説明

サブユニット位置通知システム

【課題】サブユニットの交換時期においてサブユニットの位置を簡単に通知(報知)することができるサブユニット位置通知システムを提供することにある。
【解決手段】2つ以上の同種のサブユニットと、当該サブユニットが交換可能に設置されるメインユニットを備えるサブユニット位置通知システムであって、サブユニットとメインユニットとは、通信手段で接続可能に構成され、サブユニットの交換時期の場合に、前記通信手段によって、サブユニットとメインユニット間に通信がなされ、サブユニットの位置を通知することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上の同種のサブユニットと、当該サブユニットが交換可能に設置されるメインユニットを備え、当該サブユニット位置を通知するためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
消耗備品や交換部品を装着するためにサブユニットが組み込まれるメインユニット(装置)の例としては、多種多様であって、例えば、CDとパソコン本体、トナー部品と複写器、充電パックと携帯電話、マガジンと写真処理装置等がある。
【0003】
これらの中で、特に写真処理装置を例にしてあげれば、サブユニットとして印画紙を収納するためのマガジン、ネガフィルムの焼付露光処理に用いられるネガマスク等がある。マガジンは、仕上がり写真プリントのペーパー幅によって交換する必要があり、ネガマスクは、ネガフィルムの幅によって交換する必要がある。ネガマスクは、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−84547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の交換必要部材は、外観が同様であり、見た目に識別することが困難である。例えば、マガジンの場合、マガジンの外観とサイズは同一であり、内部に収納された印画紙の種類(幅、光沢度)については、マガジン外観からは識別できず、通常は、マガジンの筐体の一部に印画紙情報をシールとして貼付、またはケース体に収納するようにしていた。しかしながら、マガジンのすぐ傍にいかないと判別することができないものであった。
【0006】
また、写真店の店員によっては、マガジンの保管場所を特に定めていない場合もあり、交換時期になって、マガジンを探すこととなり、この探索作業が大変手間となっていた。
【0007】
また、ネガマスクの場合、例えば、大規模な写真店では2B用は1台のみ設置して、必要に応じて、夫々の写真処理装置に交換するという実情があり、さらに店舗従業員が多いほど、交換後の保管位置もばらばらであり、ネガマスクの保管位置が不明となる状態が生じる。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、サブユニットの交換時期においてサブユニットの位置を簡単に通知(報知)することができるサブユニット位置通知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明に係るサブユニット位置通知システムは、
2つ以上の同種のサブユニットと、当該サブユニットが交換可能に設置されるメインユニットを備えるサブユニット位置通知システムであって、
前記サブユニットと前記メインユニットとは、通信手段で接続可能に構成され、
サブユニットの交換時期の場合に、前記通信手段によって、サブユニットとメインユニット間に通信がなされ、サブユニットの位置を通知することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、サブユニット位置通知システムは、通信手段によって、サブユニットとメインユニットが相互に接続され、サブユニットの交換時期の場合に、この通信手段を用いて、サブユニットとメインユニット間に通信がなされ、サブユニットの位置を通知することができる。したがって、サブユニットの交換時期においてサブユニットの位置を簡単に通知(報知)することができるサブユニット位置通知システムを提供することができる。
【0011】
また、本発明の好適な一実施形態として、前記メインユニットは、
サブユニットの交換時期を判断するサブユニット交換時期判断部と、
前記サブユニット交換時期判断部によって、サブユニットの交換時期であると判断された場合に、被交換対象のサブユニットに対し、交換時期である旨を無線通信するメインユニット通信部と、を有し、
前記被交換対象のサブユニットは、
前記メインユニット通信部からの通信を受信するサブユニット通信部と、
前記サブユニット通信部で受信した信号が交換時期である旨の信号であるか否かを判断する通信内容判断部と、
前記通信内容判断部によって交換時期である旨の信号であった場合、当該被交換対象のサブユニットの位置を通知する通知手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、メインユニットは、サブユニットの交換時期を判断するサブユニット交換時期判断部と、サブユニットの交換時期であると判断された場合に、被交換対象のサブユニットに対し、交換時期である旨を無線通信するメインユニット通信部とを有している。そして、被交換対象のサブユニットは、サブユニット通信部で受信した信号が交換時期である旨の信号であるか否かを判断する通信内容判断部と、通信内容判断部によって交換時期である旨の信号であった場合、当該被交換対象のサブユニットの位置を通知する通知手段とを有している。したがって、この通知手段によって、被交換対象のサブユニットの位置を簡単に通知(報知)することができる。
【0013】
また、上記本発明の好適な一実施形態として、通知手段は、光発生手段および/または音発生手段で構成されることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、通知手段が光発生手段および/または音発生手段で構成されるため、被交換対象のサブユニットの位置を、メインユニットから遠くであっても、また類似のサブユニットが近くに位置していても簡単に区別して認識することができる。
【0015】
また、本発明の好適な一実施形態として、前記メインユニットは、
当該メインユニットの周辺に設置されている周辺部と有線通信を介して接続するための有線通信手段と、
サブユニットの交換時期を判断するサブユニット交換時期判断部と、
前記サブユニット交換時期判断部によって、サブユニットの交換時期であると判断された場合に、被交換対象のサブユニットに対し、交換時期である旨を無線通信するメインユニット通信部と、を有し、
前記交換時期であると判断された場合に、前記有線通信手段によって周辺部の場所情報を取得するように構成され、
前記被交換対象のサブユニットは、
前記メインユニット通信部からの通信を受信するサブユニット通信部と、
前記サブユニット通信部で受信した信号が交換時期である旨の信号であるか否かを判断する通信内容判断部と、を有し、
前記通信内容判断部によって交換時期である旨の信号であった場合、被交換対象のサブユニットの位置情報をサブユニット通信部によって、前記メインユニットに返信するように構成され、
前記被交換対象のサブユニットの位置情報と周辺部の場所情報に基づいて、被交換対象のサブユニットの位置を特定するサブユニット位置特定部と、
前記サブユニット位置特定部によって特定されたサブユニットの位置を表示する表示部をメインユニットにさらに有することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、メインユニットは、当該メインユニットの周辺に設置されている周辺部と有線通信を介して接続するための有線通信手段と、サブユニットの交換時期を判断するサブユニット交換時期判断部と、サブユニット交換時期判断部によって、サブユニットの交換時期であると判断された場合に、被交換対象のサブユニットに対し、交換時期である旨を無線通信するメインユニット通信部と、を有している。そして、交換時期であると判断された場合に、有線通信手段によって周辺部の場所情報を取得するように構成されている。また、被交換対象のサブユニットは、メインユニット通信部からの通信を受信するサブユニット通信部と、サブユニット通信部で受信した信号が交換時期である旨の信号であるか否かを判断する通信内容判断部と、を有している。そして、通信内容判断部によって交換時期である旨の信号であった場合、被交換対象のサブユニットの位置情報をサブユニット通信部によって、前記メインユニットに返信するように構成されている。そして、被交換対象のサブユニットの位置情報と周辺部の場所情報に基づいて、被交換対象のサブユニットの位置を特定するサブユニット位置特定部と、サブユニット位置特定部によって特定されたサブユニットの位置を表示する表示部をメインユニットにさらに有している。これによって、表示部にサブユニットの位置を表示することが簡単にできる。
【0017】
また、上記本発明の好適な一実施形態として周辺部は、
前記有線通信手段との通信を行なう周辺部通信部と、
周辺部通信部で受信された通信内容が交換対象物の位置通知要求である場合に、近傍の被交換対象物の無線通信部と無線通信を行う周辺部無線通信部と、
周辺部無線通信部による通信によって、被交換対象物から受信した電波情報から被交換対象物の位置を特定する方位および距離を算出する相対位置情報算出部と、
を備え、
前記周辺部通信部によって、前記相対位置情報を前記有線通信手段に送信するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、周辺部と被交換対象物との間の相対位置が算出できるので、写真処理装置は、この相対位置を簡単に取得することができ、これを表示させることにより、被交換対象物と周辺部との相対位置を簡単に確認することができ、素早く被交換対象物を探すことができる。
【0019】
また、上記本発明の好適な一実施形態として、被交換対象のサブユニットの位置をメインユニットからの距離および方位情報、または、周辺部の場所に関連付けられた設置場所情報で表示するように構成することを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、被交換対象のサブユニットの位置をメインユニットからの距離および方位情報、または、周辺部の場所に関連付けられた設置場所情報で表示するように構成できるので、メインユニットから遠く(違う階)、目視できない位置でも保管場所を簡単に正確に確認することができる。
【0021】
また、本発明の好適な一実施形態として、メインユニットが写真処理装置で構成され、前記サブユニットがネガマスクおよび/またはマガジンで構成されることを特徴とする。
【0022】
本発明を写真処理装置に適用することは特に有益である。すなわち、例えば、写真店の実情において、マガジンやネガマスクの保管方法が人によってばらばらである場合にこの発明によれば、マガジンやネガマスク等の位置を簡単に素早く確認することができ、よって交換作業が短縮でき、プリント効率が向上される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施形態1)
本発明に係るサブユニット位置通知システム1の構成において、以下の説明ではメインユニットを写真処理装置として、サブユニットをマガジンとして説明する。なお、メインユニットとサブユニットはこれらに限定されないことは言うまでもない。
【0024】
(写真処理装置の構成)
図1において、写真処理装置100は、取得されたデジタルの画像データに基づいて、写真プリントを作成する機能を有する。画像データは、写真処理装置100に設けられるフィルムスキャナーから取得される現像済みネガフィルムのコマ画像の画像データや、受付端末または個人ユーザのパソコンからサーバ装置を介して、ネットワーク経由で送信されてくる画像データ等が挙げられる。
【0025】
写真処理装置100は、ネガフィルム等から画像データを読み取るスキャナー部11と、スキャナー部11で得られた画像データを保存するためのテンポラリー保存部12と、テンポラリー保存部12で保存されている画像データを読み出し、プレジャッジ処理するためのプレジャッジ処理部13と、プレジャッジ処理部13で処理されたプレジャッジ処理済み画像データとプレジャッジ処理に係る補正データを保存するオーダー保存部14と、オーダー保存部14からそれらデータ群を読み出して、当該データ群を画像処理するための画像処理基板15と、当該画像処理基板15で画像処理されたプリント作成用画像データをマガジン16から繰り出された印画紙17に露光処理するための露光部18と、露光処理された印画紙17を現像処理するための現像部19と、現像処理された印画紙17を乾燥処理するための乾燥部20と、乾燥処理された印画紙17を仕分け処理しながら排出する仕分け排出部21と、を有して構成されている。
【0026】
写真処理装置100は、上記の構成要素の他に、ネットワーク経由で画像データ等を受信するための通信部30と、当該受信したデータを保存するための受信データ保存部31を有している。この受信データ保存部31から画像データを読み出し、プレジャッジ処理することが可能である。
【0027】
また、写真処理装置100の全体的な動作を制御するためのメイン制御部40を備えている。
【0028】
本発明において、プレジャッジ処理は、画像データに基づいて写真プリントを作成する前に、適切な画質の写真プリントが作成されるか否かを判定するものであり、画像データに対する判定をオペレータが行なうための機能を提供し、かかる機能は主としてソフトウェアにより提供される。なお、プレジャッジ処理は必ず行なわなければならないものではなく、プレジャッジ処理を省略してプリント処理を行うことも可能であり、この場合、スキャナー部11で得られた画像データまたは通信部30によって受信されたデータ(注文に関するデータ(枚数、プリントのサイズ等)、画像データ)は、直接にオーダー保存部14に保存される。この際に、プリントサイズ、枚数等の基本データも関連づけられて保存される。
【0029】
プレジャッジ処理部13は、具体的には、色や濃度を補正するための補正データを入力する機能を提供するものであり、かかる補正データの入力は必要に応じて設定される。その他の補正データの設定としては、赤目補正、逆光補正などの特殊補正の設定が例としてあげられる。
【0030】
また、プリント枚数の設定としては、スキャナー11から取得した画像データに関してはデフォルトで1が設定されているが、オペレータの入力操作により変更することができる。
【0031】
また、写真処理装置100は、各種設定、操作指示入力等のための入力操作部50と、各種設定操作指示表示等のためにモニター51とを備えている。入力操作部50は、キーボードやマウス等により構成される。
【0032】
また、画像処理基板15は、画像データと補正データを受け取り、補正データに基づいて画像データに対する画像処理を行い、写真プリントを作成するために用いられるプリント作成用画像データを生成する。画像処理基板15は、入力メモリ、画像処理回路部、展開メモリにより構成され、画像処理回路部において所定の画像処理が行なわれる。具体的には、補正データに基づく色・濃度の補正、設定されたプリントサイズに従ったデータの拡縮処理などである。
【0033】
マガジン16には、写真感光材料である印画紙17がロール状に収容されている。マガジン16は、2台を設置することができ、例えば、幅の異なる印画紙を予めセットしておくことができる。マガジン16から引き出された長尺状の印画紙17は、設定されたプリントサイズになるようにカッター等の切断手段で切断される。
【0034】
露光部18は、露光エンジンを有し、画像処理基板15の展開メモリから送信されてくるプリント作成用画像データを受け取り、このプリント作成用画像データに基づいて、印画紙の乳剤面に画像を焼付露光する。露光エンジンとしては、特定の方式のものに限定されるものではなく、例えば、レーザーエンジン、CRTエンジン、PLZTエンジンなどを用いることができる。
【0035】
現像部19は、画像が焼付露光された印画紙17の現像処理を行い、乾燥部20は、現像処理された印画紙17の乾燥処理を行なう。仕分け排出部21において、仕上がりの写真プリントが装置本体外部に排出され、所定の集積装置によりオーダー単位で集積可能に構成されている。
【0036】
印画紙センサー22は、仕分け排出部21から排出される印画紙17を検出し、あるオーダーの写真プリントが全て排出されたか否かを検出する。センサー制御部23は、印画紙センサー22の駆動制御を行なうと共に、印画紙センサー22からの信号を受信して解析する。メイン制御部40は、あるオーダーについての写真プリントが全て排出されたとセンサー制御部23により検出された場合、そのオーダーについてのオーダーデータをオーダー保存部14から削除するように制御する。
【0037】
(実施形態1の特徴構成)
マガジン16に収納された印画紙17はプリント処理の際に繰り出される。この印画紙17の繰り出された長さ(距離)またはマガジン16に収納されている印画紙17の残量(残り距離)を算出する算出部60を備えている。算出部60は、例えば、理論的算出方法として、(印画紙の初期長さ−プリントサイズ(副走査方向長さ)×プリント枚数)の演算をすることで残量(残り距離)を算出できる。また、算出部60は、例えば、マガジン16内から繰り出される印画紙17の先端部を検出するためのセンサー部を設け、センサー部で検出された後の、繰り出された期間(搬送時刻から停止時刻)をタイマーから読み取り、累積し、(印画紙の初期長さ−累積繰り出し期間×搬送速度)を演算することで残量を算出できる。また、他の公知の方法で、この印画紙17の繰り出された長さ(距離)またはマガジン16に収納されている印画紙17の残量を得ることができる。
【0038】
上記の算出部60で得られた印画紙17の残量がゼロ以下(次のプリント処理を行なえない長さ)であるか否かを判断する残量判断部61(サブユニット交換時期判断部に相当する)を備えている。
【0039】
上記の残量判断部61で残量がゼロ以下であると判断された場合に、所定のマガジン16に対し、交換時期である旨を無線通信する無線通信部62(メインユニット通信部に相当する)を備えている。ここで通信対象のマガジン16は、予め、メモリに保存され登録されている、在庫として保管されている状態のマガジン、または、他の装置に設置されている状態のマガジン等である。つまり、店舗内にあるまたは無線通信可能場所に存在するマガジンに対し、無差別に通信される。また、他の実施態様として、予め、メモリに保存され登録されている、在庫として保管されている状態のマガジンであって、管理属性が保管在庫になっているマガジンに対して通信するように構成できる。
【0040】
マガジン16には、その筐体の一部に、無線通信部62からの通信を受信する受信部70(サブユニット通信部に相当する)と、受信部70で受信した信号が交換時期である旨の信号であるか否かを判断する通信内容判断部71と、交換時期である旨の信号であった場合に、マガジン16の位置を通知する通知手段72が設けられている。
【0041】
通知手段72は、例えば、光発生手段および/または音発生手段で構成されることが好ましい。光発生手段は、例えば、LED、蛍光灯、フラッシュライト等が例示される。音発生手段は、例えば、スピーカ等が例示される。
【0042】
上記の無線通信部62と受信部70と間の無線通信手段としては、無線通信手段であれば特に制限されないが、近距離無線通信、Blootooth、ZigBee、Wibree等の通信技術を採用し、無線LAN、RFID等で実現でき、特に、小型で安価なRFIDが好ましい。
【0043】
受信部70と通信内容判断部71は、RFIDタグの機能として提供されることが好ましい。RFIDタグは、小型であり貼付、組み込みが容易であり、マガジン16やネガマスクに簡単に設置できる。
(動作フローチャート)
【0044】
次に、実施形態1の動作フローについて図2、3のフローチャートを用いて説明する。ここで、図2のフローチャートは、写真処理装置100の動作であり、図3のフローチャートは、サブユニットであるマガジン16に設置されたRFIDタグの動作である。
【0045】
まず、プリント処理が実行され(S1)、印画紙17の残量が逐次算出されている。残量がゼロ以下であるか否かが判断され(S2)、そうであれば、ステップS3に行き、プリント処理が中断される(S3)。中断された後、マガジン交換の旨の通信がなされる(S4)。次いで、マガジン交換がなされたか否かが判断され(S5)、マガジン交換がなされれば、プリント処理が再開される(S6)。
【0046】
一方、RFIDタグは、常に受信待機状態であり(S11)、上記ステップS4において、マガジン交換の旨の通信がなされた場合、この通信を受信する(S11)。次いで、この受信した通信内容がマガジン交換の旨の通信であるか否かが判断され(S12)、マガジン交換の旨の通信である場合、ステップS13に行く。例えば、マガジン交換の旨の通信でない(ネガマスク交換の旨の通信)場合には、ステップS11に戻る。
【0047】
ステップS13において、通知手段73によって、マガジン16の位置を光または音によって通知(報知)する(S13)。この報知は所定期間が経過後に(S14)、停止する(S15)。
【0048】
以上の動作フローのステップS4において、特定のRFIDタグに対し通信するように構成することができ、また、すべてのRFIDタグについて通信するように構成できる。
【0049】
以上の動作フローにおいて、サブユニットとしてマガジン16として説明したが、サブユニットとしてネガマスクに適用できることは自明である。ネガマスクの交換時期の判断は、ネガフィルムの設定時において入力されたネガフィルム種類によって交換するか否かが判断される。具体的には、オペレータがネガフィルムの種類を入力し、この入力された種類のネガフィルムが、直前のネガフィルムの種類(ネガマスクの種類と対の関係である)と一致しているか否かを判断し、一致していない場合にネガマスクの交換時期であると判断できる。そして、写真処理装置側の無線通信手段によって入力された種類のネガマスクに対して交換要求(交換時期)である旨の信号が送信され、この通信をネガマスク側の無線通信手段が受信し、交換要求(交換時期)である旨の信号か否かが判断され、そうであれば、このネガマスクの位置を通知手段で通知するように構成できる。
【0050】
以上の実施形態1によれば、マガジン交換時期において、マガジン16が自身の位置を通知(報知)するように構成されているので、オペレータは素早く簡単に被交換対象のマガジン16を見つけることができる。
【0051】
(実施形態2)
本実施形態2においては、実施形態1と同様の符号は同一の機能を有しているため、その説明を省略しまたは簡略して説明する。実施形態2においても、メインユニットとして写真処理装置100、サブユニットとしてマガジン16とした場合について説明する。
【0052】
実施形態1の場合、写真処理装置100またはコントローラから目の届く範囲、音が聞こえる範囲では有効であるが、写真処理装置100の周辺部(装置から隠れた見えない場所、遠くはなれた場所、他の階、隣室等を含む概念である)に、交換部品であるマガジン16やネガマスク等が保管されている場合、あまり有効ではない。そこで、実施形態2において、装置から離れた周辺部であっても交換部品の位置を特定できるシステムを提供している。図4は、サブユニット位置通知システムの機能構成を示している。図5から7にその動作フローを示す。
【0053】
図4において、写真処理装置100は、A室に設置されている。B室の保管棚にマガジン16が保管されている。C室の保管棚にネガマスクが保管されている。写真処理装置100とB室保管棚およびC室保管棚はネットワークを介して通信可能に構成されている。
【0054】
写真処理装置100には、周辺に設置されている周辺部と有線通信を介して接続するための有線通信手段としての有線通信部80が備えられている。周辺部は、特に制限されないが、交換部品であるマガジン16またはネガマスクを保管するための保管棚、保管している部屋の所定位置等である。有線通信部80としては、例えば、専用回線、LAN、RS−232C回線が挙げられる。
【0055】
残量判断部61によって交換時期であると判断された場合に、有線通信部80は、周辺部と通信を行い、周辺部の場所情報を取得する。場所情報は、GPS位置情報でもよく、周辺部ID情報に関連付けられた場所を特定する情報(1階のB室、B室保管棚等)でもよい。GPS位置情報または周辺部ID情報に関連付けられた場所を特定する情報は、予めメモリに保存されている。
【0056】
一方、周辺部は、有線通信部80との通信を行なう周辺部通信部90と、周辺部通信部90で受信された通信内容が交換対象物の位置通知要求である場合に、近傍の被交換対象物の無線通信部と無線通信を行う周辺部無線通信部91と、周辺部無線通信部91による通信によって、被交換対象物から受信した電波情報から被交換対象物の位置を特定する方位および距離を算出する相対位置情報算出部92を、備えている。周辺部無線通信部91と、相対位置情報算出部92は、RFIDタグで構成できる。
【0057】
相対位置情報算出部92は、電波情報の電波方向性から方位を算出し、電波情報の電波強度から距離を算出できる。例えば、無線通信用のアンテナ部を複数設けることで、電波の方向性を判断できる。また、電波強度は距離に比例して弱くなる現象を利用して距離を算出できる。
【0058】
相対位置情報算出部92によって算出された相対位置情報(方位と距離)は、周辺部通信部90によって、有線通信部80に通信される。上記の周辺部の場所情報を通信する際に通信するように構成できる。
【0059】
また、マガジン16は、無線通信部62と通信する無線通信部701を備え、通信内容判断部72によって、当該通信内容が交換時期である旨の信号であると判断された場合に、マガジン16のGPS位置情報または周辺部ID情報に関連付けられた場所を特定する情報(1階のB室の右側1メートルの位置、B室保管棚の2段目等)を無線通信部62に返信することができる。GPS位置情報または周辺部ID情報に関連付けられた場所を特定する情報は、予めメモリに保存されている。これら情報は、保管された時点でメモリに記憶処理される。無線通信部701は、例えば、RFIDタグ(ICタグとも称される)で構成できる。
【0060】
また、写真処理装置100は、無線通信部62で受信したGPS位置情報(マガジン16)と有線通信部80で受信した周辺部の場所情報(GPS位置情報等)から、マガジン16の位置を特定する位置特定部81(サブユニット位置特定部に相当する)を備える。
【0061】
位置特定部81で特定された位置情報は、モニター51に表示される。この表示態様は特に制限されないが、マガジン16のGPS位置情報、周辺部の場所情報の両方を表示するように構成でき、また、周辺部の場所情報をマップ化して、それに重ねるようにマガジン16の位置を所定の目印で表示させるように構成できる。また、マガジン16のGPS位置情報と周辺部のGPS位置情報との差を算出し、この差から周辺部からマガジン16までの距離、方位を表示させることもでき、また、写真処理装置100からマガジン16までの距離と方位を表示するように構成できる。
【0062】
また、位置特定部81は、有線通信部80に受信された、相対位置情報算出部92によって算出された相対位置情報(方位と距離)によってマガジン16の位置を特定することができる。相対位置情報は、周辺部とマガジン16との相対的位置に関する情報である。そして、周辺部と写真処理装置100との相対位置関係は予めメモリに記憶されている。つまり、これらの2つの相対的位置関係から、マガジン16の位置を特定できる。特定された位置情報は、上記のようにモニター51に表示される。
【0063】
(動作フロー)
以下に図5から7のフローチャートを用いて、実施形態2の動作について説明する。まず、ステップS1からS4までは上記実施形態1と同様の動作である。ステップS4において、交換時期である旨の通信を行ない、被交換対象物および周辺部からの情報を受信するまで待機する(S51)。周辺部から場所情報および/または相対的位置情報と、マガジンに設けられたRFIDタグからGPS位置情報または周辺部ID情報に関連付けられた場所を特定する情報を受信したか否かを判断し(S51)、受信すればステップS52に行く。
【0064】
ステップS52において、受信した情報によって、位置情報が特定される(S52)。特定された位置情報は、モニター51に表示される(S53)。この表示によって、オペレータが被交換対象物のマガジン16の所在を簡単に素早く見つけることができる。例えば、被交換対象物が別の部屋にあっても、光や音によらず、被交換対象物を簡単に見つけることができる。ステップS5、S6は実施形態1と同様である。
【0065】
以下に、被交換対象物であるマガジン16を保管する保管棚(周辺部に相当する)の動作について説明する。ステップS4における通信を受信したか否かが判断され(S61)、受信した場合、その通信内容が、交換時期である旨の通信であるか否かがさらに判断され(S62)、そうである場合、ステップS63において、保管棚の場所情報、相対位置情報が写真処理装置100に送信される(S63)。
【0066】
以下に、マガジンに設置されたRFIDタグの動作について説明する。RFIDタグは、常に受信待機状態であり(S11)、上記ステップS4において、マガジン交換の旨の通信がなされた場合、この通信を受信する(S11)。次いで、この受信した通信内容がマガジン交換の旨の通信であるか否かが判断され(S12)、マガジン交換の旨の通信である場合、ステップS71に行く。例えば、マガジン交換の旨の通信でない(ネガマスク交換の旨の通信)場合には、ステップS11に戻る。
【0067】
ステップS71において、位置情報(GPS位置情報等)が写真処理装置100に送信される(S71)。次いで、ステップS13において、通知手段73によって、マガジン16の位置を光または音によって通知(報知)する(S13)。これによってオペレータが近くに来たときに容易に見つけることができる。この報知は所定期間が経過後に(S14)、停止する(S15)。
【0068】
以上の実施形態2によれば、写真処理装置100から離れた周辺部(別階、別の部屋、隠れた場所)であっても交換部品の位置を簡単に特定できる。
【0069】
以上の実施形態1,2において、サブユニットの交換時期を装置側で自動的に判断する場合について例示したが、特にこれに制限されない。例えば、その他の交換時期の判断として、オペレータが入力操作部50を用いた入力操作によって、マガジンやネガマスクの交換要求、所在確認等の指示入力をした場合が例示できる。これによれば、オペレータが必要に応じて、マガジンやネガマスクの保管場所を確認できる。
【0070】
(別実施形態)
本発明に係るメインユニットとサブユニットとしては、実施形態1,2に記載のもので限定されない。例えば、メインユニットとサブユニットとして、カラー複写機と各色のトナーボトル、インクジェットプリンターと交換インク、レーザープリンターと感光体ユニットまたはカートリッジ、遠心分離機と遠心管、各種装置とバッテリー、空気清浄機と各種フィルター、蛍光灯と蛍光管等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】サブシステム位置通知システムの機能構成を説明するための図
【図2】写真処理装置の動作を説明するためのフローチャート
【図3】マガジンに設置されたRFIDの動作を説明するためのフローチャート
【図4】サブシステム位置通知システムの機能構成を説明するための図
【図5】写真処理装置の動作を説明するためのフローチャート
【図6】周辺部に設置された装置の動作を説明するためのフローチャート
【図7】マガジンに設置されたRFIDの動作を説明するためのフローチャート
【符号の説明】
【0072】
1 サブユニット位置通知システム
100 写真処理装置
11 スキャナー部
12 テンポラリー保存部
13 プレジャッジ処理部
14 オーダー保存部
15 画像処理基板
16 マガジン
17 印画紙
18 露光部
19 現像部
20 乾燥部
21 仕分け排出部
22 印画紙センサー
23 センサー制御部
30 通信部
31 受信データ保存部31
40 メイン制御部
50 入力操作部
51 モニター(表示部)
60 算出部
61 残量判断部
62 無線通信部
70 受信部
71 通信内容判断部
72 通知手段
80 有線通信部
81 位置特定部
90 周辺部通信部
91 周辺部無線通信部
92 相対位置情報算出部
701 無線通信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の同種のサブユニットと、当該サブユニットが交換可能に設置されるメインユニットを備えるサブユニット位置通知システムであって、
前記サブユニットと前記メインユニットとは、通信手段で接続可能に構成され、
サブユニットの交換時期の場合に、前記通信手段によって、サブユニットとメインユニット間に通信がなされ、サブユニットの位置を通知することを特徴とするサブユニット位置通知システム。
【請求項2】
前記メインユニットは、
サブユニットの交換時期を判断するサブユニット交換時期判断部と、
前記サブユニット交換時期判断部によって、サブユニットの交換時期であると判断された場合に、被交換対象のサブユニットに対し、交換時期である旨を無線通信するメインユニット通信部と、を有し、
前記被交換対象のサブユニットは、
前記メインユニット通信部からの通信を受信するサブユニット通信部と、
前記サブユニット通信部で受信した信号が交換時期である旨の信号であるか否かを判断する通信内容判断部と、
前記通信内容判断部によって交換時期である旨の信号であった場合、当該被交換対象のサブユニットの位置を通知する通知手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載のサブユニット位置通知システム。
【請求項3】
前記通知手段は、光発生手段および/または音発生手段で構成されることを特徴とする請求項2に記載のサブユニット位置通知システム。
【請求項4】
前記メインユニットは、
当該メインユニットの周辺に設置されている周辺部と有線通信を介して接続するための有線通信手段と、
サブユニットの交換時期を判断するサブユニット交換時期判断部と、
前記サブユニット交換時期判断部によって、サブユニットの交換時期であると判断された場合に、被交換対象のサブユニットに対し、交換時期である旨を無線通信するメインユニット通信部と、を有し、
前記交換時期であると判断された場合に、前記有線通信手段によって周辺部の場所情報を取得するように構成され、
前記被交換対象のサブユニットは、
前記メインユニット通信部からの通信を受信するサブユニット通信部と、
前記サブユニット通信部で受信した信号が交換時期である旨の信号であるか否かを判断する通信内容判断部と、を有し、
前記通信内容判断部によって交換時期である旨の信号であった場合、被交換対象のサブユニットの位置情報をサブユニット通信部によって、前記メインユニットに返信するように構成され、
前記被交換対象のサブユニットの位置情報と周辺部の場所情報に基づいて、被交換対象のサブユニットの位置を特定するサブユニット位置特定部と、
前記サブユニット位置特定部によって特定されたサブユニットの位置を表示する表示部をメインユニットにさらに有することを特徴とする請求項1に記載のサブユニット位置通知システム。
【請求項5】
前記周辺部は、
前記有線通信手段との通信を行なう周辺部通信部と、
周辺部通信部で受信された通信内容が交換対象物の位置通知要求である場合に、近傍の被交換対象物の無線通信部と無線通信を行う周辺部無線通信部と、
周辺部無線通信部による通信によって、被交換対象物から受信した電波情報から被交換対象物の位置を特定する方位および距離を算出する相対位置情報算出部と、
を備え、
前記周辺部通信部によって、前記相対位置情報を前記有線通信手段に送信するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のサブユニット位置通知システム。
【請求項6】
前記被交換対象のサブユニットの位置をメインユニットからの距離および方位情報、または、周辺部の場所に関連付けられた設置場所情報で表示するように構成することを特徴とする請求項4または5に記載のサブユニット位置通知システム。
【請求項7】
前記メインユニットが写真処理装置で構成され、前記サブユニットがネガマスクおよび/またはマガジンで構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のサブユニット位置通知システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−233209(P2008−233209A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68905(P2007−68905)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】