説明

サセプタ容器内の材料を誘電加熱及び溶融するための電力システム

サセプタ容器内で材料を加熱及び溶融させる装置及び方法が提供される。別個の電源からの位相同期した交流電圧が、容器周囲の別個の帯域における少なくとも2つの各誘導コイルに提供される。各電源から誘導コイルへの給電量が、電源の出力電圧をパルス幅制御することにより制御される。各電源からの出力周波数が、固定され、または材料の導電性状態に基づく可変ベース化される。サセプタ容器内の材料の溶融後、電源の電圧出力間に位相シフトを確立することにより、随意的な電磁的攪拌が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサセプタ容器内の材料を誘電加熱及び溶融するための電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
固形状では非導電性を、溶融状では導電性を示すシリコンの如き材料は、固形状の当該材料をサセプタ容器内に配置してサセプタ容器を誘導加熱することで加熱し得る。固形状材料が、加熱されるサセプタ容器により加熱されて導電性を持ち始めた後、誘導電力を利用して溶融材料を誘導加熱して溶融させる。
【0003】
ある構成では、サセプタ容器外側の異なる帯域またはセクションを2つ以上の各誘導コイルで包囲し、各誘導コイルを別個の交流電源に接続する。各電源からの交流電力が誘導コイルを通過すると磁場が生じ、当該磁場がサセプタ容器またはサセプタ容器内の材料に誘導結合する。発生した磁場は2つ以上の各誘導コイル同士間の相互インダクタンスをも創成する。当該構成のあるものは、特にサセプタ容器内で材料が溶融して相互インダクタンス値が変化する際に、別個の電力の各出力が2つ以上の各誘導コイル間の相互インダクタンスに影響される恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サセプタ容器内で材料を誘導加熱及び溶融させる電力システムであって、構成上2つ以上の各誘導コイルを設けた場合に、当該2つ以上の各誘導コイルを相互誘導結合させる電力システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1様相によれば、内部に材料を配置したサセプタ容器を包囲する2つ以上の各誘導コイルに別個の電源から電力を提供し、サセプタ容器内の材料を誘導加熱する装置及び方法が提供される。
本発明の他の様相によれば、サセプタ容器を包囲する2つ以上の各誘導コイルに電源から電力を提供し、実質的に非導電性の固形状態から導電性の溶融状態に移行する移行性材料を誘導加熱する装置及び方法が提供される。各誘導コイルは別個の交流(AC)電源から給電される。電源から2つ以上の各誘導コイルに供給される電圧出力は位相同期される。各電源からの出力は、2つ以上の各誘導コイルが包囲するサセプタ容器帯域への給熱の必要に応じて個別に調節される。随意的には、容器内の全移行性材料が溶融した後、電源の出力電圧を位相シフト調節してサセプタ容器内の溶融材料を一方向攪拌させ得る。本発明のある実施例では、全電力の出力周波数がサセプタ容器誘導加熱用の周波数から溶融材料加熱用の周波数に移行される。
【発明の効果】
【0006】
サセプタ容器内で材料を誘導加熱及び溶融させる電力システムであって、構成上2つ以上の誘導コイルを設けた場合に当該2つ以上の各誘導コイルを相互誘導結合させる電力システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の、サセプタ容器内の材料を誘導加熱及び溶融する電力システムの1実施例の簡略ダイヤグラム図である。
【図2】図2は、図1に示す本発明の電力システムで使用する電力の1実施例の簡略ダイヤグラム図である。
【図3】図3(a)及び3(b)は、図1に示す各電源からの電力出力レベルを個別制御するパルス幅制御の1形式を例示するグラフである。
【図4a】図4(a)は、図1に示す電源からの出力電圧の位相シフトによる電磁的な一方向攪拌の1パターンの例示図である。
【図4b】図4(b)は、図1に示す両電源からの電力の位相同期及び等価による電磁的な4ループ攪拌の例示図である。
【図5a】図5(a)は、図1に示す電力の出力電圧を図3(a)に示す位相方向に関して−90度位相シフトした電磁的攪拌の1例である。
【図5b】図5(b)は、図1に示す電力の出力電圧を図3(b)に示す位相方向に関して+90度位相シフトした電磁的攪拌の1例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1には本発明の非限定的な1実施例が示され、サセプタ容器12(点線で示す)の外側が、該サセプタ容器の高さ方向に沿った異なる帯域またはセクションに配置した少なくとも2つの誘導コイルで包囲されている。本実施例では、誘導コイルは少なくとも下方誘導コイル14a及び上方誘導コイル14bに指定されている。出力Voutの別個の電源16a及び16bが図1に示す如く少なくとも2つの誘導コイルの各一方に接続される。各電源に好適な非限定例は図2の電源16である。電源16は商用電力を直流(DC)電源に変換するAC−DC変換セクション30と、直流電流及びまたは直流電圧をフィルタリングするフィルタセクション32と、直流電力から交流電力を合成するインバータセクション34と、を含む。当該非限定例ではAC−DC変換セクションは、全波整流器31と、限流リアクトルLCLR及び電圧平滑化キャパシタCFILを含むフィルタセクションと、半導体スイッチS1、S2、S3、S4をHブリッジ形態に配置し、アンチパラレルダイオードD1、D2、D3、D4でAC出力電圧V出力を生成するインバータセクションと、を含む。各スイッチは、例えば図2に示す如き絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を含む任意形式の回路切り替え装置であり得る。商用電力は代表的には50または60ヘルツであり、本実施例では図2にA、B、Cで示す三相電源として例示される。図2には示さないが、インバータセクションの出力と、接続した誘導コイルとの間に同調またはインピーダンス整合用のキャパシタを設け得る。やはり図示しないが、インバータセクションの出力と、接続した誘導コイルとの間に負荷整合目的の変圧器を設け得る。
【0009】
本発明のある実施例では、電力の、一般に固定の運転出力周波数は、サセプタ容器の形成する内容積部分に標準貫入深さで少なくとも1回貫入(誘導過電流)する、比較的低い、例えば25〜75ヘルツの範囲内のものであることが好ましい。誘導過電流の貫入深さは、誘導過電流(印加磁場)の周波数と、磁場がカップリングする材料における電気導電度及び透磁性とに依存する。詳しくは、誘電過電流の貫入深さ(δ)は以下の式で与えられる。
【0010】
δ=503(ρ/μF)1/2
ここで、ρはΩmでの材料の電気抵抗、μは材料の比透磁率、Fは、2つ以上の各誘導コイル14a及び14bを別個の電源16a及び16bにより出力周波数Fで駆動した場合の印加磁場による誘導過電流の周波数、とする。
【0011】
仮に、サセプタ容器内の材料が、これに限定しないがシリコン(以下、移行性材料と称する)の如く、固形状態では非導電性、溶融状態では導電性である場合、初期状態では磁場がサセプタ容器内に貫入してもサセプタ容器のみが誘導加熱され、材料は固形状である。サセプタ容器の熱が材料に伝導してサセプタ容器内の移行性材料の溶融が進み、溶融及び半溶融状の移行性材料が更に溶融するとサセプタ容器内の溶融材料に磁束が誘導結合する。
【0012】
本発明では、各電源の出力電圧V出力はフェーズロックループ回路の如き好適な位相同期回路18により位相同期され、かくして移行性材料が固形状から溶融状に変化する際の負荷インピーダンス(各誘導コイル間の相互インダクタンスMを含む)とは無関係のものとなる。一方の電源を主位相コントローラとして機能させ得、他方の電源を当該主位相コントローラのスレーブとし得る。
【0013】
各誘導コイルへの給電量は、例えば図3(a)及び図3(b)に例示した如き電圧出力パルス幅制御により制御し得る。電源16aから下方誘導コイル14aへの出力電圧のパルス幅は、図3(a)に例示した如く負荷サイクルの約90%であり、電源16bから上方誘導コイル14bへの出力電圧のパルス幅は、図3(b)に示す如く負荷サイクルの約45%であり、2つの電力は同じ運転周波数fopにフェーズロックした。即ち、両電源から下方及び上方の各誘導コイルへの合計給電量の初期の比率は2:1である。非限定的な電源運転法では、先ず、サセプタ容器内の移行性材料の殆どが固形状である場合に下方誘導コイルに大電力を供給してサセプタ容器の下方部分を誘導加熱し、十分量の移行性材料を溶融させて導電性を持たせる。この移行期間中、上方誘導コイルへの給電量を増大させ、両電源からの出力電力レベルが等価(両誘導コイルへの合計電力比率が等価される)されるまで、下方誘導コイルへの給電量を低減させ得る。
【0014】
上下の各誘導コイルへの給電量が不等であると溶融状の移行性材料は幾分不規則なパターンで攪拌されるが、追加の制御回路を設け、別個の各電源からの出力を+90°〜−90°の範囲内の少なくともどこかに位相シフトさせることにより、図4(b)に例示した如き、上方及び下方の各誘導コイルへの印加電圧間を位相シフトしない場合の4ループ電磁攪拌ではなくむしろ、図4(a)に例示した如き電磁的一方向攪拌を実現させ得る。図4(a)に矢印で示す攪拌パターンは、下方誘電コイル14aへの印加電圧を位相先行させ、下方誘導コイル14bへの印加電圧を位相遅延させた場合に生じる。図4(a)に示す構成サセプタ容器内の溶融材料の中央領域に固形状の移行性材料90を落とし込んで追加(軸CLに沿って)し、当該追加の移行性材料を急加熱及び溶融させる場合に有益である。図5(a)及び図5(b)は、図3(a)及び図3(b)におけるそれに関して位相を±90°シフトさせた状態で示す代表的な電圧ダイヤグラム図である。
【0015】
本発明の他の実施例では、別個の各電源の運転出力周波数が可変とされ得る。例えば、サセプタ容器12内の材料が移行性材料であり、初期においてサセプタ容器に非導電性の固形状の移行性材料を少なくとも部分的に充填する場合、別個の各電源の初期出力周波数は、サセプタ容器材料中に標準貫入深さで少なくとも1回貫入するサセプタ容器誘導加熱周波数に設定され得、別個の各電源の出力電圧を、本発明の他の実施例について先に説明した如く位相同期させ得る。サセプタ容器誘導加熱周波数は代表的には1kHz前後である。加熱されたサセプタ容器材料からの伝熱により移行性材料が溶融し始めた後、別個の各電源の出力周波数を、サセプタ容器内の溶融状の移行性材料中に標準貫入深さで少なくとも1回貫入する溶融移行性材料誘導加熱周波数に低減させ得る。各誘導コイルへの給電量は、本発明の他の実施例について先に説明した如き電圧出力パルス幅制御により制御し得る。溶融移行性材料誘導加熱周波数は代表的には100ヘルツ前後である。プロセスの当該時点では、移行性材料の加熱の大半は過電流誘導による直接加熱である。サセプタ容器内の全移行性材料が溶融後、別個の各電源の出力周波数を保持用周波数に低下させ得、各誘導コイルへの給電量が、本発明の他の実施例について先に説明した如き電圧出力パルス幅制御により、保持用誘導加熱電力レベルに低減され得、また、位相シフト角が、電磁攪拌が所望程度となる角度とされ得る。保持状態では、溶融状の移行性材料をサセプタ容器から取り出すまで、サセプタ容器の実質的に全ての当該溶融状の移行性材料が選択温度下に保持され、別個の各電源における、出力周波数、出力電圧間の位相シフト角、出力電圧パルス幅制御、が必要に応じて調節され得る。例えば、サセプタ容器内の溶融材料の実温度を検知する非接触式の温度検出装置からの入力信号に応答して、周波数、位相シフト、出力電圧パルス幅制御、のためのコンピュータプログラムを例えばプロセッサにより実行し、溶融状の移行性材料の保持温度を維持させ得る。
【0016】
溶融状の移行性材料をサセプタ容器から取り出す代替法では、例えば、移行性材料がシリコンである場合、少なくとも2つの誘導コイルへの給電量を、最下部の誘導コイルから最上部の誘導コイルに掛けてシーケンス的に減少させ、他方、少なくとも2つの別個の各電源の出力電圧間の位相シフト角をシーケンス的にゼロ(位相同期)に減少させ、かくして、シリコンをサセプタ容器内で一方向凝固させる。
ここで、“サセプタ容器”とは、容器またはるつぼの側部または底部の周囲に配分した1つ以上の個別のサセプタエレメントを含む溶融容器または溶融るつぼを含み、本発明のある実施例では容器全体をサセプタ材料から構成させる必要はない。
【0017】
本発明の上述した各実施例では2つの誘導コイルを使用するが、夫々を別個の電源に接続した2つ以上の各誘導コイルを本発明の他の実施例において使用可能である。そうした構成では、少なくとも2つの隣り合う誘導コイルへの印加電圧が、先に説明した如く位相同期される。
本発明の上述した各実施例についての別法では、必要に応じて、入手可能なAC電力を例えば50または60ヘルツの商用電力に変換し、各誘導コイルへの別個の位相同期した電力線に給電させ得る。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0018】
12 サセプタ容器
14a 下方誘導コイル
14b 上方誘導コイル
16a、16b 電源
18 位相同期回路
30 AC−DC変換セクション
31 全波整流器
32 フィルタセクション
34 インバータセクション
90 移行性材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的にサセプタを含む容器内の材料を、該容器の異なるセクションを包囲する少なくとも2つの誘導コイルに交流を供給して加熱及び溶融する方法であって、
容器内に材料の充填物を配置すること、
その全てにおける出力電圧が位相同期下に運転される別個の各電源から、少なくとも2つの各誘導コイルに交流を供給すること、
位相同期下に運転される別個の各電源の出力電圧を個別にパルス幅制御することにより、少なくとも2つの各誘導コイルへの給電量を変化させること、
を含む方法。
【請求項2】
実質的に全ての材料が溶融状化した場合に材料を電磁的に攪拌する位相シフトを少なくとも2つの別個の各電源の出力電圧間に確立すること、を更に含む請求項1の方法。
【請求項3】
別個の各電源の出力周波数を、容器内の材料の充填物が実質的に固形状である場合のサセプタ誘導加熱周波数から、容器内の材料の充填物が実質的に非固形状である場合の充填物誘導加熱周波数に変化させること、を更に含む請求項1の方法。
【請求項4】
少なくとも部分的にサセプタを含む容器内の移行性材料を、該容器の異なるセクションを包囲する少なくとも2つの誘導コイルに交流を供給して加熱及び溶融する方法であって、
容器内に移行性材料の充填物を配置すること、
その全てにおける出力電圧が位相同期化に運転される別個の各電源から、少なくとも2つの各誘導コイルに固定周波数出力の交流を供給すること、
位相同期下に運転される別個の各電源の出力電圧を個別にパルス幅制御することにより、少なくとも2つの各誘導コイルへの給電量を変化させること、
を含む方法。
【請求項5】
位相同期下に運転される別個の各電源の出力電圧を個別にパルス幅制御することが、容器の上部付近に位置付けた少なくとも2つの誘導コイルと、容器の底部付近に位置付けた少なくとも2つの誘導コイルとに対する合計給電量の比率を初期において2:1とし、移行性材料が非導電性の個体状から導電性の溶融状に移行するに従い、該2:1の合計給電量の比率を低減させることを更に含む請求項4の方法。
【請求項6】
位相同期下に運転される別個の各電源の出力電圧を個別にパルス幅制御することが、容器内の全ての移行性材料が導電性の溶融状である場合に、少なくとも2つの各誘導コイルに同比率下に合計電力を供給することを更に含む請求項5の方法。
【請求項7】
少なくとも部分的にサセプタを含む容器内の移行性材料を、該容器の異なるセクションを包囲する少なくとも2つの各誘導コイルに交流を供給して加熱及び溶融する方法であって、
容器内に移行性材料の充填物を配置すること、
その全てが位相同期下に運転される別個の各電源から、少なくとも2つの各誘導コイルに、サセプタ内に基準深さで少なくとも1回貫入するよう選択したサセプタ誘導加熱周波数において交流出力電圧を供給すること、
位相同期下に運転される別個の各電源の出力電圧を個別にパルス幅制御することにより、少なくとも2つの各誘導コイルへの給電量を変化させること、
別個の各電源からの交流の出力周波数を、容器内の溶融状の移行性材料内に基準深さで少なくとも1回貫入させるよう選択した溶融移行性材料誘導加熱周波数に変化させること、
容器内の移行性材料が固形状から溶融状に移行するに従い、容器内の移行性材料を電磁的に攪拌させるべく、別個の少なくとも2つの各電源の出力電圧間に位相シフトを確立すること、
を含む方法。
【請求項8】
少なくとも2つの各誘導コイルへの給電量を変化させることが、容器の上部付近に位置付けた少なくとも2つの誘導コイルと、容器の底部付近に位置付けた少なくとも2つの誘導コイルとに対する合計給電量の比率を初期において少なくとも2対1とし、移行性材料が非導電性の固形状から導電性の溶融状に移行するに従い、該2:1の合計給電量の比率を低減させることを更に含む請求項7の方法。
【請求項9】
別個の各電源からの交流の出力周波数を、容器内の溶融状の移行性材料内に基準深さで少なくとも1回貫入させるよう選択した溶融移行性材料誘導加熱周波数に変化させることが、容器内の移行性材料が実質的に導電性の溶融状である場合に、少なくとも2つの各誘導コイルに等比率下に合計電力を供給することを更に含む請求項8の方法。
【請求項10】
少なくとも2つの別個の各電源からの交流出力電力の周波数を、溶融状移行性材料を保有し攪拌する周波数に同時に低減させ、少なくとも2つの別個の電源の出力電圧間に、移行性材料を保有し攪拌する位相シフトを確立し、容器内の移行性材料の全てが溶融状態となった後、少なくとも2つの各誘導コイルへの出力電力を、移行性材料を保有し攪拌する電力に低下させること、を更に含み、前記移行性材料を保有し攪拌する周波数、位相シフト、電力量、の組み合わせが、移行性材料を保有する温度に維持するべく選択される請求項7の方法。
【請求項11】
少なくとも部分的にサセプタを含む容器内のシリコンを、少なくとも2つの誘導コイルに交流を供給することにより加熱、溶融、及び一方向凝固させる方法であって、
冶金等級のシリコン材料の充填物を容器内に配置すること、
別個の電源から少なくとも2つの各誘導コイルに、サセプタの容器壁内に基準深さで少なくとも1回貫入するよう選択したサセプタ誘導加熱周波数において交流出力電力を供給すること、
別個の各電源の出力電圧を個別にパルス幅制御することにより、容器の上部付近に位置付けた少なくとも2つの誘導コイルと、容器の底部付近に位置付けた少なくとも2つの誘導コイルとに対する合計給電量の比率を初期において2:1とし、シリコンが非導電性の固形状から導電性の溶融状に移行するに従い、当該2:1の比率を低減させるように変化させること、
別個の各電源からの交流出力電力の周波数を、容器内の溶融状シリコンに基準深さで少なくとも1回貫入するよう選択した溶融状シリコン誘導加熱周波数に変化させること、
容器内のシリコンが固形状から溶融状に移行するに従い、少なくとも2つの別個の各電源の出力電圧間に、シリコンを電磁的に攪拌させる位相シフトを確立すること、
を含む方法。
【請求項12】
少なくとも2つの各誘導コイルへの給電量を、最下部の誘導コイルから最上部の誘導コイルに掛けてシーケンス的に0に低減させ、他方、別個の少なくとも2つの各電源の出力電圧間の位相シフトをシーケンス的に0に低減させ、かくして溶融状のシリコンを容器の底部から一方向凝固させること、を更に含む請求項11の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5a】
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【図5b】
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【公表番号】特表2011−503785(P2011−503785A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532194(P2010−532194)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/081528
【国際公開番号】WO2009/058820
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(591029943)インダクトサーム・コーポレイション (22)
【氏名又は名称原語表記】INDUCTOTHERM CORPORATION
【Fターム(参考)】