説明

サーバ装置

【課題】利用者が認証情報を登録しなくても連続した処理結果を提供する。
【解決手段】サーバ装置3は、要求REQ1を受信すると、初回のアクセスであるかを判断し(S1)、初回であれば第1の識別情報ID1を生成し、クッキーに第1の識別情報ID1を含む応答RES1をウェブブラウザに返信する。ウェブブラウザは要求REQ2をサーバ装置3に送信する。要求REQ2には、実行を指示する実行情報と、入力された名前を示す入力情報と、第1の識別情報ID1が記録されたクッキーが含まれる。サーバ装置3は、要求REQ2から実行情報と入力情報とを取得し(S5)、入力情報と回数情報に基づいてウェブページを生成して応答RES2として送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的なウェブサイトやSNS(Social Networking Service)サイト上で提供されるゲームシステム等の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用して携帯型の通信装置でウェブページを表示させながら進行させるゲームが普及している。このようなゲームでは、通信装置でゲームプログラムを実行するのではなく、通信装置の入力操作に応じてサーバ装置でウェブページを生成し、これを通信装置で表示している。
このようなブラウザゲームとして、SNS上で提供されるアカウント登録が必要なものが知られている(非特許文献1)。このアカウント登録によって、ゲームの途中で中断しても、そこからゲームを再開することが可能となる。
また、ブラウザ画面上で、例えば利用者の「名前」などの文字情報を入力させることで利用者が考えていることを、脳の断面図で視覚的に表示するウェブページも存在する(非特許文献2参照)。この場合、同じ名前を入力すると同じ結果が表示されることになる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ソーシャルゲーム総合情報誌 アプリSTYLE Vol.2」,株式会社イースト・プレス,平成23年4月1日,p.26−p.29
【0004】
【非特許文献2】“脳内メーカー”、[online]、[平成23年6月3日検索]、インターネット〈URL:http://maker.usoko.net/nounai.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のゲームでは、同一の利用者であることを特定するために、ゲームを実行するには、サーバ装置に予めアカウント登録する必要があった。一方、脳の断面図で視覚的に表示するウェブページでは、ブラウザ画面上で「名前」を入力すれば直ちに結果を得ることができるが、前回得られたゲーム結果に連動した新たなゲーム結果を得ることはできなかった。
【0006】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、利用者がサーバ装置に認証情報を登録しなくても、連続したゲーム結果が得られるサーバ装置を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0008】
本発明に係るサーバ装置は、ウェブブラウザで生成された要求を受信すると、前記要求に応じた応答を返信するものであって、前記要求を送信した前記ウェブブラウザごとに割り当てられた識別情報(ID1)が前記要求に含まれているか否かを判定する識別情報判定部(S1)と、前記識別情報判定部の判定結果が否定である場合、前記識別情報を生成する識別情報生成部(S2)と、前記識別情報判定部の判定結果が否定である場合、前記識別情報生成部で生成した前記識別情報を取得し(S2)、前記識別情報判定部の判定結果が肯定である場合、前記要求に含まれる前記識別情報を取得する(S5、S9、S13)識別情報取得部と、前記要求の応答としてウェブページを生成し、当該ウェブページを送信する応答部と、利用者が前記ウェブブラウザを用いて入力した入力情報を前記要求から取得する入力情報取得部(S5)と、利用者が前記ウェブブラウザを用いて処理の実行を指示した実行情報を前記要求から取得する実行情報取得部(S5)と、前記入力情報、前記処理を実行した回数を示す回数情報を含む利用者のアクセス情報、及び前記識別情報を関連付けて記憶する記憶部(DB)と、前記要求に前記実行情報が含まれる場合、前記記憶部から前記識別情報取得部で取得した前記識別情報に対応する前記入力情報と前記回数情報とを前記記憶部から読み出し、前記入力情報と前記回数情報とに基づいてメッセージを生成する前記処理を実行する結果生成部(S7)と、を備え、前記応答部は、前記識別情報生成部で前記識別情報を生成すると、当該識別情報を含む前記ウェブページを生成して送信し、また、前記結果生成部で前記メッセージを生成すると、当該メッセージを含む前記ウェブページを生成して送信する、ことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、利用者がウェブブラウザを用いてサーバ装置にアクセスすると、アクセスに用いたウェブブラウザを特定する識別情報を生成し、これをウェブページに含ませて送信する。ウェブブラウザは識別情報を保存し、サーバ装置に対する要求に識別情報を含ませて送信する。これにより、サーバ装置は識別情報を用いてウェブブラウザを特定することが可能となる。従って、サーバ装置に予めアカウント登録しなくなくても利用者は気軽にゲームなどのサービスを開始することができる。さらに、サーバ装置は、入力情報と回数情報とに基づいてメッセージを生成するので、利用者が名付けた名前とアクセス回数に応じて、ゲームなどを進行させることができる。また、メッセージを生成した回数が同じであれば、同じメッセージを得ることができるが、メッセージの一部にランダム性を持たせるようにしてもよい。
なお、「前記要求を送信した前記ウェブブラウザごとに割り当てられた識別情報」は、ウェブブラウザの種類を特定するものではなく、「要求を送信したウェブブラウザ」を特定するものである。従って、同一の種類のウェブブラウザが異なる通信装置で利用されるのであれば、異なる識別情報が割り当てられる。一方、同一の通信装置に複数種類のウェブブラウザがインストールされている場合、第1のウェブブラウザで要求を送信すると、要求の送信元である第1のウェブブラウザにある識別情報が付与され、その後、第2のウェブブラウザで要求を送信すると、第1のウェブブラウザに付与された識別情報と異なる識別情報が第2のウェブブラウザに付与される。
また、実行情報は、要求に含まれるフラグであってもよいし、あるいは、要求に含まれるURLであってもよい。
【0010】
上述したサーバ装置において、前記記憶部には、前記アクセス情報として前記処理の実行に係る時間情報が前記識別情報に関連付けられて記憶され、前記応答部は、前記時間情報に基づいて前記実行情報を含む前記要求を受信した時間間隔が所定時間より短い場合に、前記メッセージを含む前記ウェブページとは異なるウェブページを送信する。
この発明によれば、所定時間より短い時間間隔で処理の実行を要求しても、異なるウェブページを送信するから、メッセージの更新を行わないようにできる。従って短時間に実行指示を多数行っても、ゲームを進行させず、適切な時間で進行させることが可能となる。
【0011】
上述したサーバ装置において、前記識別情報を第1の識別情報(ID1)としたとき、前記記憶部には、前記第1の識別情報と、前記アクセス情報を関連付けて管理する第2の識別情報(ID1)とを関連付けた第1のテーブルと、前記第2の識別情報と前記アクセス情報を関連付けた第2のテーブルとが記憶されることが好ましい。この発明によれば、利用者が入力情報を入力しなくても第1のテーブルにはレコードが記録される。一方、利用者が入力情報を入力して実行指示を行った場合には、第2のテーブルにレコードが記録される。従って、第1のテーブルと第2のテーブルのレコード数を比較することによって、サーバ装置の利用状況を把握することが可能となる。
【0012】
また、上述したサーバ装置において、前記識別情報を第1の識別情報(ID1)としたとき、前記識別情報生成部で生成する前記第1の識別情報は、セッションIDに基づいて生成することが好ましい。ウェブブラウザとの間の通信ではセッションIDが生成されるが、この発明によれば、第1の識別情報をセッションIDに基づいて生成するので、サーバ装置は、第1の識別情報を生成するための処理負荷を軽減することができる。
【0013】
また、上述したサーバ装置において、前記識別情報生成部で生成する前記第1の識別情報は、前記要求を送信した前記ウェブブラウザの情報に基づいて生成してもよい。
【0014】
また、上述したサーバ装置において、前記識別情報生成部は、前記実行情報が含まれていない前記要求において、前記識別情報判定部の判定結果が否定である場合に生成した前記識別情報を前記記憶部に記憶させることが好ましい。この発明によれば、メッセージの生成をする前に識別情報を記憶部に記憶するから、次ページにおいて名前入力が無くページを閉じた場合に、アクセス情報が記憶部に記録されずに識別情報だけが記録されることになる。識別情報だけが記憶されても、ページを訪問した利用者の数を把握することが可能となる。
【0015】
また、上述したサーバ装置において、前記識別情報生成部は、前記実行情報が含まれている前記要求において、前記識別情報判定部の判定結果が否定である場合に生成した前記識別情報を前記記憶部に前記識別情報と前記アクセス情報とを関連付けて記憶させることが好ましい。この発明によれば、処理の実行を行った利用者だけの情報が記憶部に記憶されるから、記憶部の記憶容量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るゲームシステムのブロック図である。
【図2】サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】データベースのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図4】ウェブブラウザを用いた初回アクセス時のシーケンスを示すシーケンス図である。
【図5】データベースの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図6】名前入力ページの一例を示す説明図である。
【図7】データベースの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図8】名前入力ページの一例を示す説明図である。
【図9】ウェブブラウザを用いた第2回アクセス時のシーケンスを示すシーケンス図である。
【図10】名前入力ページの一例を示す説明図である。
【図11】データベースの記憶内容の一例を示す説明図である。
【図12】第2実施形態に係るゲームシステムにおけるウェブブラウザを用いた初回アクセス時のシーケンスを示すシーケンス図である。
【図13】変形例に係るデータベースの記憶内容の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<A.第1実施形態>
<1.ゲームシステムの構成>
図1は、本発明の実施形態に係るゲームシステム100のブロック図である。このゲームシステム100は、通信網として機能するインターネット1、利用者の通信装置2-1、2-2、2-3、…2-n、サーバ装置3を備える。利用者の通信装置2-1〜2-nは、インターネット1を介した通信が可能であり、ウェブブラウザ(ソフトウエア)がインストールされており、例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話機が該当する。サーバ装置3は、ゲームを管理するデータベースDBを備え、データベースDBの記憶内容を参照して、ゲーム画面のウェブページを生成する。
【0018】
図2にサーバ装置の構成を示す。この図に示すように。サーバ装置3は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)30、CPU30の作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)31、ブートプログラムなどを記憶したROM(Read Only Memory)32、各種のプログラムやデータを記憶するハードディスク33、キーボードやマウスなどを含む入力部34、画像を表示するディスプレイ35、及びインターネット1を介して外部の装置と通信を行う通信インターフェースを備える。
【0019】
ハードディスク33には、データベースDBが格納されている。なお、サーバ装置3を複数のサーバで構成し、管理するサーバとデータベースDBを提供するサーバを独立して設けてもよい。
【0020】
図3に、データベースDBが記憶するデータのデータ構造の一部を示す。この図に示すように、データベースDBは、第1のテーブルTBL1と第2のテーブルTBL2とを備える。第1のテーブルTBL1には、第1の識別情報ID1と第2の識別情報ID2とが対応付けられて記憶されている。第1の識別情報ID1は、後述するようにサーバ装置3が各通信装置2のウェブブラウザを識別するための情報である。サーバ装置3は、ウェブページを通信装置2へ送信する際に所定の変数名(GAMESID)を付与したクッキー(Cookie)変数に第1の識別情報ID1の値をセットして送信する。ウェブブラウザは第1の識別情報ID1を保存し、サーバ装置3にアクセスする際に、クッキーを含む要求を送信する。要求には第1の識別情報ID1が含まれるので、サーバ装置3は、要求の送信元のウェブブラウザを特定することが可能となる。
【0021】
第2の識別情報ID2は、第1の識別情報ID1と対応付けられる利用者IDである。第2の識別情報ID2はサーバ装置3の内部で用いられ、ウェブブラウザに送信されることはない。この点で、ウェブブラウザに送信される第1の識別情報ID1と相違する。送信用の第1の識別情報ID1と管理用の第2の識別情報ID2と用いることによって、セキュリティが向上する。
【0022】
第2のテーブルTBL2には、第2の識別情報ID2と、入力情報及びアクセス情報が対応付けられて記憶される。入力情報は、通信装置2のウェブページを表示した画面で入力フォームに利用者が入力した情報であり、この例では、利用者がゲームで使用する名前である。また、アクセス情報は、サーバ装置3にアクセスし、メッセージを生成する処理を実行した回数を示す回数情報と、当該処理を実行した時間を示す時間情報とを含む。
【0023】
<2.ゲームシステムの動作>
<2−1:初回アクセス>
次に、ゲームシステム100の動作を説明する。図4にウェブブラウザを用いた初回アクセス時のシーケンスを示す。
【0024】
通信装置2の利用者が、ウェブブラウザを起動して、サーバ装置3で公開するゲームページのURLを入力すると、要求REQ1がサーバ装置3に送信される。この場合、初めてゲームページにアクセスするため、要求REQ1のクッキー(GAMESID)は空である。
【0025】
サーバ装置3は要求REQ1を受信すると、初回のアクセスであるかを判断する(S1)。具体的には、要求REQ1のクッキーに第1の識別情報ID1が含まれていなければ初回であると判断し、要求REQ1のクッキーに第1の識別情報ID1が含まれていれば初回でないと判断する。この例では、要求REQ1のクッキーが空であるから、初回であると判断する。
【0026】
この後、サーバ装置3は、第1の識別情報ID1と第2の識別情報ID2を生成し、これらを対応づけてデータベースDBの第1のテーブルTBL1に格納する(S2)。この例では、第1の識別情報ID1としてセッションID(以下、SIDと称する)を採用する。SIDは、ウェブアプリケーションなどで、アクセス中のユーザの識別や行動の捕捉のために付与される固有の情報であり、セッション関数により付与される例えば32文字のランダムな数字とアルファベットからなる文字列である。SIDを第1の識別情報ID1として採用することにより、セッション関数とは別に一意な識別情報を生成する必要がなくなるので、サーバ装置3に処理負荷を軽減することができる。一意に生成される第2の識別情報ID2は第1の識別情報ID1と対応付けられて第1のテーブルTBL1に記憶される。例えば、第1の識別情報ID1(SID)が「123456」で第2の識別情報ID2が「QWE987」である場合、データベースDBの記憶内容は、図5に示すものとなる。なお、この時点では、第2のテーブルTBL2には、第2の識別情報ID2「QWE987」に関係する情報は、記憶されていない。
そして、サーバ装置3は、クッキーに第1の識別情報ID1(SID)を含む応答RES1をウェブブラウザに返信する。この応答RES1は名前入力ページを含む。
【0027】
次に、通信装置2のウェブブラウザで応答RES1を受信すると、ウェブブラウザは名前入力ページを通信装置2の表示部に表示させ(S2)、第1の識別情報ID1をクッキーに保存する。図6に名前入力ページの一例を示す。この例は、ウェブブラウザが初めてサーバ装置3のゲームサイトにアクセスした状態であるので、名前の入力欄、行動の記録の欄、ステータスの欄、及びコレクションの欄はいずれも空欄となっている。
【0028】
ここで、利用者が名前の入力欄に名前を入力し、実行ボタンをクリックして実行指示をすると(S4)、ウェブブラウザは要求REQ2をサーバ装置3に送信する。要求REQ2には、実行を指示する実行情報と、入力された名前を示す入力情報と、第1の識別情報ID1(SID)が記録されたクッキーが含まれる。
【0029】
次に、サーバ装置3は、要求REQ2から実行情報と入力情報とを取得する(S5)。また、クッキーに含まれる第1の識別情報ID1を取得し、これに対応する第2の識別情報ID2をデータベースDBの第1のテーブルTBL1から読み出す。次に、サーバ装置3は、入力情報とアクセス情報とを第2の識別情報ID2と対応づけて第2のテーブルTBL2に記憶する。ここで、現在時間が「6月3日10:10」であり、入力された名前が「小波一郎」であるとすると、データベースDBの記憶内容は、図7に示すものとなる。
【0030】
この例では、第1のテーブルTBL1と第2のテーブルTBL2とを独立して設けた。そして、利用者が名前入力ページで名前を入力し、実行指示を行った場合に限って、第2のテーブルTBL2にレコードが記録される。このため、名前入力ページにアクセスしたものの、名前を入力せずにページを閉じた場合には、第1のテーブルTBL1にはレコードが記録されるが、第2のテーブルTBL2にレコードが記録されないことになる。このため、第1のテーブルTBL1のレコード数をカウントすれば、ページの訪問者数を把握でき、第2のテーブルTBL2のレコード数をカウントすれば、ゲームを実行した利用者数を把握することができる。
【0031】
次に、サーバ装置3は、入力情報及び回数情報に基づいて、初回メッセージを生成し(S7)、初回メッセージを含む結果ページを生成する。応答RES2には結果ページが含まれており、これがサーバ装置3からウェブブラウザに送信される。
【0032】
次に、通信装置2のウェブブラウザで応答RES2を受信すると、ウェブブラウザは結果ページを通信装置2の表示部に表示させる(S8)。図8に入力情報が「小波一郎」、回数情報が「1」の場合における結果ページの一例を示す。
【0033】
<2−2:2回目以降のアクセス>
図9にウェブブラウザを用いた第2回アクセス時のシーケンスを示す。通信装置2の利用者が、ゲームページのURLを入力すると、要求REQ1がサーバ装置3に送信される。この場合、ゲームページには以前アクセスしているため、要求REQ1のクッキーには第1の識別情報ID1が含まれている。
【0034】
サーバ装置3は要求REQ1を受信すると、初回のアクセスであるかをクッキーに第1の識別情報ID1が含まれているか否かによって判断する(S9)。2回目のアクセスでは要求REQ1のクッキーに第1の識別情報ID1が含まれているので、サーバ装置3は初回でないと判断する。
【0035】
この後、サーバ装置3は、第1の識別情報ID1に対応する第2の識別情報ID2と入力情報をデータベースDBから読み出す(S10)。そして、サーバ装置3は、名前の入力欄の初期値として名前をあらかじめセット(名前が入力済み)された名前入力ページを生成する。この名前入力ページのクッキーには第1の識別情報ID1が記録されている。
【0036】
サーバ装置3から送信される応答RES1を通信装置2が受信すると、通信装置2のウェブブラウザは、表示部に名前入力ページを表示する。図10に示す名前入力ページが表示される。この例では、ウェブブラウザが既にサーバ装置3のゲームサイトにアクセスして名前を入力しているので、名前の入力欄には「小波一郎」が表示される。なお、行動の記録の欄、ステータスの欄、及びコレクションの欄はいずれも空欄となっているが、前回の結果ページをサーバ装置3で生成し、これを応答RES1として返信してもよい。この場合には、前回の結果ページ(図8参照)が表示される。
【0037】
ここで、利用者が実行ボタンをクリックして実行指示をすると(S12)、ウェブブラウザは要求REQ2をサーバ装置3に送信する。要求REQ2には、実行を指示する実行情報と、入力された名前を示す入力情報と、第1の識別情報ID1(SID)が記録されたクッキーが含まれる。
【0038】
次に、サーバ装置3は、要求REQ2から実行情報と入力情報とを取得する(S13)。また、クッキーに含まれる第1の識別情報ID1を取得し、これに対応する第2の識別情報ID2をデータベースDBの第1のテーブルTBL1から読み出し、さらに、第2の識別情報ID2に対応する時間情報と回数情報とを第2のテーブルTBL2から読み出す。そして、サーバ装置3は、読み出した時間情報と現在時間に基づいて、前回の処理から所定時間が経過したか否かを判定する(S14)。
【0039】
所定時間が経過している場合は、回数情報を「1」インクリメントしてデータベースDBに記憶させると共に、時間情報を現在時間に更新する。例えば、所定時間が3時間、現在時間が「6月3日15:30」であったとすると、図7に示すデータベースDBの記憶内容は、図11に示すものに更新される。この場合、サーバ装置3は、入力情報「小波一郎」と回数情報「2」とに基づいて、2回目のメッセージを生成する(S15)。
一方、所定時間を経過していない場合には、サーバ装置3は、データベースDBを更新せず、例えば、行動記録の欄に「冒険中」を表示させるといった2回目のメッセージを生成する(S15)。
この後、サーバ装置3は、第2回目メッセージを含む結果ページを生成する。応答RES2には結果ページが含まれており、これがサーバ装置3からウェブブラウザに送信される。
【0040】
次に、通信装置2のウェブブラウザで応答RES2を受信すると、ウェブブラウザは結果ページを通信装置2の表示部に表示させる(S15)。前回の実行指示から今回の実行指示が所定時間経過している場合には冒険が進んでいる結果が表示され、所定時間が経過していない場合には、例えば、行動記録の欄に「冒険中」といった表示がなされる。
【0041】
このように本実施形態に係るゲームシステム100によれば、利用者がウェブブラウザを用いてサーバ装置3が提供するゲームページにアクセスすると、アクセスに用いたウェブブラウザを特定する第1の識別情報ID1を生成し、これをクッキーに含ませて送信するので、サーバ装置3では第1の識別情報ID1を用いてウェブブラウザを特定することが可能となる。従って、パスワードやIDをサーバ装置に予め登録しなくなくても利用者は気軽にゲームを開始することができる。
さらに、サーバ装置3は、入力情報と回数情報とに基づいてメッセージを生成するので、利用者が名付けた名前とアクセス回数に応じて、ゲームを進行させることができる。
【0042】
なお、上述した第1実施形態において、サーバ装置3のCPU30は、図3及び図9に示す要求REQ1及び要求REQ2を受信すると、第1の識別情報ID1が含まれているか否かを判定する識別情報判定部として機能する。また、サーバ装置3のCPU30は、第1の識別情報ID1が含まれていない場合に、第1の識別情報ID1を生成する識別情報生成部として機能する(S2)。また、サーバ装置3のCPU30は、第1の識別情報ID1が含まれていない場合に、生成した第1の識別情報ID1を取得し(S2)、第1の識別情報ID1が含まれている場合に要求に含まれる第1の識別情報ID1を取得する(S5、S9、S13)、識別情報取得部として機能する。
【0043】
<B.第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るゲームシステム100について説明する。第2実施形態のゲームシステム100は、第1の識別情報ID1及び第2の識別情報ID2を生成し、データベースDBに記憶するタイミングを除いて、第1実施形態のゲームシステム100と同じである。
図12に第2実施形態に係るゲームシステム100における初回アクセス時のシーケンスを示す。なお、図4に示す第1実施形態のシーケンスと同一の動作については説明を適宜省略する。
【0044】
サーバ装置3は要求REQ1を受信すると、要求REQ1のクッキーに第1の識別情報ID1が含まれているか否かを判定し、初回のアクセスであるかを判断する(S1)。さらに、サーバ装置3は、要求REQ1に実行情報が含まれていない場合に、名前入力ページを含む応答RES1を生成し、応答RES1を通信装置2に送信する。なお、サーバ装置3では、応答RES1を生成するまでに第1の識別情報ID1を生成していないので、応答RES2のクッキーには、第1の識別情報ID1が含まれていない。
【0045】
次に、通信装置2のウェブブラウザで応答RES1を受信すると、ウェブブラウザは名前入力ページを通信装置2の表示部に表示させ(S2)、利用者が名前を入力して実行指示を行うと、第1の識別情報ID1を含まない要求REQ2をサーバ装置3に送信する。
【0046】
次に、サーバ装置3は、要求REQ2のクッキーに第1の識別情報ID1が含まれているか否かを判定し、初回のアクセスであるかを判断する(S1a)。要求REQ2は第1の識別情報ID1を含まないので、サーバ装置3は初回であると判断し、要求REQ2から実行情報と入力情報とを取得する(S5)。
【0047】
この後、サーバ装置3は、第1の識別情報ID1と第2の識別情報ID2とを生成し、これらをデータベースDBに記憶する。第1の識別情報ID1は、第1実施形態と同様にSIDとする。すなわち、サーバ装置3は、実行情報が含まれる要求において、第1の識別情報ID1が含まれていない場合に、第1の識別情報ID1と第2の識別情報ID2を生成する。第1実施形態では、通信装置2の表示部に名前入力ページが表示され、利用者が名前を入力することなく名前入力ページを閉じた場合であっても、第1の識別情報ID1と第2の識別情報ID2とが既に生成され、データベースDBに記憶されていた。これに対して、第2実施形態では、利用者が実行指示を行った場合に、第1の識別情報ID1と第2の識別情報ID2とを生成するようにした。この結果、利用されない識別情報の生成及び記憶を低減できるので、サーバ装置3の処理負荷を軽減すると共に、データベースDBの記憶容量を削減することができる。
【0048】
次に、サーバ装置3は、入力情報及びアクセス情報を第2の識別情報ID2と対応づけてデータベースDに記憶し(S6)、第1実施形態と同様に初回メッセージを生成し(S7)、応答RES2を通信装置2に送信する。応答RES2のクッキーには第1の識別情報ID1が記録されている。従って、第2回目以降、通信装置2のウェブブラウザがサーバ装置3が提供するゲームページにアクセスする場合には、第1実施形態と同様に要求には第1の識別情報ID1が含まれることになる。これによって、連続性を持たせたゲーム結果を提供することが可能となる。なお、第2回目のアクセス時の動作は、図9を参照して説明した第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0049】
なお、上述した第2実施形態において、サーバ装置3のCPU30は、図12及び図9に示す要求REQ1及び要求REQ2を受信すると、第1の識別情報ID1が含まれているか否かを判定する識別情報判定部として機能する。また、サーバ装置3のCPU30は、第1の識別情報ID1が含まれていない場合に、第1の識別情報ID1を生成する識別情報生成部として機能する(S2a)。また、サーバ装置3のCPU30は、第1の識別情報ID1が含まれていない場合に、生成した第1の識別情報ID1を取得し(S2a)、第1の識別情報ID1が含まれている場合に要求に含まれる第1の識別情報ID1を取得する(S9、S13)、識別情報取得部として機能する。
【0050】
<C.変形例>
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に述べる変形が可能である。また、以下の例示から任意に選択された1または複数の態様は適宜に併合され得る。
(1)上述した各実施形態において、データベースDBは、第1のテーブルTBL1と第2のテーブルTBL2とを備えるものであったが、一つのテーブルに第1の識別情報ID1、第2の識別情報ID2、入力情報、及びアクセス情報を関連付けて記憶してもよい。
【0051】
(2)上述した各実施形態において、第2の識別情報ID2をクッキーに保存させるようにしてもよい。また、SIDを第2の識別情報ID2としてもよい。また、第2の識別情報ID2は設けなくもよい。さらに、第1の識別情報ID2として、SIDの替わりにクライアント情報(ブラウザ情報)を使用したり、SIDと組み合わせてもよい。
【0052】
(3)上述した各実施形態では、第2回目以降のアクセス時において、サーバ装置3は入力情報をデータベースDBから読み出して、名前の入力欄の初期値として名前があらかじめセットされた名前入力ページを応答RES1として通信装置3に送信したが、本発明はこれに限定されるものでなく、名前の入力欄の初期値として名前がセットされていない名前入力ページを送信してもよい。この場合、利用者は、再び前回と同一の名前を入力欄に入力すればよい。また、名前の入力欄の初期値として名前をあらかじめセットされている場合でも異なる名前に変更できるようにしてもよい。ここで、以前の名前と異なる名前が入力された場合、サーバ装置3において、新しい名前でデータベースDBに記憶されている入力情報を上書きし、回数情報を「1」に設定してもよい。これは、1つのウェブブラウザで1つの名前のみを許容する態様である。
【0053】
1つのウェブブラウザで複数の名前を許容する態様では、第2の識別情報ID2(第1の識別情報ID1)に対応付けて、入力情報とアクセス情報との組みをデータベースに記憶すればよい。例えば、入力情報として「小波一郎」と「小波二郎」を設定した場合、データベースDBの記憶内容は例えば図13に示すものとなる。この場合、「小波一郎」と「小波二郎」とでは、回数情報及び時間情報は独立して管理される。
また、データベースDBに複数の入力情報が記録されている場合、サーバ装置3から送信する名前入力ページでは、名前の入力欄がプルダウンメニューで複数の名前が選択できるようにしてもよい。
【0054】
(4)上述した各実施形態では、メッセージを生成する処理を実行した時間を時間情報としてデータベースDBに記憶したが、本発明はこれに限定するものではなく、メッセージを生成する処理に係る時間であればどのような時間であってもよい。例えば、実際にメッセージを生成した時間にオフセット時間が加算又は減算されていてもよいし、あるいは、メッセージを生成する処理の時間に所定時間を加算した時間であってもよい。この場合には、データベースDBに記憶されている時間情報と現在時間とを比較して、現在時間が遅ければ、所定時間が経過したと判定して、メッセージを生成することができる。
【0055】
(5)上述した各実施形態では、メッセージを生成した回数が同じであれば、同じメッセージを得ることができるが、メッセージの一部にランダム性を持たせるようにしてもよい。例えば、入力情報と回数情報に基づいて一意に定まるメッセージにゲーム上のアイテムを取得したことが含まれる場合、取得したアイテムの種類を予め用意された複数種類のアイテムの中からランダムに選択するようにしてもよい。この場合、取得したアイテムを特定する特定情報を、第2の識別情報ID2と関連付けてデータベースDB(第2のテーブルTBL2)に記憶してもよい。そして、サーバ装置3において結果ページを生成する際に、特定情報を用いて取得したアイテムをメッセージの一部として生成すればよい。
【0056】
(6)上述した各実施形態において、実行情報は、利用者が処理の実行を指示した場合に生成されるものであるが、その態様としては、要求REQ1に含まれるフラグであってもよいし、あるいは、ULRの指定であってもよい。即ち、名前入力ページにおいて利用者が実行ボタンをクリックすると、処理実行のために予め設けられたページに移動するようにしてもよい。この場合、要求REQ2は、実行ボタンと関連付けられたURLへ送信されることになるが、要求REQ2に含まれるURLを実行情報として捉えてもよい。
【0057】
(7)上述した各実施形態において、実行指示によりメッセージを生成する回数(以下、アクセス回数と称する)には、制約がなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクセス回数に上限を設けてもよい。あるいは、アクセス回数を冒険の対象となるダンジョン(塔)の階数として管理し、無限にメッセージを作成するようにしてもよい。
【0058】
(8)上述した各実施形態では、入力情報と回数情報とが一致すれば、同一のメッセージが生成されることを説明した。この場合、入力情報が一致し、且つ回数情報が異なる場合に、同一のメッセージが生成されることがあってもよい。例えば、入力情報が「小波一郎」であり。回数情報が「10」と「30」の場合に同じメッセージが生成されてもよい。また、入力情報が不一致で回数情報が一致する場合には、異なるメッセージを生成するのが原則であるが、メッセージの数が有限である場合(例えば、10000個)、入力情報が不一致で回数情報が一致する場合に同一のメッセージが生成されることを許容してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1……インターネット、2-1〜2-n……通信装置、3……サーバ装置、DB……データベース、TBL1……第1のテーブル、TBL2……第2のテーブル。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブブラウザで生成された要求を受信すると、前記要求に応じた応答を返信するサーバ装置であって、
前記要求を送信した前記ウェブブラウザごとに割り当てられた識別情報が前記要求に含まれているか否かを判定する識別情報判定部と、
前記識別情報判定部の判定結果が否定である場合、前記識別情報を生成する識別情報生成部と、
前記識別情報判定部の判定結果が否定である場合、前記識別情報生成部で生成した前記識別情報を取得し、前記識別情報判定部の判定結果が肯定である場合、前記要求に含まれる前記識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記要求の応答としてウェブページを生成し、当該ウェブページを送信する応答部と、
利用者が前記ウェブブラウザを用いて入力した入力情報を前記要求から取得する入力情報取得部と、
利用者が前記ウェブブラウザを用いて処理の実行を指示した実行情報を前記要求から取得する実行情報取得部と、
前記入力情報、前記処理を実行した回数を示す回数情報を含む利用者のアクセス情報、及び前記識別情報を関連付けて記憶する記憶部と、
前記要求に前記実行情報が含まれる場合、前記記憶部から前記識別情報取得部で取得した前記識別情報に対応する前記入力情報と前記回数情報とを前記記憶部から読み出し、前記入力情報と前記回数情報とに基づいてメッセージを生成する前記処理を実行する結果生成部と、を備え、
前記応答部は、
前記識別情報生成部で前記識別情報を生成すると、当該識別情報を含む前記ウェブページを生成して送信し、
また、前記結果生成部で前記メッセージを生成すると、当該メッセージを含む前記ウェブページを生成して送信する、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記記憶部には、前記アクセス情報として前記処理の実行に係る時間情報が前記識別情報に関連付けられて記憶され、
前記応答部は、前記時間情報に基づいて前記実行情報を含む前記要求を受信した時間間隔が所定時間より短い場合に、前記メッセージを含む前記ウェブページとは異なるウェブページを送信する請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記識別情報を第1の識別情報としたとき、
前記記憶部には、前記第1の識別情報と、前記アクセス情報を関連付けて管理する第2の識別情報とを関連付けた第1のテーブルと、前記第2の識別情報と前記アクセス情報を関連付けた第2のテーブルとが記憶される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記識別情報生成部で生成する前記第1の識別情報は、セッションIDに基づいて生成することを特徴とする請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記識別情報生成部で生成する前記第1の識別情報は、前記要求を送信した前記ウェブブラウザの情報に基づいて生成することを特徴とする請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記識別情報生成部は、前記実行情報が含まれていない前記要求において、前記識別情報判定部の判定結果が否定である場合に生成した前記識別情報を前記記憶部に記憶させる、ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記識別情報生成部は、前記実行情報が含まれている前記要求において、前記識別情報判定部の判定結果が否定である場合に生成した前記識別情報を前記記憶部に前記識別情報と前記アクセス情報とを関連付けて記憶させる、ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のサーバ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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