サイクロン分離装置およびこれを備える電気掃除機
【課題】サイクロン分離装置において、捕集容器の内周面と圧縮部材の円筒部との間にゴミが残りにくいようにする。
【解決手段】サイクロン分離装置101は、捕集容器11と、開閉自在な底蓋16と、回転可能な圧縮部材23とを備え、吸い込まれた空気を内周面11rに沿って旋回させた後、フィルタを経て排気することにより、ゴミを捕集する装置である。圧縮部材23は、底蓋16から離隔して配置される円板部23dと、円板部23dから下方に延在する回転軸部23bと、圧縮部材23の外周面に巻きつくように設けられた螺旋状突出部23aと、円板部23dから上方に延在する円筒部23cとを備える。螺旋状突出部23aは、円筒部23cおよび回転軸部23bにそれぞれ配置されている。回転軸部23bにおける螺旋状突出部23aのピッチに比べて円筒部23cにおける螺旋状突出部23aのピッチが小さくなっている。
【解決手段】サイクロン分離装置101は、捕集容器11と、開閉自在な底蓋16と、回転可能な圧縮部材23とを備え、吸い込まれた空気を内周面11rに沿って旋回させた後、フィルタを経て排気することにより、ゴミを捕集する装置である。圧縮部材23は、底蓋16から離隔して配置される円板部23dと、円板部23dから下方に延在する回転軸部23bと、圧縮部材23の外周面に巻きつくように設けられた螺旋状突出部23aと、円板部23dから上方に延在する円筒部23cとを備える。螺旋状突出部23aは、円筒部23cおよび回転軸部23bにそれぞれ配置されている。回転軸部23bにおける螺旋状突出部23aのピッチに比べて円筒部23cにおける螺旋状突出部23aのピッチが小さくなっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクロン分離装置およびこれを備える電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気掃除機に用いられるための数多くのサイクロン分離装置ないし集塵装置が提案されている。たとえば特開2010−119623号公報(特許文献1)、特開2010−252998号公報(特許文献2)、実願昭53−152396号(実開昭55−68553)のマイクロフィルム(特許文献3)に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1に記載されたサイクロン分離装置は、略円筒状の内周面を有する捕集容器を備え、捕集容器内に回転可能な圧縮部材を備えている。圧縮部材は「螺旋状回転圧縮部」とも呼ばれ、螺旋状曲面を有する。このサイクロン分離装置では、除塵動作としてモータにより圧縮部材が回転する。1回の除塵動作として数秒間にわたって圧縮部材が回転する。圧縮部材が回転すれば、捕集容器内に溜まったゴミは螺旋状曲面によって下方へと誘導され、捕集容器の底部に圧縮される。
【0004】
特許文献2に記載された電気掃除機のサイクロン集塵室においては、サイクロン分離筒テーパ部の途中に笠部が設けられているが、溜まったゴミを圧縮する構造ではない。特許文献2に示された構成では、集塵室の下端に底蓋が設けられている。溜まったゴミを捨てる際に、底蓋を開放する。底蓋を開放することによって、集塵室内のゴミは、重力に従い自然落下する。この構成では、ゴミを圧縮しないので、予定位置より上にゴミがひっかかって残り、そのまま高い位置でゴミが溜まることもありうる。
【0005】
特許文献3に記載された集塵装置では、円筒状の本体内に大きな空間があり、そのため、溜まっているゴミが少量の場合には、ゴミが本体内で暴れて舞い上がることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−119623号公報
【特許文献2】特開2010−252998号公報
【特許文献3】実願昭53−152396号(実開昭55−68553)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されたサイクロン分離装置においては、圧縮部材の上部は大きな直径を有する円筒状の部分(以下「円筒部」という。)となっている。円筒部と捕集容器の内周面との間には隙間がある。捕集容器内に溜まるゴミの量が多くなると、円筒部と捕集容器の内周面との間にまでゴミが入り込むようになる。
【0008】
このようにゴミが入り込んだ場合、1回の除塵動作でゴミを圧縮しきれない場合が生じてくる。円筒部の外周面に螺旋状曲面が設けられていない場合はもちろん、たとえ円筒部の外周面に螺旋状曲面が設けられているとしても同様である。
【0009】
そこで、本発明は、捕集容器の内周面と圧縮部材の円筒部との間にゴミが残りにくく、円滑にゴミを圧縮することができるサイクロン分離装置および電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に基づくサイクロン分離装置は、略円筒状の内周面を有し、底部が開口し、外壁の途中に上記内周面に至るように貫通した空気流入口を有する捕集容器と、上記底部を塞ぐ開閉自在な底蓋と、上記捕集容器の内部に配置され、上記捕集容器の上記内周面の中心軸を中心として回転可能な圧縮部材と、上記圧縮部材の上側において上記捕集容器の中心部に配置されたフィルタとを備える。このサイクロン分離装置は、上記空気流入口から吸い込まれた空気を上記捕集容器の上記内周面に沿って旋回させた後、上記フィルタを経て排気することにより、上記空気に含まれる第1サイズの捕集対象物を上記捕集容器の底部で捕集すると共に、上記第1サイズより小さい第2サイズの捕集対象物を上記フィルタにおいて捕集するサイクロン分離装置である。上記圧縮部材は、上記底蓋から離隔して配置される円板部と、上記円板部から上記中心軸に沿って上記底蓋に向かって延在する回転軸部と、上記圧縮部材の外周面に巻きつくように設けられた螺旋状突出部と、上記円板部から上記中心軸に沿って上記底蓋とは反対側に向かって延在する円筒部とを備える。上記螺旋状突出部は、上記円筒部および上記回転軸部にそれぞれ配置されている。上記回転軸部における上記螺旋状突出部のピッチに比べて上記円筒部における上記螺旋状突出部のピッチが小さくなっている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、たとえ捕集容器の円筒部と内周面との間にゴミが入り込んでいた場合であっても、円筒部の外周の螺旋状突出部によって効率良くそのゴミを下方に誘導することができる。したがって、捕集容器の内周面と圧縮部材の円筒部との間にゴミが残りにくく、円滑にゴミを圧縮することができるサイクロン分離装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置が内蔵される電気掃除機の模式図であり、実施の形態2における電気掃除機の模式図でもある。
【図2】図1に示した電気掃除機に含まれる掃除機本体の斜視図である。
【図3】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置の断面図である。
【図4】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる内筒の、フィルタが付いている状態の側面図である。
【図5】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第1の方向から見た側面図である。
【図6】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第2の方向から見た側面図である。
【図7】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第1の斜視図である。
【図8】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第2の斜視図である。
【図9】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置の、底蓋を開放した状態の断面図である。
【図10】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置の、捕集容器の内周面の第1の例を示すための部分断面図である。
【図11】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置の、捕集容器の内周面の第2の例を示すための部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図9を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置101について説明する。サイクロン分離装置101は、たとえば図1に示す電気掃除機201に用いられるものである。電気掃除機201は、掃除機本体1と、吸気口部2と、接続管3と、接続ホース4と、操作ハンドル5とを備えている。電気掃除機201に含まれる掃除機本体1を拡大したところを図2に示す。サイクロン分離装置101は掃除機本体1に取り付けられている。掃除機本体1は、前側に、開口部8aを有するホースコネクタ8を備えている。掃除機本体1は、移動するための車輪9を下側に備えている。サイクロン分離装置101は上側に把持部6を備えている。ユーザが把持部6をつかんで持ち上げることによって、サイクロン分離装置101は掃除機本体1から取り出される。取り出されたサイクロン分離装置101の断面図を図3に示す。サイクロン分離装置101は、掃除機本体1の外装の一部をなす上外装部10と、捕集容器11と、内筒12と、上部フィルタユニット13と、圧縮部材23と、気流接続部7と、除塵駆動部15と、底蓋16とを備える。図3では、内筒12の外周面に取り付けられているメッシュ状のフィルタを取り外した状態を表示している。本来は、図4に示すように内筒12の外周面にはメッシュ状のフィルタ12fが取り付けられている。
【0014】
本実施の形態におけるサイクロン分離装置101は、略円筒状の内周面11rを有し、底部11bが開口し、外壁の途中に内周面11rに至るように貫通した空気流入口7aを有する捕集容器11と、底部11bを塞ぐ開閉自在な底蓋16と、捕集容器11の内部に配置され、捕集容器11の内周面11rの中心軸11cを中心として回転可能な圧縮部材23と、圧縮部材23の上側において捕集容器11の中心部に配置されたフィルタ12fとを備える。空気流入口7aは、サイクロン分離装置101が掃除機本体1内に設置されたときにホースコネクタ8の開口部8aと連通するものである。サイクロン分離装置101は、空気流入口7aから吸い込まれた空気を捕集容器11の内周面11rに沿って旋回させた後、フィルタ12fを経て排気することにより、前記空気に含まれる第1サイズの捕集対象物を捕集容器11の底部11bで捕集すると共に、前記第1サイズより小さい第2サイズの捕集対象物をフィルタ12fにおいて捕集し、さらに前記第2サイズより小さい第3サイズの捕集対象物を上部フィルタユニット13の内部にある図示しないフィルタで捕集するサイクロン分離装置である。
【0015】
圧縮部材23を単独で取り出したところを図5、図6に示す。図5と図6とはいずれも圧縮部材23の側面図であるが、圧縮部材23をそれぞれ異なる方向から見た側面図である。圧縮部材23を斜め下から見た状態を図7に示す。圧縮部材23を斜め上から見た状態を図8に示す。図3に示すように、圧縮部材23は、底蓋16から離隔して配置される円板部23dと、円板部23dから中心軸11cに沿って底蓋16に向かって延在する回転軸部23bと、圧縮部材23の外周面に巻きつくように設けられた螺旋状突出部23aと、円板部23dから中心軸11cに沿って底蓋16とは反対側に向かって延在する円筒部23cとを備える。螺旋状突出部23aは、円筒部23cおよび回転軸部23bにそれぞれ配置されている。図5、図6に示すように、回転軸部23bにおける螺旋状突出部23aのピッチBに比べて円筒部23cにおける螺旋状突出部23aのピッチAが小さくなっている。
【0016】
内筒12に設置されたフィルタ12fを外側から内側に向けて通過した空気は、図3に示す上部フィルタユニット13を経由して排気される。
【0017】
螺旋状突出部23aは、回転軸部23bの下端まで設けられているのではなく、下端から上方に向かってある程度離隔したところで終わっている。すなわち、回転軸部23bの下端からある程度の区間は、螺旋状突出部23aがない状態となっている。
【0018】
捕集容器11は透明であることが好ましい。透明であれば内部に溜まっているゴミの量を目視で確認することができるからである。回転軸部23bの内部は空洞となっており、下端は開口していることが好ましい。回転軸部23bの下端が開口していれば、上部フィルタユニット13などによって捕集したゴミを、後述するように、底蓋16開放時に排出することができるからである。
【0019】
ゴミの大きさに関して「第1サイズ」、「第2サイズ」、「第3サイズ」という場合、ゴミの径が特定の数値であることのみを指すのではなく、ゴミの径がそれぞれ一定の数値範囲に入っていることをも意味するものとする。
【0020】
ゴミを排出するために底蓋16を開放した状態のサイクロン分離装置101の断面図を図9に示す。底蓋16を開放したときには、捕集容器11の底部11bにおいて回転軸部23bの周りに溜まっていたゴミだけでなく、回転軸部23bの内部に溜まっていたゴミも自然落下により排出される。
【0021】
(作用・効果)
本実施の形態では、螺旋状突出部23aは、円筒部23cおよび回転軸部23bにそれぞれ配置されており、円筒部23cの方がピッチが小さくなるように設けられているので、たとえ円筒部23cと内周面11rとの間にゴミが入り込んでいた場合であっても、円筒部23cの外周の螺旋状突出部23aによって効率良くそのゴミを下方に誘導することができる。円板部23dよりも下側に誘導されたゴミは回転軸部23bの外周の螺旋状突出部23aによって底部11bに向けてさらに誘導される。このようにして、底部11bに誘導されて溜まったゴミは、回転軸部23bの回転に伴う螺旋状突出部23aの回転によって圧縮される。したがって、本実施の形態におけるサイクロン分離装置101は、捕集容器11の内周面11rと圧縮部材23の円筒部23cとの間にゴミが残りにくく、円滑にゴミを圧縮することができるサイクロン分離装置とすることができる。
【0022】
なお、螺旋状突出部23aは、図5〜図9に例示したように、円筒部23cおよび回転軸部23bにまたがって連続的に配置されていることが好ましい。この構成を採用することにより、ゴミの誘導をより円滑に行なうことができるからである。螺旋状突出部23aは、このように連続的でなく途中で途切れる箇所を含むような形で設けられていても一応の効果を得ることができるが、上述したように円筒部23cおよび回転軸部23bにまたがって連続的に配置されていることが好ましい。
【0023】
なお、螺旋状突出部23aは、多重螺旋状となっていることが好ましい。この構成を採用することにより、螺旋状突出部23aをより狭いピッチで配列することができ、ゴミの誘導をより円滑に行なうことができるからである。「多重螺旋」とは二重螺旋、三重螺旋を含み、四重以上の螺旋であってもよい。また、内筒部23cの領域と、回転軸部23bとの領域で異なる数の螺旋を設けることとしてもよい。たとえば、図3、図5〜図8に示した例では、螺旋状突出部23aは、内筒部23cにおいては四重螺旋で、回転軸部23bにおいては二重螺旋となっている。このような構成にすることにより、内筒部23cの上下方向の寸法がたとえ小さくても、小さなピッチAを容易に確保することができる。
【0024】
螺旋状突出部23aは一重螺旋状となっていても一応の効果を得ることができるが、上述したように多重螺旋状となっていることが好ましい。
【0025】
なお、捕集容器11の内周面11rは、底蓋16に近づくほど内径が大きくなるテーパ形状の部分を含むことが好ましい。この構成を採用することにより、底蓋16が開放されたときにゴミがひっかかることなく円滑に落下することとなる。また、吸い込まれたゴミが空気の流れに乗って圧縮部材23の周りで回転する際に、少なくともこのテーパ形状部分においては底蓋16に近づくほど径が広くなるので、ゴミに対しては遠心力と同時に下向きの力成分も作用し、ゴミが下方に導かれやすくなる。このようにしてゴミの誘導をより円滑に行なうことができる。なお、捕集容器11の内周面11rにおけるテーパ形状の部分の設け方としては、たとえば、図10、図11に示すような構成が考えられる。図10では、捕集容器11の下端近傍において内周面11rがテーパ形状となっており、捕集容器11の上部においては内周面11rはストレート形状となっている。図11では、捕集容器11の下端近傍では内周面11rはストレート形状となっており、捕集容器11の上部においては内周面11rがテーパ形状となっている。図10、図11では、説明の便宜のため、テーパ形状の勾配を誇張して表示している。実際にはテーパ形状の勾配はわずかなものであってよい。捕集容器11の内周面11rの形状は、図10、図11に示した例に限らず、ストレート形状の部分とテーパ形状の部分とを適宜組み合わせた形状であってもよい。
【0026】
あるいは、捕集容器11の内周面11rは、全体的に、底蓋16に近づくほど内径が大きくなるテーパ形状となっていることが好ましい。図3に示した例では、捕集容器11の内周面11rは下方にいくほど内径が大きくなっており、全体としてテーパ形状となっている。テーパ形状の勾配は図3に示した程度にわずかなものであってよい。この構成を採用することにより、捕集容器11内のどの部位においても底蓋16に近づくほど径が広くなるので、吸い込まれたゴミが空気の流れに乗って圧縮部材23の周りで回転する際に、ゴミに対しては遠心力と同時に下向きの力成分も作用し、ゴミが下方に導かれやすくなる。このようにしてゴミの誘導をより円滑に行なうことができる。
【0027】
(実施の形態2)
(構成)
本発明に基づく実施の形態2における電気掃除機について説明する。本実施の形態における電気掃除機は、図1に示した電気掃除機201である。この電気掃除機は、実施の形態1およびその変形例として説明したいずれかのサイクロン分離装置を備える。
【0028】
(作用・効果)
本実施の形態によれば、捕集容器の内周面と圧縮部材の円筒部との間にゴミが残りにくく、円滑にゴミを圧縮することができる電気掃除機を実現することができる。
【0029】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0030】
1 掃除機本体、2 吸気口部、3 接続管、4 接続ホース、5 操作ハンドル、6 把持部、7 気流接続部、7a 空気流入口、8 ホースコネクタ、8a 開口部、9 車輪、10 上外装部、11 捕集容器、11b (捕集容器の)底部、11c 中心軸、11r 内周面、12 内筒、13 上部フィルタユニット、15 除塵駆動部、16 底蓋、23 圧縮部材、23a 螺旋状突出部、23b 回転軸部、23c 円筒部、23d 円板部、101 サイクロン分離部、201 電気掃除機。
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクロン分離装置およびこれを備える電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気掃除機に用いられるための数多くのサイクロン分離装置ないし集塵装置が提案されている。たとえば特開2010−119623号公報(特許文献1)、特開2010−252998号公報(特許文献2)、実願昭53−152396号(実開昭55−68553)のマイクロフィルム(特許文献3)に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1に記載されたサイクロン分離装置は、略円筒状の内周面を有する捕集容器を備え、捕集容器内に回転可能な圧縮部材を備えている。圧縮部材は「螺旋状回転圧縮部」とも呼ばれ、螺旋状曲面を有する。このサイクロン分離装置では、除塵動作としてモータにより圧縮部材が回転する。1回の除塵動作として数秒間にわたって圧縮部材が回転する。圧縮部材が回転すれば、捕集容器内に溜まったゴミは螺旋状曲面によって下方へと誘導され、捕集容器の底部に圧縮される。
【0004】
特許文献2に記載された電気掃除機のサイクロン集塵室においては、サイクロン分離筒テーパ部の途中に笠部が設けられているが、溜まったゴミを圧縮する構造ではない。特許文献2に示された構成では、集塵室の下端に底蓋が設けられている。溜まったゴミを捨てる際に、底蓋を開放する。底蓋を開放することによって、集塵室内のゴミは、重力に従い自然落下する。この構成では、ゴミを圧縮しないので、予定位置より上にゴミがひっかかって残り、そのまま高い位置でゴミが溜まることもありうる。
【0005】
特許文献3に記載された集塵装置では、円筒状の本体内に大きな空間があり、そのため、溜まっているゴミが少量の場合には、ゴミが本体内で暴れて舞い上がることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−119623号公報
【特許文献2】特開2010−252998号公報
【特許文献3】実願昭53−152396号(実開昭55−68553)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されたサイクロン分離装置においては、圧縮部材の上部は大きな直径を有する円筒状の部分(以下「円筒部」という。)となっている。円筒部と捕集容器の内周面との間には隙間がある。捕集容器内に溜まるゴミの量が多くなると、円筒部と捕集容器の内周面との間にまでゴミが入り込むようになる。
【0008】
このようにゴミが入り込んだ場合、1回の除塵動作でゴミを圧縮しきれない場合が生じてくる。円筒部の外周面に螺旋状曲面が設けられていない場合はもちろん、たとえ円筒部の外周面に螺旋状曲面が設けられているとしても同様である。
【0009】
そこで、本発明は、捕集容器の内周面と圧縮部材の円筒部との間にゴミが残りにくく、円滑にゴミを圧縮することができるサイクロン分離装置および電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に基づくサイクロン分離装置は、略円筒状の内周面を有し、底部が開口し、外壁の途中に上記内周面に至るように貫通した空気流入口を有する捕集容器と、上記底部を塞ぐ開閉自在な底蓋と、上記捕集容器の内部に配置され、上記捕集容器の上記内周面の中心軸を中心として回転可能な圧縮部材と、上記圧縮部材の上側において上記捕集容器の中心部に配置されたフィルタとを備える。このサイクロン分離装置は、上記空気流入口から吸い込まれた空気を上記捕集容器の上記内周面に沿って旋回させた後、上記フィルタを経て排気することにより、上記空気に含まれる第1サイズの捕集対象物を上記捕集容器の底部で捕集すると共に、上記第1サイズより小さい第2サイズの捕集対象物を上記フィルタにおいて捕集するサイクロン分離装置である。上記圧縮部材は、上記底蓋から離隔して配置される円板部と、上記円板部から上記中心軸に沿って上記底蓋に向かって延在する回転軸部と、上記圧縮部材の外周面に巻きつくように設けられた螺旋状突出部と、上記円板部から上記中心軸に沿って上記底蓋とは反対側に向かって延在する円筒部とを備える。上記螺旋状突出部は、上記円筒部および上記回転軸部にそれぞれ配置されている。上記回転軸部における上記螺旋状突出部のピッチに比べて上記円筒部における上記螺旋状突出部のピッチが小さくなっている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、たとえ捕集容器の円筒部と内周面との間にゴミが入り込んでいた場合であっても、円筒部の外周の螺旋状突出部によって効率良くそのゴミを下方に誘導することができる。したがって、捕集容器の内周面と圧縮部材の円筒部との間にゴミが残りにくく、円滑にゴミを圧縮することができるサイクロン分離装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置が内蔵される電気掃除機の模式図であり、実施の形態2における電気掃除機の模式図でもある。
【図2】図1に示した電気掃除機に含まれる掃除機本体の斜視図である。
【図3】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置の断面図である。
【図4】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる内筒の、フィルタが付いている状態の側面図である。
【図5】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第1の方向から見た側面図である。
【図6】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第2の方向から見た側面図である。
【図7】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第1の斜視図である。
【図8】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置に含まれる圧縮部材の第2の斜視図である。
【図9】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置の、底蓋を開放した状態の断面図である。
【図10】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置の、捕集容器の内周面の第1の例を示すための部分断面図である。
【図11】本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置の、捕集容器の内周面の第2の例を示すための部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図9を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるサイクロン分離装置101について説明する。サイクロン分離装置101は、たとえば図1に示す電気掃除機201に用いられるものである。電気掃除機201は、掃除機本体1と、吸気口部2と、接続管3と、接続ホース4と、操作ハンドル5とを備えている。電気掃除機201に含まれる掃除機本体1を拡大したところを図2に示す。サイクロン分離装置101は掃除機本体1に取り付けられている。掃除機本体1は、前側に、開口部8aを有するホースコネクタ8を備えている。掃除機本体1は、移動するための車輪9を下側に備えている。サイクロン分離装置101は上側に把持部6を備えている。ユーザが把持部6をつかんで持ち上げることによって、サイクロン分離装置101は掃除機本体1から取り出される。取り出されたサイクロン分離装置101の断面図を図3に示す。サイクロン分離装置101は、掃除機本体1の外装の一部をなす上外装部10と、捕集容器11と、内筒12と、上部フィルタユニット13と、圧縮部材23と、気流接続部7と、除塵駆動部15と、底蓋16とを備える。図3では、内筒12の外周面に取り付けられているメッシュ状のフィルタを取り外した状態を表示している。本来は、図4に示すように内筒12の外周面にはメッシュ状のフィルタ12fが取り付けられている。
【0014】
本実施の形態におけるサイクロン分離装置101は、略円筒状の内周面11rを有し、底部11bが開口し、外壁の途中に内周面11rに至るように貫通した空気流入口7aを有する捕集容器11と、底部11bを塞ぐ開閉自在な底蓋16と、捕集容器11の内部に配置され、捕集容器11の内周面11rの中心軸11cを中心として回転可能な圧縮部材23と、圧縮部材23の上側において捕集容器11の中心部に配置されたフィルタ12fとを備える。空気流入口7aは、サイクロン分離装置101が掃除機本体1内に設置されたときにホースコネクタ8の開口部8aと連通するものである。サイクロン分離装置101は、空気流入口7aから吸い込まれた空気を捕集容器11の内周面11rに沿って旋回させた後、フィルタ12fを経て排気することにより、前記空気に含まれる第1サイズの捕集対象物を捕集容器11の底部11bで捕集すると共に、前記第1サイズより小さい第2サイズの捕集対象物をフィルタ12fにおいて捕集し、さらに前記第2サイズより小さい第3サイズの捕集対象物を上部フィルタユニット13の内部にある図示しないフィルタで捕集するサイクロン分離装置である。
【0015】
圧縮部材23を単独で取り出したところを図5、図6に示す。図5と図6とはいずれも圧縮部材23の側面図であるが、圧縮部材23をそれぞれ異なる方向から見た側面図である。圧縮部材23を斜め下から見た状態を図7に示す。圧縮部材23を斜め上から見た状態を図8に示す。図3に示すように、圧縮部材23は、底蓋16から離隔して配置される円板部23dと、円板部23dから中心軸11cに沿って底蓋16に向かって延在する回転軸部23bと、圧縮部材23の外周面に巻きつくように設けられた螺旋状突出部23aと、円板部23dから中心軸11cに沿って底蓋16とは反対側に向かって延在する円筒部23cとを備える。螺旋状突出部23aは、円筒部23cおよび回転軸部23bにそれぞれ配置されている。図5、図6に示すように、回転軸部23bにおける螺旋状突出部23aのピッチBに比べて円筒部23cにおける螺旋状突出部23aのピッチAが小さくなっている。
【0016】
内筒12に設置されたフィルタ12fを外側から内側に向けて通過した空気は、図3に示す上部フィルタユニット13を経由して排気される。
【0017】
螺旋状突出部23aは、回転軸部23bの下端まで設けられているのではなく、下端から上方に向かってある程度離隔したところで終わっている。すなわち、回転軸部23bの下端からある程度の区間は、螺旋状突出部23aがない状態となっている。
【0018】
捕集容器11は透明であることが好ましい。透明であれば内部に溜まっているゴミの量を目視で確認することができるからである。回転軸部23bの内部は空洞となっており、下端は開口していることが好ましい。回転軸部23bの下端が開口していれば、上部フィルタユニット13などによって捕集したゴミを、後述するように、底蓋16開放時に排出することができるからである。
【0019】
ゴミの大きさに関して「第1サイズ」、「第2サイズ」、「第3サイズ」という場合、ゴミの径が特定の数値であることのみを指すのではなく、ゴミの径がそれぞれ一定の数値範囲に入っていることをも意味するものとする。
【0020】
ゴミを排出するために底蓋16を開放した状態のサイクロン分離装置101の断面図を図9に示す。底蓋16を開放したときには、捕集容器11の底部11bにおいて回転軸部23bの周りに溜まっていたゴミだけでなく、回転軸部23bの内部に溜まっていたゴミも自然落下により排出される。
【0021】
(作用・効果)
本実施の形態では、螺旋状突出部23aは、円筒部23cおよび回転軸部23bにそれぞれ配置されており、円筒部23cの方がピッチが小さくなるように設けられているので、たとえ円筒部23cと内周面11rとの間にゴミが入り込んでいた場合であっても、円筒部23cの外周の螺旋状突出部23aによって効率良くそのゴミを下方に誘導することができる。円板部23dよりも下側に誘導されたゴミは回転軸部23bの外周の螺旋状突出部23aによって底部11bに向けてさらに誘導される。このようにして、底部11bに誘導されて溜まったゴミは、回転軸部23bの回転に伴う螺旋状突出部23aの回転によって圧縮される。したがって、本実施の形態におけるサイクロン分離装置101は、捕集容器11の内周面11rと圧縮部材23の円筒部23cとの間にゴミが残りにくく、円滑にゴミを圧縮することができるサイクロン分離装置とすることができる。
【0022】
なお、螺旋状突出部23aは、図5〜図9に例示したように、円筒部23cおよび回転軸部23bにまたがって連続的に配置されていることが好ましい。この構成を採用することにより、ゴミの誘導をより円滑に行なうことができるからである。螺旋状突出部23aは、このように連続的でなく途中で途切れる箇所を含むような形で設けられていても一応の効果を得ることができるが、上述したように円筒部23cおよび回転軸部23bにまたがって連続的に配置されていることが好ましい。
【0023】
なお、螺旋状突出部23aは、多重螺旋状となっていることが好ましい。この構成を採用することにより、螺旋状突出部23aをより狭いピッチで配列することができ、ゴミの誘導をより円滑に行なうことができるからである。「多重螺旋」とは二重螺旋、三重螺旋を含み、四重以上の螺旋であってもよい。また、内筒部23cの領域と、回転軸部23bとの領域で異なる数の螺旋を設けることとしてもよい。たとえば、図3、図5〜図8に示した例では、螺旋状突出部23aは、内筒部23cにおいては四重螺旋で、回転軸部23bにおいては二重螺旋となっている。このような構成にすることにより、内筒部23cの上下方向の寸法がたとえ小さくても、小さなピッチAを容易に確保することができる。
【0024】
螺旋状突出部23aは一重螺旋状となっていても一応の効果を得ることができるが、上述したように多重螺旋状となっていることが好ましい。
【0025】
なお、捕集容器11の内周面11rは、底蓋16に近づくほど内径が大きくなるテーパ形状の部分を含むことが好ましい。この構成を採用することにより、底蓋16が開放されたときにゴミがひっかかることなく円滑に落下することとなる。また、吸い込まれたゴミが空気の流れに乗って圧縮部材23の周りで回転する際に、少なくともこのテーパ形状部分においては底蓋16に近づくほど径が広くなるので、ゴミに対しては遠心力と同時に下向きの力成分も作用し、ゴミが下方に導かれやすくなる。このようにしてゴミの誘導をより円滑に行なうことができる。なお、捕集容器11の内周面11rにおけるテーパ形状の部分の設け方としては、たとえば、図10、図11に示すような構成が考えられる。図10では、捕集容器11の下端近傍において内周面11rがテーパ形状となっており、捕集容器11の上部においては内周面11rはストレート形状となっている。図11では、捕集容器11の下端近傍では内周面11rはストレート形状となっており、捕集容器11の上部においては内周面11rがテーパ形状となっている。図10、図11では、説明の便宜のため、テーパ形状の勾配を誇張して表示している。実際にはテーパ形状の勾配はわずかなものであってよい。捕集容器11の内周面11rの形状は、図10、図11に示した例に限らず、ストレート形状の部分とテーパ形状の部分とを適宜組み合わせた形状であってもよい。
【0026】
あるいは、捕集容器11の内周面11rは、全体的に、底蓋16に近づくほど内径が大きくなるテーパ形状となっていることが好ましい。図3に示した例では、捕集容器11の内周面11rは下方にいくほど内径が大きくなっており、全体としてテーパ形状となっている。テーパ形状の勾配は図3に示した程度にわずかなものであってよい。この構成を採用することにより、捕集容器11内のどの部位においても底蓋16に近づくほど径が広くなるので、吸い込まれたゴミが空気の流れに乗って圧縮部材23の周りで回転する際に、ゴミに対しては遠心力と同時に下向きの力成分も作用し、ゴミが下方に導かれやすくなる。このようにしてゴミの誘導をより円滑に行なうことができる。
【0027】
(実施の形態2)
(構成)
本発明に基づく実施の形態2における電気掃除機について説明する。本実施の形態における電気掃除機は、図1に示した電気掃除機201である。この電気掃除機は、実施の形態1およびその変形例として説明したいずれかのサイクロン分離装置を備える。
【0028】
(作用・効果)
本実施の形態によれば、捕集容器の内周面と圧縮部材の円筒部との間にゴミが残りにくく、円滑にゴミを圧縮することができる電気掃除機を実現することができる。
【0029】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0030】
1 掃除機本体、2 吸気口部、3 接続管、4 接続ホース、5 操作ハンドル、6 把持部、7 気流接続部、7a 空気流入口、8 ホースコネクタ、8a 開口部、9 車輪、10 上外装部、11 捕集容器、11b (捕集容器の)底部、11c 中心軸、11r 内周面、12 内筒、13 上部フィルタユニット、15 除塵駆動部、16 底蓋、23 圧縮部材、23a 螺旋状突出部、23b 回転軸部、23c 円筒部、23d 円板部、101 サイクロン分離部、201 電気掃除機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円筒状の内周面を有し、底部が開口し、外壁の途中に前記内周面に至るように貫通した空気流入口を有する捕集容器と、
前記底部を塞ぐ開閉自在な底蓋と、
前記捕集容器の内部に配置され、前記捕集容器の前記内周面の中心軸を中心として回転可能な圧縮部材と、
前記圧縮部材の上側において前記捕集容器の中心部に配置されたフィルタとを備え、
前記空気流入口から吸い込まれた空気を前記捕集容器の前記内周面に沿って旋回させた後、前記フィルタを経て排気することにより、前記空気に含まれる第1サイズの捕集対象物を前記捕集容器の底部で捕集すると共に、前記第1サイズより小さい第2サイズの捕集対象物を前記フィルタにおいて捕集するサイクロン分離装置であって、
前記圧縮部材は、前記底蓋から離隔して配置される円板部と、
前記円板部から前記中心軸に沿って前記底蓋に向かって延在する回転軸部と、
前記圧縮部材の外周面に巻きつくように設けられた螺旋状突出部と、
前記円板部から前記中心軸に沿って前記底蓋とは反対側に向かって延在する円筒部とを備え、
前記螺旋状突出部は、前記円筒部および前記回転軸部にそれぞれ配置されており、前記回転軸部における前記螺旋状突出部のピッチに比べて前記円筒部における前記螺旋状突出部のピッチが小さくなっている、サイクロン分離装置。
【請求項2】
前記螺旋状突出部は、前記円筒部および前記回転軸部にまたがって連続的に配置されている、請求項1に記載のサイクロン分離装置。
【請求項3】
前記螺旋状突出部は、多重螺旋状となっている、請求項1または2に記載のサイクロン分離装置。
【請求項4】
前記捕集容器の前記内周面は、前記底蓋に近づくほど内径が大きくなるテーパ形状の部分を含む、請求項1から3のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
【請求項5】
前記捕集容器の前記内周面は、全体的に、前記底蓋に近づくほど内径が大きくなるテーパ形状となっている、請求項1から3のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のサイクロン分離装置を備える、電気掃除機。
【請求項1】
略円筒状の内周面を有し、底部が開口し、外壁の途中に前記内周面に至るように貫通した空気流入口を有する捕集容器と、
前記底部を塞ぐ開閉自在な底蓋と、
前記捕集容器の内部に配置され、前記捕集容器の前記内周面の中心軸を中心として回転可能な圧縮部材と、
前記圧縮部材の上側において前記捕集容器の中心部に配置されたフィルタとを備え、
前記空気流入口から吸い込まれた空気を前記捕集容器の前記内周面に沿って旋回させた後、前記フィルタを経て排気することにより、前記空気に含まれる第1サイズの捕集対象物を前記捕集容器の底部で捕集すると共に、前記第1サイズより小さい第2サイズの捕集対象物を前記フィルタにおいて捕集するサイクロン分離装置であって、
前記圧縮部材は、前記底蓋から離隔して配置される円板部と、
前記円板部から前記中心軸に沿って前記底蓋に向かって延在する回転軸部と、
前記圧縮部材の外周面に巻きつくように設けられた螺旋状突出部と、
前記円板部から前記中心軸に沿って前記底蓋とは反対側に向かって延在する円筒部とを備え、
前記螺旋状突出部は、前記円筒部および前記回転軸部にそれぞれ配置されており、前記回転軸部における前記螺旋状突出部のピッチに比べて前記円筒部における前記螺旋状突出部のピッチが小さくなっている、サイクロン分離装置。
【請求項2】
前記螺旋状突出部は、前記円筒部および前記回転軸部にまたがって連続的に配置されている、請求項1に記載のサイクロン分離装置。
【請求項3】
前記螺旋状突出部は、多重螺旋状となっている、請求項1または2に記載のサイクロン分離装置。
【請求項4】
前記捕集容器の前記内周面は、前記底蓋に近づくほど内径が大きくなるテーパ形状の部分を含む、請求項1から3のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
【請求項5】
前記捕集容器の前記内周面は、全体的に、前記底蓋に近づくほど内径が大きくなるテーパ形状となっている、請求項1から3のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のサイクロン分離装置を備える、電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−22252(P2013−22252A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160079(P2011−160079)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【特許番号】特許第5101720号(P5101720)
【特許公報発行日】平成24年12月19日(2012.12.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【特許番号】特許第5101720号(P5101720)
【特許公報発行日】平成24年12月19日(2012.12.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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