説明

シヌクレイノパシー(synucleinopathic)およびアミロイド生成性疾患の予防および処置

本発明は、患者の脳内にあるα−シヌクレインのレビー小体など、シヌクレインが原因となる疾患に関連する疾患の治療用の改善された薬剤および方法を提供する。このような方法は、レビー小体に対する有益な免疫原性反応を誘導する薬剤を投与することを伴う。本方法はパーキンソン病の予防上および治療上の処置に特に有用である。1つの局面において、本発明は、脳におけるレビー小体またはα−シヌクレイン凝集を特徴とする疾患の予防または治療を達成する方法であって、該疾患に罹病しているか、そのリスクを有する患者に、配列番号1によって番号付けされた、ヒトα−シヌクレインの1〜20位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体の有効な投与計画を行うことを含む方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳におけるレビー小体またはα−シヌクレイン凝集を特徴とする疾患の予防または治療を達成する方法であって、該疾患に罹病しているか、そのリスクを有する患者に、配列番号1によって番号付けされた、ヒトα−シヌクレインの1〜20位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体の有効な投与計画を行うことを含む方法。
【請求項2】
前記抗体が、ヒトα−シヌクレインの1〜10位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する、請求項2記載の方法。
【請求項3】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記抗体がキメラ抗体である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記抗体がヒト抗体である、請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記抗体がヒト化抗体である、請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記抗体が、ヒトα−シヌクレインへの結合について、マウスモノクローナル抗体6H7(ATCC寄託番号:_)と競合する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記抗体が、マウスモノクローナル抗体6H7(ATCC寄託番号:_)のヒト化バージョンである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
脳におけるレビー小体またはα−シヌクレイン凝集を特徴とする疾患の予防または治療を達成する方法であって、該疾患に罹病しているか、そのリスクを有する患者に、配列番号1によって番号付けされた、ヒトα−シヌクレインの70〜140位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体の有効な投与計画を行うことを含む方法。
【請求項10】
前記抗体がヒトα−シヌクレインの120〜140位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項9または10記載の方法。
【請求項12】
前記抗体がキメラ抗体である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記抗体がヒト抗体である、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記抗体がヒト化抗体である、請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記抗体が、ヒトα−シヌクレインへの結合について、マウスモノクローナル抗体8A5(ATCC寄託番号:_)と競合する、請求項9〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記抗体が、マウスモノクローナル抗体8A5(ATCC寄託番号:_)のヒト化バージョンである、請求項10記載の方法。
【請求項17】
前記抗体が、ヒトIgG1アイソタイプの抗体である、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項18】
前記抗体が、医薬組成物として医薬用担体とともに投与される、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項19】
前記抗体が、体重1kg当り0.0001から100mg、好ましくは、少なくとも1mgの抗体投与量で投与される、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項20】
前記抗体が、複数回用量で少なくとも6ヶ月にわたって投与される、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項21】
前記抗体が、腹腔内、経口、皮下、頭蓋内、筋内、局所、鼻腔内、または静脈内に投与される、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項22】
脳におけるレビー小体またはα−シヌクレイン凝集を特徴とする疾患の予防または治療を達成する方法であって、該疾患に罹病しているか、そのリスクを有する患者に、配列番号1によって番号付けされた、ヒトα−シヌクレインの1〜20位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する第1の抗体の有効な投与計画を行うこと、および、ヒトα−シヌクレインの70〜140位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する第2の抗体の有効な投与計画を行うことを含む方法。
【請求項23】
第2の抗体が、ヒトα−シヌクレインの120〜140位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
疾患がパーキンソン病である、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項25】
α−シヌクレインの1〜40位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体またはヒト化抗体、および医薬用担体を含む医薬組成物。
【請求項26】
前記抗体が、α−シヌクレインの1〜20位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する、請求項25記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記抗体が、α−シヌクレインの1〜10位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する、請求項26記載の医薬組成物。
【請求項28】
α−シヌクレインの70〜140位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合するキメラ抗体またはヒト化抗体、および医薬用担体を含む医薬組成物。
【請求項29】
前記抗体が、α−シヌクレインの120〜140位の残基の中にあるエピトープおよび医薬用担体に特異的に結合する、請求項28記載の医薬組成物。
【請求項30】
ハイブリドーマJH17.6H7.1.54.28(ATCC寄託番号:_)またはJH4.8A5.25.7.36(ATCC寄託番号:_)によって産生されるモノクローナル抗体。
【請求項31】
ハイブリドーマJH17.6H7.1.54.28(ATCC寄託番号:_)またはJH4.8A5.25.7.36(ATCC寄託番号:_)の細胞。
【請求項32】
脳におけるレビー小体またはα−シヌクレイン凝集を特徴とする疾患の予防または治療を達成する方法であって、該疾患に罹病しているか、そのリスクを有する患者に、配列番号1によって番号付けされた、ヒトα−シヌクレインの70〜140位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体を含む免疫原性反応を誘導するのに有効なα−シヌクレインの免疫原性断片を含むポリペプチドを投与して、該疾患の予防または治療を達成することを含む方法。
【請求項33】
前記免疫原性断片が、配列番号1によって番号付けされた、SN130〜136を含み、かつ、α−シヌクレインの全体で40個まで連続した残基を含む、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記免疫原性断片が、配列番号1によって番号付けされた、
【化1】

からなる群から選択される、請求項33記載の方法。
【請求項35】
脳におけるレビー小体またはα−シヌクレイン凝集を特徴とする疾患の予防または治療を達成する方法であって、該疾患に罹病しているか、そのリスクを有する患者に、配列番号1によって番号付けされた、ヒトα−シヌクレインの1〜40位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体を含む免疫原性反応を誘導するのに有効なα−シヌクレインの免疫原性断片を含むポリペプチドを投与して、該疾患の予防または治療を達成することを含む方法。
【請求項36】
前記免疫原性断片が、配列番号1によって番号付けされた、SN1〜5を含み、かつ、α−シヌクレインの全体で40個まで連続した残基を含む、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記免疫原性断片が、SN1〜5、SN1〜6、SN1〜7、SN1〜8、SN1〜9、SN1〜10、SN1〜11、SN1〜12、SN1〜13、およびSN1〜14、SN1〜15、SN1〜16、SN1〜17、SN1〜18、SN1〜19、およびSN1〜20からなる群から選択される、請求項35記載の方法。
【請求項38】
脳におけるレビー小体またはα−シヌクレイン凝集を特徴とする疾患の予防または治療を達成する方法であって、該疾患に罹病しているか、そのリスクを有する患者に、配列番号1によって番号付けされた、ヒトα−シヌクレインの1〜20位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体を含む免疫原性反応を誘導するのに有効なα−シヌクレインの免疫原性断片を含むポリペプチドを投与して、該疾患の予防または治療を達成することを含む方法であって、
該α−シヌクレインの該免疫原性断片が、α−シヌクレインの少なくとも25〜69位の残基、70〜140位の残基、41〜140位の残基、または25〜140位の残基を含まない、方法。
【請求項39】
免疫原性断片が担体に結合して結合体を形成する、請求項32〜38のいずれか記載の方法。
【請求項40】
脳におけるレビー小体またはα−シヌクレイン凝集を特徴とする疾患の予防または治療を達成する方法であって、該疾患に罹病しているか、そのリスクを有する患者に、ヒトα−シヌクレインの1〜20位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体、およびヒトα−シヌクレインの70〜14位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体を含む免疫原性反応を誘導するのに有効なポリペプチドまたはポリペプチドを組み合わせたものを投与することを含む方法であって、
該ポリペプチド、またはポリペプチドを組み合わせたものが、ヒトα−シヌクレインの25〜69位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体を含む免疫原性反応を誘導しない、方法。
【請求項41】
脳におけるレビー小体またはα−シヌクレイン凝集を特徴とする疾患の予防または治療を達成する方法であって、該疾患に罹病しているか、そのリスクを有する患者に、ヒトα−シヌクレインの1〜20位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体を含む免疫原性反応を誘導するのに有効な、α−シヌクレインの第1の免疫原性断片を含むポリペプチドを投与すること、およびヒトα−シヌクレインの70〜140位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体を含む免疫原性反応を誘導するのに有効な、α−シヌクレインの第2の免疫原性断片を含むポリペプチドを投与することを含む方法。
【請求項42】
薬剤がレビー小体を特徴とする疾患を治療するのに有用な活性を有するか否かを判定するために薬剤をスクリーニングする方法であって、該薬剤を、該薬剤によってレビー小体病の特徴が生じるよう処理されたトランスジェニック非ヒト動物と接触させること;対照用トランスジェニック非ヒト動物と比較して、該薬剤が、該特徴を生じる範囲および速度に影響を与えるか否かを判定することを含む方法であって、該薬剤が、配列番号1によって番号付けされた、(i)ヒトα−シヌクレインの70〜140位の残基の中にある少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する抗体を誘導するα−シヌクレインの断片;(ii)ヒトα−シヌクレインの1〜20位の残基の中にある少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する抗体を誘導するα−シヌクレインの断片;(iii)ヒトα−シヌクレインの70〜140位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体;または(iv)ヒトα−シヌクレインの1〜20位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体である方法。
【請求項43】
前記疾患がパーキンソン病である、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項44】
ヒトα−シヌクレインの1〜20位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体を含む、免疫原性反応を誘導するのに有効なα−シヌクレインの第1の免疫原性断片および医薬用担体を含む、医薬組成物。
【請求項45】
ヒトα−シヌクレインの70〜140位の残基の中にあるエピトープに特異的に結合する抗体を含む、免疫原性反応を誘導するのに有効なα−シヌクレインの第2の免疫原性断片をさらに含み、該第2の免疫原性断片が、第1の免疫原性断片とは異なる、請求項44記載の医薬組成物。
【請求項46】
モノクローナル抗体8A5またはモノクローナル抗体6H7をヒト化する方法であって、
該モノクローナル抗体由来のCDR領域のアミノ酸配列を決定すること;
受容体抗体を選択すること;および
該モノクローナル抗体のCDR、および受容体抗体の可変領域のフレームワークを含むヒト化抗体を作製することを含む方法。
【請求項47】
モノクローナル抗体8A5またはモノクローナル抗体6H7のキメラ型を作製する方法であって、
該モノクローナル抗体の軽鎖および重鎖の可変領域のアミノ酸配列を決定すること;
軽鎖および重鎖の定常領域を選択すること;
該軽鎖定常領域に融合した軽鎖可変領域を含む軽鎖と、該重鎖定常領域に融合した重鎖可変領域を含む重鎖とを含むキメラ抗体を作製することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−509223(P2008−509223A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525714(P2007−525714)
【出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/028166
【国際公開番号】WO2006/020581
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(399013971)エラン ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (75)
【出願人】(506115514)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (87)
【Fターム(参考)】