説明

サーバ装置、サーバ・クライアントシステム、サーバプログラムおよびそれを記録した記録媒体

【課題】アプリケーションプログラムのクライアント装置側からの操作を制限し、サーバ装置に画像が表示されているアプリケーションプログラムに影響を与えることなく、クライアント装置側で所望のアプリケーションプログラムを操作する。
【解決手段】サーバコンピュータ1は、クライアントコンピュータ2の要求を受けると、設定ファイルSF1に設定されたアプリケーション指定番号および矩形範囲データに基づいて、指定されたアプリケーションプログラムの画像データにおける矩形領域を、クライアント用展開領域131から読み出して、クライアントコンピュータ2に送信する。クライアントコンピュータ2では、その矩形領域の範囲内でアプリケーションプログラムを操作できる。クライアントコンピュータ2への画像データを展開するクライアント用展開領域131は、表示デバイス14に表示される画像データを展開するサーバ用展開領域121と独立している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、ネットワークに接続された当該サーバ装置とクライアント装置との間で、クライアント装置からサーバ装置のアプリケーションプログラムを操作することができるサーバ・クライアントシステム、サーバプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上の離れたコンピュータを遠隔操作するためのリモート操作用ソフトウェアとしては、例えば、VNC(Virtual Network Computing)が知られている。VNCがプラットフォームに依存しないソフトウェアとして開発されていることから、VNCがインストールされているクライアント(端末)同士は、OSなどのプラットフォームの種類に関わらず通信できる。
【0003】
企業などの情報システムにおいて、個人が使用するコンピュータ(クライアント)には、最低限の機能しか持たせず、サーバ側でアプリケーションプログラムなどの資源を管理するような場合、各コンピュータからサーバのアプリケーションプログラムをVNCを用いて利用する。
【0004】
VNCでは、サーバ装置に表示されている画像をクライアント装置に送信し、クライアント装置側で受信した画像を表示し、必要に応じて、クライアント装置に表示された画像上でサーバ装置を操作することができる。
【0005】
特許文献1には、サーバ装置の画像の一部、好ましくは特定のアプリケーションプログラムをクライアント装置にて表示可能なシステムが記載されている。このシステムでは、サーバ装置に表示されたアプリケーションプログラムの情報(ウインドウおよびコントロール情報)を通信端末機からなるクライアント装置に送信し、送信された情報をクライアント装置にて画面に合うように再構成することで、サーバ装置に表示された情報をクライアント装置でも表示することができる。
【0006】
特許文献2には、サーバ装置で実行されるアプリケーションプログラムの操作画面を表示要素に分解して認識し、個々の表示要素や表示要素の組み合わせを情報端末装置からなるクライアント装置に表示してユーザに操作させることが記載されている。
【0007】
特許文献3には、送信側装置(クライアント装置)からの切り替えの指示に基づいて、受信側端末装置(サーバ装置)のアプリケーションから出力される映像信号を切り替えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2009−500763号公報(2009年1月8日公表)
【特許文献2】特開2007−11531号公報(2007年1月18日公開)
【特許文献3】特開2004−259263号公報(2004年9月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、VNCを利用する場合、特許文献1〜3に記載されたシステムでは、クライアント装置に送信できるデータが、サーバ装置に画像が表示されているアプリケーションプログラムのデータに限定されるため、その間は、それ以外のアプリケーションプログラムをクライアント装置で利用することはできない。しかも、これらのシステムでは、サーバ装置でアプリケーションプログラムが操作されると、クライアント装置に表示された当該アプリケーションプログラムの画像にその操作による変化が反映されるため、クライアント装置におけるアプリケーションプログラムの操作性が損なわれてしまう。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、サーバ装置において画像が表示されているアプリケーションプログラムに関わらず、クライアント装置側で所望のアプリケーションプログラムを操作することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るサーバ装置は、上記の課題を解決するために、アプリケーションプログラムの画像データを1または2以上のクライアント装置へ要求に応じて送信し、前記クライアント装置からの制御操作によって前記アプリケーションプログラムへの操作を受け付けるサーバ装置であって、異なるアプリケーションプログラムの画像データを記憶する記憶領域を複数有する画像データ記憶手段における各記憶領域の画像データを個別に読み出す読出手段と、読み出した前記各画像データを、送信対象となるクライアント装置に送信する送信手段とを備えたことことを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係るサーバ・クライアントシステムは、上記の課題を解決するために、1または2以上のクライアント装置と、1または2以上の前記サーバ装置とを備え、さらに、前記サーバ装置におけるアプリケーションプログラムの画像データの少なくとも一部を記憶する記憶領域を複数有する画像データ記憶手段を備え、前記読出手段が、前記クライアント装置からの要求に応じて、前記画像データ記憶手段における各記憶領域の画像データを個別に読み出すことを特徴としている。
【0013】
上記のサーバ装置およびサーバ・クライアントシステムでは、サーバ装置がクライアント装置にアプリケーションプログラムの操作要求を受けると、画像データ記憶手段の各記録領域に記憶されている画像データが読出手段によって個別に読み出される。この読み出された画像データは、送信手段によって送信対象となるクライアント装置に送信される。これにより、クライアント装置では、受信した画像データのアプリケーションプログラムを、操作することができる。
【0014】
それゆえ、サーバ装置において、あるアプリケーションプログラムの画像データがサーバ装置で表示されていても、クライアント装置に表示される画像データは、上記画像データと異なる領域に記憶されているので、クライアント装置で行われる操作によって、サーバ装置に表示される画像データのアプリケーションプログラムには何の影響も及ばない。
【0015】
前記サーバ装置は、前記読出手段が、前記記憶領域に記憶するアプリケーションプログラムおよび前記記憶領域の少なくともいずれか一方を特定する特定番号に基づいて画像データを読み出し、前記特定番号が、送信すべきクライアント装置と関連付けられており、前記送信手段が、前記特定番号に基づいて画像データを送信することが好ましい。また、このサーバ装置は、前記サーバ・クライアントシステムに設けられていてもよい。
【0016】
これにより、特定番号に基づいて、記録領域に記憶されているアプリケーションプログラムおよび画像データの少なくともいずれか一方が特定されて読み出されて、特定番号が関連付けられたクライアント装置に送信される。このように、特定番号を設けることにより、読み出すべきアプリケーションプログラムを特定して、要求するクライアント装置に容易に送信することができる。
【0017】
ところで、VNCを利用する場合、サーバ装置に表示されるアプリケーションプログラムの画像が全てクライアント装置に送信されるため、クライアント装置の操作者は、サーバ装置に画像が表示されているアプリケーションプログラムを操作することができる。これは、クライアント装置の操作者にとっては便利であるが、その反面、サーバ装置管理者にとっては、操作されたくないアプリケーションプログラムであっても操作されてしまうという不都合がある。このような不都合を回避するには、サーバ装置におけるアプリケーションプログラムのクライアント装置側からの操作を制限することが望まれる。
【0018】
これは、サーバ装置に表示されるアプリケーションプログラムの画像と実質的に同じ画像がクライアント装置に表示される特許文献1〜3に記載されたシステムにおいても同様である。
【0019】
そこで、前記サーバ・クライアントシステムにおいては、特定番号が、前記記憶領域、および、前記アプリケーションプログラムの画像データの少なくともいずれか一方に付与されていることが好ましい。
【0020】
これにより、特定番号に基づいて、記録領域に記憶されているアプリケーションプログラムおよび画像データの少なくともいずれかを特定して読み出すことができる。このように、特定番号を設けることにより、読み出すべきアプリケーションプログラムを特定して、要求するクライアント装置に容易に送信することができる。
【0021】
前記サーバ・クライアントシステムは、前記アプリケーションプログラムの画像データの少なくとも一部を、選択範囲として設定する設定手段を備えていることが好ましい。これにより、クライアント装置に送信される画像データが選択範囲に限定されるので、クライアント装置から操作できるアプリケーションプログラムの範囲を制限することができる。それゆえ、アプリケーションプログラムが、クライアント装置からの不用意な操作により、望ましくない状態に変化させられることを容易に回避できる。
【0022】
本発明のサーバプログラムは、コンピュータを前述のいずれかのサーバ装置として機能させるためのサーバプログラムであって、当該コンピュータを上記各手段として機能させるプログラムである。また、このサーバプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。このように、サーバプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることにより、前記サーバ装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るサーバ装置は、以上のように、アプリケーションプログラムの画像データを1または2以上のクライアント装置へ要求に応じて送信し、前記クライアント装置からの制御操作によって前記アプリケーションプログラムへの操作を受け付けるサーバ装置であって、異なるアプリケーションプログラムの画像データを記憶する記憶領域を複数有する画像データ記憶手段における各記憶領域の画像データを個別に読み出す読出手段と、読み出した前記各画像データを、送信対象となるクライアント装置に送信する送信手段とを備えている。
【0024】
また、本発明に係るサーバ・クライアントシステムは、以上のように、1または2以上のクライアント装置と、1または2以上の前記サーバ装置とを備え、さらに、前記サーバ装置におけるアプリケーションプログラムの画像データの少なくとも一部を記憶する記憶領域を複数有する画像データ記憶手段を前記クライアント装置側または前記サーバ装置側のいずれかに備え、前記読出手段が、前記クライアント装置からの要求に応じて、前記画像データ記憶手段における各記憶領域の画像データを個別に読み出す。
【0025】
これにより、サーバ装置において、クライアント装置で行われる操作によって、サーバ装置に表示される画像データのアプリケーションプログラムに何の影響も及ぼさないようにすることができる。したがって、サーバ装置におけるアプリケーションプログラムの保守性を向上させるとともに、クライアント装置におけるアプリケーションプログラムの操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係るサーバ・クライアントシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】上記サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ部の設定登録部による登録処理手順を示すフローチャートである。
【図3】上記サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ部のデータ読出部によるデータ読み出しの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】サーバコンピュータおよびクライアントをそれぞれ複数含む上記サーバ・クライアントシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】(a)は上記クライアントコンピュータがサーバコンピュータから取得する矩形画像(選択画像)を含むアプリケーションプログラムの画像を示す図であり、(b)は取得した矩形画像がクライアント装置の表示デバイスに表示された状態を示す図である。
【図6】(a)は上記クライアントコンピュータがサーバコンピュータから取得する矩形画像を含むアプリケーションプログラムの他の画像を示す図であり、(b)は取得した矩形画像がクライアント装置の表示デバイスに表示された状態を示す他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態を図1〜図6に基づいて説明すると、以下の通りである。
【0028】
図1に示すように、本実施の形態に係るサーバ・クライアントシステム10は、サーバコンピュータ1(サーバ装置)と、クライアントコンピュータ2(クライアント装置)とを備え、これらがLANやインターネットなどのネットワーク3を介して接続されるように構成されている。
【0029】
サーバコンピュータ1は、サーバ部11と、記憶装置12と、表示メモリ13と、表示デバイス14と、通信インターフェース部(図中「IF」にて示す)15とを備え、例えば、パーソナルコンピュータによって構成されている。
【0030】
記憶装置12は、ハードディスク装置などで構成されており、各種のアプリケーションプログラムと、設定ファイルSF1とを保存している。設定ファイルSF1は、クライアントコンピュータ2のIPアドレスおよびIDと、アプリケーション指定番号と、矩形範囲データ(選択範囲データ)とを含んでいる。
【0031】
また、記憶装置12は、サーバ用展開領域121を含んでいる。サーバ用展開領域121は、サーバコンピュータ1の表示デバイス14に表示させるアプリケーションプログラムの画像データを展開するために設けられている領域である。このサーバ用展開領域121は、アプリケーションプログラムが起動された状態で表示デバイス14に表示される当該アプリケーションプログラムの画像のデータを格納するために設けられている。
【0032】
アプリケーション指定番号は、クライアントコンピュータ2側で操作するアプリケーションプログラムを指定するための番号である。このアプリケーション指定番号は、指定するアプリケーションプログラムの画像のデータが展開されているメモリ領域(後述するクライアント用展開領域131)の先頭アドレスと対応付けられている。このように、アプリケーション指定番号は、メモリ領域と関連付けて設定してもよいが、アプリケーションプログラムを直接指定するように設定してもよい。具体的には、後述する矩形範囲データがアプリケーションプログラムにおいて設定されることから、後述する矩形範囲データをアプリケーション指定番号に割り付けることで、アプリケーション指定番号がアプリケーションプログラムと直接関連付けられる。
【0033】
矩形範囲データは、指定されたアプリケーションプログラムの画像のうち、クライアントコンピュータ2で表示される部分を特定するために予め設定されている矩形範囲を示すデータである。この矩形範囲データは、例えば、矩形領域の対向する2つの頂角の座標データを含んでいる。
【0034】
上記の設定ファイルSF1は、サーバコンピュータ1毎に設けられている。また、設定ファイルSF1はパスワードを含んでいてもよい。
【0035】
表示メモリ13は、アプリケーションプログラムの画像のデータを格納するためのメモリであり、例えば、VRAMによって構成されている。この表示メモリ13は、クライアント用展開領域131を含んでいる。クライアント用展開領域131は、クライアントコンピュータ2の表示デバイス23に表示させるアプリケーションプログラムを展開するために設けられている領域である。このクライアント用展開領域131は、アプリケーションプログラムの画像データ毎の区分領域AP1,AP2,…,APn(記憶領域)に区分されている。これにより、各アプリケーションプログラムの画像データが、それぞれ区分領域AP1,AP2,…,APnに展開される。すなわち、1つの区分領域には、1つのアプリケーションプログラムが展開、記憶されるようになっている。
【0036】
サーバ部11は、CPUがサーバプログラムを実行することによって実現される機能ブロックである。サーバ部11は、クライアントコンピュータ2に対してアプリケーションプログラムを操作させるためのサーバ機能を備えている。このサーバ機能により、クライアントコンピュータ2から要求されたアプリケーションプログラムを操作するための画像のデータをクライアントコンピュータ2に提供する。サーバコンピュータ1は、この機能を実現するために、メモリ展開部111、設定登録部112およびデータ読出部113を有している。
【0037】
メモリ展開部111は、サーバコンピュータ1でアプリケーションプログラムを実行するときに、当該アプリケーションプログラムを記憶装置12から読み出して、その画像のデータをサーバ用展開領域121に展開する。また、メモリ展開部111は、サーバコンピュータ1の起動時に、アプリケーション指定番号で指定されたアプリケーションプログラムを記憶装置12から読み出して、その画像のデータを表示メモリ1のクライアント用展開領域131に展開する。
【0038】
設定登録部112は、ユーザによって入力されたIPアドレス、ID、アプリケーション指定番号および矩形範囲データを、前述の設定ファイルSF1を作成することにより設定する。また、設定登録部112は、クライアントコンピュータ2に対して操作を許可できるアプリケーションプログラムを記憶装置12に登録する。
【0039】
設定登録部112は、設定ファイルSF1の作成に関して、IPアドレスおよびIDを設定するためのユーザインターフェースとして、これらを入力するためのダイアログボックス(図示せず)を表示する。このダイアログボックスには、必要に応じてパスワードを入力するボックスが設けられていてもよい。
【0040】
また、設定登録部112は、アプリケーション指定番号と矩形領域(選択領域)とを割り付けるためのユーザインターフェースとして、その割り付けのためのダイアログボックス(図示せず)を表示する。この割り付けは、アプリケーション指定番号により指定されるアプリケーションプログラムの画像が表示されている状態で矩形領域を選択して、上記のダイアログボックスを用いて行われる。矩形領域の選択は、クリックした状態でマウスを移動させるなどの一般的な方法で行われる。
【0041】
このダイアログボックスは、アプリケーション指定番号を入力するボックスと、設定ファイルSF1のファイル名を表示するファイル名ボックスと、選択された矩形領域の範囲を表示する矩形範囲ボックス(選択範囲ボックス)とを有している。ファイル名ボックスには、新規の設定ファイルSF1を作成する場合、自動的に設定されたファイル名が表示され、すでに作成された設定ファイルSF1を更新する場合、ファイル名の一覧から選択することにより所望のファイル名が表示される。選択される矩形領域の範囲は、矩形領域の対向する2つの頂点(例えば左下および右上の)の座標として規定され、矩形範囲ボックスには、その2点の座標が表示される。設定登録部112は、この矩形範囲が特定されると、クライアント用展開領域131において、矩形範囲で特定される矩形領域のデータの先頭アドレスと末尾アドレスとを矩形範囲データと組み合わせて設定する。
【0042】
設定登録部112は、上記のIPアドレス、ID、アプリケーション指定番号および矩形範囲を上記のファイル名の設定ファイルSF1に書き込み、設定ファイルSF1を記憶装置12に保存することにより、設定の登録を行う。
【0043】
データ読出部113は、クライアントコンピュータ2からの接続要求に応じて、表示メモリ13に展開されたアプリケーションプログラムの画像データから設定されている矩形領域のデータを読み出してクライアントコンピュータ2に送信する。具体的には、データ読出部113は、接続要求と併せてクライアントコンピュータ2から送信されるIPアドレスおよびIDと設定ファイルSF1に設定されているIPアドレスおよびIDとを比較照合し、両者が合致すると、IPアドレスおよびIDで特定された設定ファイルSF1を参照して矩形領域データの読み出しを行う。
【0044】
なお、IDは権限を表すコードを含んでいてもよい。これにより、データ読出部113が、権限に応じて操作できるアプリケーションプログラムを異ならせるようにしてもよい。
【0045】
データ読出部113は、特定された設定ファイルSF1におけるアプリケーション指定番号に対応付けられた先頭アドレスに基づいて、指定されたアプリケーションプログラムの画像データが展開されている領域をクライアント用展開領域131において特定する。また、データ読出部113は、上記の設定ファイルSF1における矩形範囲データで定まる矩形領域のデータを、特定された上記の領域から前述の先頭アドレスから末尾アドレスまでの範囲で読み出す。そして、データ読出部113は、読み出した矩形領域のデータをクライアントコンピュータ2に送信するように通信インターフェース部15に渡す。
【0046】
あるいは、データ読出部113は、設定ファイルSF1に設定されている上記の先頭アドレスおよび末尾アドレスにより直接矩形領域のデータをクライアント用展開領域131から読み出してもよい。これにより、アプリケーションプログラムの画像データが展開されている領域を特定する必要がなくなる。
【0047】
さらに、データ読出部113は、クライアントコンピュータ2によるアプリケーションプログラムの操作により、クライアント用展開領域131に展開されている画像データに変化があると、その都度、クライアントコンピュータ2に送信するために矩形領域のデータを読み出す。データ読出部113は、その読み出しのときに、上記の操作によって変化が生じた部分のみを差分データとして出力する。差分データをクライアントコンピュータ2に送信することにより、矩形領域の画像データをそのまま送信することに比べて、送信時間を短縮することができる。
【0048】
データ読出部113は、矩形領域の表示位置を補正する。クライアントコンピュータ2の表示デバイス23の表示画面サイズが、サーバコンピュータ1の表示デバイス14の表示画面サイズに比べて小さい場合、選択された矩形領域の位置によっては、当該矩形領域が表示デバイス23に表示されなくなることがある。このような不都合を回避するため、矩形領域を例えば表示デバイス23における表示画面の左下端側に寄せて表示するように、読み出された矩形領域のデータの座標値を補正する。具体的には、データ読出部113は、設定ファイルSF1で矩形範囲を規定している2つの頂点のうちの1点(左下端)の座標を(0,0)に補正するとともに、他方の頂点の座標もこれに応じて補正する。これにより、矩形領域の左下端の頂点が表示デバイス23の表示原点(左下端)と一致するので、表示原点から大きく離れた矩形範囲の画像が表示デバイス23に表示できなくなるというケースを大幅に少なくすることができる。
【0049】
ところで、データ読出部113は、マウスエミュレーションの機能を備えている。サーバコンピュータ1が入力デバイスとしてUSB接続されたマウスを用いている場合、後述するクライアントコンピュータ2の入力デバイス24がマウスであれば、当該マウスの操作によりサーバコンピュータ1から提供されたアプリケーションプログラムを操作することができる。しかしながら、入力デバイス24がマウス以外のデバイスである場合、入力信号の形態が異なるため、そのままでは入力デバイス24の操作をサーバコンピュータ1に伝えることができない。そこで、データ読出部113は、クライアントコンピュータ2から送信される入力デバイス24の出力信号をマウスの出力信号の形態に変換する。これにより、サーバコンピュータ1において、入力デバイス24による入力操作がUSBマウスによってされたものとして処理される。
【0050】
通信インターフェース部15は、ネットワーク3に接続されたクライアントコンピュータ2などの装置と相互に通信を行うための通信処理部であり、ネットワーク通信のためのソケットを含んでいる。この通信インターフェース部15は、クライアントコンピュータ2からの接続要求をサーバ部11に伝えたり、サーバ部11(特にデータ読出部)からの送信データをクライアントコンピュータ2に送信したりする。
【0051】
クライアントコンピュータ2は、クライアント部21と、記憶装置22と、表示デバイス23と、入力デバイス24と、通信インターフェース部(図中「IF」にて示す)25とを備え、例えば、パーソナルコンピュータによって構成されている。
【0052】
記憶装置22は、ハードディスク装置などで構成されており、設定ファイルSF2を保存している。設定ファイルSF2は、クライアントコンピュータ2に関して設定されたものであり、サーバコンピュータ1から取得される。
【0053】
表示デバイス23は、液晶パネルなどの平板型のパネルが好適に用いられる。入力操作のための入力デバイス24としては、例えば、クライアントコンピュータ2がプログラマブル表示器やパネルコンピュータである場合、タッチパネルが用いられる。
【0054】
クライアント部21は、CPUがクライアントプログラムを実行することによって実現される機能ブロックである。クライアント部21は、サーバコンピュータ1から提供されるアプリケーションプログラムを操作するためのクライアント機能を備えている。このクライアント機能により、サーバコンピュータ1から送信された矩形領域の画像を表示し、当該画像上で入力デバイス24を用いてアプリケーションプログラムを操作する環境を提供する。クライアントコンピュータ2は、この機能を実現するために、表示処理部211および入力処理部212を有している。
【0055】
表示処理部211は、クライアントコンピュータ2の要求に応じてサーバコンピュータ1から送信された矩形領域のデータを表示デバイス23に表示するための処理を行う。また、表示処理部211は、クライアントコンピュータ2側での操作で生じた変化が反映されている前述の差分データを受けると、すでに表示デバイス23に表示されている矩形領域の画像に対し、差分データを更新するように表示する。
【0056】
また、表示処理部211は、スケーラとしての機能を有している。矩形領域が表示デバイス23の画面表示サイズに合わせて選択されない場合、矩形領域が表示デバイス23の表示画面に対して極端に小さくまたは大きく表示されることがある。このような不都合を回避するため、表示デバイス23の表示能力に合わせて、矩形領域の画像を拡大または縮小することにより、表示デバイス23の表示画面のサイズにできるだけ近い大きさで矩形領域を表示することができる。このようなスケーラの機能は、例えば、テレビジョン受像機などで用いられている技術が用いられる。
【0057】
入力処理部212は、サーバコンピュータ1のアプリケーションプログラムを操作する要求の入力操作が入力デバイス24を用いてユーザによってなされると、その要求のための要求信号を出力する。また、入力処理部212は、要求信号とともに、記憶装置22に保存されている設定ファイルSF2から、IPアドレス、IDおよびアプリケーション指定番号を読み出して出力する。
【0058】
通信インターフェース部25は、ネットワーク3に接続されたサーバコンピュータ1などの装置と相互に通信を行うための通信処理部であり、ネットワーク通信のためのソケットを含んでいる。この通信インターフェース部25は、サーバコンピュータ1への接続要求を入力処理部212から受けて送信したり、サーバ部11からの受信データをクライアント部25に伝えたりする。
【0059】
ここで、前述のサーバプログラムは、サーバコンピュータ1と分離可能に構成される記録媒体に記録され、この記憶媒体からサーバコンピュータ1にインストールすることが可能である。また、前述のクライアントプログラムは、クライアントコンピュータ2と分離可能に構成される記録媒体に記録され、この記憶媒体からクライアントコンピュータ2にインストールすることが可能である。
【0060】
上記の記録媒体は、コンピュータに読み取り可能な記録媒体であり、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フレキシブルディスクやハードディスクなどの磁気ディスク系、CD−ROM、MO、MD、DVDなどの光ディスク系、ICカード(メモリカードを含む)、光カードなどのカード系が好適である。その他、上記のプログラムメディアは、マスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROMなどによる半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0061】
また、サーバコンピュータ1およびクライアントコンピュータ2が、インターネットを含む通信ネットワークと接続可能な環境に置かれていれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。ただし、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予めサーバコンピュータ1およびクライアントコンピュータ2に格納されるか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
【0062】
上記のように構成されるサーバ・クライアントシステム10のサーバコンピュータ1における設定登録部112の登録処理について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0063】
まず、操作が可能なアプリケーションプログラムが登録されているか否かを判定し(ステップS1)、登録が行われていない場合、処理がステップS6に移行する。
【0064】
ステップS1において、登録が行われていると判定すると、アプリケーションプログラムの操作を所望するクライアントコンピュータ2についての登録が行われているか否かを判定し(S2)、登録が行われていない場合、登録が行われる(ステップS3)。このとき、設定登録部112によって、IPアドレスおよびIDが登録されることで、クライアントコンピュータ2についての登録が行われ、アプリケーションプログラムの割付が行われる(ステップS4)。このとき、設定登録部112によって、前述のアプリケーション指定番号と矩形領域との割り付けが行われる。また、ステップS2において、登録が行われている場合、ステップS4に処理が移行する。
【0065】
上記のよう登録された設定データを設定ファイルSF1として記憶装置12に保存する(ステップS5)。そして、引き続いて登録処理を行うか否かを判定する(ステップS6)。ここで、登録処理を行わない場合、処理を終了する一方、登録処理を続行する場合、処理がステップS1に移行する。
【0066】
続いて、サーバコンピュータ1におけるデータ読出部113の矩形領域のデータ読み出し処理および通信インターフェース部15のデータ送信処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0067】
まず、クライアントコンピュータ2から接続要求を受ける待機状態において(ステップS11)、接続要求を受けた場合、クライアントコンピュータ2を特定する設定データの照合を行う(ステップS12)。このとき、データ読出部113によって、クライアントコンピュータ2から受信したIPアドレスおよびIDと設定ファイルSF1に登録されているIPアドレスおよびIDとがそれぞれ照合される。設定データ照合の結果、両者が合致したか否を判定する(ステップS13)。ここで、両者が合致していない場合、エラー情報をクライアントコンピュータ2に送信する。クライアントコンピュータ2では、そのエラー情報に基づいて表示デバイス23に、接続要求が拒否されたことをメッセージにて表示する。
【0068】
ステップS13において、両者が合致している場合、予め設定された矩形領域のデータを表示メモリ13から読み出す(ステップS15)。このとき、データ読出部113によって、設定ファイルSF1から読み出されたアプリケーション指定番号および矩形範囲データに基づいて、所望の矩形領域の画像データがクライアント用展開領域131から読み出される。そして、読み出された画像データをクライアントコンピュータ2に送信する。
【0069】
クライアントコンピュータ2では、その画像データが受信されると、表示処理部211によってその画像データに基づいて、選択された矩形領域の画像が表示デバイス23に表示される。クライアントコンピュータ2において、表示された画像上でアプリケーションプログラムが、ユーザによって入力デバイス24を用いて操作されると、入力デバイス24の入力信号による操作情報がサーバコンピュータ1に送信される。サーバコンピュータ1においては、受信した操作情報に基づいてアプリケーションプログラムが動作して、それによる変化がクライアント用展開領域131に展開されている画像データに反映される。
【0070】
矩形領域の画像データがクライアントコンピュータ2に送信されてからは、上記の変化があるか否かを判定し(ステップS17)、変化があった場合、クライアント用展開領域131に展開されている画像データから変化分である差分データを抽出する(ステップS18)。さらに、抽出された差分データをクライアントコンピュータ2に送信する(ステップS19)。このとき、クライアントコンピュータ2では、受信した差分データに基づいて、表示デバイス23に表示されている矩形画像が変化する。そして、引き続いて登録処理を行うか否かを判定する(ステップS20)。ここで、登録処理を行わない場合、データ読み出しおよびデータ送信の処理を終了する一方、当該処理を続行する場合、処理がステップS11に移行する。
【0071】
引き続き、矩形画像の送信要求、送信、受信および表示の具体例について説明する。
【0072】
ここでは、図4に示すように、2台のサーバコンピュータ101,102と、3台のクライアントコンピュータ201,202,203とがネットワーク3を介して接続されているサーバ・クライアントシステム10について説明する。
【0073】
まず、サーバコンピュータ101のクライアント用展開領域131に展開されている画像のうち、図5(a)に示す画像301のアプリケーションプログラムの操作がクライアントコンピュータ201から要求されているとする。この画像301については、左上端寄りの矩形領域X1を表す矩形範囲データが設定ファイルSF1に設定されている。サーバコンピュータ101では、前述のIPアドレスおよびIDの合致により、上記の要求を受けると、矩形領域X1のデータをクライアントコンピュータ201に送信する。これにより、クライアントコンピュータ201の表示デバイス23には、図5(b)に示すように、矩形領域X1の画像が表示される。
【0074】
次いで、サーバコンピュータ102のクライアント用展開領域131に展開されている画像のうち、図6(a)に示す画像302のアプリケーションプログラムの操作がクライアントコンピュータ201から要求されているとする。この画像302については、右上端寄りの矩形領域X2を表す矩形範囲データが設定ファイルSF1に設定されている。サーバコンピュータ102では、前述のIPアドレスおよびIDの合致により、上記の要求を受けると、矩形領域X2のデータをクライアントコンピュータ201に送信する。このとき、クライアントコンピュータ201との接続がサーバコンピュータ101からサーバコンピュータ102に切り替わる。これにより、クライアントコンピュータ201の表示デバイス23には、図6(b)に示すように、矩形領域X2の画像が表示される。
【0075】
以上のように、本実施形態に係るサーバ・クライアントシステム10では、クライアントコンピュータ2の接続要求を受けると、予め設定ファイルSF1に設定されたアプリケーション指定番号および矩形範囲データに基づいて、指定されたアプリケーションプログラムの画像データにおける矩形領域を特定して読み出して、クライアントコンピュータ2に送信する。これにより、クライアントコンピュータ2では、受信した矩形領域の画像データがクライアント用展開領域131に展開されている所望のアプリケーションプログラムを、選択された矩形領域の範囲内でのみ操作することができる。
【0076】
それゆえ、クライアントコンピュータ2からのアプリケーションプログラムの操作を必要最小に制限することも可能になる。この操作制限の効果をより高めるには、設定登録部112によって選択できる部分を予め規定しておくとよい。例えば、ウインドウの本体部分は選択できるが、ウインドウのコントロール部分は選択できないように規定しておく。これにより、アプリケーションプログラムが、クライアントコンピュータ2から不用意に終了されたり、望ましくない状態に変化させられたりすることを容易に回避できる。
【0077】
また、サーバコンピュータ1において、記憶装置12のサーバ用展開領域121に展開されている画像データが表示デバイス14に表示されていても、クライアントコンピュータ2側で行われる操作によって、その画像データのアプリケーションプログラムには何の影響も及ばない。
【0078】
また、異なるIDに対して同じアプリケーション指定番号を対応付けてもよい。これにより、同じアプリケーション指定番号を設定した複数のクライアントコンピュータ2から共通のアプリケーションプログラムを操作することができる。この結果、いずれのクライアントコンピュータ2にも、各クライアントコンピュータ2における操作が反映された矩形画像が表示される。
【0079】
さらに、複数のアプリケーションプログラムの画像をクライアント用展開領域131に展開するので、表示メモリ13のサイズを増大させてクライアント用展開領域131を拡張することにより、クライアントコンピュータ2から指定できるアプリケーションプログラムの数を増やすことができる。
【0080】
本実施形態に係るサーバ・クライアントシステム10は、上記のような有利な効果を示すことから、適用できる分野が広範囲にわたる。
【0081】
例えば、製造の現場では、管理装置側に表示される画像の全てを各種の指示を与える操作端末装置に表示させるのではなく、必要最小限の指示入力部分の画像のみを選択して端末装置に表示させる。これにより、現場の作業者が、管理者のみが操作する部分まで操作することを回避できる。
【0082】
また、プログラマブル表示器などに表示される監視操作用の画像をサーバコンピュータ1から必要な部分だけの切り出して、クライアントコンピュータ2に表示させることもできる。
【0083】
また、サーバコンピュータ1から複数のクライアントコンピュータ2に共通の画像と、クライアントコンピュータ2に個別の画像とをそれぞれ選択して、これらの画像を合わせて各クライアントコンピュータ2に送信することも可能となる。これにより、通信教育システムなどでは、全員に送る部分(設問)と個別に送る部分(回答)とを個別に切り取って合成して各端末へ送信する。あるいは、ビル管理においては、ビル全体の空調管理のために作成された空調コントロール用の画像から、各テナントへの連絡などを記載した画像と、各テナントの空調コントロールの画像とを読み出して合成し、各テナントの端末へ送信することも可能となる。
【0084】
さらに、サーバコンピュータ1の表示メモリ13に展開された画像データの任意の範囲を選択することから、表示デバイス23の表示画面サイズに応じた範囲の画像を選択してクライアントコンピュータ2に表示させることができる。
【0085】
なお、本実施形態では、クライアントコンピュータ2に操作させる領域を矩形で選択する例について説明したが、これには限定されず、可能であれば矩形以外の領域を選択してもよい。
【0086】
また、表示メモリ13のクライアント用展開領域131については、全く別のメモリ、例えば、サーバコンピュータ1に接続されるUSBメモリ(外部メモリ)や、クライアントコンピュータ2内のメモリに設けられていてもよい。ただし、クライアントコンピュータ2のメモリに上記のクライアント用展開領域131と同等の領域が設けられる場合、アプリケーションプログラムの画像データを当該メモリに展開する動作および画像データの当該メモリからの読み出しの動作が、前述の場合と異なる。具体的には、メモリ展開部111が、クライアント部21に指示して、アプリケーションプログラムの画像データを当該メモリに展開し、データ読出部113が、クライアント部21に指示して当該メモリから画像データを読み出して表示処理部211に表示処理を行わせる。
【0087】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明のサーバ・クライアントシステムは、サーバ装置のアプリケーションプログラムの画像をサーバ装置の特定のメモリ領域にアプリケーションプログラム毎に展開し、クライアント装置からの要求に応じて、表示メモリに展開されたアプリケーションプログラムのうち、予め指定されたアプリケーションプログラムの画像から予め選択された矩形領域を読み出してクライアント装置に送信するので、サーバ装置に表示されたアプリケーションプログラムの画像と関係なく、矩形領域の画像のみをクライアント装置に表示させて、アプリケーションプログラムの操作を当該矩形領域の範囲内に制限することができ、クライアント装置によるアプリケーションプログラムの操作を制限することに好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 サーバコンピュータ(サーバ装置)
2 クライアントコンピュータ(クライアント装置)
10 サーバ・クライアントシステム
11 サーバ部
12 記憶装置
13 表示メモリ(画像データ記憶手段)
25 通信インターフェース部
112 設定登録部(設定手段)
113 データ読出部(読出手段)
114 通信インターフェース部(送信手段)
121 サーバ用展開領域
131 クライアント用展開領域
AP1〜APn 区分領域(記憶領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションプログラムの画像データを1または2以上のクライアント装置へ要求に応じて送信し、前記クライアント装置からの制御操作によって前記アプリケーションプログラムへの操作を受け付けるサーバ装置であって、
異なるアプリケーションプログラムの画像データを記憶する記憶領域を複数有する画像データ記憶手段における各記憶領域の画像データを個別に読み出す読出手段と、
読み出した前記各画像データを、送信対象となるクライアント装置に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記読出手段が、前記記憶領域に展開するアプリケーションプログラムおよび前記記憶領域の少なくともいずれか一方を特定する特定番号に基づいて画像データを読み出し、
前記特定番号が、送信すべきクライアント装置と関連付けられており、
前記送信手段が、前記特定番号に基づいて画像データを送信することを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
1または2以上のクライアント装置と、1または2以上の請求項1または2に記載の前記サーバ装置とを備え、
さらに、前記サーバ装置におけるアプリケーションプログラムの画像データの少なくとも一部を記憶する記憶領域を複数有する画像データ記憶手段を備え、
前記読出手段が、前記クライアント装置からの要求に応じて、前記画像データ記憶手段における各記憶領域の画像データを個別に読み出すことを特徴とするサーバ・クライアントシステム。
【請求項4】
特定番号が、前記記憶領域、および、前記アプリケーションプログラムの画像データの少なくともいずれか一方に付与されていることを特徴とする請求項3記載のサーバ・クライアントシステム。
【請求項5】
前記アプリケーションプログラムの画像データの少なくとも一部を、選択範囲として設定する設定手段を備えることを特徴とする請求項3または4に記載のサーバ・クライアントシステム。
【請求項6】
コンピュータを請求項1もしくは2に記載のサーバ装置または請求項3に記載のサーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置として機能させるためのサーバプログラムであって、前記コンピュータを前記読出手段および前記送信手段として機能させるサーバプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のサーバプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−256972(P2010−256972A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103011(P2009−103011)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000134109)株式会社デジタル (224)
【Fターム(参考)】