説明

サーマルプリンタ

【課題】 本発明は、小型の駆動源で厚紙からなる記録用紙をプラテンローラに確実に圧接できると共に、高品質な画像印刷が可能なサーマルプリンタを提供すること。
【解決手段】 本発明のサーマルプリンタ1は、プラテンローラ2に対してサーマルヘッド3をヘッドアップ/ダウン可能に支持するヘッド支持部材5と、サーマルヘッド3とプラテンローラ2との間に搬送されてきた記録用紙19をプラテンローラ2に圧接可能なガイド部材15とを備え、サーマルヘッド3は、ヘッド支持部材5が回動することでヘッドアップ/ダウン可能になっており、ガイド部材15は、ヘッド支持部材5と別体になっており、ヘッド支持部材5を回動操作可能な駆動源(図示せず)によってガイド部材15がプラテンローラに対して昇降可能になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーマルプリンタに係わり、特に記録用紙を高精度に搬送して高品位な画像印刷が可能なサーマルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサーマルプリンタ31を、特許文献1に基づいて説明すると、サーマルプリンタ31は、図3に示すように、プリンタ本体31aと、このプリンタ本体31a内に後述するリボンカセット39を装着可能なカセット装着部31bとが形成されている。
また、プリンタ本体部31a内には、回転自在のプラテンローラ32が配設され、このプラテンローラ32の上方にサーマルヘッド33が配設されている。
また、サーマルヘッド33とプラテンローラ32との間には、カラー印刷が可能な印画紙等の厚紙からなる記録用紙34が給紙されて矢印A方向に搬送可能になっている。
【0003】
また、サーマルヘッド33は、ヘッド取付台35に支持されており、このヘッド取付台35がヘッドレバーに取り付けられている。
前記ヘッドレバーは、図示右側の一端部側が支持軸37に支持された片持ち状をなし、駆動源であるモータにより、支持軸37を支点として回動可能になって、自由端側のサーマルヘッド33がプラテンローラ32に接離(ヘッドアップ/ダウン)可能になっている。
また、サーマルヘッド33をヘッドアップさせた状態でカセット装着部31bに後述するリボンカセット39を装着すると、プラテンローラ32とサーマルヘッド33との間にインクリボン38が位置するようになっている。
【0004】
前記インクリボン38は、記録用紙34の幅寸法より若干広く形成されて、リボンカセット39に収納され、両端部が供給リール39aと巻取りリール39bとに巻回され、この供給リール39aと巻取りリール39bとは、リボンカセット39の互いに対向する側板39cに回転自在に支持されている。
そして、カセット装着部31bにリボンカセット39を装着すると、巻取りリール39bがプリンタ本体部31a側の巻取りコア(図示せず)に係合して、反時計回り方向に回転可能となる。
前記巻取りコアを回転させて巻取りリール39bを反時計回り方向に回転させることにより、供給リール39aに巻回したインクリボン38を巻取りリール39bに巻取り可能になっている。
【0005】
また、リボンカセット39は、後述する圧接ローラ41を逃げるための逃げ溝39dが形成され、この逃げ溝39dの底部側に巻取り口39eが形成されている。前記巻取り口39e近傍の側板39cには、金属棒からなるガイドローラ39fが回転自在に支持されている。
そして、巻取りリール39bに巻取りされるインクリボン38は、ヘッド取付台35の左端部から所定の剥離角度で剥離されて、ガイドローラ39fで略直角状に屈曲されて、巻取りリール39bに巻取られるようになっている。
【0006】
また、プラテンローラ32の図示左側には、紙送りローラ40と、この紙送りローラ40に圧接する圧接ローラ41とが配設され、紙送りローラ40と圧接ローラ41との間に記録用紙34を挟持して、紙送りローラ40を反時計回り方向に回転させることにより、記録用紙34を矢印A方向に搬送可能になっている。
そして、カセット装着部31bにリボンカセット39を装着すると、逃げ溝39dに圧接ローラ41が位置するようになっている。
また、ヘッド取付台35には、ガイド部材(図示せず)が一体形成され、このガイド部材によって、印刷時にサーマルヘッド33とプラテンローラ32との間に搬送されてきた厚紙からなる記録用紙34を、プラテンローラ32に対して所定の圧接角αになるように圧接可能になっている。
【特許文献1】特開2002−144616号公報
【特許文献2】特開2002−120446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の熱転写プリンタ31は、ヘッドレバーが片持ち状のため、記録用紙34にサーマルヘッド33を圧接すると共に、ガイド部材が厚紙からなる記録用紙34を圧接角がαになるまで湾曲させようとすると、ヘッドレバーに大きな回動荷重を加えなければいけなかった。
そのために、ヘッドレバー36を回動操作するモータが大型となり消費電力がアップする問題があった。
【0008】
また、モータが小型の場合は、ヘッド取付台35に一体形成したガイド部材(図示せず)が、記録用紙34をプラテンローラ32に圧接して、圧接角αで湾曲させても、厚紙から成る記録用紙34に平坦状に戻ろうとする反力が働いて、ヘッドダウンしたサーマルヘッド33が記録用紙34をプラテンローラ32に確実に圧接できず、高品質な画像印刷ができなくなるおそれがあった。
本発明は前述したような課題を解決して、小型の駆動源で厚紙からなる記録用紙をプラテンローラに確実に圧接することができると共に、高品質な画像印刷が可能なサーマルプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための第1の手段として本発明のサーマルプリンタは、サーマルヘッドと、このサーマルヘッドが接離(ヘッドアップ/ダウン)可能なプラテンローラと、このプラテンローラに対して前記サーマルヘッドをヘッドアップ/ダウン可能に支持するヘッド支持部材と、前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとの間に搬送されてきた記録用紙を前記プラテンローラに圧接可能なガイド部材とを備え、前記サーマルヘッドは、前記ヘッド支持部材が回動することで前記ヘッドアップ/ダウン可能になっており、
前記ガイド部材は、前記ヘッド支持部材と別体になっており、前記ヘッド支持部材を回動操作可能な駆動源によって前記ガイド部材が独立して前記プラテンローラに対して昇降可能になっていることを特徴とする。
【0010】
また、前記課題を解決するための第2の手段として、前記駆動源には、前記サーマルヘッドを前記ヘッドアップ/ダウン駆動可能な第1駆動部材が連結され、前記ヘッド支持部材は、前記サーマルヘッドを取り付けた部分を前記第1駆動部材が押圧することで回動可能になっていることを特徴とする。
【0011】
また、前記課題を解決するための第3の手段として、前記ガイド部材は、前記第1駆動部材に連結する第2駆動部材によって前記プラテンローラに対して昇降可能になっていることを特徴とする。
【0012】
また、前記課題を解決するための第4の手段として、前記ヘッド支持部材は、前記第1駆動部材との間に配設した圧接板を介して回動可能になっており、前記ヘッド支持部材と前記圧接板との間には、前記ヘッド支持部材と前記圧接板とを互いに離れる方向に付勢する第1弾性部材が配設され、前記第1駆動部材が前記圧接板を押圧すると、前記第1弾性部材を介して前記ヘッド支持部材が回動することを特徴とする。
【0013】
また、前記課題を解決するための第5の手段として、前記第1駆動部材には、前記圧接板を押圧操作可能な第1カム部と歯山の一部が切り欠きされた平歯車からなる第1ギアとが形成され、前記第2駆動源には、前記ガイド部材を押圧して昇降操作可能な第2カム部と前記第1ギアに噛み合う第2ギアとが形成され、前記駆動源によって前記第1駆動部材が回動すると、前記第2ギアが回転して前記第2カム部が回動し、前記ガイド部材が昇降することを特徴とする。
【0014】
また、前記課題を解決するための第6の手段として、前記ガイド部材には、前記第2カム部が押圧操作可能な操作ピンが形成され、この操作ピンは、前記駆動源に連結する駆動軸を支持するホルダー部材に形成したスライド溝に嵌合して、前記ガイド部材が昇降可能になっていることを特徴とする。
【0015】
また、前記課題を解決するための第7の手段として、前記ガイド部材には、前記プラテンローラを挟んで前記記録用紙の搬送方向における上流側と下流側に、回転自在の一対のガイドローラが配設されていることを特徴とする。
【0016】
また、前記課題を解決するための第8の手段として、前記ガイド部材には、このガイド部材を前記プラテンローラから離れる方向に弾性付勢する第2弾性部材が配設されいることを特徴とする。
【0017】
また、前記課題を解決するための第9の手段として、前記ガイド部材で前記プラテンローラに圧接された前記記録用紙は、前記プラテンローラに対して所定の圧接角度で湾曲するようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のサーマルプリンタは、ガイド部材が、ヘッド支持部材と別体になっており、ヘッド支持部材を回動操作可能な駆動源によってガイド部材が独立してプラテンローラに対して昇降可能になっているので、小さな駆動力の駆動源でサーマルヘッドを強く記録用紙に圧接できると共に、ガイド部材で厚紙からなる記録用紙をプラテンローラに所定の圧接角αで圧接することができる。
そのために、駆動源を低消費電力とすることができると共に、高品質の画像印刷を行うことができる。
【0019】
また、駆動源には、サーマルヘッドをヘッドアップ/ダウン駆動可能な第1駆動部材が連結され、ヘッド支持部材は、サーマルヘッドを取り付けた部分が第1駆動部材に押圧されることで回動可能になっているので、小さな駆動力の駆動源でサーマルヘッドのヘッドアップ/ダウン駆動を行うことができ、小さな駆動源でサーマルヘッドを確実にヘッドアップ/ダウンすることができる。
【0020】
また、ヘッド支持部材は、第1駆動部材との間に配設した圧接板を介して回動可能になっており、ヘッド支持部材と圧接板との間には、ヘッド支持部材と圧接板とを互いに離れる方向に付勢する第1弾性部材が配設され、第1駆動部材が圧接板を押圧すると、第1弾性部材を介してヘッド支持部材が回動するので、1個の駆動源で、ガイド部材をプラテンローラ側に独立して降下させて記録用紙をプラテンローラに圧接角αで圧接した状態で、サーマルヘッドをヘッドダウンさせることがっできる。
そのために、ヘッドダウンさせたサーマルヘッドに小さな押圧荷重を加えるだけで、記録用紙を確実にプラテンローラに圧接して、高品質の印刷を行うことができる。
【0021】
また、駆動源によって第1駆動部材が回動すると、第2ギアが回転して第2カム部が回動しガイド部材が昇降するので、駆動源の駆動を確実に第2駆動部材に伝達し、この第2駆動部材により、サーマルヘッドがヘッドダウンする前にガイド部材を降下させて、搬送されて来る記録用紙をプラテンローラに確実に圧接角αで圧接することができる。
【0022】
また、ガイド部材には、第2カム部が押圧操作可能な操作ピンが形成され、この操作ピンは、駆動源に連結する駆動軸を支持するホルダー部材に形成したスライド溝に嵌合して、ガイド部材が昇降可能になっているので、第2駆動部材によってガイド部材を確実に降下させて、記録用紙を確実にプラテンローラに圧接できる。
【0023】
また、ガイド部材には、プラテンローラを挟んで記録用紙の搬送方向における上流側と下流側に、回転自在の一対のガイドローラが配設されているので、プラテンローラに対して記録用紙を圧接角αで圧接することができる。
【0024】
また、ガイド部材には、このガイド部材をプラテンローラから離れる方向に弾性付勢する第2弾性部材が配設されいるので、印刷動作以外の時は、ガイド部材とサーマルヘッドとがプラテンローラから離れた状態にすることができる。
【0025】
また、印刷時にガイド部材でプラテンローラに圧接された記録用紙は、プラテンローラに対して所定の圧接角度で湾曲するようになっているので、ヘッドダウンさせたサーマルヘッド加える押圧荷重が小さくても、プラテンローラに記録用紙を確実に圧接して高品質の画像印刷を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面に基づいて本発明のサーマルプリンタの一実施の形態を図1、図2に基づいて説明する。図1は本発明のサーマルプリンタの斜視図であり、図2は図1の要部断面図ある。
まず、本発明のサーマルプリンタ1は、最下部に円柱状のプラテンローラ2が配設され、このプラテンローラ2と対向する上方にサーマルヘッド3が配設されている。前記サーマルヘッド3は、図1に示す前後方向に横長なラインヘッドからなり、ヘッド取付台4を介してヘッド支持部材5に取り付けられている。
【0027】
前記ヘッド支持部材5は、ヘッド取付台4を取り付けたヘッド支持部5aと、このヘッド支持部5aの図示右側を上方側に折り曲げた背面部5bと、この背面部5bの上端部を図示右方向に折り曲げたヒートシンク部5cとで側面視の形状が略クランク状をなしている。
また、背面部5bには、外向き(図示右側)に突出する軸受け部5dが形成され、この軸受け部5dが棒状の支持軸6に支持されている。そのために、ヘッド支持部材5は、支持軸6を支点として回動自在となっている。
【0028】
また、ヘッド支持部材5には、略L字状のバネ支持板7が取り付けされ、このバネ支持板7のバネ支持部7aに圧縮コイルバネからなる第1弾性部材8が支持されている。また、第1弾性部材8の上端部は、圧接板9に弾性付勢している、この圧接板9は、第1弾性部材8が弾性付勢する圧接部9aと、この圧接部9aの右側を上方に折り曲げた背面部9bと、この背面部9bの図1に示す前後両端部を外向きに折り曲げて軸受け部9cが形成されている。
そして、圧接板9は軸受け部9cがヘッド支持部材5を支持する支持軸6に支持されている。
【0029】
また、支持軸6の両端部がホルダー部材10に支持されており、このホルダー部材10には、ヘッド支持部材5を回動操作可能な第1駆動部材11を形成した駆動軸12が支持されている。前記第1駆動部材11は、回転中心から一端部側に長くて大きな円弧状に形成された第1カム部11aと、この第1カム部11a〜所定寸法離れた位置の駆動軸12に形成した外周部の歯山の一部が切り欠きされた平歯車からなる第1ギア11bとからなっている。
そして、第1駆動部材11は、駆動軸12の前後方向の両端部側に一対形成され、一対の第1カム部11aによって、圧接板9が押圧可能になっている。
【0030】
前記駆動軸12は、モータ等からなる駆動源に連結されて、左右の両方向に所定角度回転可能になっている。また、駆動軸12の下部のホルダー部材10には、第2駆動部材13が回動自在に配設されている。
前記第2駆動部材13は、第1ギア11bの歯山に噛み合う第2ギア13aと、この第2ギア13aを接着剤等で一体化した第2カム部14とで構成されている。前記第2カム部14は、回動中心から距離の長い押圧部14aが2箇所に形成され、回動中心から距離の短い逃げ部14bが、押圧部14a、14aに挟まれた部分およびそれ以外の部分に形成されている。
【0031】
また、ヘッド支持部材5のヘッド取付部5aの外周部側には、ヘッド取付部5aを囲むように、樹脂材料からなるガイド部材15が配設されている。
前記ガイド部材15は、内部にヘッド支持部材5のヘッド取付部5aが位置する空洞部15aが形成され、空洞部15aが形成された部分のガイド部材15の下部が開放されてサーマルヘッド3が露出している。
また、図1に示すガイド部材15の空洞部15aを挟んで前後方向に対向する一対の側壁15bには、それぞれ一対の操作ピン15cが外向きに突出形成されている。また、ガイド部材15の側壁15bと対向する外側にホルダー部材10が配設され、このホルダー部材10に、一対の操作ピン15cが嵌合してスライド可能なスライド溝(図示せず)が形成されている。
【0032】
前記ガイド部材15は、サーマルヘッド3を支持するヘッド支持部材5と別体になっているので、サーマルヘッド3をプラテンローラ2に位置合わせする組立調整時に、サーマルヘッド3を移動調整してもガイド部材15が動かないので、組立性が良い。
また、ガイド部材15の下面側には、空洞部15aから下方に露出するサーマルヘッド3の図示右側に第1ガイドローラ15dと、サーマルヘッド3の図示左側に第2ガイドローラ15eが回転自在に配設されている。
【0033】
このようなガイド部材15は、図示を省略した第2弾性部材よって、常にプラテンローラ2から離れる方向に弾性付勢されており、操作ピン15cが第2カム部14の逃げ部14bに位置しているときは、図2に示すように、ガイド部材15がプラテンローラ2から離れた上昇位置に位置するようになっている。
同時に、上昇するガイド部材15によって、サーマルヘッド3もヘッドアップ状態になるようになっている。
【0034】
また、プラテンローラ2の図示左側には、紙送りローラ16と、この紙送りローラ16にコイルバネ17で圧接する圧接ローラ18が配設されている。
また、ヘッドアップ状態のサーマルヘッド3とプラテンローラ2との間には、カラー印刷可能な印画紙等の厚紙からなる記録用紙19が、プラテンローラ2の図示右側から搬送されて、紙送りローラ16と圧接ローラ18に圧接挟持されて、矢印A方向、または矢印B方向に搬送可能になっている。
また、本発明のサーマルプリンタ1が熱転写プリンタの場合は、ヘッドアップ状態のサーマルヘッド3とプラテンローラ2との間で、記録用紙19の上部側にインクリボン(図示せず)が配設されている。
そして、印刷中に記録用紙19に密着したインクリボンは、第1ガイドローラ15eによって剥離されて、図示左方向に搬送されるようになっている。
【0035】
このような構成の本発明のサーマルプリンタ1の動作を説明すると、まず、初期状態においては、サーマルヘッド3がヘッドアップ状態となっていると共、ガイド部材15が上昇してプラテンローラ2から離間している。
このような初期状態のサーマルヘッド3およびガイド部材15と、プラテンローラ2との間に図示右側から記録用紙19が矢印A方向に搬送されて、記録用紙19の頭出しが行われる。
そして、記録用紙19の頭出しが行われると、駆動源であるモ−タを駆動して駆動軸12を反時計回り方向に回転する。
【0036】
すると、第1カム部11aが駆動軸12と同方向の反時計回り方向に回動すると共に、第1ギア11bに噛み合う第2ギア13aが時計回り方向に回転して、第2カム部14が時計回り方向に回動する。
そして、第2カム部14の逃げ部14bに位置していた操作ピン15cが、第2カム部14の押圧部14aに押され、ガイド部材15が独立して降下して記録用紙19をプラテンローラ2に圧接する。
【0037】
この時の記録用紙19は、第1、第2ガイドローラ15d、15eに押圧されて、プラテンローラ2の対する圧接角がαとなって、確実にプラテンローラ2の外周面に密着した状態となる。
その後、第1カム部11aが圧接板9の圧接部9aを下方に押圧することにより、第1弾性部材8を介してヘッド支持部材5のヘッド取付部5aが下方に押される。この時、ヘッド支持部材5と圧接板9とは、支持軸6を支点として反時計回り方向に回動する。
このことにより、サーマルヘッド3がヘッドダウンしてインクリボンと記録用紙19を介してプラテンローラ2に圧接する。
【0038】
この状態でサーマルヘッド3の複数の発熱素子を印刷情報に基づいて選択的に発熱させることにより、記録用紙19がサーマル紙の場合だと、記録用紙19が発色して画像が印刷される。
また、カラー印刷用のインクリボンを用いた熱転写プリンタの場合は、最初の色のインクリボンのインクが転写されて記録用紙19に1色目の画像が転写される。その後、ガイド部材15を上昇させると共にサーマルヘッド3をヘッドアップして、記録用紙19を矢印B方向にバックフィードする。
【0039】
そして、再度記録用紙19の頭出しを行うと共に、サーマルヘッド3をヘッドダウンさせて、1色目の画像の上に2色目の色の画像を重ね印刷する。
このような動作を複数回繰り返すことにより、所望のカラー画像を記録用紙19に印刷することができる。
このような本発明のサーマルプリンタ1は、サーマルヘッド3がヘッドダウンする前に、ガイド部材15が独立して降下して、厚紙から成る記録用紙19を圧接角αでプラテンローラ2に圧接するようになっているので、圧接角αで湾曲した記録用紙19が平坦状に戻ろうとする反力がヘッドダウンさせたサーマルヘッド3に加わることがない。
そのために、サーマルヘッド3をヘッドダウンさせる押圧力が小さくても、高品質の印刷を記録用紙19に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のサーマルプリンタの斜視図である。
【図2】図1の要部断面図である。
【図3】従来のサーマルプリンタの側面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 本発明のサーマルプリンタ
2 プラテンローラ
3 サーマルヘッド
4 ヘッド取付台
5 ヘッド支持部材
6 支持軸
7 バネ支持板
8 第1弾性部材
9 圧接板
10 ホルダー部材
11 第1駆動部材
11a 第1カム部
11b 第1ギア
12 駆動軸
13 第2駆動部材
13a 第2ギア
14 第2カム部
15 ガイド部材
15a 空洞部
15b 側壁
15c 操作ピン
16 紙送りローラ
17 コイルバネ
18 圧接ローラ
19 記録用紙



【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーマルヘッドと、このサーマルヘッドが接離(ヘッドアップ/ダウン)可能なプラテンローラと、このプラテンローラに対して前記サーマルヘッドをヘッドアップ/ダウン可能に支持するヘッド支持部材と、前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとの間に搬送されてきた記録用紙を前記プラテンローラに圧接可能なガイド部材とを備え、前記サーマルヘッドは、前記ヘッド支持部材が回動することで前記ヘッドアップ/ダウン可能になっており、
前記ガイド部材は、前記ヘッド支持部材と別体になっており、前記ヘッド支持部材を回動操作可能な駆動源によって、前記ガイド部材が独立して前記プラテンローラに対して昇降可能になっていることを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項2】
前記駆動源には、前記サーマルヘッドを前記ヘッドアップ/ダウン駆動可能な第1駆動部材が連結され、前記ヘッド支持部材は、前記サーマルヘッドを取り付けた部分を前記第1駆動部材が押圧することで回動可能になっていることを特徴とする請求項1記載のサーマルプリンタ。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記第1駆動部材に連結する第2駆動部材によって前記プラテンローラに対して昇降可能になっていることを特徴とする請求項2記載のサーマルプリンタ。
【請求項4】
前記ヘッド支持部材は、前記第1駆動部材との間に配設した圧接板を介して回動可能になっており、前記ヘッド支持部材と前記圧接板との間には、前記ヘッド支持部材と前記圧接板とを互いに離れる方向に付勢する第1弾性部材が配設され、前記第1駆動部材が前記圧接板を押圧すると、前記第1弾性部材を介して前記ヘッド支持部材が回動することを特徴とする請求項2、または3記載のサーマルプリンタ。
【請求項5】
前記第1駆動部材には、前記圧接板を押圧操作可能な第1カム部と歯山の一部が切り欠きされた平歯車からなる第1ギアとが形成され、前記第2駆動源には、前記ガイド部材を押圧して昇降操作可能な第2カム部と前記第1ギアに噛み合う第2ギアとが形成され、前記駆動源によって前記第1駆動部材が回動すると、前記第2ギアが回転して前記第2カム部が回動し、前記ガイド部材が昇降することを特徴とする請求項3、または4記載のサーマルプリンタ。
【請求項6】
前記ガイド部材には、前記第2カム部が押圧操作可能な操作ピンが形成され、この操作ピンは、前記駆動源に連結する駆動軸を支持するホルダー部材に形成したスライド溝に嵌合して、前記ガイド部材が昇降可能になっていることを特徴とする請求項5記載のサーマルプリンタ。
【請求項7】
前記ガイド部材には、前記プラテンローラを挟んで前記記録用紙の搬送方向における上流側と下流側に、回転自在の一対のガイドローラが配設されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のサーマルプリンタ。
【請求項8】
前記ガイド部材には、このガイド部材を前記プラテンローラから離れる方向に弾性付勢する第2弾性部材が配設されいることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のサーマルヘッド。
【請求項9】
前記ガイド部材で前記プラテンローラに圧接された前記記録用紙は、前記プラテンローラに対して所定の圧接角度で湾曲するようになっていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のサーマルプリンタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−116714(P2006−116714A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−303911(P2004−303911)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】