説明

コーミング機械

本発明は、コーミング機械であって、繊維質量体(2)をコーミング装置(12,13)に供給するためのユニット(1)が設けられており、コーミング装置が、繊維質量体の、ユニットによって歩進的に供給されかつクランプされた端部(7)をコーミングするようになっており、次いで、該端部(7)が、引出し装置(5)に供給されるようになっており、該引出し装置(5)が、コーミングされた端部から成る繊維集合体(P)を引き出すようになっていて、繊維フリース(V)を形成するための後続の装置(T,Z)に引き渡すようになっている形式のものに関する。公知の引出し装置の逆転運動を回避しかつ既存の解決手段を簡単にするために、装置(T,Z)が、回転する手段(T)を有しており、該手段(T)が、その周面(U)にその全周にわたって空気通流のための開口(35)を備えており、手段(T)の内室の少なくとも一部領域が、負圧源(Q)に接続されており、周辺に対して遮蔽された室(AR)を、引出し装置(5)と、回転する手段(T)の周面(U)との間に形成するカバーボード(46,47)が設けられており、遮蔽された室(AR)の一部領域が、手段(T)の周面(U)と引出し装置(5)とによって形成されるようになっていることが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーミング機械であって、繊維質量体をコーミング装置に供給するためのユニットが設けられており、コーミング装置が、繊維質量体の、ユニットによって歩進的に供給されかつクランプされた端部をコーミングするようになっており、次いで、該端部が、引出し装置に供給されるようになっており、該引出し装置が、供給されかつコーミングされた端部から成る繊維集合体を引き出すようになっていて、繊維フリースを形成するための後続の装置に引き渡すようになっている形式のものに関する。
【0002】
既知のコーミング機械では、ラップから引き出された綿ウェブが、ニッパを介して供給ローラによって、ニッパの下方に配置されたコーミングのための円形コームに供給される。コーミング過程の間、スイング式のニッパは閉じられている。この場合、このニッパのクランプラインから突出した綿端部(繊維タフトとも呼ばれる)が、円形コームのコームセグメントによって捕捉され、コーミングされる。次いで、ニッパが前方の位置に旋回させられ、この場合、開かれる。この場合、繊維タフトの自由端部が、予め形成された繊維フリースの終端部の領域に到達する。この繊維フリースは、コーミングされた新たな繊維集合体を継ぐために、デタッチングローラ対の逆転運動を介して、規定された量だけ逆搬送されている。この継ぎ過程時には、再び搬送方向へのデタッチングローラの回転方向が生ぜしめられる。コーミングされた繊維タフトは、いま、予め規定された重合度で屋根瓦状に繊維フリースの終端部に載置していて、デタッチングローラの回転運動によって、このデタッチングローラのクランプラインに到達する。この過程の間、一般的には、ニッパに取り付けられたトップコームが繊維タフト内に進入する。この場合、このトップコームはデタッチング過程時に、殻部分と、ネップと、短繊維とを拘束する役割を有している。これらのものは、特に繊維タフトの、円形コームのコームセグメントによって捕捉されなかった領域に位置している。デタッチングローラの後続の回転運動時には、クランプラインによって捕捉された、ニッパに拘束されない繊維が、繊維集合体の形で引き出され、繊維フリースの終端部にデタッチングローラのクランプ作用を介して併合される。この過程は、各コーミングサイクルで繰り返される。すなわち、デタッチングローラの回転方向が、その都度の新たなデタッチング過程もしくは継ぎ過程(併合過程)の前に逆転されなければならない。この過程は、コーミングサイクル数の高さに応じて一分あたり約350〜400回実施されなければならないので、1つには、相応に必要となる回転運動を実施するために、もう1つには、この場合に生ぜしめられる高い加速度と逆転運動とを抑制するために、手間のかかる安定した伝動装置ユニットが必要となる。
【0003】
この高い要求と同時にますます高く要求されるコーミングサイクル数を回避するために、すでに種々異なる構成が提案された。この場合、デタッチングローラの逆転運動がもはや不要となる。欧州特許出願公開第450360号明細書に基づき、たとえば1つの装置が公知である。この場合、それぞれ2つのデタッチングローラ対が使用されている。これらのデタッチングローラ対の回転方向は搬送方向にしか方向付けられていない。この場合、デタッチングローラ対は、旋回軸を中心として旋回可能に支承されていて、供給されかつコーミングされた繊維タフトを引き出すために、ニッパに相応して交互に接近させられる。こうして引き出された繊維集合体は、搬送ベルトによって搬送ローラ対に移送される。この搬送ローラ対では、繊維集合体が、繊維フリースを形成するために、屋根瓦状に重ね合わされ、併合される。この装置では、確かに逆転運動が不要であるが、しかし、この装置は、特に極めて高いコーミングサイクル数が要求される場合に、相変わらず極めて手間を要すると共に妨害されやすい。さらに、欧州特許出願公開第450410号明細書に基づき、1つの装置が公知である。この場合、併合作業が、デタッチングローラ対に後置された併合ローラ対に付与された。併合ローラ対のこの構成によって、併合過程のために、もはや逆転運動が不要となることが可能となる。この場合、併合ローラ対は、フレームに取り付けられた状態で駆動される上側の併合ローラを備えている。この併合ローラには、下方で、併合過程の間、旋回可能にかつ離反可能に配置された押圧ローラが載置する。すでに形成された繊維フリースの終端部への新たな繊維集合体の継ぎを可能にするために、この公知の装置では、不連続的なデタッチング過程に基づき、繊維フリースの搬送が中断されなければならない。このことは、駆動される上側の併合ローラからの下側の併合ローラの離反によって行われる。これによって、繊維フリースを介した両ローラの間の摩擦接続が中断される。すなわち、離反された下側の併合ローラが停止される。これによって、繊維フリースの搬出も中断される。この過程は、各コーミングサイクルの間に実施される。この公知の装置では、1つには、下側の併合ローラの手間のかかる運動が不利であり、もう1つには、併合過程を実施しかつ搬出のための繊維フリースの断続的な加速が不利である。これによって、この公知の装置は極めて摩耗しやすく、繊維フリースが、絶え間ない加速によって質的に損傷され得る。前述した装置を改善するために、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19713225号明細書には、直列に配置されたデタッチングローラと併合ローラとを、ローラの周速度が少なくともコーミングサイクルの間の一部区分にわたって異なるように駆動することが提案された。この場合、フリース端部が連続的にクランプされる。さらに、この場合、デタッチングローラによって引き渡された繊維集合体の移送のために、案内手段が提案された。この案内手段は継ぎ過程を助成するようになっている。この公知の装置によって、確かに、従来公知の解決手段が簡単にされると共に改善されたが、しかし、高いコーミングサイクル数での繊維集合体と繊維フリースとの確実なかつ所望のオーバラップ(併合)が常に保証されていない。欧州特許出願公開第1108076号明細書に基づき、繊維フリースを形成するための装置が公知である。この場合、空気作用によって実施されたコーミングプロセス後、引出しシリンダを介して引き出された繊維集合体が、回転するスクリーンドラムと、このスクリーンドラムと協働するローラとの間のクランプ箇所に搬送される。この場合、新たな繊維集合体の前方の端部が、予め引き渡された繊維集合体の後方の端部に重合させられることが提案されている。この後方の端部は、まだクランプ箇所に位置している。スクリーンドラムの内部には、固定されたパネルが設けられている。このパネルは開口を備えている。この開口を介して、パネルもしくはスクリーンドラムの、負圧源を介して負荷された内室が、スクリーンドラムの周辺空気に接続される。この空気案内を介して、特に引き渡された繊維集合体の後方の端部がスクリーンドラムで案内されるようになっている。この公知の装置では、コントロールされずに空気流れが生ぜしめられ得る。この空気流れは、正確な併合にネガティブな影響を与え得る。さらに、高いコーミングサイクル数で作業され、繊維集合体の前方の端部が高い速度でクランプ箇所の領域に衝突する場合に、このクランプ箇所の領域に材料圧縮が生ぜしめられ得る。当該刊行物に示された別の実施例では、コーミングされた繊維集合体が、循環する搬送ベルトに堆積させられ、同時に、予め堆積させられた繊維集合体の端部に重合させられるかもしくは併合される。新たな繊維集合体の受取りの領域では、空気通流路を備えた搬送ベルトの内部に通路が設けられている。この通路は負圧源に接続される。この解決手段でも、併合過程にネガティブな影響を与えるコントロールされない空気流れが生ぜしめられ得る。また、この場合、繊維集合体が高い速度で搬送ベルトに衝突する場合に、搬送ベルトへの引渡し箇所の領域に材料圧縮の危険も存在している。
【0004】
いまや、本発明の課題は、公知の解決手段を改良して、高いコーミングサイクル数の場合でも確実なかつ所望の併合過程が可能となる装置を提供することである。
【0005】
この課題は、装置が、回転する手段を有しており、該手段が、その周面にその全周にわたって空気通流のための開口を備えており、手段の内室の少なくとも一部領域が、負圧源に接続されており、周辺に対して遮蔽された室を、引出し装置と、回転する手段の周面との間に形成するカバーボードが設けられており、遮蔽された室の一部領域が、手段の周面と引出し装置とによって形成されるようになっていることが提案されることによって解決される。本発明による構成によって、併合プロセスのための継ぎ過程を、いまや空気流れを正確にコントロールすることができる室内で実施することが可能となる。これによって、コントロールされない厄介な空気循環を回避することができる。コントロールされた併合を高い引渡し速度の場合でも実施することができるようにするために、繊維集合体の引渡し領域での空気流れの抑制が極めて重要であることが試してみて分かった。「周辺に対して遮蔽された」という表現は、本発明による室が周辺空気に対して完全に「空気密」にカプセル封止されていることを意味しているわけではない。すなわち、まだ空気進入のための開口が存在していてよい。この開口は、特に負圧源を介して吸引された空気体積を再び補償するために働く。このような形式の開口は、たとえばカバーボードの外側の仕切りと引出し装置との間に設けられていてよい。このような形式の開口を適切に設けることによって、引き渡される繊維集合体の継ぎに関する空気案内を正確に調整することもでき、この空気案内に影響を与えることもできる。周辺空気に対する室の遮蔽率が、88%〜99%であると有利である。これによって、周辺から、遮蔽された室内への空気の後続案内が確保されている。遮蔽された室内への空気流入のための開口の割合の高さは、たとえば併合過程の間の室の内部の所要の負圧に左右される。
【0006】
さらに、第2の手段(Z,78)が設けられており、該手段(Z,78)を介して、時間インターバルを置いて、繊維集合体(P)の引渡しに同期化して、自由な空気通流が、少なくとも開口(35)の一部領域を介して第1の手段(T)の周辺と負圧源(Q)との間で制御可能であることが提案される。
【0007】
この場合、「制御可能」という概念は、負圧源と、第1の手段の周辺空気との間での開口を介した自由な空気通過の許容または阻止を意味している。
【0008】
この装置によって、デタッチングローラから引き渡された繊維集合体を高いコーミングサイクル数の場合でも確実に保持し、予め形成された繊維フリースの終端部に継ぐ(かもしくは併合する)ことが可能となる。第2の手段を介して適切に適正の時点で第1の手段の周面に加えられる、負圧源を介した負圧によって、引き渡された繊維集合体を相応に保持することができ、次いで、所望の重合度で、すでに形成された繊維フリースの終端部に載着することができる。
【0009】
第2の手段を第1の手段の内部に配置することが提案される。これによって、コンパクトな構造と機能的な配置とが可能となる。
【0010】
第1の手段の内部に提案された第2の手段が、駆動装置に結合されていて、少なくとも1つの開口を第2の手段の周面に備えており、開口が、引き出された繊維集合体の幅にわたってほぼ延びており、開口を介して、第1の手段の開口と負圧源との間の接続部が形成可能であると有利である。この場合、第2の手段は、第1の手段の開口と負圧源との間の接続部を形成するための制御エレメントとして働く。前述した同期化を保証するためには、第2の手段の駆動装置が引出し装置の駆動装置に駆動結合されている。
【0011】
さらに、第1の手段の開口の相応の領域を連続的に負圧源に対して遮蔽するために、付加的には、第1の手段の内部に少なくとも1つのカバーエレメントを設けることが提案される。このような形式のカバーエレメントが、繊維フリースを取り離す場所に設けられると有利である。
【0012】
第1の手段が、回転可能に支承されたスクリーンドラムから成っており、該スクリーンドラムの内部に、回転可能に支承されたシリンダとしての第2の手段が配置されていると有利である。
【0013】
さらに、引渡し過程のために必要となる空気流れに影響を与えるために、第2の手段の回転数が、当該コーミング機械のコーミングサイクル数の一倍またはそれ以上の倍数であることが提案される。第2の手段を、特にその周面に分配される開口の個数に関して適宜に形成することによって、第2の手段の回転数が、当該コーミング機械のコーミングサイクル数の数分の一であってよいことも可能となる。その都度新たに引き渡される繊維集合体の正確な継ぎが保証されていさえすればよい。この場合、使用事例に応じて、第1の手段または第2の手段の回転数が可変に(制御可能に)形成されることも可能である。特に第2の手段の回転数の制御によって、併合(併合間隔)に影響を与えることができる。
【0014】
さらに、第1の手段または第2の手段の回転方向を変化させるかもしくは制御することが可能であってもよい。この場合、両手段の回転方向は逆方向であってもよい。
【0015】
さらに、カバーエレメントを第2の手段の内部に取り付けるかまたは別の解決手段として第1の手段と第2の手段との間に取り付けることも提案される。このような形式のカバー手段は、たとえば第1の手段に形成された繊維フリースを後続の後続処理部に供給するために、この繊維フリースが引き出されなければならない領域に設けられる。
【0016】
本発明の別の構成が可能である。この場合、第1の手段の内部に、負圧を加えることを制御するための定置の別の手段が設けられている。この場合、第2の手段が、定置に取り付けられた少なくとも1つの通路から成っており、該通路が、引き出された繊維集合体の幅にわたってほぼ延びていて、第1の手段の空気通流路の方向に突出した開口を備えており、通路と負圧源との間の接続部が、設けられた制御可能なエレメントを介して切換可能であることが提案される。
【0017】
搬出の間のスクリーンドラムの周面への、すでに形成された繊維フリースの当付けを保証するために、第2の手段の周面に分配されて別の小さな開口が設けられており、該開口が、引き出された繊維集合体の幅に対する一部領域にわたってしか延びていないことが提案される。これによって、スクリーンドラムとシリンダとの間のギャップ内に形成される、スクリーンドラムの周辺に対する小さな負圧が絶え間なく生ぜしめられる。なぜならば、ギャップが絶え間なく負圧源に接続されているからである。しかし、この僅かな負圧の作用は、デタッチング装置からスクリーンドラムへの繊維集合体の引渡しに影響を与えず、スクリーンドラムへの繊維フリースの、すでに記載した保持のためにしか働かない。
【0018】
カバーボードが取り外される必要なしに、オペレータにこの領域への覗込みが許容されるように、カバーボードが、透明な材料から成っていると有利である。このことは、場合によるクリーニング作業または妨害源の適時の認識に対しても有利であり得る。カバーボードの領域に繊維毛羽またはその他の汚物が堆積し得ないように、カバーボードの少なくとも一部が、帯電防止性の材料から製作されていることが提案される。
【0019】
遮蔽された室の内部で空気流れにアクティブなかつ適切な影響を与えるために、カバーボードの領域に、少なくとも1つの調節可能なエレメントが設けられており、該エレメントが、遮蔽された室とカバーボードの周辺空気との間の空気通流のための少なくとも1つの開口を制御するために適していることが提案される。
【0020】
この場合、エレメントが、旋回軸を中心として旋回可能なフラップから成っており、該フラップが、繊維フリースの搬送方向に対して横方向で見て、ほぼ引出し装置の長さにわたって延びている。この場合、有利には、フラップの旋回軸が、引出し装置の上方の領域に配置されており、フラップの自由端部が、引出し装置の方向に向けられていることが提案される。
【0021】
スクリーンドラムへの繊維集合体の確実な堆積を保証するために、フラップの自由端部が、開放された位置で第1の手段と共にクランプ箇所を形成しているようにフラップを取り付けることが提案される。所望の空気案内を助成するために、カバーボードの内部にかつ第1の手段の周面の領域に、空気案内のための少なくとも1つの案内エレメントが設けられており、該案内エレメントが、少なくとも繊維集合体の幅にわたって延びていることが提案される。この場合、案内エレメントの長手方向に対して横方向で見て、案内エレメントとカバーボードとの間の間隔が、案内エレメントと第1の手段の周面との間の間隔よりも大きく寸法設定されていると有利である。これによって、空気循環が、特に案内エレメントの上方でこの案内エレメントとカバーボードとの間で行われることが保証される。このことは、後に実施例でさらに詳しく説明するように、繊維フリースの終端部への繊維集合体の前方の端部の時間的な継ぎに影響を与える。
【0022】
空気循環を、特にスクリーンドラムからの問題なしの取離しに関しても制御するために、カバーボードエレメントが、繊維フリースの搬送方向で見て、カバーボードエレメントの前方の端領域に仕切りを有しており、該仕切りが、カバーボードと第1の手段の周面との間の間隔を減少させていることが提案される。これによって、この箇所で、カバーボードの内部に発生させられる空気流れを中断することができる。
【0023】
また、引出し装置の引渡し領域での望ましくない空気循環を阻止するために、カバーボードが、カバーを備えており、該カバーが、引出し装置と第1の手段の周面との間の自由室を少なくとも部分的に閉鎖していることも提案される。このカバーは、当然ながら、カバーボードの、自体組み込まれた構成要素であってもよい。
【0024】
繊維フリースを第1の手段から取り離すために、第1の手段に、該手段に形成された繊維フリースを取り離すための取離し装置が設けられていることが提案される。この取離し装置が、カバーボードの仕切りに続いて配置されていると有利である。この場合、取離し装置はローラ対であってよい。また、繊維フリースを第1の手段から取り離すために、この第1の手段と直接協働する取離しローラが設けられていてもよい。
【0025】
後続の後続処理もしくはケンス内への収納に対する繊維束の形成のためには、取離し装置が、繊維束を形成する装置であってよい。たとえば、ローラ対に、束形成のための公知のフリースホッパが後置されていてよい。
【0026】
負圧源の負圧が、繊維集合体を継がなければならない領域にだけ主として有効に加えられるように、第1の手段と第2の手段との間の半径方向の間隔は比較的僅かに保たれなければならず、これによって、望ましくない空気流れが回避される。この場合、スクリーンドラムとシリンダとの間の半径方向の間隔が、0.2〜2mmの間にあることが提案される。本発明の別の構成変化形は、第1の手段の外部への第2の手段の取付けである。この場合、第2の手段が、運動可能なカバーから成っており、該カバーが、所定の間隔を置いて第1の手段の周面の一部領域にわたって延びていることが提案される。この可動のカバーによって、第1の手段の開口を、加えられた負圧源に関する自由な空気通過に対して外部から遮蔽することができる。カバーの運動は、有利には、空気流れを新たな繊維集合体の継ぎ過程のために正確に制御することができるように、制御装置を介して行われる。この構成でも、継ぎ過程(併合過程)のためにコントロールされた空気流れを得るために、カバーボードを設けることが有利である。当然ながら、このカバーボードは、少なくとも部分的に透明にかつ/または帯電防止性に形成されていてもよい。
【0027】
エレメントの少なくとも1つと、第1の手段または第2の手段と、カバーエレメントと、カバーフードとが、容易に交換可能に取り付けられていると有利である。これによって、1つには、保守が簡単になり、もう1つには、処理したい材料に相応して必要になる別の部材を極めて迅速に組み付けることができる。
【0028】
本発明のさらなる利点を、以下の実施例につき詳しく説明する。
【0029】
図1には、公知先行技術に対する1つの実施例が示してある。この場合、ニッパユニット1によって供給される綿ウェブ2が、供給シリンダ3を介して引出しローラ対5(デタッチングローラ対とも呼ばれる)に供給される。この場合、開かれたニッパ1から突出した繊維タフト7が、コームフリースもしくは繊維フリース10の後方の端部8に到達する。これによって、この後方の端部8が、引出しローラ5の前進運動に基づき、この引出しローラのクランプギャップ内に到達する。この場合、綿ウェブの拘束力によって保持されないかもしくはニッパによって保持されない繊維が綿ウェブの束から引き抜かれる。このデタッチング過程では、繊維タフトが付加的にトップコーム9の針によって引っ張られる。この場合、このトップコーム9は、引き出された繊維タフトの後方の部分のコーミングも、ネップ、夾雑物およびこれに類するものの拘束も行う。綿ウェブ2とデタッチングローラの引出し速度との間の速度差に基づき、引き出された繊維タフトが、規定された長さに引き伸ばされる。デタッチングローラ対に続いて、案内ローラ対6が配置されている。このデタッチング過程では、デタッチングされたかもしくは引き出された繊維集合体の前方の端部と、繊維フリース10の後方の端部8との重合もしくはダブリングが生ぜしめられる。デタッチング過程もしくは併合過程が終了するやいなや、ニッパが後方の位置に戻る。この位置では、ニッパが閉じられていて、このニッパから突出した繊維タフト7を円形コーム13のコームセグメント12にコーミングのために提供する。いま、ニッパユニット1が再びその前方の位置に戻る前に、引出しローラ5と案内ローラ6とが逆転運動を実施する。これによって、繊維フリース10の後方の端部8が、規定された量だけ逆搬送される。このことは、併合過程のために必要になる重合を得るために必要となる。
【0030】
図2には、本発明による実施例が示してある。この場合、引出しローラ5はもはや逆転運動を実施する必要がない。すなわち、引出しローラによって引き出された繊維集合体Pが、後続のスクリーンドラムTに空気流れLの影響下で不連続的に引き渡され、以下にさらに詳しく説明するように、すでに形成された繊維フリースVの端部Eに継がれる。図2のA−A線に沿った断面図である図3から知ることができるように、スクリーンドラムTは軸受け20を介してフランジ21に回転可能に支承されている。このフランジ21はシリンダZに固く結合されている。フランジ21を介して、シリンダZは軸24に相対回動不能に固定されている。この軸24は軸受け22を介して片持ち式に機械フレームMGに支承されている。当然ながら、軸24はその軸方向の位置でも位置決めされている(図示せず)。スクリーンドラムTの、軸受け20が位置する端領域では、プーリ26がスクリーンドラムに結合されていて、同時に周辺空気に対する側方の閉鎖部を形成している。プーリ26に載置する概略的に図示したベルト27を介して、プーリ26が、伝動装置Gに駆動結合された駆動ホイール(図示せず)を介して駆動される。伝動装置の駆動は、制御ユニットSTによって制御されるモータMを介して行われる。スクリーンドラムTの内室IRの外部には、駆動ホイール30が軸24に相対回動不能に固定されている。たとえば歯車、スプロケットまたはプーリであってよい駆動ホイール30は、伝動装置Gに、概略的に示した駆動結合部31を介して結合されている。
【0031】
支承箇所20と反対の端面側では、軸24に対して、通路33が機械フレームMGに固定されている。管状の通路33はその端面32でシリンダZの内法の直径内に突入していて、これによって、内室IRを周辺空気に対して遮蔽している。固定された通路33と、回転するスクリーンドラムTとの間には、さらなるシーリングのために、シールエレメント38が設けられていてよい。このエレメントを支承手段として形成し、これによって、スクリーンドラムTをこの側で通路33に付加的に支持することも可能である。通路33には、通路34が開口している。この通路34は負圧源Qに接続されている。通路33の、スクリーンドラムT内に突入した端面32は開口36を備えている。この開口36を介して、概略的に矢印によって示したように、スクリーンドラムの内室IRから負圧源Qへの空気流れを生ぜしめることができる。
【0032】
スクリーンドラムTは、概略的に示したように、多数の開口35を備えている。これらの開口35はその全周面にわたって分配されて設けられている。開口を周面に備えた、金属、プラスチックまたはその他の固い材料から成るスクリーンドラムの代わりに、規定された空気透過性を有する物質またはその他の織布を使用することも可能である。この織布は適宜に骨組みに張り付けられなければならない。
【0033】
通路33の端面32には、固定手段、たとえばねじ37を介してカバーエレメントA1が固定されている。このカバーエレメントA1は、特に図2から知ることができるように、スクリーンドラムTの内側における周面領域の一部区分にわたって延びている。この場合、カバーエレメントA1は、回転するシリンダZの内面に僅かな間隔を置いて配置されている。しかし、カバーエレメントA1をスクリーンドラムTとシリンダZとの間に定置に配置することも可能である。
【0034】
図3に示した例では、スクリーンドラムTとシリンダZとの間に半径方向の僅かな間隔aが設けられている。この間隔aは0.2〜2mmであってよい。スクリーンドラムTとシリンダZとの間の半径方向の自由室内には、負圧源Qが有効にスイッチオンされるやいなや、僅かな負圧が発生させられる。この僅かな負圧は、後にさらに詳しく説明するように、スクリーンドラムにすでに形成された繊維フリースVを、少なくともカバーエレメントA1が取り付けられていない領域に固く保持するために働く。負圧源Qに接続された内室IRと、ドラムTとシリンダZとの間の半径方向の自由室との間に接続部が常に存在するように、小さな複数の開口53をシリンダZの周面に設けることができる。この場合、開口35のサイズおよび個数は、これによって、スクリーンドラムTでの継ぎ過程もしくは併合過程に影響が与えられないように選択されている。図示の構成では、このような開口のうちの3つだけが一列に示してある。このような形式の複数の開口53はシリンダZの周面に分配されて配置されていてよい。
【0035】
同じく図3には、1つの開口S1の一部領域を知ることができる。この開口S1はシリンダZに設けられていて、負圧源Qを、開口35を備えたスクリーンドラムTの一部区分に接続している。カバーエレメントA1は取離しローラ40の領域に取り付けられており、これによって、繊維フリースVを問題なしに、駆動されるローラ40を介してスクリーンドラムTから取り離すことができる。繊維フリースVはローラによって後続のフリースホッパ41に供給される。このフリースホッパ41では、フリースが幅B(図3参照)から繊維束FBにまとめられる。このような形式のフリースまとめ装置は、すでに多くのバリエーションでコーミング機械、カーディングまたはドラフティングでも知られている。したがって、ここでの詳しい説明は省略する。フリースホッパ41で形成された繊維束FBはホッパホイール43を介してケンス44内に収納することができる。フリースVへの繊維集合体Pの継ぎ過程に対して重要となる空気流れLをコントロールするためには、スクリーンドラムTの上方に、定置のカバーフード46が取り付けられている。このカバーフードは、図3に概略的に示したように、側方の壁47を有している。この壁47はカバーフード46の両端側でスクリーンドラムTの周面Uの領域にまで延びている。これによって、スクリーンドラムTの周面Uと、引出しローラ5とに相俟って、周辺に対して遮蔽された室ARが形成される。これによって、コントロールされない空気流れが生ぜしめられないことが確保されるようになっている。空気流れが取離しローラ40の領域で遮断されるように、カバーフード46の端部にウェブ49が取り付けられている。このウェブ49はカバーフード46とスクリーンドラムTとの間の間隔を所要の最小間隔に減少させており、これによって、繊維フリースVがこの箇所を相変わらず通過することができる。コントロールされない空気流れを同じく遮蔽しかつ回避するためには、下側の引渡しローラ5とスクリーンドラムTとの間にカバー50が設けられている。このカバー50は自由室を大部分でカバーしている。スクリーンドラムTとカバーフード46の内壁との間には、バー52が取り付けられている。このバー52はスクリーンドラムTに対して、バー52とカバーフードとの間の間隔cよりも小さい間隔bを有している。バー52はカバーフード46の側壁47に固定されている。種々異なる条件に調整するためには、バーが位置調節可能に固定されていてもよい。カバーフードに対するバーのより大きな間隔cによって、たとえば開口S1を介して負圧を加えることにより生ぜしめられる空気流れLがバー52の上方で経過される。この効果は、以下に記載した継ぎ過程を実施するために必要になる。
【0036】
図示の例では、スクリーンドラムTもシリンダZも反時計回り方向の同じ回転方向を有している。シリンダZの周速度は引出しローラ5の周速度に合致している。すなわち、継ぎ過程もしくは併合過程を繊維集合体の引渡しに対して同期的に実施することができるようにするために、シリンダZの回転数がコーミングサイクルと同期的に経過しなければならない。しかし、同期化が失われていくことなしに、コーミングサイクルに対して複数倍だけシリンダZの回転数を選択することも可能である。また、シリンダZを、引出しローラに比べて数分の一のシリンダの周速度を生ぜしめる回転数で駆動することも可能である。しかし、この場合、シリンダにおける開口の個数が、設定された数分の一に相応して存在することが必要となる。たとえばシリンダZの周速度が引出しローラ5の周速度の半分に相当している場合には、継ぎ過程を実施するために、シリンダが2倍の個数の開口S1を有していなければならない。すなわち、シリンダZの一回転時に2回の併合過程が実施される。
【0037】
スクリーンドラムTの回転数はシリンダZの回転数よりも著しく緩速であり、相応して、継ぎ過程に調整されている。スクリーンドラムの回転数の変化によって、終端部Eと繊維集合体Pの始端部VEとの併合間隔もしくは重合度が変化させられ得る。図2に示した例では、繊維集合体Pの前方の端部VEがすでにスクリーンドラムTの領域に位置している。回転するシリンダZの開口S1と、スクリーンドラムTの開口35とを介して、カバーフード46とスクリーンドラムTとの間の室が、制御ユニットSTを介して制御可能である負圧源Qに接続される。これにより生ぜしめられた空気流れLは、バー52の上方のすでに記載した幾何学的な組付け状況を通って経過する。この場合、開口S1の位置決めは、前述した空気流れを発生させるために、引出しローラ5による繊維集合体Pの供給過程に正確に調和されている。空気流れLの影響下では、繊維集合体Pの前方の端部VEがバー52の上方に向かって方向付けられる。これによって、前方の端部VEがスクリーンドラムTに衝突しないと同時に圧縮されないことが保証される。むしろ、前方の端部はスクリーンドラムの周面Uから離れる。後続の工程では、繊維集合体Pの終端部が引出しローラ5から解放される。いま、開口S2が繊維フリースVの端部Eの領域に位置していて、負圧源Qと開口35との接続によって、まず、繊維集合体の、解放された終端部がスクリーンドラムに載着されることを生ぜしめる。このスクリーンドラムTへの繊維集合体Pの後方の端部HEの当付け後、前方の端部VEも繊維フリースVに、開口S2を介して加えられた負圧によって引っ張られる。この場合、空気流れLは遮断されている。なぜならば、その間、開口S1がカバーA1の領域に位置しており、したがって、負圧源の作用がこの領域で妨害されているからである。この過程は各コーミングサイクルで繰り返される。これによって、繊維フリースVに相変わらず新たな繊維集合体PがスクリーンドラムTの一様の回転数で継がれる。繊維集合体Pの前方の端部VEと繊維フリースVの端部Eとの重合は、すでに記載したように、スクリーンドラムの回転速度によって規定することができる。繊維フリースVはスクリーンドラムTの回転運動によってローラ40の取離し領域ABに移送される。この取離し領域ABには、定置に取り付けられたカバーエレメントA1も配置されている。これによって、この領域が負圧源Qに対して遮蔽されていることが保証される。これによって、繊維フリースを引出しローラ40の間のクランプラインに移送するために、繊維フリースを問題なしに周面Uから離すことができる。駆動されるローラ40(駆動装置は図示せず)を介して、繊維フリースVがフリースホッパ41内に引き渡される。このフリースホッパ41には、同じく駆動される引出しローラ42が後置されている。フリースホッパ41内では、繊維フリースVが公知の形式でまとめられ、これによって、繊維束FBが形成される。この繊維束FBは引出しローラ42によって引き出され、概略的に示したホッパホイール43を介してケンス44内にループ状に収納される。次いで、このように収納された繊維束FBを後続処理部、たとえばフライヤまたはオープンエンド機械にケンス44と共に搬送することができる。
【0038】
図2aおよび図2bの実施例は、カバーボード46の領域への旋回可能なフラップKLの取付けを除いて、図2もしくは図3の実施例にほぼ合致している。したがって、以下の記載では、主として、付加的なフラップKLの意義について説明するのに対して、別の機能および経過は図2の説明から知ることができる。相応の側方の壁47と、スクリーンドラムTによる仕切りと、引出しローラ5とに相俟ったカバーボード46によって、周辺空気に対してほぼ遮蔽された室ARが形成される。この室ARの内部では、すでに形成された繊維フリースVへの後続案内された繊維集合体Pの併合過程が実施される。
【0039】
この過程を繊維集合体の高い供給速度でもより良好に実行するために、図2aおよび図2bの例では、フラップKLの使用が提案される。このフラップKLは旋回軸SAを中心として旋回可能に支承されている。この場合、この旋回軸SAは機械フレームに取り付けることができるかまたは直接カバーフードに取り付けることができる。フラップKLは図2cの拡大部分図に詳しく示してある。たとえば側方でフード46の領域にまたは機械フレームに旋回可能に支承された旋回軸SAにレバー85が相対回動不能に結合されている。このレバー85の自由端部には、シリンダ88のピストンロッドが枢着されている。このシリンダ88はフード46にまたはコーミング機械の機械フレームに支承されている。シリンダ88は管路89を介して弁86によって圧縮空気で負荷される。この圧縮空気は圧縮空気源90によって発生させられる。弁86は管路87を介して制御ユニットSTによって制御される。この制御ユニットSTを介して、制御が引出しローラの運動に対して同期的にもしくは特にシリンダZの開口S1,S2の位置に対して同期的に行われる。
【0040】
図2aに示した位置では、フラップKLが、閉鎖された上側の位置に位置している。この位置では、フラップの自由端部が上側の引出しローラ5bの周面にほぼ接している。すなわち、僅かな安全間隔しか上側の引出しローラ5bとフラップKLとの間に存在していない。繊維集合体Pの前方の端部VEが、矢印Lによって示した空気流れによって、すでに形成された繊維フリースVの後方の端部に重合させられる。空気流れLは、開口S1の適宜な位置によって生ぜしめられる。この開口S1を介して、フード46の前方の領域が負圧下に調整される。この場合に吸引される空気体積は、矢印によって示したように、たとえば部分的に、下側の引出しローラ5aとカバー50との間の既存のギャップ92を介して再び後続案内される。第2の開口S2は相変わらずカバーA1の背後に位置していて、したがって、無効である。
【0041】
繊維集合体Pの後方の端部HEが引出しローラ5から解放されるやいなや、開口S1が、図2に示した、カバーA1の背後の位置に位置する。これによって、開口S1が無効になる。第2の開口S2が、シリンダZの、相応に制御された回転運動によってカバーA1の上方に移動させられた。これによって、繊維集合体Pの後方の端部HEをスクリーンドラムTに当て付ける空気流れが生ぜしめられる。この過程は、図2bに示した下側の位置への軸SAを中心としたフラップKLの旋回によって助成されるかもしくは防護される。この場合、シリンダ88の制御部STが弁を介して負荷される。これによって、シリンダ88のピストンが進出させられ、レバー85を介して、フラップKLが時計回り方向で下向きに図示の位置に旋回させられる。この下側の位置では、フラップKLとスクリーンドラムTの周面との間に繊維集合体Pに対するクランプ箇所KSが形成される。これによって、1つには、繊維集合体が確実にスクリーンドラムTに当て付けられ、もう1つには、形成された開口90によって相応の空気流れLが生ぜしめられる。この空気流れLを介して、繊維集合体Pの後方の端部HEが強制的にスクリーンドラムTに当て付けられる。このことは、特に開口90を介して引き続き流れる空気によって生ぜしめられる。この過程が終了すると、フラップKLが再び上向きに、図2aに示した位置に旋回させられる。これによって、再び新たな繊維集合体Pを引出しローラ5によって後続の継ぎのために供給することができる。フラップKLの使用によって、継ぎ過程時の繊維集合体の損傷が生ぜしめられることなしに、スクリーンドラムでの繊維集合体の併合過程をこの繊維集合体の高い供給速度でも問題なく適切に実施することができる。フラップKLを介して、特に継ぎ過程のために必要となる空気流れを制御するかもしくは空気流れに影響を与えることが可能となる。フラップKLの代わりに、付加的な開口を設けることも可能である。この開口は、相応の制御部を介して所定の装置によって相応の時点で開閉することができる。
【0042】
図4には、別の実施例が示してある。この場合、駆動されるシリンダZの内部にカバーエレメントA1が取り付けられている。このカバーエレメントA1はほぼシリンダの下側の領域で延びているかもしくは取離し領域ABにわたって延びている。スクリーンドラムTもしくはシリンダZの駆動も、負圧源Qとの接続も、図3に示した断面図にほぼ相当している。図2に示した実施例と異なり、図4に示した構成では、シリンダZが1つの開口S1しか備えていない。さらに、この場合、カバーフード46の内部に、空気案内のためのバー52が設けられていない。引出しローラ5の下方には、カバー50が配置されている。このカバー50は、周辺に対するカバーフードの内室の遮蔽を生ぜしめ、これによって、このカバーフード46の内部でのコントロールされない空気循環を阻止している。出口領域には、カバーフード46が、折り曲げられた端領域46aを備えている。この端領域46aはほぼ周面Uにまで突出している。この場合、この周面Uに対する間隔は、繊維フリースVがこの箇所を相変わらず問題なしに通過することができるように選択されている。取離し領域ABに続いて設けられたエレメントは、すでに図2の例で示しかつ説明したエレメントに相当している。図4では、シリンダZがスクリーンドラムTに対して逆方向に駆動される。すなわち、開口S1の運動が繊維フリースVの搬送運動と逆方向に行われる。図示の位置では、開口S1がフリース端部Eと繊維集合体Pの前方の端部VEとのすぐ下方に位置している。このフリース端部Eと繊維集合体Pの前方の端部VEとは、規定された長さでオーバラップしている。このオーバラップ部Rは一般的に併合箇所とも呼ばれる。引出しローラ5が、いま、コーミングサイクルに関連して矢印方向に相応して回転させられ、繊維集合体Pの後方の端部HEを解放する。引出しローラ5の回転運動に関連して、シリンダZも回転させられる。これによって、開口S1がカバー50の方向に移動させられる。スクリーンドラムTの回転方向と逆方向のこの移動時には、併合箇所Rに続いて、負圧が開口35を介して周面Uにも加えられる。これによって、全繊維集合体Pが、自由になった後方の端部HEにまでスクリーンドラムの周面に吸着され、そこに巻き付けられる。後続の経過では、固定されたカバーA1が取り付けられた領域を介して開口S1が運動させられる。これによって、この開口S1と負圧源Qとの間の接続部が妨害される。このことは、引出しローラ5のクランプ点からカバーの方向に経過する空気流れが発生させられないことを保証する。これによって、新たな繊維集合体の端部が下向きに変位させられる恐れがあるかまたはスクリーンドラムTに鈍角を成して衝突する恐れがある。さらに、カバーA1によって、取離しの領域ABで、スクリーンドラムTからの繊維フリースVの取離しが妨害されることが阻止される。すでに記載したように、スクリーンドラムTとシリンダZとの間には、0.2〜2mmの半径方向の僅かな間隔が存在している。カバーA1とシリンダZとの間にも同じく僅かな間隔が存在している。これによって、負圧源との接続を介して、前述した間隔を通して、僅かな負圧がスクリーンドラムの全周面Uに形成される。この負圧は、形成された繊維フリースVが取離しの領域ABでローラ40によって引き離されるまで周面Uに保持するために十分である。この引離し過程は、この僅かな負圧によってネガティブに影響されないかもしくは妨害されない。開口S1がシリンダの回転運動によってカバーA1の領域の外部にもしくは取離し領域ABの上方に位置するやいなや、カバーフード46の内室が再び開口S1もしくは開口35を介して負圧源Qに接続されている。これによって、空気がこの領域から吸引される。この空気は、引出しローラ5の領域に存在する空気入口を通して後続案内される。これによって、カバーフード46の内部で引出しローラ5から開口S1のその都度の位置にまで経過する空気流れLが生ぜしめられる。これによって、図4に示したように、繊維フリースVの端部Eとのオーバラップ部Rが生ぜしめられるまで、引出しローラ5を介して供給された新たな繊維集合体Pの端部VEが、スクリーンドラムTの周面Uに対してほぼ接線方向で繊維フリースの搬送方向に方向付けられる。この過程は、いまや、各コーミングサイクルで繰り返される。この場合に形成された繊維フリースVは、引渡し箇所ABの領域でのカバーフード46の、折り曲げられた端部46aの通過後、後続のローラ対40に導出され、すでに図2の例に記載したように、繊維束を形成するユニットに供給される。
【0043】
図5には、別の実施例が示してある。この場合、図2の例と異なり、繊維集合体Pの前方の端部VEが下向きに導出される。この結果、矢印によって示したように、スクリーンドラムTも時計回り方向での回転方向を形成している。固定されたカバーエレメントA1が設けられている。このカバーエレメントA1は、この事例では、シリンダZの内部に取り付けられている。しかし、このカバーエレメントをスクリーンドラムTとシリンダZとの間に取り付けることも可能である。
【0044】
設けられた2つの開口S1,S2は、シリンダZの回転運動に相俟って、繊維集合体Pの前方の端部VEがスクリーンドラムTの回転方向で下向きに変位させられるのに対して、繊維集合体Pの後方の端部HEはその解放後に引出しローラ5によってスクリーンドラムTの回転方向と逆方向でこのスクリーンドラムTに当て付けられることを保証している。この場合、開口は、繊維集合体Pの各端部VE;HEをスクリーンドラムに向かって運動させるために、適正の時点で引渡し領域AGに位置するように、シリンダの周面に配置されている。カバーエレメントA1は、ローラ40によるスクリーンドラムTからの、形成された繊維フリースの取離しを助成するために、取離し領域ABの領域に配置されている。スクリーンドラムTもしくはシリンダZの支承および駆動は、図3に示した支承および駆動に類似の形式で行うことができるかもしくは実施することができる。カバーフード46は、本例では、スクリーンドラムTの下側の領域に固定されていて、図4の例と同様に、折り曲げられた部分46aを有している。カバーフード46の、折り曲げられた部分と反対の側に位置する端部は、引出しローラ5の下側のローラの周面にまで延びており、これによって、この領域も周辺に対して十分に遮蔽される。
【0045】
スクリーンドラムTの上方には、別のカバーフード54が設けられている。このカバーフード54は、カバーフード46と同様に側方の壁57を備えている。この壁57はスクリーンドラムTにまで突出している。周辺に対する遮蔽のために、カバーフード54はその一方の端領域に屈曲部54aを備えている。この屈曲部54aは周面Uに対して僅かな間隔しか有していない。カバーフード54の、反対の側に位置する端部は、引出しローラ5の上側のローラの周面にまで延びている。繊維束FBを形成するための後続のエレメントを備えた取離し領域ABは、すでに図2に記載した構成に相当している。したがって、ここでは、もはやこれについて詳しく説明しないことにする。図5に示した位置では、繊維フリースVの後方の端部Eと繊維集合体Pの前方の端部VEとがオーバラップ部Rに位置している。このオーバラップ部Rは、特に開口S1の作用下で生ぜしめられる。この開口S1とスクリーンドラムの開口35とを介して、負圧源Qとの接続部が形成された。この場合に発生させられた空気流れによって、繊維集合体Pの、引出しローラ5から突出した前方の端部VEが下向きに変位させられ、繊維フリースVの後方の端部Eに重合させられた。繊維集合体の後方の端部HEが、駆動された引出しローラ5から解放されるやいなや、後方の端部HEが第2の開口S2の作用下でスクリーンドラムTの搬送方向と逆方向に方向付けられ、開口S2の領域に発生させられた負圧を介してスクリーンドラムTの周面Uに吸着される。すでに前記例に記載したように、周面Uの領域には、小さな負圧が発生させられる。この負圧は、負圧源Qと、シリンダZとスクリーンドラムTとの間の自由な中間室との間の接続によって生ぜしめられる。この負圧は、形成された繊維フリースVを取離し箇所までの道程においてスクリーンドラムに保持するために十分である。後続の繊維集合体Pを繊維フリースの端部Eに継ぐためには、駆動されたシリンダZによって、開口S1がカバーA1の下方の領域にもたらされる。これによって、生ぜしめられた空気流れに基づき、1つの繊維集合体の、新たに供給された前方の端部VEが下向きに逸らされ、最終的に、開口S1の領域での吸込み空気によってスクリーンドラムTで繊維フリースVの後方の端部Eに重合させられる。新たな繊維集合体の後方の端部HEの載着は、開口S2の作用下で、すでに記載した形式で行われる。スクリーンドラムの回転速度の選択によって、同じく重合度もしくは併合に影響を与えることもできる。
【0046】
図6には、別の実施例が示してある。この実施例は、図2に示した例に類似している。図6に示した例は、図2に示した例と、駆動されるシリンダの代わりに、スクリーンドラムTの内部に、固定された2つの吸込み通路K1,K2が設けられている点で異なっている。両吸込み通路K1,K2は制御部STを介して負圧源Qに接続することができる。スクリーンドラムTの駆動は、図3に示したように、相応の形式でプーリ26を介して行うことができる。シリンダZの回転可能な支承が本例では排除されているので、プーリ26の支承20は、設けられた固定された通路60の、延長された部分片で行うことができる。この部分片もやはり機械フレームMGに固く固定されている。この固定箇所は、通路60がこの端領域では閉鎖されているのに対して、通路が、反対の側に位置する端部では負圧源Qに接続されるように形成することができる。
【0047】
スクリーンドラムTの中心に定置に取り付けられた通路60は、互いに分離された2つの通路R1,R2を有している。通路R1は流入管路Z1と弁V1とを介して負圧源Qに接続することができる。流入管路Z2と弁V2とを介して、通路R2と負圧源Qとの接続が形成可能である。弁V1,V2は、それぞれ制御ユニットSTによって線路64,65を介して制御される。通路R1,R2は、その長手方向にわたって分配されて、それぞれ1つまたはそれ以上の開口61;62を有している。この開口61;62は、それぞれ吸込み通路K1;K2に開口している。この吸込み通路K1,K2は通路R1,R2に固く結合されている。吸込み通路K1;K2は、少なくとも繊維フリースVの幅B(図3参照)にわたって延びていて、それぞれ1つの開口68;69を有している。この開口68;69はスクリーンドラムTの内側の周面に向かい合って位置している。取離し領域ABには、この箇所で繊維フリースVを問題なしにスクリーンドラムTから取り離すことができるように、カバーエレメントA1が設けられている。図6に示した位置では、弁V2が、制御部STによる線路65を介した制御によって開放されている。これによって、開口69の領域で負圧がスクリーンドラムTに加えられる。これによって、矢印により概略的に示したように、主として、図2ですでに説明した幾何学的な状況に基づき、バー52の上方に延びる空気流れLが生ぜしめられる。この空気流れにつき、まだ引出しローラ5によって保持されている繊維集合体Pの前方の端部VEが空気流れの方向に方向付けられる。これによって、繊維集合体Pの自由端部がスクリーンドラムTに対してほぼ接線方向に延びている。繊維集合体Pの前方の端部VEと繊維フリースVの後方の端部Eとが十分に重合させられるやいなや、弁V2が制御部STによって閉鎖され、同時に弁V1が開放される。空気流れLが途切れ、繊維集合体Pの前方の端部VEが、吸込み通路K1を介して加えられた負圧によって繊維フリースVの端部Eに吸着され、繊維フリースとの重合を形成する。すなわち、繊維集合体Pが繊維フリースVに併合されるかもしくは結合される。スクリーンドラムは、コーミングサイクル数の高さに関連した連続的な回転数で回転させられる。次いで、デタッチングシリンダ5の後続の回転運動によって、繊維集合体Pの後方の端部HEが解放される。この後方の端部HEは、吸込み通路K1を介して加えられた負圧によってスクリーンドラムTに吸着される。
【0048】
各吸込み通路K1,K2の外側の端部とスクリーンドラムTの内側の周面との間に僅かな間隔が存在していることによって、スクリーンドラムTの内室IRに同じく僅かな負圧が存在している。この負圧は、繊維フリースVを取離し領域ABまでの搬送においてスクリーンドラムTの周面Uに保持するために十分である。繊維集合体Pの後方の端部HEが、通路K1の吸込み空気流の作用下でスクリーンドラムに載着された後、弁V1が制御部STを介して再び閉鎖され、同時に弁V2が開放され、これによって、再び空気流れLが発生させられる。その間、すでに再び新たな繊維集合体の一方の端部VEが付与される。この端部VEは、すでに記載したように、空気流れLによって方向付けられる。連続的にスクリーンドラムで搬送される繊維フリースVの端部Eへの新たな繊維集合体Pの継ぎ過程は、いまや、前述した形式と同じ形式で行われる。弁V1;V2の切換は、コーミングプロセスもしくはその都度のコーミングサイクルに関連して行われる。したがって、制御部STが、線路72を介して信号をセンサ71から獲得する。このセンサ71は、たとえば円形コーム13の円形コーム軸75の角度位置を検出する。円形コーム13は、コームセグメント12によって、ニッパ1から供給された繊維タフト7をコーミングするために設けられている。スクリーンドラムTに形成された繊維フリースVを取り離し、次いで、束形成するための装置は、前述した実施例の構成に相当している。したがって、ここでは、もはやこれについて詳しく説明しないことにする。しかし、取離し装置の構成は、図示の例に限定されるものではない。
【0049】
図7には、1つの実施例が示してある。この場合、スクリーンドラムTの内部で回転するシリンダの代わりに、旋回可能なカバー78が使用される。このカバー78は、アーム76を介して軸77を中心として旋回可能に取り付けられていて、スクリーンドラムTの周面Uの一部領域にわたって延びている。アーム76は駆動装置80に結合されている。この駆動装置80は制御ユニットSTによって制御される。この場合、この制御はコーミングサイクルに同期化して行われる。スクリーンドラムの内室IRは負圧源Qに接続されている。カバーはスクリーンドラムTの周面Uに対して僅かな間隔hを有している。この間隔hによって、スクリーンドラムとカバーとの間での、形成された繊維フリースVの通過が可能となる。引出し領域ABには、引出しローラ74が配置されている。この引出しローラ74はスクリーンドラムTと一緒に引出しギャップASを形成していて、繊維フリースVをスクリーンドラムTから取り離し、後続のフリースホッパ41に移送する。このフリースホッパ41で繊維フリースVがまとめられ、これによって、繊維束FBが形成される。こうして形成された繊維束FBは引出しローラ42とホッパホイール43とを介してケンス44内に到達する。カバー78の上方には、すでに前述した実施例にすでに記載したカバーフード46が設けられている。繊維集合体Pの前方の端部VEが引出しローラ5によって供給されるやいなや、カバー78が、一点鎖線で示した位置に位置する。これによって、加えられた負圧により、繊維集合体の端部VEが接線方向でスクリーンドラムの回転方向に方向付けられる。なぜならば、スクリーンドラムの下側の領域が引渡し領域AGでカバーエレメント78によって内室に対して遮蔽されているからである。このカバーエレメント78が、いま、実線で示した位置に到達するまで、スクリーンドラムの回転方向に旋回させられる。この旋回時には、繊維集合体Pの前方の端部が、カバーエレメント78からスクリーンドラムTの方向に解放され、既存の繊維フリースVの端部に重合させられるまで、カバーエレメント78の上面で滑動する。繊維集合体Pの後方の端部HEが、いま、引出しローラ5から解放され、内室内の負圧の作用下でスクリーンドラムTの周面に到達する。これによって、併合過程が終了する。さらなる併合過程のためには、カバーエレメントが再び、一点鎖線で示した位置に運動させられる。
【0050】
例示した構成によって、不連続的に供給される繊維集合体に基づき、連続的に導出される繊維フリースを簡単に形成することが可能となる。この場合、引出しローラが継ぎ過程(併合過程)のための逆転運動を実施する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】公知先行技術によるコーミング機械の引出し領域もしくは併合領域における概略的な部分図である。
【図2】引出し装置の領域における本発明による実施例の概略的な側面図である。
【図2a】図2による別の実施例を示す図である。
【図2b】図2aによる別の図である。
【図2c】図2aもしくは図2bによる拡大部分図である。
【図3】図2に示したA−Aの断面図である。
【図4】引出し装置の領域における本発明による別の実施例の概略的な側面図である。
【図5】引出し装置の領域における本発明による別の実施例の概略的な側面図である。
【図6】固定された吸込み通路を備えた引出し装置の領域における本発明による別の実施例の概略的な側面図である。
【図7】引出し装置の領域における本発明による別の実施例の概略的な側面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 ニッパユニット、 2 綿ウェブ、 3 供給シリンダ、 5 引出しローラ、 5a 引出しローラ、 5b 引出しローラ、 6 案内ローラ、 7 繊維タフト、 8 端部、 9 トップコーム、 10 繊維フリース、 12 コームセグメント、 13 円形コーム、 20 軸受け、 21 フランジ、 22 軸受け、 24 軸、 26 プーリ、 27 ベルト、 30 駆動ホイール、 31 駆動結合部、 32 端面、 33 通路、 34 通路、 35 開口、 36 開口、 37 ねじ、 38 シールエレメント、 40 取離しローラ、 41 フリースホッパ、 42 引出しローラ、 43 ホッパホイール、 44 ケンス、 46 カバーフード、 46a 端領域、 47 壁、 49 ウェブ、 50 カバー、 52 バー、 53 開口、 54 カバーフード、 54a 屈曲部、 57 壁、 60 通路、 61 開口、 62 開口、 64 線路、 65 線路、 68 開口、 69 開口、 71 センサ、 72 線路、 74 引出しローラ、 75 円形コーム軸、 76 アーム、 77 軸、 78 カバー、 80 駆動装置、 85 レバー、 86 弁、 87 管路、 88 シリンダ、 89 管路、 90 圧縮空気源または開口、 92 ギャップ、 AB 取離し領域、 AG 引渡し領域、 AR 室、 A1 カバーエレメント、 B 幅、 E 端部、 FB 繊維束、 G 伝動装置、 HE 端部、 IR 内室、 KL フラップ、 KS クランプ箇所、 K1 吸込み通路、 K2 吸込み通路、 L 空気流れ、 M モータ、 MG 機械フレーム、 P 繊維集合体、 Q 負圧源、 R オーバラップ部、 R1 通路、 R2 通路、 SA 旋回軸、 ST 制御ユニット、 S1 開口、 S2 開口、 T スクリーンドラム、 U 周面、 V 繊維フリース、 VE 端部、 V1 弁、 V2 弁、 Z シリンダ、 Z1 流入管路、 Z2 流入管路、 a 間隔、 b 間隔、 c 間隔、 h 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーミング機械であって、繊維質量体(2)をコーミング装置(12,13)に供給するためのユニット(1)が設けられており、コーミング装置が、繊維質量体の、ユニットによって歩進的に供給されかつクランプされた端部(7)をコーミングするようになっており、次いで、該端部(7)が、引出し装置(5)に供給されるようになっており、該引出し装置(5)が、コーミングされた端部から成る繊維集合体(P)を引き出すようになっていて、繊維フリース(V)を形成するための後続の装置(T,Z)に引き渡すようになっている形式のものにおいて、
装置(T,Z)が、回転する手段(T)を有しており、該手段(T)が、その周面(U)にその全周にわたって空気通流のための開口(35)を備えており、手段(T)の内室の少なくとも一部領域が、負圧源(Q)に接続されており、周辺に対して遮蔽された室(AR)を、引出し装置(5)と、回転する手段(T)の周面(U)との間に形成するカバーボード(46,47)が設けられており、遮蔽された室(AR)の一部領域が、手段(T)の周面(U)と引出し装置(5)とによって形成されるようになっていることを特徴とする、コーミング機械。
【請求項2】
周辺空気に対する室(AR)の遮蔽率が、80%〜99%である、請求項1記載のコーミング機械。
【請求項3】
第2の手段(Z,78)が設けられており、該手段(Z,78)を介して、時間インターバル内で繊維集合体(P)の引渡しに同期化して、自由な空気通流が、少なくとも開口(35)の一部領域を介して第1の手段(T)の周辺と負圧源(Q)との間で制御可能である、請求項1または2記載のコーミング機械。
【請求項4】
第2の手段(Z)が、第1の手段(T)の内部に配置されている、請求項3記載のコーミング機械。
【請求項5】
第2の手段(Z)が、駆動装置(M,G)に結合されていて、少なくとも1つの開口(S1,S2)を第2の手段(Z)の周面に有しており、開口(S1,S2)が、引き出された繊維集合体(P)の幅(B)にわたってほぼ延びており、開口(S1,S2)を介して、第1の手段(T)の開口(35)と負圧源(Q)との間の接続部が形成可能である、請求項3記載のコーミング機械。
【請求項6】
第1の手段(T)の内部に、定置に配置された少なくとも1つのカバーエレメント(A1)が取り付けられており、該カバーエレメント(A1)が、第1の手段(T)の開口(35)の一部領域を負圧源(Q)に対して、引き出された繊維集合体(P)の幅(B)にわたって遮蔽するようになっている、請求項1から5までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項7】
第1の手段が、回転可能に支承されたスクリーンドラム(T)から成っており、該スクリーンドラム(T)の内部に、回転可能に支承されたシリンダ(Z)としての第2の手段が配置されている、請求項2から6までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項8】
第2の手段(Z)の回転数が、当該コーミング機械のコーミングサイクル数の一倍またはそれ以上の倍数である、請求項5から7までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項9】
第2の手段(Z)の回転数が、当該コーミング機械のコーミングサイクル数の数分の一である、請求項5から7までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項10】
第1の手段(T)および/または第2の手段(Z)の回転数を制御するかもしくは調整するための手段(ST,M,G)が設けられている、請求項8または9記載のコーミング機械。
【請求項11】
第1の手段および/または第2の手段の回転方向を調整するかもしくは制御するための手段(ST,M,G)が設けられている、請求項8または9記載のコーミング機械。
【請求項12】
カバーエレメント(A1,A2)が、第2の手段(Z)の内部に配置されている、請求項6から11までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項13】
カバーエレメント(A1)が、第1の手段(T)と第2の手段(Z)との間に配置されている、請求項5から11までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項14】
第2の手段が、定置に取り付けられた少なくとも1つの通路(K1,K2)から成っており、該通路(K1,K2)が、引き出された繊維集合体(P)の幅(B)にわたってほぼ延びていて、第1の手段(T)の開口(35)の方向に突出した開口(68,69)を備えており、通路(K1,K2)と負圧源(Q)との間の接続部が、設けられた制御可能なエレメント(V1,V2)を介して切換可能である、請求項3記載のコーミング機械。
【請求項15】
第2の手段(Z)の周面に分配されて別の小さな開口(53)が設けられており、該開口(53)が、引き出された繊維集合体の幅(B)に対する一部領域にわたってしか延びていない、請求項5記載のコーミング機械。
【請求項16】
カバーボード(46,47)の少なくとも一部が、透明な材料から成っている、請求項1記載のコーミング機械。
【請求項17】
カバーボード(46,47)の少なくとも一部が、帯電防止性の材料から成っている、請求項1または16記載のコーミング機械。
【請求項18】
カバーボード(46,47)の領域に、少なくとも1つの調節可能なエレメント(KL)が設けられており、該エレメント(KL)が、遮蔽された室(AR)とカバーボード(46,47)の周辺空気との間の空気通流のための少なくとも1つの開口(90)を制御するために適している、請求項1から17までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項19】
エレメントが、旋回軸(SA)を中心として旋回可能なフラップ(KL)から成っており、該フラップ(KL)が、繊維フリース(V)の搬送方向に対して横方向で見て、ほぼ引出し装置(5)の長さにわたって延びている、請求項18記載のコーミング機械。
【請求項20】
フラップ(KL)の旋回軸(SA)が、引出し装置(5)の上方の領域に配置されており、フラップの自由端部(KE)が、引出し装置の方向に向けられている、請求項19記載のコーミング機械。
【請求項21】
フラップ(KL)の自由端部(KE)が、開放された位置で第1の手段(T)と共にクランプ箇所(KS)を形成している、請求項20記載のコーミング機械。
【請求項22】
カバーボード(46)の内部にかつ第1の手段(T)の周面(U)の領域に、空気案内(L)のための少なくとも1つの案内エレメント(52)が設けられており、該案内エレメント(52)が、繊維集合体(P)の幅(B)にわたって延びている、請求項1から21までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項23】
案内エレメント(52)の長手方向に対して横方向で見て、案内エレメント(52)からカバーボード(46)への間隔(c)が、案内エレメント(52)から第1の手段(T)の周面(U)への間隔(b)よりも大きく寸法設定されている、請求項22記載のコーミング機械。
【請求項24】
カバーボードエレメント(46)が、繊維フリース(V)の搬送方向で見て、カバーボードエレメント(46)の前方の端領域に仕切り(46a,49)を有しており、該仕切り(46a,49)が、カバーボード(46)と第1の手段(T)の周面(U)との間の間隔を減少させている、請求項1から23までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項25】
カバーボード(46,47)が、カバー(50)を備えており、該カバー(50)が、引出し装置(5)と第1の手段(T)の周面(U)との間の自由室を少なくとも部分的に閉鎖している、請求項1から24までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項26】
第1の手段(T)に、該手段(T)に形成された繊維フリース(V)を取り離すための取離し装置(40)が設けられている、請求項1から25までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項27】
取離し装置(40)が、カバーボード(46)の仕切り(49,46a)に続いて配置されている、請求項26記載のコーミング機械。
【請求項28】
取離し装置が、ローラ対(40)である、請求項26または27記載のコーミング機械。
【請求項29】
取離し装置が、取離しローラ(74)から成っており、該取離しローラ(74)が、第1の手段(T)と共に引出しギャップ(AS)を形成している、請求項26または27記載のコーミング機械。
【請求項30】
取離し装置(40)に、繊維束(FB)を形成する装置(41,42)が後置されている、請求項26から29までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項31】
スクリーンドラム(T)とシリンダ(Z)との間の半径方向の間隔(a)が、0.2〜2mmの間にある、請求項7記載のコーミング機械。
【請求項32】
第2の手段が、運動可能なカバー(78)から成っており、該カバー(78)が、所定の間隔(h)を置いて第1の手段(T)の周面(U)の一部領域にわたって延びている、請求項3記載のコーミング機械。
【請求項33】
カバー(78)が、駆動装置(80)に結合されている、請求項32記載のコーミング機械。
【請求項34】
駆動装置(80)が、制御部(ST)に接続されている、請求項33記載のコーミング機械。
【請求項35】
カバー(78)が、カバーボード(46,47)の内部に取り付けられている、請求項32から34までのいずれか1項記載のコーミング機械。
【請求項36】
第1の手段(T)および/または第2の手段(Z)および/またはカバーエレメント(A1)および/またはカバーフードが、交換可能に取り付けられている、請求項1から35までのいずれか1項記載のコーミング機械。

【図1】
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【図2】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−508441(P2008−508441A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524153(P2007−524153)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000407
【国際公開番号】WO2006/012758
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(590005597)マシーネンファブリク リーター アクチェンゲゼルシャフト (93)
【氏名又は名称原語表記】Maschinenfabrik Rieter AG
【住所又は居所原語表記】Klosterstrasse 20,CH−8406 Winterthur,Switzerland
【Fターム(参考)】