説明

ゴム材料の混練システム

【課題】密閉型混練機によってゴム材料を混練する場合に、配合材料を迅速、かつ、全体に分散させることができるゴム材料の混練システムを提供する。
【解決手段】複数台の密閉型混練機2を上下に直列にフレーム16に取付けて配置するとともに、上下に隣り合う密閉型混練機2を上下方向軸CLを中心にして相対的に回転可能な構成にすることにより、上下に隣り合う密閉型混練機2のロータ軸10の平面視の交差角度Gを可変にして、上下に隣り合う密閉型混練機2のロータ軸10が平面視で交差している状態で、順次、上側から下側の密閉型混練機2によってゴム材料Rの混練を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム材料の混練システムに関し、さらに詳しくは、密閉型混練機によってゴム材料を混練する場合に、配合材料を迅速、かつ、全体に分散させることができるゴム材料の混練システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤ等のゴム製品の材料として使用するゴム材料は、天然ゴム等の原料ゴムと、カーボン等の各種配合材料とをバンバリーミキサと呼ばれる密閉型混練機に所定量投入して混練することにより、各種配合薬品を均一に分散させるようにするとともに、一定の粘度に低下させるようにしている。カーボン等の配合材料の分散具合は、加硫したゴム製品の性能に影響するため、なるべく全体に均一に分散させることが重要である。
【0003】
密閉型混練機は、平行に並置された2本のロータを内部に備えており、これらロータを回転させてゴム材料Rを混練する。ゴム材料Rはロータ軸を中心にして回転混練されるので、図9に例示するように、混練されるゴム材料Rにおいて配合材料はロータ軸直交方向RVには良好に分散される。一方で、ロータ軸方向RHにはゴム材料Rの移動がロータ軸直交方向RVに対して著しく遅れをとるため、配合材料がロータ軸方向RHには分散し難い。
【0004】
また、一度混練したゴム材料Rを密閉型混練機から取り出し、このゴム材料Rの向きを変えて密閉型混練機に投入して再度混練を行なう方法では、多大な工数が必要になり迅速な混練を行なうことができないので生産性が低下する。
【0005】
ゴム材料の混練に関しては、例えば、密閉型混練機を縦に配列した混練システムが提案されている(特許文献1参照)。この混練システムでは、密閉型混練機を単純に上下に設置して構成されており、上側に設置された密閉型混練機に内設されたロータ軸と、下側に設置された密閉型混練機に内設されたロータ軸とが、平面視で平行になっている。そのため、この混練システムで混練されるゴム材料は、上下両方の密閉型混練機において、特定の同じ方向(ロータ軸直交方向)に回転混練されるだけで、配合材料を全体に分散させるには何らメリットがない。
【0006】
このように、密閉型混練機によってゴム材料を混練する場合に、配合材料を迅速、かつ、全体に分散させることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−216014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、密閉型混練機によってゴム材料を混練する場合に、配合材料を迅速、かつ、全体に分散させることができるゴム材料の混練システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明のゴム材料の混練システムは、並置された2本のロータを内部に備えた密閉型混練機を複数台有し、これら複数台の密閉型混練機が上下に直列に配置されるとともに、上下に隣り合う密閉型混練機を上下方向軸を中心にして相対的に回転可能な構成にすることにより、上下に隣り合う密閉型混練機のロータ軸の平面視の交差角度を可変にしたことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の別のゴム材料の混練システムは、並置された2本のロータを内部に備えた密閉型混練機を複数台有し、これら複数台の密閉型混練機が上下に直列に配置されるとともに、上下に隣り合う密閉型混練機のロータ軸が平面視で交差していることを特徴とするものである。この場合、前記上下に隣り合う密閉型混練機のロータ軸の平面視の交差角度が、例えば30°〜150°に設定された仕様にすることもできる。
【0011】
本発明では、前記並置された2本のロータのロータ軸間距離と、ロータ軸長とが同じ所定長さに設定され、上下に隣り合う密閉型混練機の上側に配置された密閉型混練機の材料排出口および下側に配置された密閉型混練機の材料投入口が、前記所定長さを辺長とした正方形に形成され、この材料排出口と材料投入口とがダクトで連結された仕様にすることもできる。この仕様の場合、前記ダクトのゴム材料進行方向中途の横断面が円形に形成され、この円形が、平面視で前記材料排出口および材料投入口を包含する大きさを有するようにすることもできる。
【0012】
また、前記複数台の密閉型混練機がそれぞれ、個別のロータ駆動装置および個別の温度調整装置を有する仕様にすることもできる。前記複数台の密閉型混練機がそれぞれ、混練している材料を加圧する加圧装置を有する仕様にすることもできる。前記複数台の密閉型混練機のうち、少なくとも、最上段に配置された密閉型混練機を除くすべての密閉型混練機が、追加材料を投入する追加投入口を有する仕様にすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数台の密閉型混練機が上下に直列に配置されるとともに、上下に隣り合う密閉型混練機を上下方向軸を中心にして相対的に回転可能な構成にして、上下に隣り合う密閉型混練機のロータ軸の平面視の交差角度を可変にし、或いは、複数台の密閉型混練機が上下に直列に配置されるとともに、上下に隣り合う密閉型混練機のロータ軸が平面視で交差する構成にすることにより、上下に隣り合う密閉型混練機においては、ゴム材料をそれぞれ異なる方向に回転混練することができる。そのため、システム全体では、ゴム材料が特定の方向のみに移動するという従来の混練とは異なり、配合材料をゴム材料の全体に分散させることができる。それぞれの密閉型混練機は直列に配置されているので、上下に隣り合う密閉型混練機で順次、連続的に混練を行なうことにより、迅速な混練が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のゴム材料の混練システムの内部構造を例示する概要図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】上下に隣り合う密閉型混練機のロータ軸の交差角度を例示する平面図である。
【図5】密閉型混練機の内部構造を例示する概要図である。
【図6】ダクトを例示する正面図である。
【図7】図6のダクトの平面図である。
【図8】本発明によるゴム材料の混練状態を例示する説明図である。
【図9】1台の密閉型混練機によるゴム材料の混練状態を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のゴム材料の混練システムを図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図3に例示するように、本発明のゴム材料の混練システム1は、第1混練機2a、第2混練機2b、第3混練機2cの3台の密閉型混練機2を有している。それぞれの密閉型混練機2は、並置された2本のロータ9を内部に備えている。密閉型混練機2の台数は3台に限らず複数台であればよい。
【0017】
この3台の密閉型混練機2は、フレーム16に取り付けられて上下に直列に配置されている。第1混練機2aおよび、第3混練機2cは、フレーム16に不動状態に固定されている。第2混練機2bは、フレーム16に設けられた回転テーブル15に載置されて上下方向軸CLを中心に回転可能に設置されている。即ち、上下に隣り合う密閉型混練機2(2a、2b、2c)は、上下方向軸CLを中心にして相対的に回転可能な構成になっている。この構成により、図4に例示するように、上下に隣り合う密閉型混練機2のロータ軸10の平面視の交差角度Gが可変になっている。図1において一点鎖線で示すCLは、直列に配置されたそれぞれの密閉型混練機2の平面視の中央部を貫く上下方向軸である。
【0018】
上下に隣り合う密閉型混練機2(2a、2b、2c)が、上下方向軸CLを中心にして相対的に回転可能な構成であればよく、第2混練機2bのみを上下方向軸CLを中心にして回転可能にする構成に限定されるものではない。例えば、上下方向軸CLを中心にして第2混練機2bおよび第3混練機2cを回転可能な構成にしてもよい。
【0019】
この実施形態では、第2混練機2bを上下方向軸CLを中心にして360°回転可能な仕様になっている。即ち、上記交差角度Gが任意の角度に設定できるようになっている。上下方向軸CLを中心にして回転にする密閉型混練機2の回転可能な角度は、少なくとも30°以上、好ましくは90°以上、より好ましくは150°以上、180°以上であれば極めて好ましい。
【0020】
それぞれの密閉型混練機2の基本仕様は同じなので、代表して第2混練機2bの構造を説明する。尚、第1混練機2aは、ケーシング3の上部側壁面に材料投入口4が設けられている点が、第2混練機2bおよび第3混練機2cと相違している。もちろん、本発明では、ロータ9、排出口フラップ7、加圧装置8等の各構成要素の仕様がそれぞれ異なる密閉型混練機2を組み合わせることもできる。
【0021】
図5に例示するように、第2混練機2bは、ケーシング3の上部に材料投入口4を有し、ケーシング3の下部にロータ9を収容する空間および材料排出口6を有している。また、ケーシング3の上部側壁面には、追加投入口5が設けられている。追加投入口5は開閉扉5aを開くことにより開口し、閉じることにより閉口する。ゴム材料Rを混練する際に、必要に応じて追加材料が追加投入口5を通じて第2混練機2bの内部に投入される。
【0022】
並置された2本のロータ9は、平行に配置されたそれぞれのロータ軸10を中心にして互いに反対方向に回転する。ロータ軸10は、油圧ポンプ等のロータ駆動装置11によって回転駆動される。本発明ではロータ9の形式は特に限定されず、接線式や噛合い式等、様々な形式を採用することができる。
【0023】
ロータ9の上部には、加圧装置8が設けられている。加圧装置8はゴム材料Rが第2混練機2bの内部に投入される際には、ゴム材料Rの投入を邪魔しない位置に開いた状態で待機している。ゴム材料Rが第2混練機2bの内部に投入された後は、待機位置から加圧装置8がロータ9の上部を密閉して覆うように移動する。
【0024】
ロータ9の下方位置に設けられた材料排出口6は、ゴム材料Rが混練する際に排出口フラップ7によって閉口される。ゴム材料Rを材料排出口6から排出する際には、排出口フラップ7は、ゴム材料Rの排出を邪魔しない位置に開いた状態で待機する。
【0025】
この実施形態では、加圧装置8および排出口フラップ7は、一端部を軸支された構造になっているが、この構造に限定されるものではない。
【0026】
また、ケーシング3の外壁面には温度調整装置12が設置されている。第2混練機2bのケーシング温度は、温度調整装置12によって制御される。
【0027】
ゴム材料Rの詰まりを防止することを主目的として、この実施形態では、図2、3に例示するように、平行に並置された2本のロータ9のロータ軸間距離Wと、ロータ軸長Lとが同じ所定長さに設定されていて、上下に隣り合う密閉型混練機2の上側に配置された密閉型混練機2の材料排出口6および下側に配置された密閉型混練機2の材料投入口4が、所定長さ(=W=L)を辺長とした正方形に形成されている。この正方形の対向する一対の辺は、平面視でロータ軸10の軸心上にある。
【0028】
この材料排出口6と材料投入口4とがダクト13を介して連結されている。即ち、第1混練機2aの材料排出口6と、第2混練機2bの材料投入口4とはダクト13を介して連結され、第2混練機2bの材料排出口6と、第3混練機2cの材料投入口4とはダクト13を介して連結されている。したがって、上下に隣り合う密閉型混練機2の上記交差角度Gが0°、90°、180°、270°、360°の時は、上下の材料排出口6と材料投入口4は平面視で完全に重なる。
【0029】
図6、7に例示するように、それぞれのダクト13の長手方向中途、即ち、ゴム材料進行方向中途に円環部14が設けられて、ゴム材料進行方向中途の横断面が円形に形成されている。この横断面の円形が、平面視で材料排出口6および材料投入口4を包含する大きさを有している。対向して当接する円環部14の間を境にして、上下配置された密閉型混練機2、2が上下方向軸CLを中心にして相対的に回転するようになっている。
【0030】
この混練システム1によるゴム材料Rを混練する手順は以下のとおりである。
【0031】
まず、所定量の原料ゴムとカーボン等の各種配合材料とを第1混練機2aの内部に材料投入口4を通じて投入する。次いで、第1混練機2aの加圧装置8を待機位置からロータ9の上部を密閉して覆うように移動させる。ダクト13には移動する加圧装置8を通過させる開閉部を設けておく。
【0032】
次いで、第1混練機2aの内部に投入されたゴム材料Rは、加圧装置8および排出口フラップ7と、ケーシング3の壁面とで形成された密閉空間において、回転する2つのロータ9によって混練される。回転するそれぞれのロータ9の螺旋状羽根によってゴム材料Rは混練される。
【0033】
第1混練機2aにより混練したゴム材料Rは、図9に例示したように、ロータ軸方向(RH)への移動が少ない。そのため、配合材料はゴム材料Rの全体に十分に分散していない状態となる。
【0034】
その後、排出口フラップ7を待機位置に移動させて材料排出口6を開口して、第1混練機2aにより混練したゴム材料Rを、第2混練機2bの内部へ材料投入口4を通じて投入する。ダクト13には移動する排出口フラップ7を通過させる開閉部を設けておく。
【0035】
ここで、第2混練機2bを、第1混練機2aに対して平面視で互いのロータ軸10が交差するように、好ましくは、上記交差角度Gが30°〜150°になるように配置しておく。例えば、交差角度Gが90°になるように第2混練機2bを配置しておく。
【0036】
この状態で、第2混練機2bの内部に投入されたゴム材料Rは、上記説明した第1混練機2aによる混練と同様に混練される。交差角度Gが90°に設定されているため、第1混練機2aおよび第2混練機2bによる混練において、特定の同じ方向(第1混練機2aのロータ軸直交方向RV)に回転混練されるだけとはならずに、図8に例示するように、ゴム材料Rは異なる方向にも回転混練される。これにより、配合材料をゴム材料Rの全体に分散させるには有利になる。
【0037】
第2混練機2bにより所定時間の混練を行なった後は、同様の手順によってゴム材料Rを第3混練機2cに投入して混練する。ゴム材料Rを排出する際に、第2混練機2bを、第3混練機2cに対して平面視で互いのロータ軸10が交差するように、好ましくは、上記交差角度Gが30°〜150°になるように配置しておくことにより、ゴム材料Rは更に異なる方向に回転混練される。
【0038】
このように、本発明では、上下に隣り合う密閉型混練機2のロータ軸10の平面視の交差角度Gを可変に構成にすることにより、上下に隣り合う密閉型混練機2においては、ゴム材料Rをそれぞれ異なる方向に回転混練することができる。そのため、システム全体では、配合材料をゴム材料Rの全体に分散させることができる。上下に隣り合う密閉型混練機2のロータ軸10の平面視の交差角度Gは、直列に配置する密閉型混練機2の台数も考慮して適宜設定する。
【0039】
また、それぞれの密閉型混練機2が直列に配置された構成を採用することにより、上下に隣り合う密閉型混練機2で順次、連続的に混練を行なうことができるので迅速な混練が可能になる。したがって、本発明では、各種配合材料が均一に分散されるとともに、一定の粘度に低下させた高品質の混練したゴム材料Rを得ることができる。迅速な混練により、混練に使用される総消費エネルギー(電力)を抑制にも寄与する。
【0040】
この実施形態では、上記交差角度Gが90°であり、上下に隣り合って配置された密閉型混練機2の対向する材料排出口6と材料投入口4は平面視で完全に重なるので、上側の密閉型混練機2で混練したゴム材料Rを、途中で詰まらせることなく下側の密閉型混練機2に円滑に移動させることができる。また、交差角度が90°ではない場合であっても、ダクト13のゴム材料進行方向中途の円形の横断面が、平面視で材料排出口6および材料投入口4を包含する大きさを有しているので、ゴム材料Rが途中で詰まり難くなっていて、上側から下側の密閉型混練機2に円滑に移動させることができる。
【0041】
それぞれの密閉型混練機2は、詳細な混練条件を設定できるようにするため、個別のロータ駆動装置11および個別の温度調整装置12を有することが好ましい。また、加圧装置8は、必須の構成部材ではないが、それぞれの密閉型混練機2に設けることが好ましい。
【0042】
追加投入口5は、直列に配置された複数台の密閉型混練機2のうち、少なくとも、最上段に配置された密閉型混練機2(第1混練機2a)を除くすべての密閉型混練機(第2混練機2b、第3混練機2c)に設けることが好ましい。第1混練機2aを含めて直列に配置されるすべての密閉型混練機2に追加投入口5を設けても良い。
【0043】
また、例えば、最上段の第1混練機2aにおけるロータ羽根先端とケーシング3との隙間寸法に対して、第2混練機2bにおけるこの隙間寸法を小さくすることにより、ゴム材料Rの磨り潰し効果を徐々に上げてゆくことが可能になる。このように、上側の密閉型混練機2の上記隙間寸法に対して下側の密閉型混練機2の上記隙間寸法を小さく設定することで、単体の密閉型混練機による混練では、ゴム材料Rの投入時の初期の材料の大きさ、材料温度により実現不可能であった混練が可能になる。
【0044】
上記実施形態では、第2混練機2bが上下方向軸CLを中心に回転可能にフレーム16に取り付けられていたが、本発明では、上下に直列に配置される複数台の密閉型混練機2をすべて、フレーム16に不動状態に固定することもできる。この実施形態の場合は、上下に隣り合う密閉型混練機2のロータ軸10が平面視で交差するようにして、好ましくは、その交差角度Gを30°〜150°に設定する。
【0045】
例えば、第2混練機2bを、第1混練機2aに対して交差角度Gが90°になるように配置し、第3混練機2cを、第2混練機2bに対して交差角度Gが90°になるように配置する。或いは、第2混練機2bを、第1混練機2aに対して交差角度Gが45°になるように配置し、第3混練機2cを、第2混練機2bに対して交差角度Gが45°になるようにするとともに、第1混練機2aに対して交差角度Gが90°になるように配置する。密閉型混練機2が2台の場合は、例えば、第2混練機2bを、第1混練機2aに対して交差角度Gが90°になるように配置する。
【0046】
このように、直列に配置する密閉型混練機2の台数も考慮して、上下に隣り合う密閉型混練機2のロータ軸10を平面視で交差するようにして、混練システム1として配合材料を、迅速、かつ、ゴム材料Rの全体に分散させるようにする。
【0047】
この実施形態においても、密閉型混練機2を上下方向軸CLを中心に回転可能にすることに関する内容を除いては、先の実施形態で述べた内容を同様に適用することができる。
【0048】
この実施形態のように上下に隣り合う密閉型混練機2がすべて不動状態に固定される構造の場合は、図1〜図3に例示するように、材料排出口6および材料投入口4を、ロータ軸間距離Wおよびロータ軸長Lと同じ所定長さを辺長とした正方形に形成し、この正方形と同じ横断面のダクト13で連結するとよい。これにより、上側の密閉型混練機2で混練したゴム材料Rを、途中で詰まらせることなく下側の密閉型混練機2に円滑に移動させることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 混練システム
2 密閉型混練機
2a 第1混練機
2b 第2混練機
2c 第3混練機
3 ケーシング
4 材料投入口
5 追加投入口
5a 開閉扉
6 材料排出口
7 排出口フラップ
8 加圧装置
9 ロータ
10 ロータ軸
11 ロータ駆動装置
12 温度調節装置
13 ダクト
14 円環部
15 ターンテーブル
16 フレーム
R ゴム材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並置された2本のロータを内部に備えた密閉型混練機を複数台有し、これら複数台の密閉型混練機が上下に直列に配置されるとともに、上下に隣り合う密閉型混練機を上下方向軸を中心にして相対的に回転可能な構成にすることにより、上下に隣り合う密閉型混練機のロータ軸の平面視の交差角度を可変にしたゴム材料の混練システム。
【請求項2】
並置された2本のロータを内部に備えた密閉型混練機を複数台有し、これら複数台の密閉型混練機が上下に直列に配置されるとともに、上下に隣り合う密閉型混練機のロータ軸が平面視で交差しているゴム材料の混練システム。
【請求項3】
前記上下に隣り合う密閉型混練機のロータ軸の平面視の交差角度が30°〜150°に設定された請求項2に記載のゴム材料の混練システム。
【請求項4】
前記並置された2本のロータのロータ軸間距離と、ロータ軸長とが同じ所定長さに設定され、上下に隣り合う密閉型混練機の上側に配置された密閉型混練機の材料排出口および下側に配置された密閉型混練機の材料投入口が、前記所定長さを辺長とした正方形に形成され、この材料排出口と材料投入口とがダクトで連結された請求項1〜3のいずれかに記載のゴム材料の混練システム。
【請求項5】
前記ダクトのゴム材料進行方向中途の横断面が円形に形成され、この円形が、平面視で前記材料排出口および材料投入口を包含する大きさを有する請求項4に記載のゴム材料の混練システム。
【請求項6】
前記複数台の密閉型混練機がそれぞれ、個別のロータ駆動装置および個別の温度調整装置を有する請求項1〜5のいずれかに記載のゴム材料の混練システム。
【請求項7】
前記複数台の密閉型混練機がそれぞれ、混練している材料を加圧する加圧装置を有する請求項1〜6のいずれかに記載のゴム材料の混練システム。
【請求項8】
前記複数台の密閉型混練機のうち、少なくとも、最上段に配置された密閉型混練機を除くすべての密閉型混練機が、追加材料を投入する追加投入口を有する請求項1〜7のいずれかに記載のゴム材料の混練システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−31558(P2011−31558A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181934(P2009−181934)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】