説明

サイト誘引システム

【課題】安心して使用することができるサービス提供サイトの運営を可能にするとともに、当該サイトにユーザーを誘引することができるサイト誘引システムを提供する。
【解決手段】ユーザーが購入したサイト誘引ツールに記載されたアクセス情報を、ユーザーが通信機器に入力すると、アクセス情報とユーザー情報がサービス提供サイトに送信され、そして、サービス提供サイトから確認サーバにユーザー情報が送信され、確認サーバがユーザー情報を適正であると判断すると、確認サーバがサービス提供サイトの提供するサービスを使用するための使用許可情報をユーザーの通信機器に送信するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話等の通信機器で各種のサービスの提供を受けられるサイトにユーザーを誘引するためのサイト誘引システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等の通信機器を利用して、音楽、映像、小説、占い等のコンテンツに関するデータのダウンロードや、ショッピング、掲示板やゲーム等のサービスの提供を受けることができる(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
これらのサービスは、いわゆる公式サイトと呼ばれる携帯電話会社(キャリア)が認めるサイトで提供される場合は、そのサービスに関する使用料金を、月々の携帯電話の利用料金とともにユーザーの口座から自動的に引き落としすることができる。
【0004】
しかし、公式サイトの使用に関しては、知らない間に携帯電話会社から月々課金されていたり、サイトの使用履歴等の個人情報が漏れたりするのではないかという懸念をユーザーが抱くことがあり、安心して使用することができないため、使用者数が伸び悩んでいる。
【0005】
一方、携帯電話会社が関与しないいわゆる勝手サイトと呼ばれる一般のサイトは、サービスに関する使用料金の引き落としができないため、運営が難しく、有料のサービス提供サイトが成り立ちにくい状況であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ、“NTTドコモ公式サイト iモードプレス”、[平成21年1月20日検索]、インターネット<URL: http://imode-press.jp/imode/top/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明は、安心して使用することができるサービス提供サイトの運営を可能にするとともに、当該サイトにユーザーを誘引することができるサイト誘引システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、この発明は次のような技術的手段を講じている。
【0009】
この発明のサイト誘引システムは、ユーザーが購入したサイト誘引ツールに記載されたアクセス情報を、ユーザーが通信機器に入力すると、アクセス情報とユーザー情報がサービス提供サイトに送信され、そして、サービス提供サイトから確認サーバにユーザー情報が送信され、確認サーバがユーザー情報を適正であると判断すると、確認サーバがサービス提供サイトの提供するサービスを使用するための使用許可情報をユーザーの通信機器に送信するようにしている。
【0010】
サイト誘引ツールは、カード状のものとすることができる。また、アクセス情報は、使用期間に関する情報が含まれているものとすることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明のサイト誘引システムは、上述のような構成を有しており、サイト誘引ツールの利用により、安心して使用することができるサービス提供サイトの運営を可能にするとともに、当該サイトにユーザーを誘引することができるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、この発明の実施形態のサイト誘引システムの構成の説明図である。
【図2】図2は、この発明の実施形態のサイト誘引システムの概念図である。
【図3】図3は、この発明の実施形態のサイト誘引システムの使用の流れを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。
【0014】
このサイト誘引システムは、ユーザーが購入したサイト誘引ツールに記載されたアクセス情報を、ユーザーが通信機器に入力すると、アクセス情報とユーザー情報がサービス提供サイトに送信され、そして、サービス提供サイトから確認サーバにユーザー情報が送信され、確認サーバがユーザー情報を適正であると判断すると、確認サーバがサービス提供サイトの提供するサービスを使用するための使用許可情報をユーザーの通信機器に送信するようにしたものである。
【0015】
図1に示したように、このシステムは、サービス提供サイトを構成するサーバ1〜Nと、サービス提供サイトにより提供されるサービスのコンテンツデータや、ユーザーの情報を登録したデータベースから構成されており、ユーザーは、その所有する通信機器で、インターネットを介してサービス提供サイトにアクセスするようになっている。前記通信機器は、カメラを備え、WEBサイトとのデータの送受信及びプログラムの実行が可能な携帯電話等とすることができる。
【0016】
サーバ1〜Nは、サービス提供サイト及び確認サーバを構成するコンピュータであり、演算処理手段、制御手段、記憶手段、入出力手段等を備える。データベースは、サーバ1〜Nに接続された別のコンピュータによって構成することができるが、サーバ1〜Nによって構成されたものでもよい。
【0017】
サーバ1〜Nの台数は、サイト誘引ツールの発行数に応じて必要な台数とすることができる。具体的には、〔想定販売数×想定使用率/販売期間(日)〕で1日あたりの使用者数を予測し、使用が集中する時間帯を加味して必要な台数を見積もるとよい。
【0018】
サーバ1〜NはLANやインターネットを介して相互に通信可能に接続されているとともに、負荷分散装置が接続されており、特定のサーバにアクセスが集中して応答が悪くなることを防止している。
【0019】
このシステムで利用するサイト誘引ツールの形態や材質は、一般にプリペイドカードとして販売されている薄いプラスチック製のカードと同様なものとすることができるが、特にこれに限定されるものではなく、紙製のカードや、商品に付されるラベル、あるいは商品のパッケージ自体とすることもできる。サイト誘引ツールは一般消費者に有料で販売され、これを購入した者がこのシステムにおけるユーザーとなる。
【0020】
このシステムは、イメージとしては図2のように機能する。すなわち、サイト誘引ツールとしてユーザーに販売される3種類のカードA〜Cの利用に関し、処理部がカードの種類に応じたサービス提供サイトへユーザーを振り分ける。
【0021】
サービス提供サイトは、WEBページとデジタルコンテンツのセットからなるものであり、この例では、それぞれカードA〜Cの種類に対応した3つのセットが用意されている。いわば、WEBページは棚であり、コンテンツはこの棚に陳列される商品のイメージとして捉えることができる。新たな種類のカードを発行する場合は、それに対応するセットを追加する。
【0022】
サービス提供サイトの前記各セットのコンテンツは、携帯電話等で利用可能な待ち受け画面、装飾メールアイテム、着信したときに再生される音楽、その他各種の映像、小説、占い等である。各セットに対応するサイト誘引ツール(カードA〜C)には、各セットのコンテンツのイメージに対応したキャラクターや図柄を印刷するとよい。
【0023】
各サービス提供サイトの運営は、それぞれ個別の業者が担当することができる。各サービス提供サイトの運営者は、サイト誘引ツールを有料で発行し、サイトの運営資金とすることができる。
【0024】
サイト誘引ツール(カードA〜C)には、ユーザーが利用するサービス提供サイトの場所(URL)を指定する1つのサイト指定情報と、サービス提供サイトを利用するための1つのアクセス情報が記録されている。
【0025】
サイト指定情報は、サイト誘引ツールに印刷されたQRコード、PDF417、Maxi Code等のモノクロの2次元コードや、2次元コードに色を付したコードに記録することができる。また、サービス提供サイトのURLの文字を印刷したものであってもよい。
【0026】
アクセス情報は、サイト誘引ツールに記載された適宜の桁数の番号や英文字からなるもので、使用期間やサービスの種別(コンテンツの種類)に関する情報が含まれている。使用期間は、1ヶ月、6ヶ月、12ヶ月等とすることができる。
【0027】
なお、1つのアクセス情報については、1台の通信機器でしか利用できないよう、発行済みのカードの使用状況と利用機種情報を関連付けてデータベースで管理する。アクセス情報は、このシステムの運営者以外に内容が分からないように暗号化されていることが望ましい。また、アクセス情報の一部又は全部を構成するデータは、後述の確認サーバにおける確認処理に利用することができる。
【0028】
次に、このシステムの使用の流れを図3に従って説明する。
【0029】
〔1〕接続
まず、ユーザーが通信機器に内蔵された又は接続された読取装置に、サイト誘引ツールに記載されたサイト指定情報を読み取らせる。読取装置は、例えば携帯電話に内蔵されたカメラを利用したものであって、画像認識技術等によりサイト指定情報を読み取るようにしたものとすることができる。通信機器は、読み取られたサイト指定情報に従って、インターネットを介してサービス提供サイトに接続する。
【0030】
〔2〕アクセス情報入力
次に、ユーザーは、通信機器を利用してアクセス情報を入力する。サービス提供サイトは、前記アクセス情報、ユーザーの名前や生年月日等の情報、及びユーザーの使用する通信機器に固有の情報を取得し、これらの情報に基づくユーザー情報をデータとして記憶、管理する。
【0031】
ユーザー情報は、前記各情報を一部抽出したものや、加工したものとすることができる。例えば、ユーザーの通信機器の製造番号と、前記アクセス情報の一部又は全部を構成するデータとを組み合わせたものをユーザー情報とすることができる。前記通信機器に固有の情報は、携帯電話であれば、内蔵されているSIMカードに記録されたPINコードとすることができる。
【0032】
前記各情報の取得は、サービス提供サイトのサーバが通信機器から読み出す、あるいはユーザーが通信機器に入力したものを受信することにより行うことができる。
【0033】
〔3〕ユーザー情報の送信
前記ユーザー情報は、サービス提供サイトと確認サーバ間等の通信系路を流れるデータとして構成される。サービス提供サイトは、ユーザー情報を確認サーバに送信する。
【0034】
〔4〕情報の確認
そして、確認サーバは、ユーザー情報が適正か否か判断する。この判断は、確認サーバがデータベースを参照することにより行うことができる。この処理においては、例えば、前記ユーザーの通信機器の製造番号と、前記アクセス情報の一部又は全部を構成するデータを確認することにより、本人確認と、利用できるサービス提供サイトの確認を行うことができる。
【0035】
〔5〕使用許可
確認サーバがユーザー情報を適正であると判断すると、確認サーバがサービス提供サイトの提供するサービスを使用するための使用許可情報をユーザーの通信機器に送信する。これにより、ユーザーは、特定のサービス提供サイトに関する使用が許可された状態となる。
【0036】
この使用許可情報は、アクセス情報を有効化するデータとすることができる。例えば、アクセス情報にはそれ自身が有効か無効かを示すデータを含むものとし、初期状態では当該データが無効に設定されているところ、ユーザーの通信機器が使用許可情報を受信すると、当該データを有効に書き換えるようにするとよい。
【0037】
〔6〕使用開始
使用許可情報を取得したユーザーは、アクセス情報の利用により、通信機器を介してサービス提供サイトのサービスの使用を開始し、各種のサービスの提供を受けることができる。
【0038】
〔7〕使用終了
前記アクセス情報に使用期間が設定されている場合は、使用期間が到来したとき、サービス提供サイトが使用期間満了の旨をユーザーの通信機器にメッセージを送信することにより告知し、サービスの提供を終了する。
【0039】
〔8〕公式サイトへの移行勧誘
なお、サービス提供サイトの運営者が、携帯電話会社が関与する公式サイトを設けている場合は、ユーザーに対し、公式サイトにおいてサービスを継続するか否かの意向を確認するメッセージを通信機器に送信する。
【0040】
このシステムは、以上のようにして、ユーザーが煩雑な入力作業を行うことなく、簡単、手軽に利用することができる。また、サイト誘引ツールは、カード等の形態であるため、他の人にプレゼントするなどの利用の仕方も可能である。
【0041】
各サービス提供サイトの運営者は、サイト誘引ツールを販売して収入を得ることにより、サービス提供サイトの運営を継続することができるため、勝手サイトと呼ばれる携帯電話会社が関与していないサイトであっても、様々なサービスを提供することが可能となり、通信を利用したビジネスの発展が期待できる。
【0042】
特に、サービスに対する支払い方法は、サイト誘引ツールによる前払い方式となるため、既存のクレジットカード等による決算に比べサービス提供サイトの運営者が手軽に導入しやすく、確実に回収することができ、しかも、使用期間等の制限の設定が容易である。ユーザーにとっても、知らない間に携帯電話会社から月々課金されていたり、サイトの使用履歴等の個人情報が漏れたりするおそれがなく、安心して使用することができる。
【0043】
以上がこの発明の好適な実施形態であるが、この発明は上述の実施形態の構成に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが購入したサイト誘引ツールに記載されたアクセス情報を、ユーザーが通信機器に入力すると、アクセス情報とユーザー情報がサービス提供サイトに送信され、そして、サービス提供サイトから確認サーバにユーザー情報が送信され、確認サーバがユーザー情報を適正であると判断すると、確認サーバがサービス提供サイトの提供するサービスを使用するための使用許可情報をユーザーの通信機器に送信するようにしたことを特徴とするサイト誘引システム。
【請求項2】
サイト誘引ツールが、カード状である請求項1記載のサイト誘引システム。
【請求項3】
アクセス情報に、使用期間に関する情報が含まれている請求項1又は2記載のサイト誘引システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−176501(P2010−176501A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19856(P2009−19856)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(508172731)
【出願人】(508172786)
【Fターム(参考)】