ゴムシート貼付装置及びゴムシート貼付方法
【課題】精度よく、かつ層間のエア溜まりの発生を抑制しながら短時間でゴムシートを成形ドラムに貼り付け可能なゴムシートの貼付装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ゴムシート3を搬送するコンベア2と、コンベア2によって搬送されたゴムシート3を巻き付ける成形ドラム4と、コンベア2及び成形ドラム4を相対的に離接させる離接機構8と、コンベア2、成形ドラム4及び離接機構8の駆動を制御する制御部とを備え、制御部は、離接機構8を駆動させて、コンベア2上のゴムシート3の先端を、成形ドラム4とコンベア2との間に挟み込み、その状態でコンベア2及び成形ドラム4を同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるように制御することで、コンベア2上に載置されたゴムシート3を成形ドラム4に貼付するようにしたことを特徴とする。
【解決手段】ゴムシート3を搬送するコンベア2と、コンベア2によって搬送されたゴムシート3を巻き付ける成形ドラム4と、コンベア2及び成形ドラム4を相対的に離接させる離接機構8と、コンベア2、成形ドラム4及び離接機構8の駆動を制御する制御部とを備え、制御部は、離接機構8を駆動させて、コンベア2上のゴムシート3の先端を、成形ドラム4とコンベア2との間に挟み込み、その状態でコンベア2及び成形ドラム4を同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるように制御することで、コンベア2上に載置されたゴムシート3を成形ドラム4に貼付するようにしたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気ばね用ダイヤフラム等として使用されるゴム製筒体を製造するに当たり、その製造工程中において好適に用いられる、未加硫のゴムシートを成形ドラムに巻き付けるためのゴムシートの貼付装置及びゴムシートの貼付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気ばね用ダイヤフラムは、内面ゴム層と、外面ゴム層との間に、ゴムを補強コードで補強した補強ゴム層が配された構成とされる。補強ゴム層を形成するには、先ず、成形ドラムに内面ゴム層を形成しておき、定寸にカットした補強ゴムシートをコンベアに載せて成形ドラムの手前まで搬送後、作業者が手貼りで貼り付けを行っていた。すなわち、機械を用いて補強ゴムシートを精度よく成形ドラムに貼り付けるのは難しく、そのため、作業者による手貼り作業に頼らざるを得ないのが現状とされていた。
【0003】
しかしながら、手貼りで補強ゴム層を形成する場合、作業者の熟練度による貼付精度のばらつきが発生したり、補強ゴムシート貼付時に層間にエアを巻き込むため、特許文献1の図5に示すようなステッチャーローラを用いたステッチャー工程を実施することにより層間密着性を高めるとともに層間のエアを抜く必要があった。
【0004】
ステッチャー工程について、図20を基に詳しく説明すると、ステッチャーローラ31は、回転自在なローラからなり、ローラ回転軸方向と成形ドラムの回転軸方向とが平行になるように、成形ドラム32に対して、離接自在かつ成形ドラム32の軸方向にスライド自在に設けられる。ステッチャーローラ31は、左右一対として設置することが可能であり、この場合、互いに接触した状態で成形ドラム32の軸方向中央に配置される。
【0005】
そして、成形ドラム32上に補強ゴム層33を形成した後、回転する成形ドラム32にステッチャーローラ31を押しつけながら、左右のステッチャーローラ31、31をそれぞれ左右方向に移動させることにより、ステッチャーローラ31,31は、成形ドラム32の中央から左右端部に向かって螺旋状に補強ゴム層33を押圧する。これによって、層間に溜まったエアは成形ドラム32の左右端部から押し出され、それとともに補強ゴム層33の周方向の両端部同士が接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−105290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、作業者による手貼り作業ではどうしても作業時間を短縮するには限界があり、さらに、上記ステッチャー工程の実施にも時間を要するため、時間短縮による一層の生産性の向上が望まれていた。また、上記ステッチャー工程を実施するためには、ステッチャーローラを設置する必要もあった。
【0008】
そこで、本発明においては、上記問題に鑑み、精度よく、かつ層間のエア溜まりの発生を抑制しながら短時間でゴムシートを成形ドラムに貼り付け可能なゴムシートの貼付装置及びゴムシートの貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係るゴムシートの貼付装置は、ゴムシートを搬送するコンベアと、前記コンベアによって搬送されたゴムシートを巻き付ける成形ドラムと、前記コンベア及び成形ドラムを相対的に離接させる離接機構と、前記コンベア、成形ドラム及び離接機構の駆動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記離接機構を駆動させて、前記コンベア上のゴムシートの先端を、前記成形ドラムと前記コンベアとの間に挟み込み、その状態で前記コンベア及び成形ドラムを同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるように制御することで、前記コンベア上に載置されたゴムシートを成形ドラムに貼付するようにしたことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、コンベアの搬送速度よりも成形ドラムの回転周速度の方を速くすることで、ゴムシートにテンションをかけることができる。これにより、ゴムシートを成形ドラムに巻き付けるようにして貼り付けることが可能となる。さらに、成形ドラムに形成したゴム層とゴム層間の密着性を高めることが可能になるとともに、層間でのエア溜まりを防止することができる。従って、精度よく、短時間でゴムシートを成形ドラムに貼り付け可能なゴムシートの貼付装置を得ることが可能となる。
【0011】
制御部は、前記コンベアの搬送速度V1と、前記成形ドラムの回転周速度V2との速度比V2/V1が、1.000<V2/V1≦1.100になるように前記コンベア及び形成ドラムの駆動を制御するのが好ましく、1.000<V2/V1≦1.020になるように制御するのがより好ましい。
【0012】
速度比V2/V1を1.000よりも大きくすることで、ゴムシートに摩擦力が発生する。この摩擦力によって、ゴムシートに適度なテンションをかけることができる。ゴムシートにかかるテンションとしては、具体的には、0.01N/cm〜0.50N/cmの範囲であることが好ましい。したがって、ゴムシートにかかるテンションが適当な強さになるように速度比V2/V1を上記範囲内で調整すればよい。
【0013】
成形ドラムに貼り付けるゴムシートが補強ゴムシートの場合、補強コードを成形ドラムの周方向に対して傾斜するように配する必要から、補強ゴムシートの形状は平行四辺形状とされる。この場合、平行四辺形は、両側辺が補強コードと平行になるように、上辺及び下辺が補強コードに対して傾斜するようにして形成される。そして、平行四辺形の上辺及び下辺が成形ドラムの軸方向両端に沿うようにして、補強ゴムシートを成形ドラムに貼り付ける。
【0014】
平行四辺形のゴムシートを成形ドラムに貼り付ける場合、成形ドラムおよびコンベアに挟み込まれるゴムシート(補強ゴムシート)の挟み込み幅Lが変化する。この場合、コンベアの搬送速度V1と、前記成形ドラムの回転周速度V2との速度比V2/V1を一定の値に固定すると、ゴムシートの挟み込み幅Lが変化することにより、ゴムシートの単位長さ当たりにかかるテンションが変化する。
【0015】
すなわち、ゴムシートの挟み込み幅Lが小さくなるほど、ゴムシート幅の単位長さ当たりにかかるテンションは大きくなるため、ゴムシートに変形のおそれが生じる。そこで、本発明においては、ゴムシートの挟み込み幅Lが変化するときに、Lが小さくなるほど、前記速度比V2/V1が1.000に近づくように前記コンベア及び形成ドラムの駆動を制御するようにした。
【0016】
上記構成により、ゴムシートの挟み込み幅Lが変化する場合でも、コンベアと成形ドラムに挟み込まれるゴムシートの単位長さ当たりにかかるテンションの変動を抑制することが可能となり、ゴムシートの変形を防止し、ひいては補強コードの傾斜角度の変動を防止することができる。
【0017】
上述のごとく、本発明では、コンベアに載置されて搬送されるゴムシートを、成形ドラムに巻きつけるゴムシートの貼付方法であって、前記ゴムシートの先端を成形ドラムとコンベアとの間に挟み込み、その状態で前記コンベア及び成形ドラムを同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるようにすることで、前記コンベア上に載置されたゴムシートを成形ドラムに貼付するようにしたことを特徴とするゴムシートの貼付方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、コンベアに載置されて搬送されるゴムシートを、成形ドラムに巻きつけるにあたり、ゴムシートの先端を成形ドラムとコンベアとの間に挟み込み、その状態でコンベア及び成形ドラムを同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるようにしたため、ゴムシートにテンションをかけることができ、精度よく、短時間でゴムシートを成形ドラムに貼り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るゴムシート貼付装置を示す概略平面図
【図2】図1の側面図
【図3】図2の一部拡大図
【図4】図3において第二コンベアによる補強ゴムシート搬送終了状態を示す図
【図5】図4における第二コンベアの平面図
【図6】図3において第二コンベアを逆方向に駆動させたときの状態を示す図
【図7】図6の補強ゴムシートが第二コンベアに移行した直後の状態を示す図
【図8】図7における第二コンベアの平面図
【図9】図2において第二コンベアを前進させた状態を示す一部拡大図
【図10】図9において第二コンベアの下流端部を上昇させた状態を示す図
【図11】成形ドラム及び第二コンベアに挟み込まれた補強ゴムシートを示す斜視図
【図12】空気ばね用ダイヤフラムの未加硫のグリーン成形体を示す断面図
【図13】空気ばね用ダイヤフラムの使用形態の一例を示す断面図
【図14】空気ばね用ダイヤフラムの一部拡大図
【図15】カッター装置を示す断面図
【図16】長さ方向に補強コードが埋設された補強ゴムを示す図
【図17】図16の補強ゴムをカット後、再接合する状況を示す図
【図18】補強ゴムシートの挟み込み幅Lと速度比V2/V1の関係を示す図
【図19】補強ゴム層におけるジョイント代及びズレ幅を示す図
【図20】従来のステッチャー工程を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を基に説明する。図1は、本発明に係るゴムシート貼付装置を示す概略平面図であり、図2は図1の側面図である。
【0021】
本発明のゴムシート貼付装置は、空気ばね用ダイヤフラムの製造工程において、成形ドラムの外周面に形成された内面ゴム層上に、ゴムシートとして補強ゴムシートを貼り付けて補強ゴム層を形成するための装置である。
【0022】
図1及び図2に示すように、ゴムシート貼付装置は、帯状の補強ゴムAを所定寸法にカットするとともに、カット後の補強ゴムシート3を下流側に搬送する第一コンベア1と、第一コンベア1の下流側に配置され、第一コンベア1から供給された補強ゴムシート3を搬送する第二コンベア2と、補強ゴムシート3を巻き付ける成形ドラム4と、第二コンベア及び成形ドラムを相対的に離接させる離接機構8とを備えている。
【0023】
第一コンベア1及び第二コンベア2は、補強ゴムシート3の搬送方向が同じ方向になるように直線上に配置されている。また、第二コンベア2と成形ドラム4とは、ゴムシート貼付装置を平面視したときに、補強ゴムシート3の搬送方向が、成形ドラム4の回転軸B方向に対して直交する方向になるように互いに近接する位置に配されている。
【0024】
第一コンベア1の上流側には、補強ゴムAをロール状に巻いた補強ゴムの原反ロールCが設置され、原反ロールCから引き出された帯状の補強ゴムAが第一コンベア1上を搬送される。補強ゴムAは、複数の補強コード5を横糸で接続したスダレ状コードを薄いシート状のゴムで包んだものである。補強コード5は、補強ゴムの長さ方向Xに対して所定の傾斜角度αで傾斜した状態でゴム中に埋設されている。
【0025】
第一コンベア1の中央部上方には帯状補強ゴムAを切断するカッター装置6が設置されている。カッター装置6は、補強ゴムAの長さ方向Xに対して種々の角度で補強ゴムを切断することが可能とされている。帯状の補強ゴムAが第一コンベア1上を搬送されてカッター装置6の位置まで前進したときに第一コンベア1がいったん停止する。
【0026】
そして、カッター装置6によって補強コード5に沿う方向、すなわち補強ゴムAの長さ方向Xに対して傾斜角度αだけカッター装置6を傾けた状態で、帯状の補強ゴムAを切断する。そして、再度、第一コンベア1が駆動して所定距離だけ前進して停止し、カッター装置6によって同じ傾斜角度αで補強ゴムを切断する。これにより、補強ゴムシート3は平行四辺形に切断される。
【0027】
カッター装置6の上流側には、帯状補強ゴムAを吸着可能な吸着装置7が設置されている。吸着装置7は、複数の吸着パッドから構成されており、通常は第一コンベア1の上方に位置するように配されているが、カッター装置6によって補強ゴムシート3が切断された後、下降して補強ゴムシート3の上流側の帯状補強ゴムAを吸着する。
【0028】
その後、吸着装置7は上昇し、帯状補強ゴムAを第一コンベア1から浮かせた状態とする。その状態で、第一コンベア1が駆動することにより、帯状補強ゴムAの位置は変化しないまま、補強ゴムシート3だけが第一コンベア1上を下流側へ搬送される。そして、補強ゴムシート3が第二コンベア2に完全に移行した後、吸着装置7から補強ゴムAを離脱させて第一コンベア1上に載置する。
【0029】
第一コンベア1の下流側には第二コンベア2が配置される。第二コンベア2は第一コンベア1よりも低い位置で、第二コンベア2の上流側の一部が第一コンベア1の下流側の一部にオーバーラップするように配される。第一コンベア1と第二コンベア2とは、補強ゴムシート3の搬送方向が同じ方向になるように直線上に配置されており、両方のコンベア1,2はサーボモータにより同速駆動する。
【0030】
さらに、第二コンベア2においては、第一コンベア1と同じ方向、すなわち、原反ロールC側から成形ドラム4側に向かって(以下、順方向という)コンベアを駆動させることができるだけでなく、コンベアの駆動方向を順方向とは逆の向き(以下、逆方向という)に駆動させることもできる。
【0031】
第一コンベア1を順方向に駆動させることにより、補強ゴムシート3は、第一コンベア1の下流側端部まで搬送され、第一コンベア1の下流端から突出した先端側から自重によって下方に湾曲し、第二コンベアに接触する(図3参照)。このとき、第二コンベア2を順方向に駆動させておくことで、補強ゴムシート3は第一コンベア1に載置されていたときと同じ向きで第二コンベア2に移行する。そして、補強ゴムシート3が第二コンベア2の下流側の所定位置まで移動したときに第二コンベア2の駆動を停止する(図4及び図5参照)。
【0032】
離接機構8は、図1及び図2に示すように、補強ゴムシート3を載置した第二コンベア2を、成形ドラム4に向かって往復移動可能とする移動装置9と、第二コンベア2の下流端部を昇降可能とする昇降装置11とから構成されている。
【0033】
移動装置9は、レール12と、レール12上を走行可能な台車13とを備えており、第二コンベア2は台車13上に搭載される。台車13は、図示しないモータの駆動により移動可能とされる。さらに、台車13には台車13の下流側の高さを調節可能な昇降装置11が設けられている。昇降装置11としては、送りねじ機構や油圧機構等の周知の機構を採用することができる。この昇降装置11により、台車13に搭載された第二コンベア2の下流側端部を昇降させることができる。
【0034】
また、ゴムシート貼付装置には、第一コンベア1、第二コンベア2、離接機構8及び成形ドラム等の駆動を制御する制御部が設けられている。制御部は、入力回路、CPU、メモリ、出力回路等を備えたマイコンによって構成される。
【0035】
空気ばね用ダイヤフラムにおける補強ゴム層14は、複数の補強ゴムシート3を積層することで形成される。このとき、積層する複数の補強ゴムシート3の向きを交互に表裏逆向きにすることによって、補強ゴム層14中の補強コード5は、成形ドラム4の周方向に対して所定の傾斜角度αで傾斜した状態で交互に交差するように配される。
【0036】
上記構成の補強ゴム層14を形成するには、先ず、制御部は、前述のごとく、第一コンベア1及び第二コンベア2を順方向に駆動させることにより、補強ゴムシート3を第二コンベア2において図4及び図5に示す位置にセットする(光センサ等の位置検出器からの信号を検知して、この位置で第二コンベア2の駆動を停止する)。
【0037】
次いで、制御部は、離接機構8を駆動させて補強ゴムシート3の先端を成形ドラム4と第二コンベア2との間に挟み込む。具体的には、制御部は、図9に示すように、台車13を成形ドラム4に向かって移動させる。その後、図10に示すように、昇降装置11を駆動させて第二コンベア2を上昇させることによって補強ゴムシート3の先端を成形ドラム4と第二コンベア2との間に挟み込む。なお、成形ドラム4の表面には予め内面ゴム層15が形成されている。
【0038】
この状態で、制御部は、第二コンベア2及び成形ドラム4を同時に駆動させると共に、成形ドラム4の回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるように制御する。これにより、成形ドラム4の回転によって補強ゴムシート3を引っ張ろうとする力が発生する。それと同時に、補強ゴムシート3に摩擦力が発生する。この摩擦力によって、補強ゴムシート3にテンションがかかる。
【0039】
このように、補強ゴムシート3にテンションをかけることによって、第二コンベア2と補強ゴムシート3との間に弛みを発生させず、かつ補強ゴムシート3を成形ドラム4に貼付する間に補強ゴムシート3のずれを規制することができ、層間のエア溜まりを抑制しつつ、補強ゴム層14を構成する1プライ目の構成層14aを形成することができる。
【0040】
続いて、制御部は、補強ゴム層14を構成する2プライ目の構成層14bを形成する。そのためには、先ず、前述と同様に第一コンベア1において補強ゴムAをカットした後、補強ゴムシート3を順方向に搬送する。そして、補強ゴムシート3が第一コンベア1の下流端から突出して自重によって下方に湾曲し、第二コンベアに接触したとき、制御部は、第二コンベア2を逆方向に駆動させる。
【0041】
これにより、補強ゴムシート3は、図6に示すように、表裏反対向きに第二コンベア2上に載置される。制御部は、図7に示すように、補強ゴムシート3が完全に第二コンベア2上に載置された時点で第二コンベア2の逆方向への駆動を停止する。そして、制御部は順方向に第二コンベア2を駆動させ、補強ゴムシート3が図7の破線位置に達したときに第二コンベア2の駆動を停止する。以上の操作により、第二コンベア2上にセットされる補強ゴムシート3は、図8に示すように、1プライ目の補強ゴムシート3とは鏡像関係となる。
【0042】
次いで、制御部は、前述と同様にして、離接機構8を駆動させて補強ゴムシート3の先端を成形ドラム4と第二コンベア2との間に挟み込み、この状態で、第二コンベア2及び成形ドラム4を同時に駆動させると共に、成形ドラム4の回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるように制御する。このようにして補強ゴム層14を構成する2プライ目の構成層14bを形成することができる。
【0043】
以下、形成する構成層が奇数番目のときは1プライ目のときと同様にして、形成する構成層が偶数番目のときは2プライ目のときと同様にして、順次補強ゴム層14の構成層が形成される。上記操作により形成された補強ゴム層14は、補強コード5が成形ドラム4の周方向に対して所定の傾斜角度αで傾斜した状態で交互に交差するように配される。
【0044】
本実施形態においては、補強ゴムシート3は、平行四辺形に形成されるため、補強ゴムシート3を成形ドラム4に貼り付ける場合、図11に示すように、成形ドラム4および第二コンベア2に挟み込まれる補強ゴムシート3の幅方向の挟み込み幅Lが変化する。この場合、第二コンベア2の搬送速度V1と、成形ドラム4の回転周速度V2との速度比V2/V1を一定の値に固定すると、補強ゴムシート3の挟み込み幅Lが変化することにより、補強ゴムシート3の単位長さ当たりにかかるテンションが変化する。
【0045】
すなわち、補強ゴムシート3の挟み込み幅Lが小さくなるほど、補強ゴムシート3の単位長さ当たりにかかるテンションは大きくなるため、補強ゴムシート3が変形するおそれが生じる。そこで、本実施形態においては、補強ゴムシート3の挟み込み幅Lが変化するときに、Lが小さくなるほど、速度比V2/V1が1.000に近づくように、制御部において第二コンベア2及び成形ドラム4の駆動を制御するようにしている。これにより、補強ゴムシート3を変形させることなく、成形ドラム4に貼付することが可能となる。
【0046】
以上より、層間のエア溜まりを抑制しつつ、精度よく補強ゴム層14を形成することが可能となり、不良率を低減させることができる。また、補強ゴム層14形成後に、ステッチャー工程を実施する必要がなくなるため、成形時間の短縮が可能となる。
【0047】
補強ゴム層14を形成した後は、補強ゴム層14の表面に外面ゴム層16を形成して未加硫ゴムからなる筒状体を得ることができる。さらに、この筒状体について、軸方向一端部の拡径、ビードリング17の装着、筒状体の軸方向端部の折り返し等の工程を経ることにより、図12に示すように、空気ばね用ダイヤフラムの未加硫のグリーン成形体18を得ることができる。
【0048】
得られたグリーン成形体18は、金型内に設置し、グリーン成形体18の内側にゴム製バッグを組み込み、金型を閉鎖後、バッグに空気を圧入しながら加熱加硫することで空気ばね用ダイヤフラムを得ることができる。
【0049】
図13は、空気ばね用ダイヤフラムの使用形態の一例を示す断面図である。図示のごとく、空気ばね用ダイヤフラム21は、空気ばねの構成要素として、車体側となるアッパープレート22と、車輪側となるピストン23との間に気密接合される。図14は、上記空気ばね用ダイヤフラムの一部拡大図である。空気ばね用ダイヤフラム21は、内面ゴム層15と、補強ゴム層14と、外面ゴム層16とを備えており、軸方向両端部には、ビードリング17が埋設された構成とされている。
【0050】
ここで、本実施形態におけるカッター装置6について詳述する。カッター装置6は、図15に示すように、一対のカッター刃24,24と、カッター刃24,24を水平方向にスライド自在に吊下支持するガイド部材25とを備えている。
【0051】
ガイド部材25はまっすぐな板状体であり、第一コンベア1の補強ゴム長さ方向Xに対して種々の角度に傾斜するように回転自在に設けられている。ガイド部材25の底面中央には一対のカッター刃24,24がスライド自在、かつ昇降自在に取り付けられている。さらに、カッター刃24,24を上流側と下流側とから囲むように、補強ゴムAを押える押え板26,26がガイド部材25に昇降自在に取り付けられている。
【0052】
上記構成のカッター装置6において、補強ゴムAをカットする際には、先ず、第一コンベア1が補強ゴムAを所定位置まで搬送して停止する。その後、押え板26,26が下降して補強ゴムAを固定する。その後、カッター刃24,24が下降し、刃先が補強ゴムを貫通する手前の深さまで補強ゴムに突き刺さる。その状態で、カッター刃24,24が左右にスライド移動することで、補強ゴムAが切断される。
【0053】
また、本実施形態で使用した、補強コード5が所定の傾斜角度αで傾斜した状態でゴム中に埋設された補強ゴムの原反Cは以下のようにして製造することができる。すなわち、先ず、図16に示すように、スダレ状の補強コード5を薄いシート状のゴムで挟んで圧接ロールで押圧する等により、補強ゴムの長さ方向に沿って複数の補強コード5が埋設された帯状の補強ゴムDを作成する。
【0054】
次に、上記帯状の補強ゴムDの長さ方向に対して、一定間隔ごとに、傾斜角度αで補強ゴムDを切断する。そして、図17に示すように、切断した補強ゴムシートEを角度αだけ回転させ、帯状の補強ゴムの幅方向両端部であった部分同士を再接合することにより、補強ゴムの長さ方向Xに対して傾斜角度αで傾斜した状態でゴム中に補強コードが埋設されたロール状の補強ゴムの原反Cを得ることができる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明する。本実施例においては、上記実施形態で記載したゴムシート貼付装置を用いて、実際に空気ばね用ダイヤフラムの補強ゴム層を形成した。
【0056】
具体的には、成形ドラム4のドラム径176mm、補強ゴムCの原反幅640mm、補強コード5の傾斜角度α=53°とし、成形ドラムの回転周速度V2は1000.0cm/minで一定とした。
【0057】
これに対し、第二コンベア2の搬送速度V1は、補強ゴムシートの挟み込み幅Lの変化に合わせて図18に示すように調整した。すなわち、補強ゴムシート3の先端及び後端における速度比V2/V1が1.003になるように、このときの第二コンベア2の搬送速度V1を997.0cm/minとした。
【0058】
一方、補強ゴムシート3の挟み込み幅Lが最大の640mmのとき、速度比V2/V1が1.010となるように、このときの第二コンベア2の搬送速度V1を990.0cm/minとした。そして、補強ゴムシートの先端から最大幅に至るまで、及び、補強ゴムシートの最大幅から後端に至るまでの間については、速度比V2/V1が比例的に変化するように第二コンベア2の搬送速度V1を調節した(実施例1)。具体的には、シーケンサによって第二コンベア2の移動量に対する第二コンベアの搬送速度V1を制御するようにした。
【0059】
また、別の条件(実施例2)として、成形ドラムの回転周速度V2が1000.0cm/minに対して、補強ゴムシートの先端及び後端における速度比V2/V1が1.080になるように、第二コンベアの搬送速度V1を926.0cm/minとした。
【0060】
一方、補強ゴムシートの挟み込み幅が最大の640mmのとき、速度比V2/V1が1.090となるように、このときの第二コンベアの搬送速度V1を917.5cm/minとした。そして、補強ゴムシートの先端から最大幅に至るまで、及び補強ゴムシートの最大幅から後端に至るまでの間については、速度比V2/V1が比例的に変化するように実施例1と同様にして第二コンベアの搬送速度V1を調節した。
【0061】
上記条件(実施例1及び2)で補強ゴムシート3を成形ドラム4に1プライ巻き付けたときの状態を評価した。評価項目としては、図19に示すように、補強ゴムシート3の周方向におけるジョイント代a、軸方向におけるズレ幅b及び所要時間を測定した。比較として、従来の手貼り工法によって補強ゴム層を形成した場合のジョイント代a、ズレ幅b及び所要時間を測定した。結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
表1に示すように、本発明に係るゴムシート貼付装置を用いて形成した補強ゴム層(本発明品)は、従来工法により形成した補強ゴム層に比べてジョイント代及びズレ幅ともに小さく、またばらつきも少ないことが分かる。なお、従来工法における作業は熟練者が行う必要があるが、本発明で作業者のスキルは不要であり、作業者によらず品質のばらつきを低減することが可能となる。
【0064】
さらに、本発明においてはステッチャー工程が不要となるため、全体を通じての作業時間は従来工法の1/3と大幅に短縮することが可能となった。
【0065】
また、本発明において、実施例1と実施例2を比較したところ、実施例1の方がより高精度での貼付が可能であり、実施例2における速度比V2/V1が1.100に近くても問題はないが、V2/V1が1.000に近い範囲、すなわち、1.000<V2/V1≦1.020の範囲で使用するのがより好ましい。
【符号の説明】
【0066】
1 第一コンベア
2 第二コンベア
3 補強ゴムシート
4 成形ドラム
5 補強コード
6 カッター装置
7 吸着装置
8 離接機構
9 移動装置
11 昇降装置
12 レール
13 台車
14 補強ゴム層
15 内面ゴム層
16 外面ゴム層
17 ビードリング
18 グリーン成形体
21 空気ばね用ダイヤフラム
22 アッパーブレード
23 ピストン
24 カッター刃
25 ガイド部材
26 押え板
A 帯状の補強ゴム
B 成形ドラムの回転軸
C 補強ゴムの原反ロール
X 補強ゴムの長さ方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気ばね用ダイヤフラム等として使用されるゴム製筒体を製造するに当たり、その製造工程中において好適に用いられる、未加硫のゴムシートを成形ドラムに巻き付けるためのゴムシートの貼付装置及びゴムシートの貼付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気ばね用ダイヤフラムは、内面ゴム層と、外面ゴム層との間に、ゴムを補強コードで補強した補強ゴム層が配された構成とされる。補強ゴム層を形成するには、先ず、成形ドラムに内面ゴム層を形成しておき、定寸にカットした補強ゴムシートをコンベアに載せて成形ドラムの手前まで搬送後、作業者が手貼りで貼り付けを行っていた。すなわち、機械を用いて補強ゴムシートを精度よく成形ドラムに貼り付けるのは難しく、そのため、作業者による手貼り作業に頼らざるを得ないのが現状とされていた。
【0003】
しかしながら、手貼りで補強ゴム層を形成する場合、作業者の熟練度による貼付精度のばらつきが発生したり、補強ゴムシート貼付時に層間にエアを巻き込むため、特許文献1の図5に示すようなステッチャーローラを用いたステッチャー工程を実施することにより層間密着性を高めるとともに層間のエアを抜く必要があった。
【0004】
ステッチャー工程について、図20を基に詳しく説明すると、ステッチャーローラ31は、回転自在なローラからなり、ローラ回転軸方向と成形ドラムの回転軸方向とが平行になるように、成形ドラム32に対して、離接自在かつ成形ドラム32の軸方向にスライド自在に設けられる。ステッチャーローラ31は、左右一対として設置することが可能であり、この場合、互いに接触した状態で成形ドラム32の軸方向中央に配置される。
【0005】
そして、成形ドラム32上に補強ゴム層33を形成した後、回転する成形ドラム32にステッチャーローラ31を押しつけながら、左右のステッチャーローラ31、31をそれぞれ左右方向に移動させることにより、ステッチャーローラ31,31は、成形ドラム32の中央から左右端部に向かって螺旋状に補強ゴム層33を押圧する。これによって、層間に溜まったエアは成形ドラム32の左右端部から押し出され、それとともに補強ゴム層33の周方向の両端部同士が接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−105290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、作業者による手貼り作業ではどうしても作業時間を短縮するには限界があり、さらに、上記ステッチャー工程の実施にも時間を要するため、時間短縮による一層の生産性の向上が望まれていた。また、上記ステッチャー工程を実施するためには、ステッチャーローラを設置する必要もあった。
【0008】
そこで、本発明においては、上記問題に鑑み、精度よく、かつ層間のエア溜まりの発生を抑制しながら短時間でゴムシートを成形ドラムに貼り付け可能なゴムシートの貼付装置及びゴムシートの貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係るゴムシートの貼付装置は、ゴムシートを搬送するコンベアと、前記コンベアによって搬送されたゴムシートを巻き付ける成形ドラムと、前記コンベア及び成形ドラムを相対的に離接させる離接機構と、前記コンベア、成形ドラム及び離接機構の駆動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記離接機構を駆動させて、前記コンベア上のゴムシートの先端を、前記成形ドラムと前記コンベアとの間に挟み込み、その状態で前記コンベア及び成形ドラムを同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるように制御することで、前記コンベア上に載置されたゴムシートを成形ドラムに貼付するようにしたことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、コンベアの搬送速度よりも成形ドラムの回転周速度の方を速くすることで、ゴムシートにテンションをかけることができる。これにより、ゴムシートを成形ドラムに巻き付けるようにして貼り付けることが可能となる。さらに、成形ドラムに形成したゴム層とゴム層間の密着性を高めることが可能になるとともに、層間でのエア溜まりを防止することができる。従って、精度よく、短時間でゴムシートを成形ドラムに貼り付け可能なゴムシートの貼付装置を得ることが可能となる。
【0011】
制御部は、前記コンベアの搬送速度V1と、前記成形ドラムの回転周速度V2との速度比V2/V1が、1.000<V2/V1≦1.100になるように前記コンベア及び形成ドラムの駆動を制御するのが好ましく、1.000<V2/V1≦1.020になるように制御するのがより好ましい。
【0012】
速度比V2/V1を1.000よりも大きくすることで、ゴムシートに摩擦力が発生する。この摩擦力によって、ゴムシートに適度なテンションをかけることができる。ゴムシートにかかるテンションとしては、具体的には、0.01N/cm〜0.50N/cmの範囲であることが好ましい。したがって、ゴムシートにかかるテンションが適当な強さになるように速度比V2/V1を上記範囲内で調整すればよい。
【0013】
成形ドラムに貼り付けるゴムシートが補強ゴムシートの場合、補強コードを成形ドラムの周方向に対して傾斜するように配する必要から、補強ゴムシートの形状は平行四辺形状とされる。この場合、平行四辺形は、両側辺が補強コードと平行になるように、上辺及び下辺が補強コードに対して傾斜するようにして形成される。そして、平行四辺形の上辺及び下辺が成形ドラムの軸方向両端に沿うようにして、補強ゴムシートを成形ドラムに貼り付ける。
【0014】
平行四辺形のゴムシートを成形ドラムに貼り付ける場合、成形ドラムおよびコンベアに挟み込まれるゴムシート(補強ゴムシート)の挟み込み幅Lが変化する。この場合、コンベアの搬送速度V1と、前記成形ドラムの回転周速度V2との速度比V2/V1を一定の値に固定すると、ゴムシートの挟み込み幅Lが変化することにより、ゴムシートの単位長さ当たりにかかるテンションが変化する。
【0015】
すなわち、ゴムシートの挟み込み幅Lが小さくなるほど、ゴムシート幅の単位長さ当たりにかかるテンションは大きくなるため、ゴムシートに変形のおそれが生じる。そこで、本発明においては、ゴムシートの挟み込み幅Lが変化するときに、Lが小さくなるほど、前記速度比V2/V1が1.000に近づくように前記コンベア及び形成ドラムの駆動を制御するようにした。
【0016】
上記構成により、ゴムシートの挟み込み幅Lが変化する場合でも、コンベアと成形ドラムに挟み込まれるゴムシートの単位長さ当たりにかかるテンションの変動を抑制することが可能となり、ゴムシートの変形を防止し、ひいては補強コードの傾斜角度の変動を防止することができる。
【0017】
上述のごとく、本発明では、コンベアに載置されて搬送されるゴムシートを、成形ドラムに巻きつけるゴムシートの貼付方法であって、前記ゴムシートの先端を成形ドラムとコンベアとの間に挟み込み、その状態で前記コンベア及び成形ドラムを同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるようにすることで、前記コンベア上に載置されたゴムシートを成形ドラムに貼付するようにしたことを特徴とするゴムシートの貼付方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、コンベアに載置されて搬送されるゴムシートを、成形ドラムに巻きつけるにあたり、ゴムシートの先端を成形ドラムとコンベアとの間に挟み込み、その状態でコンベア及び成形ドラムを同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるようにしたため、ゴムシートにテンションをかけることができ、精度よく、短時間でゴムシートを成形ドラムに貼り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るゴムシート貼付装置を示す概略平面図
【図2】図1の側面図
【図3】図2の一部拡大図
【図4】図3において第二コンベアによる補強ゴムシート搬送終了状態を示す図
【図5】図4における第二コンベアの平面図
【図6】図3において第二コンベアを逆方向に駆動させたときの状態を示す図
【図7】図6の補強ゴムシートが第二コンベアに移行した直後の状態を示す図
【図8】図7における第二コンベアの平面図
【図9】図2において第二コンベアを前進させた状態を示す一部拡大図
【図10】図9において第二コンベアの下流端部を上昇させた状態を示す図
【図11】成形ドラム及び第二コンベアに挟み込まれた補強ゴムシートを示す斜視図
【図12】空気ばね用ダイヤフラムの未加硫のグリーン成形体を示す断面図
【図13】空気ばね用ダイヤフラムの使用形態の一例を示す断面図
【図14】空気ばね用ダイヤフラムの一部拡大図
【図15】カッター装置を示す断面図
【図16】長さ方向に補強コードが埋設された補強ゴムを示す図
【図17】図16の補強ゴムをカット後、再接合する状況を示す図
【図18】補強ゴムシートの挟み込み幅Lと速度比V2/V1の関係を示す図
【図19】補強ゴム層におけるジョイント代及びズレ幅を示す図
【図20】従来のステッチャー工程を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を基に説明する。図1は、本発明に係るゴムシート貼付装置を示す概略平面図であり、図2は図1の側面図である。
【0021】
本発明のゴムシート貼付装置は、空気ばね用ダイヤフラムの製造工程において、成形ドラムの外周面に形成された内面ゴム層上に、ゴムシートとして補強ゴムシートを貼り付けて補強ゴム層を形成するための装置である。
【0022】
図1及び図2に示すように、ゴムシート貼付装置は、帯状の補強ゴムAを所定寸法にカットするとともに、カット後の補強ゴムシート3を下流側に搬送する第一コンベア1と、第一コンベア1の下流側に配置され、第一コンベア1から供給された補強ゴムシート3を搬送する第二コンベア2と、補強ゴムシート3を巻き付ける成形ドラム4と、第二コンベア及び成形ドラムを相対的に離接させる離接機構8とを備えている。
【0023】
第一コンベア1及び第二コンベア2は、補強ゴムシート3の搬送方向が同じ方向になるように直線上に配置されている。また、第二コンベア2と成形ドラム4とは、ゴムシート貼付装置を平面視したときに、補強ゴムシート3の搬送方向が、成形ドラム4の回転軸B方向に対して直交する方向になるように互いに近接する位置に配されている。
【0024】
第一コンベア1の上流側には、補強ゴムAをロール状に巻いた補強ゴムの原反ロールCが設置され、原反ロールCから引き出された帯状の補強ゴムAが第一コンベア1上を搬送される。補強ゴムAは、複数の補強コード5を横糸で接続したスダレ状コードを薄いシート状のゴムで包んだものである。補強コード5は、補強ゴムの長さ方向Xに対して所定の傾斜角度αで傾斜した状態でゴム中に埋設されている。
【0025】
第一コンベア1の中央部上方には帯状補強ゴムAを切断するカッター装置6が設置されている。カッター装置6は、補強ゴムAの長さ方向Xに対して種々の角度で補強ゴムを切断することが可能とされている。帯状の補強ゴムAが第一コンベア1上を搬送されてカッター装置6の位置まで前進したときに第一コンベア1がいったん停止する。
【0026】
そして、カッター装置6によって補強コード5に沿う方向、すなわち補強ゴムAの長さ方向Xに対して傾斜角度αだけカッター装置6を傾けた状態で、帯状の補強ゴムAを切断する。そして、再度、第一コンベア1が駆動して所定距離だけ前進して停止し、カッター装置6によって同じ傾斜角度αで補強ゴムを切断する。これにより、補強ゴムシート3は平行四辺形に切断される。
【0027】
カッター装置6の上流側には、帯状補強ゴムAを吸着可能な吸着装置7が設置されている。吸着装置7は、複数の吸着パッドから構成されており、通常は第一コンベア1の上方に位置するように配されているが、カッター装置6によって補強ゴムシート3が切断された後、下降して補強ゴムシート3の上流側の帯状補強ゴムAを吸着する。
【0028】
その後、吸着装置7は上昇し、帯状補強ゴムAを第一コンベア1から浮かせた状態とする。その状態で、第一コンベア1が駆動することにより、帯状補強ゴムAの位置は変化しないまま、補強ゴムシート3だけが第一コンベア1上を下流側へ搬送される。そして、補強ゴムシート3が第二コンベア2に完全に移行した後、吸着装置7から補強ゴムAを離脱させて第一コンベア1上に載置する。
【0029】
第一コンベア1の下流側には第二コンベア2が配置される。第二コンベア2は第一コンベア1よりも低い位置で、第二コンベア2の上流側の一部が第一コンベア1の下流側の一部にオーバーラップするように配される。第一コンベア1と第二コンベア2とは、補強ゴムシート3の搬送方向が同じ方向になるように直線上に配置されており、両方のコンベア1,2はサーボモータにより同速駆動する。
【0030】
さらに、第二コンベア2においては、第一コンベア1と同じ方向、すなわち、原反ロールC側から成形ドラム4側に向かって(以下、順方向という)コンベアを駆動させることができるだけでなく、コンベアの駆動方向を順方向とは逆の向き(以下、逆方向という)に駆動させることもできる。
【0031】
第一コンベア1を順方向に駆動させることにより、補強ゴムシート3は、第一コンベア1の下流側端部まで搬送され、第一コンベア1の下流端から突出した先端側から自重によって下方に湾曲し、第二コンベアに接触する(図3参照)。このとき、第二コンベア2を順方向に駆動させておくことで、補強ゴムシート3は第一コンベア1に載置されていたときと同じ向きで第二コンベア2に移行する。そして、補強ゴムシート3が第二コンベア2の下流側の所定位置まで移動したときに第二コンベア2の駆動を停止する(図4及び図5参照)。
【0032】
離接機構8は、図1及び図2に示すように、補強ゴムシート3を載置した第二コンベア2を、成形ドラム4に向かって往復移動可能とする移動装置9と、第二コンベア2の下流端部を昇降可能とする昇降装置11とから構成されている。
【0033】
移動装置9は、レール12と、レール12上を走行可能な台車13とを備えており、第二コンベア2は台車13上に搭載される。台車13は、図示しないモータの駆動により移動可能とされる。さらに、台車13には台車13の下流側の高さを調節可能な昇降装置11が設けられている。昇降装置11としては、送りねじ機構や油圧機構等の周知の機構を採用することができる。この昇降装置11により、台車13に搭載された第二コンベア2の下流側端部を昇降させることができる。
【0034】
また、ゴムシート貼付装置には、第一コンベア1、第二コンベア2、離接機構8及び成形ドラム等の駆動を制御する制御部が設けられている。制御部は、入力回路、CPU、メモリ、出力回路等を備えたマイコンによって構成される。
【0035】
空気ばね用ダイヤフラムにおける補強ゴム層14は、複数の補強ゴムシート3を積層することで形成される。このとき、積層する複数の補強ゴムシート3の向きを交互に表裏逆向きにすることによって、補強ゴム層14中の補強コード5は、成形ドラム4の周方向に対して所定の傾斜角度αで傾斜した状態で交互に交差するように配される。
【0036】
上記構成の補強ゴム層14を形成するには、先ず、制御部は、前述のごとく、第一コンベア1及び第二コンベア2を順方向に駆動させることにより、補強ゴムシート3を第二コンベア2において図4及び図5に示す位置にセットする(光センサ等の位置検出器からの信号を検知して、この位置で第二コンベア2の駆動を停止する)。
【0037】
次いで、制御部は、離接機構8を駆動させて補強ゴムシート3の先端を成形ドラム4と第二コンベア2との間に挟み込む。具体的には、制御部は、図9に示すように、台車13を成形ドラム4に向かって移動させる。その後、図10に示すように、昇降装置11を駆動させて第二コンベア2を上昇させることによって補強ゴムシート3の先端を成形ドラム4と第二コンベア2との間に挟み込む。なお、成形ドラム4の表面には予め内面ゴム層15が形成されている。
【0038】
この状態で、制御部は、第二コンベア2及び成形ドラム4を同時に駆動させると共に、成形ドラム4の回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるように制御する。これにより、成形ドラム4の回転によって補強ゴムシート3を引っ張ろうとする力が発生する。それと同時に、補強ゴムシート3に摩擦力が発生する。この摩擦力によって、補強ゴムシート3にテンションがかかる。
【0039】
このように、補強ゴムシート3にテンションをかけることによって、第二コンベア2と補強ゴムシート3との間に弛みを発生させず、かつ補強ゴムシート3を成形ドラム4に貼付する間に補強ゴムシート3のずれを規制することができ、層間のエア溜まりを抑制しつつ、補強ゴム層14を構成する1プライ目の構成層14aを形成することができる。
【0040】
続いて、制御部は、補強ゴム層14を構成する2プライ目の構成層14bを形成する。そのためには、先ず、前述と同様に第一コンベア1において補強ゴムAをカットした後、補強ゴムシート3を順方向に搬送する。そして、補強ゴムシート3が第一コンベア1の下流端から突出して自重によって下方に湾曲し、第二コンベアに接触したとき、制御部は、第二コンベア2を逆方向に駆動させる。
【0041】
これにより、補強ゴムシート3は、図6に示すように、表裏反対向きに第二コンベア2上に載置される。制御部は、図7に示すように、補強ゴムシート3が完全に第二コンベア2上に載置された時点で第二コンベア2の逆方向への駆動を停止する。そして、制御部は順方向に第二コンベア2を駆動させ、補強ゴムシート3が図7の破線位置に達したときに第二コンベア2の駆動を停止する。以上の操作により、第二コンベア2上にセットされる補強ゴムシート3は、図8に示すように、1プライ目の補強ゴムシート3とは鏡像関係となる。
【0042】
次いで、制御部は、前述と同様にして、離接機構8を駆動させて補強ゴムシート3の先端を成形ドラム4と第二コンベア2との間に挟み込み、この状態で、第二コンベア2及び成形ドラム4を同時に駆動させると共に、成形ドラム4の回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるように制御する。このようにして補強ゴム層14を構成する2プライ目の構成層14bを形成することができる。
【0043】
以下、形成する構成層が奇数番目のときは1プライ目のときと同様にして、形成する構成層が偶数番目のときは2プライ目のときと同様にして、順次補強ゴム層14の構成層が形成される。上記操作により形成された補強ゴム層14は、補強コード5が成形ドラム4の周方向に対して所定の傾斜角度αで傾斜した状態で交互に交差するように配される。
【0044】
本実施形態においては、補強ゴムシート3は、平行四辺形に形成されるため、補強ゴムシート3を成形ドラム4に貼り付ける場合、図11に示すように、成形ドラム4および第二コンベア2に挟み込まれる補強ゴムシート3の幅方向の挟み込み幅Lが変化する。この場合、第二コンベア2の搬送速度V1と、成形ドラム4の回転周速度V2との速度比V2/V1を一定の値に固定すると、補強ゴムシート3の挟み込み幅Lが変化することにより、補強ゴムシート3の単位長さ当たりにかかるテンションが変化する。
【0045】
すなわち、補強ゴムシート3の挟み込み幅Lが小さくなるほど、補強ゴムシート3の単位長さ当たりにかかるテンションは大きくなるため、補強ゴムシート3が変形するおそれが生じる。そこで、本実施形態においては、補強ゴムシート3の挟み込み幅Lが変化するときに、Lが小さくなるほど、速度比V2/V1が1.000に近づくように、制御部において第二コンベア2及び成形ドラム4の駆動を制御するようにしている。これにより、補強ゴムシート3を変形させることなく、成形ドラム4に貼付することが可能となる。
【0046】
以上より、層間のエア溜まりを抑制しつつ、精度よく補強ゴム層14を形成することが可能となり、不良率を低減させることができる。また、補強ゴム層14形成後に、ステッチャー工程を実施する必要がなくなるため、成形時間の短縮が可能となる。
【0047】
補強ゴム層14を形成した後は、補強ゴム層14の表面に外面ゴム層16を形成して未加硫ゴムからなる筒状体を得ることができる。さらに、この筒状体について、軸方向一端部の拡径、ビードリング17の装着、筒状体の軸方向端部の折り返し等の工程を経ることにより、図12に示すように、空気ばね用ダイヤフラムの未加硫のグリーン成形体18を得ることができる。
【0048】
得られたグリーン成形体18は、金型内に設置し、グリーン成形体18の内側にゴム製バッグを組み込み、金型を閉鎖後、バッグに空気を圧入しながら加熱加硫することで空気ばね用ダイヤフラムを得ることができる。
【0049】
図13は、空気ばね用ダイヤフラムの使用形態の一例を示す断面図である。図示のごとく、空気ばね用ダイヤフラム21は、空気ばねの構成要素として、車体側となるアッパープレート22と、車輪側となるピストン23との間に気密接合される。図14は、上記空気ばね用ダイヤフラムの一部拡大図である。空気ばね用ダイヤフラム21は、内面ゴム層15と、補強ゴム層14と、外面ゴム層16とを備えており、軸方向両端部には、ビードリング17が埋設された構成とされている。
【0050】
ここで、本実施形態におけるカッター装置6について詳述する。カッター装置6は、図15に示すように、一対のカッター刃24,24と、カッター刃24,24を水平方向にスライド自在に吊下支持するガイド部材25とを備えている。
【0051】
ガイド部材25はまっすぐな板状体であり、第一コンベア1の補強ゴム長さ方向Xに対して種々の角度に傾斜するように回転自在に設けられている。ガイド部材25の底面中央には一対のカッター刃24,24がスライド自在、かつ昇降自在に取り付けられている。さらに、カッター刃24,24を上流側と下流側とから囲むように、補強ゴムAを押える押え板26,26がガイド部材25に昇降自在に取り付けられている。
【0052】
上記構成のカッター装置6において、補強ゴムAをカットする際には、先ず、第一コンベア1が補強ゴムAを所定位置まで搬送して停止する。その後、押え板26,26が下降して補強ゴムAを固定する。その後、カッター刃24,24が下降し、刃先が補強ゴムを貫通する手前の深さまで補強ゴムに突き刺さる。その状態で、カッター刃24,24が左右にスライド移動することで、補強ゴムAが切断される。
【0053】
また、本実施形態で使用した、補強コード5が所定の傾斜角度αで傾斜した状態でゴム中に埋設された補強ゴムの原反Cは以下のようにして製造することができる。すなわち、先ず、図16に示すように、スダレ状の補強コード5を薄いシート状のゴムで挟んで圧接ロールで押圧する等により、補強ゴムの長さ方向に沿って複数の補強コード5が埋設された帯状の補強ゴムDを作成する。
【0054】
次に、上記帯状の補強ゴムDの長さ方向に対して、一定間隔ごとに、傾斜角度αで補強ゴムDを切断する。そして、図17に示すように、切断した補強ゴムシートEを角度αだけ回転させ、帯状の補強ゴムの幅方向両端部であった部分同士を再接合することにより、補強ゴムの長さ方向Xに対して傾斜角度αで傾斜した状態でゴム中に補強コードが埋設されたロール状の補強ゴムの原反Cを得ることができる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明する。本実施例においては、上記実施形態で記載したゴムシート貼付装置を用いて、実際に空気ばね用ダイヤフラムの補強ゴム層を形成した。
【0056】
具体的には、成形ドラム4のドラム径176mm、補強ゴムCの原反幅640mm、補強コード5の傾斜角度α=53°とし、成形ドラムの回転周速度V2は1000.0cm/minで一定とした。
【0057】
これに対し、第二コンベア2の搬送速度V1は、補強ゴムシートの挟み込み幅Lの変化に合わせて図18に示すように調整した。すなわち、補強ゴムシート3の先端及び後端における速度比V2/V1が1.003になるように、このときの第二コンベア2の搬送速度V1を997.0cm/minとした。
【0058】
一方、補強ゴムシート3の挟み込み幅Lが最大の640mmのとき、速度比V2/V1が1.010となるように、このときの第二コンベア2の搬送速度V1を990.0cm/minとした。そして、補強ゴムシートの先端から最大幅に至るまで、及び、補強ゴムシートの最大幅から後端に至るまでの間については、速度比V2/V1が比例的に変化するように第二コンベア2の搬送速度V1を調節した(実施例1)。具体的には、シーケンサによって第二コンベア2の移動量に対する第二コンベアの搬送速度V1を制御するようにした。
【0059】
また、別の条件(実施例2)として、成形ドラムの回転周速度V2が1000.0cm/minに対して、補強ゴムシートの先端及び後端における速度比V2/V1が1.080になるように、第二コンベアの搬送速度V1を926.0cm/minとした。
【0060】
一方、補強ゴムシートの挟み込み幅が最大の640mmのとき、速度比V2/V1が1.090となるように、このときの第二コンベアの搬送速度V1を917.5cm/minとした。そして、補強ゴムシートの先端から最大幅に至るまで、及び補強ゴムシートの最大幅から後端に至るまでの間については、速度比V2/V1が比例的に変化するように実施例1と同様にして第二コンベアの搬送速度V1を調節した。
【0061】
上記条件(実施例1及び2)で補強ゴムシート3を成形ドラム4に1プライ巻き付けたときの状態を評価した。評価項目としては、図19に示すように、補強ゴムシート3の周方向におけるジョイント代a、軸方向におけるズレ幅b及び所要時間を測定した。比較として、従来の手貼り工法によって補強ゴム層を形成した場合のジョイント代a、ズレ幅b及び所要時間を測定した。結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
表1に示すように、本発明に係るゴムシート貼付装置を用いて形成した補強ゴム層(本発明品)は、従来工法により形成した補強ゴム層に比べてジョイント代及びズレ幅ともに小さく、またばらつきも少ないことが分かる。なお、従来工法における作業は熟練者が行う必要があるが、本発明で作業者のスキルは不要であり、作業者によらず品質のばらつきを低減することが可能となる。
【0064】
さらに、本発明においてはステッチャー工程が不要となるため、全体を通じての作業時間は従来工法の1/3と大幅に短縮することが可能となった。
【0065】
また、本発明において、実施例1と実施例2を比較したところ、実施例1の方がより高精度での貼付が可能であり、実施例2における速度比V2/V1が1.100に近くても問題はないが、V2/V1が1.000に近い範囲、すなわち、1.000<V2/V1≦1.020の範囲で使用するのがより好ましい。
【符号の説明】
【0066】
1 第一コンベア
2 第二コンベア
3 補強ゴムシート
4 成形ドラム
5 補強コード
6 カッター装置
7 吸着装置
8 離接機構
9 移動装置
11 昇降装置
12 レール
13 台車
14 補強ゴム層
15 内面ゴム層
16 外面ゴム層
17 ビードリング
18 グリーン成形体
21 空気ばね用ダイヤフラム
22 アッパーブレード
23 ピストン
24 カッター刃
25 ガイド部材
26 押え板
A 帯状の補強ゴム
B 成形ドラムの回転軸
C 補強ゴムの原反ロール
X 補強ゴムの長さ方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムシートを搬送するコンベアと、前記コンベアによって搬送されたゴムシートを巻き付ける成形ドラムと、前記コンベア及び成形ドラムを相対的に離接させる離接機構と、前記コンベア、成形ドラム及び離接機構の駆動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記離接機構を駆動させて、前記コンベア上のゴムシートの先端を、前記成形ドラムと前記コンベアとの間に挟み込み、その状態で前記コンベア及び成形ドラムを同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるように制御することで、前記コンベア上に載置されたゴムシートを成形ドラムに貼付するようにしたことを特徴とするゴムシート貼付装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記コンベアの搬送速度V1と、前記成形ドラムの回転周速度V2との速度比V2/V1が、1.000<V2/V1≦1.100になるように前記コンベア及び形成ドラムの駆動を制御することを特徴とする請求項1記載のゴムシート貼付装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記成形ドラム及びコンベアに挟み込まれるゴムシートの幅Lが変化するときに、Lが小さくなるほど、前記速度比V2/V1が1.000に近づくように前記コンベア及び形成ドラムの駆動を制御するようにしたことを特徴とする請求項2記載のゴムシート貼付装置。
【請求項4】
コンベアに載置されて搬送されるゴムシートを、成形ドラムに巻きつけるゴムシートの貼付方法であって、前記ゴムシートの先端を成形ドラムとコンベアとの間に挟み込み、その状態で前記コンベア及び成形ドラムを同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるようにすることで、前記コンベア上に載置されたゴムシートを成形ドラムに貼付するようにしたことを特徴とするゴムシートの貼付方法。
【請求項1】
ゴムシートを搬送するコンベアと、前記コンベアによって搬送されたゴムシートを巻き付ける成形ドラムと、前記コンベア及び成形ドラムを相対的に離接させる離接機構と、前記コンベア、成形ドラム及び離接機構の駆動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記離接機構を駆動させて、前記コンベア上のゴムシートの先端を、前記成形ドラムと前記コンベアとの間に挟み込み、その状態で前記コンベア及び成形ドラムを同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるように制御することで、前記コンベア上に載置されたゴムシートを成形ドラムに貼付するようにしたことを特徴とするゴムシート貼付装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記コンベアの搬送速度V1と、前記成形ドラムの回転周速度V2との速度比V2/V1が、1.000<V2/V1≦1.100になるように前記コンベア及び形成ドラムの駆動を制御することを特徴とする請求項1記載のゴムシート貼付装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記成形ドラム及びコンベアに挟み込まれるゴムシートの幅Lが変化するときに、Lが小さくなるほど、前記速度比V2/V1が1.000に近づくように前記コンベア及び形成ドラムの駆動を制御するようにしたことを特徴とする請求項2記載のゴムシート貼付装置。
【請求項4】
コンベアに載置されて搬送されるゴムシートを、成形ドラムに巻きつけるゴムシートの貼付方法であって、前記ゴムシートの先端を成形ドラムとコンベアとの間に挟み込み、その状態で前記コンベア及び成形ドラムを同時に駆動させるとともに、成形ドラムの回転周速度の方がコンベアの搬送速度よりも速くなるようにすることで、前記コンベア上に載置されたゴムシートを成形ドラムに貼付するようにしたことを特徴とするゴムシートの貼付方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−240678(P2011−240678A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116864(P2010−116864)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】
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