0022】
搭載ラインコンベア2は、パレット1を下方から支持する支持部と、支持部を所定の高さで保持する基台部40(図3等参照)とを備える。幅広部21の支持部は、図2に示すように、パレット1の幅方向両端部付近を支持する搬送方向に延びた一対の支持レール31,32で構成される。この支持レール31,32は、図3に示すように、パレット1の下面の幅方向両端部付近に設けられたローラ(本実施形態ではボールローラ)11が嵌り込む位置に配される。支持レール31,32は、図4に示すように、ローラ11を搬送方向に走行自在に収容し、これによりパレット1が搬送方向にスライド自在とされる。また、図3に示すように、支持レール31,32にローラ11が嵌り込むことにより、パレット1が幅方向に位置決めされる。
【0023】
幅狭部22の支持部は、図2に示すように、パレット1の幅方向一方側の端縁付近に設けられた支持レール33と、パレット1の幅方向中央部付近に設けられた支持ローラ34とで構成される。支持レール33は、幅広部21の支持レール31,31と連続して設けられる。支持ローラ34は、幅方向の回転軸を有し、搬送方向に回転自在なフリーローラであり、パレット1の下面を接触支持する。本実施形態では、図6に示すように、複数個の支持ローラ34が搬送方向に並べて配される。
【0024】
幅狭部の支持部は、図5に示すように、パレット1に対して幅方向一方側に偏在している。すなわち、支持部によるパレット1の支持幅W(支持レール33及び支持ローラ34とパレット1との接触部の幅方向両端部間の領域)が、パレット1に対して幅方向一方側(図5の右側)に偏在している。これにより、支持部の幅方向他方側(図5の左側)に形成された作業空間Qを、パレット1の搬送経路内(パレット1の幅方向領域内)に侵出させることができる。
【0025】
幅狭部22には、図5に示すように、パレット1の幅方向一方側(図中右側)の端部を上下から挟持する挟持手段50が設けられる。具体的には、パレットの幅方向一方側の端部を上方から押さえる押さえ部としての押さえローラ51と、下方から支持する支持ローラ52とで、挟持手段50が構成される。本実施形態では、パレット1の幅方向一方側の端部に突出片12が設けられ、この突出片12を押さえローラ51及び支持ローラ52で上下から挟持している。押さえローラ51及び支持ローラ52は、共に幅方向の回転軸を有し、搬送方向に回転自在なフリーローラである。本実施形態では、図7に示すように、複数個の押さえローラ51及び支持ローラ52が搬送方向に並べて配される。
【0026】
以下、部品搭載ラインL1における部品搭載作業、特に、搭載ラインコンベア2によるパレット1の搬送方法を説明する。
【0027】
連結コンベア5から搭載ラインコンベア2に搬入されたパレット1は、搭載ラインコンベア2の上流側の幅広部21に載置される。幅広部21では、図3に示すように、支持レール31,32により、パレット1の幅方向両端部付近が下方から支持される。
【0028】
幅広部21に載置されたパレット1は、作業者により下流側に搬送される。そして、図2に鎖線で示すように、パレット1が上流側の幅広部21の下流端に達したら、パレット1の突出片12が挟持手段50により上下から挟持される。また、このとき、パレット1の下面の中央部の少なくとも一部が、幅狭部22から延びた支持ローラ34により支持されている。
【0029】
さらにパレット1を下流側に搬送すると、パレット1が搭載ラインコンベア2の幅狭部22上に配置される(図2の点線参照)。こうして幅狭部22に配されたパレット1に、作業者Mが所定の部品を搭載する(図1参照)。具体的には、幅狭部22の幅方向他方側に形成された作業空間Qに作業者Mが侵入し、この作業者Mが搭載ラインコンベア2の幅方向一方側の部品ストック部6から部品を取り出し、幅狭部22上に配置されたパレット1に搭載する。このとき、幅狭部22が幅方向一方側に偏在し、作業空間Qがパレット1の搬送経路内に侵出していることで、作業者と部品ストック部6との距離を短縮することができるため、作業者Mが部品ストック部6から部品を取り出す作業が容易化される。
【0030】
幅狭部22では、図5に示すように、パレット1の幅方向一方側の端部が支持レール33で支持されると共に、パレット1の中央部が支持ローラ34で支持される。このように、パレット1の幅方向一方に偏在した領域を支持した状態で、パレット1の宙に浮いている部分(支持ローラ34よりも図中左側)に部品を載置すると、パレット1のバランスが崩れて幅方向一方側の端部が支持レール33から浮き上がろうとする(図12参照)。このとき、パレット1の幅方向一方の端部に設けた突出片12を押さえローラ51で上方から押さえることにより、パレット1の回転を規制し、パレット1を安定的に支持することができる。また、本実施形態では、押さえローラ51と支持ローラ52とで突出片12を上下から挟持することで、より安定した状態でパレット1を支持することができるため、パレット1に部品を搭載したときの振動やパレット1搬送時の振動により、パレット1が搭載ラインコンベア2から脱落する事態を確実に回避できる。
【0031】
パレット1に所定の部品が全て搭載されたら、作業者によりパレット1が幅狭部22から押し出され、下流側の幅広部21に配置される。尚、図示は省略するが、幅狭部22の下流側端部に、部品の搭載漏れを防止するために、パレット1の搬送を規制する規制手段(例えば昇降ピン)を設けてもよい。この場合、幅狭部22においてパレット1に部品を搭載している間は、昇降ピンがパレット1と干渉する位置に配され、パレット1の幅狭部22からの排出が規制される。パレット1に所定の部品が全て搭載されたら、昇降ピンが降下し、パレット1を幅狭部22から排出可能となる。
【0032】
本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記の実施形態では、部品搭載ラインL1に本発明のコンベア装置を適用した場合を示したが、これに限らず、例えば図8に示すように、部品組付ラインL2の組付ラインコンベア3に幅広部3a及び幅狭部3bを設け、この幅狭部3bに本発明のコンベア装置を適用してもよい。この場合、作業空間Qがパレット1の搬送経路内に侵出して設けられることで、トランスミッションTの側面(搬送方向両側の面)や奥面(作業空間Qと反対側の面)に作業者Mがアクセスしやすくなり、作業性を高めることができる。尚、組付ラインコンベア3の幅広部3a及び幅狭部3bの構成は、上記実施形態の搭載ラインコンベア2の幅広部21及び幅狭部22の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0033】
また、上記の実施形態では、パレット1が作業者Mの手により搬送される場合を示しているが、パレット1を自動で搬送する駆動手段を設けてもよい。例えば、部品ラインコンベア2の幅広部21及び幅狭部22を、それぞれ幅方向寸法の異なるベルトコンベアで構成してもよい。
【0034】
また、上記の実施形態では、本発明のコンベア装置をトランスミッションユニットの組立ライン100に適用する場合を示しているが、これに限らず、他の部品(例えばエンジンユニット)の組立ラインにも適用することもできる。
【符号の説明】
【0035】
100 組立ライン
1 パレット
2 搭載ラインコンベア
21 幅広部
22 幅狭部
31,32 支持レール
33 支持レール
34 支持ローラ
40 基台部
50 挟持手段
51 押さえローラ(押さえ部)
52 支持ローラ
3 組付ラインコンベア
4,5 連結コンベア
6 部品ストック部
M 作業者
Q 作業空間
T トランスミッション
W 支持部によるパレットの支持幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークが搭載されたパレットを搬送するためのコンベア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車のエンジンやトランスミッションの組立ラインでは、パレットに搭載されたワークをコンベアで搬送しながら、ワークに対して各種部品が組み付けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−203385号公報
【特許文献2】特開2004−196454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような組立ラインにおいて、コンベアの高さは、作業者が作業しやすい高さ(例えば床面から50cm程度)に設定される。このようにコンベアが所定の高さを有する場合、作業者がコンベアを跨いで横切ることは困難であるため、作業者はコンベアの一方側からしか組付作業を行うことができない。このため、ワークの反対側の面(作業者から見て奥側の面)への組付作業性が悪いという問題が生じる。
【0005】
また、上記のような組立ラインでは、パレットに部品を搭載する際、図9に示すように、コンベアCに向かって作業する作業者Mの背後に部品ストック部Sが設置されていると、作業者Mは部品ストック部Sの部品をパレットP上に搭載するために反転する必要が生じる。このような反転動作は、作業者の大きな負担となり、作業効率が低下する。
【0006】
このような部品搭載時の反転による作業者の負担を軽減するために、図10(a)に示すように、作業者Mから見てコンベアCの向こう側に部品ストック部Sを設置し、作業者Mが前向きのまま部品ストック部Sから部品を取り出してパレットP上に移載する、いわゆる前取り方式の部品搭載ラインが採用されることがある。しかし、このような前取り方式を採用した場合、図10(b)に示すように作業者MがコンベアCの上方に身を乗り出して部品ストック部Sの部品を取る必要があるため、特に重量が大きい部品を搭載する場合には作業者の負担が大きくなる。
【0007】
例えば特許文献2に示されている可動式の部品ストック部(同文献では部品棚4)を、前取り方式の部品搭載ラインに適用し、この可動式の部品ストック部をコンベアの上方まで移動させれば、作業者の負担を軽減することができる。しかし、このような装置は非常に大掛かりで設備スペースが嵩む上、設備コストも大幅に高騰する。
【0008】
本発明の解決すべき課題は、大掛かりな装置を用いることなく、コンベア上での組付作業やパレットへの部品搭載作業を容易化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、パレットを下方から支持する支持部を有し、この支持部で支持されたパレットを所定方向に搬送するコンベア装置であって、支持部をパレットに対して幅方向一方側に偏在させ、支持部で支持されたパレットの幅方向一方側の端部を上方から押さえる押さえ部を設けたことを特徴とするコンベア装置を提供する。
【0010】
尚、「幅方向」とは、パレット搬送方向と直交する水平方向のことを言う。また、「支持部が幅方向一方側に偏在」しているとは、支持部によるパレットの支持幅(すなわち、パレットと支持部との接触部分の幅方向両端部間の領域)が、パレットの幅方向中央部に対して幅方向一方に偏在した状態のことを言う。例えば図12に示す例では、幅方向に離隔した2箇所に設けられた支持部C1,C2によるパレットPの支持幅Wが、パレットPの幅方向中央部に対して幅方向一方に偏在している。また、図示は省略するが、ベルトコンベアのようにパレットを面接触で支持する支持部の場合は、ベルトコンベアとパレットとの接触部の幅方向領域が支持幅Wとなる。
【0011】
このように、パレットを支持する支持部をパレットに対して幅方向一方に偏在させることにより、支持部の幅方向他方側に形成された作業空間をパレット搬送経路内に侵出させることができる。この作業空間に作業者が侵入することにより、ワークの幅方向一方側の面(作業者から見て奥側の面)へのアクセスが容易化され、作業性が高められる。また、上記のコンベア装置を前取り方式の部品搭載ラインに適用すれば、すなわち、上記のコンベア装置と、コンベア装置の支持部に支持されたパレットと、コンベア装置の幅方向一方側に設けられた部品ストック部と、コンベア装置の幅方向他方側に設けられ、パレットの搬送経路内に侵出した作業空間とを有し、作業空間に侵入した作業者が部品ストック部から部品を取り出してパレット上に搭載する部品搭載ラインでは、作業者が作業空間に侵入して部品ストック部に近づくことができるため、部品ストック部の部品が取り出しやすくなって作業性が高められる。
【0012】
ところで、パレットを安定的に支持するためには、図11に示すように、パレットPを下方から支持するコンベアCの支持部C1,C2を、パレットPに対して幅方向対称な位置、好ましくは幅方向両端部付近に設けることが好ましい。これに対し、上記のように支持部をパレットに対して幅方向一方に偏在させると、パレットの支持が不安定となる恐れがある。具体的には、図12に示すように、コンベアCの幅方向他方側の支持部C2を幅方向一方側の支持部C1に接近させ、支持部C1,C2をパレットPの幅方向一方側(図中右側)に偏在させると、図中矢印で示すように、パレットPがバランスを失って図中右側の支持部C1から浮き上がり、コンベアCから脱落する恐れが生じる。
【0013】
そこで、コンベア装置に、幅方向一方に偏在した支持部で支持されたパレットの幅方向一方側の端部(図12で支持部C1から浮き上がる側の端部)を上方から押さえる押さえ部を設ければ、図12に矢印で示すようなパレットの回転を規制して、パレットを安定的に支持することができる。すなわち、本発明のコンベア装置は、作業空間をパレット搬送経路内に侵出させるために、支持部を偏在させてパレットの支持をあえて不安定な状態とした上で、パレットの端部を抑える押さえ部を設けてパレットの支持安定性を確保することにより、作業性の向上及びパレットの安定的支持の両立を可能としたものである。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明のコンベア装置によれば、支持部をパレットに対して幅方向一方側に偏在させることで、作業者のワークや前取り方式の部品ストック部へのアクセスが良好となり作業性が向上する。また、幅方向に偏在した支持部で支持されたパレットの端部を押さえる押さえ部を設けることで、パレットを安定的に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】トランスミッションユニットの組立ラインの平面図である。
【図2】本発明のコンベア装置を適用した搭載ラインコンベアの平面図である。
【図3】搭載ラインコンベアの幅広部の幅方向断面図(図2のIII−III線における断面図)である。
【図4】搭載ラインコベアの幅広部の搬送方向断面図(図3のIV−IV線における断面図)である。
【図5】搭載ラインコンベアの幅狭部の幅方向断面図(図2のV−V線における断面図)である。
【図6】搭載ラインコンベアの幅狭部の搬送方向断面図(図5のVI−VI線における断面図)である。
【図7】搭載ラインコンベアの幅狭部の搬送方向断面図(図5のVII−VII線における断面図)である。
【図8】本発明のコンベア装置を適用した組付ラインコンベアの平面図である。
【図9】作業者の背後に部品ストック部を配置した部品搭載工程を示す平面図である。
【図10】部品前取り方式の部品搭載工程を示す(a)平面図及び(b)側面図である。
【図11】パレットの幅方向両端部を支持したコンベアを示す正面図である。
【図12】パレットの幅方向一方に偏在した領域を支持したコンベアを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、自動車のトランスミッションユニットの組立ライン100を示している。この組立ライン100は、パレット1に各種部品を搭載する部品搭載ラインL1と、トランスミッションTに各種部品を組み付ける部品組付ラインL2とを有する。部品搭載ラインL1には搭載ラインコンベア2が設けられ、部品組付ラインL2には組付ラインコンベア3が設けられる。搭載ラインコンベア2の下流端及び上流端は、組付ラインコンベア3の上流端及び下流端と、連結コンベア4,5を介して連結される。以上により、パレット1をループ状に搬送するループコンベアが設けられる。
【0018】
部品搭載ラインL1では、搭載ラインコンベア2に載置された空のパレット1に、部品ストック部6から取り出した部品(図示省略)が作業者Mにより搭載される。所定の部品が搭載されたパレット1は、搭載ラインコンベア2の下流端から排出されて連結コンベア4を介して部品組付ラインL2(組付ラインコンベア3)に搬入される。
【0019】
部品組付ラインL2では、組付ラインコンベア3の上流端においてパレット1にトランスミッションTが搬入される(図1の矢印A参照)。そして、トランスミッションT及び各種部品を搭載したパレット1を、組付ラインコンベア3で下流側に搬送しながら、作業者Mにより各種部品がトランスミッションTに組み付けられる。こうして完成したトランスミッションユニットは、次の工程へ搬出される(図1の矢印B参照)。そして、トランスミッションユニットが搬出された空のパレット1は、組付ラインコンベア3の下流端から排出されて連結コンベア5を介して部品組付ラインL1(搭載ラインコンベア2)に搬入される。以上を繰り返すことにより、トランスミッションTが組み立てられる。
【0020】
以下、搭載ラインコンベア2の構成を詳しく説明する。
【0021】
搭載ラインコンベア2は、図1に示すように、上流端部及び下流端部に相対的に幅方向寸法の広い幅広部21,21が設けられ、幅広部21,21の間に相対的に幅方向寸法の狭い幅狭部22が設けられる。幅広部21の幅方向寸法はパレット1の幅方向寸法と同程度であり、幅狭部22の幅方向寸法はパレット1の幅方向寸法の半分程度である。幅狭部22は、パレット1に対して幅方向一方側に偏在している。この搭載ラインコンベア2の幅狭部22に、本発明の一実施形態に係るコンベア装置が適用される。
【0022】
搭載ラインコンベア2は、パレット1を下方から支持する支持部と、支持部を所定の高さで保持する基台部40(図3等参照)とを備える。幅広部21の支持部は、図2に示すように、パレット1の幅方向両端部付近を支持する搬送方向に延びた一対の支持レール31,32で構成される。この支持レール31,32は、図3に示すように、パレット1の下面の幅方向両端部付近に設けられたローラ(本実施形態ではボールローラ)11が嵌り込む位置に配される。支持レール31,32は、図4に示すように、ローラ11を搬送方向に走行自在に収容し、これによりパレット1が搬送方向にスライド自在とされる。また、図3に示すように、支持レール31,32にローラ11が嵌り込むことにより、パレット1が幅方向に位置決めされる。
【0023】
幅狭部22の支持部は、図2に示すように、パレット1の幅方向一方側の端縁付近に設けられた支持レール33と、パレット1の幅方向中央部付近に設けられた支持ローラ34とで構成される。支持レール33は、幅広部21の支持レール31,31と連続して設けられる。支持ローラ34は、幅方向の回転軸を有し、搬送方向に回転自在なフリーローラであり、パレット1の下面を接触支持する。本実施形態では、図6に示すように、複数個の支持ローラ34が搬送方向に並べて配される。
【0024】
幅狭部の支持部は、図5に示すように、パレット1に対して幅方向一方側に偏在している。すなわち、支持部によるパレット1の支持幅W(支持レール33及び支持ローラ34とパレット1との接触部の幅方向両端部間の領域)が、パレット1に対して幅方向一方側(図5の右側)に偏在している。これにより、支持部の幅方向他方側(図5の左側)に形成された作業空間Qを、パレット1の搬送経路内(パレット1の幅方向領域内)に侵出させることができる。
【0025】
幅狭部22には、図5に示すように、パレット1の幅方向一方側(図中右側)の端部を上下から挟持する挟持手段50が設けられる。具体的には、パレットの幅方向一方側の端部を上方から押さえる押さえ部としての押さえローラ51と、下方から支持する支持ローラ52とで、挟持手段50が構成される。本実施形態では、パレット1の幅方向一方側の端部に突出片12が設けられ、この突出片12を押さえローラ51及び支持ローラ52で上下から挟持している。押さえローラ51及び支持ローラ52は、共に幅方向の回転軸を有し、搬送方向に回転自在なフリーローラである。本実施形態では、図7に示すように、複数個の押さえローラ51及び支持ローラ52が搬送方向に並べて配される。
【0026】
以下、部品搭載ラインL1における部品搭載作業、特に、搭載ラインコンベア2によるパレット1の搬送方法を説明する。
【0027】
連結コンベア5から搭載ラインコンベア2に搬入されたパレット1は、搭載ラインコンベア2の上流側の幅広部21に載置される。幅広部21では、図3に示すように、支持レール31,32により、パレット1の幅方向両端部付近が下方から支持される。
【0028】
幅広部21に載置されたパレット1は、作業者により下流側に搬送される。そして、図2に鎖線で示すように、パレット1が上流側の幅広部21の下流端に達したら、パレット1の突出片12が挟持手段50により上下から挟持される。また、このとき、パレット1の下面の中央部の少なくとも一部が、幅狭部22から延びた支持ローラ34により支持されている。
【0029】
さらにパレット1を下流側に搬送すると、パレット1が搭載ラインコンベア2の幅狭部22上に配置される(図2の点線参照)。こうして幅狭部22に配されたパレット1に、作業者Mが所定の部品を搭載する(図1参照)。具体的には、幅狭部22の幅方向他方側に形成された作業空間Qに作業者Mが侵入し、この作業者Mが搭載ラインコンベア2の幅方向一方側の部品ストック部6から部品を取り出し、幅狭部22上に配置されたパレット1に搭載する。このとき、幅狭部22が幅方向一方側に偏在し、作業空間Qがパレット1の搬送経路内に侵出していることで、作業者と部品ストック部6との距離を短縮することができるため、作業者Mが部品ストック部6から部品を取り出す作業が容易化される。
【0030】
幅狭部22では、図5に示すように、パレット1の幅方向一方側の端部が支持レール33で支持されると共に、パレット1の中央部が支持ローラ34で支持される。このように、パレット1の幅方向一方に偏在した領域を支持した状態で、パレット1の宙に浮いている部分(支持ローラ34よりも図中左側)に部品を載置すると、パレット1のバランスが崩れて幅方向一方側の端部が支持レール33から浮き上がろうとする(図12参照)。このとき、パレット1の幅方向一方の端部に設けた突出片12を押さえローラ51で上方から押さえることにより、パレット1の回転を規制し、パレット1を安定的に支持することができる。また、本実施形態では、押さえローラ51と支持ローラ52とで突出片12を上下から挟持することで、より安定した状態でパレット1を支持することができるため、パレット1に部品を搭載したときの振動やパレット1搬送時の振動により、パレット1が搭載ラインコンベア2から脱落する事態を確実に回避できる。
【0031】
パレット1に所定の部品が全て搭載されたら、作業者によりパレット1が幅狭部22から押し出され、下流側の幅広部21に配置される。尚、図示は省略するが、幅狭部22の下流側端部に、部品の搭載漏れを防止するために、パレット1の搬送を規制する規制手段(例えば昇降ピン)を設けてもよい。この場合、幅狭部22においてパレット1に部品を搭載している間は、昇降ピンがパレット1と干渉する位置に配され、パレット1の幅狭部22からの排出が規制される。パレット1に所定の部品が全て搭載されたら、昇降ピンが降下し、パレット1を幅狭部22から排出可能となる。
【0032】
本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記の実施形態では、部品搭載ラインL1に本発明のコンベア装置を適用した場合を示したが、これに限らず、例えば図8に示すように、部品組付ラインL2の組付ラインコンベア3に幅広部3a及び幅狭部3bを設け、この幅狭部3bに本発明のコンベア装置を適用してもよい。この場合、作業空間Qがパレット1の搬送経路内に侵出して設けられることで、トランスミッションTの側面(搬送方向両側の面)や奥面(作業空間Qと反対側の面)に作業者Mがアクセスしやすくなり、作業性を高めることができる。尚、組付ラインコンベア3の幅広部3a及び幅狭部3bの構成は、上記実施形態の搭載ラインコンベア2の幅広部21及び幅狭部22の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0033】
また、上記の実施形態では、パレット1が作業者Mの手により搬送される場合を示しているが、パレット1を自動で搬送する駆動手段を設けてもよい。例えば、部品ラインコンベア2の幅広部21及び幅狭部22を、それぞれ幅方向寸法の異なるベルトコンベアで構成してもよい。
【0034】
また、上記の実施形態では、本発明のコンベア装置をトランスミッションユニットの組立ライン100に適用する場合を示しているが、これに限らず、他の部品(例えばエンジンユニット)の組立ラインにも適用することもできる。
【符号の説明】
【0035】
100 組立ライン
1 パレット
2 搭載ラインコンベア
21 幅広部
22 幅狭部
31,32 支持レール
33 支持レール
34 支持ローラ
40 基台部
50 挟持手段
51 押さえローラ(押さえ部)
52 支持ローラ
3 組付ラインコンベア
4,5 連結コンベア
6 部品ストック部
M 作業者
Q 作業空間
T トランスミッション
W 支持部によるパレットの支持幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットを下方から支持する支持部を有し、前記支持部で支持されたパレットを所定方向に搬送するコンベア装置であって、
前記支持部をパレットに対して幅方向一方側に偏在させ、前記支持部で支持されたパレットの幅方向一方側の端部を上方から押さえる押さえ部を設けたことを特徴とするコンベア装置。
【請求項2】
請求項1記載のコンベア装置と、コンベア装置の前記支持部に支持されたパレットと、コンベア装置の幅方向一方側に設けられた部品ストック部と、コンベア装置の幅方向他方側に設けられ、パレット搬送経路内に侵出した作業空間とを有し、作業空間に侵入した作業者が部品ストック部から部品を取り出してパレット上に搭載する部品搭載ライン。
【請求項1】
パレットを下方から支持する支持部を有し、前記支持部で支持されたパレットを所定方向に搬送するコンベア装置であって、
前記支持部をパレットに対して幅方向一方側に偏在させ、前記支持部で支持されたパレットの幅方向一方側の端部を上方から押さえる押さえ部を設けたことを特徴とするコンベア装置。
【請求項2】
請求項1記載のコンベア装置と、コンベア装置の前記支持部に支持されたパレットと、コンベア装置の幅方向一方側に設けられた部品ストック部と、コンベア装置の幅方向他方側に設けられ、パレット搬送経路内に侵出した作業空間とを有し、作業空間に侵入した作業者が部品ストック部から部品を取り出してパレット上に搭載する部品搭載ライン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−201609(P2011−201609A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67556(P2010−67556)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]