説明

コーナー接続体

本発明は、第1の壁要素(2)と該第1の壁要素に対して角度を成して配置される第2の壁要素(3)とを有する特に引き出し用のコーナー接続体(1)であって、第1の壁要素(2)に取り付けることができるとともに第2の壁要素(3)を挿入するための受け部を有するコネクタ(4)が存在するコーナー接続体(1)において、コネクタ(4)内に保持要素(5)を挿入することができ、該保持要素により第2の壁要素(3)をコネクタ(4)に締結できることを特徴とするコーナー接続体(1)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の壁要素と、該第1の壁要素に対して角度を成して配置される第2の壁要素とを有する特に引き出し用のコーナー接続体であって、第1の壁要素に取り付けることができるとともに第2の壁要素を挿入するための受け部を備えるコネクタが設けられるコーナー接続体に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許第29809751号明細書は、ボード(板材)をその基準面で覆うある角度にて配置される2つの受け部を備えるボード用のアングル(L型)コネクタを開示する。各受け部には、ボードを案内する内向きのウェブが配置される。ボードに滑り込まれる時に公差が必要とされ、そのため、そのようなコーナー接続体は、ある制限内でのみ、引き出しなどの移動できる家具部品に適する。
【0003】
サイドフレーム取付具を引き出しの後壁と接続するために、サイドフレーム取付具を挿入するための受け部を備える保持要素が欧州特許第1516561号明細書から知られている。この場合、保持要素は、ポストに固定される後壁と接続される。受け部はサイドフレーム取付具の形状に合わせて調整され、また、フレーム取付具ごとに別個の接続要素を設ける必要がある。
【0004】
欧州特許第1427310号明細書は、取り外し可能なサイドフレーム取付具を有する引き出しを開示しており、この場合、サイドフレーム取付具を取り付けるための保持要素が後壁に設けられる。サイドフレーム取付具には、外側から見える調整カムが通されている。保持要素は後壁と共に螺合されまたは掛合される。しかしながら、そのような接続手段は、ある制限内でのみ、力を伝達することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、ある角度を成して配置される2つの要素を互いに安定した態様で接続できるコーナー接続体であって、容易な取付けを行なうことができるコーナー接続体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有するコーナー接続体によって達成される。
【0007】
本発明によれば、コーナー接続体は、第1の壁要素を第2の壁要素に取り付けるためのコネクタを備え、コネクタ内に保持要素を挿入することができ、保持要素により第2の壁要素をコネクタに締結できる。結果として、第2の壁要素、特に引き出しのサイドフレーム取付具を、簡単な態様でコネクタに取り付けることができる。保持要素は、第2の壁要素の材料または形状に関係なく第2の壁要素に対する締結を確保でき、それにより、柔軟で簡単な取付けが可能である。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によれば、保持要素が特に処理が難しいガラスパネルなどの硬い工作物を取り付けるために使用されることから、少なくとも1つの突起が保持要素に配置され、該突起が第2の壁要素の開口に係合する。そのため、第2の壁要素に開口を形成することによって、この開口に突起を挿入することによる簡単な固定が可能である。保持要素は、第2の壁要素の前縁を取り囲むU形状クランプとして配置することができる。U形状クランプの各肢部には内側に面する側にラッチ手段を設けることができ、それにより、第2の壁要素に対する保持要素の位置を固定できる。ラッチ手段を第2の壁要素の開口に配置することができる。
【0009】
保持要素による第2の壁要素の簡単な取付けのため、保持要素がコネクタと共に螺合されることが好ましい。これは、第2の壁要素の材料を困難な態様で処理する必要なく、コネクタに対する第2の壁要素の安定した固定をもたらすことができる。
【0010】
コネクタは、保持要素を第2の壁要素に挿入するための小さいな窪み(stegformige Wertiefung)を備えることが好ましい。結果として、保持要素を窪み内へスライドして挿入させることができ、それにより、コネクタで第2の壁要素および保持要素の案内がもたらされ、簡単な位置決めを行なうことができる。視覚に魅力ある態様で接続領域が配置されるようにするため、第2の壁要素の取付位置で保持要素をコネクタの窪み内に完全に収容することができる。結果として、締結手段が外側から見えない。
【0011】
コーナー接続体は、第1の壁要素と第2の壁要素との間で非積極的な接続を形成する。したがって、第2の壁要素およびコーナー接続体を介して力を第2の壁要素へ導入することができる。
【0012】
更なる実施形態では、第1の壁要素を挿入するためのガイドがコネクタに配置される。第1の壁要素をラッチ要素を介してコネクタに取り外し可能に締結することができる。好ましくは、第1の壁要素がシートメタルから形成され、それにより、更なるラッチ要素を使用して第1の壁要素に対するコネクタの簡単な取付けが可能となる。第2の壁要素は、ガラス、セラミック、および/または、石から形成されるプレートなどの硬質材料から成ることが好ましく、それにより、保持要素およびコネクタを介して簡単な接続がなされる。ラッチ要素および保持要素は、弾性材料、特にプラスチックから形成されるのが好ましい。
【0013】
以下、添付図面に示される実施形態を参照して、本発明を更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】AおよびBはそれぞれ本発明に係るコーナー接続体の一実施形態の斜視図を示す。
【図2】図1のコーナー接続体の分解図を示す。
【図3】図2に係る取り付け中のコーナーコネクタの側断面図を示す。
【図4】図2のコーナーコネクタの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
特に引き出し用のコーナーコネクタ1は、第1の壁要素2と第2の壁要素3とを接続するために使用される。第1の壁要素2は、例えば引き出しの後壁として配置させることができ、折り曲げられたシートメタルから形成できる。第2の壁要素3は、引き出しの側壁としてまたは上側サイドフレーム取付具として配置され、硬質材料、特にガラスから成る。
【0016】
図2に示されるように、第2の壁要素3は、保持要素5によってコネクタ4に締結される。保持要素5はU形状クランプの形態を成すプラスチックから形成され、その場合、保持要素5の肢部には内側に面する側に1つの突起6がそれぞれ配置され、該突起を第2の壁要素3の開口7内に挿入できる。したがって、U形状クランプを第2の壁要素3の表面を囲むように挿入して、第2の壁要素3をコネクタ4に取り付けることができる。
【0017】
図3に示されるように、コネクタ4は第2の壁要素3を挿入するための受け部13を備えており、保持要素5の領域には小さな窪み12が配置される。保持要素5を取付位置で窪み12内に完全に挿入することができ、締結ねじ8を挿入するための開口9が第2の壁要素3から離れて面する側のコネクタ4の後壁に配置される。締結ねじ8は、第2の壁要素3を安定した態様でコネクタ4に締結するために、後側からコネクタ4および保持要素5にねじ込まれる。
【0018】
第2の壁要素3のためのコネクタ4の受け部13内にはウェブ14が配置され、該ウェブは、第2の壁要素3の表面をウェブ14までしか挿入できないようにするストッパを形成する。保持要素5は、第2の壁要素3を越えて突出して、ねじ8により後壁に固定される。
【0019】
コネクタ4に対する第1の壁要素2の固定は、両側に配置される2つのウェブ19により形成されるガイド17上で第1の壁要素2のフェース面をスライドさせることにより行なわれる。また、プラスチックから形成されて第1の壁要素2の上側角部に配置されるラッチ要素15が設けられる。ラッチ要素15は、ラッチ要素15の弾性ウェブ16がコネクタ4の開口18に掛合するまで第1の壁要素2と共にガイド17内へスライドされる。第1の壁要素2は、コネクタ4から引き出されないようにこの位置で固定され、この場合、非積極的でかつ積極的な固定がラッチ要素15により行なわれる。
【0020】
第1の壁要素2をコネクタ4から取り外すため、弾性ウェブ16を工具を用いて押し込むことができ、それにより、コネクタ4をガイド17に沿って上方へ引き出すことができる。これにより、接続要素を破壊する必要なく、取り付けられた引き出しを再び取り外すこともできる。コネクタ4は、特にサイドフレーム取付具として配置されかつ第1の壁要素2に締結される下側側壁20上に配置される第2の壁要素3の取り外し可能な締結のために使用される。
【0021】
図示の実施形態では、第1の壁要素2の固定は、第1の壁要素2の表面と共にコネクタ4のガイド17内へスライドされる別個に配置されるラッチ要素15により行なわれる。また、当然ながら、別個のラッチ手段15の配置を省くために、ラッチ手段を第1の壁要素2と一体に設けることもできる。
【0022】
第2の壁要素3の固定は保持要素5によって行なわれ、この場合、壁要素3が更に大きいケースでは、幾つかの保持要素5のために幾つかの開口7を設けることもでき、それにより、好ましくは壁要素3を幾つかのねじ8によってコネクタ4に締結できる。
【符号の説明】
【0023】
1 コーナー接続体
2 第1の壁要素
3 第2の壁要素
4 コネクタ
5 保持要素
6 突起
7 開口
8 締結ねじ
9 開口
12 窪み
13 受け部
14 ウェブ
15 ラッチ要素
16 ウェブ
17 ガイド
18 開口
20 側壁
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の壁要素(2)と前記第1の壁要素に対してある角度を成して配置される第2の壁要素(3)とを備える特に引き出し用のコーナー接続体(1)であって、前記第1の壁要素(2)に取り付けることができるとともに前記第2の壁要素(3)を挿入するための受け部を備えるコネクタ(4)が設けられるコーナー接続体(1)において、
前記コネクタ(4)内に保持要素(5)を挿入することができ、前記保持要素により前記第2の壁要素(3)を前記コネクタ(4)に締結できることを特徴とする、コーナー接続体(1)。
【請求項2】
前記第2の壁要素(3)の開口(7)と係合する少なくとも1つの突起(6)が前記保持要素(5)に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のコーナー接続体。
【請求項3】
前記保持要素(5)が、前記第2の壁要素(3)の前縁を取り囲むU形状クランプとして配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載のコーナー接続体。
【請求項4】
前記U形状クランプの各肢部には内側に面する側にラッチ手段(10、11)が設けられることを特徴とする、請求項3に記載のコーナー接続体。
【請求項5】
前記ラッチ手段(10、11)が前記第2の壁要素(3)の開口に配置されることを特徴とする、請求項4に記載のコーナー接続体。
【請求項6】
前記保持要素(5)が前記コネクタ(4)と共に螺合されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコーナー接続体。
【請求項7】
前記コネクタ(4)が、前記保持要素(5)を前記第2の壁要素(3)に挿入するための窪み(12)を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコーナー接続体。
【請求項8】
前記保持要素(5)が、前記第2の壁要素(3)の取付位置で前記窪み(12)内に完全に収容されることを特徴とする、請求項7に記載のコーナー接続体。
【請求項9】
前記第1の壁要素(2)を挿入するためのガイドが前記コネクタ(4)に配置されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のコーナー接続体。
【請求項10】
前記第1の壁要素(2)を締結するためにラッチ要素(15)が前記コネクタ(4)に取り外し可能に締結されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のコーナー接続体。
【請求項11】
前記第2の壁要素(3)がガラス、セラミック、および/または、石から形成されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のコーナー接続体。
【請求項12】
前記第1の壁要素(2)がシートメタルから形成されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のコーナー接続体。
【請求項13】
前記ラッチ要素(15)および/または前記保持要素(5)がプラスチックから形成されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載のコーナー接続体。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−518129(P2012−518129A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549504(P2011−549504)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050857
【国際公開番号】WO2010/094532
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(504467554)ポール ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー (62)
【Fターム(参考)】