説明

ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ

【課題】より一層低発熱性及び耐摩耗性の向上したタイヤを与えるゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いてなる、前記性状を有するタイヤ、特に空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】(A)(a−1)共役ジエン系重合体の重合活性末端に、加水分解処理後の官能基が塩基性官能基であるもの、及び加水分解により脱保護可能な基でプロトンが保護されてなる塩基性官能基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基と、充填材表面へのポリマー濃縮能のある基とを有する変性剤Kの少なくとも1種を反応させてなる変性共役ジエン系重合体10〜100質量%と、(a−2)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム90〜0質量%とからなるゴム成分と、その100質量部に対して、(B)無機充填材5〜200質量部を含み、かつ(C)前記無機充填材と結合可能な原子又は官能基と、チオエステル基及び/又はジチオエステル基と、を少なくとも有するシランカップリング剤を、前記(B)成分中の無機充填材に対して1〜25質量%の割合で含むことを特徴とするゴム組成物、及び該ゴム組成物を部材に用いてなるタイヤである。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(a−1)共役ジエン系重合体の重合活性末端に、加水分解処理後の官能基が塩基性官能基であるもの、及び加水分解により脱保護可能な基でプロトンが保護されてなる塩基性官能基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基と、充填材表面へのポリマー濃縮能のある基とを有する変性剤Kの少なくとも1種を反応させてなる変性共役ジエン系重合体10〜100質量%と、(a−2)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム90〜0質量%とからなるゴム成分と、その100質量部に対して、(B)無機充填材5〜200質量部を含み、かつ(C)前記無機充填材と結合可能な原子又は官能基と、チオエステル基及び/又はジチオエステル基と、を少なくとも有するシランカップリング剤を、前記(B)成分中の無機充填材に対して1〜25質量%の割合で含むことを特徴とするゴム組成物。
【請求項2】
(a−1)変性共役ジエン系重合体の25℃におけるバウンドラバー量が、40質量%以上である請求項1に記載のゴム組成物。
<バウンドラバー量の測定方法>
変性共役ジエン系重合体100質量部と湿式シリカ(BET法比表面積:205±10m2/g)60質量部とを混練室内容積2リットルの密閉式混練装置を使用して、{(混練されているゴム組成物の体積/混練室内容積)×100}が60%にて混練りし、最高混練温度160℃に達した時点で、当該ゴム混練り物を密閉式混練装置から排出して、バウンドラバー量測定用ゴム組成物Mを得る。このゴム組成物M0.2gを1mm角に裁断して質量を測定した後、トルエン25mL中に加えて、25℃にて48時間放置した後、ガラス繊維フィルターでろ過し、トルエン不溶分を分離した後、分離したトルエン不溶分を25℃にて真空乾燥した後秤量し、下記式によりバウンドラバー量(%)を求める。
バウンドラバー量(%)={(トルエン不溶分の質量―ゴム組成物M中の湿式シリカの質量)/(ゴム組成物Mの質量―ゴム組成物M中の湿式シリカの質量)}×100
但し、シリカのBET法比表面積は、ISO 5794/1に準拠して測定する。
【請求項3】
変性剤Kにおいて、加水分解処理後の塩基性官能基にプロトンが結合した化合物の共役酸のpKa値(酸解離定数Kaの逆数の対数値)が4以上である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
変性剤Kが、充填材表面へのポリマー濃縮能のある基として、加水分解によりシラノール基を生成するケイ素含有基を有する請求項1〜3のいずれかにに記載のゴム組成物。
【請求項5】
加水分解によりシラノール基を生成するケイ素含有基が、ケイ素原子に直接結合するヒドロカルビロキシ基及び/又はハロゲン原子を有するケイ素含有基である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項6】
加水分解により、ヒドロカルビロキシ基及び/又はハロゲン原子の10%以上がシラノール基を生成する請求項5に記載のゴム組成物。
【請求項7】
(a−1)変性共役ジエン系重合体が、共役ジエン系重合体の重合活性末端に変性剤Kを反応させた後、加水分解処理して得られたものである請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項8】
(a−1)変性共役ジエン系重合体が、共役ジエン系重合体の重合活性末端に変性剤Kを反応させた後、加水分解処理の前又は後に、縮合促進剤の存在下に縮合反応処理して得られたものである請求項7に記載のゴム組成物。
【請求項9】
(a−1)変性共役ジエン系重合体が、重合末端に、シラノール基と塩基性官能基とを持つ変性基を有する請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項10】
加水分解処理後の官能基が塩基性官能基であるもの、及び加水分解により脱保護可能な基でプロトンが保護されてなる塩基性官能基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基が、加水分解処理前において、保護された第1アミノ基又は保護された第2アミノ基である請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項11】
加水分解処理後の官能基が塩基性官能基であるもの、及び加水分解により脱保護可能な基でプロトンが保護されてなる塩基性官能基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基を加水分解処理した後の塩基性官能基が、第1アミノ基又は第2アミノ基である請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項12】
(C)シランカップリング剤における無機充填材と結合可能な官能基が、アルコキシシリル基である請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項13】
(C)シランカップリング剤が、下記一般式(1)及び/又は(2)で表される化合物である請求項1〜12のいずれかに記載のゴム組成物。
【化1】

[式中、R1は−Cl、−Br、R6O−、R6C(=O)O−、R67C=NO−、R67N−又は−(OSiR67m(OSiR567)(ただし、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基である。)、R2はR1、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R3はR1、R2又は−[O(R8O)a0.5−基(ただし、R8は炭素数1〜18のアルキレン基、aは1〜4の整数である。)、R4は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R5は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。]
【化2】

[式中R9は炭素数1〜20の直鎖もしくは、分岐、環状のアルキル基であり、Gはそれぞれ独立して炭素数1〜9のアルカンジイル基又はアルケンジイル基であり、Zaはそれぞれ独立して二つの珪素原子と結合することのできる基で、[−O−]0.5、[−O−G−]0.5又は[−O−G−O−] 0.5から選ばれる基であり、Zbはそれぞれ独立して二つの珪素原子と結合することのできる基で、 [−O−G−O−] 0.5で表される官能基であり、Zcはそれぞれ独立して−Cl、−Br、−OR10、R10C(=O)O−、R1011C=NO−、R1011N−,R10−,HO−G−O−で表される官能基であり、R,Gは前記表記と一致する。
m、n、u、v、wはそれぞれ独立して1≦m≦20、0≦n≦20、0≦u≦3、0≦v≦2、0≦w≦1であり、かつ(u/2)+v+2w=2又は3である。
A部が複数である場合、複数のA部におけるZau、Zbv及びZcwそれぞれにおいて、同一でも異なっていても良く、Bが複数である場合、複数のB部におけるZau、Zbv及びZcwそれぞれにおいて、同一でも異なっても良い。]
【請求項14】
一般式(2)で表されるシランカップリング剤が、下記式(2−a)、(2−b)及び(2−c)で表される化合物の中から選ばれる少なくとも一種である請求項13に記載のゴム組成物。
【化3】

[式中、Lはそれぞれ独立して、炭素数1〜9のアルカンジイル基又はアルケンジイル基を示し、xは1〜20の数、yは0〜20に数を示す。]
【請求項15】
(B)無機充填材がシリカである請求項1〜14のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項16】
(a−1)変性共役ジエン系重合体が、変性芳香族ビニル−共役ジエン共重合体である請求項1〜15のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項17】
重合活性末端を有する共役ジエン系重合体が、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし、共役ジエン化合物一種以上、又は共役ジエン化合物一種以上と芳香族ビニル化合物とをアニオン重合させて得られたものである請求項1〜16のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項18】
縮合促進剤を乾式配合してなる請求項1〜17のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載のゴム組成物を部材に用いたことを特徴とするタイヤ。
【請求項20】
部材がトレッドである請求項19に記載のタイヤ。

【公開番号】特開2012−180408(P2012−180408A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42762(P2011−42762)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】