システムキッチン
【課題】コイルユニットが搭載されたベースプレートの収納や取り出しを容易に実行することができるシステムキッチンを提供する。
【解決手段】天板13と、調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、天板13の下部においてベースプレートの上下面が略鉛直方向となるように縦収納可能な収納部33と、ベースプレートを収納部33に対して略鉛直方向へ向けて昇降させる昇降制御部38と、ベースプレートの下端を支持するアーム34と、アーム34に下端が支持されたベースプレートの上下面が略鉛直方向から略水平方向にかけて旋回自在となるように当該アーム34を回転させる回転駆動部35とを備える。
【解決手段】天板13と、調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、天板13の下部においてベースプレートの上下面が略鉛直方向となるように縦収納可能な収納部33と、ベースプレートを収納部33に対して略鉛直方向へ向けて昇降させる昇降制御部38と、ベースプレートの下端を支持するアーム34と、アーム34に下端が支持されたベースプレートの上下面が略鉛直方向から略水平方向にかけて旋回自在となるように当該アーム34を回転させる回転駆動部35とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムキッチンに関し、特に天板上において調理用容器を載置してコイルユニットを介して誘導加熱調理する際に好適なシステムキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
台所に設置されるシステムキッチン50は、図7に示すように、流し台キャビネット51と、これに互いに隣接して設置されるコンロ用キャビネット52と、それらを被覆する1枚の天板53とを備えている。このシステムキッチン50においては、天板53のうち流し台キャビネット51を被覆する流し台領域Aにはシンク54が形成されており、このシンク54に対して水栓61から湯水が供給されることになる。コンロ用キャビネット52を被覆するコンロ領域Bの前面部寄りには長方形の開口部56が切り抜かれて、その開口部56から1台のコンロ55がコンロ用キャビネット52上に落とし込まれている。また、この流し台領域Aと、コンロ領域Bの中間には、調理台ユニット領域Cが形成され、ユーザは、かかる調理台ユニット領域Cの上面に貼り渡されている天板53上において食物を調理し、或いは調理に必要な器具や食器等を載置する。
【0003】
ここで一般的にシステムキッチンとは、収納用の各種フロアキャビネットを併設し、該フロアキャビネット上にはワークトップを有し、必要によってシンクあるいは加熱調理機器を配した、モジュール化されコーディネートされた組み合わせ型キッチンであり、広義には、間仕切り収納キャビネットやダイニングカウンターを含む。これらワークトップ又はカウンターを総称して、以下天板という。
【0004】
図8は、かかるコンロ領域B並びに調理台ユニット領域Cにおける使用例を示している。
【0005】
この図8に示す例において、先ずコンロ領域Bでは、コンロ55本体を構成する本体ケース81が天板上から落とし込み状態に固定装着されている。このコンロ55本体には、複数のガスバーナ84が配設されており、上面に設けられたカバー83には、該各ガスバーナ84が臨むバーナ用開口部85が開設されている。さらに、前記バーナ用開口部85上方には五徳86が配設され、バーナの炎や、炎により生じた熱気が五徳86の爪部に載置された調理鍋74等の底面に沿って五徳86の外側に放出されるようになっている。即ち、ガスバーナ84を燃焼させることにより、前記五徳86に載置した調理鍋74内の食材等を加熱調理することが可能となる。
【0006】
また、調理台ユニット領域Cでは、実際に食物を切り刻み、加工するためのまな板91や、洗浄した食器類を乾燥させるためのステンレス製の食器篭92等が載置される。さらには、トースター65,ジューサー69,炊飯器71等のような実際の調理に必要な調理用機器等が所狭しと配置されることになる。これら各調理用機器は、コンセント61やプラグ67を介して電源が供給される。
【0007】
これらトースター65やジューサー69、炊飯器71等の各種調理用機器の代替として、例えば泡立て器や食器洗い機等の各種調理用機器をこの調理台ユニット領域Cに配置する場合もあり、同じくコンセント61からの電源を供給することになる。
【0008】
ところで、数多くのレシピが研究されつつある中、和洋東西多彩を極めた多岐にわたる調理が家庭においても実現可能となった昨今において、多くの調理用機器を同時に動作させる必要性も高まっている。
【0009】
しかしながら、上述の如き従来のシステムキッチンにおいて多くの調理用機器を同時に動作させるためには、面積が限定された調理台ユニット領域Cにおいて、多くの調理用機器を配置しなければならない。このため、食器籠92を含め他の食器を置くスペースや、まな板91を使用して食物を加工するためのスペースが必然的に小さくなる。また、調理台ユニット領域Cに隣接するコンロ領域Bにおいてもガスコンロを利用して調理鍋に入れた食物等を同時に煮たりする場合もあるが、かかるガスコンロからの熱が調理台ユニット領域C上に置いてある調理用機器に伝熱することもあるため、かかる調理用機器の配置箇所において更なる制約がかかる。
【0010】
一方、多くのガスコンロを用いて一度に多くの食物等を同時に煮炊きする場合には、ガスコンロを増設する必要があるところ、上述のガスコンロ領域Bにおける天板上の占有率を高く設定するとともに調理台ユニット領域Cの占有率を低く設定したい場合もある。また、図8に示す既存のシステムキッチンにおいては、本体ケースが天板上から落とし込み状態に固定装着されるものであり、ガスコンロを増設し、ガスコンロ領域を大幅に移動させることはできなかった。
【0011】
従って、調理台ユニット領域Cやコンロ領域Bの天板上における占有比率をユーザの意思に応じて可変とすることにより、かかる調理をより効率的に実現ことが望まれている。
【0012】
特にこのような要請に応えるためには、ガスコンロの配置の自由度をいかにして向上させるかが最重要課題となる。かかる課題を解決すべく、電磁誘導を利用して加熱調理する電磁誘導加熱装置を上記ガスコンロの代替として用いる手法が従来において提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0013】
この特許文献1に示される電磁誘導加熱装置100は、例えば図9に示すように、調理鍋等に代表される負荷部98とこの負荷部98を誘導加熱する磁気発生部99とを備え、この磁気発生部99は、上記負荷部98を載置するためのトッププレート103と、トッププレート103の下部に設けられ、上記誘導加熱を実行するための高周波磁界を発生する一次コイル104とこの一次コイル104を駆動するインバータ107とを備え、このインバータ107には電源コード109を介して電源が供給されることになる。
【0014】
ユーザは、この磁気発生部99を天板上の任意の位置に配置することができるため、調理台ユニット領域Cとコンロ領域Bとを区別することなく、電磁誘導加熱装置100と調理用機器との間で自由な配置のバリエーションを楽しむことが可能となる。
【特許文献1】特開平5−184471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、この従来の電磁誘導加熱装置100を上述したガスコンロの代替として用いる場合には、負荷部98のみならず、磁気発生部99本体をも天板上に載置しなければならない。このため、調理台ユニット領域Cをより広くしたい場合、さらには天板上の全スペースを調理台ユニット領域Cとして活用したい場合において、やはりこの電磁誘導加熱装置100が天板上に載置されているとこれが障害となるという問題点があった。
【0016】
また、調理台ユニット領域Cをより広く使用したい場合に、電磁誘導加熱装置100を天板から撤去し、例えばシステムキッチン内のキャビネット等に収納することとになるが、かかる場合にはユーザの労力の負担が増大してしまう。また、一度収納した電磁誘導加熱装置100を利用して加熱調理を望む場合には、再びこの電磁誘導加熱装置100を取り出してこれを天板上に移動させなければならなかった。
【0017】
即ち、この電磁誘導加熱装置100の収納や取り出しを、容易に実行するシステムを作り出すことにより、ユーザの労力を極力軽減させつつ調理台ユニット領域の広さを自在に改変可能とする必要がった。
【0018】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、電磁誘導加熱装置の収納や取り出しを容易に実行することが可能なシステムキッチンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明を適用したシステムキッチンは、上述した課題を解決するために、天板と、高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有し上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、上記天板の下部において上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向となるように縦収納可能な収納部と、上記ベースプレートを上記収納部に対して略鉛直方向へ向けて昇降させる昇降制御手段と、上記昇降制御手段により略鉛直方向へ向けて引き上げられた上記ベースプレートの下端を支持するアームと、上記アームに下端が支持された上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向から略水平方向にかけて旋回自在となるように当該アームを回転させる回転駆動手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明を適用したシステムキッチンは、上述した課題を解決するために、天板と、高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有し上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、上記天板の下部において上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向となるように縦収納可能な収納部と、上記ベースプレートを上記収納部に対して略鉛直方向へ向けて昇降させる昇降制御手段と、上記昇降制御手段により略鉛直方向へ向けて引き上げられた上記ベースプレートの下端を支持するアームと、上記アームに下端が支持された上記アームに下端が支持された上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向から略水平方向にかけてユーザの手動により旋回自在とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
極めて簡単な操作のみでベースプレートの取り出し、収納を実行することができ、ユーザの労力を極力軽減させつつ、調理台の広さを自在に改変することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、飲食店や家庭等において食物を調理する際に適用されるシステムキッチンについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
本発明を適用したシステムキッチン1は、少なくともワークトップ又はカウンター(以下、これらを天板という)を有するシステムキッチンであって、図1(a),(b)に示すように、キャビネット11と、このキャビネット11における上面を被覆する天板13と、この天板13に隣接する流し台領域Aにおいて形成されたシンク14と、シンク14に対して湯水を供給するための水栓15とを備えている。以下では、システムキッチン1を、キッチンの作業台を壁面から分離し、島(Island)型に設けたいわゆるアイランドキッチンとして適用する場合について説明をするが、かかる場合に限定されるものではなく、シンク、コンロのある作業台を1列に並べたいわゆる1列型キッチン、或いはシンク、コンロをL字型に並べたいわゆるL型キッチンとして適用するようにしてもよい。
【0024】
キャビネット11は、例えば前面側に片開き可能に軸着されている図示しない扉や収納用引出を設けてもよく、これら各扉や収納用引出内には、主として台所用具や食器等を収納可能な棚やケース等を設けるようにしてもよい。
【0025】
シンク14には、水切り用の凹み部等が形成されており、底面には排水口が設けられている。このシンク14において、凹み部並びに排水口は、プレス成形や注型成形、インジェクション成形等の方法により互いに一体に成形されている。シンク14の材質は、特に限定されるものではないが、耐熱性のある樹脂やステンレス鋼板等の金属を用いることも可能である。
【0026】
天板13は、表面が平滑なガラス板で構成されている。この天板13上には、食材等を加熱調理するための調理鍋やポット等に代表される調理用容器や、実際に食材を切り刻み、加工するためのまな板がユーザ任意の位置に載置可能な構成とされている。
【0027】
この天板13上には、調理用容器が複数に亘り任意の位置に載置される場合もあるし、まな板以外に、図示しない食器篭や炊飯器、ジューサー等といった各種調理用機器20がそれぞれ任意の位置に載置される場合もある。即ち、この天板13は、調理用容器20が載置される可能性があることから、耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性、機械的強度に優れた材料で構成する必要があるところ、通常、耐熱ガラスやセラミックス等で構成される。
【0028】
ちなみに、本発明を適用したシステムキッチン1では、天板13上に載置された調理用容器20につき、IH(電磁誘導加熱)ヒータ等に代表されるコイルユニットを利用して誘導加熱する。実際にこの誘導加熱は、配設されたIHヒータ機器3を介して実行していくことになる。
【0029】
IHヒータ機器3は、IHヒータとしてのコイルユニット31を収納している。通常、このコイルユニット31を使用しない場合には、図1(a)に示すように収納された状態となるが、調理用容器20を介した加熱調理を行う場合には、図1(b)に示すようにコイルユニット31を引き出して天板13上に配置することになる。コイルユニット31は、実際には、平板上のベースプレート32に搭載されている。
【0030】
図2は、一のIHヒータ機器3におけるコイルユニット31の収納時についての断面構成を示している。
【0031】
天板13の下部においてベースプレート32の上面32a、32bが略鉛直方向となるように(上面32a、上面32bの法線ベクトル方向が略水平方向となるように)縦収納可能な収納部33が鉛直下向きに向けて形成されている。
【0032】
この収納部33の周囲には、操作ボタン21と、回転駆動部35と、電源回路部36と、昇降制御部38とが設けられている。また回転駆動部35にはアーム34の一端34aが取り付けられている。
【0033】
操作ボタン21は、ベースプレート32の自動的な引き出しや収納をユーザが指示するためのものである。仮に、この操作ボタン21がユーザによって押圧された場合には、その旨の操作信号が生成され、これが回転駆動部35や昇降制御部38へと送られることになる。
【0034】
アーム34は、一端34aに取り付けられた回転駆動部35による制御に基づいて図中w方向に回転自在に構成されている。このアーム34は、折り曲げ点34bにおいて折り曲げられて構成され、さらに上方へ向けて延長されて構成されてなり、その端部34cには、ベースプレート32を支持するための支持機構が設けられている。この支持機構は、ベースプレート32の下端をロックするための係合部等で構成されている。即ち、このベースプレート32は、その下端がアーム34における支持機構によりロックされることにより、鉛直方向へ直立させた状態で保持することが可能となる。
【0035】
アーム34には、回転軸49が設けられている。この回転軸49は、回転駆動部35における回転軸係合溝35aと係合自在とされている。また、この回転軸49には、液体の粘性抵抗を利用したり、摩擦抵抗を利用した各種の図示しない回転ダンパが連結されている。これにより、アーム34の回動動作を遅動させることが可能となり、このアーム34に支持されるベースプレート32の天板13に対する衝撃を吸収することが可能となる。
【0036】
なお、この回転駆動部35は、図示しないCPU等を利用した制御部が搭載され、操作ボタン21から送られてきた操作信号を受けてアーム34を自動的に回転させるようにしてもよい。
【0037】
電源回路部36は、ベースプレート32の収納動作、引き出し動作を実行するための電力や、コイルユニット31による誘導加熱動作のための電力を供給する。
【0038】
昇降制御部38は、図示しないCPU等による制御に基づいて動作し、操作ボタン21から送られてきた操作信号を受けてベースプレート32を鉛直方向に向けて引き上げ、又はこのベースプレート32を鉛直方向に向けて降ろす、昇降動作を実行する。この昇降動作は、図示しないアクチュエータを介して実行するようにしてもよい。
【0039】
次に、コイルユニット31の構成について説明をする。図3は、これらコイルユニット31のブロック構成図であり、図4は、かかるコイルユニット31の構成断面図である。これら、図3,4に示すように、コイルユニット31は、インバータブロック331と、制御ブロック332に大別されて構成されている。このインバータブロック331は、実際に誘導加熱する高周波磁界を制御するためのブロックであり、制御ブロック332は、コイルユニット3全体を制御するためのブロックである。
【0040】
インバータブロック331は、家庭用のAC200V(50/60Hz)の電源を電源プラグ329から電源コード330を介して受給する整流回路333と、この電源コード330と整流回路333との間に配設された電流検知コイル344と、この整流回路333に接続されてなり、鉄心にコイルを巻回すことにより構成されるチョークコイル334と、このチョークコイル334との間で直列LC回路を構成するコンデンサ335と、整流回路333の出力端子間を直列に接続するようにして配設される第1のスイッチング素子336並びに第2のスイッチング素子337と、これらスイッチング素子336,337に対して並列に接続される2つの共振コンデンサ338,339と、これら共振コンデンサ338,339の接続点に短絡されるカーレントトランス340と、インバータブロック331の内部の何れかに実装される回路保護サーモ341とを備えている。このインバータブロック331におけるカーレントトランス340の一端側と、上記スイッチング素子336,337の接続点には、さらに誘導加熱コイル342が接続され、この誘導加熱コイル342の略中心付近には鍋温度検知サーミスタ350が設けられている。ちなみに、加熱調理時においては、この誘導加熱コイル342からの高周波磁界により天板13を介して調理用容器20を誘導加熱できる位置まで、コイルユニット31、32自体が移動させられることになる。
【0041】
制御ブロック332は、上記インバータブロック331における電流検知コイル344に接続される一次電流検知回路345と、整流回路333へ供給される電流を検知するための電源電圧検知回路346と、少なくとも上記一次電流検知回路345並びに電源電圧検知回路346に接続されてなり、この制御ブロック332全体を制御するための中央演算ユニットとしての役割を担う制御回路347と、この制御回路347と上記スイッチング素子336,337とに接続されるインバータ駆動回路348と、接続された回路保護サーモ341からの検知情報を制御回路347へ送信するための温度検知回路349と、カーレントトランス340並びに制御回路347にそれぞれ接続されるコイル電流検知回路351と、温度検知サーミスタ350並びに制御回路347にそれぞれ接続される鍋温度検知回路352とを少なくとも備えている。また、この制御ブロック332は、上記制御回路347に対して更に冷却ファン354と、アラーム362と、表示部363と、操作部357とを接続して構成されている。
【0042】
これら各構成要素は、図4に示すように筐体305内部に実装されてなり、特にインバータブロック331並びに制御ブロック332は載置台306上に載置されて取り付けられることになる。さらに、この筐体305は、冷却用ファン354の配設位置近傍の底面において吸気口358が形成されてなり、さらに一の側面には排気口359が形成されている。
【0043】
先ず、インバータブロック331の詳細な構成につき説明をする。
【0044】
整流回路333は、接続された電源プラグ329からの電源用電流を整流するために配設されたものであって、供給された交流としての電源用電流を直流に変換する。チョークコイル334とコンデンサ335とにより構成されるLC直列回路は、いわゆる平滑回路を構成する。スイッチング素子336,337は、例えばトランジスタ等で構成され、各スイッチング素子336,337のエミッタとコレクタには逆導通用のダイオード362,363がそれぞれ並列接続される。スイッチング素子336のベースにはインバータ駆動回路348からの駆動信号QAが供給され、スイッチング素子337のベースにはインバータ駆動回路348からの駆動信号QBが供給される。即ち、インバータ駆動回路348は、この駆動信号QAと駆動信号QBとを交互に供給することにより、共振コンデンサ338,339と誘導加熱コイル342に共振電流を流すことが可能となる。
【0045】
誘導加熱コイル342は、図4に示すように、筐体305の上面305aに対向させて配設されてなる。この誘導加熱コイル342における巻き数は、上記調理用容器20を加熱する際における電力を支配するものであり、調理用容器20における底板の表皮抵抗や共振電流の大きさとの関係において最適に調整されている必要がある。この誘導加熱コイル342は、上記供給される共振電流に基づいて共振されることになり、その結果、高周波磁界を発生させることが可能となる。
【0046】
回路保護サーモ341は、温度の変化に応じて抵抗値が変化するサーミスタ等で構成される。この回路保護サーモ341は、主としてインバータブロック331や制御ブロック332を構成する空間の温度を測定する。
【0047】
温度検知サーミスタ350は、回路保護サーモ341と同様にサーミスタで構成される。この鍋温度検知サーミスタ350は、天板13を介して調理用容器20の温度を検知すべく、上述の如く誘導加熱コイル342の中心付近に配設されることになる。
【0048】
カーレントトランス340は、誘導加熱コイルに流れる共振電流の電流値を検知するためのコイル等である。
【0049】
次に、制御ブロック332の詳細な構成につき説明をする。
【0050】
一次電流検知回路345は、接続された電流検知コイル344を介して、電源プラグ329を介して供給される電源用電流の電流値を検知する。この一次電流検知回路345は、この検知した電流値を制御回路347へと通知する。
【0051】
電源電圧検知回路346は、電源プラグ329からの電源用電流に基づく電圧を検知する。電源電圧検知回路346は、この検知した電圧を制御回路347へ通知する。
【0052】
制御回路347は、CPU等で構成される。この制御回路347は、上述した一次検知回路345により検知された電流値が通知され、かつ電源電圧検知回路346により検知された電圧が通知された場合には、これらを参照しつつ、設定された電力となるようにインバータ駆動回路348を制御する。この制御回路347は、操作部357を介したユーザからの命令を解釈し、これに基づいてインバータ駆動回路348、冷却ファン354、アラーム362を制御するとともに、所定の情報を表示部363を介して表示する。
【0053】
インバータ駆動回路348は、正弦波信号を発振させるための発振回路として構成され、制御回路347による制御に基づいて、上記駆動信号QA又は駆動信号QBを生成する。
【0054】
温度検知回路349は、回路保護サーモ341における抵抗値の変化を検出する。この温度検知回路349は、この検出した回路保護サーモ341の抵抗値の変化に基づき、筐体305の内部の温度を検知する。この温度検知回路349は、検知した筐体305内部の温度を制御回路347へ通知する。制御回路347は、温度検知回路349からの通知を介して筐体305内部の温度を随時認識することが可能となる。これにより、例えば運転中において冷却ファン等が停止した場合や、吸気口358や排気口359が詰まった場合等のように冷却性能が低下し、筐体305の内部の温度が急激に上昇した場合には、制御回路347は、温度検知回路349を介してこれを認識し、コイルユニット31、32全体の動作を停止させることも可能となる。
【0055】
コイル電流検知回路351は、カーレントトランス340により検知された共振電流の電流値を読み取り、これを制御回路347へ通知する。制御回路347は、コイル電流検知回路351を介して共振電流の電流値を随時認識することができる。これにより、制御回路347は、例えば、調理用容器20の材質や形状に応じて決定される誘導加熱に必要な電力に対して、必要以上の共振電流が流れるのを抑制することが可能となり、さらには、誘導加熱中において調理用容器20が外された場合において、コイルユニット3全体の動作を停止させるとともに、アラーム362を介してこれをユーザに通知することも可能となる。
【0056】
鍋温度検知回路352は、鍋温度検知サーミスタ350における抵抗値の変化を検出する。この鍋温度検知回路352は、この検出した鍋温度検知サーミスタ350の抵抗値の変化に基づき、調理用容器20の温度を検知する。この鍋温度検知回路352は、検知した調理用容器20の温度を制御回路347へ通知する。制御回路347は、温度検知回路349からの通知を介して調理用容器20の温度を随時認識することが可能となる。これにより、例えば調理用容器20の底部の温度が規定値以上に上昇した場合には、コイルユニット31全体の動作を停止させることも可能となる。
【0057】
冷却ファン354は、制御回路347による制御に基づいて回転させられる。この冷却ファン354の回転に応じて、吸気口358から冷却風が吸い込まれることになる。この吸い込まれた冷却風は、インバータブロック331や制御ブロック332上を通過することによりこれらを冷却し、排出口359から外部へと排出されることになる。
【0058】
アラーム362は、制御回路347による制御に基づいて所定の音を発生させる音声発振器で構成される。
【0059】
表示部363は、制御回路47による制御に基づいて所定の情報を表示する液晶表示面等で構成される。
【0060】
操作部357は、ユーザが実際にコイルユニット31を操作するためのキーやボタン等で具体化される。この操作部357においてユーザから入力された内容は、制御回路347へ通知され、制御回路347はかかる入力された内容に基づいてコイルユニット31の各構成要素を制御していくことになる。ちなみにこの操作部357は、筐体305の表面に形成されたボタン等を想定しているが、かかる場合に限定されるものではなく、例えば、無線通信でユーザからの入力内容を送信するためのリモートコントローラで構成されていてもよい。
【0061】
次に、上述の構成からなるコイルユニット31により、実際に調理用容器20を誘導加熱する方法につき説明をする。
【0062】
先ず、電源プラグ329から電源コード330を介して電源用電流を受給する。この受給した電源用電流は、整流回路333において整流されることになる。このとき、インバータ駆動回路348は、制御回路347による制御の下、スイッチング素子336,337に供給する駆動信号QA、QBの調整する。
【0063】
図5(a)は、誘導加熱コイル342に流れる共振電流を、図5(b)は、このスイッチング素子336に対して供給される駆動信号QAを、図5(c)は、このスイッチング素子337に対して供給される駆動信号QBを示している。
【0064】
インバータ駆動回路348は、制御回路347による制御の下、時点t0から時点t1に至るまで駆動時間がT1である駆動信号QAをON出力する。この駆動時間T1の間では、スイッチング素子336及びダイオード362と、誘導加熱コイル342と、共振コンデンサ338とで形成される閉回路で共振することになる。ちなみに、インバータ駆動回路348は、時点t1において駆動信号QAをOFFにする。
【0065】
次にインバータ駆動回路348は、制御回路347による制御の下、時点t2から駆動時間がT2である駆動信号QBをON出力する。この駆動時間T2の間では、スイッチング素子337及びダイオード363と、誘導加熱コイル342と、共振コンデンサ339とで形成される閉回路で共振することになる。なお、この駆動時間T2は、上記駆動時間T1と同一である。
【0066】
このように閉回路を変えて誘導加熱コイル342を共振させることにより、誘導加熱コイル342において高周波磁界を発生させることができる。この発生させられた高周波磁界は、天板13を介して調理用容器20の底板を通過していくことになる。この調理用容器20の底板は、金属製であるため、この高周波磁界を金属製の底板に通すことにより、渦電流が発生することになる。この渦電流と調理用容器20の持つ電気抵抗によりジュール熱が生じ、調理用容器20自体が発熱することになる。その結果、調理用容器20内にある食物を加熱調理することが可能となる。
【0067】
次に、本発明を適用したシステムキッチン1において、ベースプレート32の引き出し動作について説明をする。
【0068】
図6(a)は、ベースプレート32が収納されている状態を示している。かかる場合において、操作ボタン21がユーザによって押圧された場合には、その旨の操作信号が生成され、これが回転駆動部35や昇降制御部38へと送られる。
【0069】
昇降制御部38は、かかる操作信号を受けて、縦収納されているベースプレート32を上昇させる。その結果、図6(b)に示すように、ベースプレート32は天板13上において上端から徐々に押し上げられていくことになる。
【0070】
この昇降制御部35による上昇操作が終了すると、例えば図6(c)に示すように、天板13の下端がアーム34における支持機構により支持される。
【0071】
次にアーム34を回転させる。この回転操作は、ユーザによる手動で実行するようにしてもよいし、操作信号を受信した回転駆動部35による制御に基づいて実行するようにしてもよい。その結果、図6(d)に示すように、ベースプレート32は、略鉛直方向から略水平方向にかけて旋回していくことになる。そして最終的に図6(e)に示すようにベースプレート32は天板13上において水平に載置されることになる。
【0072】
次に、本発明を適用したシステムキッチン1において、図6(e)のように天板13上において水平に載置されたベースプレート32を収納する動作について説明をする。
【0073】
先ず、このベースプレート32を押し上げることになるが、この押し上げ動作は、ユーザによる手動で実行するようにしてもよい。
【0074】
また、操作信号を受信した回転駆動部35による制御に基づいて実行するようにしてもよい。ベースプレート32の収納を望むユーザにより操作ボタン21が押圧された場合には、その旨の操作信号が生成され、これが回転駆動部35や昇降制御部38へと送られる。回転駆動部35は、かかる操作信号を受けて、アーム34を回転させる。その結果、図6(d)に示されるように、ベースプレート32は、水平方向から鉛直方向にかけて旋回していき、図6(c)に示されるように鉛直方向に立設された状態となる。この状態で、ベースプレート32は、アーム34における支持機構による支持が解除され、昇降制御部35による制御の下、押し下げられて図6(a)に示すようにIHヒータ機器3内に収納されることになる。
【0075】
このように、本発明を適用したシステムキッチン1においては、操作ボタン21の押圧操作のみで、ベースプレート32の取り出し、収納を実行することができ、ユーザの労力を極力軽減させつつ、調理台の広さを自在に改変することが可能となる。
【0076】
なお上述した操作ボタン21を設ける代わりに、他の手段に基づいて操作信号を生成するようにしてもよい。例えば図示しない赤外センサ等により、ユーザから差し出された手を検出し、これに基づいて操作信号を生成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明を適用したシステムキッチンの斜視図である。
【図2】IHヒータ機器におけるコイルユニットの収納時についての断面構成を示す図である。
【図3】コイルユニットのブロック構成につき示す図である。
【図4】コイルユニットの断面構成図である。
【図5】駆動信号に基づいて生成される共振電流の例につき示す図である。
【図6】本発明を適用したシステムキッチンの動作について説明するための図である。
【図7】従来におけるシステムキッチンを示す図である。
【図8】従来のシステムキッチンにおける問題点につき説明するための図である。
【図9】従来におけるコードレス機器の例につき説明するための図である。
【符号の説明】
【0078】
1 システムキッチン
11 キャビネット
13 天板
14 シンク
15 水栓
31 コイルユニット
32 ベースプレート
33 収納部
34 アーム
35 回転駆動部
38 昇降制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムキッチンに関し、特に天板上において調理用容器を載置してコイルユニットを介して誘導加熱調理する際に好適なシステムキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
台所に設置されるシステムキッチン50は、図7に示すように、流し台キャビネット51と、これに互いに隣接して設置されるコンロ用キャビネット52と、それらを被覆する1枚の天板53とを備えている。このシステムキッチン50においては、天板53のうち流し台キャビネット51を被覆する流し台領域Aにはシンク54が形成されており、このシンク54に対して水栓61から湯水が供給されることになる。コンロ用キャビネット52を被覆するコンロ領域Bの前面部寄りには長方形の開口部56が切り抜かれて、その開口部56から1台のコンロ55がコンロ用キャビネット52上に落とし込まれている。また、この流し台領域Aと、コンロ領域Bの中間には、調理台ユニット領域Cが形成され、ユーザは、かかる調理台ユニット領域Cの上面に貼り渡されている天板53上において食物を調理し、或いは調理に必要な器具や食器等を載置する。
【0003】
ここで一般的にシステムキッチンとは、収納用の各種フロアキャビネットを併設し、該フロアキャビネット上にはワークトップを有し、必要によってシンクあるいは加熱調理機器を配した、モジュール化されコーディネートされた組み合わせ型キッチンであり、広義には、間仕切り収納キャビネットやダイニングカウンターを含む。これらワークトップ又はカウンターを総称して、以下天板という。
【0004】
図8は、かかるコンロ領域B並びに調理台ユニット領域Cにおける使用例を示している。
【0005】
この図8に示す例において、先ずコンロ領域Bでは、コンロ55本体を構成する本体ケース81が天板上から落とし込み状態に固定装着されている。このコンロ55本体には、複数のガスバーナ84が配設されており、上面に設けられたカバー83には、該各ガスバーナ84が臨むバーナ用開口部85が開設されている。さらに、前記バーナ用開口部85上方には五徳86が配設され、バーナの炎や、炎により生じた熱気が五徳86の爪部に載置された調理鍋74等の底面に沿って五徳86の外側に放出されるようになっている。即ち、ガスバーナ84を燃焼させることにより、前記五徳86に載置した調理鍋74内の食材等を加熱調理することが可能となる。
【0006】
また、調理台ユニット領域Cでは、実際に食物を切り刻み、加工するためのまな板91や、洗浄した食器類を乾燥させるためのステンレス製の食器篭92等が載置される。さらには、トースター65,ジューサー69,炊飯器71等のような実際の調理に必要な調理用機器等が所狭しと配置されることになる。これら各調理用機器は、コンセント61やプラグ67を介して電源が供給される。
【0007】
これらトースター65やジューサー69、炊飯器71等の各種調理用機器の代替として、例えば泡立て器や食器洗い機等の各種調理用機器をこの調理台ユニット領域Cに配置する場合もあり、同じくコンセント61からの電源を供給することになる。
【0008】
ところで、数多くのレシピが研究されつつある中、和洋東西多彩を極めた多岐にわたる調理が家庭においても実現可能となった昨今において、多くの調理用機器を同時に動作させる必要性も高まっている。
【0009】
しかしながら、上述の如き従来のシステムキッチンにおいて多くの調理用機器を同時に動作させるためには、面積が限定された調理台ユニット領域Cにおいて、多くの調理用機器を配置しなければならない。このため、食器籠92を含め他の食器を置くスペースや、まな板91を使用して食物を加工するためのスペースが必然的に小さくなる。また、調理台ユニット領域Cに隣接するコンロ領域Bにおいてもガスコンロを利用して調理鍋に入れた食物等を同時に煮たりする場合もあるが、かかるガスコンロからの熱が調理台ユニット領域C上に置いてある調理用機器に伝熱することもあるため、かかる調理用機器の配置箇所において更なる制約がかかる。
【0010】
一方、多くのガスコンロを用いて一度に多くの食物等を同時に煮炊きする場合には、ガスコンロを増設する必要があるところ、上述のガスコンロ領域Bにおける天板上の占有率を高く設定するとともに調理台ユニット領域Cの占有率を低く設定したい場合もある。また、図8に示す既存のシステムキッチンにおいては、本体ケースが天板上から落とし込み状態に固定装着されるものであり、ガスコンロを増設し、ガスコンロ領域を大幅に移動させることはできなかった。
【0011】
従って、調理台ユニット領域Cやコンロ領域Bの天板上における占有比率をユーザの意思に応じて可変とすることにより、かかる調理をより効率的に実現ことが望まれている。
【0012】
特にこのような要請に応えるためには、ガスコンロの配置の自由度をいかにして向上させるかが最重要課題となる。かかる課題を解決すべく、電磁誘導を利用して加熱調理する電磁誘導加熱装置を上記ガスコンロの代替として用いる手法が従来において提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0013】
この特許文献1に示される電磁誘導加熱装置100は、例えば図9に示すように、調理鍋等に代表される負荷部98とこの負荷部98を誘導加熱する磁気発生部99とを備え、この磁気発生部99は、上記負荷部98を載置するためのトッププレート103と、トッププレート103の下部に設けられ、上記誘導加熱を実行するための高周波磁界を発生する一次コイル104とこの一次コイル104を駆動するインバータ107とを備え、このインバータ107には電源コード109を介して電源が供給されることになる。
【0014】
ユーザは、この磁気発生部99を天板上の任意の位置に配置することができるため、調理台ユニット領域Cとコンロ領域Bとを区別することなく、電磁誘導加熱装置100と調理用機器との間で自由な配置のバリエーションを楽しむことが可能となる。
【特許文献1】特開平5−184471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、この従来の電磁誘導加熱装置100を上述したガスコンロの代替として用いる場合には、負荷部98のみならず、磁気発生部99本体をも天板上に載置しなければならない。このため、調理台ユニット領域Cをより広くしたい場合、さらには天板上の全スペースを調理台ユニット領域Cとして活用したい場合において、やはりこの電磁誘導加熱装置100が天板上に載置されているとこれが障害となるという問題点があった。
【0016】
また、調理台ユニット領域Cをより広く使用したい場合に、電磁誘導加熱装置100を天板から撤去し、例えばシステムキッチン内のキャビネット等に収納することとになるが、かかる場合にはユーザの労力の負担が増大してしまう。また、一度収納した電磁誘導加熱装置100を利用して加熱調理を望む場合には、再びこの電磁誘導加熱装置100を取り出してこれを天板上に移動させなければならなかった。
【0017】
即ち、この電磁誘導加熱装置100の収納や取り出しを、容易に実行するシステムを作り出すことにより、ユーザの労力を極力軽減させつつ調理台ユニット領域の広さを自在に改変可能とする必要がった。
【0018】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、電磁誘導加熱装置の収納や取り出しを容易に実行することが可能なシステムキッチンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明を適用したシステムキッチンは、上述した課題を解決するために、天板と、高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有し上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、上記天板の下部において上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向となるように縦収納可能な収納部と、上記ベースプレートを上記収納部に対して略鉛直方向へ向けて昇降させる昇降制御手段と、上記昇降制御手段により略鉛直方向へ向けて引き上げられた上記ベースプレートの下端を支持するアームと、上記アームに下端が支持された上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向から略水平方向にかけて旋回自在となるように当該アームを回転させる回転駆動手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明を適用したシステムキッチンは、上述した課題を解決するために、天板と、高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有し上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、上記天板の下部において上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向となるように縦収納可能な収納部と、上記ベースプレートを上記収納部に対して略鉛直方向へ向けて昇降させる昇降制御手段と、上記昇降制御手段により略鉛直方向へ向けて引き上げられた上記ベースプレートの下端を支持するアームと、上記アームに下端が支持された上記アームに下端が支持された上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向から略水平方向にかけてユーザの手動により旋回自在とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
極めて簡単な操作のみでベースプレートの取り出し、収納を実行することができ、ユーザの労力を極力軽減させつつ、調理台の広さを自在に改変することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、飲食店や家庭等において食物を調理する際に適用されるシステムキッチンについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
本発明を適用したシステムキッチン1は、少なくともワークトップ又はカウンター(以下、これらを天板という)を有するシステムキッチンであって、図1(a),(b)に示すように、キャビネット11と、このキャビネット11における上面を被覆する天板13と、この天板13に隣接する流し台領域Aにおいて形成されたシンク14と、シンク14に対して湯水を供給するための水栓15とを備えている。以下では、システムキッチン1を、キッチンの作業台を壁面から分離し、島(Island)型に設けたいわゆるアイランドキッチンとして適用する場合について説明をするが、かかる場合に限定されるものではなく、シンク、コンロのある作業台を1列に並べたいわゆる1列型キッチン、或いはシンク、コンロをL字型に並べたいわゆるL型キッチンとして適用するようにしてもよい。
【0024】
キャビネット11は、例えば前面側に片開き可能に軸着されている図示しない扉や収納用引出を設けてもよく、これら各扉や収納用引出内には、主として台所用具や食器等を収納可能な棚やケース等を設けるようにしてもよい。
【0025】
シンク14には、水切り用の凹み部等が形成されており、底面には排水口が設けられている。このシンク14において、凹み部並びに排水口は、プレス成形や注型成形、インジェクション成形等の方法により互いに一体に成形されている。シンク14の材質は、特に限定されるものではないが、耐熱性のある樹脂やステンレス鋼板等の金属を用いることも可能である。
【0026】
天板13は、表面が平滑なガラス板で構成されている。この天板13上には、食材等を加熱調理するための調理鍋やポット等に代表される調理用容器や、実際に食材を切り刻み、加工するためのまな板がユーザ任意の位置に載置可能な構成とされている。
【0027】
この天板13上には、調理用容器が複数に亘り任意の位置に載置される場合もあるし、まな板以外に、図示しない食器篭や炊飯器、ジューサー等といった各種調理用機器20がそれぞれ任意の位置に載置される場合もある。即ち、この天板13は、調理用容器20が載置される可能性があることから、耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性、機械的強度に優れた材料で構成する必要があるところ、通常、耐熱ガラスやセラミックス等で構成される。
【0028】
ちなみに、本発明を適用したシステムキッチン1では、天板13上に載置された調理用容器20につき、IH(電磁誘導加熱)ヒータ等に代表されるコイルユニットを利用して誘導加熱する。実際にこの誘導加熱は、配設されたIHヒータ機器3を介して実行していくことになる。
【0029】
IHヒータ機器3は、IHヒータとしてのコイルユニット31を収納している。通常、このコイルユニット31を使用しない場合には、図1(a)に示すように収納された状態となるが、調理用容器20を介した加熱調理を行う場合には、図1(b)に示すようにコイルユニット31を引き出して天板13上に配置することになる。コイルユニット31は、実際には、平板上のベースプレート32に搭載されている。
【0030】
図2は、一のIHヒータ機器3におけるコイルユニット31の収納時についての断面構成を示している。
【0031】
天板13の下部においてベースプレート32の上面32a、32bが略鉛直方向となるように(上面32a、上面32bの法線ベクトル方向が略水平方向となるように)縦収納可能な収納部33が鉛直下向きに向けて形成されている。
【0032】
この収納部33の周囲には、操作ボタン21と、回転駆動部35と、電源回路部36と、昇降制御部38とが設けられている。また回転駆動部35にはアーム34の一端34aが取り付けられている。
【0033】
操作ボタン21は、ベースプレート32の自動的な引き出しや収納をユーザが指示するためのものである。仮に、この操作ボタン21がユーザによって押圧された場合には、その旨の操作信号が生成され、これが回転駆動部35や昇降制御部38へと送られることになる。
【0034】
アーム34は、一端34aに取り付けられた回転駆動部35による制御に基づいて図中w方向に回転自在に構成されている。このアーム34は、折り曲げ点34bにおいて折り曲げられて構成され、さらに上方へ向けて延長されて構成されてなり、その端部34cには、ベースプレート32を支持するための支持機構が設けられている。この支持機構は、ベースプレート32の下端をロックするための係合部等で構成されている。即ち、このベースプレート32は、その下端がアーム34における支持機構によりロックされることにより、鉛直方向へ直立させた状態で保持することが可能となる。
【0035】
アーム34には、回転軸49が設けられている。この回転軸49は、回転駆動部35における回転軸係合溝35aと係合自在とされている。また、この回転軸49には、液体の粘性抵抗を利用したり、摩擦抵抗を利用した各種の図示しない回転ダンパが連結されている。これにより、アーム34の回動動作を遅動させることが可能となり、このアーム34に支持されるベースプレート32の天板13に対する衝撃を吸収することが可能となる。
【0036】
なお、この回転駆動部35は、図示しないCPU等を利用した制御部が搭載され、操作ボタン21から送られてきた操作信号を受けてアーム34を自動的に回転させるようにしてもよい。
【0037】
電源回路部36は、ベースプレート32の収納動作、引き出し動作を実行するための電力や、コイルユニット31による誘導加熱動作のための電力を供給する。
【0038】
昇降制御部38は、図示しないCPU等による制御に基づいて動作し、操作ボタン21から送られてきた操作信号を受けてベースプレート32を鉛直方向に向けて引き上げ、又はこのベースプレート32を鉛直方向に向けて降ろす、昇降動作を実行する。この昇降動作は、図示しないアクチュエータを介して実行するようにしてもよい。
【0039】
次に、コイルユニット31の構成について説明をする。図3は、これらコイルユニット31のブロック構成図であり、図4は、かかるコイルユニット31の構成断面図である。これら、図3,4に示すように、コイルユニット31は、インバータブロック331と、制御ブロック332に大別されて構成されている。このインバータブロック331は、実際に誘導加熱する高周波磁界を制御するためのブロックであり、制御ブロック332は、コイルユニット3全体を制御するためのブロックである。
【0040】
インバータブロック331は、家庭用のAC200V(50/60Hz)の電源を電源プラグ329から電源コード330を介して受給する整流回路333と、この電源コード330と整流回路333との間に配設された電流検知コイル344と、この整流回路333に接続されてなり、鉄心にコイルを巻回すことにより構成されるチョークコイル334と、このチョークコイル334との間で直列LC回路を構成するコンデンサ335と、整流回路333の出力端子間を直列に接続するようにして配設される第1のスイッチング素子336並びに第2のスイッチング素子337と、これらスイッチング素子336,337に対して並列に接続される2つの共振コンデンサ338,339と、これら共振コンデンサ338,339の接続点に短絡されるカーレントトランス340と、インバータブロック331の内部の何れかに実装される回路保護サーモ341とを備えている。このインバータブロック331におけるカーレントトランス340の一端側と、上記スイッチング素子336,337の接続点には、さらに誘導加熱コイル342が接続され、この誘導加熱コイル342の略中心付近には鍋温度検知サーミスタ350が設けられている。ちなみに、加熱調理時においては、この誘導加熱コイル342からの高周波磁界により天板13を介して調理用容器20を誘導加熱できる位置まで、コイルユニット31、32自体が移動させられることになる。
【0041】
制御ブロック332は、上記インバータブロック331における電流検知コイル344に接続される一次電流検知回路345と、整流回路333へ供給される電流を検知するための電源電圧検知回路346と、少なくとも上記一次電流検知回路345並びに電源電圧検知回路346に接続されてなり、この制御ブロック332全体を制御するための中央演算ユニットとしての役割を担う制御回路347と、この制御回路347と上記スイッチング素子336,337とに接続されるインバータ駆動回路348と、接続された回路保護サーモ341からの検知情報を制御回路347へ送信するための温度検知回路349と、カーレントトランス340並びに制御回路347にそれぞれ接続されるコイル電流検知回路351と、温度検知サーミスタ350並びに制御回路347にそれぞれ接続される鍋温度検知回路352とを少なくとも備えている。また、この制御ブロック332は、上記制御回路347に対して更に冷却ファン354と、アラーム362と、表示部363と、操作部357とを接続して構成されている。
【0042】
これら各構成要素は、図4に示すように筐体305内部に実装されてなり、特にインバータブロック331並びに制御ブロック332は載置台306上に載置されて取り付けられることになる。さらに、この筐体305は、冷却用ファン354の配設位置近傍の底面において吸気口358が形成されてなり、さらに一の側面には排気口359が形成されている。
【0043】
先ず、インバータブロック331の詳細な構成につき説明をする。
【0044】
整流回路333は、接続された電源プラグ329からの電源用電流を整流するために配設されたものであって、供給された交流としての電源用電流を直流に変換する。チョークコイル334とコンデンサ335とにより構成されるLC直列回路は、いわゆる平滑回路を構成する。スイッチング素子336,337は、例えばトランジスタ等で構成され、各スイッチング素子336,337のエミッタとコレクタには逆導通用のダイオード362,363がそれぞれ並列接続される。スイッチング素子336のベースにはインバータ駆動回路348からの駆動信号QAが供給され、スイッチング素子337のベースにはインバータ駆動回路348からの駆動信号QBが供給される。即ち、インバータ駆動回路348は、この駆動信号QAと駆動信号QBとを交互に供給することにより、共振コンデンサ338,339と誘導加熱コイル342に共振電流を流すことが可能となる。
【0045】
誘導加熱コイル342は、図4に示すように、筐体305の上面305aに対向させて配設されてなる。この誘導加熱コイル342における巻き数は、上記調理用容器20を加熱する際における電力を支配するものであり、調理用容器20における底板の表皮抵抗や共振電流の大きさとの関係において最適に調整されている必要がある。この誘導加熱コイル342は、上記供給される共振電流に基づいて共振されることになり、その結果、高周波磁界を発生させることが可能となる。
【0046】
回路保護サーモ341は、温度の変化に応じて抵抗値が変化するサーミスタ等で構成される。この回路保護サーモ341は、主としてインバータブロック331や制御ブロック332を構成する空間の温度を測定する。
【0047】
温度検知サーミスタ350は、回路保護サーモ341と同様にサーミスタで構成される。この鍋温度検知サーミスタ350は、天板13を介して調理用容器20の温度を検知すべく、上述の如く誘導加熱コイル342の中心付近に配設されることになる。
【0048】
カーレントトランス340は、誘導加熱コイルに流れる共振電流の電流値を検知するためのコイル等である。
【0049】
次に、制御ブロック332の詳細な構成につき説明をする。
【0050】
一次電流検知回路345は、接続された電流検知コイル344を介して、電源プラグ329を介して供給される電源用電流の電流値を検知する。この一次電流検知回路345は、この検知した電流値を制御回路347へと通知する。
【0051】
電源電圧検知回路346は、電源プラグ329からの電源用電流に基づく電圧を検知する。電源電圧検知回路346は、この検知した電圧を制御回路347へ通知する。
【0052】
制御回路347は、CPU等で構成される。この制御回路347は、上述した一次検知回路345により検知された電流値が通知され、かつ電源電圧検知回路346により検知された電圧が通知された場合には、これらを参照しつつ、設定された電力となるようにインバータ駆動回路348を制御する。この制御回路347は、操作部357を介したユーザからの命令を解釈し、これに基づいてインバータ駆動回路348、冷却ファン354、アラーム362を制御するとともに、所定の情報を表示部363を介して表示する。
【0053】
インバータ駆動回路348は、正弦波信号を発振させるための発振回路として構成され、制御回路347による制御に基づいて、上記駆動信号QA又は駆動信号QBを生成する。
【0054】
温度検知回路349は、回路保護サーモ341における抵抗値の変化を検出する。この温度検知回路349は、この検出した回路保護サーモ341の抵抗値の変化に基づき、筐体305の内部の温度を検知する。この温度検知回路349は、検知した筐体305内部の温度を制御回路347へ通知する。制御回路347は、温度検知回路349からの通知を介して筐体305内部の温度を随時認識することが可能となる。これにより、例えば運転中において冷却ファン等が停止した場合や、吸気口358や排気口359が詰まった場合等のように冷却性能が低下し、筐体305の内部の温度が急激に上昇した場合には、制御回路347は、温度検知回路349を介してこれを認識し、コイルユニット31、32全体の動作を停止させることも可能となる。
【0055】
コイル電流検知回路351は、カーレントトランス340により検知された共振電流の電流値を読み取り、これを制御回路347へ通知する。制御回路347は、コイル電流検知回路351を介して共振電流の電流値を随時認識することができる。これにより、制御回路347は、例えば、調理用容器20の材質や形状に応じて決定される誘導加熱に必要な電力に対して、必要以上の共振電流が流れるのを抑制することが可能となり、さらには、誘導加熱中において調理用容器20が外された場合において、コイルユニット3全体の動作を停止させるとともに、アラーム362を介してこれをユーザに通知することも可能となる。
【0056】
鍋温度検知回路352は、鍋温度検知サーミスタ350における抵抗値の変化を検出する。この鍋温度検知回路352は、この検出した鍋温度検知サーミスタ350の抵抗値の変化に基づき、調理用容器20の温度を検知する。この鍋温度検知回路352は、検知した調理用容器20の温度を制御回路347へ通知する。制御回路347は、温度検知回路349からの通知を介して調理用容器20の温度を随時認識することが可能となる。これにより、例えば調理用容器20の底部の温度が規定値以上に上昇した場合には、コイルユニット31全体の動作を停止させることも可能となる。
【0057】
冷却ファン354は、制御回路347による制御に基づいて回転させられる。この冷却ファン354の回転に応じて、吸気口358から冷却風が吸い込まれることになる。この吸い込まれた冷却風は、インバータブロック331や制御ブロック332上を通過することによりこれらを冷却し、排出口359から外部へと排出されることになる。
【0058】
アラーム362は、制御回路347による制御に基づいて所定の音を発生させる音声発振器で構成される。
【0059】
表示部363は、制御回路47による制御に基づいて所定の情報を表示する液晶表示面等で構成される。
【0060】
操作部357は、ユーザが実際にコイルユニット31を操作するためのキーやボタン等で具体化される。この操作部357においてユーザから入力された内容は、制御回路347へ通知され、制御回路347はかかる入力された内容に基づいてコイルユニット31の各構成要素を制御していくことになる。ちなみにこの操作部357は、筐体305の表面に形成されたボタン等を想定しているが、かかる場合に限定されるものではなく、例えば、無線通信でユーザからの入力内容を送信するためのリモートコントローラで構成されていてもよい。
【0061】
次に、上述の構成からなるコイルユニット31により、実際に調理用容器20を誘導加熱する方法につき説明をする。
【0062】
先ず、電源プラグ329から電源コード330を介して電源用電流を受給する。この受給した電源用電流は、整流回路333において整流されることになる。このとき、インバータ駆動回路348は、制御回路347による制御の下、スイッチング素子336,337に供給する駆動信号QA、QBの調整する。
【0063】
図5(a)は、誘導加熱コイル342に流れる共振電流を、図5(b)は、このスイッチング素子336に対して供給される駆動信号QAを、図5(c)は、このスイッチング素子337に対して供給される駆動信号QBを示している。
【0064】
インバータ駆動回路348は、制御回路347による制御の下、時点t0から時点t1に至るまで駆動時間がT1である駆動信号QAをON出力する。この駆動時間T1の間では、スイッチング素子336及びダイオード362と、誘導加熱コイル342と、共振コンデンサ338とで形成される閉回路で共振することになる。ちなみに、インバータ駆動回路348は、時点t1において駆動信号QAをOFFにする。
【0065】
次にインバータ駆動回路348は、制御回路347による制御の下、時点t2から駆動時間がT2である駆動信号QBをON出力する。この駆動時間T2の間では、スイッチング素子337及びダイオード363と、誘導加熱コイル342と、共振コンデンサ339とで形成される閉回路で共振することになる。なお、この駆動時間T2は、上記駆動時間T1と同一である。
【0066】
このように閉回路を変えて誘導加熱コイル342を共振させることにより、誘導加熱コイル342において高周波磁界を発生させることができる。この発生させられた高周波磁界は、天板13を介して調理用容器20の底板を通過していくことになる。この調理用容器20の底板は、金属製であるため、この高周波磁界を金属製の底板に通すことにより、渦電流が発生することになる。この渦電流と調理用容器20の持つ電気抵抗によりジュール熱が生じ、調理用容器20自体が発熱することになる。その結果、調理用容器20内にある食物を加熱調理することが可能となる。
【0067】
次に、本発明を適用したシステムキッチン1において、ベースプレート32の引き出し動作について説明をする。
【0068】
図6(a)は、ベースプレート32が収納されている状態を示している。かかる場合において、操作ボタン21がユーザによって押圧された場合には、その旨の操作信号が生成され、これが回転駆動部35や昇降制御部38へと送られる。
【0069】
昇降制御部38は、かかる操作信号を受けて、縦収納されているベースプレート32を上昇させる。その結果、図6(b)に示すように、ベースプレート32は天板13上において上端から徐々に押し上げられていくことになる。
【0070】
この昇降制御部35による上昇操作が終了すると、例えば図6(c)に示すように、天板13の下端がアーム34における支持機構により支持される。
【0071】
次にアーム34を回転させる。この回転操作は、ユーザによる手動で実行するようにしてもよいし、操作信号を受信した回転駆動部35による制御に基づいて実行するようにしてもよい。その結果、図6(d)に示すように、ベースプレート32は、略鉛直方向から略水平方向にかけて旋回していくことになる。そして最終的に図6(e)に示すようにベースプレート32は天板13上において水平に載置されることになる。
【0072】
次に、本発明を適用したシステムキッチン1において、図6(e)のように天板13上において水平に載置されたベースプレート32を収納する動作について説明をする。
【0073】
先ず、このベースプレート32を押し上げることになるが、この押し上げ動作は、ユーザによる手動で実行するようにしてもよい。
【0074】
また、操作信号を受信した回転駆動部35による制御に基づいて実行するようにしてもよい。ベースプレート32の収納を望むユーザにより操作ボタン21が押圧された場合には、その旨の操作信号が生成され、これが回転駆動部35や昇降制御部38へと送られる。回転駆動部35は、かかる操作信号を受けて、アーム34を回転させる。その結果、図6(d)に示されるように、ベースプレート32は、水平方向から鉛直方向にかけて旋回していき、図6(c)に示されるように鉛直方向に立設された状態となる。この状態で、ベースプレート32は、アーム34における支持機構による支持が解除され、昇降制御部35による制御の下、押し下げられて図6(a)に示すようにIHヒータ機器3内に収納されることになる。
【0075】
このように、本発明を適用したシステムキッチン1においては、操作ボタン21の押圧操作のみで、ベースプレート32の取り出し、収納を実行することができ、ユーザの労力を極力軽減させつつ、調理台の広さを自在に改変することが可能となる。
【0076】
なお上述した操作ボタン21を設ける代わりに、他の手段に基づいて操作信号を生成するようにしてもよい。例えば図示しない赤外センサ等により、ユーザから差し出された手を検出し、これに基づいて操作信号を生成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明を適用したシステムキッチンの斜視図である。
【図2】IHヒータ機器におけるコイルユニットの収納時についての断面構成を示す図である。
【図3】コイルユニットのブロック構成につき示す図である。
【図4】コイルユニットの断面構成図である。
【図5】駆動信号に基づいて生成される共振電流の例につき示す図である。
【図6】本発明を適用したシステムキッチンの動作について説明するための図である。
【図7】従来におけるシステムキッチンを示す図である。
【図8】従来のシステムキッチンにおける問題点につき説明するための図である。
【図9】従来におけるコードレス機器の例につき説明するための図である。
【符号の説明】
【0078】
1 システムキッチン
11 キャビネット
13 天板
14 シンク
15 水栓
31 コイルユニット
32 ベースプレート
33 収納部
34 アーム
35 回転駆動部
38 昇降制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、
高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有し上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、
上記天板の下部において上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向となるように縦収納可能な収納部と、
上記ベースプレートを上記収納部に対して略鉛直方向へ向けて昇降させる昇降制御手段と、
上記昇降制御手段により略鉛直方向へ向けて引き上げられた上記ベースプレートの下端を支持するアームと、
上記アームに下端が支持された上記アームに下端が支持された上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向から略水平方向にかけてユーザの手動により旋回自在とされていること
を特徴とするシステムキッチン。
【請求項2】
天板と、
高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有し上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、
上記天板の下部において上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向となるように縦収納可能な収納部と、
上記ベースプレートを上記収納部に対して略鉛直方向へ向けて昇降させる昇降制御手段と、
上記昇降制御手段により略鉛直方向へ向けて引き上げられた上記ベースプレートの下端を支持するアームと、
上記アームに下端が支持された上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向から略水平方向にかけて旋回自在となるように当該アームを回転させる回転駆動手段とを備えること
を特徴とするシステムキッチン。
【請求項3】
ユーザによる指定操作に基づいて操作信号を生成する操作手段をさらに備え、
上記昇降制御手段は、上記操作手段により生成された操作信号に基づいて上記ベースプレートを昇降させ、
上記回転駆動手段は、上記操作手段により生成された操作信号に基づいて上記アームを回転させること
を特徴とする請求項1又は2記載のシステムキッチン。
【請求項1】
天板と、
高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有し上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、
上記天板の下部において上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向となるように縦収納可能な収納部と、
上記ベースプレートを上記収納部に対して略鉛直方向へ向けて昇降させる昇降制御手段と、
上記昇降制御手段により略鉛直方向へ向けて引き上げられた上記ベースプレートの下端を支持するアームと、
上記アームに下端が支持された上記アームに下端が支持された上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向から略水平方向にかけてユーザの手動により旋回自在とされていること
を特徴とするシステムキッチン。
【請求項2】
天板と、
高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有し上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、
上記天板の下部において上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向となるように縦収納可能な収納部と、
上記ベースプレートを上記収納部に対して略鉛直方向へ向けて昇降させる昇降制御手段と、
上記昇降制御手段により略鉛直方向へ向けて引き上げられた上記ベースプレートの下端を支持するアームと、
上記アームに下端が支持された上記ベースプレートの上下面が略鉛直方向から略水平方向にかけて旋回自在となるように当該アームを回転させる回転駆動手段とを備えること
を特徴とするシステムキッチン。
【請求項3】
ユーザによる指定操作に基づいて操作信号を生成する操作手段をさらに備え、
上記昇降制御手段は、上記操作手段により生成された操作信号に基づいて上記ベースプレートを昇降させ、
上記回転駆動手段は、上記操作手段により生成された操作信号に基づいて上記アームを回転させること
を特徴とする請求項1又は2記載のシステムキッチン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−260256(P2007−260256A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91699(P2006−91699)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【Fターム(参考)】
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