説明

サーバベース・コンピューティング・システム、サーバ装置、クライアント装置、およびプログラム

【課題】SBCシステムで、同一ユーザがサーバ装置と接続中のクライアント装置を別のクライアント装置へ切り替えて使用する場合、ログオン/オフ操作なく簡単に切り替える。
【解決手段】クライアント装置同士の通信手段により、切替先クライアント装置(B)20bから切替元クライアント装置(A)20aへ直接、ユーザ操作等に応じた切替通知(含む端末情報)を送信させる。この切替通知は切替元20aによりサーバ装置10へ転送される。この際切替元20aは表示中の画面データGを切替先20bの端末情報に応じてリサイズし該切替先20bへ送信して表示させる。一方サーバ装置10にて前記切替元20aにて転送された切替先20bからの切替通知が受信されると、その時のアプリケーションの動作状態が保存された後、切替元20aから切替先20bへと接続が切り替えられる。すると前記保存されたアプリケーションの動作状態が復元され、切替先20bでは切り替え前からの作業を継続的に実行可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバベース・コンピューティング・システム、およびそのサーバ装置、クライアント装置、サーバ制御プログラム、クライアント制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサーバ・クライアント・システムにおいて、例えばクライアント装置からのリモート操作によりサーバ装置側で所望のアプリケーションプログラムを起動実行させるサーバベース・コンピューティング・システム(SBCシステム;Server Based Computing system)がある。このSBCシステムでは、クライアント装置の操作入力に応じてサーバ装置側で処理され更新される表示用の画面データが、該サーバ装置からその画面更新の都度クライアント装置へと送信転送されて表示される。これによりクライアント装置は、表示や入力など最低限の機能のみを持てば良く、アプリケーションなどの資源はサーバ装置で一元管理するものである。
【0003】
このようにSBCシステムは、サーバ装置上でアプリケーションプログラムが実行されるので、クライアント装置の性能が低い場合にも高機能なコンピューティング環境を実現可能である。
【0004】
複数のサーバ装置を並列に備えたサーバベース・コンピューティング・システムにおいて、クライアント装置からアプリケーションプログラムの起動要求があった場合に、最適な実行環境を持つサーバ装置が決定され、マルチユーザ且つマルチタスクで同一アプリケーションの動作を実現できるようにする手法が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
複数種類の専用端末となる各クライアント装置を1つのサーバ装置に接続して使用する場合でも、各クライアント装置毎にユーザ自らが異なる実行環境を設定する必要なく、各ユーザが必要とする最適な作業を各端末画面サイズに合わせて行うことができるサーバベース・コンピューティング・システムが考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】2004−192348号公報
【特許文献2】2007−179108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来のサーバベース・コンピューティング・システムにおいて、同一ユーザが、例えば外出先では携帯端末型のクライアント装置によりサーバ装置と接続して作業を行い、外出から戻った社内ではデスクトップPC型のクライアント装置により同サーバ装置と接続して引き続き同じ作業を行うことがある。
【0008】
このような場合、ユーザはその都度、外出先にて使用していた接続中の携帯端末型のクライアント装置をログオフ操作し、次いで社内にあるデスクトップPC型のクライアント装置をログオン操作して、クライアント装置の切替作業を行わなければならない。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、同一ユーザがサーバ装置と接続中のクライアント装置を別のクライアント装置へ切り替えて使用する場合に、その都度ログオフ操作とログオン操作とによる切替作業を行う必要なく、非常に簡単に切り替えることが可能になるサーバベース・コンピューティング・システム、およびそのサーバ装置、クライアント装置、サーバ制御プログラム、クライアント制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載のサーバベース・コンピューティング・システムは、ネットワークを介して接続されたサーバ装置とクライアント装置とを有し、クライアント装置からの入力イベントに応じてサーバ装置により実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を、前記クライアント装置へ送信して表示部に表示させるようにしたサーバベース・コンピューティング・システムであって、前記サーバ装置は、接続中のクライアント装置により転送された他のクライアント装置からの端末情報を含む切替通知信号を受信する切替通知受信手段と、この切替通知受信手段により切替通知信号を受信した際に、前記アプリケーションプログラムの動作状態を保存する動作状態保存手段と、前記切替通知受信手段により受信された切替通知信号に基づき、前記接続中のクライアント装置から前記他のクライアント装置へ接続を切り替える接続切替手段と、この接続切替手段により前記他のクライアント装置へ接続が切り替えられた際に、当該他のクライアント装置から受信される端末情報に従い、前記動作状態保存手段により保存されたアプリケーションプログラムの動作状態を復元する動作状態復元手段とを備え、前記クライアント装置は、前記サーバ装置と接続中である場合に、他のクライアント装置からその端末情報を含む切替通知信号を受信した際に、当該切替通知信号を前記サーバ装置へ転送する切替通知転送手段と、前記サーバ装置と接続中である場合に、表示部に表示される画面情報の表示サイズを前記他のクライアント装置の端末情報に基づき変換する表示サイズ変換手段と、この表示サイズ変換手段により変換された画面情報を前記他のクライアント装置へ送信する画面情報送信手段と、前記サーバ装置と接続中でない場合に、その端末情報を含む切替通知信号を前記サーバ装置と接続中のクライアント装置へ送信する切替通知送信手段と、前記画面情報送信手段により送信された画面情報を受信する画面情報受信手段と、この画面情報受信手段により受信された画面情報を表示部に表示させる画面表示制御手段と、前記サーバ装置の接続切替手段により当該サーバ装置と接続された際に、そのサーバ装置へ端末情報を送信する端末情報送信手段とを備えた、ことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載のサーバ装置は、ネットワークを介して接続されたクライアント装置からの入力イベントに応じてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置であって、接続中のクライアント装置により転送された他のクライアント装置からの端末情報を含む切替通知信号を受信する切替通知受信手段と、この切替通知受信手段により切替通知信号を受信した際に、前記アプリケーションプログラムの動作状態を保存する動作状態保存手段と、前記切替通知受信手段により受信された切替通知信号に基づき、前記接続中のクライアント装置から前記他のクライアント装置へ接続を切り替える接続切替手段と、この接続切替手段により前記他のクライアント装置へ接続が切り替えられた際に、当該他のクライアント装置から受信される端末情報に従い、前記動作状態保存手段により保存されたアプリケーションプログラムの動作状態を復元する動作状態復元手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載のクライアント装置は、ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信して表示部に表示するクライアント装置であって、前記サーバ装置と接続中である場合に、他のクライアント装置からその端末情報を含む切替通知信号を受信した際に、当該切替通知信号を前記サーバ装置へ転送する切替通知転送手段と、前記サーバ装置と接続中である場合に、表示部に表示される画面情報の表示サイズを前記他のクライアント装置の端末情報に基づき変換する表示サイズ変換手段と、この表示サイズ変換手段により変換された画面情報を前記他のクライアント装置へ送信する画面情報送信手段と、前記サーバ装置と接続中でない場合に、その端末情報を含む切替通知信号を前記サーバ装置と接続中のクライアント装置へ送信する切替通知送信手段と、前記画面情報送信手段により送信された画面情報を受信する画面情報受信手段と、この画面情報受信手段により受信された画面情報を表示部に表示させる画面表示制御手段と、前記サーバ装置と接続された際に、当該サーバ装置へ端末情報を送信する端末情報送信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載のサーバ制御プログラムは、ネットワークを介して接続されたクライアント装置からの入力イベントに応じてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置のコンピュータを制御するためのプログラムであって、前記コンピュータを、接続中のクライアント装置により転送された他のクライアント装置からの端末情報を含む切替通知信号を受信する切替通知受信手段、この切替通知受信手段により切替通知信号を受信した際に、前記アプリケーションプログラムの動作状態を保存する動作状態保存手段、前記切替通知受信手段により受信された切替通知信号に基づき、前記接続中のクライアント装置から前記他のクライアント装置へ接続を切り替える接続切替手段、この接続切替手段により前記他のクライアント装置へ接続が切り替えられた際に、当該他のクライアント装置から受信される端末情報に従い、前記動作状態保存手段により保存されたアプリケーションプログラムの動作状態を復元する動作状態復元手段、として機能させることを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載のクライアント制御プログラムは、ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信して表示部に表示するクライアント装置のコンピュータを制御するためのプログラムであって、前記サーバ装置と接続中である場合に、他のクライアント装置からその端末情報を含む切替通知信号を受信した際に、当該切替通知信号を前記サーバ装置へ転送する切替通知転送手段、前記サーバ装置と接続中である場合に、表示部に表示される画面情報の表示サイズを前記他のクライアント装置の端末情報に基づき変換する表示サイズ変換手段、この表示サイズ変換手段により変換された画面情報を前記他のクライアント装置へ送信する画面情報送信手段、前記サーバ装置と接続中でない場合に、その端末情報を含む切替通知信号を前記サーバ装置と接続中のクライアント装置へ送信する切替通知送信手段、前記画面情報送信手段により送信された画面情報を受信する画面情報受信手段、この画面情報受信手段により受信された画面情報を表示部に表示させる画面表示制御手段、前記サーバ装置と接続された際に、当該サーバ装置へ端末情報を送信する端末情報送信手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、同一ユーザがサーバ装置と接続中のクライアント装置を別のクライアント装置へ切り替えて使用する場合に、その都度ログオフ操作とログオン操作とによる切替作業を行う必要なく、非常に簡単に切り替えることが可能になるサーバベース・コンピューティング・システム、およびそのサーバ装置、クライアント装置、サーバ制御プログラム、クライアント制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るSBC(Server Based Computing)システムの構成を示すブロック図。
【図2】前記SBCシステムのサーバ装置10に対するクライアント装置(A)20a,(B)20b,…間での接続切り替えに伴う表示画面の状態を示す図。
【図3】前記SBCシステムにおけるサーバ装置10の回路構成を示すブロック図。
【図4】前記SBCシステムにおけるクライアント装置20a(20b)の回路構成を示すブロック図。
【図5】前記SBCシステムの全体の動作シーケンスを示す図。
【図6】前記SBCシステムのサーバ装置10によるサーバ処理を示すフローチャート。
【図7】前記サーバ装置10のサーバ処理に伴うクライアント切替処理を示すフローチャート。
【図8】前記SBCシステムのクライアント装置(A:切替元)20aによるクライアント処理を示すフローチャート。
【図9】前記クライアント装置(A:切替元)20aのクライアント処理に伴う画面リサイズ処理を示すフローチャート。
【図10】前記SBCシステムのクライアント装置(B:切替先)20bによるクライアント処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係るSBC(Server Based Computing)システムの構成を示すブロック図である。
【0019】
このSBCシステムは、有線または無線のLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)からなるネットワークN上に接続されたサーバ装置10および複数のクライアント装置(Thin client)(A)20a,(B)20b,…を備える。
【0020】
クライアント装置(A)20a,(B)20b,…は、例えばデスクトップPC型、ノートPC型、携帯端末(PDA)型、携帯電話型など、それぞれ異なる種類の端末装置でもよいし、同種の端末装置でもよい。
【0021】
サーバ装置10は、テキスト作成処理プログラム,Webブラウザプログラム,表計算処理プログラム,メール処理プログラムなど、複数のアプリケーションプログラムを有し、当該サーバ装置10に接続されたクライアント装置(A)20a,(B)20b,…からの操作入力(入力イベント)信号に応じて起動しその処理を実行する。
【0022】
このサーバ装置10において、クライアント装置(A)20a,(B)20b,…からの操作入力信号に応じたアプリケーションプログラムの実行に伴い、クライアント用のフレームバッファRAM14a(図3参照)上に生成された表示出力用の画面データGは、アクセス元のクライアント装置(A)20a,(B)20b,…へ転送される。
【0023】
そして、クライアント装置(A)20a,(B)20b,…では、前記サーバ装置10から転送された画面データGがフレームバッファRAM25(図4参照)に展開され、表示装置26の表示画面に表示される。
【0024】
つまり、このSBCシステムにおける各クライアント装置(Thin client)(A)20a,(B)20b,…は、何れもキーボードやマウスなどのユーザ操作に応じた入力機能とLCD表示部及びプリンタなどへの出力機能を主要な機能として有し、少なくとも前記サーバ装置10が有している各種のアプリケーション機能やデータファイルの管理機能を持っていない。
【0025】
そして、クライアント装置(A)20a,(B)20b,…からの操作入力(入力イベント)信号に応じてサーバ装置10にて起動実行される各種の処理に伴い生成されたデータファイルは、基本的には、当該サーバ装置10内あるいは該サーバ装置10にて接続管理される磁気ディスクなどの記憶装置にユーザアカウント毎あるいは共有ファイルとして記憶され保存される。
【0026】
このSBCシステムのクライアント装置(A)20a,(B)20b,…は、ネットワークNを介してサーバ装置10と通信するための第1の通信手段(通信I/F(1)29a:図4参照)だけでなく、クライアント装置(A)20a,(B)20b,…同士で通信するための第2の通信手段(通信I/F(2)29b:図4参照)を備える。
【0027】
そして、このSBCシステムは、サーバ装置10に接続中のあるクライアント装置(A)20aを、その同一ユーザが別のクライアント装置(B)20bに切り替えて接続する場合に、接続中のクライアント装置(A)20aにおけるログオフ操作と、切替先のクライアント装置(B)20bにおけるログオン操作とをすることなく、簡単に切替可能な機能を有する。
【0028】
接続中のクライアント装置(A)20aから切替先のクライアント装置(B)20bへの切り替え処理は、切替先のクライアント装置(B)20bから接続中のクライアント装置(A)20aへの端末情報(表示画面サイズ等)を含む切替通知信号に基づき開始される。この際、切替先のクライアント装置(B)20bに最初に表示される画面データは、切替元のクライアント装置(A)20aにおいて最後に表示されていた画面データが、前記端末情報(表示画面サイズ)に基づきリサイズされて与えられる。
【0029】
図2は、前記SBCシステムのサーバ装置10に対するクライアント装置(A)20a,(B)20b,…間での接続切り替えに伴う表示画面の状態を示す図である。
【0030】
切替元のクライアント装置(A)[例えば携帯端末型]20aにて最後に表示されていた画面データGは、前述した通り、切替先のクライアント装置(B)[例えばデスクトップ型PC]20bの端末情報(表示画面サイズ)に基づきリサイズされ、当該切替先のクライアント装置(B)20bへ転送されて表示される。この際、図2(A)(B)の矢印xで示すように、例えば切替元の画面データGの上部から下部へ一定幅の画面データ毎に順次リサイズされて切替先へ転送され、その都度、切替元の画面データGが順次消去されながら切替先の画面データG′として表示させる構成とする。
【0031】
これにより、切替先のクライアント装置(B)20bでは、サーバ装置10との接続完了を待つこと無しに、素早く且つ自然な切り替えイメージで初期画面(G′)を表示させることができる。また、切替元のクライアント装置(A)20aでは、その接続切り替えに伴い画面データGが完全に消去されるので、SBCシステムとしてのセキュリティ性を確実に維持することができる。
【0032】
図3は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10の回路構成を示すブロック図である。
【0033】
サーバ装置10は、コンピュータとしてのCPU11を備え、このCPU11には、バス12を介してROM13、RAM14、フレームバッファRAM15、表示装置16が接続される。
【0034】
また、CPU11には、バス12を介してキーボード,マウスなどの入力装置17、外部記憶装置18、クライアント装置(A)20a,(B)20b,…との通信I/F(インターフェイス)19が接続される。
【0035】
CPU11は、ROM13内のプログラムメモリ13aに予め記憶されているシステムプログラムや種々のアプリケーションプログラムに従ってRAM14を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置17からのキー入力信号や通信I/F19を介して受信されるクライアント装置20a,20b,…からのユーザ操作に応じた処理指令(入力イベント)信号などに応じて前記種々のプログラムが起動・実行される。
【0036】
このサーバ装置10において、クライアント装置20a,20b,…からの入力イベント信号に応じて起動・実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された種々のデータは、例えばそのユーザIDに対応付けられて外部記憶装置18に記憶される。またクライアント表示用の画面データGは、RAM14内のクライアント用フレームバッファRAM14aを使用して生成されると共に、圧縮処理された後、通信I/F19からクライアント装置20a,20b,…へ転送されて表示出力される。
【0037】
前記RAM14内には、さらに、アプリケーション動作状態メモリ14bが確保される。このアプリケーション動作状態メモリ14bには、接続中のクライアント装置20aがログオフなどにより切断される際に、当該クライアント装置20aの入力イベントに応じて実行されていたアプリケーションの動作状態が記憶され管理される。このアプリケーション動作状態メモリ14bに記憶されたアプリケーションの動作状態は、同一ユーザのクライアント装置20a(20b)が次回ログオンして接続された際に復元されて実行される。
【0038】
なお、当該サーバ装置10自身の表示装置16にて表示させるための画面データは、フレームバッファRAM15上に生成される。
【0039】
このサーバ装置10は、接続中のクライアント装置(切替元)20aにより転送された他のクライアント装置(切替先)20bからの端末情報(表示画面サイズ等)を含む切替通知信号が受信された場合に、接続中のクライアント装置20aの入力イベントに応じて実行されていたアプリケーションの動作状態を、前記RAM14内のアプリケーション動作状態メモリ14bに記憶して保存し、この後、前記接続中のクライアント装置20aを切断(ログオフ)すると共に、他のクライアント装置20bへ接続通知信号を送信する機能を有する。
【0040】
そして、このサーバ装置20は、前記他のクライアント装置(切替先)20bへ接続通知信号を送信した後に、当該他のクライアント装置20bからその端末情報(表示画面サイズ等)を含む認証データが受信された場合、通常のログイン認証処理を実行し、前記RAM14内のアプリケーション動作状態メモリ14bに保存されたアプリケーションの動作状態を、前記切替先の端末情報に基づき復元する機能を有する。
【0041】
図4は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20a(20b)の回路構成を示すブロック図である。
【0042】
クライアント装置20aは、コンピュータとしてのCPU21を備え、このCPU21には、バス22を介してROM23、RAM24、フレームバッファRAM25が接続される。そして、このフレームバッファRAM25に書き込まれた画面データGが表示装置26に出力されて表示される。
【0043】
また、CPU21には、バス22を介してキーボード,マウス,マイク,光センサなどの入力装置27、外部記憶装置28が接続され、さらに、前記サーバ装置10とネットワークNを介して通信するための通信I/F(インターフェイス)(1)29a、他のクライアント装置20bと通信するための通信I/F(2)29bが接続される。
【0044】
前記他のクライアント装置20bと通信するための通信I/F(2)29bは、USBケーブルやクレードル、近距離無線装置などを使用して構成される。
【0045】
CPU21は、ROM23内のプログラムメモリ23aに予め記憶されているシステムプログラムに従ってRAM24を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置27からのキー入力信号やマウス移動信号、通信I/F(A)29aを介して受信されるサーバ装置10からのアプリケーション応答信号や転送画面データG、通信I/F(B)29bを介して受信される他のクライアント装置20bからの切替通知信号などに応じて前記システムプログラムが起動され実行される。
【0046】
このクライアント装置20aにおいて、前記サーバ装置10におけるアプリケーションプログラムを実行させて生成した種々のデータは、適宜、外部記憶装置28に読み込ませて記憶させ、また生成転送された表示用の画面データGは、その圧縮が解凍されてフレームバッファRAM25に書き込まれ表示装置26で表示出力される。
【0047】
このクライアント装置20a(20b)は、サーバ装置10と接続中の他のクライアント装置20b(20a)から接続を切り替える場合、ユーザ操作に応じて、あるいは前記通信I/F(B)29bを介して前記他のクライアント装置20b(20a)との接続が確立された際に自動で、当該他のクライアント装置20b(20a)に対し、自分の端末情報(表示画面サイズ等)を含む切替通知信号を送信する機能を有する。
【0048】
また、このクライアント装置20a(20b)は、前記サーバ装置10と接続中の他のクライアント装置20b(20a)へ切替通知信号を送信した後に、当該他のクライアント装置20b(20a)から直接転送されて来るリサイズされた画面データG′(図2参照)を表示装置26に表示させる機能を有する。
【0049】
また、このクライアント装置20a(20b)は、前記他のクライアント装置20b(20a)から直接転送された画面データG′を表示させた後に、サーバ装置10から接続通知信号が受信された場合、当該サーバ装置10に対し、自分の端末情報(表示画面サイズ等)を含む認証データを送信して接続を確立させる機能を有する。
【0050】
また、このクライアント装置20a(20b)は、前記通信I/F(B)29bを介して他のクライアント装置20b(20a)からその端末情報(表示画面サイズ等)を含む切替通知信号が受信された場合、当該他のクライアント装置20b(20a)からの切替通知信号をサーバ装置10へ転送する機能を有する。
【0051】
また、このクライアント装置20a(20b)は、前記他のクライアント装置20b(20a)からの切替通知信号が受信された場合、そのときにフレームバッファRAM25に記憶され表示装置26に表示されていた画面データGを、前記切替通知信号に含まれる端末情報(表示画面サイズ等)に基づきリサイズし、前記他のクライアント装置20b(20a)へ転送して表示させる機能を有する。
【0052】
次に、前記構成のSBCシステムの動作について説明する。
【0053】
図5は、前記SBCシステムの全体の動作シーケンスを示す図である。
【0054】
この実施形態では、例えばあるユーザが外出から社内に戻った際に、外出先でサーバ装置10に接続して使用していた携帯端末型のクライアント装置(A:切替元)20aから社内にあるデスクトップ型のクライアント装置(B:切替先)20bへ、サーバ装置10との接続を切り替え、継続して作業する場合を主体に説明する。
【0055】
図6は、前記SBCシステムのサーバ装置10によるサーバ処理を示すフローチャートである。
【0056】
図7は、前記サーバ装置10のサーバ処理に伴うクライアント切替処理を示すフローチャートである。
【0057】
図8は、前記SBCシステムのクライアント装置(A:切替元)20aによるクライアント処理を示すフローチャートである。
【0058】
図9は、前記クライアント装置(A:切替元)20aのクライアント処理に伴う画面リサイズ処理を示すフローチャートである。
【0059】
図10は、前記SBCシステムのクライアント装置(B:切替先)20bによるクライアント処理を示すフローチャートである。
【0060】
外出先で使用するクライアント装置(A)20aにおいて、ユーザがログイン操作すると、当該クライアント装置(A)20aのユーザID、CPU21の性能、表示画面サイズ等の端末情報を含む認証データがサーバ装置10へ送信される(ステップA1(Yes)→A2)。
【0061】
サーバ装置10において、前記クライアント装置(A)20aから送信された認証データが受信されると(ステップS1(Yes)→S2)、ログイン認証処理が実行されて接続が確立されると共に(ステップS3)、当該接続されたクライアント装置(A)20aの端末情報がRAM14に設定される(ステップS4)。
【0062】
そして、前記RAM14に設定されたクライアント装置(A)20aの端末情報に対応付けられて、RAM14内のアプリケーション動作状態メモリ14bに保存されている前回の接続終了(ログオフ)時点でのアプリケーションプログラムの動作状態が復元される(ステップS5)。
【0063】
ここで、前記クライアント装置(A)20aにおいて、ユーザによる入力操作が行われると(ステップA3(Yes))、その入力操作データ(入力イベント信号)が前記サーバ装置10へ送信される(ステップA4)。
【0064】
サーバ装置10において、前記クライアント装置(A)20aから送信された入力操作データ(入力イベント信号)が受信されると(ステップS6)、当該入力操作(入力イベント)に応じたアプリケーションプログラムが実行され(ステップS7)、前記RAM14に設定された端末情報(表示画面サイズ等)に合わせたクライアント表示用の画面データGが生成されてクライアント用フレームバッファRAM14aに描画されると共に、この画面データGが前記イベント入力元のクライアント装置(A)20aへ送信される(ステップS8)。
【0065】
前記イベント入力元のクライアント装置(A)20aにおいて、前記サーバ装置10により生成されて送信された画面データGが受信されると(ステップA5)、当該画面データGは、フレームバッファRAM25に描画され表示装置26に表示される(ステップA6)。
【0066】
これにより、クライアント装置(A)20aでは、ユーザの入力操作に応じて、サーバ装置10にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面データGが受信され、表示装置26に表示される(ステップA3〜A6(S6〜S8))。
【0067】
こうして、ユーザが外出先にて携帯端末型のクライアント装置(A)20aをサーバ装置10に接続し、所望の作業を行っている状態で、社内に戻り、デスクトップ型のクライアント装置(B:切替先)20bで、ユーザが接続・切替を指示する操作を行うか、または当該デスクトップ型のクライアント装置(B:切替先)20bの通信I/F29bに接続されているクレードルに前記携帯端末型のクライアント装置(A:接続中)20aを装着するか、または近距離無線通信により前記携帯端末型のクライアント装置(A:接続中)20aとデスクトップ型のクライアント装置(B:切替先)20bとの接続が確立されると、当該デスクトップ型のクライアント装置(B:切替先)20bからそのユーザID、CPU21の性能、表示画面サイズ等の端末情報を含む切替通知信号が、前記携帯端末型のクライアント装置(A:接続中)20aへ送信される(ステップB1(Yes)→B2)。
【0068】
前記接続中のクライアント装置(A)20aにおいて、前記切替先のクライアント装置(B)20bから送信された切替通知信号が受信されると(ステップA7(Yes))、図9における画面リサイズ処理に移行される(ステップAR)。
【0069】
この画面リサイズ処理において、前記切替先のクライアント装置(B)20bの端末情報を含む切替通知信号が受信されると(ステップR1)、この受信されたクライアント装置(B)20bの切替通知信号(含む端末情報)は、前記サーバ装置10へ転送される(ステップR2)。
【0070】
すると、切替元のクライアント装置(A)20aのフレームバッファRAM25に記憶されて表示装置26にて現在表示中の画面データGが、前記切替通知信号と共に受信された切替先のクライアント装置(B)20bの端末情報(表示画面サイズ)に合わせてリサイズ(拡大/縮小)される(ステップR3)。そして、このリサイズされた画面データG′が、前記切替先のクライアント装置(B)20bへ送信される(ステップR4)。
【0071】
切替先のクライアント装置(B)20bにおいて、前記切替元のクライアント装置(A)20aからリサイズされて送信された画面データG′が受信されると(ステップB3)、この受信された画面データG′は、フレームバッファRAM25に描画されて記憶され表示装置26に表示される(ステップB4)。
【0072】
この場合、前記図2(A)(B)の矢印xで示すように、例えば切替元のクライアント装置(A)20aにて表示されている画面データGの上部から下部へ一定幅の画面データ毎に順次リサイズされて切替先のクライアント装置(B)20bへ転送され、その都度、切替元の画面データGが順次消去されながら切替先の画面データG′が表示される。
【0073】
このため、切替先のクライアント装置(B)20bでは、サーバ装置10との接続完了を待つこと無しに、素早く且つ自然な切り替えイメージで初期画面(G′)を表示させることができる。また、切替元のクライアント装置(A)20aでは、その接続切り替えに伴い画面データGが完全に消去されるので、SBCシステムとしてのセキュリティ性を確実に維持することができる。
【0074】
なお、前記切替元の画面データGのリサイズ処理と、リサイズされた画面データG′の切替先への送信処理は、前述した通り、その画面データGの上部から下部へ一定幅の画面データ毎に順次リサイズして送信してもよいし、切替元の画面データGを一括リサイズして送信し、同画面データGを一括消去する構成としてもよい。
【0075】
一方、サーバ装置10において、接続中のクライアント装置(A:切替元)20aにより転送された前記クライアント装置(B:切替先)20bからの切替通知信号(含む端末情報)が受信されると(ステップS9(Yes))、図7におけるクライアント切替処理へ移行される(ステップSC)。
【0076】
このクライアント切替処理では、現在接続中のクライアント装置(A:切替元)20aからの入力操作(入力イベント)に応じて実行中にあるアプリケーションプログラムの動作状態が、RAM14内のアプリケーション動作状態メモリ14bに記憶され保存される(ステップC1)。
【0077】
すると、前記接続中のクライアント装置(A:切替元)20aとの接続が切断(ログオフ)され(ステップC2)、当該クライアント装置(A:切替元)20aを介して、前記ステップS9にて受信されたクライアント装置(B:切替先)20bからの切替通知信号に含まれる端末情報に基づき、同クライアント装置(B:切替先)20bへ接続通知信号が送信される(ステップC3)。
【0078】
この切替先のクライアント装置(B)20bにおいて、前記サーバ装置10から送信された接続通知信号が受信されると(ステップB5(Yes))、当該クライアント装置(B)20bのユーザID、CPU21の性能、表示画面サイズ等の端末情報を含む認証データが前記サーバ装置10へ送信される(ステップB6)。
【0079】
サーバ装置10において、前記切替先のクライアント装置(B)20bから送信された認証データが受信されると、前記切替元のクライアント装置(A)20aに対する初期のログイン認証処理と同様に、ログイン認証処理が実行されて接続が確立されると共に(ステップS3)、当該接続されたクライアント装置(B)20bの端末情報がRAM14に設定される(ステップS4)。
【0080】
すると、前記RAM14内のアプリケーション動作状態メモリ14bに保存されている前記切替元のクライアント装置(A)20aとの接続終了(ログオフ)時点でのアプリケーションプログラムの動作状態が復元される(ステップS5)。
【0081】
ここで、切替先のクライアント装置(B)20bにおいて、ユーザによる入力操作が行われると(ステップB7(Yes))、その入力操作データ(入力イベント信号)が前記サーバ装置10へ送信される(ステップB8)。
【0082】
サーバ装置10において、前記クライアント装置(B)20bから送信された入力操作データ(入力イベント信号)が受信されると(ステップS6)、当該入力操作(入力イベント)に応じたアプリケーションプログラムが実行され(ステップS7)、前記RAM14に設定された端末情報(表示画面サイズ等)に合わせたクライアント表示用の画面データGが生成されてクライアント用フレームバッファRAM14aに描画されると共に、この画面データGが前記イベント入力元である切替先のクライアント装置(B)20bへ送信される(ステップS8)。
【0083】
この切替先のクライアント装置(B)20bにおいて、前記サーバ装置10により生成されて送信された画面データGが受信されると(ステップB9)、当該画面データGは、フレームバッファRAM25に描画され表示装置26に表示される(ステップB10)。
【0084】
これにより、前記切替元のクライアント装置(A)20aから切り替えられた社内のクライアント装置(B)20bでは、同一ユーザの入力操作に応じて、サーバ装置10にて継続的に実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面データGが受信され、表示装置26に表示される(ステップB7〜B10(S6〜S8))。
【0085】
したがって、前記構成のSBCシステムによれば、例えば外出先でサーバ装置10と接続して使用していたクライアント装置(A:切替元)20aを、社内のクライアント装置(B:切替先)20bにその接続を切り替えて継続的に使用したい場合に、クライアント装置同士の通信手段(29b)により、切替先のクライアント装置(B)20bから切替元のクライアント装置(A)20aへ直接、ユーザ操作等に応じた切替通知信号(含む端末情報)を送信させる。すると、この切替通知信号は前記切替元のクライアント装置(A)20aにより転送されてサーバ装置10へ送信される。この際、切替元のクライアント装置(A)20aは、現在表示中の画面データGを、前記切替先のクライアント装置(B)20bの端末情報に応じてリサイズし、当該切替先のクライアント装置(B)20bへ送信して表示させる。一方、サーバ装置10において、前記切替元のクライアント装置(A)20aにより転送された前記切替先のクライアント装置(B)20bからの切替通知信号が受信されると、その時点のアプリケーションの動作状態が保存された後、前記切替元のクライアント装置(A)20aから切替先のクライアント装置(B)20bへと接続が切り替えられる。すると、前記切替元のクライアント装置(A)20aの切り替え前に保存されたアプリケーションの動作状態が復元され、切替先のクライアント装置(B)20bでは切り替え前からの作業を継続的に実行可能になる。
【0086】
このため、同一ユーザがサーバ装置20と接続中のクライアント装置(A)20aを別のクライアント装置(B)20bへ切り替えて使用する場合に、その都度ユーザがログオフ操作とログオン操作とによる切替作業を行う必要なく、非常に簡単に接続を切り替えて、切り替え前からの作業を継続的に実行することができる。
【0087】
なお、前記実施形態では、切替元のクライアント装置(A)20aにて表示されている画面データGを、切替先のクライアント装置(B)20bの端末情報(表示画面サイズ等)に合わせてリサイズ(拡大/縮小)する処理を、前記切替元のクライアント装置(A)20aにおいて実行する構成とした。
【0088】
これに対し、切替先のクライアント装置(B)20bからその端末情報を含む切替通知信号が、切替元のクライアント装置(A)20aに受信された際に、当該切替元のクライアント装置(A)20aにおいて、前記切替先のクライアント装置(B)20bとのCPU性能を比較する。そして、切替元のクライアント装置(A)20aの方が高性能な場合には、当該切替元のクライアント装置(A)20aにおいてリサイズ処理した画面データG′を、切替先のクライアント装置(B)20bへ送信して表示させる。逆に、切替先のクライアント装置(A)20aの方が高性能な場合には、切替元のクライアント装置(A)20aにて表示されている画面データGを、切替先のクライアント装置(B)20bへ送信した後に、当該切替先のクライアント装置(B)20bにおいてリサイズ処理した画面データG′を表示する構成としてもよい。
【0089】
また、前記実施形態における画面データGのリサイズ処理は、ソフトウエア処理により実行する構成としたが、ハードウエアにより高速に実行する構成としてもよい。
【0090】
なお、前記実施形態において記載したSBCシステムによる各処理の手法、すなわち、図6のフローチャートに示すサーバ装置10によるサーバ処理、図7のフローチャートに示す前記サーバ処理に伴うクライアント切替処理、図8のフローチャートに示す接続中のクライアント装置20a(20b)によるクライアント処理、図9のフローチャートに示す前記接続中のクライアント処理に伴う画面リサイズ処理、図10のフローチャートに示す切替先のクライアント装置20b(20a)によるクライアント処理等の各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶装置18,28の媒体に格納して配布することができる。そして、サーバ装置10やクライアント装置20a,20b,…のコンピュータ(CPU11,21)は、この外部記憶装置18,28の媒体に記憶されたプログラムを記憶装置(フラッシュROM13,23やRAM14,24)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明した各クライアント装置20a,20b,…間でのサーバ装置10との接続切替機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0091】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から前記のプログラムデータを取り込んで記憶装置(フラッシュROM13,23やRAM14,24)に記憶させ、前述した各クライアント装置20a,20b,…間でのサーバ装置10との接続切替機能を実現することもできる。
【0092】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0093】
10 …サーバ装置
20a,20b…クライアント装置
11、21…CPU
12、22…バス
13、23…ROM
13a,23a…プログラムメモリ
14、24…RAM
14a…クライアント用フレームバッファRAM
14b…アプリケーション動作状態メモリ
15、25…フレームバッファRAM
16、26…表示装置
17、27…入力装置
18、28…外部記憶装置
19、29a…通信I/F(ネットワーク通信用)
29b…通信I/F(クライアント間通信用)
N …通信ネットワーク
G …表示用画面データ
G′…表示用画面データ(リサイズ後)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたサーバ装置とクライアント装置とを有し、クライアント装置からの入力イベントに応じてサーバ装置により実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を、前記クライアント装置へ送信して表示部に表示させるようにしたサーバベース・コンピューティング・システムであって、
前記サーバ装置は、
接続中のクライアント装置により転送された他のクライアント装置からの端末情報を含む切替通知信号を受信する切替通知受信手段と、
この切替通知受信手段により切替通知信号を受信した際に、前記アプリケーションプログラムの動作状態を保存する動作状態保存手段と、
前記切替通知受信手段により受信された切替通知信号に基づき、前記接続中のクライアント装置から前記他のクライアント装置へ接続を切り替える接続切替手段と、
この接続切替手段により前記他のクライアント装置へ接続が切り替えられた際に、当該他のクライアント装置から受信される端末情報に従い、前記動作状態保存手段により保存されたアプリケーションプログラムの動作状態を復元する動作状態復元手段とを備え、
前記クライアント装置は、
前記サーバ装置と接続中である場合に、他のクライアント装置からその端末情報を含む切替通知信号を受信した際に、当該切替通知信号を前記サーバ装置へ転送する切替通知転送手段と、
前記サーバ装置と接続中である場合に、表示部に表示される画面情報の表示サイズを前記他のクライアント装置の端末情報に基づき変換する表示サイズ変換手段と、
この表示サイズ変換手段により変換された画面情報を前記他のクライアント装置へ送信する画面情報送信手段と、
前記サーバ装置と接続中でない場合に、その端末情報を含む切替通知信号を前記サーバ装置と接続中のクライアント装置へ送信する切替通知送信手段と、
前記画面情報送信手段により送信された画面情報を受信する画面情報受信手段と、
この画面情報受信手段により受信された画面情報を表示部に表示させる画面表示制御手段と、
前記サーバ装置の接続切替手段により当該サーバ装置と接続された際に、そのサーバ装置へ端末情報を送信する端末情報送信手段とを備えた、
ことを特徴とするサーバベース・コンピューティング・システム。
【請求項2】
ネットワークを介して接続されたクライアント装置からの入力イベントに応じてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置であって、
接続中のクライアント装置により転送された他のクライアント装置からの端末情報を含む切替通知信号を受信する切替通知受信手段と、
この切替通知受信手段により切替通知信号を受信した際に、前記アプリケーションプログラムの動作状態を保存する動作状態保存手段と、
前記切替通知受信手段により受信された切替通知信号に基づき、前記接続中のクライアント装置から前記他のクライアント装置へ接続を切り替える接続切替手段と、
この接続切替手段により前記他のクライアント装置へ接続が切り替えられた際に、当該他のクライアント装置から受信される端末情報に従い、前記動作状態保存手段により保存されたアプリケーションプログラムの動作状態を復元する動作状態復元手段と、
を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信して表示部に表示するクライアント装置であって、
前記サーバ装置と接続中である場合に、他のクライアント装置からその端末情報を含む切替通知信号を受信した際に、当該切替通知信号を前記サーバ装置へ転送する切替通知転送手段と、
前記サーバ装置と接続中である場合に、表示部に表示される画面情報の表示サイズを前記他のクライアント装置の端末情報に基づき変換する表示サイズ変換手段と、
この表示サイズ変換手段により変換された画面情報を前記他のクライアント装置へ送信する画面情報送信手段と、
前記サーバ装置と接続中でない場合に、その端末情報を含む切替通知信号を前記サーバ装置と接続中のクライアント装置へ送信する切替通知送信手段と、
前記画面情報送信手段により送信された画面情報を受信する画面情報受信手段と、
この画面情報受信手段により受信された画面情報を表示部に表示させる画面表示制御手段と、
前記サーバ装置と接続された際に、当該サーバ装置へ端末情報を送信する端末情報送信手段と、
を備えたことを特徴とするクライアント装置。
【請求項4】
ネットワークを介して接続されたクライアント装置からの入力イベントに応じてアプリケーションプログラムを実行し、当該入力イベントに応じた画面情報を生成して前記クライアント装置へ送信するサーバベース・コンピューティング・システムのサーバ装置のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
接続中のクライアント装置により転送された他のクライアント装置からの端末情報を含む切替通知信号を受信する切替通知受信手段、
この切替通知受信手段により切替通知信号を受信した際に、前記アプリケーションプログラムの動作状態を保存する動作状態保存手段、
前記切替通知受信手段により受信された切替通知信号に基づき、前記接続中のクライアント装置から前記他のクライアント装置へ接続を切り替える接続切替手段、
この接続切替手段により前記他のクライアント装置へ接続が切り替えられた際に、当該他のクライアント装置から受信される端末情報に従い、前記動作状態保存手段により保存されたアプリケーションプログラムの動作状態を復元する動作状態復元手段、
として機能させるようにしたサーバ制御プログラム。
【請求項5】
ネットワークを介して接続されたサーバ装置に対してユーザ操作に応じた入力イベントを送信し、その入力イベントに応じて前記サーバ装置にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された画面情報を受信して表示部に表示するクライアント装置のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記サーバ装置と接続中である場合に、他のクライアント装置からその端末情報を含む切替通知信号を受信した際に、当該切替通知信号を前記サーバ装置へ転送する切替通知転送手段、
前記サーバ装置と接続中である場合に、表示部に表示される画面情報の表示サイズを前記他のクライアント装置の端末情報に基づき変換する表示サイズ変換手段、
この表示サイズ変換手段により変換された画面情報を前記他のクライアント装置へ送信する画面情報送信手段、
前記サーバ装置と接続中でない場合に、その端末情報を含む切替通知信号を前記サーバ装置と接続中のクライアント装置へ送信する切替通知送信手段、
前記画面情報送信手段により送信された画面情報を受信する画面情報受信手段、
この画面情報受信手段により受信された画面情報を表示部に表示させる画面表示制御手段、
前記サーバ装置と接続された際に、当該サーバ装置へ端末情報を送信する端末情報送信手段、
として機能させるようにしたクライアント制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−22772(P2011−22772A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166886(P2009−166886)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】