説明

コード化された折り畳み可能な薬物リザーバ

コード化された折り畳み可能な薬物リザーバ(200)を含む、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバ(200)及び薬物送達システム(100)。薬物リザーバ(200)は、折り畳み可能なハウジング(202)、及び折り畳み可能なハウジング(202)と通じるポート(204)を含む。薬物リザーバ(200)は、更に、薬物リザーバ(200)上に配置されたコーディング機能(206)を含み、そしてコーディング機能(206)は、薬物リザーバ(200)を識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の具体的な実施態様は、リザーバに、特に、薬剤を含むリザーバに関する。より詳しくは、本開示は、一般的に、間違った薬物送達デバイスを伴ったリザーバの使用を有利に阻止し、そしてあるコーディング機能を備えた折り畳み可能な薬物リザーバを対象にする。ほんの一例として、そのようなリザーバは、折り畳み可能なアンプル、カートリッジ、バイアル、ポーチを含んでもよく、そして好適な医療送達デバイスと一緒に使用してもよい。典型的な医療送達デバイスは、注射器、ペン形注射器、ポンプ、吸入器、又は少なくとも一つの薬剤を含む少なくとも一つのリザーバを必要とするその他同様の注射器若しくは注入デバイスを含むが、それらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
アンプル、カートリッジ、又はバイアルなどの薬物リザーバは一般的に知られている。そのようなリザーバは、特に、患者により自己投与し得る薬剤のために使用される。例えば、インスリンに関しては、糖尿病を病む患者は、ペン形注射器を経由して注射するか、又はポンプを経由して注入するために、ある量のインスリンを必要とし得る。ある公知の再使用可能なペン形薬物送達デバイスに関しては、患者はカートリッジホルダの近位端内にインスリンを含むカートリッジを積載(load)し得る。カートリッジを正しく積載した後、使用者は、その後、 薬剤の用量を選択することを要求され得る。反復用量が、カートリッジから投与され得る。薬物送達デバイスが再使用可能デバイスを含む場合は、カートリッジが空のとき、カートリッジホルダが薬物送達デバイスからの連結を断ち、そして空のカートリッジが除去され、そして新しいカートリッジに代替し得る。そのようなカートリッジの大半の供給者は、使用者に空のカートリッジを適切に廃棄することを薦める。薬物送達デバイスが使い捨てデバイスを含むところでは、カートリッジが空のとき、使用者は全デバイスの廃棄を薦められる。
【0003】
そのような空のカートリッジの除去及び再積載を必要とする公知の自己投与システムは、ある限界を有する。例えば、ある一般的に公知のシステムにおいて、使用者は、薬物送達デバイスなしで、又は間違ったカートリッジの交差した使用を阻止する機構を有するカートリッジなしで、送達システム内に新しいカートリッジを単に積載するだけかもしれない。即ち、薬物送達デバイスは、カートリッジ内に含まれる薬剤が本当に患者により投与されるべき薬剤の正しいタイプであるかどうかを決定するための機構を持たない。あるいは、ある公知の薬物送達デバイスは、カートリッジ内の薬剤の正しいタイプがその特定の薬物送達システムと一緒に使用されるべきかどうかを決定するための機構を提示しない。糖尿病を病む年長者などのある年長者は、手先の器用さに制限があるかもしれないこの潜在的な問題は悪化するであろう。長時間作用形インスリンの代わりに、短時間作用形インスリンなどの薬剤の可能性のある間違った用量を投与することは障害を与え、又は死に至らせるかもしれないので、間違った薬剤を識別することは全く重要である。
【0004】
ある種の薬物送達デバイス又はシステムは、使用者又は介護人に、薬物送達デバイスと一緒に使用するための正しいカートリッジを選択することを支援するためにカラーコーディングスキームを使用してもよい。しかし、そのようなカラーコーディングスキームは、ある使用者に対して、特に、弱視力又は色覚異常に病んでいるそれらの使用者に対して挑戦を課す。これは、糖尿病を病む患者において広くまん延している状況である。
【0005】
そのような使い捨てカートリッジと共に発生し得る別の関心は、これらのカートリッジが本質的に標準サイズで製造され、そしてある認定された地方の規格及び国際規格を順守しなければならないことである。結果として、そのようなカートリッジは、一般的には、標準サイズカートリッジ(例えば、3mlカートリッジ)で供給される。従って、多数の異なった供給者により供給され、そして異なった薬剤を含む、多様なカートリッジがあってもよい。しかし、これらのカートリッジは、単回薬物送達デバイスに適合するかもしれない。ほんの一例として、第一の供給者からの第一の薬剤を含む第一のカートリッジは、第二の供給者により提供される医療送達デバイスに適合し得る。そのように、使用者は、医療送達デバイスが、おそらく、そのようなカートリッジと一緒に使用されることを設計されず、又は意図しないことに気付くことなく、薬物送達デバイス内に間違った薬剤(インスリンの速効タイプ、又は基礎タイプなど)を充填し、そしてその後、投与することが可能となるかもしれない。
【0006】
そのように、使用者が薬物送達デバイス内に間違った薬剤タイプを充填する潜在的なリスクを減少させるための、使用者、医療提供者、介護者、規制当局、及び医療デバイス供給者からの強い要望がある。また、従って、そのような薬物送達デバイスからの間違った薬剤(又は、薬剤の間違った濃度)を投与するリスクを減少させる要望もある。
【0007】
従って、希望しないカートリッジの交差使用を防ぐために、その薬剤タイプに対して、カートリッジを物理的に取扱い、機械的にコード化し、又は電子的にコード化し、そしてカートリッジ上に、又はそれと一緒に提供される取扱い又はコード化機能を受け取り、又は作用する注射デバイスを設計するための一般的な必要性が存在する。同様に、また、医療送達デバイスに、特定の薬剤を含むが、一方、望まないカートリッジの交差使用を阻止する公認されたカートリッジを使用させることを可能にする特定のカートリッジのための一般的な必要性が存在する。
【0008】
また、カートリッジが非公認の薬剤又は薬物送達デバイスと一緒に使用できることに妥協できないように改ざんすることが困難であるような、特定のカートリッジを提供するための一般的な必要性は存在する。そのようなカートリッジは、改ざんすることが困難であるかもしれないので、それらは、また、偽造のリスク、即ち、不規則に偽造薬剤を運ぶ生成物を提供することが偽造者にとって困難になること、を低下させるかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明により解決されるべき課題は、使用者に対する安全性が改良された薬物リザーバ及び薬物送達デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様は、薬物リザーバに関する。薬物リザーバは、薬物送達デバイスと一緒に使用するために適合され得る。薬物リザーバは折り畳み可能であり得る。特に、薬物リザーバは、折り畳み可能なハウジングを含んでもよい。この折り畳み可能なハウジングは、好ましくは、薬剤を、特に、一つ又は複数の用量の薬剤を保存する。薬剤は少なくとも一つの薬物作用物質を含んでもよい。例えば、折り畳み可能なハウジングは、力がそれに負荷されるとき、例えば、薬剤がハウジングから押し出されるとき変形され得る。これは、リザーバから薬剤を送達することを支援し得る。折り畳み可能な薬物リザーバは、コーディング機能を含んでもよい。コーディング機能は、例えば、リザーバ上に、沿って、又はその中に配置されてもよい。コーディング機能は、コードを読むことが特定の薬物リザーバに、特に、薬物リザーバに関連する情報を識別することに役立ち得るように、薬物リザーバに関する情報をコード化するように構成され得る。特に、コーディング機能は、薬物リザーバを、従って、リザーバに含まれる薬剤を識別するために役立ち得る。コーディング機能は、間違った薬物送達デバイスと一緒に薬物リザーバを使用することを阻止し得る。
【0011】
実施態様によると、リザーバの形状は、コーディング機能として作用するように構成される。特に、折り畳み可能なハウジングの形状は、リザーバに含まれる薬剤を識別するコーディング機能として作用するように構成され得る。実施態様によると、折り畳み可能なハウジングは、略円筒構造を含む。あるいは、折り畳み可能なハウジングは、略楕円形状の構造を含んでもよい。あるいは、折り畳み可能なハウジングは、三角形状の構造を含んでもよい。あるいは、折り畳み可能なハウジングは、台形形状の上面を含んでもよい。折り畳み可能なハウジング、及び/又は、その表面の、所定の形状又は構造は、例えば、折り畳み可能なハウジングに保持される事前に決定された薬剤を識別し得る。更にその上、所定の形状又は構造は、リザーバが間違ったデバイス内に挿入されることを阻止し得る。
【0012】
実施態様によると、薬物リザーバは、更に、ポートを含む。ポートは、折り畳み可能なハウジングと流体連通するために、適合され、配置され得る。特に、このポートは、折り畳み可能なハウジング内に保存されている薬剤がハウジングから放出される出口ポートとして機能し得る。コーディング機能は、例えば、ポート上に位置してもよい。コーディング機能は、少なくとも一つのポート上の窪み又は突起を含んでもよい。
【0013】
ポートは、例えば、針を取り付けるハブを含んでもよい。あるいは、ポートは、セプタムを含んでもよい。セプタムは、ポートを流体で密接にシールするよう適合され、配置されてもよい。特に、セプタムは、折り畳み可能なハウジングから薬剤が流れないように構成されてもよい。あるいは、ポートは管を含んでもよい。管は、例えば、少なくとも一つのセプタム及びニードルハブを取り付けるように構成し得る。特に、管は、ポートをニードルハブの一つとセプタムを連結し得る。更に、又は、あるいは、ポートは、支持リングを含んでもよい。支持リングは、ポートの円周上に配置され得る。支持リングは、剛エレメントを含んでもよい。特に、支持リングは、可撓性ハウジング、及び/又は、ポートより剛性があり得る。支持リングは、ポートを折り畳むことを阻止するように構成され得る。支持リングは、例えば、コーディング機能を含んでもよい。
【0014】
実施態様によると、コーディング機能は、機械的コーディング機能を含む。機械的コーディング機能は、リザーバを用いた薬物送達デバイスにより提供される対応する、特に、嵌合型コーディング機能と協動するように構成され得る。リザーバのコーディング機能は、少なくとも一つの凹んだ、又は隆起した機能を含んでもよい。特に、コーディング機能は、エンボス機能、リザーバの穴又は窪みを含んでもよい。例えば、コーディング機能は、突起を含んでもよい。この場合、嵌合型コーディング機能は、窪みを含んでもよい。例えば、嵌合型コーディング機能は、リザーバホルダの内部表面、又はデバイスのハウジング部分上に配置され得る。コーディング機能及び嵌合型コーディング機能の機械的協動は、間違ったコーディング機能を有し、その結果、例として、間違ったタイプの薬剤を保持するリザーバのデバイス内への挿入を阻止するのに役立ち得る。使用者の安全性はこの方式で上昇し得る。
【0015】
実施態様によると、コーディング機能は、電子的に検出可能であるように構成されたコーディング機能である。電子的に検出可能なコーディング機能は、リザーバが例えば薬物送達デバイス内に挿入されるとき検出され得る。この方式において、使用者は、薬剤がリザーバに含まれると、直ちに認識し得る。
【0016】
実施態様によると、リザーバは、非折り畳み機能を含む。非折り畳み機能は、折り畳み可能なハウジングに連結し得る。非折り畳み機能は、コーディング機能を含んでもよい。非折り畳み機能は、例えば、剛エレメントであってもよい。特に、非折り畳み機能は、折り畳み可能なハウジングより剛性があり得る。コーディングエレメントは、例えば、コーディングプレート、又は事前に記述した支持リングを含んでもよい。コーディングプレートは、リザーバを固定され得る。コーディングプレートは、好ましくは、剛エレメントであってもよい。コーディングプレートは、一つ又は複数のコーディング機能を含んでもよい。
【0017】
実施態様によると、コーディング機能は、リザーバの外縁上に提供される。外縁はリザーバのシーリング手段を含んでもよい。特に、シーリング手段は、薬剤がリザーバの外縁から漏れるのを阻止するように、リザーバを流体で密接にシールし得る。
【0018】
実施態様によると、折り畳み可能なハウジングは、シート材料の複数のシートを含む。シート材料は、折り畳み可能なハウジングから適合し得る。複数のシートは、一緒にシールされ得る。好ましくは、シート材料は数層の材料を含む。シート材料は、ラミネート材料を含んでもよい。シート材料は、所定の薬物又は薬剤との長期間の化学的親和性及び空気遮断性の少なくとも一つを提供し得る。
【0019】
実施態様によると、折り畳み可能なハウジングは、シート材料の一枚のシートから構築される。シート材料は、折り畳み可能なハウジングを形成するために、折り畳まれ、及び一緒にクリンプされ得る。
【0020】
更なる態様は、薬物送達システムに関する。薬物送達システムは、薬物送達デバイス、例えば、ペン形デバイス、例えば、ペン形注射器を含んでもよい。薬物送達システムは、薬剤を送達するように構成され得る。薬物送達システムは、ハウジングを含んでもよい。ハウジングは、以前に説明した薬物リザーバを受け入れてもよい。ハウジングは用量設定器を含んでもよい。用量設定器は、操作可能にリザーバに連結され得る。薬物送達システムは、更に、用量ボタンを含んでもよい。用量ボタンは、操作可能に薬剤のリザーバに連結され得る。用量ボタンは、薬物送達システムの使用者により押され得る。使用者は、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバに保存された薬剤を送達するために(例えば、注射により)、薬物送達システムを使用してもよい。
【0021】
実施態様によると、薬物送達システムは投与機構を含み得る。投与機構は、リザーバから薬剤を投与するよう構成され得る。特に、投与機構は、使用者が用量ボタンを押すとき、起動し得る。投与機構は、リザーバから薬剤を投与するために、少なくとも一つの吸引力、圧縮力、犠牲流体を提供し得る。例えば、投与機構を起動することに関して、圧縮力は薬剤がハウジングから押し出されるように、折り畳み可能なハウジングに適用し得る。
【0022】
実施態様によると、デバイスはデバイスコーディング機能を含む。デバイスコーディング機能は、リザーバがデバイスに連結されるとき、リザーバのコーディング機能と機械的に、電気的に協動するように適合され、配置されてもよい。リザーバコーディング機能とデバイスコーディング機能の協動が、デバイスを嵌め合わないリザーバと一緒に使用することを阻止するように構成され得る。特に、コーディング機能とデバイスコーディング機能の機械的協動が、間違った薬剤を保持するリザーバがデバイス内に挿入されることを阻止し得る。かくして、デバイスから間違ったタイプの薬剤を投与することが阻止し得る。
【0023】
好ましい実施態様によると、薬物送達デバイスと一緒に使用するよう適合される薬物リザーバが提供され、薬物リザーバが折り畳み可能なハウジング及びコーディング機能を含み、ここで、該コーディング機能は、薬物リザーバに関連する情報をコード化するよう構成される。
【0024】
好ましい実施態様によると、折り畳み可能なハウジング、折り畳み可能なハウジングと通じるポート、及び薬物リザーバ上に配置されたコーディング機能を含む薬物リザーバが、提供され、ここで、前記コーディング機能は、薬物リザーバを識別する。
【0025】
好ましい実施態様によると、薬物送達システムは、薬剤を送達するために提供され、薬物送達システムは、少なくとも一つの薬物作用物質を含む薬剤のリザーバに操作可能に連結された用量設定器を含むハウジングを含有し、ここで、リザーバは、折り畳み可能なハウジング、折り畳み可能なハウジングと通じるポート、及び薬物リザーバ上に配置されたコーディング機能を含み、ここで、前記コーディング機能は、薬物リザーバを識別する。薬物送達システムは、更に、薬剤のリザーバに操作可能に連結される用量ボタンを含み、ここで、用量ボタンは、薬物送達システムの使用者により押すことができる。
【0026】
本発明の様々な態様のこれら、並びに、その他の利点は、添付の図面を適切に参照して、次の詳細な記述を読むことにより当業者には明白になるであろう。
【0027】
本発明の範囲は、特許請求範囲の内容で定義される。本発明は特定の実施態様に制限されず、異なった実施態様のエレメントのいかなる組合せも含む。更にその上、本発明は、請求項のいかなる組合せも、及び請求項で開示される機能のいかなる組合せも含む。
【0028】
例示的な実施態様は、図面を参照して本明細書で記載される:
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】典型的な実施態様で使用され得る一般的なペン形薬物送達デバイスを図示する。
【図2A】典型的な実施態様に準拠したコード化された折り畳み可能な薬物リザーバの例の透視図を図示する。
【図2B】典型的な実施態様に準拠したコード化された折り畳み可能な薬物リザーバの例の透視図を図示する。
【図2C】典型的な実施態様に準拠したコード化された折り畳み可能な薬物リザーバの例の透視図を図示する。
【図2D】典型的な実施態様に準拠したコード化された折り畳み可能な薬物リザーバの例の透視図を図示する。
【図2E】典型的な実施態様に準拠したコード化された折り畳み可能な薬物リザーバの例の透視図を図示する。
【図2F】典型的な実施態様に準拠したコード化された折り畳み可能な薬物リザーバの例の透視図を図示する。
【図3A】典型的な実施態様に準拠した折り畳み可能な薬物リザーバの例の透視図を図示する。
【図3B】典型的な実施態様に準拠した折り畳み可能な薬物リザーバの例の透視図を図示する。
【図3C】典型的な実施態様に準拠した折り畳み可能な薬物リザーバの例の透視図を図示する。
【図3D】典型的な実施態様に準拠した折り畳み可能な薬物リザーバの例の透視図を図示する。
【図3E】典型的な実施態様に準拠した折り畳み可能な薬物リザーバの例の透視図を図示する。
【図4A】典型的な実施態様に準拠した折り畳み可能な薬物リザーバ用のポートの例の透視図を図示する。
【図4B】典型的な実施態様に準拠した折り畳み可能な薬物リザーバ用のポートの例の透視図を図示する。
【図4C】典型的な実施態様に準拠した折り畳み可能な薬物リザーバ用のポートの例の透視図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照して、一つの実施態様に準拠した典型的な薬物送達デバイス100が示される。薬物送達デバイス100は、薬物を投与又は注射するために使用し得る。薬物送達デバイス100は、第一のリザーバ保持部材102及び第二の主(外部)ハウジング部分104を有するハウジング104、102を含む。リザーバ保持部分102の第一の端部及び主ハウジング104の第二の端部は、保持機能106により共に固定される。この図示した配置において、リザーバ保持部分102は、主ハウジング104の第二の端部内に固定される。
【0031】
医薬品の多数の用量が投与され得るリザーバは、リザーバ保持部分102において提供される。好ましくは、リザーバは、一日当たり1回又はそれ以上の回数を頻繁に投与しなければならないタイプの薬剤を含む。例えば、そのような薬剤の一つがインスリンであり得る。
【0032】
薬物送達デバイス100は、また、用量設定機構110を含む。この用量設定機構は、用量ボタン112を含んでもよい。薬物送達デバイス100の使用者は、リザーバ保持部分102で提供されるリザーバから薬剤の用量を設定し、そして投与するために、用量設定機構110を使用してもよい。用量設定機構110は、当業者に公知の方法で、又は最近開発された方法で操作し得る。ペン形注射器は、再使用可能又は使い捨てのペン形注射器を含んでもよい。注射器が再使用可能デバイスを含む場合、カートリッジホルダ又はリザーバ保持部分102及び用量設定機構110は、一緒に取り外し可能に連結され得る。使い捨てデバイスにおいては、それらは一緒に恒久的に連結され得る。
【0033】
開示された薬物リザーバ(参照:例えば、図2における薬物リザーバ200)は、折り畳み可能な薬物リザーバである。薬物リザーバは、好適な薬物送達デバイスと一緒に使用するためにコード化され得る。例えば、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバは、薬物送達デバイス100と一緒に使用できる。コード化された折り畳み可能な薬物リザーバは、好ましくは、再使用可能な薬物送達デバイスと一緒に使用するように設計される。当該分野で公知の通り、再使用可能薬物送達デバイスにおいて、薬物リザーバ(例えば、カートリッジ)は、取り外し可能であり、代替可能である。コード化された折り畳み可能な薬物リザーバは、また、使い捨て薬物送達デバイスと一緒に使用するように設計され得る。
【0034】
コード化された折り畳み可能な薬物リザーバは、一般的な薬物リザーバに、数多くの利点を提案し得る。例えば、提案された折り畳み可能なリザーバは、ガラスカートリッジを含むそれら一般的な薬物リザーバのような一般的なリザーバより、安価で、コンパクトで、及び/又は、壊れ難いかもしれない。更に、コーディングは、特定の薬剤が正しい薬物送達デバイスでのみ使用されることを確実にし得る。
【0035】
コード化された折り畳み可能な薬物リザーバは、折り畳み可能なハウジングを含んでもよく、この折り畳み可能なハウジングは、好ましくは、薬剤を保存し、好ましくは、薬剤の複数の用量を保存する。コード化された折り畳み可能な薬物リザーバは、更に、折り畳み可能なハウジングと流体連通し得るポート、及びその結果、このハウジング内に含まれる薬剤を含み得る。このポートは、折り畳み可能なハウジングにおいて保存される薬剤がハウジングから放出され得る出口ポートとして機能し得る。更に、尚、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバは、薬物リザーバ上に、沿って、又はその中に配置されたコーディング機能を含み得る。とりわけ、このコーディング機能は、薬物リザーバを識別し、そしてその結果、薬物リザーバ内に含まれる薬剤を識別する機能を果たし得る。
【0036】
有利な方法で、このコーディング機能は、薬剤が正しい薬物送達デバイスにおいてのみ使用され、及び/又は、薬物送達デバイスは、正しい、又は意図した方式で薬剤に対して反応できることを確実にし得る。具体的には、開示されたリザーバ及び薬物送達システムは、使用者が薬剤間を区別することに役立つことができ、それにより、送達デバイスは、それが意図する薬剤と一緒のときのみ使用できることを確実にする。従って、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバと共に、使用者は、所定のデバイスに対して意図しない間違ったリザーバのコーディング機能に起因して、所定の送達デバイス内に間違ったリザーバを積載することを阻止し得る。それ故、使用者は、一つ又はそれ以上の次の作用:間違ったリザーバのリザーバホルダ内への完全な挿入、又は間違ったリザーバ、及び/又は、リザーバホルダの医療送達デバイス又は医療送達システムへの取り付けを完結することを阻止し得る。
【0037】
例示的な実施態様に準拠するコード化された薬物リザーバは、更に、図2〜4を参照して記載される。例えば、図2(A)〜(F)は、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバの様々な例を図示する。特に、図2(A)〜(F)は、それぞれコード化された折り畳み可能な薬物リザーバ200、220、240、260、280、及び290を描いている。
【0038】
示されたように、これら各々の薬物リザーバは、折り畳み可能なハウジング部分、及び折り畳み可能なハウジングと通じる部分を含む。具体的には、図2(A)で示す通り、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバ200は、折り畳み可能なハウジング202、及び折り畳み可能なハウジング202と通じるポート204を含む。図2(B)で示す通り、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバ220は、折り畳み可能なハウジング222、及び折り畳み可能なハウジング222と通じるポート224を含む。図2(C)で示す通り、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバ240は、折り畳み可能なハウジング242、及び折り畳み可能なハウジング242と通じるポート244を含む。図2(D)で示す通り、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバ260は、折り畳み可能なハウジング262、及び折り畳み可能なハウジング262と通じるポート264を含む。図2(E)で示す通り、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバ280は、折り畳み可能なハウジング282、及び折り畳み可能なハウジング282と通じるポート284を含む。最終的に、図2(F)で示す通り、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバ290は、折り畳み可能なハウジング292、及び折り畳み可能なハウジング292と通じるポート294を含む。
【0039】
これらの図で示される折り畳み可能なハウジングは、折り畳み可能な構造をもたらす様々な材料から成り得る。可能な材料の例としては、PET、PE、PVC、若しくはPP、又はアルミニウムなどのフォイルが挙げられる。これらのハウジングは、例えば、シート材料から形成され得る。シート材料は、所望の形状及びサイズの折り畳み可能なハウジングを形成するために必要に応じて操作され得る(例えば、折り畳まれ、及びクリンプされる(即ち、端部がシールされ))。シート材料は、様々な所望の要求事項を満足させるために、数層、又はラミネート構造を含んでもよい。例えば、所望の要求事項は、特定薬剤との長期間の化学的親和性、空気の遮断性、所望の強度、及び所望のシーリング能力を含み得る。
【0040】
図2(A)〜(F)に戻って、これら薬物リザーバのそれぞれは、リザーバ上に、又は沿って配置されたコーディング機能を含む。これらのコーディング機能の各々は、コーディング機能がその上に配置される特定の薬物リザーバに関連する情報を識別する働きをし得る。例えば、各々のコーディング機能は、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバに保存される特定薬剤を識別する働きをし得る。折り畳み可能な薬物リザーバに対するコーディング機能のタイプは変化してもよい。図2(A)〜(F)で示すこれらのコーディング機能は、開示されるコード化されたリザーバに準拠した可能なコーディング機能の例として意味するのは当然である。コーディング機能のその他のタイプも可能である。
【0041】
実施態様において、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバ上のコーディング機能は、機械的コーディング機能であってもよい。例えば、コーディングは、機能、サイズ、形状、位置、非対称性の数によるコーディング、一つより多い寸法/機能、及び/又は、色によるコーディングであってもよい。そのような機械的コーディング機能は、薬物送達デバイス100のような薬物送達デバイス上の対応するコーディング機能と協動し得る。好ましくは、機械的コーディング機能は、薬物リザーバ上に配置される。そのような機械的コーディング機能は、図2(A)〜(E)を特に参照して、以下により詳細に記載されるであろう。あるいは、リザーバそれ自身の形状は、薬物リザーバを識別するコーディング機能として機能し得る。別の実施態様において、折り畳み可能な薬物リザーバ上のコーディング機能は、電子的に検出し得るコーディング機能であってもよい。
【0042】
機能の様々な可能性のあるタイプに加えて、折り畳み可能な薬物リザーバ用のこれらのコーディング機能は、薬物リザーバ上に、又は沿って様々な位置に位置してもよい。例えば、コーディング機能は、薬物リザーバのポート、リザーバの側壁、リザーバのシーリング手段、折り畳み可能なハウジング、折り畳み可能なハウジングの端部、及び/又は、他の位置上に位置してもよい。様々な可能性のある位置は、図2(A)〜(F)を参照して記載されるであろう。しかし、コーディング機能は、他の可能性のある位置と同様に位置し得ることは当然である。
【0043】
特定の例として、コーディング機能は、薬物リザーバの外縁上のエンボスされた、若しくはデボスされた(debossed)機能、穴、又は窪みであってもよい。そのような機能は、図2(A)に描かれる。図2(A)において、折り畳み可能なリザーバ200は、複数のコーディング機能206、208、及び210を含む。この配置において、コーディング機能206は、リザーバ200の第一の外縁212上に位置し、そしてコーディング機能208及び210は、リザーバ200の第二の外縁214上に位置する。これらの外縁は、折り畳み可能なハウジング202にクリンプされ得る(即ち、シーリング手段)。
【0044】
更なる配置において、コーディング機能は、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバのポート上の窪み、及び/又は、突起を含んでもよい。これらの窪み又は突起は、実際にいかなる方向に方位してもよい。例えば、そのような窪み、及び/又は、突起は、軸方向に、及び/又は、横方向に向いていてもよい。特定の窪み又は突起は、いかにしてリザーバが意図した薬物送達デバイスを意図して取り付けるかに依存し得る。そのようなコーディング機能の例としては、図2(B)で示す通りである。リザーバ220は、コーディング機能226、228及び230を含む。示されたように、これらの機能は、ポート224における窪みである。示された特定の窪みの配置は、リザーバ220にこの所定の窪みの幾何学的図形のポートを含む、ある折り畳み可能なリザーバのみを受け入れるために設計された所定の薬物送達デバイス100のみに連結することを可能にし得る。もちろん、当業者は、代替の窪み及び/又は突起の配置は、また、不所望のリザーバの交差使用を阻止するように使用され、そして構成されていることを認識するであろう。
【0045】
別の例の通り、折り畳み可能なリザーバのコーディング機能は、リザーバ上のある点を固定するコーディングプレートを含んでもよい。コーディングプレートの例は、図2(C)で示される。図2(C)において、リザーバ240は、コーディングプレート246を含み、このコーディングプレート246は、ハウジングの外縁248近辺に位置付けられる。コーディングプレート246は、好ましくは、剛性のあるコーディングプレートであり、そして一つ又はそれ以上のコーディング機能を含んでもよい。この特定の配置において、このコーディングプレート246は、4つのコーディング機能249〜252を含む。この配置において、第一の二つのコーディング機能249及び250は、プレート突起を含み、そして、プレートの上面に沿って互いに隣接して存在する。第三のコーディング機能251は、コーディングプレートの開口部を含み、第三のコーディング機能251に隣接する第四のコーディング機能252は、尚、別の突起を含む。これら4つのコーディング機能は一緒にして、特定の薬剤を含む特定の折り畳み可能なリザーバ240を識別する機能を果たし得る。しかし、異なった方法(例えば、全ての4つのコーディング機能は、コーディングプレートにおける穴である)で配置されたコーディングプレートは、異なった薬剤を含む異なったリザーバを識別する機能を果たし得る。
【0046】
更なる配置において、折り畳み可能な薬物リザーバは、折り畳み可能なハウジングに連結する非折り畳み機能を含み得る。そのような配置において、コーディング機能はそのような非折り畳み機能上に配置し得る。折り畳み可能なリザーバの非折り畳み機能に沿って配置された可能性のあるコーディング機能のある典型的な配置は、図2(D)〜(E)で描かれる通りである。
【0047】
図2(D)で示す通り、リザーバ260は、非折り畳み部分266に連結される折り畳み可能なハウジング262を含む。非折り畳み部分266は、頑丈な非折り畳み構造をもたらす様々な材料よりなり得る。例えば、非折り畳み部分266は、PP、アセタール、PBT、COC、COPなどのポリマーより成り得る。この非折り畳み部分266は、また、薬物送達デバイスにリザーバ260を取り付ける固定手段を含んでもよい。この固定手段は、コーディング機能であってもよく、又は、それを含んでいてもよい。例えば、リザーバ260は、リザーバからの「T」型突起であるコーディング機能268を含む。そのような例において、コーディング機能268は、意図した薬物送達デバイスにおける対応するねじ溝内に摺動し得る。非折り畳みコーディング機能のその他の例は、スナップ機能を含む。リザーバの非折り畳み機能上に配置されるコーディング機能は、いかなる方向又はいかなる方向の組合せ(たとえば、軸方向、らせん方向、及び/又は、回転方向)においてもデバイス内に嵌合してもよい。
【0048】
図2(E)は、折り畳み可能なリザーバ280の非折り畳みコーディング機能の別の例を描いている。この例において、リザーバ280のポート284は、支持リング286を含み、そしてこの支持リング286は、ポート284の局部的な崩壊を防ぐ剛性機能であってもよい。更に、ポート284は、ポート284上の窪みである複数のコーディング機能288を含む。ポート284を対応する補助コーディング機能を有する薬物送達デバイスに取り付けることのみを可能とすることにより、ポート284は、リザーバ280を意図しない薬物送達デバイスに連結することを阻止し得る。
【0049】
更なる実施態様において、上述の通り、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバ上のコーディング機能は、電子的に検出され得るコーディング機能であり得る。図2(F)で描かれるリザーバ290は、そのようなコーディング機能を含む。示されたように、リザーバ290は、リザーバ290の外縁298上に配置される電子的に検出可能な材料のストリップ296を含む。この材料は、電気回路で相互作用することにより検出できる銅、又は形状が電子的に検出できるポリマー、又は可視的に検出し得るプリントコードのような導電性材料であってもよい。このストリップ材料296は、リザーバ290が薬物送達デバイス内へ挿入されるとき、電子的手段により検出され、又はその後、リザーバ290は、デバイス内に挿入される。電子的に検出可能な材料296は、当該分野で公知の、又は最近開発されたいかなる手段によっても検出し得る。
【0050】
折り畳み可能なハウジングは、様々な方法で形成され得る。更に、折り畳み可能なハウジングは、多様な形状及びサイズを有する。例えば、折り畳み可能なハウジングは、略円筒形状、略楕円形状、略三角形状、又は略台形形状であってもよい。その他の形状及びリザーバの幾何学的形状は同様に可能である。更に、異なった形状及び折り畳み可能なサイズの様々な例、及びそのようなハウジングの形成方法は、図3(A)〜(E)を参照して議論される。
【0051】
例えば、図3(A)は、略楕円形状を含む折り畳み可能なハウジング300を描く。そのような折り畳み可能なハウジングは、例えば、一緒にクリンプされた(即ち、様々な端部に沿ってシールされた)第一のシート、第二のシート、及び第三シート材料から形成され得る。図3(B)は、略三角形状を含む折り畳み可能なハウジング320を描く。そのような折り畳み可能なハウジングは、例えば、一緒にクリンプされ、そしてリザーバのポート322から先細になった2枚のシート材料から形成され得る。
【0052】
他の実施態様において、折り畳み可能なハウジングは、シート材料の一枚のシートから形成され得る。ほんの一例として、図3(C)は、折り畳み線342で折り畳まれ、そしてその後、端部で一緒にクリンプされる折り畳み可能なハウジング340を示す。
【0053】
コード化された折り畳み可能な薬物リザーバの形状及びサイズは、リザーバが目的とする薬物送達デバイスのタイプに依存し得る。例えば、図3(E)は、ペン形薬物送達機構に取り付けられ得る折り畳み可能なリザーバ380の透視断面図を示す。
【0054】
上述の通り、コード化された折り畳み可能なリザーバは、折り畳み可能なハウジングに保存された薬剤をハウジングから放出させることを可能にするポートを含み得る。このポートは様々な形体を取り得、そしてリザーバが一緒に使用することを意図した薬物送達デバイスのタイプに依存して異なってもよい。例えば、ポートは、針を取り付けるためにハブを含んでもよい。例えば、図4(A)を参照して、リザーバ(400)は、従来の両頭針アセンブリのようなニードルアセンブリを取り付けるためのハブの働きをするポート402を含む。別の例として、ポートはセプタムのみを含んでもよい。ポート422がセプタム424のみであるそのようなリザーバ420は、図4(B)で描かれる。尚、別の例として、ポートはニードルハブに取り付けられる管を含み得る。図4(C)を参照して、リザーバ440は、ニードルハブ444と通じる管442を含む。更に、図2(E)を参照して上述の通り、ポートは、ポートの局部的な折り畳みを防ぎ得る剛性機能(例えば、支持リング286)を含み得る。ポートは、また、セプタム289を含み得る。
【0055】
コード化された折り畳み可能な薬物リザーバのポートは、図3(A)〜(C)で示す通り、リザーバの側壁上に配置され得る。しかし、ポートはどこか別の場所に位置してもよい。例えば、図3(D)は、リザーバの最上位の面に取り付けられたポートを含む折り畳み可能なハウジング360を描く。
【0056】
上述の通り、提案されたコード化された折り畳み可能な薬物リザーバは、好適で、意図した薬物送達デバイスと関連して使用し得る。それ故、薬剤を送達するための薬物送達システムは、少なくとも一つの薬物作用物質を含む薬剤のコード化された折り畳み可能な薬物リザーバに操作可能に連結される用量設定器を含むハウジングを含み得る。このリザーバは、好ましくは、上記で議論したコード化された折り畳み可能な薬物リザーバである。薬物送達デシステムは、更に、薬剤のリザーバに操作可能に連結された用量ボタンを含み、ここで、用量ボタンは、薬物送達システムの使用者により押すことができる。
【0057】
薬物送達システムは、更に、折り畳み可能なリザーバから薬剤を投与するための投与機構を含み得る。この投与機構は、好ましくは、用量ボタン及びリザーバに操作可能に連結される。投与機構は、好ましくは、使用者が用量を送達するために用量ボタンを押すとき、折り畳み可能なハウジング内に保存された薬剤を投与するために操作する。投与機構は折り畳み可能なリザーバを押すために、様々な方法で操作し得、その結果、リザーバのポートを通して薬剤に力を加える。
【0058】
例えば、投与機構は、薬剤を投与するために吸引力を用いてもよい。例えば、投与機構は、管に作用するぜん動ポンプを含んでもよい。別の例として、投与機構は、薬剤を投与するために圧縮力を使用してもよい。例えば、投与機構は、プラテン又はローラを前進させるスクリュ機構を含んでもよく、それは折り畳み可能なリザーバを圧縮し、そしてポートを通して薬剤に力を加える。尚、別の実施態様として、投与機構は、犠牲流体により折り畳み可能なハウジングを変位し得る。例えば、コード化された折り畳み可能な薬物リザーバは、非折り畳みハウジングに置かれてもよく、そして液体、及び/又は、気体は、非折り畳みハウジング内にポンプで送り込まれ得る。この犠牲流体は、折り畳み可能なハウジングを圧縮し、それにより折り畳み可能なリザーバから、薬剤を流出させる。
【0059】
折り畳み可能なリザーバから薬剤を投与させるための他の機構も、同様に可能である。例えば、薬剤は、浸透圧又は重力により提案されたコード化された折り畳み可能なリザーバから投与され得る。
【0060】
上述の通り、開示された概念は、多数の利点をもたらす。例えば、上述の通り、コード化された折り畳み可能なリザーバは、一般的な標準薬物リザーバより安価で、コンパクトで、そして壊れ難いかもしれない。更に、使用できる大多数のコーディング機能が存在する。結果として、開示されたコーディング機能を伴って、大多数の薬剤は互いに区別できる。更に、開示されたコード化されたリザーバに関して、使用者が間違ったリザーバを積載しようとする場合、使用者が間違ったリザーバを積載しようとし、そしてその結果間違った薬剤を使用するかもしれないことを、送達デバイス内にリザーバを組み立てる初期段階で使用者は警告され得る。
【0061】
本発明の例示的な実施態様を説明した。しかし、当業者なら、変化及び改変は、特許請求範囲で定義される本発明の真の範囲及び精神から外れることなく、これらの配置に対して実施し得ることを理解するであろう。
【0062】
参照番号
100:薬物送達デバイス;
102;リザーバ保持部分/カートリッジホルダ;
104:主ハウジング部分;
106:保持機能;
110:用量設定機構;
112:用量ボタン;
200:折り畳み可能な薬物リザーバ;
202:折り畳み可能なハウジング;
204:ポート;
206:コーディング機能;
208:コーディング機能;
210:コーディング機能;
212:第一の外縁;
214:第二の外縁;
220:折り畳み可能な薬物リザーバ;
222:折り畳み可能なハウジング;
224:ポート;
226:コーディング機能;
228:コーディング機能;
230:コーディング機能;
240:折り畳み可能な薬物リザーバ;
242:折り畳み可能なハウジング;
244:ポート;
246:コーディングプレート;
248:外縁;
249:コーディング機能;
250:コーディング機能;
251:コーディング機能;
252:コーディング機能;
260:折り畳み可能な薬物リザーバ;
262:折り畳み可能なハウジング;
264:ポート;
266:非折り畳み部分;
268:コーディング機能;
280:折り畳み可能な薬物リザーバ;
282:折り畳み可能なハウジング;
284:ポート;
286:剛性機能/支持リング;
288:コーディング機能;
289:セプタム;
290:リザーバ;
292:折り畳み可能なハウジング;
294:ポート;
296:ストリップ;
298:外縁;
300:折り畳み可能なハウジング;
320:折り畳み可能なハウジング;
322:ポート;
340:折り畳み可能なハウジング;
342:折り目;
360:折り畳み可能なハウジング;
380:リザーバ;
400:リザーバ;
402:ポート;
420:リザーバ;
422:ポート;
424:セプタム;
440:リザーバ;
442:管;
444:ニードルハブ;

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス(100)と一緒に使用するために適合される薬物リザーバ(200)であって、折り畳み可能なハウジング(202)及びコーディング機能(206)を含んでなり、ここで、該コーディング機能(206)は、薬物リザーバ(200)に関連する情報をコード化するように構成される、上記薬物リザーバ。
【請求項2】
折り畳み可能なハウジング(202)が、少なくとも一つの薬物作用物質を有する薬剤を含む、請求項1の薬物リザーバ(200)。
【請求項3】
コーディング機能(206)が、薬物送達デバイス(100)により提供される対応するコーディング機能と協動するように構成される機械的コーディング機能を含む、請求項1又は2に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項4】
コーディング機能(206)が、電子的に検出可能であるように構成されたコーディング機能(206)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項5】
薬物リザーバ(200)が、更に、折り畳み可能なハウジング(202)に連結された非折り畳み機能(266)を含み、ここで、非折り畳み機能(266)はコーディング機能(206)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項6】
コーディング機能(206)が、エンボス機能、薬物リザーバ(200)の穴又は窪みの少なくとも一つを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項7】
コーディング機能(206)が、薬物リザーバ(200)の外縁(212、214、298)上に配置され、そして外縁(212、214、298)は、薬物リザーバ(200)のシーリング手段を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項8】
リザーバ(200)が、折り畳み可能なハウジング(202)と流体連通するように適合、配置されるポート(204)を含み、コーディング機能(206)は、ポート(204)上に位置する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項9】
ポート(204)が、針又はセプタム(289、424)をリザーバ(200)に取り付けるためのニードルハブ(444)を含む、請求項8に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項10】
折り畳み可能なハウジング(202)が、折り畳み可能なハウジング(202)を形成するために適合されたシート材料の複数のシートを含み、ここで、複数のシートは一緒にシールされる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項11】
折り畳み可能なハウジング(202)が、折り畳まれ、クリンプされて一緒になって折り畳み可能なハウジング(202)を形成する、シート材料の一枚のシートから構築される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項12】
コーディング機能(206)が、リザーバ(200)上に、リザーバに沿って、又はリザーバの中に配列される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項13】
リザーバ(200)の形状が、コーディング機能(206)として作用するように構成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項14】
折り畳み可能なハウジング(202)が、次の構造:
略円筒構造;
略楕円形状構造;
三角形状構造;又は
台形形状の上面;
の、少なくとも一つを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の薬物リザーバ(200)。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の薬物リザーバ(200)を受けるように構成されるハウジング(102、104)を含んでなる、薬剤を送達するように構成される薬物送達システム(100)。
【請求項16】
更に、リザーバ(200)からの薬剤を投与するように構成された投与機構(110、112)を含んでなり、ここで、投与機構(110、112)は、リザーバ(200)からの薬剤を投与するために、吸引力、圧縮力、及び犠牲流体の少なくとも一つを提供する、請求項15に記載の薬物送達システム(100)。
【請求項17】
リザーバ(200)が薬物送達システム(100)に連結されたとき、リザーバ(200)のコーディング機能と協動するように適合、配置されるデバイスコーディング機能を含んでなる、請求項15又は請求項16に記載の薬物送達システム(100)。
【請求項18】
リザーバ(200)のコーディング機能(206)とデバイスのコーディング機能の協動が、薬物送達システム(100)を嵌め合わないリザーバ(200)と一緒に使用することを阻止するように構成される、請求項17に記載の薬物送達システム(100)。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公表番号】特表2013−517818(P2013−517818A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549364(P2012−549364)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050798
【国際公開番号】WO2011/089206
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】