説明

サッカリド−シロキサンコポリマーを含む表面処理組成物

サッカリド成分およびオルガノシロキサン成分を有する少なくとも1つのサッカリド-シロキサンコポリマーを含み、連結基によって結合された表面処理組成物であって、ここで前記サッカリド-シロキサンコポリマーが特定の配合を有し、前記表面処理組成物が、適用される表面に少なくとも1つの利益をもたらすように適用される組成物。サッカリド-シロキサンコポリマーを含む分散物ならびにエマルションおよび/または分散物を含む組成物の処理も同様に提供される。本発明は、この方法および本発明の組成物を含む物品もさらに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッカリド-シロキサンコポリマーならびに変性および/または架橋したサッカリド-シロキサンコポリマーを含む表面処理組成物、それに関連する製品、および使用方法に関する。具体的な処理組成物は、特に、改善された布帛の防しわ性、柔軟性、かさ高さ、および速乾性を付与するための、布帛ケア組成物及びその応用を含む。
【背景技術】
【0002】
サッカリド-官能性シリコーン、およびそれらの製造方法は、当技術分野において知られている。例えば、米国特許第4,591,652号は、アミン末端置換基を有するシランとアルドン酸ラクトンとの反応によるポリヒドロキシシランの製造方法について記述している。日本国特許第62-68820号は、アミノシロキサンおよびサッカリドラクトンから作ったサッカリド残基を含むオルガノポリシロキサンを開示している。国際公開WO94/29324号は、シロキサニル変性化合物、それらの調製方法および特にプラント防護技術における表面活性および表面改良剤としての用途について記述している。この特許は、エポキシ-トリシロキサン反応生成物およびサッカリドラクトンから生成された表面活性および表面改良剤についてさらに具体的に開示している。国際公開WO02/088456号は、アミド-官能性アミノポリジオルガノシロキサン、その製造方法、アミド-官能性アミノポリジオルガノシロキサンを含む調製物、繊維産業における使用について記述している。アミド-官能性シロキサンは、アミノシロキサンおよびサッカリドラクトンの反応によって生成される。
【0003】
サッカリドとシロキサンを連結するための合成方法もまた知られている。例えば、米国特許第5,831,080号はアリル官能性サッカリド基のヒドロシリル化によって作られた、グリコシド基を含むオルガノシリコーン化合物について記述している。米国特許第6,517,933B1号は、サッカリドを含む一連の天然のビルディングブロックおよびポリシロキサンを含む一連の合成ビルディングブロックを含むハイブリッドポリマー材料について記述している。多くの可能性ある連結のための化学が記載されている。
【0004】
上記で参照した特許技術は、本発明の実施において有用でありうるサッカリド-官能性シロキサンコポリマーについて記載している。これらの特許は、参照により本明細書に完全に援用する。しかしながら、当業者は、他の多くのさまざまなサッカリド-シロキサンコポリマーが同様に使用されうることを容易に認識するであろう。
【0005】
表面処理技術において、水溶性サッカリドを使用することはよく知られている。水溶性ポリサッカリドは、例えば、消毒、衛生化、研磨、トイレット準備、敷物および掛け布用シャンプー、多目的キッチンクリーナーおよび殺菌剤、便器クリーナー、布帛柔軟剤-洗浄剤の組合せ、布帛柔軟剤、布帛のり付け剤、食器用洗剤、車洗浄剤などにおいて広く存在する成分である。広範囲に使用されている市販のポリサッカリドには、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシプロピル(HP)グアー、ヒドロキシエチルグアー、グアー、澱粉、および他の非イオン性澱粉およびグアー誘導体などの水溶性ポリサッカリドエーテルが含まれる。そのような組成物におけるこれら従来技術のサッカリドの使用には、時折他の成分との相容性、他のある成分の溶解性、生成物のアルカリ性(または酸性)条件の下での溶液の外観および安定性などの問題点が伴う。これらの炭水化物によって得られた利益を、疎水性シロキサン成分をサッカリドを用いて官能化することを通して受け渡すことにより、多くの工程上の問題点を改善するであろう。
【0006】
特に、洗濯用洗剤組成物は、特定の官能性を有するさまざまな活性成分を含んでおり、これは意図したものではない耐久性、品質、および寿命効果を有していることもある。そのような活性物質には、界面活性剤システム、酵素、漂白剤、ビルダーシステム、泡抑制剤、汚れ懸濁剤、汚れ取り剤、蛍光増白剤、分散剤、染料移り防止化合物、研磨剤、殺菌剤、および香料が含まれるが、それらに限定されない。洗剤の機能的品質の向上とともに、布帛ケアおよびコンディショニング組成物に対する消費者の要望が増大している。
【0007】
消費者は、布帛を洗濯する場合、優れたクリーニングのみならず、同時に布帛ケア利益が得られることを要望している。そのような利益は、しわの低減の利益;しわの除去の利益;しわの防止の利益;布帛の柔軟化の利益;布帛の感触の利益;衣料品形状保持の利益;衣料品形状の回復の利益;弾性の利益;アイロンがけの容易性の利益;香りの利益;カラーケアの利益;耐研磨性の利益;布のけば立ち防止の利益;またはこれらの組合せ、の1つまたは複数によって例示できる。別の所望される利益は、洗濯物を乾燥サイクルに曝すことを低減することであり、なぜなら、加熱乾燥が布帛の繊維の損傷と劣化を早めることがよく知られているからである。クリーニングおよび布帛ケアの利益、例えば布帛柔軟化の利益、の両方をもたらす組成物は、例えば、「ツーインワン(1つで2つの機能をはたす)」洗剤組成物および/または「洗濯を通しての柔軟化」組成物として知られている。
【0008】
最近の2、3年における別の開発は、布帛クリーニングの利益に加えて、布帛ケアの利益をもたらし、および/または向上させる手段に関連している。追加の布帛ケアの利益の非限定的な例には、布帛柔軟化の利益、しわ制御の利益、およびカラーケアの利益が含まれる。これら布帛ケアの利益の共通する特徴は、布帛ケア剤が布帛に付着する必要があることである。ある洗濯および/またはすすぎ条件は、そのような布帛ケア剤の付着特性を妨害しうる。そのような布帛ケア剤の付着特性を向上させるために、付着助剤がそのような組成物に添加されている。布帛ケア剤の付着を向上させるために適した付着助剤は、例えば、陽イオン性化合物(例えば、ポリ四級化アンモニウム化合物および陽イオン性ポリサッカリド、例えば陽イオン性グアーガム)である。
【0009】
官能化されたシロキサンを含む組成物を使用することを通して、布帛に防しわの利益をもたらすことを目的としている特許された技術が知られている。例えば、米国特許第4,800,026号は、すすぎサイクルの布帛柔軟剤によって与えられる防しわ利益を開示している。特に、第4,800,026号の特許権者は、布帛柔軟剤に配合された硬化性アミン官能性直鎖または枝分かれしたシロキサンが布帛上に堆積して硬化し、これにより布帛に防しわの性質をもたらすと主張している。
【0010】
さらに最近、国際公開WO0125385号は、布帛柔軟剤、ポリエチレン、脂肪アルカノールアミド、ポリケイ酸、ポリウレタン、および分散したアミノまたはアミド官能化シロキサン(これらもペンダントのエトキシル化基、プロポキシル化基、またはエポキシ基を含む)を含む布帛柔軟剤またはドライヤーシートのためのしわ回復組成物を開示している。
【0011】
欧州特許第1075562号は、噴霧用途に有用なしわ制御組成物を開示している。この組成物は、繊維潤滑剤、形状保持ポリマー、およびリチウム塩、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、有効量のしわ制御剤を含む。しわ制御剤は、D5-官能化、ポリオキシエチレン-官能化、および/またはアミノグリコール-官能化したシロキサンであってよい。
【0012】
米国特許第6,001,343号は、本質的に非複合体のシクロデキストリンと、シリコーン油として開示されているしわ制御繊維潤滑油とを含む臭気吸収性およびしわ制御性組成物を開示している。シロキサンは、特にD5-、Spe-またはアミノグリコール-官能化シリコーンであることができる。本組成物は噴霧機構を介して適用され、幾つかの種類の噴霧装置が開示されている。
【0013】
欧州特許第0791097号は、とりわけ、布帛に適用できるしわ低減組成物を開示している。この組成物は、有効量のシリコーンおよび有効量の皮膜形成ポリマーを含むしわ低減剤を含んでいる。この組成物は、澱粉誘導体を本質的に含まないとして開示されている。特に、開示された組成物は、布帛、特に衣類中の繊維に、潤滑特性または増大した滑り性を付与するために適用される。開示されたシリコーンは、乳化された非揮発性PDMS、またはアミノ、反応性または非反応性フェニルシリコーンであってよい。
【0014】
欧州特許第1201817号は、立体障害のあるアミノ官能化シロキサンポリマーを本質的に含む防しわ性を付与するための組成物について開示しており、活性剤が、洗濯すすぎサイクル布帛柔軟剤、洗浄サイクル洗剤製品、またはアイロンがけプロセスを介して布帛上に供給される。
【0015】
シロキサン官能化ポリサッカリドは、家庭向けケア技術における公知の成分である。例えば、国際公開WO03/050144号は、シリコーンポリサッカリド化合物を含む、防しわ組成物を開示している。意図した用途は、布帛を含めたセルロース繊維に対して、防しわの利益をもたらすことであるとして開示されている。しかしながら、この技術は、シロキサン官能化およびイオン性官能化されたポリサッカリドポリマーを含む組成物を目的としており、サッカリド官能化およびイオン性官能化されたシロキサンポリマーを目的とはしていない。
【0016】
国際公開WO03/20770号は、少なくとも1つの「堆積向上性基」を有するベータ1-4結合を含む置換ポリサッカリドを開示しており、「堆積向上性基」は、操作温度において水中で化学変化を生じ、基材への置換ポリサッカリドの親和力を増大させる。置換ポリサッカリドは、1つまたは複数の独立に選択されたシリコーン鎖をさらに含む。この場合も、この技術はサッカリド-官能化シロキサンではなくて、シロキサン-官能化ポリサッカリドポリマーについて記述し開示している。
【0017】
米国特許出願公開第2004/0186308号として公開された国際公開WO02/088456号は、エマルション中でのアミノシロキサンとグルコノラクトンとの反応から生成したアミド-官能性アミノポリジオルガノシロキサンを開示している。この参照文献は、この化合物を含む組成物を開示し、無機の繊維および生地の仕上げについてのこれらの有用性について教示している。
【0018】
米国特許第6,307,000号は、合成材料への結合および合成材料の改質に有用な、多官能非イオン性および部分的非イオン性のシロキサンコポリマーを開示している。より具体的には、6,307,000号特許において、多機能非イオン性および部分的非イオン性のシロキサンコポリマーは、ポリアミドおよびポリエステル材料に永続的に結合し、同時に、この合成材料から作られた布帛を柔軟化し、親水性および熱制御特性を向上させる。シロキサンコポリマーと合成材料の間のいかなる重合反応も、改質プロセス中に起こすことは開示されていない。加えて、6,307,000号特許は、イオン性および非イオン性官能基が異なるケイ素原子上に配置されることを求めている。
【特許文献1】米国特許第4,591,652号
【特許文献2】日本国特許第62-68820号
【特許文献3】国際公開WO94/29324号
【特許文献4】国際公開WO02/088456号
【特許文献5】米国特許第5,831,080号
【特許文献6】米国特許第6,517,933B1号
【特許文献7】米国特許第4,800,026号
【特許文献8】国際公開WO0125385号
【特許文献9】欧州特許第1075562号
【特許文献10】欧州特許第0791097号
【特許文献11】欧州特許第1201817号
【特許文献12】国際公開WO03/050144号
【特許文献13】国際公開WO03/20770号
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0186308号
【特許文献15】国際公開WO02/1088456号
【非特許文献1】「Surfactant Science Series」、Vol.7、W.M.Linfield編、Marcel Dekker
【非特許文献2】「Surface-Active Agents & Detergents」、Volumes IおよびII、Schwatz、PerryおよびBerch
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者らは、驚くべきことに、シロキサンに共有結合しているサッカリドを含むコポリマーまたは架橋コポリマーが、そのまま(ニート)の形態でデリバリーされるかまたは分散物として調製されて表面ケア組成物に組み込まれた場合、表面処理ケア対象基材に対して向上した利益を付与することを見出した。特に、布帛ケア組成物に組み込まれた場合、サッカリド-シロキサンコポリマーは、防しわ性を改良し、柔軟性と質感を向上させ、対象布帛基材の乾燥時間を短縮する。これらの利益は、規格化された消費者基準の観察および手技検査において、統計的に有意な程度で消費者によって理解される。
【0020】
従って、本発明の一実施形態は、表面処理組成物を提供する。この表面処理組成物は、
(i)サッカリド成分およびオルガノシロキサン成分を有しかつ連結基によってこれらが連結されている少なくとも1つのサッカリド-シロキサンコポリマーを含む。このサッカリド-シロキサンコポリマーは、以下の式:
R2aR1(3-a)SiO-[(SiR2R1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1(3-a)R2a
[上記式中、各R1は、同じまたは異なることができ、水素、C1〜C12アルキル、有機基、またはR3-Qを含み、
Qは、エポキシ、シクロエポキシ、第1級または第2級アミノ、エチレンジアミン、カルボキシ、ハロゲン、ビニル、アリル、無水物(anhydride)、またはメルカプト官能基を含み、
mおよびnは、0〜10,000の整数であり、同じであっても異なっていてもよく、
各aは、独立に0、1、2、または3であり、
yは、コポリマーが100万未満の分子量を有することになる整数であり、
R2は、式Z-(G1)b-(G2)cを有し、かつコポリマー1つ当たり少なくとも1つのR2が存在し、式中、G1は5〜12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
b+cは1〜10であり、bまたはcは0であることができ、
G2は、追加的に有機または有機ケイ素基で置換された5〜12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
Zは連結基であって、以下の:
-R3-NHC(O)-R4-;
-R3-NHC(O)O-R4-
-R3NH-C(O)-NH-R4-;
-R3-C(O)-O-R4-;
-R3-O-R4-;
-R3-CH(OH)-CH2-OR4-;
-R3-S-R4
-R3-CH(OH)-CH2-NH-R4-;および
-R3-N(R1)-R4
からなる群から独立して選択され、
R3およびR4は、(R5)r(R6)s(R7)tを含む二価のスペーサー基であり、
ここでr、s、およびtの少なくとも1つは1でなければならず、
R5およびR7は、C1〜C12アルキルまたは((C1〜C12)O)pのいずれかであり、ここでpは1〜50の任意の整数であり、各(C1〜C12)Oは、同じであっても異なっていてもよく、
R6は-N(R8)-であり、ここでR8はHまたはC1〜C12アルキルであるか、またはZ-X(ここでZは先に定義した通りかR3である)であり、
Xはカルボン酸、ホスフェート、サルフェート、スルホネート、または第四級アンモニウム基であり、R3およびR4の少なくとも1つは連結基中に存在しなければならず、これは同じであっても異なっていてもよい。]
を有し、かつ
ここで、サッカリド-シロキサンコポリマーは、官能化オルガノシロキサンポリマーおよび少なくとも1つのヒドロキシ官能性サッカリドの反応生成物であって、オルガノシロキサン成分が連結基Zを介してサッカリド成分に共有結合しており、かつ
本表面処理組成物は、それが適用される表面に少なくとも1つの利益をもたらすように適合されている。
【0021】
本表面処理組成物は任意選択で、(ii)キャリヤー媒体を含んでもよい。加えて、本組成物は任意選択で、(iii)架橋剤を含んでもよい。架橋剤は、サッカリド-シロキサンコポリマー間、および/またはサッカリド-シロキサンコポリマーと基材とを架橋するように作用する。
【0022】
さまざまな追加成分、さまざまなもたらされる利益、特定のキャリアー(carrier)、及び処理される特定表面を意図した本表面処理組成物のさらに特定の態様も、提供する。本表面処理組成物のさらなる実施形態においては、より具体的なサッカリド-シロキサンも同様に提供される。追加の実施形態においては、本表面処理組成物は、分散形態、特にエマルション形態のサッカリド-シロキサンコポリマーを含む。
【0023】
本発明の別の実施形態は、上述した表面処理組成物を含む表面ケア製品を提供する。特定の実施形態は、特定の利益をもたらし且つ特定された配合の本処理組成物を含む、さまざまな形態の布帛処理組成物を目的としている。
【0024】
本発明の更なる実施形態は、上述した表面処理組成物を含む製品を目的とする。特定の一実施形態は、手動、非手動のいずれでも操作できる噴霧ディスペンサーを目的とする。他の特定の実施形態には、ドライヤーシートが含まれる。
【0025】
方法の実施形態も同様に提供する。そのような実施形態の1つは、上述した表面処理組成物の有効量を施すことを含む、表面の処理方法を目的とする。特定の実施形態は、特定の布帛ケアの利益をもたらすことを目的とした方法を含めた、布帛の処理方法を対象とし、特定の製品を使用して、表面処理組成物の有効量を布帛に適用することを含む。ある態様において、適用は1つまたは複数の洗浄サイクルにおいて行うこともでき、この洗浄サイクルは、洗浄、すすぎ、または乾燥サイクルであってよい。ドライヤーシートの使用方法を目的とする実施形態も同様に提供され、ここで防しわおよび柔軟化の利益は、湿ったまたは既に乾燥された洗濯物に付与されうることが理解される。
【0026】
これらのそして本発明の追加の実施形態および側面は、好ましい実施形態の以下の詳細な説明および以下に示す実施例を参照することによって、より完全に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明者らは、驚くべきことに、サッカリド-官能化シロキサンのコポリマーを表面処理配合物に加えることによって、その処理された表面に幾つかの改良された性能の利益がもたらされることを発見した。コポリマーは、そのまま(ニート)の形態で、エマルションを含めた分散物として、または架橋剤と共に添加でき、この場合コポリマーは架橋ネットワークとして含まれる。このコポリマーは、水素結合の増加によるポリマーの特性変化、表面活性特性、およびポリヒドロキシ基材に対するそれらの本質性に基づき、表面ケア処理組成物に対して利点を付与する。
【0028】
本発明の実施形態は、一般的に表面処理の組成物、方法、およびそれを含む関連する製品に関する。多くの特定の実施形態および実施例において、組成物、方法、および製品が家庭用ケア製品(例えば、布帛ケア、皿洗い、および硬質表面のクリーニングなど)に適合し且つ適しているが、この表面処理組成物が、工業用、自動車、またはマリンビークル
marine vehicle)のケアなどのさまざまな産業においても、または例えば洗浄、ワックスがけ、コンディショニング、消毒、およびUVカットを含めた、処理を必要とする表面または区域が存在する用途においても有用でありうることは、当業者にとって明らかであろう。利益を受けうる表面には、硬質表面(例えば、一般的には、金属、磁器、ガラス、およびセラミックス、一部のプラスチック、硬質被覆(ハードコート)された表面など);多孔質表面(例えば、木材、セメント、タイル、プラスター、硬化した粘土、一部のプラスチック、および発泡製品など);柔軟な表面(例えば、天然および人工の皮革);織ったまたは不織の繊維ベース製品(例えば、カーペットおよび布帛など);フラット塗装面、などが含まれるがそれらには限定されない。本表面処理組成物は、処理しようとする基材に1回の適用で複数の利益をもたらすように配合しうる。例えば、噴霧ボトルまたは含浸させた発泡材料(例えば、ワイプ)などのアプリケーターは、クリーニング、消毒、および速乾性の利益をもたらすように配合した単一の組成物を含んでよい。あるいは、単一組成物を、クリーニング、向上した光沢、および向上した滑らかさの利益をもたらすように配合することもできる。
【0029】
本発明の一実施形態は、表面処理組成物を提供する。この表面処理組成物は、
(i)サッカリド成分およびオルガノシロキサン成分を有し且つ連結基によってこれらが連結されている少なくとも1つのサッカリド-シロキサンコポリマーを含み、このサッカリド-シロキサンコポリマーは、以下の式:
R2aR1(3-a)SiO-[(SiR2R1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1(3-a)R2a
[上記式中、各R1は、同じまたは異なることができ、水素、C1〜C12アルキル、有機基、またはR3-Qを含み、
Qは、エポキシ、シクロエポキシ、第1級または第2級アミノ、エチレンジアミン、カルボキシ、ハロゲン、ビニル、アリル、無水物、またはメルカプト官能基を含み、
mおよびnは、0〜10,000の整数であり、同じであっても異なっていてもよく、
各aは、独立に0、1、2、または3であり、
yは、コポリマーが100万未満の分子量を有することになる整数であり、
R2は、式Z-(G1)b-(G2)cを有し、かつコポリマー1つ当たり少なくとも1つのR2が存在し、式中、G1は5〜12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
b+cは1〜10であり、bまたはcは0であることができ、
G2は、有機または有機ケイ素基で追加的に置換された、5〜12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
Zは連結基であって、以下の:
-R3-NHC(O)-R4-;
-R3-NHC(O)O-R4-
-R3-NH-C(O)-NH-R4-;
-R3-C(O)-O-R4-;
-R3-O-R4-;
-R3-CH(OH)-CH2-OR4-;
-R3-S-R4
-R3-CH(OH)-CH2-NH-R4-;および
-R3-N(R1)-R4
からなる群から独立して選択され、
R3およびR4は、(R5)r(R6)s(R7)tを含む二価のスペーサー基であり、
ここでr、s、およびtの少なくとも1つは1でなければならず、
R5およびR7は、C1〜C12アルキルまたは((C1〜C12)O)pのいずれかであり、ここでpは1〜50の任意の整数であり、各(C1〜C12)Oは、同じであっても異なっていてもよく、
R6は-N(R8)-であり、ここでR8はHまたはC1〜C12アルキルであるか、Z-X(ここでZは先に定義した通りかR3である)であり、
Xは、カルボン酸、ホスフェート、サルフェート、スルホネート、または第四級アンモニウム基であり、R3およびR4の少なくとも1つは前記連結基中に存在しなければならず、かつ同じであっても異なっていてもよい。]を有し、かつ、
上記サッカリド-シロキサンコポリマーは、官能化オルガノシロキサンポリマーおよび少なくとも1つのヒドロキシ官能性サッカリドの反応生成物であって、オルガノシロキサン成分が連結基Zを介してサッカリド成分に共有結合しており;かつ
本表面処理組成物は、それが適用される表面に少なくとも1の利益をもたらすように適合されている。
【0030】
上記表面処理組成物は、任意選択で、(ii)キャリヤー媒体;および/または(iii)架橋剤、を含んでもよい。
【0031】
本発明の実施に用いるのに適した架橋剤は、当技術分野においてよく知られている。特定の実施形態において、架橋は、実質上サッカリド成分のヒドロキシル-官能基間、および/またはヒドロキシル-官能基と基材との間で起こる。より特定の実施形態においては、架橋剤は、以下の非制限的リストから選択できる:ホウ酸、ホウ酸エステル(例えば、トリ-n-プロピルボレート、トリイソプロパノールボレート)、アルキルボロン酸またはエステル(例えば、フェニルボロン酸)、チタネート(例えば、チタンイソプロポキシド、ジイソプロキシチタンビス(アセチルアセトネート))、ジルコネート、グリオキサール、グルタルアルデヒド、エピクロロヒドリン、尿素-ホルムアルデヒド、ジルコニウムアンモニウムカーボネート、多価イオンの塩、二官能性エポキシまたはグリシジル化合物(例えば、1,4ブタンンジオールジグリシジルエーテル)、ジ-(N-ヒドロキシメチル)尿素、ジイソシアネート(例えば、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート)、2-クロロN,Nジエチルアセトアミド、ナトリウムトリメタホスフェート、オキシ塩化リン、アクロレイン、N-メチル尿素、ジカルボン酸、ビス-酸塩化物、ジアルキルジクロロシラン(例えば、ジメチルジクロロシラン)、アルキルトリクロロシラン(例えば、メチルトリクロロシラン)、反応性シロキサン樹脂、およびこれらの組合せ。非常に特定の実施形態において、架橋剤は、反応性シロキサン樹脂、またはボロン酸もしくはボロン酸エステルを含む。
【0032】
表面処理組成物が、さらに界面活性剤を含む実施形態が提供される。界面活性剤は、組成物の重量の約0.05%〜約99%のレベルで存在し;非イオン性界面活性剤;陰イオン性界面活性剤;陽イオン性界面活性剤;両性界面活性剤;またはこれらの混合物、の1つから選択される。表面処理組成物の別の特定の実施形態において、少なくとも1つの利益は、表面に対する、色の保持性、耐磨耗性、抗けば立ち性、乾燥時間の短縮、吸水度、光沢、潤滑性、保護、磨耗改善、汚染抵抗性、撥水性、磨耗抵抗性、色浸透性、しわの低減、しわの防止、しわの除去、布帛の柔軟化、布帛の感触の向上、衣類形状の保持性、弾力性、アイロンがけの容易さ、またはこれらを含む任意の組合せ、を含む。
【0033】
他の特定の実施形態は、さらに少なくとも1つの追加成分を含む表面処理組成物を提供する。追加成分は、漂白剤、乳化剤、布帛柔軟剤、香料、抗菌剤、帯電防止剤、増白剤、染料固定剤、染料磨耗防止剤、色落ち防止剤、しわ低減剤、防しわ剤、形状保持剤、汚れ落とし剤、サンスクリーン剤、色あせ防止剤、防水剤、乾燥剤、防汚剤、汚れ防止剤、香り調節剤、泡調節剤、虫よけ剤、酵素、保護剤、腐食防止剤、洗浄剤、ビルダー、構造体、増粘剤、顔料または染料、粘度調整剤、pH調節剤、噴射剤、およびこれらの組合せから本質的になる群から選択される。硬質表面基材を対象とする特定の表面処理組成物に関して習慣的に使用されている構成成分には、以下には限定されないが;酸または塩基またはpH緩衝剤、無機ビルダー、有機共ビルダー、界面活性剤、ポリマー性色移り抑制剤、ポリマー性抗再沈着剤、汚れ落としポリマー、酵素、錯化剤、腐食防止剤、ワックス、他の増粘剤、発泡成形剤、追加のシリコーン油、UVまたは他の放射線防護剤、染料、溶媒、ハイドロトロピック剤、漂白剤、雲り点改良剤、保存剤、およびそれらの混合物が含まれる。
【0034】
本発明のある実施形態は、水、および任意選択で1つまたは複数の有機溶媒を含んでもよい、水性液体キャリヤー(担体)を含む。特定の実施形態に適した他のキャリヤーは、表面処理組成物の範囲内であると考えられる。噴射剤、織ったまたは不織の繊維性および/または吸収剤基材、固形物、ゼオライト、およびシクロデキストリンは、いずれも当技術分野においてよく知られており、適切なキャリヤーを形成することもできる。固形物がキャリヤー剤を形成する場合、これらは、特定の用途に対する適合性により、カプセル封入または粒状とすることもできる。
【0035】
本表面処理組成物を適用することができる表面は、これら表面処理の組成物または方法から利益を得ることができる。表面の形状は重要ではなく、平面でも、複雑な形状でも、あるいは不規則な輪郭であってもよい。表面は、硬質でも、剛体でも、半剛体でも、多孔質でも、透明でも、柔軟でも、またはこれらの組合せであってもよい。「硬質表面」は、伝統的に硬いと見なしている任意の表面であり、例えば、セラミック、ガラス、金属、エナメル、またはプラスチックであり、かつ、皿、グラス、刃物類、ポット、およびパンなどの食卓用食器類、ならびに台所のカウンタートップ、シンク、ガラス、窓、エナメル表面、金属表面、タイル、バスタブ床などの家庭用表面へ成形することもできる。特定の一実施形態において、硬質表面は食卓用食器類である。硬質表面は、一般的に布地などの布帛、カーテンなどは含まない。多孔質表面には、例えば、一部の木材、セメント、一部のポリマー被覆、ポリマー発泡体、および粘土または石から作られたレンガが含まれる。柔軟性表面には、例えば、剛性の小さなプラスチック、皮および天然または人造の布地ならびにこれらから作られた基材(布帛を含む)が含まれる。織ったおよび不織の形態の天然または人造の繊維性物質も同様に含まれる。これらは、洗濯可能な衣類、洗濯可能な靴、ドライクリーニング可能な衣類、リネン、タオル、掛け布、窓のカーテン、シャワーカーテン、テーブルリネン、およびそれらの任意の部分、の形態を取ることもできる。カーペットも同様に含まれる。
【0036】
サッカリド-官能性シリコーン、およびこれらを製造する方法は、当技術分野において知られている。例えば、米国特許第4,591,652号は、アミン末端置換基を有するシランを、アルドン酸ラクトンと反応させることによって、ポリヒドロキシシランを製造する方法を記載している。日本国特許第62-68820号は、アミノシロキサンとサッカリドラクトンから作ったサッカリド残基を含むオルガノポリシロキサンを開示している。国際公開WO94/29324号は、エポキシトリシロキサン反応生成物およびサッカリドラクトンから形成した表面活性剤または表面改良剤を含むシロキサニル変性化合物、およびそれらの調製方法を記載している。国際公開WO02/088456号は、アミノシロキサンおよびサッカリドラクトンから形成したアミド-官能性アミノポリジオルガノシロキサンを記載している。
【0037】
サッカリドおよびシロキサンを連結するための合成方法も、当技術分野において知られている。例えば、米国特許第5,831,080号は、アリル官能性サッカリド基のヒドロシリル化によって作った、グリコシド基を含むオルガノシリコーン化合物を記載している。米国特許第6,517,933B1号は、サッカリドを含む天然のビルディングブロックのセットと、ポリシロキサンを含む合成によるビルディングブロックのセットとを含む、ハイブリッドポリマー材料を記載している。多くの可能性のある連結化学が説明されている。上記参照特許技術文献の全ての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、サッカリドシロキサンは、その糖シロキサン上の官能性部位への、陰イオン性または陽イオン性モノマーの反応によって改質することができる。
【0038】
表面処理組成物の一実施形態においては、少なくとも1つのヒドロキシル-官能性サッカリドは、アルドン酸またはオリゴアルドン酸を含む。より特定の実施形態においては、アルドン酸またはオリゴアルドン酸はラクトンを含む。2つの例示のラクトンは、グルコノラクトン(GL)およびラクトビオノラクトン(LBL)を含む。グルコノラクトン(GL)およびラクトビオノラクトン(LBL)の両方とも、市販されている。GLおよびLBLは、市場で容易に入手できるサッカリドであるが、当業者は、他のサッカリドもシロキサンを用いてコポリマーを生成するのに適していることを理解するであろう。
【0039】
表面処理組成物の特定の実施形態において、オルガノシロキサンポリマーはポリジメチルシロキサンを含む。一部の実施形態において、連結基は、アミド、アミノ、ウレタン、尿素、エステル、エーテル、チオエーテル、またはアセタール官能性連結基を含む。より特定の実施形態において、連結基は、アミノ官能性連結基を含み、非常に特定の実施形態において、アミノ官能性連結基は、アミノプロピルまたはアミノエチルアミノイソブチル官能基を含む。
【0040】
オルガノシロキサンがアミノ-官能基を含む場合、アルドノルアクトンは特に適したサッカリドであり、非常に特定の実施形態において、サッカリド-シロキサンコポリマーは、アミノ-官能性オルガノシロキサンとラクトンとの反応生成物を含む。従って、さらにより特定の実施形態において、サッカリド-シロキサンコポリマーは、アミノ-官能性オルガノシロキサンと、GLまたはLBLなどのアルドノラクトンとの反応生成物を含む。
【0041】
本発明の表面処理組成物の特定の実施形態において、少なくとも1つのヒドロキシ-官能化サッカリドは、アルドン酸またはオリゴアルドン酸を含む。より特定の実施形態において、アルドン酸またはオリゴアルドン酸はラクトンを含み、非常に特定の実施形態において、ラクトンはグルコノラクトンまたはラクトビオノラクトンを含む。
【0042】
表面処理組成物のさらに特定の実施形態において、官能化オルガノシロキサンポリマーは、ポリジメチルシロキサンを含む。更なる実施形態は、表面処理組成物を目的とし、ここで連結基は、アミド、アミノ、ウレタン、尿素、エステル、エーテル、チオエーテル、またはアセチル官能性連結基を含む。特定の実施形態において、連結基は、アミノ官能性連結基を含む。非常に特定の実施形態において、アミノ官能性連結基は、アミノプロピルまたはアミノエチルアミノイソブチル官能基を含む。
【0043】
サッカリド-シロキサンコポリマーは、実質的に純粋な形態、または単純希釈物もしくはエマルション中の分散物の形態で、表面処理組成物に配合することもできる。ある水系配合物の場合、サッカリド-シロキサンは、固形物として直接配合物に添加してもよい。
【0044】
サッカリド-シロキサンコポリマー成分は、一般に、周囲温度で、ガム、ワックス状固体または固体として存在する。しかしながら、液体で存在する少量のコポリマーのサブセットが存在すること、および分散性形態の液体も、温度などの操作条件によって同様に生産されうることに留意しなければならない。しかしながら、大部分のサッカリド-シロキサンコポリマーが、例えば溶液またはエマルションなどの分散可能な分散物のすぐの形成を可能にする粘度範囲を実現するためには、これらは最初に適切な溶媒または溶媒ブレンド中に溶解することによって可溶化しておかねばならない。
【0045】
次いで可溶化されたコポリマーは、表面処理組成物への即時の配合のための溶液またはエマルションを形成するために用いられる。特定の溶媒ブレンドは、サッカリド-シロキサンコポリマーのイオン特性、および目的とする用途に対するその溶媒の好適さに基づいて選択される。特定の一実施形態においては、溶媒ブレンドは、パラフィンおよびアルコールの混合物を含む。非常に特定の実施形態において、アルコールはイソプロピルアルコールを含む。
【0046】
本明細書で使用する場合、「分散物」という用語は2相系を意味し、ここで第1の相は、バルク状の第2の相中に分散した最終的に分割された微粒子を含み、第1の相は「内部の」すなわち分散相を構成し、第2の相は「外部の」すなわち連続相を構成する。
【0047】
本明細書で使用する場合、「溶液」という用語は、機械的分散物、コロイド状分散物、および真の溶液を含むことを広く意図しており、後者に限定されると解釈してはならない。溶液は、均一に分散した混合物を含む分散液であり、第1の相は溶質を構成し、第2の相は溶媒を構成する。
【0048】
本明細書で使用する場合、「エマルション」という用語は、2つの非混和性の液体の混合物を含む分散物を意味し、第1の分散された内部相が、乳化剤の助けを借りて第2の連続相中に懸濁されている。
【0049】
表面処理組成物の一実施形態においては、分散物は単純な希釈物または溶液の形態である。溶媒は、選択された特定のサッカリド-シロキサンの性質に基づき、実質的に水性または実質的に非水性であってよい。特定の実施形態において、実質的に非水性の溶媒は、揮発性または非揮発性の溶媒を含み、非常に特定の実施形態において、実質的に非水性の溶媒は、揮発性炭化水素またはシリコーンあるいはこれらの混合物を含む。より特定の実施形態においては、実質的に非水性の溶媒はシリコーンを含む。
【0050】
本明細書で使用する場合、「揮発性」という用語は、溶媒が周囲温度において顕著な蒸気圧を示すことを意味する。適切な揮発性シリコーンの例には、フェニルペンタメチルジシロキサン、フェニルエチルペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、メトキシプロピルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、クロロプロピルペンタメチルジシロキサン、ヒドロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、およびこれらの混合物などのシロキサンが含まれる。特に適したシリコーンは、シクロメチコーンである。非常に特定の実施形態において、揮発性シリコーンは、環式シロキサンを含む。
【0051】
本発明の一部の実施形態において、サッカリド-シロキサン成分は、微粒子の形態で作ることができ、これは粉末洗剤などの固形クリーニング製品とブレンドするために好ましいこともある。上述のエマルションは、微粒子固体キャリヤー上に堆積させることができ、あるいは噴霧乾燥することができる。適切な固体キャリヤーの例には、ソーダ灰(炭酸ナトリウム)、ゼオライトおよび他のアルミノケイ酸塩またはケイ酸塩、例えば、ケイ酸マグネシウム、リン酸塩、例えば、粉末または顆粒のナトリウムトリポリホスフェート、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、顆粒のまたは天然の澱粉および粘土が含まれる。
【0052】
サッカリド-シロキサンコポリマーは、一般的に可溶化される。可溶化されたコポリマーは、次いで表面処理組成物へすぐに配合するための、溶液またはエマルションを形成するのに使用される。特定の溶媒ブレンドは、サッカリド-シロキサンコポリマーのイオン的性質、および意図する応用へのその溶媒の適合性に基づき選択される。一実施形態において、溶媒ブレンドはパラフィンおよびアルコールの混合物を含む。非常に特定な実施形態において、アルコールはイソプロピルアルコールを含む。
【0053】
一般的に、サッカリド-シロキサンコポリマー成分は、表面処理組成物配合物に分散物として加えられるので、その濃度は、分散物成分に関して、または表面処理組成物全体としてのいずれかで記述することができる。一実施形態において、表面処理組成物が分散物を含む場合、分散物は重量パーセントで約0.1%〜約50%のサッカリド-シロキサンを含み、組成物の重量パーセントで約0.01%〜約25%のサッカリド-シロキサンを含む。より特定の実施形態においては、分散物は重量パーセントで約2%〜約40%のサッカリド-シロキサンを含み、組成物の重量パーセントで約0.2%〜約10%のサッカリド-シロキサンを含む。さらにより特定の実施形態においては、上記溶液は重量パーセントで約20%のサッカリド-シロキサンを含み、組成物の重量パーセントで約0.5%〜約2%のサッカリド-シロキサンを含む。
【0054】
表面処理組成物の一実施形態においては、分散物はエマルションの形態である。エマルションは、分散を維持するための少なくとも1つの界面活性剤と、連続相としての水をさらに含む。内部相は、分散した可溶化されたサッカリド-シロキサンコポリマーを含む。非イオン性の、両性の(双性イオンを含む)、陰イオン性または陽イオン性界面活性剤は、全て適しうる。取扱いが容易で、水ベースの配合物中に容易に分散するので、水中油型エマルションが一般的に使用される。
【0055】
本発明のさらなる実施形態は、サッカリドシロキサンエマルションを目的とする。このエマルションは、水中油型のエマルションで、サッカリド-シロキサンを含む内部相および水を含む連続相を含む。サッカリド-シロキサンエマルションは、その両性特性によって内部相の分散を維持する少なくとも1つの界面活性剤を含む。
【0056】
当業者は、所望するエマルションの形成を容易にするある連続性が存在することを理解するであろう。サッカリド-シロキサンエマルションは、他のエマルションと類似の制約を共有している。すなわち、これらは熱力学的に不安定であり、分散を維持するために界面活性剤を必要とし、乳化を開始するためのエネルギーの入力を必要とする。混合による単純な撹拌で十分な場合もあり、または高剪断装置の使用を含むより高い剪断手段が必要なこともある。他の事例においては、ポリマーの乳化または転相手段が必要とされる。
【0057】
エマルションを形成させるのに必要な撹拌の程度は、混合装置の使用を必要とすることもある。混合装置は、一般的に必要なエネルギー入力を提供する。前記のせん断範囲に及ぶこれら混合装置の限定されない例には、1)例えば、プロペラなどのインペラー、ピッチ付きブレードインペラー、ストレートブレードインペラー、Rushtonインペラー、またはCowlesブレードを有する容器;2)例えば、Baker-Perkinsなどの混練型混合機;3)例えば、ホモジナイザー、ソノレーター、またはマイクロ流動装置など、剪断力を発生させるためのオリフィスを通しての容積移送を用いる高剪断装置;4)例えば、コロイドミル、ホモミックラインミル、IKA、またはBematekなどの、ローターおよびステーター構造を使用する高剪断装置;5)単軸または二軸のスクリューを有する連続配合機;6)例えば、Turello mixerなどの、内部インペラーまたはローター/ステーター装置を有する缶交換式混合機;および7)例えば、Hausehild高速混合機などの遠心混合機が含まれる。混合装置の組合せもまた利益をもたらす。例えば、インペラーを有する容器は、高剪断装置に接続することができる。
【0058】
混合装置の選択は、乳化させる内部相の種類に基づく。例えば、低粘度内部相は、オリフィスを通しての容積移送を用いる高速剪断装置を使用して乳化することができる。しかしながら、高粘度内部相の場合は、ローター/ステーター装置、2軸配合機または缶交換混合機が、しばしばより良い選択である。加えて、親水基を含む内部相は、しばしば乳化するのが容易であるので、インペラーの付いた単純な容器構成で十分なこともある。
【0059】
サッカリド-シロキサンコポリマーの粘度は、シロキサン部分の分子量、サッカリド単位の数、シロキサン当たりのサッカリド単位のモルパーセントなどの要因、ならびに温度および圧力などの外部条件に左右される。当業者は、さまざまな内部相粘度が、サッカリド-シロキサンコポリマーのブレンド中の溶媒または溶媒混合物に対する割合を変化させることで達成されうることを認めるであろう。
【0060】
エマルション調製における最も望ましい成分添加の順序は、経験的に決定される。例えば、濃厚な相の乳化のための添加の望ましい順序に関しては、(a)サッカリド-シロキサンコポリマーを、溶媒または溶媒ブレンド中で所望の粘度に可溶化する;(b)界面活性剤をブレンドする;(c)剪断をかけながら、濃厚な相のエマルションが形成されるまで徐々に水を加える;(d)剪断をかけながら、水で所望の濃度まで希釈する、であることができる。高剪断をかけての「予備混合物(プレミックス)」のための所望の添加の順序は、(a)インペラーを備えた構成の容器に、全ての水を加える;(b)少なくとも1つの界面活性剤を水とブレンドする;(c)サッカリド-シロキサンコポリマー相をその水にゆっくりと加え、粗エマルションを作る;(d)所望する粒径が実現するまで、粗エマルションを、高剪断装置を通してかける、であることができる。
【0061】
非イオン性界面活性剤がエマルションを作るのに適しており、これには、アルキルエトキシレート、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、グリセリルエステル、およびこれらの混合物が含まれる。陽イオン性、両性、および/またはアニオン性界面活性剤もまた適しており、典型的には非イオン性界面活性剤に加えて添加される。特定の実施形態において、エマルションは少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含んでおり、別の特定の実施形態においては、エマルションは少なくとも1つの陽イオン性界面活性剤と少なくとも1つの非イオン性界面活性剤とを含んでいる。
【0062】
表面処理組成物の一実施形態において、サッカリド-シロキサンは、エマルションの形態で組成物に供給され、エマルションは、重量パーセントでエマルションの約5%〜約95%のサッカリド-シロキサンを含み、組成物は、重量パーセントで組成物の約0.01〜約25%のサッカリド-シロキサンを含む。より特定の実施形態においては、エマルションは、重量パーセントでエマルションの約10%〜約60%のサッカリド-シロキサンを含み、組成物は、重量パーセントで組成物の約0.2%〜約10%のサッカリド-シロキサンを含む。さらにより特定の実施形態において、溶液は、重量パーセントで溶液の約20%〜約40%のサッカリド-シロキサンを含み、重量パーセントで組成物の約0.5%〜約2%のサッカリド-シロキサンを含む。
【0063】
さらなる実施形態は、式で上に開示した少なくとも1つのサッカリド-シロキサンコポリマーを含んだ内部相を含むエマルションを目的とする。この実施形態においては、内部相の分散は界面活性剤によって維持され、連続相は水である。エマルションは、特定の表面処理用途に適した活性物質濃度をもたらすために、水によってさらに希釈することもできる。
【0064】
さらなる実施形態は、上記エマルションを調製する方法を提供する。特定の目的の用途のために望ましい性質を有するエマルションを実現するために、さまざまな程度の撹拌を使用することもできる。さらに特定の実施形態において、エマルション重合が用いられ、これによってサッカリド-シロキサンモノマーが、エマルションの各ミセル内で、より高い分子量のポリマーに重合される。
【0065】
一実施形態において、上記表面は布帛であり、表面処理組成物は布帛処理組成物として使用可能である。特定の実施形態において、布帛処理組成物は、洗濯洗剤添加物、予備洗濯処理、リンス添加処理、洗濯後処理、浸漬処理、すすぎ処理、スプレー処理、または乾燥処理の配合物として提供される。
【0066】
同様に、本発明の範囲内として考えられるのは、表面処理組成物を含む表面ケア製品である。特定の実施形態は、本発明に従って配合された布帛処理組成物を含む布帛ケア製品を提供する。より特定の実施形態においては、布帛ケア製品は、洗剤、洗剤補助剤、リンス、リンス補助剤、洗浄前浸漬液、洗浄後浸漬液、スプレー、またはドライヤーシートとして提供される。本明細書で使用する場合、「ドライヤーシート」という用語は、本組成物を含浸でき且つ従来の洗濯プロセスの乾燥サイクルに加えられうる、織ったおよび不織の基材を包含することを意味し、洗濯プロセスは、予備洗浄、洗浄、すすぎ、および乾燥サイクルを含むこともできる。典型的には、乾燥サイクルは「乾燥機」内で行われ、乾燥機は、洗濯した衣類を回転と空気循環のある組合せによって空気乾燥するように設計されている。ドライヤーシートは、湿式でも乾式で調製されたドライヤーシートであってよく、一般的には使用後に廃棄される。
【0067】
布帛ケア製品が、布帛に対する、しわの減少、しわの防止、しわの除去、布帛の柔軟化、布帛の感触の向上、衣類形状の保持、弾力性、アイロンがけの容易さ、色の保持、耐磨耗性、抗けば立ち、乾燥時間の短縮、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される1つまたは複数の利益をもたらす実施形態も提供される。特定の実施形態において、本布帛ケア製品は、リンス補助剤(添加剤)の形態で提供され、ここでリンス補助剤は、すすぎサイクルで布帛に供給される。別の特定の実施形態においては、布帛ケア製品は、洗剤の形態で提供される。布帛ケア製品の目的とする使用が、洗浄またはすすぎサイクルのいずれかである場合、本布帛ケア製品は、液体または可溶性固体として提供することもできる。
【0068】
洗剤製品として配合された表面処理組成物は、陰イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの界面活性剤を1つの必須成分として含んでいる。本来、例えば、(1)「Surfactant Science Series」、Vol.7、W.M.Linfield編、Marcel Dekker、ならびに(2)「Surface-Active Agents & Detergents」、Volumes IおよびII、Schwatz、PerryおよびBerchにおいて開示されているような、洗剤組成物の技術分野において知られている任意の界面活性剤を用いることができる。この成分の適切なレベルは、組成物の重量の1.0%〜80%、好ましくは5.0%〜65%、より好ましくは10%〜50%の範囲である。
【0069】
洗剤としては、本表面処理組成物による実施形態は、供給方法に関係なく、粉末洗剤、錠剤洗剤、液体洗剤、ならびにソフタージェント(softergent)として配合してよい。
【0070】
布帛ケア洗剤製品の実施形態としては、サッカリド-シロキサンコポリマーは、重量で約0.01%〜約30%の洗剤を含み、布帛処理組成物はさらに重量で約2.0%〜約80%の界面活性剤システムを含む。特定の実施形態においては、布帛処理組成物は、さらに液体キャリヤー;ビルダー;泡抑制剤;安定剤;香料;キレート剤;着色剤;乳白剤;酸化防止剤;殺菌剤;中和剤;緩衝剤;相制御剤;染料移り抑制剤;屈水剤(ハイドロトロープ剤);増粘剤;香料;漂白剤;漂白活性化剤;漂白触媒;蛍光増白剤;汚れ落とし活性剤;光活性剤;保存料;殺生物剤;防カビ剤;カラースペックル;カラービーズ;球(sphere)または押出し物(extrudate);サンスクリーン剤;フッ素化化合物;真珠光沢剤;発光剤または化学発光剤;腐食防止および/または電気製品保護剤;アルカリ源または他のpH調節剤;可溶化剤;加工助剤;顔料;フリーラジカルスカベンジャー;pH調整剤;およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。
【0071】
また本発明の実施形態は、表面処理組成物を含む製品を対象とする。一般的に、物品は組成物を分配するように設計されている。一実施形態において、製品は、噴霧ディスペンサーを含んでいる。特定の実施形態は、トリガー噴霧ディスペンサーを目的としている。別の実施形態は、非手動操作の噴霧器を提供する。さらなる物品実施形態は湿式および乾式ドライヤーシートを対象とし、特定の実施形態は乾式ドライヤーシートを提供する。一物品実施形態は、表面処理組成物を含浸させた使い捨てワイプ(disposable wipe)を対象とする。消費者は、処理が必要な表面にワイプ適用してワイプを使用できる。ワイプは、ウェットタイプであってよく、消費者が適用する前に湿らせる必要があるドライタイプであってもよい。ある表面に対しては、表面処理組成物を含浸させたクリーニングパッドまたは研磨パッドが望ましい場合がある。消費者が、不便な場所に置かれた表面に容易に届きうるか、または組成物を直接取り扱うことなく、処理する必要のある表面に処理組成物を適用できるように、モップハンドルなどのハンドルに取り付けたクリーニングパッドがさらに考えられる。
【0072】
方法の実施形態も同様に提供される。1つのそのような実施形態は、表面処理組成物の有効量を表面に塗布することを含む表面の処理方法を目的とする。表面をスポンジ、布、セルロース糸、セルロース片、紙、紙タオル、ウェットタイプのふき取りラミネートおよび吸収剤の使い捨てクリーニングパッドからなる群から選択されるクリーニングツールと表面と接触させることによって、表面を拭うステップを含む、表面をクリーニングする方法も提供される。別の実施形態は、本発明の布帛処理組成物の有効量を塗布することを含む、布帛の処理方法を提供する。
【0073】
特定の一実施形態において、布帛上のしわを阻止または低減する方法が提供され、これは噴霧ディスペンサーを使用して有効量の布帛処理組成物を布帛上に噴霧することを含む。より特定の実施形態において、噴霧ディスペンサーはトリガー噴霧ディスペンサーであり、一方、他の特定の実施形態においては、噴霧ディスペンサーは非手動操作の噴霧器である。非常に特定の実施形態において、非手動操作の噴霧器は、動力付き噴霧器、空気吸込み式噴霧器、液体吸込み式噴霧器、静電式噴霧器、およびネブライザー噴霧器からなる群から選択される。
【0074】
別の実施形態は、洗濯サイクル中に、布帛に対して布帛の柔軟化および/または防しわ性の利益をもたらす方法を目的とし、ここで洗濯サイクルは、洗浄、すすぎ、または乾燥サイクルであってよい。この方法は、(a)布帛を、洗濯サイクル中に、本発明の実施形態に従って配合した布帛処理組成物と接触させるステップを含む。
【0075】
追加の実施形態は、洗濯物に対して布帛の柔軟化および/または防しわ性利益をもたらすために、ドライヤーシートを使用する方法を含む。この方法は、空気乾燥機と、湿ったまたは乾燥したしわの寄った洗濯物のある量を用意するステップと;しわの寄った洗濯物を空気乾燥機内に置くステップと;空気乾燥機内に1枚のドライヤーシートを置くステップと;空気乾燥機を、柔軟化および/または防しわ性の利益をもたらすのに十分な時間作動させるステップと;洗濯物とドライヤーシートを空気乾燥機から取り出すステップと;ドライヤーシートを廃棄するステップとを含む。柔軟化および/または防しわ性の利益を必要としている洗濯物は、現に洗濯プロセスを受けている洗濯物に限定されるものではない。空気乾燥機とドライヤーシートとの組合せは、柔軟化および/または防しわ性の利益を必要とする、湿ったまたは乾燥した、任意の布帛の柔軟化および/またはしわの低減のために使用してよい。
【0076】
別の実施形態は、洗濯プロセスを受けている布帛の乾燥時間を短縮し、かつ帯電防止、抗けば立ち、および/または耐磨耗性の利益を布帛にもたらす方法を提供する。この方法は、洗濯プロセスの前またはその間に、布帛を布帛処理組成物と接触させることを含む。
【0077】
本組成物および適用の特定の実施形態を以下の実施例に示す。これら実施例は、単に例示目的のものであり、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を制限すると解釈してはならない。本発明の範囲内の他の変形形態および実施形態が、表面処理技術の当業者に容易に明らかとなろう。
【0078】
(実施例)
以下の実施例は、幾つかのデリバリー形態におけるサッカリド-シロキサンコポリマー成分の調製方法、およびそれによって合成された特定のサッカリド-シロキサンコポリマーを提供する。勿論、代替合成方法、および本発明の実施形態に従って合成し且つ適切に使用されうる広範囲のサッカリド-シロキサンコポリマーがあることは、当技術分野の当業者によって、容易に認識されよう。追加の実施例は、特定の家庭用ケア製品の態様を目的としており、これは事実上、例示である。典型的実施例の特異性は便宜的なものであり、制限するものと解釈してはならない。
【0079】
(実施例1)
〔適切なサッカリド-シロキサンコポリマーの調製〕
この実施例は、家庭用ケア組成物としての実施形態において適切に使用することができるサッカリド-シロキサンコポリマー、並びにその関連する方法および用途を例示する。典型的サッカリドシロキサンの成分を表1に示す。典型的で適切なシロキサンの性質を表2に示す。
【0080】
【表1】

【0081】
【表2】

【0082】
a) A12-GL
DMS-A12(Gelest Inc., Morrisville, Pa.製)(20〜30cstの、アミノプロピル基で末端ブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン)を、グルコノラクトン(GL)(Sigma-Aldrich, St. Louis, Mo.製)と、1:1のアミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質は固体である。
【0083】
b) A21-GL
DMS-A21(Gelest Inc., Morrisville, Pa.製) (100〜120cstの、アミノプロピル基で末端ブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン)を、グルコノラクトン(GL)(Sigma-Aldrich, St. Louis, Mo.製)と、1:1のアミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質は、ワックス様の固体である。
【0084】
c) A32-GL
DMS-A32(Gelest Inc., Morrisville, Pa.製)(2000cstの、アミノプロピル基で末端ブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン)を、グルコノラクトン(GL)(Sigma-Aldrich, St. Louis, Mo.製)と、1:1のアミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質は、ゴム様の稠度を有している。
【0085】
d) 8175-GL
DC(登録商標)Q2-8175 Fluid (Dow Corning Corp., Midland, MI製)(150-400cstの、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約2.3モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン)を、グルコノラクトンと、1:1の第1級アミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質は、ゴム様の稠度を有している。
【0086】
e) 8211-GL
DC(登録商標)2-8211 Polymer (Dow Corning Corp., Midland, Ml製)(1000cstの、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約1.9モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン)を、グルコノラクトンと、1:1の第1級アミン:ラクトンの化学量論において、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質は、ゴム様の粘ちょう性を有している。
【0087】
f) 8175/A12-GL
DC(登録商標) Q2-8175 Fluid (Dow Corning Corp., Midland, MI製)(150〜400cstの、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約2.3モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン)とDMS-A12を、1:1の溶液重量で一緒に混合する。この混合物をGLと、1:1の第1級アミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質は、ワックス様の物質である。
【0088】
g) A12-LBL
DMS-A12 (Gelest Inc., Morrisville, Pa.製)(20〜30cstの、アミノプロピル基で末端ブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン)を、ラクトビオノラクトン(LBL)(ラクトビオン酸から調製、Sigma-Aldrich, St. Louis, Mo.製)と、1:1のアミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質は固体である。
【0089】
h) A21-LBL
DMS-A12 (Gelest Inc., Morrisville, Pa.製)(100〜320cstの、アミノプロピル基で末端ブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン)を、ラクトビオノラクトン(LBL)(ラクトビオン酸から調製、Sigma-Aldrich, St. Louis, Mo.製)と、1:1のアミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質はワックス様である。
【0090】
i) A32-LBL
DMS-A32 (Gelest Inc., Morrisville, Pa.製)(2000cstの、アミノプロピル基で末端ブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン)を、ラクトビオノラクトン(LBL)(ラクトビオン酸から調製、Sigma-Aldrich, St. Louis, Mo.製)と、1:1のアミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質はワックス様である。
【0091】
j) 8175-LBL
DC (登録商標)Q2-8175 Fluid (Dow Corning Corp., Midland, MI製)(150〜400cstの、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約2.3モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン)を、ラクトビオノラクトン(LBL)(ラクトビオン酸から調製、Sigma-Aldrich, St. Louis, Mo.製)と、1:1の第1級アミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質は、ワックス様である。
【0092】
k) 8211-LBL
DC(登録商標) 2-8211 Polymer (Dow Corning Corp., Midland, MI製)(1000cstの、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約1.9モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン)を、ラクトビオノラクトン(LBL)(ラクトビオン酸から調製、Sigma-Aldrich, St. Louis, Mo.製)と、1:1の第1級アミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質は、ゴムのような粉末である。
【0093】
l) 8175/A12-LBL
DC(登録商標) Q2-8175 Fluid (Dow Corning Corp., Midland, MI製)(150〜400cstの、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約2.3モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン)およびDMS-A12 (Gelest Inc., Morrisville, Pa.製)(20〜30cstの、アミノプロピル基で末端ブロックされたテレケリックポリジメチルシロキサン)を、1:1の溶液重量で一緒に混合する。この混合物をLBLと、1:1の第1級アミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質は、ワックス様である。
【0094】
m) 8175-GL-GTMAC
上記で調製した8175-GLを、2-プロパノール中で50%のコポリマーに希釈する。この溶液の194gを、凝縮器、温度調節器、および電磁式かく拌器を備えている窒素パージした500mLの丸底三つ口フラスコに入れる。5.91gの(2,3-エポキシプロピル)トリエチルアンモニウムクロリド(Fluka、Buchs、スイス製)を撹拌しながら添加する。反応を、50℃で4時間維持する。この溶液の50gをロータリーエバポレーターに入れ、80%の固形分の溶液が残るまで溶媒を除去する。
【0095】
n) 8175-GL-2X
DC(登録商標) Q2-8175 Fluid (Dow Corning Corp., Midland, MI製)(150〜400cstの、ペンダントアミノエチルアミノイソブチル基(約2.3モルパーセント)を有するポリジメチルシロキサン)を、グルコノラクトンと、1:1の第1級アミン:ラクトン、および第1:1の2級アミン:ラクトンの化学量論で、メタノール中50℃で反応させる。反応が完了したら、メタノールをロータリーエバポレーターで除去する。得られた物質は、粉末様のコンシステンシーを有する。
【0096】
(実施例2)
サッカリド-シロキサンコポリマーのデリバリーのための分散物調製
この実施例は、溶液およびエマルションを含む、実施例1で調製したサッカリド-シロキサンコポリマーの分散物について例示する。以下に開示する家庭用ケア用途実施形態の実施例の多くのために、サッカリド-シロキサンコポリマーのデリバリーは、最終配合物中への組み込みを容易にするために、キャリヤー媒体中に固体形態のコポリマーを分散することによって達成される。「サッカリド-シロキサン」という場合、この物質は固体形状よりはむしろ、重量パーセントで20%のサッカリド-シロキサンの固体を含む溶液として組み込まれる。
【0097】
(i) 溶液の調製
水溶液は、表3に示す重量パーセントのサッカリド-シロキサン固体および水を密閉容器に入れ、この容器を次いで固体が完全に溶解するまで回転させる(約2〜4時間)。非水性分散物については、サッカリド-シロキサン固体をシクロペンタシロキサンと共にループ状密閉容器に入れ、恒温槽を使用して70℃に加熱する。周期的撹拌を、分散物に任意の数の方法(例えば、ライトニングミキサー(lightning mixer)、歯科用混合機、および回転、振動などの同様の高剪断装置の使用)によって与える。溶液に完全に組み込むために必要な時間の長さは、特定のサッカリド-シロキサンの溶解度に応じて2時間から10時間まで変動する。
【0098】
表4のデータによって示されるように、サッカリド-シロキサン(LBLおよびGL両方の形態)は、シロキサンのための有効な増粘剤であることを証明している。また表4は、測定することのできる場合の、増粘された環式分散物の粘度を記載している。
【0099】
サッカリド-シロキサン希釈物は、エマルション形態の配合物へ組み込むこともできる。エマルションは粘度が低く且つ取扱いが容易なため、水ベースの配合物中への組込みが一層容易であるため、しばしば用いられる。
【0100】
【表3】

【0101】
【表4】

【0102】
(ii) エマルションの調製
j. 非イオン性界面活性剤を用いた8175-GL-GTMAC陽イオン性シュガーシロキサンエマルション
実施例1mに従って調製した溶液22g、0.9gのTergitol 15-S-3、および2.6gのTergitol 15-S-40非イオン性界面活性剤を使い捨てカップに入れて、遠心混合機(Hauschild Speedmixer, Landrum SC製)で混合する。1gの水を追加し、ゲルが形成されるまで混合する。4〜10gの追加の水を加えて混合し、得られたエマルションを希釈する。最終エマルションは、24%のコポリマーを含んでいる。粒径をNicomp 370(Particle Sizing Systems, Santa Barbara, CA)を使用して測定する。容積測定粒径中央値は、135ナノメートルである。
【0103】
k. 陽イオン性界面活性剤を用いた8175-GL-GTMAC陽イオン性サッカリドシロキサンエマルション
実施例1mに従って調製した溶液50gをロータリーエバポレーターに入れ、80%固形分の溶液が残るまで溶媒を除去する。40gのこの溶液、2.5gの2-プロパノール、および11.72gのArquad 16-29 陽イオン性界面活性剤(Akzo Nobel, Amersfoort, オランダ製)を使い捨てカップに入れて、遠心混合機(Hauschild Speedmixer, Landrum SC製)で混合する。2gの水を追加し、ゲルが形成されるまで混合する。4〜5gの追加の水を加えて混合し、得られたエマルションを希釈する。最終のエマルションは、40%のコポリマーを含んでいる。粒径をNicomp 370(Particle Sizing Systems, Santa Barbara, CA製)を使用して測定する。容積測定粒径中央値は、211ナノメートルである。
【0104】
l. 陽イオン性界面活性剤を用いたA32-GL-サッカリドシロキサンエマルション
30gのA32-GLシュガーシロキサン(上に説明した)を、Isopar G (ExxonMobil Chemical製)と2-プロパノールの重量で90/10の溶液で、75%コポリマー濃度が達成されるまで希釈する。この希釈は、溶媒を逐次追加し、その後Hauschild Speedmixer(商標)遠心混合機(Flacktek, Inc. Landrum, SC製)上で均質になるまで混合することによって達成される。1.6gのTergitol 15-S-3 (Dow Chemical Co., Midland, MI製)を、サッカリド-シロキサン溶液に混合する。次いで、11.1gのArquad 16-29 (Akzo Nobel Surface Chemistry LLC, Chicago, IL製)を加え、乳化するまで混合する。その後、透明なゲルが形成されるまで混合する。追加の水を加えて50%の内部相濃度が達成されるまで混合する。Nicomp 370 (Particle Sizing Systems, Inc. Santa Barbara, CA製)で測定した容積粒径中央値は、277nmである。
【0105】
m. 非イオン性界面活性剤を用いたA32-GLシュガーシロキサンエマルション
25gのA32-GLシュガーシロキサン(上に説明した)を、Isopar G (ExxonMobil Chemical製)と2-プロパノールの重量で90/10の溶液で、75%コポリマー濃度が達成されるまで希釈する。この希釈は、溶媒を逐次追加し、その後Hauschild Speedmixer(商標)遠心混合機(Flacktek, Inc. Landrum, SC製)で均質になるまで混合することによって達成される。1gのTergitol 15-S-3 (Dow Chemical Co., Midland, MI製)を、サッカリド-シロキサン溶液に混合する。次いで3gのTergitol 15-S-40(70%)(Dow Chemical Co., Midland, MI製)および3gの脱イオン水を加えて、乳化するまで混合する。その後透明なゲルが形成されるまで混合する。さらに水を加えて40%の内部相濃度が達成されるまで混合する。Nicomp 370 (Particle Sizing Systems, Inc. Santa Barbara, CA製)で測定した容積式粒径中央値は、537nmである。
【0106】
n. 非イオン性界面活性剤を用いたA32-LBLシュガーシロキサンエマルション
2gのTergitol 15-S-3 (Dow Chemical Co., Midland, ME製)を、51gのA32-LBLサッカリド-シロキサン溶液(Isopar G (ExxonMobil Chemical製)と2-プロパノールの重量で90/10中の44%サッカリド-シロキサン)に混合した。次いで16.4gのTergitol 15-S-40 (70%) (Dow Chemical Co., Midland, Ml)および2.1gの脱イオン水を加えて、乳化するまで混合する。その後、透明なゲルが形成されるまで混合する。追加の水を加えて45%の内部相濃度が達成されるまで混合する。Nicomp 370 (Particle Sizing Systems, Inc. Santa Barbara, CA製)で測定した容積粒径中央値は692nmである。
【0107】
o. 陽イオン性界面活性剤を用いたA32-GLシュガーシロキサンエマルション
15gのA32-GL、30gのDC245および2gのイソプロパノールを、磁気式撹拌機を用いて4時間撹拌する。15gのこのA32-GL/DC 245/イソプロパノールブレンドに0.58gのservamine KW 50を加え、歯科用混合機で20秒間混合する。次いで、4gのservamine KAC 458を加え20秒間混合する。9.2gの水を段階的に加え、各段階の間に20秒間混合する。最後に0.1gのProxel BD20を加えて、20秒間ホモジナイズする。
【0108】
p. 陽イオン性界面活性剤を用いたA32-LBLシュガーシロキサンエマルション
15gのA32-LBL、30gのDC245、および2gのイソプロパノールを、磁気式撹拌機を用いて4時間混合する。15.36gのこのA32-LBL/DC245/イソプロパノールブレンドに0.58gのservamine KW 50を加え、歯科用混合機で20秒間混合する。次いで、4gのservamine KAC 458を加え20秒間混合する。9gの水を段階的に加え、各段階の間に20秒間混合する。最後に0.1gのProxel BD20を加えて、20秒間均質化する。
【0109】
q. 陽イオン性界面活性剤を用いたA21-LBLシュガーシロキサンエマルション
15gのA21-LBL、30gのDC245、および2gのイソプロパノールを、磁気式撹拌機を用いて4時間混合する。23.2gのこのA21-LBL/DC245/イソプロパノールブレンドに0.84gのservamine KW 50を加え、歯科用混合機で20秒間混合する。次いで、6.6gのservamine KAC 458を加え20秒間混合する。14gの水を段階的に加え、各段階の間に20秒間混合する。最後に0.1gのProxel BD20を加えて、20秒間ホモジナイズする。
【0110】
r. 8211-GLシュガーシロキサンエマルション
実施例1eのとおりに調製した8211-GLを、Isopar G (ExxonMobil Chemical製)と2-プロパノールの90/10(重量/重量)混合物を用いて50%固形分の溶液へと希釈する。この溶液100部に対して、2.9部のTergitol 15-S-3 (Dow Chemical Co., Midland, MI製)、8.8部のTergitol 15-S-40 (70%)(活性物質として)(Dow Chemical Co., Midland, MI製)、および13部の脱イオン水を加え乳化するまで混合する。その後、透明なゲルが形成されるまで混合を続ける。追加の水を加え、50%の内部相濃度が達成されるまで混合する。Nicomp 370 (Particle Sizing Systems, Inc. Santa Barbara, CA製)を用いて測定した容積粒径中央値は、1.4ミクロンである。
【0111】
s. 8211-LBLシュガーシロキサンエマルション
実施例lkのとおりに調製した8211-LBLを、Isopar G (ExxonMobil Chemical製)と2-プロパノールの90/10 (重量/重量)混合物を使用して、20%固形分の溶液へと希釈する。この溶液100部に対して、2.8部のTergitol 15-S-3 (Dow Chemical Co., Midland, MI製)、7.1部のTergitol 15-5-40 (70%)(活性物質として)(Dow Chemical Co., Midland, MI製)および5.1部の脱イオン水を加え、乳化するまで混合する。その後、透明なゲルが形成されるまで混合を続ける。追加の水を加え、62%の内部相濃度が達成されるまで混合する。Nicomp 370 (Particle Sizing Systems, Inc. Santa Barbara, CA製)を用いて測定した容積粒径中央値は、158ミクロンである。
【0112】
t. 8175-GLシュガーシロキサンエマルション
実施例1dのとおりに調製した8175-GLを、Isopar G (ExxonMobil Chemical製)と2-プロパノールの90/10 (重量/重量)混合物を使用して、75%固形分の溶液へと希釈する。この溶液100部に対して、2.9部のTergitol 15-S-3 (Dow Chemical Co., Midland, MI製)、6.3部のTergitol 15-5-40 (70%)(活性物質として)(Dow Chemical Co., Midland, MI製)および7.9部の脱イオン水を加え、乳化するまで混合する。その後、透明なゲルが形成されるまで混合を続ける。追加の水を加え、26.7 %の内部相濃度が達成されるまで混合する。Nicomp 370 (Particle Sizing Systems, Inc. Santa Barbara, CA製)を用いて測定した容積粒径中央値は、556ミクロンである。
【0113】
u. 8175-GL-2Xシュガーシロキサンエマルション
実施例1nのとおりに調製した8175-GL-2Xを、Isopar G (ExxonMobil Chemical製)と2-プロパノールの90/10 (重量/重量)混合物を使用して、54.3%固形分の溶液へと希釈する。この溶液100部に対して、3.0部のTergitol 15-S-3 (Dow Chemical Co., Midland, MI製)、6.2部のTergitol 15-5-40 (70%)(活性物質として)(Dow Chemical Co., Midland, MI製)および8.0部の脱イオン水を加え、乳化するまで混合する。その後、透明なゲルが形成されるまで混合を続ける。追加の水を加え、36.8 %の内部相濃度が達成されるまで混合する。Nicomp 370 (Particle Sizing Systems, Inc. Santa Barbara, CA製)を用いて測定した容積粒径中央値は、405ミクロンである。
【0114】
v. 8175-GL-GTMACシュガーシロキサンエマルション
8175-GL-GTMACを2-プロパノール(IPA)中88%コポリマーであることを除いて実施例1mのとおりに調製する。この溶液100部に対して、3.2部のTergitol 15-S-3 (Dow Chemical Co., Midland, MI製)、6.2部のTergitol 15-5-40 (70%)(活性物質として)(Dow Chemical Co., Midland, MI製)および8.0部の脱イオン水を加え、乳化するまで混合する。その後、透明なゲルが形成されるまで混合を続ける。追加の水を加え、22.7%の内部相濃度が達成されるまで混合する。Nicomp 370 (Particle Sizing Systems, Inc. Santa Barbara, CA製)を用いて測定した容積粒径中央値は274ミクロンである。
【0115】
【表5】

【0116】
(実施例3)
防しわ性
この実施例は、しわ形成に対する布帛の抵抗を、布帛処理の関数として評価する。条件は実際の消費者の衣類のしわを模擬するように設計した。
【0117】
1)方法
本明細書において使用したしわ試験の原理は、NF G 07-125標準またはAATCC#128-1999から導かれたものである。
【0118】
木綿シーツに、「空シリンダー方法」を用いた標準的やり方でしわを作った。この方法は、軸の付いているシリンダー内部にシーツを入れて、750gの重量の荷重を布帛に1分間かける。4組の5枚の見本小片を含む、2.5kgの規格化した木綿シーツ(Krefeld ref. 10A)布帛装填材料は、ISO6630(2000)標準のサイクル5Aの下で最初に40℃で洗濯する。洗浄サイクルは、Wascator Form 71洗濯機中で硬水を用いて実施する。布帛処理は、最後のすすぎサイクルを通して、完全に配合した16%Tetranyl L1/90 TEA第四級アンモニウム塩ベースの布帛コンディショナー組成物を、すすぎ1回当たり35gの投入量でデリバリーする。洗浄後、布帛サンプルをライン乾燥し、3ドット(蒸気/木綿)に設定したスチームアイロンセットを用いてアイロンがけする。次いで、布帛サンプルは、上述のしわ付けを施す前に、湿度調節室において、20℃および65%R.H.において、最低12時間コンディショニングする。
【0119】
3人のパネリストが、ペアでの比較手順を使用してしわの程度により布帛サンプルを分類する。観察は、NF G 07-137-1に従って行う。「n」の異なる応答に基づき、NF V 09-012による最小有意差を決定するのに、「n」繰り返して2項分布を使用する。結果は、95%および99%信頼レベルで表す。
【0120】
2)結果
陽イオン性エマルションのA32-LBL分散物を、16%テトラニル(tetranyl)L1/90*エステルクワット(esterquat)ベースの布帛柔軟剤に、1%、3%、および5%のレベルで加え、同一の投与量ではあるが添加物を含まない同じ布帛柔軟剤と、他の全ての試験条件が同一の下で比較した。A32-LBL分散物配合物は;A32-LBL:15g;DC 245 Fluid:30g;IPA:2gのスペックを含む。上記分散物のエマルション配合物は、A32-LBL分散物:15g;Servamine KW50:0.65g、Servamine KAC 458:4g;脱イオン水:8g;Proxel BD 20:0.1gのスペックを含む。試験結果を表6に示す。
【0121】
【表6】

【0122】
1%配合物は、統計的に3%および5%配合物より優れており、また3%および5%配合物は参照配合物より優れている。本発明の防しわ配合物は、標準的柔軟剤処理と比較した場合、著しく改良されることを実証している。
【0123】
(実施例4)
速乾性の利益
この実施例は、洗濯機サイクルの最後の回転サイクルの間に、布帛からの水分の排出を促進する特定の布帛処理の能力を評価するように設計されたものである。
【0124】
1)方法:
布帛の製造中になされたシリコーン処理を除去し、洗濯物が特定の処理の前にシリコーンを含まないことを確実にするために、布帛の予備コンディショニング段階を実施する。
12枚の小型テリー織タオル(30x50cm)を、以下の条件で4回予備洗浄する。
- 予備洗浄1:Miele W377洗濯機−長プログラム−水の硬度:0°F-20gDash Power−温度;95℃−回転速度:600rpm;
- ブランク1:Miele W377−長プログラム−水の硬度:0°F−洗剤無し−温度;95℃−回転速度:600rpm;
- 予備洗浄2:予備洗浄1と同じ条件;
- ブランク2:ブランク1と同じ条件;
予備洗浄の後、タオルは回転式乾燥機で乾燥する。
【0125】
12枚の乾燥したタオルを、洗濯機の柔軟剤引出し中に置かれている柔軟剤に、サッカリドシロキサン組成物を加えて穏やかに混合することによって処理する。混合物は、25gの柔軟剤(7.5%Quat)を含んでいる。混合物は、最後のすすぎサイクルの水と共に洗濯ドラムに送られる。タオルの洗浄条件は以下の通りである。
Miele W377洗濯機
水の硬度:0°F
温度:40℃
回転速度:600RPM
洗剤:20gのDash powder
洗浄サイクル後の布帛中の残存水(パーセント)を、洗浄サイクル前後の布帛の洗濯物を秤量して測定し、次式により残存水のパーセント割合を計算した。
【0126】
【数1】

【0127】
2)結果
A21-LBL/DC245/イソプロパノールのエマルションを、3%のシリコーン含有量にて布帛柔軟剤に添加した。この配合物を、布帛の柔軟剤だけの場合と、水の場合と比較した。配合物は、洗浄サイクル中に適用し、水分保持を測定した。洗濯機中に適用した後の洗濯物の重量を測定した。
水 123.5±2.7%,
布帛柔軟剤単独 108.4±3.5%
布帛柔軟剤+サッカリドシロキサンエマルション 98±2.4%
これらの値は、サッカリド-シロキサンの添加が、乾燥を著しく向上させることを示している。
【0128】
(実施例5)
柔軟性の利益
本実施例は、洗浄サイクル後の乾燥布帛(特にタオル)の柔軟性を評価および比較するために設計した。
【0129】
1)方法
布帛は、布帛の製造中になされたシリコーン処理を除去し、洗濯物が、本発明の化合物を用いる特定の処理の前にシリコーンを含まないことを確実にするために、予備コンディショニングを実施する。洗濯物は、5枚の新しい枕カバーと4枚の小型テリー織タオル(30x50cm) = 1.0kgである。この洗濯物を、以下の条件で4回洗濯する。
- 予備洗浄1:Miele W377洗濯機−長プログラム−水の硬度:0°F−20gDash Power−温度:95℃−回転速度:600rpm;
- ブランク1:Miele W377−長プログラム−水の硬度:0°F−洗剤無し−温度:95℃−回転速度:600rpm;
- 予備洗浄2:予備洗浄1と同じ条件;
- ブランク2:ブランク1と同じ条件;
予備コンディショニングの完全なサイクルは、同じ種類の洗濯機(W377)を使用して標準化する。時間を節約する手段として、3個の洗濯物を同じ洗濯機で同時に予備洗浄することもできる。ここで全洗濯物は3.0kgであり、粉末の量は60gに調節する。布帛は、同時に、2または3台の別個の洗濯機で平行してした2または3の処理を行なう。常に1つの参照処理および1または2の試験処理が行われる。異なる処理が行なわれた全ての布帛は、同時に室温でライン乾燥して、温度および相対湿度を制御し、標準化された比較を可能にする。洗濯条件は以下の通りである。
Miele W377洗濯機
洗濯物:5枚の枕カバーおよび4枚の小型テリー織タオル(30x50cm)=1kg
温度:40℃
回転速度:600RPM
洗剤:20gのDash powder
柔軟剤:KAOのtetranyl L1/90柔軟剤ベース、16%活性物質+開示した量の評価物質
洗濯機は、各処理の後、洗濯物無しで95℃での洗浄サイクルを行うことによって洗浄する。柔軟剤で処理する場合は、柔軟剤の引出しは、洗浄サイクルを行う前に水を使用して手動で洗浄し、洗濯機をきれいにする。
【0130】
〔パネル試験の評価方法〕
以下の質問を16人の審査員に対して出す。1枚のテリー織タオルを4人の審査員のために用い、その後別のタオルに置き換える。
・「どちらのタオルが柔らかいか?」
・「第1の布帛を基準として、1〜10の尺度で5をつけた場合、10が非常に柔らかく円滑であることを意味することを考慮すると、あなたは他の布帛をどのように評価付けするか?」
比較試験は、2項分布を有する結果を生ずると仮定し、異なる信頼性レベルで計算された最小有意差は、以下の「理解しやすい」格付けに置き換えられる。
99%信頼レベル -> 「++++」
95%信頼レベル -> 「+++」
90%信頼レベル -> 「++」
80%信頼レベル -> 「+」
60%信頼レベル -> 「=」
<60%信頼レベル -> 「-」
【0131】
2)結果
数値結果は、平均結果および結果の有意性を計算するために、片側t検定を使用して解析する。
1.5%のA32-LBLを布帛柔軟剤に加えて、すすぎにおいて適用した。16人のパネリスト中、15人がシュガーシロキサンエマルションをより柔らかいほうとして選択した。
1.5%のA32-GLを布帛柔軟剤に加えて、すすぎにおいて適用した。16人のパネリスト中、14人がシュガーシロキサンエマルションをより柔らかいほうとして選択した。
【0132】
(実施例6)
〔サッカリド-シロキサンのエマルションによるティッシュの処理〕
表7に記載するとおりの2種類のサッカリドシクロキサンエマルションを調製する。1重のスコットティッシュを、表8に示す条件でグラビア塗工機を使用し、2度塗り重量においてこれらのエマルションでコーティングする。
【0133】
【表7】

【0134】
【表8】

【0135】
特定の量のティッシュを水中に入れ、完全なウェットアウトが達成される時間を記録する。以下の表9にまとめた結果は、8175-GL-GTMACが50℃における熟成後もまだウェットアウトであり、ティッシュの親水性柔軟剤としての可能性を示している。
【0136】
【表9】

【0137】
(実施例7)
〔サッカリド-シロキサンの分散物によるティッシュの処理〕
サッカリドシロキサン8175-GL、8175-GL-GTMAC、および50/50のIPA/ヘプタン中のDow Corning (登録商標)2-8175の25%分散物を調製する。これらの溶液を、グラビア塗工機を使用して1重のスコッチティッシュにコーティングする。特定の量のティッシュを水中に入れ、完全なウェットアウトが達成される時間を記録する。以下の表10にまとめた結果は、8175-GL-GTMACが50℃における熟成後もまだウェットアウトであり、ティッシュの親水性柔軟剤としての可能性を示している。8175-GLおよび8175-GL-GTMACの両方とも、柔軟性に関して、Dow Corning(登録商標)2-8175対照品よりも高く格付けされる。
【0138】
【表10】

【0139】
(実施例8)
〔木材着色添加物〕
以下の実施例は、木材着色配合物が、サッカリド-シロキサンコポリマー、またはサッカリドシロキサンコポリマーとホウ酸架橋剤を含む場合、疎水性が改良されることを実証している。
【0140】
上記実施例3rおよび3sのとおりに調製した2種類のエマルションを、得られる組成物が3%のサッカリドシロキサンを含むように木材着色配合物に加える。これらは、以下の表11において、8211-LBL XLおよび8211-GL XLとして示されている。同じ配合が繰り返されるが、今回だけは、3%サッカリドシロキサンに加えて、ホウ酸を100部サッカリドシロキサン当たり2部のレベルで添加する。これらは、以下の表11において、8211-LBLおよび8211-GL XLとして示されている。第5の配合物は、市販の水ベースの木材の撥水剤である、Dow Coming(登録商標)2-9034(シロキサンモノマー、シロキサンポリマー、および有機ポリマーの有機シリコーンエマルション)を使用して調製した。
【0141】
最終の木材着色配合物は、3%の活性成分2-9034を含んでいる。松の板を配合物でコーティングして乾燥させる。膨潤計試験を実施して水排除パーセントおよび撥水パーセントを測定する。試験後、サンプルを乾燥し、次いで50℃において4時間の340nmUV光サイクルおよび続く60℃における4時間結露のサイクルに、500時間暴露する。次いで、基材上に置いた0.1mLの水滴を観察することによって、木材が水を球にする能力を評価する。未処理の木材は、球を作らない。結果を表11にまとめる。
【0142】
【表11】

【0143】
これらの結果は、サッカリドシロキサンが木材の撥水剤として有効であり、ホウ酸架橋剤が存在することによって、プレミアム木材撥水剤の性能に合致しうることを実証している。
【0144】
(実施例9)
〔サッカリド-シロキサンの分散物による布の処理〕
選択したサッカリドシロキサンおよび基準シロキサンを、示された溶媒中へ10%固形分で分散させる。これらの溶液を、0.5%レベルで木綿布上にたんぽによって付着させ、150℃で3分間乾燥させる。結果を表12にまとめる。
【0145】
【表12】

【0146】
これらの結果は、風合い、吸収性、撥水性および白色度における、優れた改良を実証している。
【0147】
(実施例10)
〔サッカリド-シロキサンのエマルションを用いた硬質表面クリーナー〕
[エマルションの調製]
14.6gのA21-LBL、49.5gのDC245および2gのイソプロパノールを、磁気式撹拌機を用いて4時間混合する。このA21-LBL/DC245/イソプロパノールブレンドの23.08gに、0.82gのservamine KW50を添加し、歯科用混合機で20秒間混合する。次いで6.57gのservamine KAC458を添加し、20秒間混合する。14.31gの水を段階的に加え、各段階の間に20秒間混合する。最後に、0.1gのProxel BD20を加えて、20秒間ホモジナイズする。
【0148】
[硬質表面クリーナー]
硬質表面クリーナーは、8gのA21-LBLエマルションを、40.3gの「CIF活性ゲル」(市販の硬質表面クリーナー)に添加して、穏やかに5分間撹拌することによって調製する。
【0149】
(実施例11)
〔サッカリド-シロキサンのエマルションを有する食器洗いクリーナー〕
[エマルション]
14.6gのA21-LBL、49.5gのDC245、および2gのイソプロパノールを、磁気式撹拌機を用いて4時間混合する。このA21-LBL/DC245/イソプロパノールブレンドの23.08gに、0.82gのservamineKW50を加えて、歯科用混合機で20秒間混合する。6.57gのservamine KAC 458を次に添加して、20秒間混合する。14.31gの水を段階的に加え、各段階の間に20秒間混合する。最後に、0.1gのProxel BD20を加えて、20秒間ホモジナイズする。
【0150】
[食器洗い]
9.9gのA21-LBLエマルションを、49.9gの「Sun Liquigel」(市販の食器洗いクリーナー)に加えて5分間穏やかに撹拌する。
【0151】
(実施例12)
〔サッカリドシロキサンエマルションを用いた布の処理〕
コットンツイル(khaki)および木綿/ポリエステル布帛サンプルを、表5に記載した選択されたエマルションを使用した1%のサッカリドシロキサンを含む希釈エマルション槽中でディップコーティングによって処理した。A21-LBLサンプルは、粉末として供給し、直接水に分散させた。サンプルは、空気乾燥またはヒートセットの2通りの方法で乾燥した。空気乾燥サンプルは、室温で24時間保持し、次いで試験した。ヒートセットサンプルは、最初に150℃に3分間曝し、次いで24時間空気乾燥してから試験した。空気乾燥サンプルおよびヒートセットサンプルは、耐久性リンスがある場合と無い場合について試験した。耐久性リンスは、室温の水で5分間撹拌しながら洗濯機の中ですすぎ、回転乾燥し、次いで24時間空気乾燥することからなる。処理したサンプルは、撥水性(AATCC試験法22-2001)、撥油性(AATCC試験法118-1997)、汚れ落ち(AATCC試験方法130)および風合いに関して評価した。
【0152】
【表13】

【0153】
(実施例13)
〔サッカリド-シロキサンエマルションおよびフルオロカーボンエマルションを用いた布の処理〕
コットンツイル(khaki)および木綿/ポリエステル布帛サンプルを、1%のサッカリドシロキサンおよび1%Unidyne TG571(C8フルオロカーボン)を含む希釈したエマルション槽中で、ディップコーティングによって処理した。サッカリド-シロキサンエマルションは、表5に記載する。サンプルは、空気乾燥またはヒートセットの2通りの方法で乾燥した。空気乾燥サンプルは、室温で24時間保持し、次いで試験した。ヒートセットサンプルは、最初に150℃に3分間曝し、次いで24時間空気乾燥してから試験した。空気乾燥サンプルおよびヒートセットサンプルは、耐久性リンスがある場合と無い場合について試験した。耐久性リンスは、室温の水で5分間撹拌しながら洗濯機の中ですすぎ、回転乾燥し、次いで24時間空気乾燥することからなる。処理したサンプルは、撥水性(AATCC試験法22-2001)、撥油性(AATCC試験法118-1997)、汚れ落ち(AATCC試験法130)、および風合いに関して評価した。
【0154】
【表14】

【0155】
(実施例14)
〔サッカリド-シロキサンエマルションを用いたビニル表面の処理〕
3インチ×4インチのビニルサンプルに、1%活性物質に希釈したサッカリドシロキサンエマルションを噴霧した。使用したエマルションを表5に記載する。A12-LBLサンプルは、粉末として供給し、直接水に分散させた。サンプルは、周囲条件で一夜空気乾燥した。処理したサンプルは、外観、粘着性、相対的光沢、および接触角に関して評価した。
【0156】
【表15】

【0157】
(実施例15)
〔サッカリド-シロキサン溶媒分散物を用いたビニル表面の処理〕
3インチ×4インチビニルサンプルに、イソプロパノール中に1%活性物質濃度で分散させたサッカリドシロキサンを噴霧した。サンプルは、周囲条件で一夜空気乾燥した。処理したサンプルは、外観、粘着性、相対的光沢、および接触角に関して評価した。
【0158】
【表16】

【0159】
【表17】

【0160】
(実施例16)
〔サッカリド-シロキサンエマルションを用いた布の処理〕
両面編み木綿ニット460およびCognisのBeige Terry布帛サンプルを、表5に記載したエマルションを用いて、布帛上で、0.5%シロキサンコポリマーを残すように45分間消耗させることによって処理した。サンプルは、次の2つの方法で乾燥した。1)布帛を瓶から取り出して回転サイクルの洗濯機中に4分間置き、洗濯機から取り出し、乾燥機中に木綿ニットサイクルで1時間置く。2)最初の方法で乾燥した後、布帛を160℃に10分間曝す。処理したサンプルは、吸収性、白色度、および風合いについて評価した。結果は、基準材料に対して、吸収性の非常にわずかな減少を伴うが、優れた風合いを達成できることを示す。
【0161】
【表18】

【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】図1は、撥水度のAATCC試験法22-2001に関する比較図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)サッカリド成分およびオルガノシロキサン成分を有しかつ連結基によってこれらが結合されている少なくとも1つのサッカリド-シロキサンコポリマー
[ここで前記サッカリド-シロキサンコポリマーは以下の式:
R2aR1(3-a)SiO-[(SiR2R1O)m-(SiR12O)n]y-SiR1(3-a)R2a
(上記式中、各R1は、同じまたは異なることができ、水素、C1〜C12アルキル、有機基、またはR3-Qを含み、
Qは、エポキシ、シクロエポキシ、第1級または第2級アミノ、エチレンジアミン、カルボキシ、ハロゲン、ビニル、アリル、無水物、またはメルカプト官能基を含み、
mおよびnは、0〜10,000の整数であり、同じであっても異なっていてもよく、
各aは、独立に0、1、2、または3であり、
yは、コポリマーが100万未満の分子量を有することになる整数であり、
R2は、式Z-(G1)b-(G2)cを有し、かつコポリマー1つ当たり少なくとも1つのR2が存在し、式中、G1は5〜12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
b+cは1〜10であり、bまたはcは0であることができ、
G2は、有機または有機ケイ素基で追加的に置換された、5〜12個の炭素を含むサッカリド成分であり、
Zは連結基であって、以下の:
-R3-NHC(O)-R4-;
-R3-NHC(O)O-R4-;
-R3-NH-C(O)-NH-R4-;
-R3-O-R4-;
-R3-CH(OH)-CH2-O-R4-;
-R3-S-R4
-R3-CH(OH)-CH2-NH-R4-;および
-R3-N(R1)-R4
からなる群から独立して選択され、
R3およびR4は、(R5)r(R6)s(R7)tを含む二価のスペーサー基であり、
ここでr、sおよびtの少なくとも1つは1でなければならず、
R5およびR7は、C1〜C12アルキルまたは((C1〜C12)O)pのいずれかであり、ここでpは1〜50の任意の整数であり、各(C1〜C12)Oは、同じであっても異なっていてもよく、
R6は-N(R8)-であり、ここでR8はHまたはC1〜C12アルキルであり、またはZ-Xであり、ここでZは以前に定義した通りかR3であり、
Xはカルボン酸、ホスフェート、サルフェート、スルホネート、または第四級アンモニウム基であり、R3およびR4の少なくとも1つは、前記連結基中に存在しなければならず、かつ同じであっても異なっていてもよい。)を有し、
かつ、前記サッカリド-シロキサンコポリマーは、官能化オルガノシロキサンポリマーおよび少なくとも1つのヒドロキシ官能性サッカリドの反応生成物であって、前記オルガノシロキサン成分が前記連結基Zを介して前記サッカリド成分に共有結合している。]と、
(ii)任意選択でキャリヤー媒体と、
(iii)任意選択で架橋剤と、を含む表面処理組成物であり、
かつ、前記表面処理組成物は、適用される表面に少なくとも1の利益をもたらすように適合されている、表面処理組成物。
【請求項2】
界面活性剤をさらに含み、前記界面活性剤が、前記組成物の重量の約0.05%〜約99%の量で存在し、かつ、非イオン性界面活性剤;陰イオン性界面活性剤;陽イオン性界面活性剤;両性界面活性剤;またはこれらの混合物の1つから選択される、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項3】
前記の少なくとも1の利益が、表面に対する、しわの減少、しわの防止、しわの除去、布帛の柔軟化、布帛の感触の向上、衣類形状の保持、弾力性、アイロンがけの容易さ、色の保持、耐磨耗性、抗けば立ち、乾燥時間の短縮、吸水度、光沢、潤滑、保護、磨耗改善、汚染抵抗性、撥水性、耐磨耗抵抗性、色能力、またはこれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項4】
漂白剤、乳化剤、布帛柔軟剤、香料、抗菌剤、帯電防止剤、増白剤、染料固定剤、染料磨耗防止剤、色落ち防止剤、しわ低減剤、防しわ剤、形状保持剤、汚れ落とし剤、日焼け防止剤、色あせ防止剤、防水剤、乾燥剤、防汚剤、汚れ防止剤、香り調節剤、泡調節剤、虫よけ剤、酵素、保護剤、腐食防止剤、洗浄剤、ビルダー、構造体、増粘剤、顔料または染料、粘度調整剤、pH調節剤、噴射剤、およびこれらの組合せから本質的になる群から選択される少なくとも1つの補助成分をさらに含む、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項5】
溶媒、水、噴射剤、固体、織った繊維質基材、および不織の繊維質基材からなる群から選択されるキャリヤーを含む少なくとも1つのキャリヤー媒体をさらに含む、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項6】
前記表面処理組成物が布帛処理組成物であり、前記表面が布帛を含む、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項7】
前記布帛が、洗濯可能な衣類、洗濯可能な靴、ドライクリーニング可能な衣類、リネン、タオル、掛け布、窓カーテン、シャワーカーテン、テーブルリネン、およびそれらの任意の部分を含む、請求項6に記載の表面処理組成物。
【請求項8】
前記の少なくとも1つのヒドロキシ官能性サッカリドが、アルドン酸またはオリゴアルドン酸を含む、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項9】
前記アルドン酸またはオリゴアルドン酸がラクトンを含む、請求項8に記載の表面処理組成物。
【請求項10】
前記ラクトンが、グルコノラクトンまたはラクトビオノラクトンを含む、請求項9に記載の表面処理組成物。
【請求項11】
前記官能化されたオルガノシロキサンポリマーがポリジメチルシロキサンを含む、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項12】
前記連結基が、アミド、アミノ、ウレタン、尿素、エステル、エーテル、チオエーテル、またはアセチル官能性連結基を含む、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項13】
前記連結基がアミノ官能性連結基を含む、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項14】
前記アミノ官能性連結基がアミノプロピルまたはアミノエチルアミノイソブチル官能基を含む、請求項13に記載の表面処理組成物。
【請求項15】
前記サッカリド-シロキサンコポリマーが、分散物として前記布帛処理組成物に添加される、請求項1に記載の表面処理組成物。
【請求項16】
前記分散物が、実質的に水性溶媒または実質的に非水性溶媒のいずれかをさらに含む、請求項15に記載の表面処理組成物。
【請求項17】
前記分散物が、実質的に非水性溶媒を含む、請求項16に記載の表面処理組成物。
【請求項18】
前記の実質的に非水性溶媒が、揮発性または非揮発性シリコーンを含む、請求項17に記載の表面処理組成物。
【請求項19】
前記実質的に非水性溶媒が、揮発性シリコーンを含む、請求項18に記載の表面処理組成物。
【請求項20】
前記揮発性シリコーンが、環式シロキサンを含む、請求項19に記載の表面処理組成物。
【請求項21】
前記分散物が分散物の重量の約0.1%〜約50%のサッカリド-シロキサン、および組成物の重量の約0.01%〜約25%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項15に記載の表面処理組成物。
【請求項22】
前記分散物が、分散物の重量の約2%〜約40%のサッカリド-シロキサン、および組成物の重量の約0.2%〜約10%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項15に記載の表面処理組成物。
【請求項23】
前記分散物が、分散物の重量の約20%のサッカリド-シロキサン、および組成物の重量の約0.5%〜約2%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項15に記載の表面処理組成物。
【請求項24】
前記分散物が、少なくとも1つの界面活性剤および水をさらに含むエマルション形態であり、ここで前記界面活性剤が非イオン性、両性、陰イオン性、または陽イオン性界面活性剤であってよい、請求項15に記載の表面処理組成物。
【請求項25】
前記の少なくとも1つの界面活性剤が、非イオン性界面活性剤および陽イオン性界面活性剤を含む、請求項24に記載の表面処理組成物。
【請求項26】
前記エマルションが陽イオン性界面活性剤を含む、請求項25に記載の表面処理組成物。
【請求項27】
前記エマルションが、エマルションの重量の約1%〜約95%のサッカリド-シロキサン、および組成物の重量の約0.01%〜約25%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項23に記載の表面処理組成物。
【請求項28】
前記エマルションが、エマルションの重量の約5%〜約60%のサッカリド-シロキサン、および組成物の重量の約0.2%〜約10%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項27に記載の表面処理組成物。
【請求項29】
前記エマルションが、エマルションの重量の約10%〜約40%のサッカリド-シロキサン、および組成物の重量の約0.5%〜約2%のサッカリド-シロキサンを含む、請求項28に記載の表面処理組成物。
【請求項30】
洗濯洗剤添加物、予備洗濯処理、リンス添加処理、洗濯後処理、浸漬処理、すすぎ処理、スプレー処理、または乾燥処理の配合物として提供される、請求項6に記載の布帛処理組成物。
【請求項31】
請求項1に記載の表面ケア処理組成物を含む表面ケア製品。
【請求項32】
請求項6に記載の布帛処理組成物を含む布帛ケア製品。
【請求項33】
洗剤、洗剤補助剤、リンス、リンス補助剤、洗浄前浸漬液、洗浄後浸漬液、スプレー、またはドライヤーシートの形態の1つで提供される、請求項32に記載の布帛ケア製品。
【請求項34】
前記の1つまたは複数の利益が、布帛に対する、しわの減少、しわの防止、しわの除去、布帛の柔軟化、布帛の感触の向上、衣類形状の保持、弾力性、アイロンがけの容易さ、色の保持、耐磨耗性、抗けば立ち、乾燥時間の短縮、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項32に記載の布帛ケア製品。
【請求項35】
リンス補助剤の形態で提供され、ここで前記リンス補助剤がすすぎサイクル中に布帛にデリバリーされる、請求項33に記載の布帛ケア製品。
【請求項36】
洗剤の形態で提供される、請求項33に記載の布帛ケア製品。
【請求項37】
液体または溶解可能な固体の形態で提供される、請求項35または36に記載の布帛ケア製品。
【請求項38】
前記サッカリド-シロキサンコポリマーが、洗剤の重量の約0.01%〜約30%であり、かつ前記布帛処理組成物が、約2.0%〜約80%の重量の界面活性剤システムをさらに含む、請求項36に記載の布帛ケア製品。
【請求項39】
前記布帛処理組成物が、液体キャリヤー;ビルダー;泡抑制剤;安定剤;香料;キレート剤;着色剤;乳白剤;酸化防止剤;殺菌剤;中和剤;緩衝剤;相制御剤;染料移り抑制剤;屈水剤;増粘剤;漂白剤;漂白活性化剤;漂白触媒;蛍光増白剤;汚れ落とし活性剤;光活性剤;保存料;殺生物剤;防カビ剤;カラースペックル;カラービーズ;球または押出し物;日焼け止め剤;フッ素化化合物;真珠光沢剤;発光剤または化学発光剤;腐食防止および/または電気製品保護剤;アルカリ源または他のpH調節剤;可溶化剤;加工助剤;顔料;フリーラジカルスカベンジャー;pH調整剤;およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含む、請求項36に記載の布帛ケア製品。
【請求項40】
請求項1に記載の表面処理組成物を含む製品。
【請求項41】
噴霧ディスペンサーを含む、請求項40に記載の製品。
【請求項42】
トリガー噴霧ディスペンサーを含む、請求項41に記載の製品。
【請求項43】
非手動操作の噴霧ディスペンサーを含む、請求項41に記載の製品。
【請求項44】
湿式または乾式ドライヤーシートを含む、請求項40に記載の製品。
【請求項45】
乾式ドライヤーシートを含む、請求項44に記載の製品。
【請求項46】
前記組成物を含浸させた使い捨てワイプを含む、請求項40に記載の製品。
【請求項47】
請求項1に記載の組成物の有効量を施用する段階を含む、表面処理方法。
【請求項48】
前記段階が、表面を、スポンジ、布、セルロース糸、セルロース片、紙、紙タオル、ウェットタイプのふき取りラミネート、および吸収剤の使い捨てクリーニングパッドからなる群から選択されるクリーニング用具と接触させることによって行われる、請求項47に記載の表面処理方法。
【請求項49】
前記表面が卓上食器類の表面を含む、請求項48に記載の表面処理方法。
【請求項50】
請求項6に記載の組成物の有効量を施用することを含む布帛処理方法。
【請求項51】
請求項6に記載の組成物の有効量を、噴霧ディスペンサーを使用して布帛上に噴霧することを含む、布帛上のしわの防止または低減方法。
【請求項52】
前記噴霧ディスペンサーがトリガー噴霧ディスペンサーである、請求項51に記載の布帛上のしわの防止または低減方法。
【請求項53】
請求項6に記載の組成物の有効量を、非手動操作の噴霧器を使用して噴霧することを含む、布帛上のしわの防止または低減方法。
【請求項54】
前記非手動操作の噴霧器が、動力付き噴霧器、空気吸込み式噴霧器、液体吸込み式噴霧器、静電式噴霧器、およびネブライザー噴霧器からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
洗濯サイクル中に、布帛の柔軟化および/または防しわ性の利益をもたらす方法であって、ここで洗濯サイクルは、洗浄、すすぎ、または乾燥サイクルであってよく、前記方法が(a)布帛を洗濯サイクル中に請求項6に記載の布帛処理組成物と接触させる工程を含む方法。
【請求項56】
洗濯物の柔軟化および/または防しわ性の利益をもたらすために請求項44に記載のドライヤーシートを使用する方法であって、空気乾燥機と湿ったまたは乾燥した、しわの寄った洗濯物のある量を用意する段階と;しわの寄った洗濯物を空気乾燥機内に置く段階と;空気乾燥機内に1枚のドライヤーシートを置く段階と;空気乾燥機を、柔軟化および/または防しわ性の利益をもたらすのに十分な時間稼働させる段階と;洗濯物とドライヤーシートを空気乾燥機から取り出す段階と;ドライヤーシートを廃棄する段階とを含む方法。
【請求項57】
洗濯プロセスを受ける布帛の乾燥時間を短縮し、帯電防止、抗けば立ち、および/または抗磨耗の利益を布帛に対してもたらす方法であって、布帛を洗濯プロセスの前または洗濯プロセスの間に請求項6に記載の組成物と接触させることを含む方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2008−545838(P2008−545838A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513698(P2008−513698)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/020209
【国際公開番号】WO2006/127882
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【出願人】(503358709)ジェネンコー インターナショナル インコーポレーテッド (9)
【Fターム(参考)】