説明

サンプルの周波数領域画像形成を提供するためのプロセス、構成およびシステム

【課題】光学顕微鏡法を用いて解剖学的構造またはサンプルと関連付けられた情報を取得するための装置、構成および方法を提供する。
【解決手段】例えば、解剖学的サンプルに与えるように方向付けられた少なくとも1つの第1の電磁放射、および参照物に方向付けられた少なくとも1つの第2の電磁放射を含む放射を提供することができる。放射の波長は時間とともに変化することができ、波長は約1150nmより短い。干渉は、第5の放射と関連付けられた少なくとも1つの第3の放射と、第2の放射と関連付けられた少なくとも1つの第4の放射との間に検出することができる。サンプルの少なくとも一部分に相当する少なくとも1つの画像を、干渉と関連付けられたデータを用いて生成することができる。さらに、時間とともに変化する波長を有する電磁放射を与えるように構成された少なくとも1つの光源構成部を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2006年5月10日に出願された米国特許出願第60/799,511号明細書に基づき、それから優先権の利益を主張する。その全開示は、本明細書中に参照として援用される。
【0002】
(連邦政府支援の声明)
本発明に関する調査は、国立衛生研究所−国立癌研究所によって付与された認可番号R33 214033号によって、少なくとも一部分支持されていた。従って、米国政府は本発明において特定の権利を有し得る。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、光学顕微鏡法を用いて解剖学的構造またはサンプルに関する情報を取得するプロセス、構成およびシステムに関し、より具体的には、解剖学的構造/サンプル(例えば眼の少なくとも一部分)の光周波数領域画像形成を提供するような方法、システムおよび構成に関する。
【背景技術】
【0004】
掃引光源光コヒーレンストモグラフィー(OCT)としてもまた公知であり得る光周波数領域画像形成(「OFDI」)は、一般に、組織からの後方散乱光の振幅および位相を調べるために波長掃引光源を使用するOCTの概念と関連する技術である。例示的なOFDI技術およびシステムは、特許文献1に記載されている。組織の偏光特性を測定するための方法およびシステムは、特許文献2に記載されている。OFDI技術は、時間領域技術より固有信号対雑音比(「SNR」)の利点を提供することができる。なぜなら、フーリエ変換を介して干渉信号が効果的に統合され得るからである。最近開発された1300nm領域の高速波長可変レーザーを用いて、OFDI技術は、例えば画像形成速度、感受性および深度範囲において従来の時間領域OCTシステムより著しい向上を可能にしてきた。例えば、このようなOFDI方法/技術は、皮膚、冠動脈、食道および眼球前部を画像化するために使用され得る。
【0005】
網膜の画像化は確立されたOCT技術の臨床的用途が存在するが、この用途はOFDI法を用いて実行されていない。なぜなら、1300nmにおけるヒトの眼の光吸収は非常に大きくなり得るからである。従来の眼のOCT技術の標準的なスペクトル領域は、眼の中の体液を透過する800nmと900nmとの間であり、広帯域スーパールミネッセントダイオード(「SLD」)光源が進んで利用されている。1040nmのスペクトル領域は、網膜を画像化するためのウインドウを作動させることができる代替物であり得、高度に吸収して散乱する網膜色素上皮の下にある脈絡層へのより深い侵入を提供し得ると示唆されている。フーリエ領域OCTシステムとしてもまた公知である800nmにおける広帯域光源およびアレイ分光計を使用するスペクトル領域(「SD」)OCTシステムは、従来の時間領域OCT技術より優れた画像獲得速度および感受性でインビボでの3次元網膜画像化を促進することを提供している。
【特許文献1】国際特許出願番号PCT/US04/029148
【特許文献2】国際特許出願番号PCT/US05/039374
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
SD−OCT技術と比較して、OFDI法は、いくらかの利点、例えば、動きによって誘発される信号の減衰に対する耐性、単純な偏光感受性またはダイバーシティ方式および深い深度範囲を提供する。しかしながら、主に、低吸水性ウインドウにおいて広帯域波長高速掃引光源が存在しないため、後眼部を画像化するための臨床的に実行可能なOFDIシステムはこれまでに利用されていない。実際に、網膜疾患診断についての従来のOCTの広範な使用にもかかわらず、OFDIを用いる後眼部の画像化はまだ実行されていない。
【0007】
従って、上記の欠点を克服する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題および/または欠点を扱うおよび/または克服するために、システム、構成およびプロセスの例示的な実施形態が提供され得、これは、例えば、眼の少なくとも一部分を画像化するためにOFDI技術を利用することができる。
【0009】
従って、眼の少なくとも一部分を画像化するための本発明に従うOFDI技術、システムおよびプロセスの例示的な実施形態を提供することができる。例えば、1050nmにおける高性能掃引レーザーおよび眼科用OFDIシステムを使用することができ、これは、19kHzの高Aライン速度、550μWの光暴露レベルで2.5mmの深度範囲にわたって92dBより大きい感受性、および脈絡膜への深い侵入を提供する。本発明に従う例示的なシステム、技術および構成を用いて、インビボにおける広範囲のヒトの網膜、視神経円板および脈絡膜を画像化することができる。これにより、外因性蛍光コントラストを用いずに、インビボでの脈絡膜血管の表示が可能となり、脈絡膜および網膜疾患を診断するのに有益になり得る。本発明の別の例示的な実施形態に従って、利用され得るOFDIシステムは、臨床眼科用画像化および分子コントラストに基づいた画像化に使用され得る815−870nm領域における掃引レーザーを使用する。
【0010】
従って、本発明の1つの例示的な実施形態に従って、方法、装置およびソフトウェア構成を、光学顕微鏡法を用いて解剖学的構造またはサンプルに関する情報を取得するために提供することができる。例えば、解剖学的サンプルに与えられるように方向付けられる少なくとも1つの第1の電磁放射、および参照物に方向付けられる少なくとも1つの第2の電磁放射を含む放射を提供することができる。放射の波長は時間とともに変化することができ、その波長は約1150nmより短い。干渉は、第1の放射と関連付けられる少なくとも1つの第3の放射と、第2の放射と関連付けられる少なくとも1つの第4の放射との間に検出され得る。サンプルの少なくとも一部分に対応する少なくとも1つの画像は、干渉と関連付けられるデータを用いて生成され得る。
【0011】
例えば、第1の電磁放射の波長の変化の周期は、1ミリ秒より短くなり得る。解剖学的サンプルは、後眼部の少なくとも一部分を含み得る。その部分は、網膜、脈絡膜、視神経および/または中心窩を含み得る。波長は約950nmより短くなり得る。波長はまた、第1の電磁放射の波長の変化の周期の間、少なくとも10nmまで変化し得る。少なくとも1つの第4の構成部はまた、第1の電磁放射が構造学的サンプルを横方向に走査できるように備えられ得る。画像は、サンプルの解剖学的構造および/または血液および/またはリンパ液の流れと関連付けられ得る。
【0012】
1つの例示的な改変において、第3の構成部は、(i)波長の全掃引より少ない干渉信号の少なくとも1つの周波数成分の少なくとも1つの位相と関連付けられた少なくとも1つの信号を取得でき、(ii)少なくとも1つの位相を少なくとも1つの特定の情報と比較できる。特定の情報は、信号の波長掃引と異なる波長掃引から得たさらなる信号と関連付けられ得る。特定の情報は一定であり得、そして/または波長の全掃引より少ない干渉信号の少なくとも1つのさらなる周波数成分の少なくとも1つの位相と関連付けられ得る。周波数成分は互いに異なり得る。
【0013】
別の例示的な改変において、第3の構成部は、信号に基づいた解剖学的サンプルの2次元基底部型(fundus−type)反射率プロファイルおよび/または解剖学的サンプルの2次元基底部型画像を生成できる。備えられ得る別の構成部は第1または第2の電磁放射を受信でき、第1の電磁放射および/または第2の電磁放射と関連付けられた少なくとも1つの第5の電磁放射を与えることができる。第2の構成部はさらに、第5の放射と第4の放射との間のさらなる干渉信号を検出できる。第2の構成部はさらに、波長の全掃引より少ないさらなる干渉信号の少なくとも1つの第1の周波数成分のさらなる位相と関連付けられた少なくとも1つの参照信号を取得できる。特定の情報はさらなる位相であり得る。
【0014】
本発明の別の例示的な実施形態に従って、備えられ得る少なくとも1つの光源構成部は、時間とともに変化する波長を有する電磁放射を与えるように構成される。少なくとも1つの第1の電磁放射の波長の変化の周期は1ミリ秒より短くなり得、波長は約1150nmより短い。少なくとも1つの光源構成部において少なくとも1つの光学利得または光学損失を、時間とともに調節できる制御構成部が備えられ得る。光学利得は、半導体物質によって促進され得る。備えられ得る別の構成部は、波長に応じて利得および/または損失をもたらすように構成される。波長は周期の間に少なくとも10nmまで変化し得、そして/または約950nmより短くなり得る。
【0015】
本発明のさらに別の例示的な実施形態において、方法、装置およびソフトウェア構成が提供され得る。例えば、第1のデータは、サンプルの少なくとも一部分の3次元画像のために受信され得る。第1のデータは、サンプルおよび参照物から得た信号から生成された光干渉信号と関連付けられ得る。第1のデータの全ての部分より少ない領域は、サンプルの部分と関連付けられた2次元画像を生成するために第2のデータに変換され得る。その領域は、サンプルの少なくとも1つの特性に基づいて自動的に選択され得る。その全ての部分は、サンプル内の内部構造(例えば解剖学的構造)と関連付けられ得る。例えば、その領域は網膜および/または脈絡膜の少なくとも一部分であり得る。2次元画像は、その領域および/または血液もしくはリンパ管ネットワークのうちの少なくとも1つの統合された反射率プロファイルと関連付けられ得る。その領域は、領域内の反射率に基づいた領域の少なくとも一部分の少なくとも1つの部位を決定することによって自動的に選択され得る。
【0016】
本発明のさらなる例示的な実施形態に従って、与えられ得る放射は、サンプルに方向付けられた少なくとも1つの第1の電磁放射、および参照物に方向付けられた少なくとも1つの第2の電磁放射を含むことができる。放射の波長は時間とともに変化する。干渉信号は、第1の放射と関連付けられた少なくとも1つの第3の放射と、第2の放射と関連付けられた少なくとも1つの第4の放射との間に検出され得る。干渉信号の少なくとも1つの周波数成分の少なくとも1つの位相と関連付けられた少なくとも1つの信号は、波長の全掃引より少ない範囲で取得され得る。位相は少なくとも1つの特定の情報と比較され得る。
【0017】
1つの例示的な改変において、第1の電磁放射はサンプルを横方向に走査され得、そのサンプルは後眼部の少なくとも一部分を含み得る。その部分は、網膜、脈絡膜、視神経および/または中心窩を含み得る。干渉信号は、波長の全掃引の統合された一部分と関連付けられ得る。掃引の一部分は、掃引の半分または4分の1であり得る。信号はサンプル内の流速および/または解剖学的構造と関連付けられ得る。特定の情報は、信号の波長掃引と異なる波長掃引から取得されたさらなる信号と関連付けられ得る。特定の情報は一定であり得、そして/または波長の全掃引より少ない範囲の干渉信号の少なくとも1つのさらなる周波数成分の少なくとも1つの位相と関連付けられ得る。周波数成分は互いに異なり得る。
【0018】
本発明のこれらならびに他の目的、特性および利点は添付の特許請求の範囲と併せて考慮される場合、本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読むことで明らかになるであろう。
【0019】
本発明のさらなる目的、特性および利点は、本発明の例示的な実施形態を示す図面と併せて以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0020】
別段の説明がない限りは、これらの図面を通して同じ符合や文字が、例示した実施形態について同様の特徴、要素、部品または一部を示すために用いられる。さらに、図面を参照して本発明を詳細に説明するが、これは例示した実施形態と関連して行う。添付の特許請求の範囲に示したように、本発明の実際の範囲および趣旨から逸脱せずに説明した実施形態に対して、変更および改変がなされることは意図される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(レーザー光源システムの第1の例示的な実施形態)
図1(a)は、本発明に従う直線状の共振器構造において備えられるレーザー光源システム(例えば、1050nmの掃引レーザー光源を含み得る)の例示的な実施形態を示す。この図に示されるように、400mAの注入電流レベルで駆動され得る双方向半導体光増幅器(QPhotonics,Inc.,QSOA−1050)のような利得媒質10が備えられ得る。増幅器の1つのポートは、回折格子30(1200ライン/mm)、100mmおよび50mmの焦点距離をそれぞれ有する2つのレンズ40、42からなるテレスコープ、ならびに多面鏡スキャナー50(例えば、Lincoln Lasers,Inc.,40面)を備え得る波長走査フィルタ20に接続され得る。フィルタの設計バンド幅および自由スペクトル領域は、それぞれ約0.1nmおよび61nmであり得る。増幅器のもう一方のポートは、50/50カプラ60を備え得るループミラーに接続するようにつながれ得る。サグナックループ70もまた、出力カプラとして作動し得る。
【0022】
反射率および出力結合率は相補的であり得、ループ内の複屈折によって誘導された非相互性(non−reciprocity)の量を調整するために偏光制御装置80を調節することによって最適化され得る。低損失、低コストのサーキュレータおよびアイソレータは1050nmで利用しにくいため、直線状の共振器構造はまた、従来のリング共振器設計の代わりまたは一緒に使用され得る。36kHzまでの掃引繰り返し率は100%のデューティサイクルで達成され得、これは、1kHz未満の周波数を示した1050nm領域において以前に示された掃引レーザーよりも著しい向上を表し得る。本発明の1つの例示的な実施形態に従うOFDIシステムにおいて、レーザーは約18.8kHzの波長掃引速度で操作され得、それによって、2.7mWの平均出力で偏光出力を生成する。
【0023】
(画像形成システムの例示的な実施形態)
図1(b)は、本発明に従う光周波数領域画像形成(OFDI)システムの例示的な実施形態を示す。例えば、光源100として使用され得る掃引レーザーを使用することができる。この例示的なシステムはさらに、光ファイバ干渉計110、ビームスキャナー120、検出器130およびコンピューター140を備える。サンプルアーム150(例えば30%ポート)は、網膜の画像形成のために設計され得る2軸検流計スキャナー装置120に接続され得る。焦点ビームのサイズは組織において約10μm(例えば指標=1.38)であり得る。眼160の入射瞳における屈折力レベルは約550μWであると測定され得、これは、ANSIレーザー安全基準に従うλ=1050nmでの1.9mWの最大暴露レベルをはるかに下回る。参照アーム170(例えば70%ポート)は、透過型可変遅延線180および10%タップカプラ182を利用することができ、データを獲得するためのサンプリングトリガー信号を生成する。
【0024】
図1(b)に示されるように、ニュートラルデンシティ(ND)減衰器184は、最適な参照アーム電力を取得するために使用され得る。サンプルから戻ってくる光は、50/50カプラ190で参照光と合成され得る。得られた干渉信号は、InGaAs二重平衡検出器140(例えばNew Focus,Inc.,1811)を用いて測定され得る。平衡検出器140によって与えられた信号はさらに(例えば10dBまで)増幅され得、ローパスフィルターをかけられ得、例えば12ビットデータ収集ボード(National Instruments,Inc.,PCI−6115)を用いて10MS/sでデジタル化され得る。例えば、各Aライン走査の間に512サンプルを抽出する場合、スペクトル抽出間隔によって測定された画像形成深度範囲は、空気中で約2.44mmであり得る。
【0025】
(例示的なレーザー出力特性)
図2(a)は、ピークホールドモード(分解能=0.1nm)において最適なスペクトル分析器を用いて測定された例示的な出力スペクトルを示す。例示的な出力スペクトルは、フィルタの自由スペクトル領域によって測定され、1019〜1081nmで62mmの範囲に及んでいた。このスペクトル範囲は眼の局部の透明領域と一致した。ヒトの硝子体および房水における往復光吸収は、水の公知の吸収特性に基づいて約2dBと5dBとの間であると推定できる(図2(a)に示される)。可変遅延マイケルソン干渉計を用いて、空気中で約4.4mmである、50%の視界を生じる往復遅延として規定されるレーザー出力のコヒーレンス長を測定することは可能である。この値から、0.11nmであるレーザー出力の瞬時のライン幅を測定できる。図2(a)において、ピークホールド出力スペクトル200および光吸収曲線205は、代表的なヒトの硝子体における往復に相当する水中で42mmの伝搬距離を与えられる。
【0026】
図2(b)は、18.8kHzでの100%チューニングデューティサイクル(シングルショット、5MHz検出バンド幅)を示すレーザー出力の例示的なオシロスコープ出力トレース210の時間領域のグラフを示す。図2(b)のトレースグラフのy軸は瞬時の屈折力を示す。多面フィルタにおいて共振器内ビームを遮断することにより測定された出力における増幅自然放出(ASE)の全電力は、示されるように1.1mWである。ASEはレージングの間に有意に抑制されるため、レーザー出力のASEレベルはごくわずかであり得ることが予想される。有意な強度変動(約10%pp)を示したレーザー出力は、空気中で2.5mmに相当する厚さを有するSOAチップにおいて比較的大きな面反射からもたらされるエタロン効果に起因する。画像形成システムの例示的な実施形態において、エタロン効果は光偽信号によってゴースト像(−30dB)を引き起こし得る。
【0027】
(例示的な画像形成システムの感受性および分解能)
OFDIシステムの例示的な実施形態および例示的な最適化操作パラメーターは、サンプルとして一部の反射体(ニュートラルデンシティフィルタおよび金属鏡)を用いてSNRを最大化するために提供され得る。最大SNRについての例示的な好ましい参照アーム電力は、各検出ポートで2.6μWであり得る。この比較的低い値は、二重平衡検出において完全に抑制されなくてよいレーザーの比較的大きな強度雑音に起因すると考えられ得る。本発明の例示的な実施形態に従う例示的なデータ処理としては、非線形k−空間チューニングを補正するための参照物減算、エンベロープアポダイゼーションまたはウィンドウイング、補間、および分散補正が挙げられ得る。例えば、レーザー光源の不均一スペクトルエンベロープに起因して、干渉信号から参照物を減算することによって画像アーチファクトを除去することができる。適切なウィンドウイング技術を課すことにより干渉縞をアポダイズすることによって、点広がり関数の側帯波を減少させ、画像コントラストを向上させることができる。
【0028】
本発明に従うプロセスのこの例示的な実施形態は、(減少した積分時間に起因して)分解能損失およびSNRにて出現し得る。コントラストと分解能(例えば1050nmにて)における所望の譲歩をもたらすためにガウス窓を使用することができる。検出器信号は、一定時間間隔で抽出されなくてもよいため、本発明者らのレーザーの同調曲線は、k−空間において直線状ではなかったが、干渉信号を補間することは画像ぶれを減少または回避させるのに好ましくなり得る。例示的な補間を完了させる際に、信号はさらに、例えば予め決定された位相関数を乗じることにより、干渉計およびサンプルにおける色分散のために補正され得る。
【0029】
図3は、干渉計の種々の経路長差で測定された例示的なAラインプロファイルおよび/または点広がり関数220を示す。この測定に関して、本発明者らは、サンプルアームにおいてニュートラルデンシティ減衰器(73dB)および金で被覆したミラーを使用し、経路長は参照ミラーを移動することによって変化させた。最大SNRは、98dBの最大感受性に相当する25dBである。感受性の理論上の散弾雑音限界を計算すると109dBになり;本発明者らのシステムの感受性における11dBの不足は、SNR損失に寄与する多くの他の実験の詳細のうち、残余レーザー強度雑音、サンプルと参照光との間の不完全な偏光配置およびガウスウィンドウイングと考えられ、妥当なようである。例えば、例示的なSNR分析を促進するために、各々の例示的なプロットした曲線を、一定の深度で平均500を超える連続的な走査により取得し、雑音レベルを均一にするために簡単な数値の減算を行った。この図に示されるアスタリスク230として記されたゴーストアーティファクトは、レーザー光源におけるエタロン効果によって誘発された。
【0030】
図3に示すように、レーザー出力の限界コヒーレンス長に起因して、経路長が2.4mmの深度まで増加するにつれて検出感度は92dBまで減少した。1040nmで広帯域光源を使用する従来の時間領域システムと比較した場合、本発明に従うシステムの例示的な実施形態は、より高い感受性、例えば、100倍速い画像獲得速度および6分の1のサンプルアーム電力を提供する。本発明に従うシステムの例示的な実施形態の高い感受性および深度範囲は有利に、800−900nmスペクトル範囲において広帯域光源を使用する例示的なSD−OCTシステムに匹敵する。眼内の液体による吸収のために、ヒトの網膜についての実際のSNRは、ミラーサンプルで測定された値より3−4dB低いようである。(図2(a)に示すように)使用した光源スペクトルおよびガウス窓関数に基づいて、理論上の距離分解能は空気中で約13μmであると測定され得;この測定された値は、深度とともに増大して14−16μmになり得る。高次項に起因する補間および分散補償における誤差は相違の原因となり得る。
【0031】
(インビボにおける網膜、視神経円板および脈絡膜の例示的なビデオ速度画像形成)
本発明に従うシステム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態を用いて、例示的なOFDI画像形成を、2人の健康的なボランティア(A:36歳のアジア人男性、B:41歳のカフカス人男性)で行った。焦点サンプルビームが、網膜黄班部を5.2mm(垂直)と6mm(水平)の領域にわたって走査されて、例示的なOFDIシステムは10−20秒にわたって連続的に18,800のAラインを獲得した。図4は、10.6秒で18.8Hzのフレーム率でボランティアAから記録されたサンプルの中心窩および視神経円板の一連の画像250を示す。各画像フレームは、組織内の6.0mm(水平)および1.8mm(深度)にわたる各々のフレーム範囲で47dBを超える反射率範囲まで反転グレースケールテーブル写像を用いて1,000のAライン走査から構築した。例えば、5.2mmの垂直範囲で組織領域を画像化するために200のフレームを10.6秒で獲得した。網膜における解剖学的層は可視化されて、以前に公開されたOCT画像および組織学的所見との相関関係が十分に示された。
【0032】
図5Aは、本発明に従うシステム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態を用いて3次元データセットから抽出された中心窩の拡大した例示的な画像を示す。図5Aの例示的なOFDI画像は、強膜との接触面近くまでの脈絡膜への深い侵入を示し、高密度に詰まった脈絡膜毛細血管および血管を可視化する。
【0033】
本発明に従うシステム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態の侵入を評価するために、2人のボランティアAおよびBが、ビデオ速度網膜画像化のために以前に開発されたOFDIシステムおよびSD−OCTシステムの両方を用いて3次元画像化され得る。SD−OCTシステムは、840nmの中心波長および50nmの3dBスペクトルバンド幅でスーパールミネセントダイオードを使用し、空気中で8−9nmの距離分解能を示した。29kHzのAライン速度および600μWのサンプルアーム電力レベルで、SD−OCTシステムは、空気中で2.2mmの最大範囲の深度にて82dBまで減少するゼロ遅延において98dBのピーク感受性を示した。
【0034】
図5A−5Fは、2人のボランティアAおよびBの中心窩および視神経円盤付近のOFDIおよびSD−OCT画像の比較を並べて示す。例えば、図5Aおよび5Cは、ボランティアAからの中心窩および視神経頭におけるOFDI画像を示す。図5Bおよび5Dは、同様の組織部位における同じヒトからのSD−OCT画像を示す。図5Eおよび5Fは、ボランティアBから得たOFDIおよびSD−OCT画像をそれぞれ示す。例えば、示されるように、全てのデータセットではないにしても、大部分においてOFDI画像はSD−OCT画像より組織内のかなり深い侵入を示す。このような大きな侵入の深度は、高システム感受性および長い波長光源の両方から生じ得る。組織内の約11μmの比較的大きな距離分解能にもかかわらず、OFDIシステムは、(図5に示されるように)網膜、RNFL;網膜視神経線維束、IPL;内網状層、INL;内顆粒層、OPL;外網状層、ONL;外核層、IPRL;光受容体層の内節と外節との接触面、RPE;網膜色素上皮、C;脈絡膜毛細血管および脈絡膜{ない かりゅう そう}の解剖学的層状構造、を視覚化できる。
【0035】
これらの図に示されるように、SD−OCT画像におけるより高い距離分解能は、網膜層の間のより良いコントラストを提供するが、OFDI画像はSD−OCT画像と比較して脈絡膜へのかなり深い侵入を示す。840nmより1050nmにおけるRPEの低い吸収および分散は、同等の感受性を有するSD−OCTシステムよりOFDIシステムの明らかに優れた侵入の原因となり得る。
【0036】
(OFDI技術/システムを用いる網膜/脈絡膜血管の視覚化)
眼の後部の3次元トモグラフィーデータを用いて、全深度軸に沿ったピクセル値が、2次元基底部型反射率画像を生成するために統合され得る。図6Aは、図4に示される全OFDI画像シーケンスから生成された例示的な統合された反射率画像を示す。この画像は従来の全部そろった統合法を用いて得た2次元反射率画像(5.3×5.2mm)である。例示的な画像は、例示的な視神経頭、中心窩、網膜血管および深い脈絡膜血管の外形を示す。しかしながら、深度情報は示されていない。従来の方法によって生成されたこの画像の欠陥を扱うために、本発明のシステム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態を用いることによって、選択的領域のみを統合することは可能である。
【0037】
例えば、本発明の1つの例示的な実施形態に従って、最大コントラストを有する網膜血管を可視化するために、図6Bに示されるようにIPRLとRPE260、270との間の範囲の反射率を統合することが可能である。この図は、基底部型反射率画像を生成するための軸方向横断統合技術の例示的な実施形態の図を示す。上記の網膜血管によって作製された信号の影または損失は、非常にはっきり見ることができる。血管を含む全ての網膜を統合することによって、しばしば、脈管構造においてより低いコントラストを生じる。なぜなら、網膜血管は強い分散によって大きな信号を生成するからである。自動画像処理は、都合良く、IPRL層260およびRPE層270の自動化区分を可能にする。
【0038】
図6Cは、網膜血管の血管系(3.8×5.2mm)の例示的な反射率画像(影)を示す。RPEより下の薄い統合領域を用いて、図6Dに示されるように脈絡膜の上部から得た十分に小さな血管および色素細胞を含む脈絡膜毛細血管層の基底部型反射率画像を得ることもまた可能である。完全な脈絡膜領域の画像を得るために、図6Bの参照280および290によって示される統合範囲を利用することが可能である。脈絡膜血管は、図6Eの例示的な生成された反射率画像に示され、これは、脈絡膜血管を明らかにする脈絡膜の中心からの統合された例示的な反射率画像である。同様の性質を有する反射率画像は、ボランティアBから得られ得る。
【0039】
(本発明の例示的な実施形態の例示的な実施)
実験結果は、1050nmで例示的なOFDI技術を用いて生成した画像が、高分解能および高コントラストでヒトの網膜および脈絡膜の広範囲の画像形成を提供することができることを示す。しかしながら、本発明の例示的な実施形態に従うOFDIシステムの例示的な実施形態は、従来の時間領域OCTシステムの使用より一桁高い画像獲得速度を提供することができ、840nmでのSD−OCTシステムと比べて向上したコントラストの脈絡膜画像に役立つ。向上した侵入により、脈絡膜毛細血管および血管ネットワークの深度断面反射率画像を得ることが可能となる。眼低カメラまたは走査レーザー検眼鏡は、従来通り血管系を見るために使用されている。しかしながら、このような方法は、かなり低いレベルの色素形成を有する患者を除いて脈絡膜へと接近するために蛍光またはインドシアニングリーン血管造影を必要とし得る。
【0040】
本発明に従う例示的なOFDIシステムは、例えば市販のSOAおよび特注の腔内走査フィルタを用いて生成された波長掃引レーザーを備える。そのようなレーザーの出力、チューニング速度および範囲は、組織内に約98dBの感受性、19kHzのAライン速度および10μmの分解能を生じ得る。飽和出力およびSOAの利得を増加させること、および拡大空洞損失を減少させることによって、感受性および分解能(チューニング範囲)をさらに改良することができる。例えば、本発明に従うシステムの例示的な実施形態の電力暴露レベルは550μWのみであり得、一方、1050nmでの最大ANSI限界は1.9mWであるようである。
【0041】
(掃引レーザー光源の例示的な実施形態)
図7(a)は、本発明に従う、例えば815−870nmのスペクトル範囲における掃引レーザー光源構成の別の例示的な実施形態を示す。掃引レーザー光源構成部は、自由空間アイソレータ310を有する光ファイバの単方向リング空洞300を備え得る。利得媒質320は、市販の利用可能な半導体光増幅器(例えばSOA−372−850−SM、Superlum Diodes Ltd.)であり得る。備えられ得る腔内スペクトルフィルタ330は、回折格子(例えば830溝/mm)332、4f構造において2つの色消レンズ334、336、および72面多面鏡340(Lincoln lasers,Inc.)を含み得る。多面鏡は1秒につき約600回転で回転し得、43.2kHzの繰り返し率で短波長から長波長まで一方向の掃引を生成することができる。
【0042】
空洞内の自由空間平行ビームは約1mmFWHM(半値全幅)のサイズを有し得る。格子法線に対するビーム入射角は67degであり得る。テレスコープ内の2つのレンズ334、336の焦点距離は、それぞれ75(f)mmおよび40(f)mmであり得る。55nmの自由スペクトル領域および0.17nmのFWHMフィルタバンド幅を予測することが可能である。光ファイバカプラ350の70%ポートを介してレーザー出力は得られ得る。2つの偏光制御装置360、362は出力およびチューニング範囲を最大化するために使用され得る。
【0043】
例えば、約43.2kHzの掃引速度にてレーザー出力のスペクトルおよび時間特性を測定することは可能である。SOAは、約110mAの注入電流で駆動され得る。図7(b)は、0.1nmの分解能バンド幅でピークホールドモードにおいて例示的な光スペクトル分析器で測定された例示的な出力スペクトル380、385を示す。全チューニング範囲は55nmであり、38nmのFWHMバンド幅で815nm〜870nmである。出力の安定性は、約43.2kHzの掃引速度および7mWの平均出力という条件で、図7(c)に示されるようにシングルショットオシロスコープトレース390において提供される。チューニングサイクルにわたるピーク出力の変化は1%未満であり得る。瞬間レーザー発光は、複数の縦モードを含み得る。
【0044】
(図3(b)に示されるような)コヒーレンス長の例示的な測定は、FWHMライン幅がフィルタバンド幅に相当する約0.17nmであり得ることを示し得る。レーザー出力の強度雑音特性は、電気スペクトル分析器(例えばModel、Agilent)および低利得シリコン検出器を用いることによってさらに特徴付けられる。測定された相対強度雑音は、約2MHzから10MHzの周波数範囲における周波数で減少する約−125dB/Hzから−135dB/Hzの範囲であり得る。縦モードビーティングに起因する雑音ピークは91MHzで現れ得る。時間平均出力は約6.9mWであり得る。
【0045】
例えば約70%のレーザー光源構成部の例示的な実施形態の大きな出力連結比は、SOAでのピーク出力が約20mW(例えばSOAの規定された光損傷閾値)を超えないことを確実にし得る。この状態が満たされない場合、突然の壊滅的またはゆっくりとした処理損傷がSOAチップの出力面で起こり得る。例えば新しいチップ設計によって800nmSOAチップの光損傷閾値を増加させることは、チューニング速度および長時間の信頼性を向上させ得る。出力は、全平均出力の約8%(約0.56mW)を占め得る広域幅増幅自然放出を含み得る。
【0046】
(例示的な画像形成システム)
本発明に従うOFDIシステムの例示的な実施形態は、例示的な波長掃引レーザー構成部を用いて提供することができる。例示的なシステムの構造は、図1(b)に示されるシステムと同様であり得る。レーザー出力は、30/70カプラによって干渉計内の2つの経路に分割され得る。1つの経路(例えば「サンプルアーム」と呼ばれる30%ポート)において、2軸検流計走査(例えばModel、Cambridge Technologies)を介して生物学的サンプルを照射することができる。もう1つの経路「参照アーム」は一般に参照ビームを与える。後方散乱によってサンプルから戻ってくる信号ビームは、参照ビーム(例えば50/50カプラ)と合成され、それによって干渉を生成する。
【0047】
干渉信号は、2重平衡シリコンレシーバ(例えばDC−80MHz、1807−FS、New Focus)で検出され得る。レシーバ出力はローパスフィルター(35MHz)をかけられ、14ビットデータ取得ボード(例えばDAQ、NI−5122、National Instruments)を用いて100MS/sのサンプリング速度でデジタル化される。トリガーをDAQボードに与えるために参照ビームのごく一部(10%)はタップされ、格子フィルタを通して検出され得る。各波長掃引またはAライン走査の間に、多く(例えば2048サンプル)が獲得され得る。抽出されたデータは、オンボードメモリまたは別の記憶装置に初期に保存され得る。
【0048】
所望の数のAライン走査を収集する際に、データセットはホストパーソナルコンピューター、オンライン処理のためのメモリ/保存構成部のいずれか、および/またはディスプレイもしくは後処理のためのハードディスクに転送され得る。シングルフレームのみが一定の時間に獲得される場合、例示的なシステムは、約5Hzのフレームリフレッシュ速度でリアルタイムにおいて画像フレームを処理および表示可能することができる。より大きなデータセットに関して、例示的な256MBオンボードメモリは、連続して約1.3秒間、65,536までのAライン走査の獲得を与える。これは約128画像フレームに相当し、各々512のAラインからなる。データ後処理技術としては、参照物減算、アポダイゼーション、線形k−空間内への補間、およびフーリエ変換前の分散補償が挙げられ得る。
【0049】
本発明に従うシステム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態を特徴付け、最適化するために、サンプル(−50dB反射率)として半透明ミラーを用いることによって軸点広がり関数(すなわちAライン)を使用することが可能である。図8(a)は、参照屈折力の関数として測定された例示的なシステムの感受性のグラフ400を示す。参照屈折力は、参照アームにおいて可変ニュートラルデンシティ(ND)フィルタを用いることによって変化することができる。例えば、この測定を通して、サンプルと参照アームとの間の経路長差は約0.6mmであり得、減衰されたサンプルミラーから戻ってくる屈折力は、50/50カプラの各ポートにおいて3.3nWであり得る。感受性の値は、サンプル減衰(例えば約50dB)を測定された信号対雑音比(SNR)に加えることによって測定され得る。参照電力は50/50カプラのポートの1つにおいて測定され得、各光ダイオードでの時間平均参照電力に相当する。約30μWと200μWとの間の参照電力、約96dBの最大感受性が取得され得る。
【0050】
デシベルの単位における感受性は以下のように表され得る。
dB=S−10log10(1+a/P+P/b)−Δ
ここで、Sは散弾雑音限界感受性を示し、Pは参照電力レベルであり、熱雑音および強度雑音において参照電力レベルに相当するaおよびbは、それぞれ、大きさにおいて散弾雑音のレベルと等しくなり、Δは、感受性の損失に寄与する他の要因と関連する調整パラメーターであり得る。増幅自然放出を考慮に入れると、Sは約107dBであり得る。例えば、検出雑音レベル(例えば3.3pA/√Hz)および変換効率(例えば1A/W)からa=17μWである。レーザー(例えば−130dB/Hz)の相対強度雑音および平衡レシーバの抑制効率の18dB共通雑音に基づいて、b=280μWである。例えば、図8(b)の実験データ410に最も適合するのはΔ=8dBを用いて取得され得る。図8(b)は、深度の関数として測定された感受性420のグラフを示す。この例示的な値は、フラット参照スペクトル、サンプル光と参照光との間の偏光ミスマッチ、およびデータ処理におけるアポダイゼーション工程を想定する単純化したモデルに大部分起因し得、各々はいくらかのdBによる感受性の損失に起因するようである。
【0051】
レーザー光源の限界コヒーレンス長に起因して、感受性は干渉遅延増加とともに減少し得る。参照アーム内の遅延を変化させることによってサンプルミラーの種々の深度部位において軸点広がり関数を測定することは可能であるが、図8(b)のグラフに示されるように参照電力を光ダイオードあたり約100μWで維持する。例えば、各々の軸プロファイルは、サンプルアームを遮断することによって取得される雑音レベルを測定することによって調整され得、その後50dBレベルに雑音レベルを合わせる。この方法において、雑音レベルの最も適切な周波数または深度依存(約2dB)は減少され得るか、または除去され得る。従って、感受性は約1.9mmの深度において約6dBまで下がり得る。ガウスフィット(点線)より、瞬時レーザーライン幅は約0.17nmであり得る。軸プロファイルのFWHMまたは空気中の軸分解能は、0からBmmまでの深度において約8μmであり得る。これは、組織画像形成
【数1】

において約6μmの軸分解能に相当する。
【0052】
例として、高速高分解生物学的画像形成についての本発明に従うシステム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態の機能を確認および示すために、アフリカツメガエルのオタマジャクシの画像が、インビボにおいてサンプルビーム(Bモード走査)を走査することによって得られ得る。サンプルビームは、約250μmの共焦点パラメーターおよび空気中の焦点(n=1)において約7μmのFWHMビームサイズを有し得る。サンプル上の屈折力は約2.4mWであり得る。画像形成処理の間、オタマジャクシ(ステージ46)は、約0.02%の3−アミノ安息香酸エチルエステル(MS−222)の滴下によりウォーターバス中で麻酔下に存在し得る。
【0053】
図9は、ビームが1次元で心臓の心室の上に繰り返し走査されて得た一連の画像450を示す。画像シーケンスは、1.2秒間に84.4Hz(1フレームにつき512Aライン)のフレーム率で獲得されたが、1秒につき24フレームの減少率で表示される。オリジナル(500×1024ピクセル)から切り取った各フレームは、400×200ピクセルを有し、1.1mm(深度、n=1.35)と3.3mm(水平方向)の寸法に及ぶ。小柱を含む心室の動きが見られ得る。高空間分解能および高時間分解能で鼓動している心臓を画像化する能力は、インビボにおける正常および異常な心臓発達を調べるのに有用であり得る。800nm領域で開発されたICGおよび金ナノ粒子のような造影剤と組み合わせて、本発明に従うOFDIシステム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態は、高速機能または分子画像形成を可能にする。
【0054】
(例示的なレーザー電流調節)
OFDI画像形成についての例示的な好ましい光源構成は、一般に、均一の出力スペクトルを有する。そのような所望のスペクトルプロファイルを得るために、利得媒質の利得もしくは損失、またはレーザー空洞のフィルタ内部もしくは外部を調節することができる。フィルタは広帯域可変減衰器であり得、その送信はレーザーチューニングと同調して制御され得る。例示的なフィルタは、所望の透過スペクトルを有する受動的スペクトルフィルタであり得る。利得媒質は好ましくは半導体光増幅器であり得、その利得は注入電流をフィルタチューニングと同調して増幅器に調節することによって変化され得る。図10(a)および10(b)は、それぞれ、本発明に従う調節方法の例示的な実施形態を使用する例示的な出力チューニングトレース480、使用ない例示的な出力チューニングトレース490のグラフを示す。この例示的な方法はまた、半導体利得チップの所定の光損傷閾値についての出力電力およびチューニング範囲を最大化または少なくとも増加させるために効果的であり得る。
【0055】
(例示的な流量測定)
眼の網膜および脈絡膜において血流を検出および定量化する能力は、加齢性黄班変性の診断のようないくらかの臨床応用において効果を有し得る。OFDI信号の位相から流量情報を抽出するいくらかの方法は、当該分野において公知である。しかしながら、これらの例示的な従来の方法は、サンプリングの間にわたって、2つの連続的なAライン走査の間に有意なビームのオーバーラップを必要とし、それによって、位相確度と画像獲得速度との間に望んでいない障害を引き起こす。本発明に従うシステム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態を用いて2つのAライン走査の位相値を比較する代わりに、単一のAライン内の異なる時点または波長に対応する複数の位相値を抽出し、その値と参照位相値とを比較することができる。この例示的な手段は、単一のAライン走査の間に多重時間点での流速の測定を提供し、より速いビーム走査および画像獲得速度を可能にする。そのような手段は、多くの用途において受け入れられるような低下した位相または速度測定精度において使用され得る。
【0056】
図11は、各波長走査の間に得た全データセットから位相および速度情報を抽出するための従来の方法のフローチャートを示す。図10に示されるように、Aライン走査のk番目から(k+1)番目が提供される。工程510において、このような走査の各々からのDFTが受信されて、それぞれ、式
【数2】

において利用される。次いで、工程510において測定した結果を用いて、以下の測定が工程520においてなされる。
【数3】

次いで、工程530において、A(z)が特定の閾値より大きい場合、位相画像が強度画像にオーバーレイされる。ここで、A(z)は、m番目のAライン走査の深度zにおいてサンプル反射率と関連付けられた信号振幅を示し、φ(z)は、m番目のAライン走査における深度zと関連付けられた信号位相を示し、Δ(z)は、移送間の差異を示す。
【0057】
図12は、干渉縞データの半分をプロセシングすることによって位相および流量情報を得るために使用され得る本発明に従うプロセスの例示的な実施形態のフローチャートを示す。例えば、図11に示される従来の方法と同様に、Aライン走査のk番目から(k+1)番目が提供される。次いで、工程560において、このような走査の各々からのDFTが受信され、それぞれ以下の式において利用される。
【数4】

工程560から得た結果を用いて、以下の測定が工程570においてなされる。
【数5】

ここで、A(z)およびA(z)は、各Aライン走査において獲得した干渉信号の2つの異なる部分から得た信号振幅を示し、φ(z)およびφ(z)は、干渉信号の2つの異なる部分から得た信号位相を示し、φr,1(z)およびφr,2(z)は、援助干渉信号、または異なる深度と関連付けられた位相から得た一定の位相であり得る参照位相を示す。参照位相を信号位相から減算することによって、サンプリング時間変動および動きアーチファクトと関連付けられた位相雑音は、大いに減少し得る。さらに、工程580において、A(z)が特定の閾値より大きい場合、位相画像は強度画像にオーバーレイされる。この例示的なプロセスはまた、ビーム走査位相顕微鏡検査に適用可能である。
【0058】
図13(a)および13(b)は、健康なボランティアから得た網膜の例示的な画像を示す。例えば、図13(a)は、本発明に従うシステム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態を用いて連続的に獲得した多数のフレームからの単一の例示的な画像を示す。画像フレームは約1000軸のラインからなり、例示的な画像は患者の中心窩および視神経円板を示す。図13(b)は、各深度プロファイルにおいて強度を統合することによって領域を覆う複数の断面像から生成された例示的な統合された基底部画像を示し、本発明に従うシステム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態を用いた基底部画像における一点を表す。
【0059】
これらの図に示されるように、網膜OFDI画像形成は、41歳のカフカス人男性被験者でインビボにおいて800−900nmで実施される。本発明に従うOFDIシステム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態は、焦点を合わせたサンプルビームを、網膜内の黄班領域および視神経頭領域に走査すると、1〜2秒間にわたって連続的に23kAラインを獲得した。各画像フレームは、反射率領域に対して反対のグレースケールテーブルマッピングを有する1,000のAライン走査から構成された。網膜内の解剖学的層は、はっきりと視覚化され、以前に公開されたOCT画像および組織学的所見と十分に相互に関連がある。
【0060】
上述は本発明の原理を単に示しただけである。記載した実施形態に対して種々の改変および代替は、本明細書中に教示されている観点から当業者に明らかである。実際に、本発明の例示的な実施形態に従う構成、システムおよび方法は、例えば、2004年9月8日に出願された国際特許出願番号PCT/US2004/029148明細書、2005年11月2日に出願された米国特許出願第11/266,779号明細書および2004年7月9日に出願された米国特許出願第10/501,276号明細書(これらの開示はその全体が本明細書中に参照として援用される)に記載されている任意のOCTシステム、OFDIシステム、SD−OCTシステムまたは他の画像形成システムを用いて使用され得る。従って当業者が、本明細書中に明確に示されるかまたは記載されない限り、本発明の原理を具現化し、それによって本発明の趣旨および範囲内に入る多数のシステム、構成および方法を考案することは理解される。さらに、従来技術の知識が本明細書中に参照として明確に援用されない限り、その全体は本明細書中に明確に援用される。本明細書中に参照した全ての刊行物は、その全体が参照として本明細書中に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1(a)は、本発明に従う波長掃引レーザーシステムの例示的な実施形態のブロック図である。図1(b)は、本発明に従う干渉システムの例示的な実施形態のブロック図である。
【図2a】代表的なヒトの硝子体の往復に相当する特定の伝搬距離についての水中におけるピークホールド出力スペクトルおよび光吸収の測定された出力特性を示すグラフである。
【図2b】時間領域出力トレースの測定された出力特性を示すグラフである。
【図3】種々の経路長差での測定された点広がり関数を示すグラフである。
【図4】本発明に従う、システム、プロセスおよび構成の例示的な実施形態を用いて、健康なボランティアから得た網膜および脈絡膜の例示的な画像である。
【図5】図5Aは、ある部位において例示的なシステムによって形成された患者Aの中心窩および視神経頭における第1の例示的なOFDI画像である。図5Bは、そのような位置において別の例示的なシステムによって形成された患者Aの中心窩および視神経頭における第2の例示的なOFDI画像である。図5Cは、本発明に従う例示的なシステムによって形成された同様の部位における患者Aの中心窩および視神経頭における第1の例示的なSD−OCT画像である。図5Dは、本発明に従う例示的なシステムによって形成された図5Cの部位において患者Aの中心窩および視神経頭における第2の例示的なSD−OCT画像である。図5Eは、本発明に従う別の例示的なシステムによって形成された患者Bから得た第3の例示的なOFDI画像である。図5Fは、本発明に従うさらなる例示的なシステムによって形成された患者Bから得た第4の例示的なOFDI画像である。
【図6】図6Aは、従来の完全な統合方法によって得た図4の画像と関連付けられた3次元OFDIデータセットから抽出された網膜および脈絡膜血管の例示的な2次元反射率画像である。図6Bは、軸横断面統合法(axial−sectioning integration technique)の例示的な実施形態を用いて得た例示的な基底部の反射率画像である。図6Cは、血管の影を示す例示的な網膜の反射率画像である。図6Dは、脈絡膜の上部から得た例示的な反射率画像である。図6Eは、脈絡膜血管を示す脈絡膜の中央から統合された例示的な反射率画像の例示的な画像である。
【図7a】本発明に従う波長掃引レーザー構成部の例示的な実施形態の説明図である。
【図7b】図7(a)の例示的な実施形態を用いて生成された信号のピークホールド出力スペクトルのグラフである。
【図7c】図7(a)の例示的な実施形態を用いて生成されたオシロスコープトレースのグラフである。
【図8a】参照電力に応じて測定された感応性のグラフである。
【図8b】深度に応じて測定された感受性のグラフである。
【図9】本発明に従うシステム、構成およびプロセスの別の例示的な実施形態を用いて得たインビボにおけるアフリカツメガエルのオタマジャクシの例示的なOFDI画像である。
【図10a】本発明に従うシステム、構成およびプロセスの別の例示的な実施形態を用いて、波長に応じて生成された利得/損失を調節せずに成形したスペクトルの例示的な出力のグラフである。
【図10b】本発明に従うシステム、構成およびプロセスの例示的な実施形態を用いて、波長に応じて生成された利得/損失を調節して成形したスペクトルの例示的な出力のグラフである。
【図11】ドップラーOFDI信号を得るための従来の方法のフローチャートである。
【図12】本発明に従う、干渉縞の一部分をプロセシングすることによってドップラーOFDI信号を得るためのプロセスの例示的な実施形態のフローチャートである。
【図13a】多くのフレームにおいて連続的に獲得された健康なボランティアから得た中心窩および視神経円板を含む網膜の例示的な単一の画像である。
【図13b】各深度プロファイルにおける強度を統合することによって領域を覆う複数の断面画像から生成された網膜の例示的な統合された基底部画像である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
解剖学的サンプルに方向付けられた少なくとも1つの第1の電磁放射、および参照物に方向付けられた少なくとも1つの第2の電磁放射を含む放射を与えるように構成された少なくとも1つの第1の構成部であって、前記少なくとも1つの第1の構成部によって与えられた前記放射の波長は時間とともに変化し、前記波長は約1150nmより短い、少なくとも1つの第1の構成部と、
前記少なくとも1つの第1の放射に関連付けられた少なくとも1つの第3の放射と、前記少なくとも1つの第2の放射に関連付けられた少なくとも1つの第4の放射との間の干渉を検出できる少なくとも1つの第2の構成部と、
前記干渉に関連付けられたデータを用いて、前記サンプルの少なくとも一部分に対応する少なくとも1つの画像を生成できる少なくとも1つの第3の構成部と、を備える装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1の電磁放射の波長の変化の周期は、1ミリ秒より短い、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記解剖学的サンプルは、眼の後部の少なくとも一部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも一部分は、網膜、脈絡膜、視神経または中心窩のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記波長は約950nmより短い、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記波長は、前記少なくとも1つの第1の電磁放射の波長の変化の周期の間、少なくとも10nmまで変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の電磁放射が前記解剖学的サンプルを横方向に走査できる少なくとも1つの第4の構成部をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの画像は、前記サンプルの解剖学的構造と関連付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの画像は、前記サンプルにおける血液またはリンパ球の流れのうちの少なくとも1つとさらに関連付けられる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第3の構成部は、(i)前記波長の全掃引より少ない干渉信号の少なくとも1つの周波数成分の少なくとも1つの位相と関連付けられた少なくとも1つの信号を取得でき、(ii)前記少なくとも1つの位相と少なくとも1つの特定の情報とを比較できる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの特定の情報は、前記少なくとも1つの信号の波長掃引と異なる前記波長掃引から得られたさらなる信号と関連付けられる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの特定の情報は一定である、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの特定の情報は、前記波長の全掃引より少ない干渉信号の少なくとも1つのさらなる周波数成分の少なくとも1つの位相と関連付けられ、前記周波数成分は互いに異なる、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第3の構成部は、前記解剖学的サンプルの2次元基底部型反射率プロファイルを生成できる、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第3の構成部は、前記少なくとも1つの信号に基づいた前記解剖学的サンプルの2次元基底型画像を生成できる、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第1または第2の電磁放射を受信でき、前記少なくとも1つの第1の電磁放射または第2の電磁放射のうちの少なくとも1つと関連付けられた少なくとも1つの第5の電磁放射を与えることができる、少なくとも1つの第4の構成部をさらに備え、
前記少なくとも1つの第2の構成部はさらに、前記少なくとも1つの第5の放射と前記少なくとも1つの第4の放射との間のさらなる干渉信号を検出でき、
前記少なくとも1つの第2の構成部はさらに、前記波長の全掃引より少ないさらなる干渉信号の少なくとも1つの第1の周波数成分のさらなる位相と関連付けられた少なくとも1つの参照信号を取得できる、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの特定の情報は、前記さらなる位相である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
解剖学的サンプルに与えるように方向付けられた少なくとも1つの第1の電磁放射、および参照物に方向付けられた少なくとも1つの第2の電磁放射を含む放射を誘発する工程であって、前記放射の波長は時間とともに変化し、前記波長は約1150nmより短い、工程と、
前記少なくとも1つの第1の放射と関連付けられた少なくとも1つの第3の放射と、前記少なくとも1つの第2の放射と関連付けられた少なくとも1つの第4の放射との間の干渉を検出する工程と、
前記干渉と関連付けられたデータを用いて前記サンプルの少なくとも一部分に対応する少なくとも1つの画像を生成する工程と、を包含する方法。
【請求項19】
処理装置によって実行される場合、解剖学的サンプルに与えるように方向付けられた少なくとも1つの第1の電磁放射、および参照物に方向付けられた少なくとも1つの第2の電磁放射を含む放射を誘発する、第1の命令セットであって、前記放射の波長が時間とともに変化し、前記波長は、約1150nmより短い、第1の命令セットと、
前記処理装置によって実行される場合、前記少なくとも1つの第1の放射と関連付けられた少なくとも1つの第3の放射と、前記少なくとも1つの第2の放射と関連付けられた少なくとも1つの第4の放射との間の干渉の検出をもたらす、第2の命令セットと、
前記処理装置によって実行される場合、前記処理装置が、前記干渉と関連付けられたデータを用いて前記サンプルの少なくとも一部分に対応する少なくとも1つの画像を生成する、第2の命令セットと、を含むソフトウェア構成。
【請求項20】
時間とともに変化する波長を有する電磁放射を与えるように構成された少なくとも1つの光源構成部を備える装置であって、前記少なくとも1つの第1の電磁放射の波長の変化の周期は1ミリ秒より短く、前記波長は約1150nmより短い、装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの光源構成部における光学利得または光学損失のうちの少なくとも1つを、時間とともに調節できる制御構成部をさらに備える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記光学利得は半導体材料によって促進される、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記波長に応じて利得または損失のうちの少なくとも1つをもたらすように構成された構成部をさらに備える、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記波長は、前記周期の間、少なくとも10nmまで変化する、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記波長は、約950nmより短い、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
電磁放射を与える工程と、
時間とともに前記電磁放射の波長を変化させる能力を与える工程と、を包含するプロセスであって、前記少なくとも1つの第1の電磁放射の波長の変化の周期は1ミリ秒より短く、前記波長は約1150nmより短い、プロセス。
【請求項27】
処理装置によって実行される場合、時間とともに変化する波長を有する電磁放射を与えるように誘導する、命令セットを含むソフトウェア構成であって、前記少なくとも1つの第1の電磁放射の波長の変化の周期は1ミリ秒より短く、前記波長は約1150nmより短い、ソフトウェア構成。
【請求項28】
サンプルの少なくとも一部分の3次元画像についての第1のデータを受信するように構成された少なくとも1つの構成部を備える装置であって、
前記第1のデータは、前記サンプルおよび参照物から得られた信号から生成された光干渉信号と関連付けられ、
前記少なくとも1つの構成部はさらに、前記サンプルの少なくとも一部分と関連付けられた2次元画像を生成するために前記第1のデータの全ての部分より少ない領域を第2のデータに変換するように構成され、
前記少なくとも1つの構成部は、なおさらに、前記サンプルの少なくとも1つの特性に基づいた領域を自動的に選択するように構成され
前記全ての部分は、前記サンプル内の内部構造と関連付けられる、装置。
【請求項29】
前記サンプルは解剖学的構造である、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記領域は、網膜または脈絡膜のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分である、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記2次元画像は、前記領域の統合された反射率プロファイルと関連付けられる、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記2次元画像は、血液またはリンパ管ネットワークのうちの少なくとも1つと関連付けられる、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つの構成部は、前記領域内の反射率に基づいた領域の少なくとも一部分の少なくとも1つの部位を測定することによって前記領域を自動的に選択する、請求項28に記載の装置。
【請求項34】
サンプルの少なくとも一部分の3次元画像についての第1のデータを受信する工程であって、前記第1のデータは、前記サンプルおよび参照物から得られた信号から生成された光干渉信号と関連付けられる工程と、
前記サンプルの少なくとも一部分と関連付けられた2次元画像を生成するために前記第1のデータの全ての部分より少ない領域を第2のデータに変換する工程と、
前記サンプルの少なくとも1つの特性に基づいた領域を自動的に選択する工程と、を包含するプロセスであって、前記全ての部分は、前記サンプル内の内部構造と関連付けられる、プロセス。
【請求項35】
処理装置によって実行される場合、サンプルの少なくとも一部分の3次元画像についての第1のデータを受信する、第1の命令セットであって、前記第1のデータは、前記サンプルおよび参照物から得られた信号から生成された光干渉信号と関連付けられる、第1の命令セットと、
処理装置によって実行される場合、前記サンプルの少なくとも一部分と関連付けられた2次元画像を生成するために、前記第1のデータの全ての部分より少ない領域を第2のデータに変換する、第2の命令セットと、
処理装置によって実行される場合、前記サンプルの少なくとも1つの特性に基づいた領域を自動的に選択する、第3の命令セットと、を含む、ソフトウェア構成であって、前記全ての部分は、前記サンプル内の内部構造と関連付けられる、ソフトウェア構成。
【請求項36】
サンプルに方向付けられた少なくとも1つの第1の電磁放射、および参照物に方向付けられた少なくとも1つの第2の電磁放射を含む放射を与える、少なくとも1つの第1の構成部であって、前記少なくとも1つの第1の構成部によって与えられる前記放射の波長は時間とともに変化する、少なくとも1つの第1の構成部と、
少なくとも1つの第1の放射と関連付けられた少なくとも1つの第3の放射と、前記少なくとも1つの第2の放射と関連付けられた少なくとも1つの第4の放射との間の干渉信号を検出できる少なくとも1つの第2の構成部と、を備える装置であって、
前記少なくとも1つの第2の構成部は、前記波長の全掃引より少ない前記干渉信号の少なくとも1つの周波数成分の少なくとも1つの位相と関連付けられた少なくとも1つの信号を得ることができ、前記少なくとも1つの位相と少なくとも1つの特定の情報とを比較できる、装置。
【請求項37】
少なくとも1つの第1の電磁放射が、前記サンプルを横方向に走査できる少なくとも1つの第3の構成部をさらに備える、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記サンプルは、眼の後部の少なくとも一部分を含む、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
前記少なくとも一部分は、網膜、脈絡膜、視神経または中心窩のうちの少なくとも1つを含む、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
前記干渉信号は、前記波長の全掃引の統合された一部分と関連付けられる、請求項36に記載の装置。
【請求項41】
前記掃引の一部分は、前記掃引の半分または4分の1である、請求項36に記載の装置。
【請求項42】
前記少なくとも1つの信号は、前記サンプルにおける流速または解剖学的構造のうちの少なくとも1つと関連付けられる、請求項36に記載の装置。
【請求項43】
前記少なくとも1つの特定の情報は、前記少なくとも1つの信号の波長掃引と異なる前記波長掃引から得られたさらなる信号と関連付けられる、請求項36に記載の装置。
【請求項44】
前記少なくとも1つの特定の情報は、一定である、請求項36に記載の装置。
【請求項45】
前記少なくとも1つの特定の情報は、前記波長の全掃引より少ない前記干渉信号の少なくとも1つのさらなる周波数成分の少なくとも1つの位相と関連付けられ、前記周波数成分は互いに異なる、請求項36に記載の装置。
【請求項46】
前記第1または第2の電磁放射のうちの少なくとも1つを受信でき、前記第1の電磁放射または前記第2の電磁放射のうちの少なくとも1つと関連付けられた少なくとも1つの第5の電磁放射を与えることができる、少なくとも1つの第3の構成部を備え、
前記少なくとも1つの第2の構成部はさらに、前記少なくとも1つの第5の放射と前記少なくとも1つの第4の放射との間のさらなる干渉信号を検出でき、
前記少なくとも1つの第2の構成部はさらに、前記波長の全掃引より少ない前記さらなる干渉信号の少なくとも1つの第1の周波数成分のさらなる位相と関連付けられた少なくとも1つの参照信号を得ることができる、請求項36に記載の装置。
【請求項47】
前記少なくとも1つの特定の信号は前記さらなる位相である、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
サンプルに方向付けられた少なくとも1つの第1の電磁放射、および参照物に方向付けられた少なくとも1つの第2の電磁放射を含む放射を与えるように誘導する工程であって、該工程は少なくとも1つの第1の構成部によって与えられた放射の波長が時間とともに変化する工程と、
前記少なくとも1つの第1の放射と関連付けられた少なくとも1つの第3の放射と、前記少なくとも1つの第2の放射と関連付けられた少なくとも1つの第4の放射との間の干渉信号を検出する工程と、
前記波長の全掃引より少ない前記干渉信号の少なくとも1つの周波数成分の少なくとも1つの位相と関連付けられた少なくとも1つの信号を得る工程であって、該工程は前記少なくとも1つの位相と少なくとも1つの特定の情報とを比較する工程と、を包含するプロセス。
【請求項49】
処理装置によって実行される場合、サンプルに方向付けられた少なくとも1つの第1の電磁放射、および参照物に方向付けられた少なくとも1つの第2の電磁放射を含む放射を与えるように誘導する第1の命令セットであって、少なくとも1つの第1の構成部によって与えられる前記放射の波長は時間とともに変化する、第1の命令セットと、
処理装置によって実行される場合、前記少なくとも1つの第1の放射と関連付けられた少なくとも1つの第3の放射と、前記少なくとも1つの第2の放射と関連付けられた少なくとも1つの第4の放射との間の干渉信号の検出を誘導する第2の命令セットと、
処理装置によって実行される場合、前記波長の全掃引より少ない前記干渉信号の少なくとも1つの周波数成分の少なくとも1つの位相と関連付けられた少なくとも1つの信号を得て、前記少なくとも1つの位相と少なくとも1つの特定の情報とを比較する、第3の命令セットと、を含むソフトウェア構成。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−10012(P2013−10012A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−225358(P2012−225358)
【出願日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【分割の表示】特願2009−510092(P2009−510092)の分割
【原出願日】平成19年5月4日(2007.5.4)
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】