説明

サーバー装置、印刷システム、および、印刷方法

【課題】携帯端末側で個々の印刷装置についての登録手続をせず、かつ、より簡便な操作で印刷を行う技術を提供する。
【解決手段】複数の印刷装置300を管理するサーバー装置100であって、印刷対象のデータと印刷指示を携帯端末200から受け付ける受付部と、当該印刷指示に基づき、印刷を行う印刷装置300を決定する決定部と、印刷対象のデータを元に印刷データを生成し、決定部で決定された印刷装置300に対して当該印刷データを出力する印刷部と、を備え、当該印刷指示には、携帯端末200の位置情報と加速度情報が含まれており、決定部は、位置情報と加速度情報に基づき、携帯端末200のユーザーに指定された印刷装置300の位置を推定し、推定した位置に最も近い印刷装置300を、印刷を行う印刷装置300として決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバー装置、印刷システム、および、印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、携帯端末からの印刷指示を受け付けて印刷を実行できる印刷装置が開発されている。
【0003】
このような印刷装置を利用するシステムでは、印刷の指示を行う携帯端末側で、印刷装置の情報を事前に登録しておく必要がある。例えば、特許文献1に記載のシステムでは、GPS受信機が内蔵された第1の情報機器から印刷の指示を行うためには、第1の情報機器側で、事前に印刷装置の情報を登録しておく必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−43173号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特に、システム内に複数の印刷装置が存在する場合には、個々の印刷装置についての情報を携帯端末側で登録しておく必要があり、登録の手続がユーザーにとって煩わしい。
【0006】
本発明は、携帯端末側で個々の印刷装置についての登録手続をせず、かつ、より簡便な操作で印刷を行う技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本願発明は、複数の印刷装置を管理するサーバー装置であって、印刷対象のデータと印刷指示を携帯端末から受け付ける受付部と、前記印刷指示に基づき、印刷を行う印刷装置を決定する決定部と、前記印刷対象のデータを元に印刷データを生成し、前記決定部で決定された印刷装置に対して当該印刷データを出力する印刷部と、を備える。前記印刷指示には、前記携帯端末の位置情報と加速度情報が含まれており、前記決定部は、前記位置情報と前記加速度情報に基づき、前記携帯端末のユーザーに指定された印刷装置の位置を推定し、推定した前記位置に最も近い印刷装置を、印刷を行う印刷装置として決定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の印刷システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【図2】印刷装置情報の概略データ構造の一例を示す図である。
【図3】蓄積処理の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】第1実施形態における印刷処理の一例(印刷処理1A)を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】(A)ジェスチャーによる印刷指示の一例(例1)を示す図である。(B)ジェスチャーによる印刷指示の別例(例2)を示す図である。
【図6】(A)ジェスチャーによる印刷指示の別例(例3)を示す図である。(B)ジェスチャーによる印刷指示の別例(例4)を示す図である。
【図7】(A1)撮像画像に対する操作による印刷指示の一例(例1)を示す図である。(A2)撮像画像に対する操作による印刷指示の別例(例2)を示す図である。(B)識別情報を読み取る印刷指示の一例を示す図である。
【図8】印刷装置決定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図9】第1実施形態における印刷処理の別例(印刷処理1B)を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】第1実施形態における印刷処理の別例(印刷処理1C)を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】第2実施形態における印刷処理の一例(印刷処理2A)を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】印刷装置300の選択画面例を示す図である。
【図13】第2実施形態における印刷処理の別例(印刷処理2B)を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の第1実施形態が適用された印刷システム10の機能構成の一例を示すブロック図である。図示するように、印刷システム10は、印刷の指示を行う携帯端末200と、印刷を実行する印刷装置300と、印刷装置300を管理するサーバー装置100と、を備える。携帯端末200と、印刷装置300と、サーバー装置100は、それぞれ、LAN等のコンピューターネットワーク(以下では「ネットワーク」とよぶ)50を介して、相互に通信可能に接続されている。
【0011】
なお、図には、1台の印刷装置100しか示していないが、複数台の印刷装置300がネットワーク50に接続されている。また、複数台の携帯端末200やサーバー装置100がネットワーク50に接続されていてもよい。
【0012】
(携帯端末200)
携帯端末200は、ネットワーク50に接続されている印刷装置300に対して、印刷の指示を行う機能を有する携帯型の端末であり、例えば、携帯電話である。携帯端末200は、不図示の、CPU(Central Processing Unit)と、モバイルRAM等のメモリーからなる主記憶装置と、メモリーカードやIC(Integrated Circuit)カード内のメモリー等からなる外部記憶装置と、基地局やアクセスポイントなどと通信するための通信装置と、GPS(Global Positioning System)衛星からGPS信号を受信するGPS受信装置と、XYZ軸の3方向の加速度を測定する3軸加速度センサーと、被写体の撮像や印刷装置300の識別情報(例えば、バーコード、QRコード)の読み取りに用いられるカメラと、入力ボタン、タッチパネル、マイクロフォンなどからなる入力装置と、液晶ディスプレイ、スピーカーなどからなる出力装置と、を備えたコンピューターで実現される。
【0013】
そして、携帯端末200は、図示するように、撮像部210と、位置取得部220と、方向検知部230と、印刷元データ生成部240と、印刷指示部250と、を有する。なお、各機能部(210〜250)は、外部記憶装置に記憶されている所定のプログラムを主記憶装置にロードしてCPUで実行することで実現可能である。
【0014】
撮像部210は、一般的なカメラで構成され、レンズ等を介して被写体の撮像を行う。例えば、撮像部210は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサーを使用して、レンズ等を介して入力される光の明暗を電気信号に変換する。また、撮像部210は、変換された当該電気信号に基づいてJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の画像データを生成する。
【0015】
位置取得部220は、携帯端末200の現在位置を取得する。具体的には、位置取得部220は、GPS受信装置を介してGPS衛星からの信号を受信し、携帯端末200とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、携帯端末200の現在位置(経度、緯度)を取得する。なお、以下では、位置取得部220によって取得された現在位置を含む情報を、携帯端末200の位置情報とよぶ場合がある。
【0016】
方向検知部230は、3軸加速度センサー等を用いて、携帯端末200の移動方向(3次元方向)と、携帯端末200における特定の部位(例えば、携帯端末200の先端や、カメラ)が向けられている方向(3次元方向)と、を検知する。なお、以下では、方向検知部230によって検知された方向を含む情報を、携帯端末200の方向情報とよぶ場合がある。
【0017】
印刷元データ生成部240は、印刷装置300で印刷される元データ(「印刷対象のデータ」ともいう)を生成する。例えば、印刷元データ生成部240は、特定のアプリケーションで構成され、文字データ、グラフィックデータ、イメージデータなどの画像データを元データとして生成する。また、印刷元データ生成部240は、撮像部210で生成された画像データを、元データとしてもよい。なお、印刷元データ生成部240が生成する元データには、ラスタライズ後のビットマップ画像も含まれ、画素ごとに階調値を有するモノクロデータ、RGBデータ、CMYKデータ等が含まれる。
【0018】
印刷指示部250は、印刷装置300に対して印刷の指示を行う。例えば、印刷指示部250は、ユーザーからの入力装置(不図示)への操作、携帯端末200を手に持つユーザーによるジェスチャー、撮像部210で撮像された画像データに対するユーザーの操作、等に応じて、印刷指示を出力する。なお、この印刷指示には、位置取得部220によって取得された位置情報と、方向検知部230によって検知された方向情報と、が含まれていてもよい。また、印刷指示部250は、印刷元データ生成部240で生成された元データについても出力することができる。
【0019】
なお、上記の携帯端末200は、携帯電話に限られず、携帯型の端末であればどのような機器であってもよい。例えば、携帯端末200は、PDAやタブレットコンピューター等であってもよい。
【0020】
(サーバー装置100)
サーバー装置100は、ネットワーク50に接続されている複数台の印刷装置300を管理する機能を有する情報処理装置である。サーバー装置100は、不図示の、CPUと、RAM等の主記憶装置と、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等の外部記憶装置と、ネットワーク50に接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置と、ディスプレイ、キーボードやマウス等の入出力装置と、を備えた一般的なコンピューターで実現される。
【0021】
そして、サーバー装置100は、図示するように、印刷装置位置推定部110と、印刷装置決定部120と、印刷制御部130と、印刷装置情報管理部140と、印刷装置情報データベース(DB)150と、を有する。なお、各機能部(110〜140)は、外部記憶装置に記憶されている所定のプログラムを主記憶装置にロードしてCPUで実行することで実現可能である。また、印刷装置情報DB150は、外部記憶装置により実現可能である。
【0022】
印刷装置位置推定部110は、携帯端末200から出力された印刷指示(例えば、位置情報、方向情報)に基づき、携帯端末200のユーザーに指定された印刷装置300の位置を推定する。
【0023】
印刷装置決定部120は、携帯端末200から出力された印刷指示(例えば、位置情報、方向情報)に基づき、印刷を行う印刷装置200を決定する。具体的には、印刷装置決定部120は、印刷装置位置推定部110によって推定された位置と、印刷装置情報DB150に格納されているデータ(例えば、各印刷装置300の位置情報)と、を比較して、印刷装置位置推定部110によって推定された位置に最も近い印刷装置300を、印刷を行う印刷装置300として決定する。
【0024】
また、印刷装置決定部120は、決定した印刷装置300の情報を、携帯端末200に送信するようにしてもよい。
【0025】
印刷制御部130は、印刷装置決定部120で決定された印刷装置300を制御する。具体的には、印刷制御部130は、印刷装置決定部120で決定された印刷装置300に印刷させるためのドライバープログラムを読み出し、その印刷装置300で印刷可能な印刷データを生成する。それから、印刷制御部130は、印刷装置決定部120で決定された印刷装置300に対して、生成した印刷データを送信する。
【0026】
印刷装置情報管理部140は、ネットワーク50に接続されている印刷装置300の情報を管理する。
【0027】
例えば、印刷装置情報管理部140は、ネットワーク50に接続されている印刷装置300から、各印刷装置300に関する情報(すなわち、位置情報、印刷速度、印刷方式、通信情報、等)を取得する。ここで、印刷速度とは、各印刷装置300で保証されている最大の印刷速度を指す。また、印刷方式とは、各印刷装置300で印刷可能な方式(例えば、カラー印刷、モノクロ印刷、両面印刷、印刷用紙のサイズ)を指す。また、通信情報とは、各印刷装置300のアドレス情報(例えば、IPアドレス)を指す。
【0028】
また、印刷装置情報管理部140は、各印刷装置300から取得した情報を、印刷装置300ごとにまとめて印刷装置情報DB150に格納(蓄積)する。
【0029】
図2は、印刷装置情報DB150に格納される印刷装置情報400の概略データ構造の一例を示す図である。
【0030】
図示するように、印刷装置情報400は、ネットワーク50に接続されている印刷装置300ごとのレコード406からなる。各レコード406には、識別情報401と、位置情報402と、印刷速度403と、印刷方式404と、通信情報405と、が対応付けて格納される。
【0031】
識別情報401は、ネットワーク50に接続されている印刷装置300を識別するためのデータであり、例えば、印刷装置300が新たにネットワーク50に接続される毎にランダムな値(文字列や数字列)が割り振られる。
【0032】
位置情報402は、印刷装置300の位置を示すデータ(経度X、緯度Y)である。
【0033】
印刷速度403は、印刷装置300で保証されている最大の印刷速度[ppm]を示すデータである。
【0034】
印刷方式404は、印刷装置300で印刷可能な方式(例えば、カラー印刷、モノクロ印刷、両面印刷、印刷用紙のサイズ)を示すデータである。
【0035】
通信情報405は、印刷装置300のアドレス情報(例えば、IPアドレス)を示すデータである。
【0036】
なお、印刷装置情報400の各レコード406は、印刷装置300が新たにネットワーク50に接続される毎に生成され、その印刷装置300がネットワーク50から除かれるまで保持される。
【0037】
(印刷装置300)
印刷装置300は、ネットワーク50を介して受信した印刷データの印刷を行う。印刷装置300は、不図示の、CPUと、RAM等の主記憶装置と、ROMやフラッシュメモリー等の外部記憶装置と、ネットワーク50に接続するための通信装置と、印刷エンジンと、入力ボタン、タッチパネルなどからなる入力装置と、液晶ディスプレイなどからなる出力装置と、を備えた一般的なプリンターである。
【0038】
これに加えて、本実施形態の印刷装置300は、GPS衛星からGPS信号を受信するGPS受信装置を備えている。
【0039】
そして、印刷装置300は、図示するように、印刷データ受信部310と、印刷実行部320と、位置取得部330と、情報提供部340と、を有する。なお、各機能部(310〜340)は、外部記憶装置に記憶されている所定のプログラムを主記憶装置にロードしてCPUで実行することで実現可能である。
【0040】
印刷データ受信部310は、サーバー装置100から送信された印刷データを受信し、RAM等のメモリーに格納する。また、印刷データ受信部310は、印刷データとともに受信した印刷コマンドを、印刷実行部320に通知する。
【0041】
なお、本実施形態では、印刷データ受信部310は、携帯端末200から直接送信された印刷データを受信することもできる。この場合にも、印刷データ受信部310は、受信した印刷データをRAM等のメモリーに格納し、印刷データとともに受信した印刷コマンドを印刷実行部320に通知する。
【0042】
印刷実行部320は、印刷データ受信部310で受信された印刷データを印刷する。具体的には、印刷実行部320は、印刷データとともに受信された印刷コマンドに対応する制御コマンドを印刷エンジンに通知する。こうして、印刷実行部320は、不図示の、印刷エンジンや印字ヘッドを制御し、印刷データ受信部310で受信された印刷データについての印字処理を実行する。
【0043】
位置取得部330は、印刷装置300が設置されている位置を取得する。具体的には、位置取得部320は、GPS受信装置を介してGPS衛星からの信号を受信し、印刷装置300とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、印刷装置300が設定されている位置(経度、緯度)を取得する。なお、以下では、位置取得部330によって取得された位置を含む情報を、印刷装置300の位置情報とよぶ場合がある。
【0044】
情報提供部340は、印刷装置300に関する情報をサーバー装置100に提供する。例えば、情報提供部340は、印刷装置300がネットワーク50に初めて接続された場合や、一部の情報(主に、位置情報と通信情報)が更新された場合、或いは、定期的に、印刷装置300の位置情報、印刷速度、印刷方式、通信情報を、サーバー装置100に提供する。ここで、印刷速度とは、上述した通り、印刷装置300で保証されている最大の印刷速度を指す。また、印刷方式とは、印刷装置300で印刷可能な方式(例えば、カラー印刷、モノクロ印刷、両面印刷、印刷用紙のサイズ)を指す。また、通信情報とは、印刷装置300のアドレス情報(例えば、IPアドレス)を指す。
【0045】
なお、上記の印刷装置300は、プリンターに限られず、印刷機能を有していればどのような機器であってもよい。例えば、印刷装置300は、複合機、コピー機、スキャナー装置、FAX装置等であってもよい。
【0046】
本実施形態が適用された印刷システム10は、以上のような構成からなる。ただし、印刷システム10の構成はこれに限定されない。
【0047】
また、上記した各構成要素は、印刷システム10の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。印刷システム10の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0048】
次に、上記構成からなる印刷システム10の特徴的な動作について説明する。
【0049】
(蓄積処理)
図3は、本実施形態の印刷システム10で実行される蓄積処理の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【0050】
各印刷装置300(A、B)の情報提供部340は、ネットワーク50に初めて接続されたタイミングや、一部の情報(主に、位置情報と通信情報)が更新されたタイミング、或いは、定期的に、印刷装置300の位置情報、印刷速度、印刷方式、通信情報を、それぞれ、外部記憶装置から読み出して、サーバー装置100に送信する(S1、S1’)。
【0051】
なお、印刷装置300の位置情報は、位置取得部330で取得された印刷装置300の位置情報(経度、緯度)であり、外部記憶装置に格納されている。また、通信情報は、ネットワーク50から割り当てられているアドレス情報であり、更新される毎に外部記憶装置に上書きされる。また、印刷速度、印刷方式については、それぞれ、予め外部記憶装置に格納されている。
【0052】
サーバー装置100の印刷装置情報管理部140は、各印刷装置100から送信された情報(位置情報、印刷速度、印刷方式、通信情報)を受信すると、印刷装置300ごとにまとめて印刷装置情報DB150に格納(蓄積)する(S2、S2’)。具体的には、印刷装置情報管理部140は、印刷装置300からの情報(位置情報、印刷速度、印刷方式、通信情報)を受信する毎に、その印刷装置300に割り振られている識別情報401と、その印刷装置300から受信した情報(位置情報402、印刷速度403、印刷方式404、通信情報404)と、を同一レコード406に対応付けて印刷装置情報400に格納する。
【0053】
以上のような蓄積処理を行うことにより、サーバー装置100は、ネットワーク50に接続されている全ての印刷装置300に関する情報を収集することができる。
【0054】
(印刷処理1A)
図4は、本実施形態の印刷システム10で実行される印刷処理の一例(印刷処理1A)を説明するためのタイミングチャートである。
【0055】
携帯端末200の印刷元データ生成部240は、印刷装置300で印刷される元データ(印刷対象のデータ)を生成する(S11)。
【0056】
それから、印刷指示部250は、印刷指示の受付を開始する(S12)。例えば、印刷指示部250は、ユーザーから入力装置に対して所定の操作がなされた場合に、印刷指示の受付を開始する。
【0057】
印刷指示の受付を開始すると、位置取得部220は、携帯端末200の現在位置を繰り返し取得する(S13)。そして、位置取得部220は、取得した携帯端末200の位置情報を、印刷指示部250へ出力する。
【0058】
これとともに、方向検知部230は、携帯端末200の移動方向(3次元方向)と、携帯端末200における特定の部位(例えば、携帯端末200の先端や、カメラ)が向けられている方向(3次元方向)と、を繰り返し検知する(S14)。そして、方向検知部230は、検知した方向の情報が含まれている方向情報を、印刷指示部250へ出力する。
【0059】
そして、印刷指示部250は、印刷指示の受付を開始してから、ステップS11で生成された元データを印刷させる印刷装置300が指定されるまで待機する。
【0060】
ここで、印刷装置300を指定する方法には、様々な方法がある。
【0061】
「方法1」
例えば、印刷指示部250は、ネットワーク50に接続されている印刷装置300の名称(或いは識別番号401)を液晶ディスプレイ等の出力装置に表示しておき、その中から1つの印刷装置300を選択する指示を受け付けることによって、印刷装置300を指定してもよい。この場合、印刷指示部250は、ユーザーに選択された印刷装置300の識別番号401を含む印刷指示を、サーバー装置100へ送信する(S15)。これとともに、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データもサーバー装置100へ送信する。
【0062】
「方法2」
また、携帯端末200を手に持つユーザーによるジェスチャーによって、印刷を行う印刷装置300を指定してもよい。
【0063】
(方法2:ジェスチャー例1)
図5(A)は、ジェスチャーによる印刷指示の一例(例1)を示す図である。図示するように、ユーザーは、携帯端末200の先端を印刷装置300へ向けることによって、印刷を行う印刷装置300を指定することができる。
【0064】
具体的には、図示するようなジェスチャーがなされている間、上述した通り、位置取得部220は、携帯端末200の位置情報を繰り返し取得し、印刷指示部250へ出力している。これとともに、方向検知部230は、携帯端末200の移動方向(3次元方向)や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向(3次元方向)を、繰り返し検知し、検知した方向の情報が含まれている方向情報を、印刷指示部250へ出力している。そのため、印刷指示部250は、携帯端末200を手に持つユーザーのジェスチャーを特定可能なデータ、すなわち、時系列に従って変化する複数の位置情報と、時系列に従って変化する複数の方向情報と、を得ることができる。
【0065】
そして、印刷指示部250は、携帯端末200の各位置情報と各方向情報を含む印刷指示を、サーバー装置100へ送信する(S15)。これとともに、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データもサーバー装置100へ送信する。
【0066】
こうして、サーバー装置100側では、携帯端末200から送信された印刷指示に基づき、図5(A)に示すようなユーザーのジェスチャーが特定可能となる。
【0067】
(方法2:ジェスチャー例2)
また、図5(B)は、ジェスチャーによる印刷指示の別例(例2)を示す図である。図示するように、ユーザーは、携帯端末200の先端を印刷装置300に向けて振ることによって、印刷を行う印刷装置300を指定することもできる。なお、携帯端末200の位置(すなわち、ユーザーの位置)と印刷装置300の間の距離に応じて、携帯端末200を振る速度(或いは加速度)を変化させることで、印刷を行う印刷装置300の位置についてより正確に指定することができる。
【0068】
具体的には、図示するようなジェスチャーがなされている間、上述した通り、位置取得部220は、携帯端末200の位置情報を繰り返し取得し、印刷指示部250へ出力している。これとともに、方向検知部230は、携帯端末200の移動方向(3次元方向)や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向(3次元方向)を、繰り返し検知し、検知した方向の情報が含まれている方向情報を、印刷指示部250へ出力している。そのため、印刷指示部250は、携帯端末200を手に持つユーザーのジェスチャーを特定可能なデータ、すなわち、時系列に従って変化する複数の位置情報と、時系列に従って変化する複数の方向情報と、を得ることができる。
【0069】
そして、印刷指示部250は、携帯端末200の各位置情報と各方向情報を含む印刷指示を、サーバー装置100へ送信する(S15)。これとともに、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データもサーバー装置100へ送信する。
【0070】
こうして、サーバー装置100側では、携帯端末200から送信された印刷指示に基づき、図5(B)に示すようなユーザーのジェスチャーが特定可能となる。
【0071】
(方法2:ジェスチャー例3)
また、図6(A)は、ジェスチャーによる印刷指示の別例(例3)を示す図である。図示するように、ユーザーは、印刷装置300付近で携帯端末200の先端を印刷装置300の方向(地面方向)へ傾けることによって、印刷を行う印刷装置300を指定することもできる。
【0072】
具体的には、図示するようなジェスチャーがなされている間、上述した通り、位置取得部220は、携帯端末200の位置情報を繰り返し取得し、印刷指示部250へ出力している。これとともに、方向検知部230は、携帯端末200の移動方向(3次元方向)や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向(3次元方向)を、繰り返し検知し、検知した方向の情報が含まれている方向情報を、印刷指示部250へ出力している。そのため、印刷指示部250は、携帯端末200を手に持つユーザーのジェスチャーを特定可能なデータ、すなわち、時系列に従って変化する複数の位置情報と、時系列に従って変化する複数の方向情報と、を得ることができる。
【0073】
そして、印刷指示部250は、携帯端末200の各位置情報と各方向情報を含む印刷指示を、サーバー装置100へ送信する(S15)。これとともに、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データもサーバー装置100へ送信する。
【0074】
こうして、サーバー装置100側では、携帯端末200から送信された印刷指示に基づき、図6(A)に示すようなユーザーのジェスチャーが特定可能となる。
【0075】
(方法2:ジェスチャー例4)
また、図6(B)は、ジェスチャーによる印刷指示の別例(例4)を示す図である。図示するように、ユーザーは、携帯端末200に備わる撮像部210を用いて印刷装置300を撮像することによって、印刷を行う印刷装置300を指定することもできる。ただし、本例(例4)では、印刷装置300を実際に撮像する必要はなく、撮像部(例えば、カメラ)210が印刷装置300の方向に向けられていればよい。
【0076】
具体的には、図示するようなジェスチャーがなされている間、上述した通り、位置取得部220は、携帯端末200の位置情報を繰り返し取得し、印刷指示部250へ出力している。これとともに、方向検知部230は、携帯端末200の移動方向(3次元方向)や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向(3次元方向)を、繰り返し検知し、検知した方向の情報が含まれている方向情報を、印刷指示部250へ出力している。そのため、印刷指示部250は、携帯端末200を手に持つユーザーのジェスチャーを特定可能なデータ、すなわち、時系列に従って変化する複数の位置情報と、時系列に従って変化する複数の方向情報と、を得ることができる。
【0077】
そして、印刷指示部250は、携帯端末200の各位置情報と各方向情報を含む印刷指示を、サーバー装置100へ送信する(S15)。これとともに、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データもサーバー装置100へ送信する。
【0078】
こうして、サーバー装置100側では、携帯端末200から送信された印刷指示に基づき、図6(B)に示すようなユーザーのジェスチャーが特定可能となる。
【0079】
「方法3」
また、撮像部210で撮像された画像(以下では「撮像画像」とよぶ)に対するユーザーの操作によって、印刷を行う印刷装置300を指定してもよい。
【0080】
(方法3:画面操作例1)
図7(A1)は、撮像画像に対する操作による印刷指示の一例(例1)を示す図である。図示するように、ユーザーは、携帯端末200で実際に撮像された画像上(或いは当該画像の一部)に所定のアイコンをドロップすることによって、印刷を行う印刷装置300を指定することもできる。
【0081】
この指定方法を採用する場合、まず、携帯端末200の撮像部210は、ユーザーによる操作に基づいて印刷装置300を実際に撮像する。この撮像が行われている間、位置取得部220は、上述した通り、携帯端末200の位置情報を繰り返し取得し、印刷指示部250へ出力している。これとともに、方向検知部230は、携帯端末200の移動方向(3次元方向)や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向(3次元方向)を、繰り返し検知し、検知した方向の情報が含まれている方向情報を、印刷指示部250へ出力している。そのため、印刷指示部250は、撮像部210が印刷装置300を撮像したときにカメラが向けられていた方向を特定可能なデータ、すなわち、シャッターが切られたときの携帯端末200の位置情報と、方向情報と、を得ることができる。
【0082】
そして、印刷指示部250は、図示するように、撮像画像と、印刷物(例えば、印刷用紙)の形状を模した印刷物アイコンと、をそれぞれ別個に、液晶ディスプレイ等の出力装置に表示する。
【0083】
それから、ユーザーによって、印刷物アイコンを撮像画像上(或いは、撮像画像上の印刷装置300の位置)に移動させるタッチパネル操作がされると、印刷指示部250は、シャッターが切られたときの携帯端末200の位置情報と方向情報を含む印刷指示を、サーバー装置100へ送信する(S15)。これとともに、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データもサーバー装置100へ送信する。
【0084】
こうして、サーバー装置100側では、携帯端末200から送信された印刷指示に基づき、図7(A1)に示すような画面操作によって指定された印刷装置300が特定可能となる。
【0085】
(方法3:画面操作例2)
また、図7(A2)は、撮像画像に対する操作による印刷指示の別例(例2)を示す図である。図示するように、ユーザーは、携帯端末200で実際に撮像された画像上で、所定のアイコンを特定の部分にドロップすることによって、印刷を行う印刷装置300を指定することもできる。
【0086】
この指定方法を採用する場合、まず、携帯端末200の撮像部210は、ユーザーによる操作に基づいて印刷装置300を実際に撮像する。この撮像が行われている間、位置取得部220は、上述した通り、携帯端末200の位置情報を繰り返し取得し、印刷指示部250へ出力している。これとともに、方向検知部230は、携帯端末200の移動方向(3次元方向)や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向(3次元方向)を、繰り返し検知し、検知した方向の情報が含まれている方向情報を、印刷指示部250へ出力している。そのため、印刷指示部250は、撮像部210が印刷装置300を撮像したときにカメラが向けられていた方向を特定可能なデータ、すなわち、シャッターが切られたときの携帯端末200の位置情報と、方向情報と、を得ることができる。
【0087】
そして、印刷指示部250は、図示するように、撮像画像を液晶ディスプレイ等の出力装置に表示し、当該撮像画像上に印刷物(例えば、印刷用紙)の形状を模した印刷物アイコンを表示する。
【0088】
それから、ユーザーによって、印刷物アイコンを撮像画像上の印刷装置300の位置に移動させるタッチパネル操作がされると、印刷指示部250は、シャッターが切られたときの携帯端末200の位置情報と方向情報を含む印刷指示を、サーバー装置100へ送信する(S15)。これとともに、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データもサーバー装置100へ送信する。
【0089】
こうして、サーバー装置100側では、携帯端末200から送信された印刷指示に基づき、図7(A2)に示すような画面操作によって指定された印刷装置300が特定可能となる。
【0090】
「方法4」
また、印刷装置300に備わる識別情報(例えば、バーコード、QRコード)を、携帯端末200で読み取ることによって、印刷を行う印刷装置300を指定してもよい。
【0091】
図7(B)は、識別情報の読み取りによる印刷指示の一例を示す図である。
【0092】
この指定方法を採用する場合、図示するように、ネットワーク50に接続されている印刷装置300には、印刷装置300を識別するための識別情報(例えば、バーコード)が付されている。そして、ユーザーによる操作に基づき、携帯端末200の撮像部210は、印刷装置300に付されている識別情報を読み取る。それから、印刷指示部250は、撮像部210で読み取られた識別情報を含む印刷指示を、サーバー装置100へ送信する(S15)。これとともに、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データもサーバー装置100へ送信する。
【0093】
こうして、サーバー装置100側では、携帯端末200から送信された印刷指示に基づき、携帯端末200で識別情報が読み取られた印刷装置300を特定可能となる。
【0094】
図4に戻り、上記のいずれかの方法(方法1〜4)で、印刷を行う印刷装置300が指定されると(すなわち、携帯端末200からの印刷指示を受信すると)、サーバー装置100は、指定された印刷装置300を決定する処理(印刷装置決定処理)を行う(S16)。
【0095】
図8は、印刷装置決定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0096】
図示するように、印刷装置決定処理に移行すると、サーバー装置100の印刷装置位置推定部110は、まず、携帯端末200の位置を特定する(ステップS601)。
【0097】
具体的には、印刷装置位置推定部110は、ステップS15で携帯端末から受信した印刷指示に含まれている、携帯端末200の位置情報を抽出する。もし、当該印刷指示に複数の位置情報が含まれている場合には、それぞれの位置情報を抽出する。
【0098】
そして、印刷装置位置推定部110は、抽出した位置情報に基づいて、携帯端末200の位置を特定する。例えば、ステップS15で受信した印刷指示に1つの位置情報しか含まれていない場合には、印刷装置位置推定部110は、当該位置情報から、携帯端末200の位置(経度、緯度)を特定する。
【0099】
また、ステップS15で受信した印刷指示に複数の位置情報が含まれている場合には、印刷装置位置推定部110は、各位置情報の平均値を、携帯端末200の位置(経度、緯度)として特定する。ただし、上記方法2のジェスチャー例2で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS15で受信した印刷指示に含まれている複数の位置情報のうち、時系列順で最初に得られた位置情報を、携帯端末200の位置(経度、緯度)として特定するようにしてもよい。
【0100】
なお、上記方法1や方法4で印刷装置300が指定されている場合には、ステップS15で受信した印刷指示に携帯端末200の位置情報は含まれていない。そのため、印刷装置位置推定部110は、本ステップS601の処理を省略する。
【0101】
次に、印刷装置位置推定部110は、携帯端末200の移動方向(3次元方向)や、携帯端末200における特定の部位(例えば、携帯端末200の先端や、カメラ)が向けられている方向(3次元方向)、を特定する(ステップS602)。
【0102】
具体的には、印刷装置位置推定部110は、ステップS15で携帯端末から受信した印刷指示に含まれている、携帯端末200の方向情報を抽出する。もし、当該印刷指示に複数の方向情報が含まれている場合には、それぞれの方向情報を抽出する。
【0103】
そして、印刷装置位置推定部110は、抽出した方向情報に基づいて、携帯端末200の移動方向や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向、を特定する。例えば、ステップS15で受信した印刷指示に1つの方向情報しか含まれていない場合には、印刷装置位置推定部110は、当該方向情報から、携帯端末200の移動方向や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向、を特定する。
【0104】
なお、ステップS15で受信した印刷指示に複数の方向情報が含まれている場合には、印刷装置位置推定部110は、各方向情報をそれぞれ特定し、その時系列的な変位を特定する。すなわち、印刷装置位置推定部110は、印刷指示から抽出した複数の方向情報から、携帯端末200の移動方向の時系列的な変位や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向の時系列的な変位、を特定する。
【0105】
例えば、上記方法2のジェスチャー例1で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS15で受信した印刷指示に含まれている各方向情報の平均値から、携帯端末200の先端が向けられている方向を特定する。同様に、上記方法2のジェスチャー例4で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS15で受信した印刷指示に含まれている各方向情報の平均値から、携帯端末200に備わるカメラが向けられている方向を特定する。
【0106】
また、上記方法2のジェスチャー例2で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS15で受信した印刷指示に含まれている複数の方向情報から、携帯端末200の移動方向の時系列的な変位と、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向の時系列的な変位と、の両方を特定する。また、上記方法2のジェスチャー例3で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS15で受信した印刷指示に含まれている複数の方向情報から、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向の時系列的な変位を特定する。
【0107】
また、上記方法1や方法4で印刷装置300が指定されている場合には、ステップS15で受信した印刷指示に携帯端末200の方向情報は含まれていない。そのため、印刷装置位置推定部110は、本ステップS602の処理を省略する。
【0108】
続いて、印刷装置位置推定部110は、携帯端末200を用いてユーザーに指定された、印刷装置300、或いは、印刷装置300の位置を推定する(ステップS603)。
【0109】
以下にステップS603における具体的な処理手順について説明する。
【0110】
(S603:ケース1)上記方法1、上記方法4
上記方法1や上記方法4で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、上記のステップS601とステップS602の処理を省略しており、本ステップS603では、印刷指示に含まれている識別情報で特定される印刷装置300を、ユーザーに指定された印刷装置300として推定する。
【0111】
(S603:ケース2)上記方法2のジェスチャー例1
また、上記方法2のジェスチャー例1で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS601で特定された「携帯端末200の位置(経度、緯度)」と、ステップS602で特定された「携帯端末200の先端が向けられている方向」と、を用いて、ユーザーに指定された印刷装置300の位置を推定する。例えば、印刷装置位置推定部110は、ステップS601で特定された「携帯端末200の位置」からみて、ステップS602で特定された「携帯端末200の先端が向けられている方向」(すなわち、半直線上)を、ユーザーに指定された印刷装置300の位置として推定する。
【0112】
(S603:ケース3)上記方法2のジェスチャー例2
また、上記方法2のジェスチャー例2で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS601で特定された「携帯端末200の位置(経度、緯度)」と、ステップS602で特定された「携帯端末200の移動方向の時系列的な変位」と「携帯端末200の先端が向けられている方向の時系列的な変位」と、を用いて、ユーザーに指定された印刷装置300の位置を推定する。例えば、印刷装置位置推定部110は、ステップS601で特定された「携帯端末200の位置」を起点とし、携帯端末200が振られた方向(2次元方向)を、ステップS602で特定された「携帯端末200の先端が向けられている方向の時系列的な変位」から割り出す。そして、印刷装置位置推定部110は、ステップS602で特定された「携帯端末200の移動方向の時系列的な変位」に基づいて、携帯端末200が移動したときの加速度変化を算出し、携帯端末200が振られた強さを割り出す。また、印刷装置位置推定部110は、携帯端末200が振られた強さ(強弱)に応じて、携帯端末200(ユーザー)から印刷装置300までの距離を推定する。ここで、印刷装置位置推定部110は、携帯端末200が強く振られるほど、携帯端末200(ユーザー)から印刷装置300までの距離が長いと推定する。それから、印刷装置位置推定部110は、「携帯端末200の位置」からみて携帯端末200が振られた方向(2次元方向)であり、かつ、推定された距離だけ携帯端末200(ユーザー)から離れた地点を、ユーザーに指定された印刷装置300の位置として推定する。
【0113】
(S603:ケース4)上記方法2のジェスチャー例3
また、上記方法2のジェスチャー例3で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS601で特定された「携帯端末200の位置(経度、緯度)」と、ステップS602で特定された「携帯端末200の先端が向けられている方向の時系列的な変位」と、を用いて、ユーザーに指定された印刷装置300の位置を推定する。例えば、印刷装置位置推定部110は、ステップS602で特定された「携帯端末200の先端が向けられている方向の時系列的な変位」から、携帯端末200の先端が下方(地面方向)に傾けられたことがわかると、ステップS601で特定された「携帯端末200の位置」を、ユーザーに指定された印刷装置300の位置として推定する。
【0114】
(S603:ケース5)上記方法2のジェスチャー例4
また、上記方法2のジェスチャー例4で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS601で特定された「携帯端末200の位置(経度、緯度)」と、ステップS602で特定された「携帯端末200に備わるカメラが向けられている方向」と、を用いて、ユーザーに指定された印刷装置300の位置を推定する。例えば、印刷装置位置推定部110は、ステップS601で特定された「携帯端末200の位置」からみて、ステップS602で特定された「携帯端末200のカメラが向けられている方向」(すなわち、半直線上)を、ユーザーに指定された印刷装置300の位置として推定する。
【0115】
(S603:ケース6)上記方法3
また、上記方法3で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS601で特定された「携帯端末200の位置(経度、緯度)」と、ステップS602で特定された「携帯端末200に備わるカメラが(シャッター時に)向けられている方向」と、を用いて、ユーザーに指定された印刷装置300の位置を推定する。例えば、印刷装置位置推定部110は、ステップS601で特定された「携帯端末200の位置」からみて、ステップS602で特定された「携帯端末200のカメラが(シャッター時に)向けられている方向」(すなわち、半直線上)を、ユーザーに指定された印刷装置300の位置として推定する。
【0116】
以上のように、印刷装置位置推定部110は、携帯端末200を用いてユーザーに指定された、印刷装置300、或いは、印刷装置300の位置を推定する。
【0117】
次に、印刷装置決定部120は、図3に示す蓄積処理で格納された印刷装置情報400を、印刷装置情報DB150から取得する(ステップS604)。
【0118】
そして、印刷装置決定部120は、印刷装置位置推定部110で推定された印刷装置300を印刷装置情報400から検索し、印刷を行う印刷装置300として決定する(ステップS605)。
【0119】
以下にステップS605における具体的な処理手順について説明する。
【0120】
(S604:ケース1)上記方法1、上記方法4
上記方法1や上記方法4で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置決定部120は、印刷指示に含まれていた識別情報401を、印刷装置情報400から検索する。そして、印刷装置決定部120は、該当する識別情報401が存在する場合には、当該識別情報401で特定される印刷装置300を、印刷を行う印刷装置300として決定する。
【0121】
(S604:ケース2)上記方法2のジェスチャー例1、ジェスチャー例4、上記方法3
上記方法2のジェスチャー例1、ジェスチャー例4、上記方法3で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置決定部120は、ステップS603で推定された印刷装置300の位置(すなわち、半直線)に最も近い印刷装置300を、印刷装置情報400から検索する。具体的には、印刷装置決定部120は、ステップS603で推定された印刷装置300の位置(すなわち、半直線)との距離が最短となる位置情報402を、印刷装置情報400から検索する。そして、印刷装置決定部120は、検索した位置情報402が示す位置に設置されている印刷装置300を、印刷を行う印刷装置300として決定する。
【0122】
(S604:ケース3)上記方法2のジェスチャー例2、ジェスチャー例3
上記方法2のジェスチャー例2、ジェスチャー例3で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置決定部120は、ステップS603で推定された印刷装置300の位置に最も近い印刷装置300を、印刷装置情報400から検索する。具体的には、印刷装置決定部120は、ステップS603で推定された印刷装置300の位置との距離が最小となる位置情報402を、印刷装置情報400から検索する。そして、印刷装置決定部120は、検索した位置情報402が示す位置に設置されている印刷装置300を、印刷を行う印刷装置300として決定する。
【0123】
以上のように、印刷装置決定部120は、印刷を行う印刷装置300を決定すると、印刷装置決定処理S16を終了し、処理を図4に示すステップS17へ移行する。
【0124】
処理がステップS17へ移行すると、印刷制御部130は、ステップS15で受信した元データ(印刷対象のデータ)に基づいて、印刷データを生成する(S17)。具体的には、印刷制御部130は、ステップS605(S16)で決定された印刷装置300に印刷させるためのドライバープログラムを所定の外部記憶装置から読み出し、その印刷装置300で印刷可能な印刷データを生成する。
【0125】
それから、印刷制御部130は、ステップS17で生成した印刷データを、ステップS605(S16)で決定された印刷装置300に対して送信する(S18)。具体的には、印刷制御装置130は、ステップS605で決定された印刷装置300に対応するレコード406を印刷装置情報400から読み出し、そのレコード406に含まれる通信情報405で特定されるアドレス先に、ステップS17で生成した印刷データを送信する。
【0126】
このように、サーバー装置100では、ネットワーク50に接続されている印刷装置300のうち、どの印刷装置300が携帯端末200から指定されたとしても、指定された印刷装置300で印刷可能な印刷データを送信できる。
【0127】
印刷データが送信されると、印刷装置300の印刷データ受信部310は、サーバー装置100からの印刷データを受信する。それから、印刷実行部320は、印刷データ受信部310で受信された印刷データの印刷を行う(S19)。
【0128】
以上のような印刷処理を行うことにより、本実施形態の印刷システム10では、個々の印刷装置300についての情報を携帯端末200側で登録しておかなくても、所望の印刷装置300で印刷可能となる。
【0129】
(印刷処理1B)
図9は、本実施形態の印刷システム10で実行される印刷処理の別例(印刷処理1B)を説明するためのタイミングチャートである。印刷処理1Bでは、印刷に先だって、印刷させる予定の印刷装置300に関する情報を携帯端末200に表示させる。この点で、印刷処理1Bは、上記の印刷処理1Aとは異なる。
【0130】
図示するように、携帯端末200は、まず、上記の印刷処理1Aと同様にS11〜S14の処理を行う。
【0131】
そして、ステップS14の処理が終了すると、印刷指示部250は、処理をステップS25に移行する。印刷指示部250は、ステップS12で印刷指示の受付を開始してから、ステップS11で生成された元データを印刷させる印刷装置300が指定されるまで待機する。
【0132】
ここで、印刷装置300を指定する方法は、上記の印刷処理1Aと同様である。
【0133】
(S25:ケース1)上記方法1、上記方法4
そして、上記方法1や上記方法4で印刷装置300が指定された場合、印刷指示部250は、ユーザーに選択された印刷装置300の識別番号401をサーバー装置100へ送信する。これにより、印刷指示部250は、ユーザーに選択された印刷装置300に関する印刷装置情報400をサーバー装置100に要求できる(S25)。
【0134】
(S25:ケース2)上記方法2
また、上記方法2で印刷装置300が指定された場合には、印刷指示部250は、図5(A)、図5(B)、図6(A)、図6(B)に示すようなジェスチャーがなされている間に取得された、携帯端末200の各位置情報と各方向情報を、サーバー装置100へ送信する。これにより、印刷指示部250は、ユーザーに選択された印刷装置300に関する印刷装置情報400をサーバー装置100に要求できる(S25)。
【0135】
(S25:ケース3)上記方法3
また、上記方法3で印刷装置300が指定された場合には、印刷指示部250は、シャッターが切られたときに取得された、携帯端末200の位置情報と方向情報を、サーバー装置100へ送信する。これにより、印刷指示部250は、ユーザーに選択された印刷装置300に関する印刷装置情報400をサーバー装置100に要求できる(S25)。
【0136】
上記のいずれかの方法(方法1〜4)で、印刷を行う印刷装置300が指定されると(すなわち、携帯端末200から印刷装置情報400の要求を受け付けると)、サーバー装置100は、上記の印刷処理1Aと同様に印刷装置決定処理を行う(S16)。
【0137】
具体的には、図8に示すように、印刷装置決定処理に移行すると、サーバー装置100の印刷装置位置推定部110は、まず、携帯端末200の位置を特定する(ステップS601)。
【0138】
例えば、印刷装置位置推定部110は、携帯端末200から送信された位置情報に基づいて、携帯端末200の位置を特定する。ここで、ステップS25で1つの位置情報しか送信されていない場合には、印刷装置位置推定部110は、当該位置情報から、携帯端末200の位置(経度、緯度)を特定する。
【0139】
また、ステップS25で複数の位置情報が送信された場合には、印刷装置位置推定部110は、各位置情報の平均値を、携帯端末200の位置(経度、緯度)として特定する。ただし、上記方法2のジェスチャー例2で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS25で送信された複数の位置情報のうち、時系列順で最初に得られた位置情報を、携帯端末200の位置(経度、緯度)として特定するようにしてもよい。
【0140】
なお、上記方法1や方法4で印刷装置300が指定されている場合には、ステップS25で携帯端末200の位置情報は送信されていない。そのため、印刷装置位置推定部110は、本ステップS601の処理を省略する。
【0141】
次に、印刷装置位置推定部110は、携帯端末200の移動方向(3次元方向)や、携帯端末200における特定の部位(例えば、携帯端末200の先端や、カメラ)が向けられている方向(3次元方向)、を特定する(ステップS602)。
【0142】
具体的には、印刷装置位置推定部110は、ステップS25で携帯端末200から送信された方向情報に基づいて、携帯端末200の移動方向や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向、を特定する。例えば、ステップS25で1つの方向情報しか送信されていない場合には、印刷装置位置推定部110は、当該方向情報から、携帯端末200の移動方向や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向、を特定する。
【0143】
なお、ステップS25で複数の方向情報が送信されていない場合には、印刷装置位置推定部110は、各方向情報をそれぞれ特定し、その時系列的な変位を特定する。すなわち、印刷装置位置推定部110は、携帯端末200から送信された複数の方向情報から、携帯端末200の移動方向の時系列的な変位や、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向の時系列的な変位、を特定する。
【0144】
例えば、上記方法2のジェスチャー例1で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS25で送信された各方向情報の平均値から、携帯端末200の先端が向けられている方向を特定する。同様に、上記方法2のジェスチャー例4で印刷装置300が指定された場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS25で送信された各方向情報の平均値から、携帯端末200に備わるカメラが向けられている方向を特定する。
【0145】
また、上記方法2のジェスチャー例2で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS25で送信された複数の方向情報から、携帯端末200の移動方向の時系列的な変位と、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向の時系列的な変位と、の両方を特定する。また、上記方法2のジェスチャー例3で印刷装置300が指定された場合には、印刷装置位置推定部110は、ステップS25で送信された複数の方向情報から、携帯端末200における特定の部位が向けられている方向の時系列的な変位を特定する。
【0146】
また、上記方法1や方法4で印刷装置300が指定されている場合には、ステップS25で携帯端末200の方向情報は送信されていないため、印刷装置位置推定部110は、本ステップS602の処理を省略する。
【0147】
続いて、印刷装置位置推定部110は、携帯端末200を用いてユーザーに指定された、印刷装置300、或いは、印刷装置300の位置を推定する(ステップS603)。
【0148】
以下にステップS603における具体的な処理手順について説明する。
【0149】
(S603:ケース1)上記方法1、上記方法4
上記方法1や上記方法4で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、上記のステップS601とステップS602の処理を省略しており、本ステップS603では、ステップS25で携帯端末200から送信された印刷装置300の識別情報で特定される印刷装置300を、ユーザーに指定された印刷装置300として推定する。
【0150】
(S603:ケース2)上記方法2、上記方法3
また、上記方法2や上記方法3で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、上記の印刷処理1AにおけるステップS603と同様の処理を行う。
【0151】
以上のように、印刷装置位置推定部110は、携帯端末200を用いてユーザーに指定された、印刷装置300、或いは、印刷装置300の位置を推定する。
【0152】
次に、印刷装置決定部120は、図3に示す蓄積処理で格納された印刷装置情報400を、印刷装置情報DB150から取得する(ステップS604)。
【0153】
そして、印刷装置決定部120は、印刷装置位置推定部110で推定された印刷装置300を印刷装置情報400から検索し、印刷を行う印刷装置300として決定する(ステップS605)。
【0154】
以下にステップS605における具体的な処理手順について説明する。
【0155】
(S605:ケース1)上記方法1、上記方法4
上記方法1や上記方法4で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置決定部120は、ステップS25で携帯端末200から送信された識別情報401を、印刷装置情報400から検索する。そして、印刷装置決定部120は、該当する識別情報401が存在する場合には、当該識別情報401で特定される印刷装置300を、印刷を行う印刷装置300として決定する。
【0156】
(S605:ケース2)上記方法2、上記方法3
また、上記方法2や上記方法3で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置位置推定部110は、上記の印刷処理1AにおけるステップS605と同様の処理を行う。
【0157】
そして、印刷装置決定部120は、印刷装置決定処理S16を終了すると、処理を図9に示すステップS27へ移行する。
【0158】
処理がステップS27へ移行すると、印刷装置決定部120は、ステップS605で決定された印刷装置300に関する情報を、携帯端末200に送信する(S27)。具体的には、印刷装置決定部120は、ステップS605で決定された印刷装置300に対応するレコード406を印刷装置情報400から読み出し、携帯端末200に送信する。
【0159】
こうして、携帯端末200側では、サーバー装置100で決定された印刷装置300について、ユーザーが確認することができる。
【0160】
具体的には、印刷指示部250は、ステップS27でサーバー装置100から送信された情報(例えば、印刷速度403、印刷方式404)を、液晶ディスプレイ等の出力装置に表示しておき、その印刷装置300に印刷させる指示をユーザーから受け付けるまで待機する(S28)。
【0161】
そして、印刷を行わせる指示をユーザーから受け付けると、印刷指示部250は、ステップS605で決定された印刷装置300に印刷を行わせる印刷指示を、サーバー装置100へ送信する(S29)。これとともに、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データもサーバー装置100へ送信する。
【0162】
なお、ステップS28において、印刷を行わせない指示をユーザーから受け付けた場合、或いは、所定時間ユーザーから何の操作もされたかった場合には、印刷指示部250は、サーバー装置100との通信を切断して、印刷処理1Bを終了する。或いは、印刷指示部250は、ステップS605で決定された印刷装置300とは別の印刷装置300を検索させる指示を、サーバー装置100へ送信するようにしてもよい。
【0163】
サーバー装置100の印刷制御部130は、ステップS605で決定された印刷装置300に印刷を行わせる印刷指示を携帯端末200から受け付けると、当該印刷指示とともに受信した元データ(印刷対象のデータ)に基づいて、印刷データを生成する(S17)。具体的には、印刷制御部130は、ステップS605(S16)で決定された印刷装置300に印刷させるためのドライバープログラムを所定の外部記憶装置から読み出し、その印刷装置300で印刷可能な印刷データを生成する。
【0164】
それから、印刷制御部130は、ステップS17で生成した印刷データを、ステップS605(S16)で決定された印刷装置300に対して送信する(S18)。具体的には、印刷制御装置130は、ステップS605で決定された印刷装置300に対応するレコード406を印刷装置情報400から読み出し、通信情報405で特定されるアドレス先に、ステップS17で生成した印刷データを送信する。
【0165】
このように、サーバー装置100では、ネットワーク50に接続されている印刷装置300のうち、どの印刷装置300が携帯端末200から指定されたとしても、指定された印刷装置300で印刷可能な印刷データを送信できる。
【0166】
印刷データが送信されると、印刷装置300の印刷データ受信部310は、サーバー装置100からの印刷データを受信する。それから、印刷実行部320は、印刷データ受信部310で受信された印刷データの印刷を行う(S19)。
【0167】
以上のような印刷処理を行うことにより、本実施形態の印刷システム10では、個々の印刷装置300についての情報を携帯端末200側で登録しておかなくても、所望の印刷装置300で印刷可能となる。そのうえ、印刷させる前に、サーバー装置100で決定された印刷装置100に印刷させるか否かについてユーザーに確認させるため、意図していない印刷装置300に印刷させてしまうこともない。
【0168】
(印刷処理1C)
図10は、本実施形態の印刷システム10で実行される印刷処理の別例(印刷処理1C)を説明するためのタイミングチャートである。印刷処理1Cでは、上記の印刷処理1Bと同様に、印刷に先だって、印刷させる予定の印刷装置300に関する情報を携帯端末200に表示させる。ただし、印刷処理1Cでは、印刷装置300で印刷可能な印刷データを携帯端末200で生成し、サーバー装置100を介さずに、直接、印刷装置300に印刷させる。この点で、印刷処理1Cは、上記の印刷処理1Bとは異なる。
【0169】
図示するように、携帯端末200とサーバー装置100は、まず、上記の印刷処理1Bと同様にS11〜S28の処理を行う。
【0170】
そして、ステップS28の処理が終了すると、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データ(印刷対象のデータ)に基づいて、印刷データを生成する(S39)。具体的には、印刷指示部250は、ステップS605(S16)で決定された印刷装置300に印刷させるためのドライバープログラムを所定の外部記憶装置から読み出し(或いは、サーバー装置100からダウンロードし)、その印刷装置300で印刷可能な印刷データを生成する。
【0171】
それから、印刷指示部250は、ステップS39で生成した印刷データを、サーバー装置100を介さずに、ステップS605(S16)で決定された印刷装置300に対して送信する(S40)。具体的には、印刷指示部250は、ステップS27でサーバー装置100から送信された情報に含まれる通信情報405を読み出し、読み出した通信情報405で特定されるアドレス先に、ステップS39で生成した印刷データを送信する。
【0172】
このように、本実施形態の印刷システム10では、ネットワーク50に接続されている印刷装置300のうち、どの印刷装置300が携帯端末200から指定されたとしても、指定された印刷装置300で印刷可能な印刷データを携帯端末200から送信できる。
【0173】
印刷データが送信されると、印刷装置300の印刷データ受信部310は、携帯端末200からの印刷データを受信する。それから、印刷実行部320は、印刷データ受信部310で受信された印刷データの印刷を行う(S19)。
【0174】
以上のような印刷処理を行うことにより、本実施形態の印刷システム10では、個々の印刷装置300についての情報を携帯端末200側で登録しておかなくても、所望の印刷装置300で印刷可能となる。そのうえ、印刷させる前に、サーバー装置100で決定された印刷装置100に印刷させるか否かについてユーザーに確認させるため、意図していない印刷装置300に印刷させてしまうこともない。さらに、携帯端末200で生成された印刷データを、サーバー100装置を介さずに印刷装置300へ送信できるため、サーバー装置100にかかる処理負荷を軽減でき、ステップS28からS19までの処理を、印刷処理1Bよりも高速化できる。
【0175】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、上述した第1実施形態の印刷システム10の変形例である。
【0176】
上述した第1実施形態では、ステップS605において、サーバー装置100は、1つの印刷装置300を、印刷を行う印刷装置300として決定している。これに対し、本実施形態では、サーバー装置100は、複数の印刷装置300を、印刷を行う印刷装置300の候補として決定し、候補の中から1つの印刷装置300をユーザーに選択させる。
【0177】
これにより、本実施形態の印刷システム10では、携帯端末200から指定された印刷装置300をサーバー装置100側で誤って特定してしまったとしても、訂正することができる。また、ユーザーがどの印刷装置300に印刷させるべきか決断できないときに、候補となる複数の印刷装置300に関する情報を携帯端末200に提供できるため、ユーザーは決断しやすくなる。
【0178】
なお、本実施形態の印刷システム10は、第1実施形態と同様のハードウェア構成、機能構成からなり、第1実施形態の印刷システム10とは動作が異なる。以下、第2実施形態の説明は、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0179】
(印刷処理2A)
図11は、本実施形態の印刷システム10で実行される印刷処理の一例(印刷処理2A)を説明するためのタイミングチャートである。印刷処理2Aでは、上記の印刷処理1Bと同様に、印刷に先だって、印刷させる予定の印刷装置300に関する情報を携帯端末200に表示させる。ただし、印刷処理2Aでは、複数の印刷装置300に関する情報を携帯端末200に表示させる。この点で、印刷処理2Aは、上記の印刷処理1Bとは異なる。
【0180】
図示するように、携帯端末200とサーバー装置100は、まず、上記の印刷処理1Bと同様にS11〜S25の処理を行う。
【0181】
上記のいずれかの方法(方法1〜4)で、印刷を行う印刷装置300が指定されると(すなわち、携帯端末200から印刷装置情報400の要求を受け付けると)、サーバー装置100は、指定された印刷装置300の候補を特定する処理を行う(S46)。
【0182】
具体的には、サーバー装置100は、まず、上記の印刷処理1Bで説明した印刷装置決定処理S16に含まれるS601〜S604の処理を行う。
【0183】
それから、印刷装置決定部120は、印刷装置位置推定部110で推定された印刷装置300を印刷装置情報400から検索し、印刷を行う印刷装置300の候補として、複数の印刷装置300を特定する。
【0184】
以下に印刷装置300の候補を特定する処理の具体的な処理手順について説明する。
【0185】
(S46:ケース1)上記方法1、上記方法4
上記方法1や上記方法4で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置決定部120は、ステップS25で携帯端末200から送信された識別情報401を、印刷装置情報400から検索する。そして、印刷装置決定部120は、該当する識別情報401が存在する場合には、当該識別情報401で特定される印刷装置300から所定範囲内(例えば、半径10m以内)に位置する印刷装置300を、印刷を行う印刷装置300の候補として特定する。
【0186】
(S46:ケース2)上記方法2のジェスチャー例1、ジェスチャー例4、上記方法3
また、上記方法2のジェスチャー例1、ジェスチャー例4、上記方法3で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置決定部120は、ステップS603で推定された印刷装置300の位置(すなわち、半直線)に最も近い印刷装置300を、印刷装置情報400から検索する。具体的には、印刷装置決定部120は、ステップS603で推定された印刷装置300の位置(すなわち、半直線)との距離が最短となる位置情報402を、印刷装置情報400から検索する。そして、印刷装置決定部120は、検索した位置情報402が示す位置に設置されている印刷装置300から所定範囲内(例えば、半径10m以内)に位置する印刷装置300を、印刷を行う印刷装置300の候補として特定する。
【0187】
(S46:ケース3)上記方法2のジェスチャー例2、ジェスチャー例3
上記方法2のジェスチャー例2、ジェスチャー例2で印刷装置300が指定されている場合には、印刷装置決定部120は、ステップS603で推定された印刷装置300の位置に最も近い印刷装置300を、印刷装置情報400から検索する。具体的には、印刷装置決定部120は、ステップS603で推定された印刷装置300の位置との距離が最小となる位置情報402を、印刷装置情報400から検索する。そして、印刷装置決定部120は、検索した位置情報402が示す位置に設置されている印刷装置300から所定範囲内(例えば、半径10m以内)に位置する印刷装置300を、印刷を行う印刷装置300の候補として特定する。
【0188】
以上のように、印刷装置決定部120は、印刷を行う印刷装置300の候補を決定すると、ステップS46を終了し、処理を図11に示すステップS47へ移行する。
【0189】
処理がステップS47へ移行すると、印刷装置決定部120は、ステップS46で特定された印刷装置300の候補に関する情報を、携帯端末200に送信する(S47)。具体的には、印刷装置決定部120は、ステップS46で特定された印刷装置300の候補に対応するレコード406を印刷装置情報400から読み出し、携帯端末200に送信する。
【0190】
こうして、携帯端末200側では、サーバー装置100で特定された印刷装置300の候補のうち、印刷させる印刷装置300を、ユーザーに選択させることができる。
【0191】
具体的には、印刷指示部250は、ステップS46で特定された候補(印刷装置300)ごとに、ステップS47でサーバー装置100から送信された情報(例えば、印刷速度403、印刷方式404)を、液晶ディスプレイ等の出力装置に表示しておく。
【0192】
例えば、印刷指示部250は、ステップS47でサーバー装置100から送信された情報(例えば、印刷速度403、印刷方式404)をリスト表示する(表示例1)。
【0193】
また、上記のステップS12で上記方法3によって印刷装置300が指定されている場合には、印刷指示部250は、ステップS12で撮像された画像(撮像画像)上に、ステップS47でサーバー装置100から送信された情報(例えば、印刷速度403、印刷方式404)を表示するようにしてもよい(表示例2)。
【0194】
図12は、上記の表示例2を示す図である。図示するように、印刷指示部250は、ステップS12で撮像された画像(撮像画像)を出力装置に表示し、各印刷装置300の位置に、ステップS47でサーバー装置100から送信された情報(図示する例では、「モノクロ」「カラー」といった印刷方式404)をそれぞれ表示する。
【0195】
こうして、ユーザーは、印刷させる印刷装置300の位置に、印刷物アイコンをドロップすることによって、印刷させる印刷装置300を選択することができる。
【0196】
なお、上記の表示例1では、ユーザーは、リスト表示された候補(印刷装置300)の中から1つの印刷装置300を選択するタッチパネル操作によって、印刷させる印刷装置300を選択することができる。
【0197】
それから、印刷指示部250は、1つの印刷装置300がユーザーによって選択されるまで待機する(S48)。
【0198】
そして、1つの印刷装置300が選択されると、印刷指示部250は、選択された印刷装置300に印刷を行わせる印刷指示を、サーバー装置100へ送信する(S49)。
【0199】
これとともに、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データもサーバー装置100へ送信する。
【0200】
サーバー装置100の印刷制御部130は、携帯端末200からの印刷指示を受け付けると、当該印刷指示とともに受信した元データ(印刷対象のデータ)に基づいて、印刷データを生成する(S17)。具体的には、印刷制御部130は、ステップS48でユーザーに選択された印刷装置300に印刷させるためのドライバープログラムを所定の外部記憶装置から読み出し、その印刷装置300で印刷可能な印刷データを生成する。
【0201】
それから、印刷制御部130は、ステップS17で生成した印刷データを、ステップS48でユーザーに選択された印刷装置300に対して送信する(S18)。具体的には、印刷制御装置130は、ステップS48でユーザーに選択された印刷装置300に対応するレコード406を印刷装置情報400から読み出し、通信情報405で特定されるアドレス先に、ステップS17で生成した印刷データを送信する。
【0202】
このように、サーバー装置100では、ネットワーク50に接続されている印刷装置300のうち、どの印刷装置300が携帯端末200から指定されたとしても、指定された印刷装置300で印刷可能な印刷データを送信できる。
【0203】
印刷データが送信されると、印刷装置300の印刷データ受信部310は、サーバー装置100からの印刷データを受信する。それから、印刷実行部320は、印刷データ受信部310で受信された印刷データの印刷を行う(S19)。
【0204】
以上のような印刷処理を行うことにより、本実施形態の印刷システム10では、個々の印刷装置300についての情報を携帯端末200側で登録しておかなくても、所望の印刷装置300で印刷可能となる。そのうえ、携帯端末200から指定された印刷装置300をサーバー装置100側で誤って特定してしまったとしても、印刷前に訂正することができる。また、ユーザーがどの印刷装置300に印刷させるべきか決断できないときに、候補となる複数の印刷装置300に関する情報を携帯端末200に提供できるため、ユーザーは印刷させる印刷装置300を決めやすい。
【0205】
(印刷処理2B)
図13は、第2実施形態の印刷システム10で実行される印刷処理の別例(印刷処理2B)を説明するためのタイミングチャートである。印刷処理2Bでは、上記の印刷処理2Aと同様に、印刷に先だって、候補となる複数の印刷装置300に関する情報を携帯端末200に表示させる。ただし、印刷処理2Bでは、印刷装置300で印刷可能な印刷データを携帯端末200で生成し、サーバー装置100を介さずに、直接、印刷装置300に印刷させる。この点で、印刷処理2Bは、上記の印刷処理2Aとは異なる。
【0206】
図示するように、携帯端末200とサーバー装置100は、まず、上記の印刷処理2Aと同様にS11〜S48の処理を行う。
【0207】
そして、ステップS48の処理が終了すると、印刷指示部250は、ステップS11で生成された元データ(印刷対象のデータ)に基づいて、印刷データを生成する(S49)。具体的には、印刷指示部250は、ステップS48でユーザーに選択された印刷装置300に印刷させるためのドライバープログラムを所定の外部記憶装置から読み出し(或いは、サーバー装置100からダウンロードし)、その印刷装置300で印刷可能な印刷データを生成する。
【0208】
それから、印刷指示部250は、ステップS49で生成した印刷データを、サーバー装置100を介さずに、ステップS48でユーザーに選択された印刷装置300に対して送信する(S50)。具体的には、印刷指示部250は、ステップS47でサーバー装置100から送信された情報に含まれる通信情報405を読み出し、読み出した通信情報405で特定されるアドレス先に、ステップS49で生成した印刷データを送信する。
【0209】
このように、本実施形態の印刷システム10では、ネットワーク50に接続されている印刷装置300のうち、どの印刷装置300が携帯端末200から指定されたとしても、指定された印刷装置300で印刷可能な印刷データを携帯端末200から送信できる。
【0210】
印刷データが送信されると、印刷装置300の印刷データ受信部310は、携帯端末200からの印刷データを受信する。それから、印刷実行部320は、印刷データ受信部310で受信された印刷データの印刷を行う(S19)。
【0211】
以上のような印刷処理を行うことにより、本実施形態の印刷システム10では、携帯端末200で生成された印刷データを、サーバー100装置を介さずに印刷装置300へ送信できるため、サーバー装置100にかかる処理負荷を軽減でき、ステップS48からS19までの処理を、印刷処理2Aよりも高速化できる。
【0212】
なお、上記した各タイミングチャートやフローの各処理単位は、印刷システム10を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。印刷システム10が行う処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0213】
また、上記の各実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
【0214】
例えば、上記第1実施形態では、印刷処理1Bと印刷処理1Cを別々に説明している。しかし、本発明では、携帯端末200の印刷指示部250は、印刷させる元データの種類に応じて、印刷処理1Bと印刷処理1Cのいずれかを選択的に採用できるようにしてもよい。すなわち、印刷指示部250は、例えば、印刷させる元データが文書データ等である場合には、印刷処理1Bを採用し、サーバー装置100を経由して、文書データを印刷装置300に印刷させる。一方、印刷指示部250は、例えば、印刷させる元データがJPEG等である場合には、印刷処理1Cを採用し、サーバー装置100を経由させずに、JPEGを印刷装置300に印刷させる。
【0215】
また、同様に、上記第2実施形態では、印刷処理2Aと印刷処理2Bを別々に説明している。しかし、本発明では、携帯端末200の印刷指示部250は、印刷させる元データの種類に応じて、印刷処理2Aと印刷処理2Bのいずれかを選択的に採用できるようにしてもよい。すなわち、印刷指示部250は、例えば、印刷させる元データが文書データ等である場合には、印刷処理2Aを採用し、サーバー装置100を経由して、文書データを印刷装置300に印刷させる。一方、印刷指示部250は、例えば、印刷させる元データがJPEG等である場合には、印刷処理2Bを採用し、サーバー装置100を経由させずに、JPEGを印刷装置300に印刷させる。
【0216】
また、上記各実施形態では、携帯端末200の方向検知部230は、3軸加速度センサー等を用いて方向情報を取得している。しかし、本発明の方向検知部230は、方向情報の代わりに、3軸加速度センサーの値(すなわち、加速度情報)を取得するようにしてもよい。
【0217】
方向検知部230で加速度情報が取得される場合には、各実施形態の印刷指示部250は、方向情報の代わりに、加速度情報をサーバー装置100へ送信する。そして、サーバー装置100では、携帯端末200から受信した加速度情報に基づいて、携帯端末200の移動方向(3次元方向)と、携帯端末200における特定の部位(例えば、携帯端末200の先端や、カメラ)が向けられている方向(3次元方向)と、を特定する。こうして、サーバー装置100では、上記各実施形態で説明した方向情報を得ることができ、その方向情報を用いて携帯端末200移動方向等を特定することができる。
【符号の説明】
【0218】
10・・・印刷システム、100・・・サーバー装置、110・・・印刷装置位置推定部、120・・・印刷装置決定部、130・・・印刷制御部、140・・・印刷装置情報管理部、150・・・印刷装置情報DB、200・・・携帯端末、210・・・撮像部、220・・・位置取得部(携帯端末)、230・・・方向検知部、240・・・印刷元データ生成部、250・・・印刷指示部、300・・・印刷装置、310・・・印刷データ受信部、320・・・印刷実行部、330・・・位置取得部(印刷装置)、340・・・情報提供部、400・・・印刷装置情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷装置を管理するサーバー装置であって、
印刷対象のデータと印刷指示を携帯端末から受け付ける受付部と、
前記印刷指示に基づき、印刷を行う印刷装置を決定する決定部と、
前記印刷対象のデータを元に印刷データを生成し、前記決定部で決定された印刷装置に対して当該印刷データを出力する印刷部と、を備え、
前記印刷指示には、前記携帯端末の位置情報と加速度情報が含まれており、
前記決定部は、
前記位置情報と前記加速度情報に基づき、前記携帯端末のユーザーに指定された印刷装置の位置を推定し、
推定した前記位置に最も近い印刷装置を、印刷を行う印刷装置として決定する、
ことを特徴とするサーバー装置。
【請求項2】
複数の印刷装置を管理するサーバー装置であって、
印刷対象のデータと印刷指示を携帯端末から受け付ける受付部と、
前記印刷指示に基づき、印刷を行う印刷装置を決定する決定部と、
前記決定部で決定された印刷装置についての情報を前記携帯端末に送信する情報送信部と、を備え、
前記印刷指示には、前記携帯端末の位置情報と加速度情報が含まれており、
前記決定部は、
前記位置情報と前記加速度情報に基づき、前記携帯端末のユーザーに指定された印刷装置の位置を推定し、
推定した前記位置に最も近い印刷装置を、印刷を行う印刷装置として決定する、
ことを特徴とするサーバー装置。
【請求項3】
印刷の指示を行う携帯端末と、複数の印刷装置と、当該複数の印刷装置を管理するサーバー装置と、を備える印刷システムであって、
前記携帯端末は、
ユーザーによる操作に応じて、印刷対象のデータと印刷指示を出力する出力部を備え、
前記サーバー装置は、
前記印刷対象のデータと前記印刷指示を前記携帯端末から受け付ける受付部と、
前記印刷指示に基づき、印刷を行う印刷装置を決定する決定部と、
前記印刷対象のデータを元に印刷データを生成し、前記決定部で決定された印刷装置に対して当該印刷データを出力する印刷部と、を備え、
前記決定部で決定された印刷装置は、
前記サーバー装置から出力された印刷データを受信して印刷を行う印刷実行部を備える、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
印刷の指示を行う携帯端末と、複数の印刷装置と、当該複数の印刷装置を管理するサーバー装置と、を備える印刷システムであって、
前記携帯端末は、
ユーザーによる操作に応じて、印刷指示を出力する出力部を備え、
前記サーバー装置は、
前記印刷指示を前記携帯端末から受け付ける受付部と、
前記印刷指示に基づき、印刷を行う印刷装置を決定する決定部と、
前記決定部で決定された印刷装置についての情報を前記携帯端末に送信する情報送信部と、
を備え、
前記決定部で決定された印刷装置は、
前記印刷指示に基づく印刷を行う印刷実行部を備える、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
請求項6に記載の印刷システムであって、
前記携帯端末は、
前記情報送信部から送信された前記情報で特定される印刷装置に印刷を行わせるか否かユーザーから指示を受け付け、受け付けた指示を前記サーバー装置に通知するとともに、印刷対象のデータを出力する確認処理部をさらに備え、
前記サーバー装置は、
前記決定部で決定された印刷装置に印刷を行わせる指示を前記確認処理部から通知された場合には、前記印刷対象のデータを元に印刷データを生成し、前記決定部で決定された印刷装置に対して当該印刷データを出力する印刷部をさらに備える、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
請求項6に記載の印刷システムであって、
前記携帯端末は、
前記情報送信部から送信された前記情報で特定される印刷装置に印刷を行わせるか否かユーザーから指示を受け付ける確認処理部と、
前記決定部で決定された印刷装置に印刷を行わせる指示を受け付けた場合には、印刷対象のデータを元に印刷データを生成し、前記決定部で決定された印刷装置に対して当該印刷データを出力する印刷部と、をさらに備える、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項7】
印刷の指示を行う携帯端末と、複数の印刷装置と、当該複数の印刷装置を管理するサーバー装置と、を備える印刷システムであって、
前記携帯端末は、
当該携帯端末を手に持つユーザーによるジェスチャーに応じて、印刷対象のデータと印刷指示を出力する出力部を備え、
前記サーバー装置は、
印刷対象のデータと印刷指示を前記携帯端末から受け付ける受付部と、
前記印刷指示に基づき、印刷を行う印刷装置を決定する決定部と、
前記印刷対象のデータを元に印刷データを生成し、前記決定部で決定された印刷装置に対して当該印刷データを出力する印刷部と、を備え、
前記決定部で決定された印刷装置は、
前記サーバー装置から出力された印刷データを受信して印刷を行う印刷実行部を備える、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
印刷の指示を行う携帯端末と、複数の印刷装置と、当該複数の印刷装置を管理するサーバー装置と、を備える印刷システムであって、
前記携帯端末は、
印刷を行わせる印刷装置を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された画像に対するユーザーの操作に応じて、印刷対象のデータと印刷指示を出力する出力部と、を備え、
前記サーバー装置は、
印刷対象のデータと印刷指示を前記携帯端末から受け付ける受付部と、
前記印刷指示に基づき、印刷を行う印刷装置を決定する決定部と、
前記印刷対象のデータを元に印刷データを生成し、前記決定部で決定された印刷装置に対して当該印刷データを出力する印刷部と、を備え、
前記決定部で決定された印刷装置は、
前記サーバー装置から出力された印刷データを受信して印刷を行う印刷実行部を備える、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項9】
印刷の指示を行う携帯端末と、複数の印刷装置と、当該複数の印刷装置を管理するサーバー装置と、を備える印刷システムであって、
前記携帯端末は、
印刷を行わせる印刷装置に備わるバーコード情報を読み取る読取部と、
前記バーコード情報に応じて、印刷対象のデータと印刷指示を出力する出力部と、を備え、
前記サーバー装置は、
印刷対象のデータと印刷指示を前記携帯端末から受け付ける受付部と、
前記印刷指示に基づき、印刷を行う印刷装置を決定する決定部と、
前記印刷対象のデータを元に印刷データを生成し、前記決定部で決定された印刷装置に対して当該印刷データを出力する印刷部と、を備え、
前記決定部で決定された印刷装置は、
前記サーバー装置から出力された印刷データを受信して印刷を行う印刷実行部を備える、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項10】
印刷の指示を行う携帯端末と、複数の印刷装置を管理するサーバー装置と、を備える印刷システムであって、
前記携帯端末は、
ユーザーによる操作に応じて、印刷対象のデータと印刷指示を出力する出力部を備え、
前記サーバー装置は、
印刷対象のデータと印刷指示を前記携帯端末から受け付ける受付部と、
前記印刷指示に基づき、印刷を行う印刷装置を決定する決定部と、
前記印刷対象のデータを元に印刷データを生成し、前記決定部で決定された印刷装置に対して当該印刷データを出力する印刷部と、を備える、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項11】
複数の印刷装置と、当該複数の印刷装置を管理するサーバー装置と、を備える印刷システムであって、
前記印刷装置は、
自印刷装置についての情報を前記サーバー装置に提供する情報提供部を備え、
前記サーバー装置は、
前記情報提供部から提供された情報を記憶しておく情報管理部を備える、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項12】
請求項5乃至13のいずれか1項に記載の印刷システムであって、
前記印刷指示には、前記携帯端末の位置情報と加速度情報が含まれており、
前記決定部は、
前記位置情報と前記加速度情報に基づき、前記携帯端末のユーザーに指定された印刷装置の位置を推定し、
推定した前記位置に最も近い印刷装置を、印刷を行う印刷装置として決定する、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項13】
印刷の指示を行う携帯端末と、複数の印刷装置と、当該複数の印刷装置を管理するサーバー装置と、を備える印刷システムにおける印刷方法であって、
前記携帯端末は、
ユーザーによる操作に応じて、印刷対象のデータと印刷指示を出力する出力ステップを行い、
前記サーバー装置は、
前記印刷対象のデータと前記印刷指示を前記携帯端末から受け付ける受付ステップと、
前記印刷指示に基づき、印刷を行う印刷装置を決定する決定ステップと、
前記印刷対象のデータを元に印刷データを生成し、前記決定ステップで決定された印刷装置に対して当該印刷データを出力する印刷ステップと、を行い、
前記決定ステップで決定された印刷装置は、
前記サーバー装置から出力された印刷データを受信して印刷を行う印刷実行ステップを行う、
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項14】
請求項15に記載の印刷方法であって、
前記印刷指示には、前記携帯端末の位置情報と加速度情報が含まれており、
前記決定ステップでは、
前記位置情報と前記加速度情報に基づき、前記携帯端末のユーザーに指定された印刷装置の位置を推定し、
推定した前記位置に最も近い印刷装置を、印刷を行う印刷装置として決定する、
ことを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−150628(P2012−150628A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8471(P2011−8471)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】