説明

シャクヤクの組織培養法および褐変化抑制方法

【課題】薬用として優れた品種であるが、雄性不稔のため種子繁殖ができない大和シャクヤクの組織培養法に関するものであり、大和シャクヤクの大量生産に繋がる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】大和シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas var.trichocarpa Bunge)の根茎の生長点の組織培養において、低酸素条件下にて培養することにより培養物の褐変化を抑制することができ、さらに培地の鉄分としてキレート鉄を用いることが、培養物の褐変化抑制には効果的であることを見出すとともに、大和シャクヤクの生長点からシュート形成させ、発根させるための好適条件などを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャクヤク(Paeonia lactifloara Pallas)を含む木本植物の組織培養における培養物の褐変化抑制方法、ならびにその方法を用いるシャクヤクの組織培養法に関するものである。具体的には大和シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas var. trichocarpa Bunge)の組織培養において、褐変化を抑制する条件下にて、根茎の生長点からシュートを誘導する方法、得られたシュートを発根培地で発根させることにより大和シャクヤクの植物体を得る方法に関するもので、大和シャクヤクの大量増殖法に繋がる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
シャクヤクはその花が、美しいため、かつて中国では同属のボタンと同様に貴ばれ、「花相」と称されていた。日本には自生せず、奈良時代に薬として渡来したと言われている。江戸時代には観賞用として和芍と総称される多くの園芸品種が作り出された。現在、シャクヤクには江戸時代から育成されてきた和芍系統、シベリア及び中国から欧米に渡り、18世紀に作出された洋芍系統、ヨーロッパにもともと自生しているものを園芸的に改良したオランダ芍薬系統等があり、近年は雑種間によって得られたハイブリッド系統も増えている。薬用には和芍系統の品種が用いられ、ボタン同様、薬用を目的に栽培する場合、根の発育が良くなるように花の蕾を摘み取る。特に「大和シャクヤク」と称され、古くから奈良県下で栽培、育成され、薬用に用いられる優良品種は、白花、青茎品とされ、一茎に三花を付け、花弁が5〜20個の重弁のもので、雄蕊が狭長な花辧に変化しているため雄蕊が全く無く、即ち葯が形成されない雄性不稔である。このように大和シャクヤクは、種子や腋芽が形成されないことから、栽培は全て根茎の株分けでしか繁殖させることができず、大量増殖が難しく、ごく一部の篤農家によって栽培が続けられているという状況にある。
【0003】
一方、植物組織を培養容器内で栄養繁殖、あるいは増殖させて大量のクローン苗を生産する組織培養技術は、栄養繁殖性の花卉、作物のみならず、優良形質を備えた植物個体を大量生産する方法として近年盛んに用いられており、生産品の均一化や高収量化等、大きな効果をもたらす一方、木本植物、即ち樹木においても、挿し木等が困難な種を中心として、その適用によるクローン苗の生産・大量増殖が期待されている。これは、優良生薬原料である大和シャクヤクにおいても例外ではないが、これまでに大和シャクヤクの組織培養による報告例は全くなく、大和シャクヤクの組織培養法の確立が望まれていた。
【0004】
他方、シャクヤクを含む木本植物は、一般に細胞壁木化のためリグニンが多量に存在し、その前駆物質として多量のポリフェノール類、カテキン類等が細胞内に含有されている。事実、生薬として用いられるシャクヤクは、ペンタガロイルグルコース等没食子酸およびその誘導体等を含むことが報告されている(非特許文献1)。このため、木本植物の組織培養において、細胞の障害、破損や培養物の2次代謝物分泌などにより、培地に溶出したこれらのポリフェノール類等が酸化され、木本植物の培養物の褐変化を招き、致命的な成長阻害をもたらす。このため褐変化抑制方法に関する検討もなされ、培地に活性炭を添加する方法(非特許文献2)、高粘度液体培地を用いる方法(特許文献1)、セルロースを含む固体培地を使用する方法(特許文献2)等が報告されているが、適用範囲に限界があり新たな褐変化抑制方法の開発が望まれていた。
【0005】
【特許文献1】特開平6−46838号公報
【特許文献2】特開2000−139252号公報
【非特許文献1】W.C.Chuangら、Planta Medica,62巻、347−351頁(1996年)
【非特許文献2】J.M.Bongaら編、「In Vitro Culture of Trees」、48頁、1992年発行(Kluwer Academic Publishers出版)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、木本植物の組織培養における培養物の褐変化抑制方法、およびそれを用いたシャクヤクの組織培養法に関するもので、特に薬用として優れた品種である大和シャクヤクの大量生産に繋がる方法を提供することを目的とする。大和シャクヤクは、雄性不稔であり種子ができないため、その組織培養法及び大量培養法の確立が望まれており、種々検討を開始したが、培養段階における生長点組織の褐変化が大きな問題であることが判明し、その解決がのぞまれた。
【0007】
本発明の目的は、シャクヤクを含む木本植物の組織培養における培養物の褐変化抑制する方法とともに、それを用いた組織培養法によりシャクヤク、特に大和シャクヤクの植物体を得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、大和シャクヤクの根茎の生長点の組織培養において、低酸素条件下にて培養することにより培養物の褐変化を抑制することができ、また、培地の鉄分としてキレート鉄を用いることが、培養物の褐変化抑制には効果的であることを見出した。さらに大和シャクヤクの生長点からシュート形成させる好適条件、ならびに発根させるための好適条件を見出し、大和シャクヤクの生長点から植物体を得る方法を確立し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas)組織の培養において、低酸素条件下および/またはキレート鉄(NaFeEDTA)含有培地で培養することを特徴とする組織培養法;
(2)シャクヤクが大和シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas var. trichocarpa Bunge)である(1)記載の組織培養法;
(3)シャクヤク組織が生長点である(1)または(2)記載の組織培養法;
(4)低酸素条件が酸素濃度15%〜1%(v/v)であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の組織培養法;
(5)キレート鉄(NaFeEDTA)の培地中の濃度が10μM〜100μMであることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の組織培養法;
(6)大和シャクヤクの生長点の組織培養において、生長点をジベレリンおよびサイトカイニン系植物ホルモンを含有する培地中で培養することによりシュートを形成させ、該シュートを、オーキシン系植物ホルモンを含有する培地中にて発根させて大和シャクヤク植物体を得ることを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載の組織培養法;
(7)木本植物組織の組織培養において、低酸素条件下および/またはキレート鉄(NaFeEDTA)含有培地で培養することを特徴とする培養物の褐変化抑制方法;
(8)木本植物が大和シャクヤクである(7)記載の褐変化抑制方法;
(9)木本植物組織が生長点である(7)または(8)記載の褐変化抑制方法;
(10)低酸素条件が酸素濃度15%〜1%(v/v)であることを特徴とする(7)〜(9)いずれかに記載の褐変化抑制方法;
(11)キレート鉄(NaFeEDTA)の培地中の濃度が10μM〜100μMであることを特徴とする(7)〜(9)いずれかに記載の褐変化抑制方法;
などを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、木本植物の組織培養における培養物の褐変化抑制方法、ならびにその方法を用いた雄性不稔で種子ができない大和シャクヤクの生長点の組織培養による大和シャクヤク増殖技術を確立し、生薬原料として優良形質を備えた大和シャクヤクのクローン苗を大量生産することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下において、本発明を詳細に説明する。本明細書における木本植物とは、木(樹木)のことであり、茎および根が肥大成長して多量の木部をつくり、年々その細胞壁が木化して硬くなる多年生植物をいい、生薬「シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas)」の基原植物も含む。大和シャクヤクとは、学名がPaeonia lactiflora Pallas var.trichocarpa Bungeであり、花弁が5〜20個の重弁のもので、雄蕊が狭長な花辧に変化しているため雄蕊が全く無く、即ち葯が形成されない雄性不稔であり、種子ができないという特徴を持っている。
【0012】
本発明の組織培養に用いられるシャクヤク組織は特に限定されないが、生長点およびそれを含む組織が用いられ、特に根茎の生長点が好ましい。生長点とは、植物の茎頂部や根の先端で細胞分裂を繰り返ししている分裂組織をいう。生長点を組織培養に用いる場合、採取した生長点は、通常の方法に従って、エタノールおよび次亜塩素酸ナトリウムあるいは過酸化水素水等で表面殺菌を行い、滅菌水で洗浄後に、培地中で培養する。
【0013】
さらに根茎の生長点を組織培養する場合、先ず冬眠打破操作がなされるが、生長点採取時期により、冬眠打破の条件が異なる。例えば、9月頃採取した生長点の場合は、その冬眠打破にはジベレリン処理が必要であるが、2月以降の萌芽時期の生長点組織の場合は、ジベレリン処理はしなくてもよい。冬眠打破に用いられるジベレリン量は、例えば、0.1〜20mg/Lを培地に添加するが、1〜5mg/Lを添加するのが好ましい。また、冬眠打破には低温処理が必要であるが、その好ましい温度は、例えば7〜15℃である。冬眠打破に要する期間は、例えば1〜3週間要する。
【0014】
本発明の組織培養において、培養物の褐変化抑制には、低酸素条件下が好ましいが、通常の空気酸素濃度(23%(v/v))より低濃度であれば良く、例えば、酸素濃度15%〜1%(v/v)の範囲で用いられ、好ましい酸素濃度は10%〜3%(v/v)であり、さらに好ましくは10%〜5%(v/v)である。一方、二酸化炭素濃度は、自然界濃度よりも高い方が生長点組織の生育が良くなる傾向にある。例えば、酸素濃度が10%〜5%(v/v)、二酸化炭素濃度5%の組み合わせが好ましい結果が得られる。
【0015】
本発明の組織培養に用いられる培地としては、公知の培地が用いられる。例えば、ムラシゲ・スクーグ(Murashige Skoog;MS)培地、ガンボーグ(Gamborg)B5培地、ホワイト(White)培地など、またはこれらの培地の組成を改変した培地などを挙げることができ、これらの培地を適宜希釈して用いることができる。
【0016】
木本植物の褐変化抑制のためには、低酸素条件下に加えて、培地の鉄分として用いる硫酸鉄(硫酸第二鉄または硫酸第一鉄)量を少なくした培地を用いること、例えば硫酸鉄の添加濃度を8μg/mL以下にするのが好ましいが、鉄分として硫酸鉄の変わりに鉄キレート(FeNaEDTA;エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム塩)を用いることが効果的である。鉄キレートの培地中の濃度は、例えば10〜100μMが好ましく,さらに20〜75μMが好ましい。
【0017】
培地に用いられ炭素源として糖類が用いられるが、糖類のなかでショ糖とグルコースを用いるのが好ましく、例えば1〜3%濃度を使用するのが好ましい。
【0018】
組織培養により、生長点からシュート形成は、ジベレリンおよびサイトカイニン系植物ホルモンを添加した培地にて、必要に応じてオーキシン系植物ホルモンを添加して培養されるが、低酸素条件下では、15〜30℃、好ましくは20〜25℃にて培養するのが好ましい。1日の光照射は、例えば5000Luxで16時間(8時間暗条件)であり、培養期間は、冬眠打破から1〜数ヶ月培養する。
【0019】
本発明において、培地に添加して用いられるサイトカイニン類としては、ベンジルアデニン(BAP)、1−フェニル−3−(1,2,3−チアジアゾール−5−イル)ウレア(チジアズロン)、N6−(3−メチルブテ−2−エンイル)アデニン(2−iP)などが好ましく、培地に添加される量としては、0.1〜5mg/Lが好ましい。オーキシン類としては、1−ナフチル酢酸(NAA)、4−インドール−3−イル酪酸(IBA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)が好ましく、培地に添加される量としては、0.01〜3mg/Lが好ましい。また、ジベレリンの培地に添加される量としては、例えば0.5〜5mg/Lが好ましい。
【0020】
シュート形成工程において、例えば鉄キレートを用いる1/2MS改良培地が好ましく、培地に添加する好ましいジベレリン量は約1mg/L、好ましいサイトカイニン類とオーキシン類の組み合わせと添加比率は、例えば、2−iP(1mg/L)と2,4−D(0.5mg/L)、チジアズロン(0.1mg/L)とNAA(0.1mg/L)、チジアズロン(0.5mg/L)とIBA(0.1mg/L)、チジアズロン(0.5mg/L)と2,4−D(0.1mg/L)の組み合わせと使用量が好ましい。さらに低酸素条件下にて、例えば20〜25℃範囲で、1〜3ヶ月培養するのが好ましい。
【0021】
発根工程において、例えば鉄キレートを用いる1/2MS改良培地が好ましいが、例えば、ジベレリン1mg/L、オーキシン類としてIAA(0.5mg/L)を用いて、低酸素条件下にて、20〜25℃範囲で培養し発根させるのが好ましい。かくして植物体を得ることができる。
【0022】
かくして組織培養で多量に得られるシャクヤク、特に大和シャクヤクの植物体の苗は、例えば水耕栽培等の人工栽培で大量に培養することができる。
【0023】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。本発明は以下の実施例によってなんら限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の変更を加えて実施することが出来ることは言うまでもない。
【実施例】
【0024】
実施例1(好ましい鉄成分のスクリーニング)
シャクヤク抽出物とシャクヤク含有成分の没食子酸を用いて、培地に添加する好ましい鉄成分のスクリーニングを実施した。
【0025】
大和シャクヤク根10gを破砕後、100mLの水を加え、100℃で1時間加熱し、ろ過したものをシャクヤク抽出物とした。その抽出物ならびに没食子酸溶液(0.lg/100mL)にHO、FeSO・7HO、Fe(SO・nHO、NaFeEDTAおよびFe(III)Citrateをそれぞれ100μMとなるよう加え、室温で一夜反応させた。反応液の着色度は、分光光度計を用い、600nmの値を測定した。その結果を表1に示す。表1の示すごとく、鉄分としてNaFeEDTAを用いると、着色せず好ましい結果が得られた。
【0026】
【表1】

【0027】
実施例2(褐変化抑止効果試験)
(1)シャクヤク生長点の滅菌
大和シャクヤク根茎に形成された生長点組織(約0.5〜1.5cm)を摘出し、それらを水道水で洗浄後、70%エタノール溶液で30秒、1%次亜塩素酸ナトリウム(0.1%Tween20を含む)溶液で20分間処理により滅菌した。滅菌水で数回洗浄後、生長点の周りに形成された子葉をメスで切り取り、実験に供試した。
【0028】
(2)比較実験
低酸素ガスは、Astec社製のガス混合機GAS Mixer(GMS−2GA)を
用い、窒素ガスと二酸化炭素ガスを流入させることにより調製した。密閉型のデシケータ
ーに混合ガスを送り込み、その中で供試材料を培養した。
【0029】
滅菌された生長点を0.25%のゲルライトと植物ホルモンを含むMS培地またはMS培地改変培地(MS培地成分のFeSO・7HOおよびEDTA・2NaをFeNaEDTAに換えたもので、表2に成分組成を示す)に置床し、25℃16時間光照射(8時間暗条件)下で1ヶ月間培養した。植物ホルモンとして、サイトカイニンであるBenzyladenine(BAP)または1−phenyl−3−(1,2,3−thiadiazol−5−yl)urea(Thidiazuron)を1mg/L,ジベレリンを1mg/L添加した。また、培養で調整した酸素および二酸化炭素濃度については、5%酸素と5%二酸化炭素、ならびに対照区として酸素濃度23%、二酸化炭素濃0.03%を設けた。結果を表3に示す。表3より、低酸素条件及びFeNaEDTA(25μM)の使用の組み合わせが最も良い結果が得られた。
【0030】
【表2】

【0031】
【表3】

【0032】
実施例3(シュート形成実験)
実施例2と同様に、酸素と二酸化炭素濃度を、それぞれ5%と5%ならびに10%と5%に調製した雰囲気下にて、滅菌した生長点を0.25%のゲルライトと植物ホルモンを含むMS改変培地に置床し、25℃16時間光照射(8時間暗条件)下で1ヶ月間培養した。植物ホルモンは、Benzyladenine(BAP)または1−phenyl−3−(1,2,3−thiadiazol−5−yl)urea(Thidiazuron)のサイトカイニン系のホルモンを使用し、1mg/Lを培地に添加した。また、休眠打破のためジベレリンを1mg/L添加した。1ヶ月間培養した結果を図1に示す。いずれの実験も褐変化を起こしていなかった。
【0033】
実施例4(シュートの発根実験)
低酸素条件下(酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)で、3−indoleacetic acid(IAA)を1mg/L添加した1/2MS改変培地に、実施例3と同様にして得られたシュートを移殖し、14日間培養すると、図2に示すように褐変化せず発根が誘導され、植物体が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明により、木本植物の組織培養における培養物の褐変化抑制を提供し、さらに雄性不稔であり種子のできないが、生薬優良原料である大和シャクヤクの根茎の生長点を組織培養から植物体を育成し、優良品種のクローン苗の大量培養法を提供した。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例3のシュート形成実験において、培養1ヶ月目のシュートであり、いずれも褐変化していない。
【図2】実施例4のシュートの発根実験において、培養14日で、褐変化せず発根したシュート(大和シャクヤク植物体)が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas)組織の培養において、低酸素条件下および/またはキレート鉄(NaFeEDTA)含有培地で培養することを特徴とする組織培養法。
【請求項2】
シャクヤクが大和シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas var. trichocarpa Bunge)である請求項1記載の組織培養法。
【請求項3】
シャクヤク組織が生長点である請求項1または2記載の組織培養法。
【請求項4】
低酸素条件が酸素濃度15%〜1%(v/v)であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の組織培養法。
【請求項5】
キレート鉄(NaFeEDTA)の培地中の濃度が10μM〜100μMであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の組織培養法。
【請求項6】
大和シャクヤクの生長点の組織培養において、生長点をジベレリンおよびサイトカイニン系植物ホルモンを含有する培地中で培養することによりシュートを形成させ、該シュートを、オーキシン系植物ホルモンを含有する培地中にて発根させて大和シャクヤク植物体を得ることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の組織培養法。
【請求項7】
木本植物組織の組織培養において、低酸素条件下および/またはキレート鉄(NaFeEDTA)含有培地で培養することを特徴とする培養物の褐変化抑制方法。
【請求項8】
木本植物が大和シャクヤクである請求項7記載の褐変化抑制方法。
【請求項9】
木本植物組織が生長点である請求項7または8記載の褐変化抑制方法。
【請求項10】
低酸素条件が酸素濃度15%〜1%(v/v)であることを特徴とする請求項7〜9いずれか1項記載の褐変化抑制方法。
【請求項11】
キレート鉄(NaFeEDTA)の培地中の濃度が10μM〜100μMであることを特徴とする請求項7〜9いずれか1項記載の褐変化抑制方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−232691(P2009−232691A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79428(P2008−79428)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(306023336)財団法人奈良県中小企業支援センター (18)
【出願人】(000125347)学校法人近畿大学 (389)
【Fターム(参考)】