説明

コンベヤベルトローラを作動させるための装置および方法

コンベヤベルト12を上昇および下降させることにより、コンベヤベルトローラ16を作動させるための装置および方法。コンベヤベルトの厚みを貫通して延在する物品支持ローラは、ベルトローラが軸受面28、70とベルトの下側で接触しない位置までベルトが上昇すると停止する。ベルトの下側でベルトローラが軸受面上に載って回転し、ベルトローラ上の搬送される物品をベルトが進行する回転方向に押出すような位置までベルトが下降すると、ベルトローラが作動して回転する。軸受面の間のウェアストリップのような直線支持面は、選択的にブラダ42を膨張させることによってベルトの底部と支持接触および非接触となるように上昇および下降する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に動力コンベヤに関し、より具体的には、ベルトの厚みを貫通して延在し、ローラ軸受面上にコンベヤベルトを下降させたり上側にコンベヤベルトを上昇させることによって選択的に作動および停止させる物品支持ローラ付のコンベヤベルトを有するコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトを貫通する物品支持ローラ付のモジュールプラスチックコンベヤベルトは、選別機、シンギュレータ、およびダイバータといった、多くの荷物を処理するコンベヤにおいて用いられる。ベルトローラは、搬送路上でベルトが下となる平坦なウェアストリップまたはローラアレイのような軸受面によって作動する。搬送路に沿ってベルトが前進すると、軸受面上を転がってベルトローラが回転する。ローラ上の物品は、前進するベルトに沿ってローラ軸の回転と直角方向に押し出され、これはベルトの移動方向と平行、直角、または斜めであってもよい。
【0003】
いくつかの用途では、ベルトローラを選択的に作動および停止させることが望ましい。これは従来、軸受面がベルトローラと接触および非接触となるように上昇および下降といった動作をさせることによって実行されていた。しかし、移動させるべき軸受面が重かったり扱いにくいことがあり、それらを移動させるために重量モータまたは複雑なフレームワークを必要とすることがある。
【発明の概要】
【0004】
これらの欠点は、本発明の機能を具体化したコンベヤによって克服される。一実施形態では、コンベヤはベルトの移動方向へ縦方向に前進するコンベヤベルトを具える。コンベヤベルトは、縦の列および横の行に配列された物品支持ローラを有する。ローラは、ベルトの厚みを貫通して延在する。ベルトの下側の直線支持面はベルトの移動方向に延在する。支持面は、ローラの列から側方にオフセットする。ローラの軸受面は、支持面の間のコンベヤベルトの下で固定の高さに配置される。コンベヤはさらに、ベルトと接触および非接触となるように支持面を上昇および下降させる手段を提供し、物品支持ローラが軸受面と非接触な支持面上で支持される上昇位置と、ローラが軸受面と回転接触して支持される下降位置との間でベルトを上昇および下降させる。
【0005】
他の実施形態のコンベヤは、ベルトの移動方向へ縦方向に前進するコンベヤベルトを具える。このコンベヤベルトは外側と内側とを有する。縦の列と横の行に配列されたローラは、ベルトの内側と外側を超えて突出する。直線支持面はローラの列から側方にオフセットし、ベルトの内側で縦方向に延在する。軸受面は支持面の間のベルトの内側面の下側に配置される。支持面を支持しているブラダは選択的に膨張および収縮され、第1および第2の位置の間で支持面を上昇および下降させる。第1の位置では、支持面は軸受面と非接触となるような上昇位置にコンベヤベルトと接触して支持する。第2の位置では、支持面はベルトと非接触であり、ベルトは、前進するコンベヤベルトの内側でローラが軸受面と回転接触するような下降位置となる。
【0006】
本発明の他の態様では、コンベヤベルトを操作して前進させる方法において:(a)ローラがベルトの下側に接触しない上昇位置までローラの列の間のコンベヤベルトを押し上げることにより、ベルトの物品支持ローラを停止させるステップと;(b)前進しているコンベヤベルトの下側に軸受面上で回転接触するようにローラが支持される下降位置までコンベヤベルトを下降させることにより、物品支持ローラを作動させるステップと、を具える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明のこれらの態様および機能、さらにその利点は、以下の明細書、添付の特許請求の範囲、および添付の図面を参照することにより、さらに理解されるであろう。
【図1】図1は、本発明の機能を具体化するコンベヤの一部の斜視図である。
【図2】図2は、図1のコンベヤの一部の平面図である。
【図3】図3は、図1のようなコンベアに用いられる膨張性ブラダの斜視図である。
【図4】図4Aおよび図4Bは、ローラ作動およびローラ停止位置のコンベヤベルとを示す、図1のコンベヤの正面図である。
【図5】図5は、本発明の機能を具体化するコンベヤの他の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の機能を具体化するコンベヤの一部が、図1および図2に示されている。コンベヤ10は、コンベヤベルト12上の物品をベルトの移動方向14に進む搬送路の上部に沿って搬送する。図示されているベルトは、横の行18と縦の列19に配列された物品支持ローラ16を具える。ローラは、ベルトの外側面22および内側面23、すなわち搬送路上のベルトの上面および底面に向かって開口している空洞部20を具えている。搬送される物品は、外側面を超えて上方に突出しているローラの凸部上に支持される。ローラの凸部はベルトの内側面を超えて同様に突出している。ローラは、ベルトの移動方向と平行の縦軸24に沿って並べられた駆動軸上の空洞部に保持されている。その結果、ローラが回転する場合は方向26に回転して、コンベヤベルトの側方に向かって物品を押しだす。
【0009】
コンベヤベルト12の上側の物品搬送または搬送路は、駆動ローラ28の外側面のような軸受面、またはウェアストリップのような直線支持面30の何れかに支持される。ベルトが駆動ローラ28上に支持される場合、図4Aに示されるように、ベルトの底面23を超えて突出する物品支持ローラ16の凸部32は、駆動ローラの外側面と接触する。ベルトがベルトの移動方向14に前進すると、物品支持ローラおよび駆動ローラが図2の矢印26および34に示された方向に回転する。駆動ローラ28はベルトの移動方向およびベルトローラの軸24と斜めの軸36上で回転するように配置される。駆動ローラは駆動軸38上で回転し、その端部はコンベヤフレーム(図示せず)に取り付けられたブラケット40に支持される。従って、下にある駆動ローラ28の軸受面の外側面と回転接触することにより、物品支持ベルトローラ16は駆動する。
【0010】
図4Bに最適に図示されているように、ベルトローラの凸部がベルトの下側で駆動ローラ28と非接触となるような上昇位置にベルト12を上昇させることにより、ベルトローラが停止する。直線支持面30を上に支える中空の膨張性ブラダ42による手段でベルトが上昇する。各ブラダの縦方向に沿って動くリブ44は、支持面の取付リブとして機能する。支持面の底部のスロットはリブの上部を受けて、スロットの横に位置する支持面の側部の間に押し込むか、あるいは支持面に固定される。ブラダは、コンベヤフレームのブラケット48上に支えられたベース部46を具える。駆動ローラアレイは、床より上の固定平面、または高さで直線支持面の間に配置される。
【0011】
図4Aと図4Bを比較して示されるように、図4Aのような下降した作動位置と、図4Bのような上昇した停止位置との間でベルトが移動してもよい。下降した位置では、ローラが斜めの駆動ローラ上に載って、ベルトローラ上の物品をベルトの側方に向かって誘導するようにブラダ42が収縮してベルトを下降させる。ブラダが膨張すると、図4Bに示されるように、支持面30を上方に押し上げる。縦方向の支持面は、ベルトの内側で隣接するベルトローラの列間の縦の隙間50に適合するほど十分に直線的で狭い。上昇した停止位置では、ベルトローラは駆動ローラと非接触であり、ベルトの前進によって回転しない。このベルトの上昇位置では、搬送される物品はベルトの側方に向かって押し出されない。
【0012】
例示的なブラダが図3に示されている。ブラダは、中空のコア52を有する柔軟なゴムまたは弾性体である。エアチューブ53は、開口部54を通って中空コア内までブラダに空気を出し入れする。連結器56はブラダのエアチューブをエアバルブからの送気管58に連結し、両方向矢印60に示されるように、エアバルブは選択的に操作されて中空コアに空気を吹き込んだり放出したりしてブラダを膨張または収縮させる。従って、コンベヤベルトと支持接触および非接触となるように支持面を上昇および下降させる一手段として、膨張性ブラダは機能する。
【0013】
選択的に操作して、ベルトの側方に向かって、またはそこから搬送される物品を誘導するベルトコンベヤの他の実施形態が図5に示されている。図示されている例示的なベルトは、米国ルイジアナ州HarahanのIntralox,L.L.C.社より製造および販売されているシリーズ400のAngled Roller belt(商標)である。ベルト62は、レンガ式パターンにヒンジジョイント68で相互連結された、1以上のベルトモジュール66の列64から構成されたモジュールプラスチックコンベヤベルトである。図1のコンベヤに関して、図5のコンベヤベルトを上昇および下降させる手段は、リブ44に装着されるウェアストリップ30の形状をした支持面を具えており、このリブは膨張性ブラダ42がブラケット48上に支持されるベース部46に保持されるように成形される。この実施形態の駆動ローラ70は、ベルトの移動方向74に対して平行な軸72上で回転する。ベルトローラ76は、ベルトの移動方向に対して斜めの回転軸80を規定する駆動軸上の空洞部78に装着される。ブラダが収縮すると、駆動ローラの縦のレーンの外側面上に支持されるベルトローラと同じ高さまでベルトが下降する。ベルトの前進によって、両方の組のローラが回転する。斜めのベルトローラは、少しスリップしながら駆動ローラの外側面に沿ってらせん状の経路を進む。ベルトローラは矢印82の方向に回転して、ベルトの側方に向かって物品を押しだす。ブラダが膨張すると、ベルトローラが駆動ローラと非接触となる上昇位置まで、支持面30がベルトをベルトローラの列間の隙間へ上方に押し上げる。この上昇位置では、ベルトローラはベルトの前進の動作によって回転せず、搬送される物品はベルトの側方に向かって押し出されない。
【0014】
いくつかの好適な実施形態を参照して本発明が記載されているが、他の実施形態も可能である。例えば、図5のような斜めのベルトローラと共に用いられるローラ駆動する軸受面は、わずかに斜めのベルトローラ、またはベルトの移動方向に対して垂直な軸上で回転するように配置されたベルトローラと共に用いられるローラの代わりに、平坦な面であってもよい。他の実施例のように、ベルトローラは、太い駆動軸上で回転するローラよりも、平坦な軸受面上で回転する全方向性のローラボールであってもよい。さらに他の実施例のように、膨張性ブラダの形状および直線支持面との連結は、詳述されたものと異なる場合がある。そのため、これらのいくつかの実施例が提案しているように、特許請求の範囲は、例示的に記載された好適な実施形態に制限されないことを意味する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤにおいて:
ベルトの移動方向へ縦方向に前進し、前記ベルトの厚みを貫通して、縦の列および横の行に配列された複数の物品支持ローラを有するコンベヤベルトと;
前記物品支持ローラの列から側方にオフセットし、前記コンベヤベルトの下で前記ベルトの移動方向に延在する直線支持面と;
前記コンベヤベルトの下で固定の高さで、かつ前記支持面の間に配置される軸受面と;
前記物品支持ローラが前記軸受面と非接触となるように前記支持面上に支持される上昇位置と、前記軸受面と回転接触するように前記物品支持ローラが支持される下降位置との間で前記コンベヤベルトを上昇および下降させるため、前記コンベヤベルトと支持接触および非接触となるように前記支持面を上昇および下降させる手段と、を具えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、前記支持面を上昇および下降させる前記手段が、前記支持面の下の膨張性ブラダを具えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項3】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、前記物品支持ローラが縦軸上で回転し、前記軸受面が前記ベルトの移動方向に対して斜めの軸を有する駆動ローラの外側面上に形成されることを特徴とするコンベヤ。
【請求項4】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、前記物品支持ローラが、前記ベルトの移動方向に対して斜めの軸で回転することを特徴とするコンベヤ。
【請求項5】
請求項1に記載のコンベヤにおいて、前記軸受面が、前記コンベヤベルトの下の駆動ローラの外側面上に形成されることを特徴とするコンベヤ。
【請求項6】
コンベヤにおいて:
ベルトの移動方向へ縦方向に前進し、外側と内側と、縦の列および横の行に配列されており前記内側と外側を超えて突出する複数のローラとを有するコンベヤベルトと;
前記ローラの列から側方にオフセットし、前記コンベヤベルトの内側にて縦方向に延在する直線支持面と;
前記支持面の間で前記コンベヤベルトの内側面の下に配置される軸受面と;
前記支持面を支持して選択的に膨張および収縮して、前記軸受面と非接触となる上昇位置で前記コンベヤベルトと接触して支持する第1の位置と、前記ベルトが前進する前記コンベヤベルトの内側で前記ローラが前記軸受面と回転接触するような下降位置となるように、前記コンベヤベルトを接触支持しない第2の位置との間で、前記支持面を上昇および下降させるブラダと、を具えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項7】
請求項6に記載のコンベヤにおいて、前記物品支持ローラが縦軸上で回転し、前記軸受面が前記ベルトの移動方向に対して斜めの軸を有する駆動ローラの外側面上に形成されることを特徴とするコンベヤ。
【請求項8】
請求項6に記載のコンベヤにおいて、前記物品支持ローラが、前記ベルトの移動方向に対して斜めの軸で回転することを特徴とするコンベヤ。
【請求項9】
請求項6に記載のコンベヤにおいて、前記軸受面が、前記コンベヤベルトより下の駆動ローラの外側面上に形成されることを特徴とするコンベヤ。
【請求項10】
ベルトの厚みを貫通して延在する物品支持ローラの行と列を有し前進するコンベヤベルトを操作する方法において、当該方法が:
前記物品支持ローラの列の間の前記コンベヤベルトを、前記物品支持ローラが前記コンベヤベルトの下側に接触しない上昇位置まで押し上げることにより、前記物品支持ローラを停止させるステップと;
前進する前記コンベヤベルトの下側が軸受面上と回転接触するように前記物品支持ローラが支持される下降位置まで前記コンベヤベルトを下降させることにより、前記物品支持ローラを作動させるステップと、を具えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法おいて、前記上昇および下降位置の間に前記コンベヤベルトを上昇および下降させるためにブラダを膨張および収縮させるステップを具えることを特徴とする方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−509901(P2011−509901A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544368(P2010−544368)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/030898
【国際公開番号】WO2009/094267
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】