シャッターユニットならびにシャッターユニットを用いた光学ユニットおよび撮像装置
【課題】 撮像光学系の光路上の自由な位置に設けても撮像素子の光量ムラが生じることがなく、かつ、光路外に設けることが可能なシャッターを提供すること
【解決手段】 屈曲光学系の撮像光学系において、光軸を屈曲させるプリズムの反射面を、反射状態と透過状態が切り換え可能にする。この反射面が反射状態の時、被写体からの光を撮像素子に導き、この反射面が透過状態の時、透過した被写体からの光を光吸収層で吸収し撮像素子に到達しないようにした。
【解決手段】 屈曲光学系の撮像光学系において、光軸を屈曲させるプリズムの反射面を、反射状態と透過状態が切り換え可能にする。この反射面が反射状態の時、被写体からの光を撮像素子に導き、この反射面が透過状態の時、透過した被写体からの光を光吸収層で吸収し撮像素子に到達しないようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターユニット、光学ユニットおよび撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCDやCMOSセンサを撮像素子に用いたデジタルカメラが一般に使用されるようになってきた。このデジタルカメラでは撮像素子に電子シャッターの機能を有するため、基本的には従来の銀塩カメラのように機械的シャッター必要とすることはない。しかしながら撮像素子にCCDを用いた場合、電荷の転送中にCCDが光を受けるとスミアを発生するというCCD特有の問題などがある。したがって、撮像素子にCCDを用いたデジタルカメラでは、電子シャッターと機械的シャッターの併用が必要である。
【0003】
ここで用いられる機械的シャッターとしては、ある程度高速でシャッターの開閉動作をすることが必要である。もしこのシャッターが高速でシャッターの開閉動作をしなかった場合、シャッターの開閉動作の速度に起因して、撮像素子上に光量ムラが生じるおそれがある。また、遅いシャッター開閉速度でもこの光量ムラを発生させない方法として、シャッターの設置位置を、撮像光学系の軸上光と軸外光が交差する位置(いわゆる絞り位置)にする方法がある。
【0004】
また近年、薄型化の目的で撮像光学系を屈曲させた屈曲光学系、例えば負先行型の屈曲系ズームレンズ(例えば特許文献1参照)、を備えたデジタルカメラも市販されている。一方、機械的シャッターユニット(シャッターを駆動する部材を含む)の光軸に垂直な方向の大きさ(以降「高さ」と呼ぶ)は光学系の直径に比べて大きい。したがって、機械的シャッターを光路中に入れること自体、シャッターユニットの高さで、光学系の薄型化を阻害してしまう結果となる。したがって撮像光学系の薄型化のためにはシャッターを光路外に置くことが望ましい。シャッターを光路外に置く手段としては、例えば空間変調素子を用いる方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】米国特許第6728482号明細書
【特許文献2】特開平7−306443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した機械的シャッターユニットを用いる方法では、高速のシャッター開閉動作を実現しようとすると、シャッターユニットが大型になったり、シャッターの動作にともなう振動が手振れの原因になったりしてしまう。また、遅いシャッター開閉動作でもこの光量ムラを発生させないために、シャッターを絞り位置に設ける手段では、撮像光学系がズームレンズである場合、撮像光学系の変倍に応じてシャッターの位置を光軸上で移動させなければならない。したがって、デジタルカメラが複雑になり小型化が困難になってしまう。
【0006】
機械的シャッターではシャッターは光路内に設ける必要があるが、シャッターユニットの光軸に垂直な方向の寸法すなわちシャッターユニットの高さはレンズの口径よりも大きい。したがって、カメラの薄型化の目的ために上述した屈曲系のレンズを採用した場合でも、シャッターユニットの高さのためにカメラの薄型化が十分に図れないことがある。
【0007】
特許文献2の方法では、光路上に空間変調素子を設けるスペースが必要になり撮像光学系を小型化するのには適さない。
【0008】
したがって本発明の目的とするところは、撮像光学系の自由な位置に設けても光量ムラが生じることがなく、かつ、光路外に設けることが可能なシャッターユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(請求項1)
入射光を通過させる開状態と、入射光を遮断する閉状態とに切り換えるシャッターユニットにおいて、
入射光を反射する状態で開状態とし、入射光を透過する状態で閉状態とする光学部材を有することを特徴とするシャッターユニット。
【0010】
(請求項2)
前記光学部材は、光が入射する入射面と、空気との境界面で構成され前記入射面に入射された光を反射する反射面と、前記反射面で反射された光を射出する射出面とを有するプリズムと、
前記境界面に接触可能であり、かつ空気より屈折率が大きい圧接部材とを有し、
前記圧接部材を前記境界面と離間させて、前記境界面が存在する場合に開状態とし、
前記圧接部材を前記境界面に接触させて、前記境界面が消失する場合に閉状態とすることを特徴とする請求項1に記載のシャッターユニット。
【0011】
(請求項3)
前記圧接部材を駆動する圧電素子を有することを特徴とする請求項2に記載のシャッターユニット。
【0012】
(請求項4)
前記圧接部材は光透過性の弾性体であることを特徴とする請求項2又は3に記載のシャッターユニット。
【0013】
(請求項5)
前記圧接部材は、前記境界面に接触する圧接面以外の面の内、少なくとも1面に光吸収層を有することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載のシャッターユニット。
【0014】
(請求項6)
請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットおよび、入射光を結像させる結像光学系を有することを特徴とする光学ユニット。
【0015】
(請求項7)
請求項6に記載の光学ユニットを有することを特徴とする撮像装置。
【0016】
(請求項8)
電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了する電子シャッターを可能とする撮像素子、請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを有し、前記シャッターユニットにより電荷蓄積終了後の前記撮像素子の遮光を行うことを特徴とする撮像装置。
【0017】
(請求項9)
電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了する電子シャッターを可能とする撮像素子、および請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを有し、前記電子シャッターによる前記撮像素子の電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了するまでの間に、前記シャッターユニットにより前記撮像素子の遮光を行うことを特徴とする撮像装置。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、光学部材の反射および透過の切り換えによりシャッターの開閉動作を行うので、このシャッターユニットは光路上のどの位置に設けても撮像素子の露光ムラを生じない。また、シャッターを光路外に設けることができるので、シャッターの高さが障害になることがなくカメラの薄型化が可能になる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、光学部材にプリズムを用いるため、簡単な構成でシャッターが実現できる。また、境界面の反射と透過の切り換えによりシャッターの開閉動作を行うので、このシャッターユニットは光路上のどの位置に設けても撮像素子の露光ムラを生じない。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、圧接部材の駆動を圧電素子によって行うので、圧接部材の圧接および開放を高速でかつ大きな振動を発生することなく切り換えることができる。また、圧接部材を駆動する機構の構成が簡単かつ小型にできる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、圧接部材として弾性体を用いるので、圧接部材の圧接時の衝撃を小さくすることができる。また、圧接部材をプリズムに良好に密着させることができる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、光透過性の圧接部材は圧接面以外の面の内少なくとも1面に光吸収層を有しているので、圧接部材をプリズムに圧接した場合すなわちシャッター閉の場合に漏れる光を減少させることができる。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、光学ユニットは機械的シャッターユニットとして請求項1乃至5に記載のシャッターユニット用いるので、別途機械的シャッターユニットを必要としない。したがって光学ユニットの構成が簡単になり、小型の光学ユニットとすることができる。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、撮像装置は請求項6に記載の光学ユニットを有しているので、撮像装置を小型にすることができ、撮像素子の露光ムラを生じることもない。
【0025】
請求項8に係る発明によれば、撮像装置は請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを用いて露光時間開始前および終了後の遮光を行っているので、撮像素子としてCCDを用いてもスミアが発生することがなく、撮像素子の露光ムラを生じることもない。
【0026】
請求項9に係る発明によれば、撮像装置は請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを用いて露光時間開始前および終了後の遮光を行っているので、撮像素子としてCCDを用いてもスミアが発生することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1の実施形態)
図を用いて、本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラを説明する。
【0028】
図1は本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの構成図である。図1(a)は本デジタルカメラの斜視図、図1(b)は背面図である。
【0029】
図1(a)において、符号1は本デジタルカメラ、符号2は本デジタルカメラ1のカメラボディ、符号3は被写体(不図示)の光を撮像光学系を介して撮像素子に導くためのレンズ開口部、符号4は本デジタルカメラの電源をオン、オフするための電源スイッチ、符号5は撮影を行うための操作ボタンであるシャッターボタン、符号6は光学ファインダーのファインダー開口部、符号7は暗いときに発光して被写体を照らすフラッシュである。
【0030】
図1(b)において、図1(a)と同じ機能の要素には同じ符号を付してその説明は省略する。図1(b)において、符号8は光学ファインダーを介して被写体の状態を確認するためのファインダー接眼窓、符号8はLCD(Liquid Crystal Display;液晶表示素子)で、電子ファインダーおよび撮影に関わる各種情報の表示として用いられる。符号10はファンクションダイヤルで、カメラの動作として、撮影した画像の再生、静止画の撮影および動画の撮影の3つの機能から1つを選択するのに用いられる。符号11はジョグダイヤルで、LCD9上に表示されたカーソルの移動および撮影レンズのズーム操作などに用いられる。符号12は設定ボタン群で、LCD9上へのメニュー表示、再生された画像のコマ送りや表示された画像の拡大縮小および撮影された画像の消去などの設定に用いられる。
【0031】
図2は屈曲型のズーム機能を有する光学ユニット21の構成を示す図であり、図2(a)はシャッター開状態であり、図2(b)はシャッター閉状態である。図2(a)、(b)には光学ユニット以外に圧電制御部34およびカメラ制御回路35が示されている。光学ユニット21は本デジタルカメラの撮像光学系としてカメラボディ2に装備されて用いられる。なお、以下の図面において矢示X方向は、図1に示した矢示X方向と同じ方向を示す。
【0032】
図2(a)において、符号22は撮像素子、符号23はローパスフィルタ、符号24は開口絞り、符号25は光軸を屈曲させるためのプリズム、符号25aは入射面、符号25bは境界面、符号25cは射出面である。
【0033】
符号26は光透過性樹脂の弾性体からなる圧接部材、符号26aは圧接面であり、圧接面26aは平面である。符号27は光吸収層であり黒色樹脂の塗布などにより圧接面26aに対向する圧接部材26の1つの面に形成されている。符号28は板状の圧電素子であり、一方の面は光学レンズユニット21を内包する鏡筒の一部33に接着され、他方の面は光吸収層27に接着されている。圧電素子28は圧電素子制御部34から印加される電圧によりその厚さが変化するように駆動される。本実施形態では圧電素子28に電圧が印加されたときにその厚さが増すようにされている。圧電素子制御部34はデジタルカメラ1の制御を行うカメラ制御回路35によって制御されている。
【0034】
カメラ制御回路35は圧電素子制御部34の制御の他、撮像素子22の電荷蓄積制御および撮像素子22からの出力信号の処理、LCD9へのライブビュー表示、撮影画像の記憶、撮影画像の表示、オートフォーカス制御、ズーム制御、被写体輝度の測光、露出制御など、デジタルカメラ1の制御の一切を行っている。
【0035】
符号29は圧接面26aと境界面25bとの間の空気層であり、圧電素子28へ電圧が印加された場合に、圧電素子28により圧接部材26が駆動されて圧接面26aが境界面25bにほぼ密着する厚さに設定されている。符号30は対物レンズである。符号31は軸上光、符号32は軸外光で両者は開口絞り24の位置付近で交差している。
【0036】
境界面25bおよび圧接面26aはシャッター36を形成しており、境界面25b、圧接部材26、光吸収層27および圧電素子28は本実施形態のシャッターユニット37を形成している。
【0037】
対物レンズ30、プリズム25、ローパスフィルタ23および図2のその他のレンズは入射光を結像させる結像光学系である撮像光学系を構成し、撮像光学系、シャッターユニットおよび撮像光学系を構成するプリズムやレンズを結合する鏡筒を含む部材(不図示)は光学ユニット21を構成している。
【0038】
光学ユニット21は対物レンズ30が図1(a)のレンズ開口部3の部分に位置し、撮像素子22がカメラボディ2の底面の方向に位置するようにカメラボディ2内に組み込まれている。
【0039】
図2(a)は圧電素子28に電圧が印加されていない状態であり、境界面25bは空気層29と接して反射面として機能している。したがって、このとき被写体(不図示)からの入射光である軸上光31および軸外光32は入射面25aからプリズムへ入射した後境界面25bで全反射され射出面25cから出て行き、撮像素子22の上で結像している。すなわちこの状態は、プリズム25と空気との境界面が存在する、シャッター36が開の状態である。
【0040】
図2(b)は圧電素子28に電圧が印加され、圧電素子28は厚さが増加した状態になっている。このとき圧電素子28の一方の面は鏡筒の一部33に接着されているので、圧電素子28の他方の面が対物レンズ30の方向へ移動することになり、圧接部材26は対物レンズ30の方向に駆動されて圧接面26aは境界面25bと密着している。したがって、入射面25aからプリズム25に入射した軸上光31および軸外光32は境界面25aと圧接面26aとが接触した面を反射されることなく通過し、光吸収層27で吸収される。したがって軸上光31および軸外光32が撮像素子22に到達することはない。すなわちこの状態は、プリズム25と空気との境界面が消失した、シャッター36が閉の状態である。このとき、プリズム25と圧接部材26とは必ずしも密着する必要はなく、近接場光学理論的には光の波長に関連する所定値以下、例えばλ/4以下(λは透過する波長)であればよい。
【0041】
この光学ユニット21を用いたデジタルカメラ1の露光工程の説明をする。
【0042】
まずシャッター36が開、撮像素子22は電荷蓄積および蓄積された電荷の転送を繰り返して、LCD9ではライブビュー表示が行われている状態を初期状態とする。初期状態において、撮像素子22の電荷蓄積を開始して露光を開始する。次に被写体の輝度、レンズの絞り値などによって定まる所定の露光時間経過後、シャッター36を閉にして撮像素子22を遮光した後、撮像素子22の電荷蓄積を終了して、蓄積された電荷の転送を開始する。撮像素子22の電荷蓄積の開始および終了は、カメラ制御回路35によって制御されている。
【0043】
このように、撮像素子22の電荷転送時はシャッター36により撮像素子22を遮光しているので、スミアが発生して撮像した画像が劣化することがない。
【0044】
なお、本実施形態は上述した以外にも次に上げる特徴を有する。
【0045】
シャッターユニット37では、境界面25bと圧接面26a平行とは平行である。また、圧電素子は印加電圧への応答が早いため、圧接部材26を駆動する圧電素子28へ印加する電圧をオン、オフしたときの厚みの変化は短時間の内に行われ、シャッター36の開から閉および閉から開への動作は高速で行われる。したがって、本シャッターユニットの位置は撮像光学系の変倍にしたがってその位置を移動する必要がない。実際、本実施形態では、シャッター36は光学ユニット21の絞り位置に設置されていないが、シャッター36の開閉に起因する光量ムラが発生することはない。
【0046】
空気層29の厚みが小さいので、シャッターを開閉するために圧接部材26を駆動する量は小さくてよい。また、圧電素子は小型で本実施形態に必要な駆動力および駆動ストロークが得られるので圧電素子の伸縮をそのまま駆動力として使用でき、シャッターユニット37が簡単で小型になる。
【0047】
圧接部材26は弾性を有した樹脂で構成されているので、シャッターを閉じる場合に圧接面26aが境界面25bに圧接させられた時にも機械的な衝撃を発生することがない。また、製造誤差などによって境界面25bと圧接面26aが平行になっていない場合でも、圧接部材26の弾力性のため境界面25bと圧接面26aとは隙間なく密着することができる。
【0048】
本実施形態では、シャッターユニット37はプリズム25の境界面25bの背面の空間に設けられている。したがって、本実施形態によると、撮像光学系周辺のスペースを有効に利用することができ、カメラの小型化に有利である。
【0049】
また、本実施形態は上述した以外にも次のようにしてもよい。
【0050】
圧接部材26の材料は屈折率が空気より大きければ良く、本実施形態では透光性であるが、これは必ずしも透光性である必要はなく光吸収性の黒色の材料であってもよいし、弾性体ではなく剛性のある樹脂やガラスなどでもよい。
【0051】
また、本実施形態では圧接面26aは平面であるが、この面は凸面であってもよい。その場合、圧接部材26を境界面25bに圧接する際、両者はまず対向する面の中心付近から接触し接触部は次第に周辺に広がってゆくので、接触部付近の空気を効率良く排出でき、圧接面26aと境界面25bとの間に空気層が残りにくくなる。
【0052】
また、圧接面26aを境界面25bから引き離す場合、両者は最初に接触面の周辺部から離れだし、次第に中心付近が離れてくるので、空気がスムーズに両者の間に流れ込み少ない力で両者を引き離すことができる。
【0053】
なお、空気層29の接触面への空気の流入および流出をスムーズにする目的では、圧接面26aを凸面にする以外に、圧接面26aと境界面25bとを平行ではなく少し傾けておくという手段をとることも可能である。
【0054】
撮像素子22による露光工程は上述したシーケンス以外にも、次のようなものが可能である。上述した初期状態から、撮像素子22の電荷蓄積を開始して露光を始める。次に、所定の時間露光した後、撮像素子22の電荷蓄積を停止する。その後シャッター36を閉の状態にして撮像素子22を遮光した後、蓄積された電荷の転送を開始する。この場合も、撮像素子22の電荷転送の時には撮像素子22はシャッター36によって遮光されているので、スミアが発生することはない。
【0055】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る光学ユニットを説明する。
【0056】
本実施形態の光学ユニットは、撮像光学系は第1の実施形態と同じで、シャッターユニットの構成および鏡筒の一部の構成が異なるものである。
【0057】
図3は本発明の第2の実施形態に係る光学ユニット41の構成の一部を示す。図3において、図2と同じ機能の構成要素には同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0058】
図3において、本実施形態のシャッターユニットは第1の実施形態と同じく、圧接部材、光吸収層および板状の圧電素子から構成されているが、圧接部材および光吸収層の形状が第1の実施形態とは異なっている。本実施形態では、圧接部材42の断面を台形とし板状の圧電素子44をその上底の部分に配して、圧接面42aを境界面25bに対して垂直の方向から圧接する構成としている。板状の圧電素子44の圧接部材42とは反対側の面は、鏡筒の一部43に接着されている。光吸収層45は本実施形態では、圧接部材42の圧接面42aを除くすべての面に形成されている。圧電素子44は、電圧の印加によりその厚さを増すように構成されている。
【0059】
上述した構成により、本実施形態では第1の実施形態で説明したように、圧電素子制御部34からの圧電素子44への印加電圧のオン、オフにより、圧接面42aが境界面25bに密着したり離れたりして、境界面25bの反射と透過が切り換えられてシャッター動作を行う。
【0060】
光学ユニット41の構成各部の形状および材質については、第1の実施形態で説明したように以下のようであってもよい。
【0061】
圧接部材42の材料は屈折率が空気よりも大きければ良く、本実施形態では透光性であるが、これは必ずしも透光性である必要はなく光吸収性の黒色の材料であってもよいし、弾性体ではなく剛性のある樹脂やガラスなどでもよい。
【0062】
また、本実施形態では圧接面42aは平面であるが、この面は凸面であってもよい。その場合、圧接面42aを境界面25bに圧接する際、両者はまず対向する面の中心付近から接触し接触部は次第に周辺に広がってゆくので、接触部付近の空気を効率良く排出でき、圧接面42aと境界面25bとの間に空気層が残りにくくなる。
【0063】
また、圧接面42aを境界面25bから引き離す場合、両者はまず接触面の周辺部から離れだし、次第に中心付近が離れてくるので、空気がスムーズに両者の間に流れ込み少ない力で両者を引き離すことができる。
【0064】
なお、空気層29の接触面への空気の流入および流出をスムーズにする目的では、圧接面42aを凸面にする以外に、圧接面42aと境界面25bとを平行ではなく少し傾けておくという手段をとってもよい。
【0065】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る光学ユニットを説明する。
【0066】
本実施形態の光学ユニットは、撮像光学系は第2の実施形態と同じで、シャッターユニットの構成が異なるものである。
【0067】
図4は本発明の第3の実施形態に係る光学ユニット46の構成の一部を示す。図4において、図3と同じ機能の構成要素には同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0068】
図4(a)において、本実施形態が第2の実施形態と異なるのは空気層29の周辺部にシール部材47を設けている点である。シール部材47を設けた目的は、空気層29にゴミが進入するのを防ぎ、圧接面42aと境界面25bとの密着性が悪くなるのを防ぐことである。
【0069】
本実施形態の動作については第2の実施形態と同様であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0070】
図4(a)は空気層29の存在する状態、つまりシャッター開の状態である。この状態で、シール部材47はプリズム25と圧接部材42との対向面の周辺部を覆いゴミの進入を防いでいる。
【0071】
図4(b)は空気層29のない状態、つまり境界面25bと圧接面42aとが密着したシャッター閉の状態である。この状態ではシール材47は変形して、境界面25bと圧接面42aとの密着を妨げないようになっている。
【0072】
シール部材47に用いられる材料としては、弾性を有した樹脂などが好ましい。
【0073】
シール部材47には、シャッターの開閉に応じて空気層29の空気を排出および流入させるための通気部を設けておくのが好ましい。その場合、通気部にはゴミの流入を防ぐためのフィルタを設けてもよい。
【0074】
本実施形態によると、シール部材47により、空気層29へのゴミの進入を防ぐことができるため、空気層29にゴミが流入して、境界面25bに圧接面42aを圧接させたときの両者の密着性が悪くなることがない。
【0075】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る光学ユニットを説明する。
【0076】
本実施形態の光学ユニットは、撮像光学系は第2の実施形態と同じで、シャッターユニットの構成が異なるものである。
【0077】
図5は本発明の第4の実施形態に係る光学ユニット51の構成の一部を示す。図5において、図2と同じ機能の構成要素には同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0078】
図5において、本実施形態のシャッター57は第1の透明電極52および電気光学効果素子53から構成され、シャッターユニット58は電気光学効果素子53、電気光学効果素子53に電圧を印加するための第1の透明電極52および第2の透明電極54、ならびに光吸収層55から構成されている。第1の透明電極52および第2の透明電極54の屈折率はプリズム25の屈折率に近いものである。第1の透明電極52は薄板状の電気光学効果素子53の一方の面に形成されており、第2の透明電極54は電気光学効果素子53の他方の面に形成されている。第1の透明電極52は、プリズム25と同様の屈折率を有する透明な接着剤などにより境界面25bに接着されている。第1の透明電極52および第2の透明電極54は、電気光学効果素子制御部56に接続されており、電気光学効果素子制御部56はカメラ制御部35の制御のもとに第1の透明電極52と第2の透明電極54の間への印加電圧のオン、オフの制御を行う。光吸収層55は第2の透明電極54の電気光学効果素子54とは反対側の面に形成され、第1の透明電極、電気光学効果素子53および第2の透明電極54を透過してきた光を吸収する。
【0079】
図5において、電気光学効果素子53は電圧が印加されるとその屈折率が高くなり、電圧の印加が無くなると屈折率が低くなる特性を持っている。
【0080】
ここで、電気光学効果素子53に電圧が印加されていない状態を考えると、電気光学効果素子53の屈折率は低い状態である。そのため、対物レンズ30からプリズム25に入射した光は、境界面25bから第1の透明電極52に入り、第1の透明電極52と電気光学効果素子53の境界面で全反射され、撮像素子の方向(下方)へ向かい、シャッターは開の状態になる。
【0081】
次に、第1の透明電極と第2の透明電極の間に電圧が印加された場合を考えると、電気光学効果素子53はその屈折率が大きくなる。したがって、対物レンズ30からプリズム25に入射した光は、第1の透明電極52と電気光学効果素子53の境界面で全反射されることなく電気光学効果素子53に入射し、第2の透明電極54を透過して光吸収層55で吸収される。したがって、対物レンズ30からの入射光は撮像素子(不図示)の方向(下方)へは反射されずシャッターは閉の状態になる。
【0082】
上述したように本実施例によると、電気光学効果素子制御部56による電気光学効果素子53への電圧オン、オフにより、シャッター開の状態とシャッター閉の状態とを制御することができる。
【0083】
本実施形態では、電気光学効果素子53としては電圧の印加時に屈折率が高くなる材料を用いたが、電気光学効果素子53の特性としてはこれに限定されることなく、電圧の印加によって屈折率が低くなる材料を用いてもよい。
【0084】
本実施形態の電気光学効果素子として用いられる材料としては、ポッケルス効果やカー効果を有する材料および液晶材料など、印加電圧のオン、オフにより屈折率の変化する材料を用いることができる。しかし、印加電圧のオン、オフにより屈折率が変化する材料であれば上述した材料に限定されるものではなく、どのような材料を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るシャッターユニットおよび光学ユニットの構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るシャッターユニットおよび光学ユニットの構成の一部を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るシャッターユニットおよび光学ユニットの構成の一部を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係るシャッターユニットおよび光学ユニットの構成の一部を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
1 デジタルカメラ
21 光学ユニット
22 撮像素子
23 ローパスフィルタ
24 開口絞り
25 プリズム
26 圧接部材
27 光吸収層
28 圧電素子
29 空気層
33 鏡筒の一部
34 圧電素子制御部
35 カメラ制御回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターユニット、光学ユニットおよび撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCDやCMOSセンサを撮像素子に用いたデジタルカメラが一般に使用されるようになってきた。このデジタルカメラでは撮像素子に電子シャッターの機能を有するため、基本的には従来の銀塩カメラのように機械的シャッター必要とすることはない。しかしながら撮像素子にCCDを用いた場合、電荷の転送中にCCDが光を受けるとスミアを発生するというCCD特有の問題などがある。したがって、撮像素子にCCDを用いたデジタルカメラでは、電子シャッターと機械的シャッターの併用が必要である。
【0003】
ここで用いられる機械的シャッターとしては、ある程度高速でシャッターの開閉動作をすることが必要である。もしこのシャッターが高速でシャッターの開閉動作をしなかった場合、シャッターの開閉動作の速度に起因して、撮像素子上に光量ムラが生じるおそれがある。また、遅いシャッター開閉速度でもこの光量ムラを発生させない方法として、シャッターの設置位置を、撮像光学系の軸上光と軸外光が交差する位置(いわゆる絞り位置)にする方法がある。
【0004】
また近年、薄型化の目的で撮像光学系を屈曲させた屈曲光学系、例えば負先行型の屈曲系ズームレンズ(例えば特許文献1参照)、を備えたデジタルカメラも市販されている。一方、機械的シャッターユニット(シャッターを駆動する部材を含む)の光軸に垂直な方向の大きさ(以降「高さ」と呼ぶ)は光学系の直径に比べて大きい。したがって、機械的シャッターを光路中に入れること自体、シャッターユニットの高さで、光学系の薄型化を阻害してしまう結果となる。したがって撮像光学系の薄型化のためにはシャッターを光路外に置くことが望ましい。シャッターを光路外に置く手段としては、例えば空間変調素子を用いる方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】米国特許第6728482号明細書
【特許文献2】特開平7−306443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した機械的シャッターユニットを用いる方法では、高速のシャッター開閉動作を実現しようとすると、シャッターユニットが大型になったり、シャッターの動作にともなう振動が手振れの原因になったりしてしまう。また、遅いシャッター開閉動作でもこの光量ムラを発生させないために、シャッターを絞り位置に設ける手段では、撮像光学系がズームレンズである場合、撮像光学系の変倍に応じてシャッターの位置を光軸上で移動させなければならない。したがって、デジタルカメラが複雑になり小型化が困難になってしまう。
【0006】
機械的シャッターではシャッターは光路内に設ける必要があるが、シャッターユニットの光軸に垂直な方向の寸法すなわちシャッターユニットの高さはレンズの口径よりも大きい。したがって、カメラの薄型化の目的ために上述した屈曲系のレンズを採用した場合でも、シャッターユニットの高さのためにカメラの薄型化が十分に図れないことがある。
【0007】
特許文献2の方法では、光路上に空間変調素子を設けるスペースが必要になり撮像光学系を小型化するのには適さない。
【0008】
したがって本発明の目的とするところは、撮像光学系の自由な位置に設けても光量ムラが生じることがなく、かつ、光路外に設けることが可能なシャッターユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(請求項1)
入射光を通過させる開状態と、入射光を遮断する閉状態とに切り換えるシャッターユニットにおいて、
入射光を反射する状態で開状態とし、入射光を透過する状態で閉状態とする光学部材を有することを特徴とするシャッターユニット。
【0010】
(請求項2)
前記光学部材は、光が入射する入射面と、空気との境界面で構成され前記入射面に入射された光を反射する反射面と、前記反射面で反射された光を射出する射出面とを有するプリズムと、
前記境界面に接触可能であり、かつ空気より屈折率が大きい圧接部材とを有し、
前記圧接部材を前記境界面と離間させて、前記境界面が存在する場合に開状態とし、
前記圧接部材を前記境界面に接触させて、前記境界面が消失する場合に閉状態とすることを特徴とする請求項1に記載のシャッターユニット。
【0011】
(請求項3)
前記圧接部材を駆動する圧電素子を有することを特徴とする請求項2に記載のシャッターユニット。
【0012】
(請求項4)
前記圧接部材は光透過性の弾性体であることを特徴とする請求項2又は3に記載のシャッターユニット。
【0013】
(請求項5)
前記圧接部材は、前記境界面に接触する圧接面以外の面の内、少なくとも1面に光吸収層を有することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載のシャッターユニット。
【0014】
(請求項6)
請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットおよび、入射光を結像させる結像光学系を有することを特徴とする光学ユニット。
【0015】
(請求項7)
請求項6に記載の光学ユニットを有することを特徴とする撮像装置。
【0016】
(請求項8)
電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了する電子シャッターを可能とする撮像素子、請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを有し、前記シャッターユニットにより電荷蓄積終了後の前記撮像素子の遮光を行うことを特徴とする撮像装置。
【0017】
(請求項9)
電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了する電子シャッターを可能とする撮像素子、および請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを有し、前記電子シャッターによる前記撮像素子の電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了するまでの間に、前記シャッターユニットにより前記撮像素子の遮光を行うことを特徴とする撮像装置。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、光学部材の反射および透過の切り換えによりシャッターの開閉動作を行うので、このシャッターユニットは光路上のどの位置に設けても撮像素子の露光ムラを生じない。また、シャッターを光路外に設けることができるので、シャッターの高さが障害になることがなくカメラの薄型化が可能になる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、光学部材にプリズムを用いるため、簡単な構成でシャッターが実現できる。また、境界面の反射と透過の切り換えによりシャッターの開閉動作を行うので、このシャッターユニットは光路上のどの位置に設けても撮像素子の露光ムラを生じない。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、圧接部材の駆動を圧電素子によって行うので、圧接部材の圧接および開放を高速でかつ大きな振動を発生することなく切り換えることができる。また、圧接部材を駆動する機構の構成が簡単かつ小型にできる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、圧接部材として弾性体を用いるので、圧接部材の圧接時の衝撃を小さくすることができる。また、圧接部材をプリズムに良好に密着させることができる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、光透過性の圧接部材は圧接面以外の面の内少なくとも1面に光吸収層を有しているので、圧接部材をプリズムに圧接した場合すなわちシャッター閉の場合に漏れる光を減少させることができる。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、光学ユニットは機械的シャッターユニットとして請求項1乃至5に記載のシャッターユニット用いるので、別途機械的シャッターユニットを必要としない。したがって光学ユニットの構成が簡単になり、小型の光学ユニットとすることができる。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、撮像装置は請求項6に記載の光学ユニットを有しているので、撮像装置を小型にすることができ、撮像素子の露光ムラを生じることもない。
【0025】
請求項8に係る発明によれば、撮像装置は請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを用いて露光時間開始前および終了後の遮光を行っているので、撮像素子としてCCDを用いてもスミアが発生することがなく、撮像素子の露光ムラを生じることもない。
【0026】
請求項9に係る発明によれば、撮像装置は請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを用いて露光時間開始前および終了後の遮光を行っているので、撮像素子としてCCDを用いてもスミアが発生することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1の実施形態)
図を用いて、本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラを説明する。
【0028】
図1は本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの構成図である。図1(a)は本デジタルカメラの斜視図、図1(b)は背面図である。
【0029】
図1(a)において、符号1は本デジタルカメラ、符号2は本デジタルカメラ1のカメラボディ、符号3は被写体(不図示)の光を撮像光学系を介して撮像素子に導くためのレンズ開口部、符号4は本デジタルカメラの電源をオン、オフするための電源スイッチ、符号5は撮影を行うための操作ボタンであるシャッターボタン、符号6は光学ファインダーのファインダー開口部、符号7は暗いときに発光して被写体を照らすフラッシュである。
【0030】
図1(b)において、図1(a)と同じ機能の要素には同じ符号を付してその説明は省略する。図1(b)において、符号8は光学ファインダーを介して被写体の状態を確認するためのファインダー接眼窓、符号8はLCD(Liquid Crystal Display;液晶表示素子)で、電子ファインダーおよび撮影に関わる各種情報の表示として用いられる。符号10はファンクションダイヤルで、カメラの動作として、撮影した画像の再生、静止画の撮影および動画の撮影の3つの機能から1つを選択するのに用いられる。符号11はジョグダイヤルで、LCD9上に表示されたカーソルの移動および撮影レンズのズーム操作などに用いられる。符号12は設定ボタン群で、LCD9上へのメニュー表示、再生された画像のコマ送りや表示された画像の拡大縮小および撮影された画像の消去などの設定に用いられる。
【0031】
図2は屈曲型のズーム機能を有する光学ユニット21の構成を示す図であり、図2(a)はシャッター開状態であり、図2(b)はシャッター閉状態である。図2(a)、(b)には光学ユニット以外に圧電制御部34およびカメラ制御回路35が示されている。光学ユニット21は本デジタルカメラの撮像光学系としてカメラボディ2に装備されて用いられる。なお、以下の図面において矢示X方向は、図1に示した矢示X方向と同じ方向を示す。
【0032】
図2(a)において、符号22は撮像素子、符号23はローパスフィルタ、符号24は開口絞り、符号25は光軸を屈曲させるためのプリズム、符号25aは入射面、符号25bは境界面、符号25cは射出面である。
【0033】
符号26は光透過性樹脂の弾性体からなる圧接部材、符号26aは圧接面であり、圧接面26aは平面である。符号27は光吸収層であり黒色樹脂の塗布などにより圧接面26aに対向する圧接部材26の1つの面に形成されている。符号28は板状の圧電素子であり、一方の面は光学レンズユニット21を内包する鏡筒の一部33に接着され、他方の面は光吸収層27に接着されている。圧電素子28は圧電素子制御部34から印加される電圧によりその厚さが変化するように駆動される。本実施形態では圧電素子28に電圧が印加されたときにその厚さが増すようにされている。圧電素子制御部34はデジタルカメラ1の制御を行うカメラ制御回路35によって制御されている。
【0034】
カメラ制御回路35は圧電素子制御部34の制御の他、撮像素子22の電荷蓄積制御および撮像素子22からの出力信号の処理、LCD9へのライブビュー表示、撮影画像の記憶、撮影画像の表示、オートフォーカス制御、ズーム制御、被写体輝度の測光、露出制御など、デジタルカメラ1の制御の一切を行っている。
【0035】
符号29は圧接面26aと境界面25bとの間の空気層であり、圧電素子28へ電圧が印加された場合に、圧電素子28により圧接部材26が駆動されて圧接面26aが境界面25bにほぼ密着する厚さに設定されている。符号30は対物レンズである。符号31は軸上光、符号32は軸外光で両者は開口絞り24の位置付近で交差している。
【0036】
境界面25bおよび圧接面26aはシャッター36を形成しており、境界面25b、圧接部材26、光吸収層27および圧電素子28は本実施形態のシャッターユニット37を形成している。
【0037】
対物レンズ30、プリズム25、ローパスフィルタ23および図2のその他のレンズは入射光を結像させる結像光学系である撮像光学系を構成し、撮像光学系、シャッターユニットおよび撮像光学系を構成するプリズムやレンズを結合する鏡筒を含む部材(不図示)は光学ユニット21を構成している。
【0038】
光学ユニット21は対物レンズ30が図1(a)のレンズ開口部3の部分に位置し、撮像素子22がカメラボディ2の底面の方向に位置するようにカメラボディ2内に組み込まれている。
【0039】
図2(a)は圧電素子28に電圧が印加されていない状態であり、境界面25bは空気層29と接して反射面として機能している。したがって、このとき被写体(不図示)からの入射光である軸上光31および軸外光32は入射面25aからプリズムへ入射した後境界面25bで全反射され射出面25cから出て行き、撮像素子22の上で結像している。すなわちこの状態は、プリズム25と空気との境界面が存在する、シャッター36が開の状態である。
【0040】
図2(b)は圧電素子28に電圧が印加され、圧電素子28は厚さが増加した状態になっている。このとき圧電素子28の一方の面は鏡筒の一部33に接着されているので、圧電素子28の他方の面が対物レンズ30の方向へ移動することになり、圧接部材26は対物レンズ30の方向に駆動されて圧接面26aは境界面25bと密着している。したがって、入射面25aからプリズム25に入射した軸上光31および軸外光32は境界面25aと圧接面26aとが接触した面を反射されることなく通過し、光吸収層27で吸収される。したがって軸上光31および軸外光32が撮像素子22に到達することはない。すなわちこの状態は、プリズム25と空気との境界面が消失した、シャッター36が閉の状態である。このとき、プリズム25と圧接部材26とは必ずしも密着する必要はなく、近接場光学理論的には光の波長に関連する所定値以下、例えばλ/4以下(λは透過する波長)であればよい。
【0041】
この光学ユニット21を用いたデジタルカメラ1の露光工程の説明をする。
【0042】
まずシャッター36が開、撮像素子22は電荷蓄積および蓄積された電荷の転送を繰り返して、LCD9ではライブビュー表示が行われている状態を初期状態とする。初期状態において、撮像素子22の電荷蓄積を開始して露光を開始する。次に被写体の輝度、レンズの絞り値などによって定まる所定の露光時間経過後、シャッター36を閉にして撮像素子22を遮光した後、撮像素子22の電荷蓄積を終了して、蓄積された電荷の転送を開始する。撮像素子22の電荷蓄積の開始および終了は、カメラ制御回路35によって制御されている。
【0043】
このように、撮像素子22の電荷転送時はシャッター36により撮像素子22を遮光しているので、スミアが発生して撮像した画像が劣化することがない。
【0044】
なお、本実施形態は上述した以外にも次に上げる特徴を有する。
【0045】
シャッターユニット37では、境界面25bと圧接面26a平行とは平行である。また、圧電素子は印加電圧への応答が早いため、圧接部材26を駆動する圧電素子28へ印加する電圧をオン、オフしたときの厚みの変化は短時間の内に行われ、シャッター36の開から閉および閉から開への動作は高速で行われる。したがって、本シャッターユニットの位置は撮像光学系の変倍にしたがってその位置を移動する必要がない。実際、本実施形態では、シャッター36は光学ユニット21の絞り位置に設置されていないが、シャッター36の開閉に起因する光量ムラが発生することはない。
【0046】
空気層29の厚みが小さいので、シャッターを開閉するために圧接部材26を駆動する量は小さくてよい。また、圧電素子は小型で本実施形態に必要な駆動力および駆動ストロークが得られるので圧電素子の伸縮をそのまま駆動力として使用でき、シャッターユニット37が簡単で小型になる。
【0047】
圧接部材26は弾性を有した樹脂で構成されているので、シャッターを閉じる場合に圧接面26aが境界面25bに圧接させられた時にも機械的な衝撃を発生することがない。また、製造誤差などによって境界面25bと圧接面26aが平行になっていない場合でも、圧接部材26の弾力性のため境界面25bと圧接面26aとは隙間なく密着することができる。
【0048】
本実施形態では、シャッターユニット37はプリズム25の境界面25bの背面の空間に設けられている。したがって、本実施形態によると、撮像光学系周辺のスペースを有効に利用することができ、カメラの小型化に有利である。
【0049】
また、本実施形態は上述した以外にも次のようにしてもよい。
【0050】
圧接部材26の材料は屈折率が空気より大きければ良く、本実施形態では透光性であるが、これは必ずしも透光性である必要はなく光吸収性の黒色の材料であってもよいし、弾性体ではなく剛性のある樹脂やガラスなどでもよい。
【0051】
また、本実施形態では圧接面26aは平面であるが、この面は凸面であってもよい。その場合、圧接部材26を境界面25bに圧接する際、両者はまず対向する面の中心付近から接触し接触部は次第に周辺に広がってゆくので、接触部付近の空気を効率良く排出でき、圧接面26aと境界面25bとの間に空気層が残りにくくなる。
【0052】
また、圧接面26aを境界面25bから引き離す場合、両者は最初に接触面の周辺部から離れだし、次第に中心付近が離れてくるので、空気がスムーズに両者の間に流れ込み少ない力で両者を引き離すことができる。
【0053】
なお、空気層29の接触面への空気の流入および流出をスムーズにする目的では、圧接面26aを凸面にする以外に、圧接面26aと境界面25bとを平行ではなく少し傾けておくという手段をとることも可能である。
【0054】
撮像素子22による露光工程は上述したシーケンス以外にも、次のようなものが可能である。上述した初期状態から、撮像素子22の電荷蓄積を開始して露光を始める。次に、所定の時間露光した後、撮像素子22の電荷蓄積を停止する。その後シャッター36を閉の状態にして撮像素子22を遮光した後、蓄積された電荷の転送を開始する。この場合も、撮像素子22の電荷転送の時には撮像素子22はシャッター36によって遮光されているので、スミアが発生することはない。
【0055】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る光学ユニットを説明する。
【0056】
本実施形態の光学ユニットは、撮像光学系は第1の実施形態と同じで、シャッターユニットの構成および鏡筒の一部の構成が異なるものである。
【0057】
図3は本発明の第2の実施形態に係る光学ユニット41の構成の一部を示す。図3において、図2と同じ機能の構成要素には同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0058】
図3において、本実施形態のシャッターユニットは第1の実施形態と同じく、圧接部材、光吸収層および板状の圧電素子から構成されているが、圧接部材および光吸収層の形状が第1の実施形態とは異なっている。本実施形態では、圧接部材42の断面を台形とし板状の圧電素子44をその上底の部分に配して、圧接面42aを境界面25bに対して垂直の方向から圧接する構成としている。板状の圧電素子44の圧接部材42とは反対側の面は、鏡筒の一部43に接着されている。光吸収層45は本実施形態では、圧接部材42の圧接面42aを除くすべての面に形成されている。圧電素子44は、電圧の印加によりその厚さを増すように構成されている。
【0059】
上述した構成により、本実施形態では第1の実施形態で説明したように、圧電素子制御部34からの圧電素子44への印加電圧のオン、オフにより、圧接面42aが境界面25bに密着したり離れたりして、境界面25bの反射と透過が切り換えられてシャッター動作を行う。
【0060】
光学ユニット41の構成各部の形状および材質については、第1の実施形態で説明したように以下のようであってもよい。
【0061】
圧接部材42の材料は屈折率が空気よりも大きければ良く、本実施形態では透光性であるが、これは必ずしも透光性である必要はなく光吸収性の黒色の材料であってもよいし、弾性体ではなく剛性のある樹脂やガラスなどでもよい。
【0062】
また、本実施形態では圧接面42aは平面であるが、この面は凸面であってもよい。その場合、圧接面42aを境界面25bに圧接する際、両者はまず対向する面の中心付近から接触し接触部は次第に周辺に広がってゆくので、接触部付近の空気を効率良く排出でき、圧接面42aと境界面25bとの間に空気層が残りにくくなる。
【0063】
また、圧接面42aを境界面25bから引き離す場合、両者はまず接触面の周辺部から離れだし、次第に中心付近が離れてくるので、空気がスムーズに両者の間に流れ込み少ない力で両者を引き離すことができる。
【0064】
なお、空気層29の接触面への空気の流入および流出をスムーズにする目的では、圧接面42aを凸面にする以外に、圧接面42aと境界面25bとを平行ではなく少し傾けておくという手段をとってもよい。
【0065】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る光学ユニットを説明する。
【0066】
本実施形態の光学ユニットは、撮像光学系は第2の実施形態と同じで、シャッターユニットの構成が異なるものである。
【0067】
図4は本発明の第3の実施形態に係る光学ユニット46の構成の一部を示す。図4において、図3と同じ機能の構成要素には同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0068】
図4(a)において、本実施形態が第2の実施形態と異なるのは空気層29の周辺部にシール部材47を設けている点である。シール部材47を設けた目的は、空気層29にゴミが進入するのを防ぎ、圧接面42aと境界面25bとの密着性が悪くなるのを防ぐことである。
【0069】
本実施形態の動作については第2の実施形態と同様であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0070】
図4(a)は空気層29の存在する状態、つまりシャッター開の状態である。この状態で、シール部材47はプリズム25と圧接部材42との対向面の周辺部を覆いゴミの進入を防いでいる。
【0071】
図4(b)は空気層29のない状態、つまり境界面25bと圧接面42aとが密着したシャッター閉の状態である。この状態ではシール材47は変形して、境界面25bと圧接面42aとの密着を妨げないようになっている。
【0072】
シール部材47に用いられる材料としては、弾性を有した樹脂などが好ましい。
【0073】
シール部材47には、シャッターの開閉に応じて空気層29の空気を排出および流入させるための通気部を設けておくのが好ましい。その場合、通気部にはゴミの流入を防ぐためのフィルタを設けてもよい。
【0074】
本実施形態によると、シール部材47により、空気層29へのゴミの進入を防ぐことができるため、空気層29にゴミが流入して、境界面25bに圧接面42aを圧接させたときの両者の密着性が悪くなることがない。
【0075】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る光学ユニットを説明する。
【0076】
本実施形態の光学ユニットは、撮像光学系は第2の実施形態と同じで、シャッターユニットの構成が異なるものである。
【0077】
図5は本発明の第4の実施形態に係る光学ユニット51の構成の一部を示す。図5において、図2と同じ機能の構成要素には同じ符号を付して、その説明は省略する。
【0078】
図5において、本実施形態のシャッター57は第1の透明電極52および電気光学効果素子53から構成され、シャッターユニット58は電気光学効果素子53、電気光学効果素子53に電圧を印加するための第1の透明電極52および第2の透明電極54、ならびに光吸収層55から構成されている。第1の透明電極52および第2の透明電極54の屈折率はプリズム25の屈折率に近いものである。第1の透明電極52は薄板状の電気光学効果素子53の一方の面に形成されており、第2の透明電極54は電気光学効果素子53の他方の面に形成されている。第1の透明電極52は、プリズム25と同様の屈折率を有する透明な接着剤などにより境界面25bに接着されている。第1の透明電極52および第2の透明電極54は、電気光学効果素子制御部56に接続されており、電気光学効果素子制御部56はカメラ制御部35の制御のもとに第1の透明電極52と第2の透明電極54の間への印加電圧のオン、オフの制御を行う。光吸収層55は第2の透明電極54の電気光学効果素子54とは反対側の面に形成され、第1の透明電極、電気光学効果素子53および第2の透明電極54を透過してきた光を吸収する。
【0079】
図5において、電気光学効果素子53は電圧が印加されるとその屈折率が高くなり、電圧の印加が無くなると屈折率が低くなる特性を持っている。
【0080】
ここで、電気光学効果素子53に電圧が印加されていない状態を考えると、電気光学効果素子53の屈折率は低い状態である。そのため、対物レンズ30からプリズム25に入射した光は、境界面25bから第1の透明電極52に入り、第1の透明電極52と電気光学効果素子53の境界面で全反射され、撮像素子の方向(下方)へ向かい、シャッターは開の状態になる。
【0081】
次に、第1の透明電極と第2の透明電極の間に電圧が印加された場合を考えると、電気光学効果素子53はその屈折率が大きくなる。したがって、対物レンズ30からプリズム25に入射した光は、第1の透明電極52と電気光学効果素子53の境界面で全反射されることなく電気光学効果素子53に入射し、第2の透明電極54を透過して光吸収層55で吸収される。したがって、対物レンズ30からの入射光は撮像素子(不図示)の方向(下方)へは反射されずシャッターは閉の状態になる。
【0082】
上述したように本実施例によると、電気光学効果素子制御部56による電気光学効果素子53への電圧オン、オフにより、シャッター開の状態とシャッター閉の状態とを制御することができる。
【0083】
本実施形態では、電気光学効果素子53としては電圧の印加時に屈折率が高くなる材料を用いたが、電気光学効果素子53の特性としてはこれに限定されることなく、電圧の印加によって屈折率が低くなる材料を用いてもよい。
【0084】
本実施形態の電気光学効果素子として用いられる材料としては、ポッケルス効果やカー効果を有する材料および液晶材料など、印加電圧のオン、オフにより屈折率の変化する材料を用いることができる。しかし、印加電圧のオン、オフにより屈折率が変化する材料であれば上述した材料に限定されるものではなく、どのような材料を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るシャッターユニットおよび光学ユニットの構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るシャッターユニットおよび光学ユニットの構成の一部を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るシャッターユニットおよび光学ユニットの構成の一部を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係るシャッターユニットおよび光学ユニットの構成の一部を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
1 デジタルカメラ
21 光学ユニット
22 撮像素子
23 ローパスフィルタ
24 開口絞り
25 プリズム
26 圧接部材
27 光吸収層
28 圧電素子
29 空気層
33 鏡筒の一部
34 圧電素子制御部
35 カメラ制御回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を通過させる開状態と、入射光を遮断する閉状態とに切り換えるシャッターユニットにおいて、
入射光を反射する状態で開状態とし、入射光を透過する状態で閉状態とする光学部材を有することを特徴とするシャッターユニット。
【請求項2】
前記光学部材は、光が入射する入射面と、空気との境界面で構成され前記入射面に入射された光を反射する反射面と、前記反射面で反射された光を射出する射出面とを有するプリズムと、
前記境界面に接触可能であり、かつ空気より屈折率が大きい圧接部材とを有し、
前記圧接部材を前記境界面と離間させて、前記境界面が存在する場合に開状態とし、
前記圧接部材を前記境界面に接触させて、前記境界面が消失する場合に閉状態とすることを特徴とする請求項1に記載のシャッターユニット。
【請求項3】
前記圧接部材を駆動する圧電素子を有することを特徴とする請求項2に記載のシャッターユニット。
【請求項4】
前記圧接部材は光透過性の弾性体であることを特徴とする請求項2又は3に記載のシャッターユニット。
【請求項5】
前記圧接部材は、前記境界面に接触する圧接面以外の面の内、少なくとも1面に光吸収層を有することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載のシャッターユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットおよび、入射光を結像させる結像光学系を有することを特徴とする光学ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の光学ユニットを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了する電子シャッターを可能とする撮像素子、請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを有し、前記シャッターユニットにより電荷蓄積終了後の前記撮像素子の遮光を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了する電子シャッターを可能とする撮像素子、および請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを有し、前記電子シャッターによる前記撮像素子の電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了するまでの間に、前記シャッターユニットにより前記撮像素子の遮光を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項1】
入射光を通過させる開状態と、入射光を遮断する閉状態とに切り換えるシャッターユニットにおいて、
入射光を反射する状態で開状態とし、入射光を透過する状態で閉状態とする光学部材を有することを特徴とするシャッターユニット。
【請求項2】
前記光学部材は、光が入射する入射面と、空気との境界面で構成され前記入射面に入射された光を反射する反射面と、前記反射面で反射された光を射出する射出面とを有するプリズムと、
前記境界面に接触可能であり、かつ空気より屈折率が大きい圧接部材とを有し、
前記圧接部材を前記境界面と離間させて、前記境界面が存在する場合に開状態とし、
前記圧接部材を前記境界面に接触させて、前記境界面が消失する場合に閉状態とすることを特徴とする請求項1に記載のシャッターユニット。
【請求項3】
前記圧接部材を駆動する圧電素子を有することを特徴とする請求項2に記載のシャッターユニット。
【請求項4】
前記圧接部材は光透過性の弾性体であることを特徴とする請求項2又は3に記載のシャッターユニット。
【請求項5】
前記圧接部材は、前記境界面に接触する圧接面以外の面の内、少なくとも1面に光吸収層を有することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載のシャッターユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットおよび、入射光を結像させる結像光学系を有することを特徴とする光学ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の光学ユニットを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了する電子シャッターを可能とする撮像素子、請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを有し、前記シャッターユニットにより電荷蓄積終了後の前記撮像素子の遮光を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了する電子シャッターを可能とする撮像素子、および請求項1乃至5の何れか1項に記載のシャッターユニットを有し、前記電子シャッターによる前記撮像素子の電荷蓄積を開始したのち、電荷蓄積を終了するまでの間に、前記シャッターユニットにより前記撮像素子の遮光を行うことを特徴とする撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2006−292990(P2006−292990A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−113202(P2005−113202)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】
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