説明

サービス申込受付システム、サービス申込装置及びサービス申込受付装置

【課題】簡単かつ直感的な方法で、利用者が目的とするサービスを選択して利用申込を行うことが可能なサービス申込受付システムを提供する。
【解決手段】複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置140と、サービスの利用申込を行うサービス申込装置120と、を備えるサービス申込受付システムが提供される。サービス申込装置120は、複数のサービスが記載され、選択された1以上のサービスにマークが付されたサービス選択シートのシート画像データをサービス申込受付装置に送信する送信部124を含み、サービス申込受付装置140は、シート画像データを受信する受信部144と、シート画像データからマークを読み取り、選択された1以上のサービスを認識するシート解析部150と、認識された1以上のサービスを提供するためのサービス提供手段を判断するサービス判断部152と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス申込受付システム、サービス申込装置及びサービス申込受付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品やサービスを提供する事業者等に対し、顧客が商品に関する問い合わせやサービスの提供依頼を行う場合、コールセンタの代表番号等に電話を掛けてサービスの提供を受けるということが一般的に行われている。このような場合に、サービス提供者側では、電話応答の効率化のために音声ガイダンスによる自動応答を行っていることが多い。
【0003】
従来の音声ガイダンスによる電話自動応答システムでは、まず顧客からの電話に対し、コールセンタ側の自動応答装置が自動的に応答し音声ガイダンスを送出する。顧客は、ガイダンスの指示に従って電話機の番号選択ボタンを操作することによりトーンダイヤル信号(PB(Push Button)信号)をコールセンタ側に送信する。このような処理を繰り返して行うことにより、コールセンタ側では、顧客の電話機から送信された信号に基づいて顧客が求めるサービス内容を特定し、最適なサービスを提供することができる。
【0004】
このような電話自動応答システムは、サービス提供者側にとって電話対応の効率化に高い効果が得られるものであるが、利用者側にとっては必ずしも利便性の高いものではない場合がある。例えば、選択項目を全て聞かなければどの項目に該当するか判断できなかったり、選択項目が多すぎる等で選択項目を聞いている時間のロスが大きいということが挙げられる。また、選択項目の聞き間違いや勘違い等で誤った項目を選択してしまった場合に、前の状態に戻るのが困難である等の様々な問題がある。
【0005】
一方、従来の電話自動応答システムの問題を解決するためのシステムも考案されている。例えば、特許文献1には、利用者とコールセンタとの間でインターネットを介して情報をやり取りすることにより、目的の電話受付対応者の電話を呼び出すシステムが開示されている。このシステムによれば、利用者は、従来の電話自動応答システムと比較して短時間で簡単な操作により目的のサービスを受けることができる。
【0006】
また、特許文献2には、利用者がインターネット機能付きの電話端末に表示される選択画面で、コールセンタの運用者名や業種、商品種別等を選択することによって、目的のコールセンタを検索することができるシステムが開示されている。このシステムによれば、利用者は、商品やサービス毎に異なる問い合わせ先の電話番号を調べる手間を省くことができる。
【0007】
【特許文献1】特開2005−277972号公報
【特許文献2】特開2005−20635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1または2に記載のシステムでは、利用者は、まずインターネット機能付きの電話端末を用いてインターネットを介してサービス提供者等にアクセスしなければならないため、インターネットにアクセスできない環境では利用することができない、ネットワークに接続する手間がかかる等の問題があり、誰でも簡単に利用できるものにはなっていない。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、簡単かつ直感的な方法で、利用者が目的とするサービスを選択して利用申込を行うことが可能な、新規かつ改良されたサービス申込受付システム、サービス申込装置及びサービス申込受付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数のサービスを提供し、複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置と、サービス申込受付装置に対しサービスの利用申込を行うサービス申込装置と、を備えるサービス申込受付システムであって、サービス申込装置は、複数のサービスが記載され、複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークが付されたサービス選択シートのシート画像データをサービス申込受付装置に送信する送信部を含み、サービス申込受付装置は、サービス申込装置から送信されたシート画像データを受信する受信部と、シート画像データからマークを読み取り、選択された1以上のサービスを認識するシート解析部と、シート解析部によって認識された1以上のサービスを提供するためのサービス提供手段を判断し、1以上のサービスを提供するサービス判断部と、を含む。サービス申込受付システムが提供される。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のサービスを提供し、複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置に対し、サービスの利用申込を行うサービス申込装置であって、複数のサービスが記載され、複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークが付されたサービス選択シートのシート画像データをサービス申込受付装置に送信する送信部を備えることを特徴とする、サービス申込装置が提供される。
【0012】
また、サービス選択シートの印刷媒体を読み取ってシート画像データに変換するシート読取部をさらに備えるようにしてもよい。
【0013】
また、複数のサービスが記載されたサービス選択シートが表示される表示部と、表示部に表示されたサービス選択シートに対し、複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークを付すための入力部と、をさらに備え、送信部は、入力部によってマークが付されたサービス選択シートのシート画像データを送信するようにしてもよい。
【0014】
また、送信部は、シート画像データをファクシミリ送信するようにしてもよい。
【0015】
また、シート画像データから送信先を示す情報を読み取り、読み取られた送信先に対してシート画像データを送信するようにしてもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のサービスを提供し、複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置であって、複数のサービスが記載され、複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークが付されたサービス選択シートのシート画像データを受信する受信部と、シート画像データからマークを読み取り、選択された1以上のサービスを認識するシート解析部と、シート解析部によって認識された1以上のサービスを提供するためのサービス提供手段を判断し、1以上のサービスを提供するサービス判断部と、を備えるサービス申込受付装置が提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のサービスを提供し、複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置と、サービス申込受付装置に対しサービスの利用申込を行うサービス申込装置と、を備えるサービス申込受付システムであって、サービス申込装置は、複数のサービスが記載され、複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークが付されたサービス選択シートのシート画像データからマークを読み取り、選択された1以上のサービスを認識するシート解析部と、シート解析部によって認識された、選択された1以上のサービスを示す選択サービス情報をサービス申込受付装置に送信する送信部と、を含み、サービス申込受付装置は、サービス申込装置から送信された選択サービス情報を受信する受信部と、選択サービス情報が示す1以上のサービスを提供するためのサービス提供手段を判断し、1以上のサービスを提供するサービス判断部と、を含むサービス申込受付システムが提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のサービスを提供し、複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置に対し、サービスの利用申込を行うサービス申込装置であって、
複数のサービスが記載され、複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークが付されたサービス選択シートのシート画像データからマークを読み取り、選択された1以上のサービスを認識するシート解析部と、シート解析部によって認識された、選択された1以上のサービスを示す選択サービス情報をサービス申込受付装置に送信する送信部と、を備えるサービス申込装置が提供される。
【0019】
また、サービス選択シートの印刷媒体を読み取ってシート画像データに変換するシート読取部をさらに備えるようにしてもよい。
【0020】
また、複数のサービスが記載されたサービス選択シートが表示される表示部と、表示部に表示されたサービス選択シートに対し、複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークを付すための入力部と、をさらに備え、シート解析部は、入力部によってマークが付されたサービス選択シートのシート画像データからマークを読み取るようにしてもよい。
【0021】
また、シート解析部は、シート画像データから送信先を示す情報を読み取り、送信部は、シート解析部によって読み取られた送信先に対して選択サービス情報を送信するようにしてもよい。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のサービスを提供し、複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置であって、複数のサービスから選択された1以上のサービスを示す選択サービス情報を受信する受信部と、選択サービス情報が示す1以上のサービスを提供するためのサービス提供手段を判断し、1以上のサービスを提供するサービス判断部と、を含むことを特徴とする、サービス申込受付装置が提供される。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、簡単かつ直感的な方法で、利用者が目的とするサービスを選択して利用申込を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して本発明の第1の実施形態にかかるサービス申込受付システムについて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかるサービス申込受付システム100の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
本実施形態に係るサービス申込受付システム100は、複数のサービスを提供しているサービス提供者に対し、あるサービスの利用を希望する利用者がサービスの利用申込を行うために用いられるシステムである。サービス申込受付システム100は、図1に示すように、利用者側に設置されるサービス申込装置120と、サービス提供者側に設置されるサービス申込受付装置140とにより構成される。
【0027】
サービス申込装置120及びサービス申込受付装置140は、PSTN(Public Switched Telephone Networks:公衆交換電話回線網)やインターネット等のネットワーク180に接続可能であり、ネットワーク180を介して互いに通信可能に構成される。例えば、ネットワーク180がPSTNである場合、サービス申込装置120とサービス申込受付装置140との間でファクシミリや音声通話による通信が可能なように構成されることができる。あるいは、ネットワーク180がインターネットである場合、サービス申込装置120とサービス申込受付装置140とは、電子メールやHTTP、FTP等のプロトコル電子データの送受信を行うことができるように構成されることができる。
【0028】
本実施形態に係るサービス申込受付システムにおいては、サービス申込装置120とサービス申込受付装置140との間で、ネットワーク180を介して「サービス選択シート」と呼ばれるシートのデータが送受信される。サービス選択シート160は、複数のサービスの中から選択されたサービス(選択サービスと称する)を特定するための情報(選択サービス情報と称する)を含むシートである。本実施形態にかかるサービス申込装置120及びサービス申込受付装置140は、サービス選択シート160の画像データを送受信することにより、サービスの申込処理及び申込受付処理を行う。
【0029】
サービス選択シート160は、サービス提供者側から利用者側に提供される。例えば、サービス申込受付装置140からサービス申込装置120に対してサービス選択シート160の画像データを送信すようにしてもよいし、あるいは、サービス申込受付装置140とは別の装置によってサービス申込装置120等の利用者側の端末に送信されるようにしてもよい。また、サービス申込装置120以外の装置によってサービス選択シート160のデータを受信するようにしてもよい。本実施形態においては、サービス申込受付装置140からサービス申込装置120に対してサービス選択シート160の画像データが提供されるものとして説明する。
【0030】
図2、3は、サービス選択シート160の一例を示す図である。サービス選択シート160は、例えば図2に示すように、紙などの印刷媒体に印刷されて利用者に提供される。サービス選択シート160には、サービスについての複数の選択肢と、各選択肢に対応する入力枠とが表示されており、入力枠にマークを付けることができるように構成されている。選択肢は、複数選択できるように構成されてもよく、選択肢によって特定されるサービスの数は1つであってもよく2以上であってもよい。また、選択肢は、階層化された構成であってもよく、複数の階層において選択された選択肢の集合によって、1または2以上のサービスが特定されるように構成されてもよい。
【0031】
利用者は、目的とするサービスに合致する選択肢に対応する入力枠にマークを付け、サービス選択シート160の画像データをサービス申込装置120に入力することによって、サービス選択シート160を通してサービス申込装置120に選択サービス情報を入力することができる。
【0032】
また、サービス選択シート160は、図3に示すようにサービス申込装置120に備えられたディスプレイ等に表示されることによって利用者に提供されることもできる。この場合、利用者は、マウスやタッチパネル等の入力装置によってディスプレイに表示された入力枠にマークを付けることにより、選択サービス情報をサービス申込装置120に入力することができる。
【0033】
このように、サービス選択シート160の画像データをサービス申込装置120に入力しサービス申込受付装置140に送ることにより、利用者は、サービスの利用申込を行うことができる。サービス選択シート160の画像データを受信したサービス申込受付装置140は、サービス選択シート160に記載された内容に基づいて顧客が求めるサービスを判断し、サービス提供を行う。
【0034】
サービス申込装置120とサービス申込受付装置140とは、ネットワーク180を介して通信するための通信機能を備える装置であり、例えば、ファクシミリ、プリンタ、コピー、スキャナ等の機能が統合されたネットワーク複合機や、ネットワークファクシミリ装置、MFP(Multi Functional Peripheral;多機能周辺装置)等であってもよい。あるいは、電話やファクシミリによる通信機能を備えたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や情報家電等であってもよい。
【0035】
次に、図4を参照して、本実施形態のサービス申込装置120の構成について説明する。図4は、サービス申込装置120の概略構成を示すブロック図である。
【0036】
(サービス申込装置120)
まず、図4を参照して、本実施形態にかかるサービス申込装置120について説明する。本実施形態にかかるサービス申込装置120は、利用者がサービス提供者に対してサービス利用の申込を行うために用いられる装置である。
【0037】
サービス申込装置120は、図4に示すように、受信部122と、送信部124と、制御部126と、入力部128と、印刷出力部130と、表示部132と、シート読取部134とにより構成される。
【0038】
受信部122は、ネットワーク180を介してサービス申込受付装置140から送信されたファクシミリデータや電子データを受信するための機能部である。ネットワーク180がPSTNの場合、受信部122は、サービス申込受付装置140によってファクシミリ送信されたサービス選択シート160の画像データを受信する。あるいは、ネットワーク180がインターネットの場合、受信部122は、電子メールや、HTTP、FTP等のプロトコルを用いて送信される、サービス選択シート160の画像データやHTML、XML等の任意の形式の文書データを受信する。
【0039】
送信部124は、選択サービス情報を含むサービス選択シート160のデータを、ネットワーク180を介してサービス申込受付装置140に送信するための機能部である。送信部124も、受信部122と同様に、ファクシミリや、電子メール、HTTP、FTP等のプロトコルにより、サービス選択シート160のイメージデータを送信する。
【0040】
制御部126は、サービス申込装置120全体を制御するための機能部である。例えば、制御部126は、受信部122より受信したサービス選択シート160の画像データを印刷出力部130や表示部132により出力させるようにする。あるいは、入力部128からの入力を受けて、印刷されたサービス選択シート160をシート読取部134により読み取らせるようにする。
【0041】
入力部128は、利用者からの各種入力を受け付けるための機能部である。入力部128は、例えば、利用者からのサービス選択シートの読み取り指示を受け付け、制御部126に伝達する。また、入力部128は、読み取り時の設定値や、サービス選択シート160の送信先等の入力を受け付ける。
【0042】
印刷出力部130は、サービス申込受付装置140から受信したサービス選択シート160の画像データを印刷媒体に印刷出力するための機能部である。また、表示部132は、LCD(Liquid Crystal
Display)やタッチパネル等により構成され、受信部122より受信したサービス選択シート160の画像データを表示させるための機能部である。
【0043】
シート読取部134は、印刷媒体から画像を読み取るイメージスキャナ等によって構成される機能部である。シート読取部134は、入力部128から入力される読み取り指示に従って、選択サービス情報が記入されたサービス選択シート160の印刷媒体を読み取り、サービス申込装置120に画像データを入力する。
【0044】
以上、サービス申込装置120の構成について説明した。
【0045】
(サービス申込受付装置140)
次に、図5を参照して、本実施形態に係るサービス申込受付装置140の構成について説明する。図5は、本実施形態にかかるサービス申込受付装置140の概略構成を示すブロック図である。
【0046】
本実施形態にかかるサービス申込装置120は、サービス申込装置120から送信されるサービス選択シート160の画像データを受信し、利用者が選択したサービスを特定して提供する装置である。また、サービス申込受付装置140は、サービス選択シート160のデータをサービス申込装置120に対し提供する。
【0047】
サービス申込受付装置140は、図5に示すように、送信部142と、受信部144と、シート取得部146と、シートデータ記憶部148と、シート解析部150と、サービス判断部152と、サービス情報記憶部154と、により構成される。
【0048】
送信部142、シート取得部146及びシートデータ記憶部148は、サービス申込装置120に対してサービス選択シート160のデータを送信するための機能部である。シートデータ記憶部148は、1以上のサービス選択シート160のデータを格納するための記憶部である。シート取得部146は、シートデータ記憶部148からサービス申込装置120に送信するサービス選択シート160のデータを取得し、送信部142を通じてデータを送信する。シート取得部146は、利用者からの要求に応じてサービス選択シート160を送信するようにしてもよく、あるいは予め定められた送信時間等に従って送信するようにしてもよい。
【0049】
送信部142は、シート取得部146から入力されるサービス選択シート160のデータを、ネットワーク180を介してサービス申込装置120に送信する。例えば、ネットワーク180がPSTNの場合、送信部142は、サービス選択シート160の画像データをファクシミリ送信し、ネットワーク180がインターネットの場合、電子メールや、HTTP、FTP等のプロトコルを用いてサービス選択シート160の画像データやHTML、XML等の任意の形式の文書データを送信する。
【0050】
一方、受信部144、シート解析部150、サービス判断部152及びサービス情報記憶部154は、選択サービス情報が記入されたサービス選択シート160のデータを受け取って、利用者が求めるサービスを提供するための機能部である。
【0051】
受信部144は、ネットワーク180を介してサービス申込装置120からサービス選択シート160の画像データを受信するための機能部である。受信部144は、ファクシミリや電子メール、HTTP等によって送信されたサービス選択シート160の画像データを受信し、受信された画像データをシート解析部150に入力する。
【0052】
シート解析部150は、サービス選択シート160の画像データから文字やマークを識別してその意味を解析するための機能部であり、OCR(Optical Character Reader)やOMR(Optical Mark Recognition)の機能を有する。特に、シート解析部150は、サービス選択シート160上において、入力枠にマークが付されている選択肢の文字を読み取って、どの選択肢が選択されたかを認識する。あるいは、入力枠の位置と選択肢との対応付けを予め記録したデータベースを参照して、マークが付されている入力枠の位置を読み取ることにより選択された選択肢を認識するようにしてもよい。
【0053】
サービス判断部152は、シート解析部150によって選択されたと判断された選択肢に基づいてサービス情報記憶部154を参照し提供するサービスを判断する機能部である。
また、サービス情報記憶部154は、サービス選択シート160に含まれる選択肢と、提供するサービスの提供手段との対応付けを記録したデータベースである。例えば、図2に示すサービス選択シート160において、「電話回線についてのお問い合わせ」という選択肢が選択されたと認識された場合、サービス情報記憶部154を参照して「電話回線についてのお問い合わせ」に該当するサービスを提供する手段を判断する。例えば、サービス提供手段が、オペレータによる電話での問い合わせ受付であった場合は、該当するオペレータの電話とサービス申込装置120との間で電話回線を接続してサービスを提供するようにする。
【0054】
以上、サービス申込受付装置140の構成と各部の機能について説明した。なお、サービス申込受付装置140の送信部142、受信部144、シート取得部146、シート解析部150及びサービス判断部152、は、これらの各部の機能を実行するソフトウェアプログラムをサービス申込受付装置140にインストールすることにより実現することも可能であるし、専用のハードウェアにより実現することも可能である。また、上記ソフトウェアプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたものを読み出すことにより実行されてもよいし、あるいは、ネットワーク等を介してサービス申込受付装置140に提供されるものであってもよい。また、シートデータ記憶部148及びサービス情報記憶部154は、例えば、半導体メモリ、光ディスク、磁気ディスク等の各種の記憶媒体等により構成されてもよい。
【0055】
(サービス申込受付システム100の動作)
次に、図6を参照して、本実施形態にかかるサービス申込受付システム100の動作について説明する。図6は、本実施形態にかかるサービス申込受付システム100において実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
【0056】
まず、ステップS200で、サービス申込装置120は、サービス申込受付装置140に対して、サービス選択シート160を要求する。これは、例えば、予め指定された代表電話番号に電話を掛けることによって実行される。あるいは、電話以外にも、FAXや電子メール等の手段により実行されてもよい。
【0057】
サービス選択シート160を要求されたサービス申込受付装置140は、ステップS202で、シート取得部146によってシートデータ記憶部148から送信するシートのデータを取得し、ステップS204で送信部142を通じてサービス申込装置120に送信する。送信されるデータは、サービス選択シート160の画像データであってもよく、XML、HTML等で記述された文書データであってもよい。
【0058】
次いで、ステップS206で、サービス申込装置120は、サービス選択シート160のデータを受信し、印刷出力部130によって印刷出力する。これにより、印刷媒体に印刷されたサービス選択シート160が利用者に提供され、利用者は、サービス選択シート160に印刷された選択肢から自分の要求に合うものを選択して入力枠にマークを付けることができる。
【0059】
なお、ここでは、サービス選択シート160を印刷媒体により利用者に提供する例を説明したが、サービス選択シート160はサービス申込装置120の表示部132に表示されることにより利用者に提供されてもよい。
【0060】
ステップS208で、利用者は、マーク記入済みのサービス選択シート160をサービス申込装置120に入力し、シートの読み取り及び送信指示を入力部128から入力する。入力を受けたサービス申込装置120は、ステップS210で、シート読取部134によってサービス選択シート160から画像データを読み取り、ステップS212で、送信部124からサービス申込受付装置140に対して画像データを送信する。
【0061】
サービス申込受付装置140は、ステップS214で、サービス申込装置120から受信したサービス選択シート160の画像データをシート解析部150に入力し、シート画像の解析を行って選択された選択肢を認識する。次いで、ステップS216で、サービス申込受付装置140のサービス判断部152は、シート解析部150によって認識された選択肢とサービス情報記憶部154の内容とに基づいて、提供するサービスを判断する。
【0062】
次いで、ステップS218で、サービス申込受付装置140は、提供するサービスに該当するオペレータの電話とサービス申込装置120との間で電話回線を接続する等してサービスを利用者に提供する。
【0063】
以上、第1の実施形態にかかるサービス申込受付システムについて説明した。かかるシステムによれば、利用者は、サービス選択シートにマークを付けてファクシミリ等でサービス提供者側に送信するだけで、目的とするサービスを受けることができる。このように、印刷媒体や画面上で選択可能なサービスの一覧が視覚的に提供されるため、利用者は、直感的にサービスを選択する操作を行うことができる。また、サービスの申込からサービスの提供を受けるまでにサービス提供者との間でやり取りが発生しないため、利用者・サービス提供者双方にとって手間を省き通信時間を短縮することができる効果を得られる。
【0064】
(第2の実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施形態にかかるサービス申込受付システムについて説明する。図7は、第2の実施形態にかかるサービス申込受付システムにおけるサービス申込装置220の概略構成を示すブロック図である。
【0065】
上述した第1の実施形態においては、顧客側に備えられたサービス申込装置で読み取られた画像データがサービス提供者側に送信され、サービス提供者側のサービス申込受付装置が、画像データから文字データを読み取ってサービスを特定する構成であった。これに対し、以下で説明する第2の実施形態では、顧客側のサービス申込装置がシートの画像データから文字データやマークを読み取り、場合によっては目的のサービスを特定してサービス提供者側に送信することを特徴とする。
【0066】
第2の実施形態にかかるサービス申込装置220は、第1の実施形態にかかるサービス申込装置と同様に、受信部222と、送信部224と、制御部226と、入力部228と、印刷出力部230と、表示部232と、シート読取部234とを備え、さらに、シート解析部236を備える。
【0067】
本実施形態にかかるサービス申込装置220において新たに追加されたシート解析部236以外の構成要素は、上述した第1の実施形態にかかるサービス申込装置120の該当する構成要素と実質的に同一の機能を有するものであるので、重複説明を避けるためここでは説明を省略する。
【0068】
本実施形態のサービス申込装置220のシート解析部236は、第1の実施形態に係るサービス申込受付装置140に備えられたシート解析部150と実質的に同一の機能を有する。
【0069】
シート解析部236は、シート読取部234によって読み取られたサービス選択シートの画像データから文字やマークを識別してその意味を解析するための機能部である。シート解析部236は、サービス選択シート上の入力枠に付けられたマークとその入力枠に対応する選択肢の文字を読み取ってどの選択肢が選択されたかを認識する。あるいは、入力枠の位置と選択肢との対応付けを予め記録したデータベースを参照して、マークが付されている入力枠の位置を読み取ることにより選択された選択肢を認識するようにしてもよい。
【0070】
また、シート解析部236は、文字認識機能を用いて、サービス選択シート上に記載された送信先のファックス番号や電子メールアドレス等を読み取って、読み取った送信先にサービス選択シートを送信するようにしてもよい。これにより、シート送信時に、送信先のファックス番号や電子メールアドレス等を入力しなくてもシートをサービス申込装置220に読み取らせるだけで送信することができ、利用者の利便性が向上する。
【0071】
このように、本実施形態にかかるサービス申込装置220は、シート解析部236によって選択されたサービスを認識するようにしたことを特徴とする。シート解析部236によって認識された、選択されたサービスの情報(選択サービス情報)は、送信部224によってサービス申込受付装置に送信される。
【0072】
なお、本実施形態にかかるサービス申込受付装置は、第1の実施形態にかかるサービス申込受付装置と同様に構成されることができる。第1の実施形態のサービス申込受付装置との違いは、受信部144がサービス選択シートの画像データの代わりに選択サービス情報を受信し、受信された選択サービス情報に基づいてサービス判断部152がサービス提供手段を判断する点である。したがって、本実施形態にかかるサービス申込受付装置においては、シート解析部150を省略することも可能である。
【0073】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるサービス申込受付システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】サービス選択シートの一例を示す図である。
【図3】表示部に表示させたサービス選択シートの例を示す図である。
【図4】第1の実施形態にかかるサービス申込装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態にかかるサービス申込受付装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】第1の実施形態にかかるサービス申込受付システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】第2の実施形態にかかるサービス申込装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
100 サービス申込受付システム
120 サービス申込装置
122 受信部
124 送信部
126 制御部
128 入力部
130 印刷出力部
132 表示部
134 シート読取部
140 サービス申込受付装置
142 送信部
144 受信部
146 シート取得部
148 シートデータ記憶部
150 シート解析部
152 サービス判断部
154 サービス情報記憶部
160 サービス選択シート
180 ネットワーク
220 サービス申込装置
222 受信部
224 送信部
226 制御部
228 入力部
230 印刷出力部
232 表示部
234 シート読取部
236 シート解析部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサービスを提供し、前記複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置と、
前記サービス申込受付装置に対しサービスの利用申込を行うサービス申込装置と、
を備えるサービス申込受付システムであって、
前記サービス申込装置は、
前記複数のサービスが記載され、前記複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークが付されたサービス選択シートのシート画像データを前記サービス申込受付装置に送信する送信部を含み、
前記サービス申込受付装置は、
前記サービス申込装置から送信された前記シート画像データを受信する受信部と、
前記シート画像データから前記マークを読み取り、前記選択された1以上のサービスを認識するシート解析部と、
前記シート解析部によって認識された1以上のサービスを提供するためのサービス提供手段を判断し、前記1以上のサービスを提供するサービス判断部と、
を含むことを特徴とする、サービス申込受付システム。
【請求項2】
複数のサービスを提供し、前記複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置に対し、サービスの利用申込を行うサービス申込装置であって、
前記複数のサービスが記載され、前記複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークが付されたサービス選択シートのシート画像データを前記サービス申込受付装置に送信する送信部を備えることを特徴とする、サービス申込装置。
【請求項3】
前記サービス選択シートの印刷媒体を読み取って前記シート画像データに変換するシート読取部をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載のサービス申込装置。
【請求項4】
前記複数のサービスが記載されたサービス選択シートが表示される表示部と、
前記表示部に表示された前記サービス選択シートに対し、前記複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークを付すための入力部と、
をさらに備え、
前記送信部は、前記入力部によって前記マークが付された前記サービス選択シートのシート画像データを送信することを特徴とする、請求項2に記載のサービス申込装置。
【請求項5】
前記送信部は、前記シート画像データをファクシミリ送信することを特徴とする、請求項2に記載のサービス申込装置。
【請求項6】
前記シート画像データから送信先を示す情報を読み取り、読み取られた送信先に対して前記シート画像データを送信することを特徴とする、請求項2に記載のサービス申込装置。
【請求項7】
複数のサービスを提供し、前記複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置であって、
前記複数のサービスが記載され、前記複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークが付されたサービス選択シートのシート画像データを受信する受信部と、
前記シート画像データから前記マークを読み取り、前記選択された1以上のサービスを認識するシート解析部と、
前記シート解析部によって認識された1以上のサービスを提供するためのサービス提供手段を判断し、前記1以上のサービスを提供するサービス判断部と、
を備えることを特徴とする、サービス申込受付装置。
【請求項8】
複数のサービスを提供し、前記複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置と、
前記サービス申込受付装置に対しサービスの利用申込を行うサービス申込装置と、
を備えるサービス申込受付システムであって、
前記サービス申込装置は、
前記複数のサービスが記載され、前記複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークが付されたサービス選択シートのシート画像データから前記マークを読み取り、前記選択された1以上のサービスを認識するシート解析部と、
前記シート解析部によって認識された、前記選択された1以上のサービスを示す選択サービス情報を前記サービス申込受付装置に送信する送信部と、
を含み、
前記サービス申込受付装置は、
前記サービス申込装置から送信された前記選択サービス情報を受信する受信部と、
前記選択サービス情報が示す1以上のサービスを提供するためのサービス提供手段を判断し、前記1以上のサービスを提供するサービス判断部と、
を含むことを特徴とする、サービス申込受付システム。
【請求項9】
複数のサービスを提供し、前記複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置に対し、サービスの利用申込を行うサービス申込装置であって、
前記複数のサービスが記載され、前記複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークが付されたサービス選択シートのシート画像データから前記マークを読み取り、前記選択された1以上のサービスを認識するシート解析部と、
前記シート解析部によって認識された、前記選択された1以上のサービスを示す選択サービス情報を前記サービス申込受付装置に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする、サービス申込装置。
【請求項10】
前記サービス選択シートの印刷媒体を読み取って前記シート画像データに変換するシート読取部をさらに備えることを特徴とする、請求項9に記載のサービス申込装置。
【請求項11】
前記複数のサービスが記載されたサービス選択シートが表示される表示部と、
前記表示部に表示された前記サービス選択シートに対し、前記複数のサービスのうち選択された1以上のサービスにマークを付すための入力部と、
をさらに備え、
前記シート解析部は、前記入力部によって前記マークが付された前記サービス選択シートのシート画像データから前記マークを読み取ることを特徴とする、請求項9に記載のサービス申込装置。
【請求項12】
前記シート解析部は、前記シート画像データから送信先を示す情報を読み取り、
前記送信部は、前記シート解析部によって読み取られた送信先に対して前記選択サービス情報を送信することを特徴とする、請求項9に記載のサービス申込装置。
【請求項13】
複数のサービスを提供し、前記複数のサービスから選択された1以上のサービスについての利用申込を受け付けるサービス申込受付装置であって、
前記複数のサービスから選択された1以上のサービスを示す選択サービス情報を受信する受信部と、
前記選択サービス情報が示す1以上のサービスを提供するためのサービス提供手段を判断し、前記1以上のサービスを提供するサービス判断部と、
を含むことを特徴とする、サービス申込受付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−33295(P2009−33295A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193019(P2007−193019)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】