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シャワーヘッド
説明

シャワーヘッド

【課題】手元での吐水または止水操作が行えて、シャワー水の吐水時に外気をシャワー水中に混合させることができて節水も行えるシャワーヘッドを、簡単な構成によって提供すること。
【解決手段】シャワーホースからの湯水をシャワー口20に通す通水口41を切替軸40内に形成するとともに、通水口41とシャワーヘッドの外部とを連通させる連通路42を切替軸40内に形成して、当該シャワーヘッドによるシャワー水の吐水時に、外気を連通路42を通して通水口41内に吸引し得るようにしたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手元でのシャワーの吐水と止水の切替えを行えるシャワーヘッドに関し、特に、シャワー水中に外気、つまり空気を導入して軽い刺激のあるシャワー水の吐水、及び節水が行えるシャワーヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シャワーホースの先端に取り付けられて、このシャワーホースから給送されてくる湯水をシャワー口からシャワー水として吐水するようにしたシャワーヘッドは種々知られている。このようなシャワーヘッドは、シャワーホースの給湯管等の接続元において吐水または止水操作を行うのは少し不便なため、手元での吐水または止水操作が行えるようにすると便利である。そのようにしたものが、例えば特許文献1あるいは特許文献2に提案されている。
【0003】
特許文献1にて提案されているシャワーヘッドでは、図11にも示すように、開閉弁6を進退させることにより、シャワーヘッドを持った手元で、シャワーヘッドでの吐水または止水を操作できるようにした便利なものである。また、特許文献2にて提案されているシャワーヘッドも、図12にも示すように、スプール軸40を進退させることにより、シャワーヘッドを持った手元で、シャワーヘッドでの吐水または止水を操作できるようにした便利なものである。
【特許文献1】特開平10−28900号公報、要約
【特許文献2】特開平9−313390号公報、要約
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シャワー水は、これを連続的に吐水させるよりも、断続的に吐水させた方が軽い刺激を得ることができて、人の肌や頭皮の血行をよくすることが知られている。勿論、空気がシャワー水中に混合されれば、この空気の分だけ湯水が節約できることは言うまでもない。
【0005】
シャワー水を断続的に吐水させる方法としては種々考えられるが、現在のところ一般的に採用されているのが、外気つまり空気をシャワー水中に混合することである。このような、シャワー水を断続させて人の肌によい刺激を与えるようにできると、この種のシャワーヘッドも非常に有効になると考えられるが、上記の特許文献1あるいは特許文献2に記載されたシャワーヘッドは、そのような機能を発揮することができないものとなっている。
【0006】
そこで、本発明者等は、手元での吐水または止水操作ができて、吐水時には外気をシャワー水中に混合させることのできるシャワーヘッドとするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0007】
すなわち、本発明が第1に目的とするところは、手元での吐水または止水操作が行えて、シャワー水の吐水時に外気をシャワー水中に混合させることができて節水も行えるシャワーヘッドを、簡単な構成によって提供することにある。
【0008】
また、本発明が第2に目的とするところは、上記第1の目的を達成しながら、手で完全に包み込んでしまっても、シャワー吐水時の外気の導入が阻害されないようすることのできるシャワーヘッドを提供することにある。
【0009】
さらに、本発明が第3に目的とするところは、上記第1及び第2の目的を達成しながら、外気導入に伴う異音の発生を抑制することのできるシャワーヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「シャワーホース200の先端に取り付けられて、ヘッド本体10の内部に収納した切替軸40を進退させることにより、シャワーホース200から給送されてくる湯水をシャワー口20からシャワー水として吐水し、または止水するようにしたシャワーヘッド100において、
シャワーホース200からの湯水をシャワー口20に通す通水口41を切替軸40内に形成するとともに、通水口41とシャワーヘッド100の外部とを連通させる連通路42を切替軸40内に形成して、当該シャワーヘッド100によるシャワー水の吐水時に、外気を連通路42を通して通水口41内に吸引し得るようにしたことを特徴とするシャワーヘッド100」
である。
【0011】
すなわち、この請求項1に係るシャワーヘッド100は、図1に示すように、シャワーホース200の先端に取り付けられるものであり、このシャワーホース200から給送されてくる湯水をシャワー口20からシャワー水として吐水し、または止水するものである。また、このシャワーヘッド100は、図4及び図5に示すように、ヘッド本体10の内部に切替軸40を収納したものであり、この切替軸40の進退をヘッド本体10を握った手で行えるようにしたものである。
【0012】
つまり、この請求項1に係るシャワーヘッド100は、まず、そのヘッド本体10内に収納した切替軸40を手元で進退させることができるようにしたものであり、これにより、シャワー水の吐水または止水をヘッド本体10を握ったままの手で行えるようにしたものである。
【0013】
そして、この請求項1に係るシャワーヘッド100では、図4及び図5の各(a)に示すように、使用者が手元で進退させることのできる切替軸40内には、シャワーホース200からの湯水をシャワー口20に通す通水口41と、この通水口41とシャワーヘッド100の外部とを連通させる連通路42とが形成してあり、この連通路42を通して、当該シャワーヘッド100によるシャワー水の吐水時に、外気が通水口41内に吸引される。何故なら、通水口41内は、ここを湯水が流れることによって「負圧」が発生するのであり、この負圧によって外気が連通路42を通して吸引されることになるからである。
【0014】
以上の吐水状態を図5の(a)を参照して説明すると、使用者が切替軸40を押して「吐水状態」にすれば、この切替軸40の通水口41がシャワーホース200側に開口することになり、シャワーホース200からの湯水は、この通水口41を介してヘッド本体10内部である分散空間10a内に流入する。このとき、通水口41内には、湯水の流れのよる負圧が形成される。
【0015】
この負圧状態になっている通水口41には、切替軸40に設けてある連通路42が連通していて、この連通路42の先は外気に通じているから、外気が通水口41内の負圧によって当該通水口41内に流入する。そして、この吸引された外気は、通水口41内を流れている湯水中に混入され、湯水とともにヘッド本体10の分散空間10a内に流れ込むのである。
【0016】
分散空間10a内に流れ込んだ湯水と外気(つまり空気)は、この分散空間10aの開口部に取り付けてあるシャワー口20の分水板21からシャワー水として吐水される。勿論、分水板21には多数の小さな穴が形成してあって、これらの穴からシャワー水として吐水されることは、従来のシャワーヘッドと同様である。
【0017】
一方、使用者が切替軸40を逆に押して「止水状態」にすれば、切替軸40は、図4の(a)に示す状態になって、通水口41がシャワーホース200側に開口しなくなる。このため、シャワーホース200側からの湯水の分散空間10a内への供給は止まり、シャワー水の吐水、及び外気の連通路42内への吸引が停止されることは言うまでもない。
【0018】
なお、連通路42の外気側が開口したままであると、切替軸40とヘッド本体10との間から湯水が漏れたりする可能性があるため、この連通路42に「逆止弁」を設けるようにして実施してもよく、後述する最良形態のように、ボール50によってこの連通路42を閉じるように実施してもよい。
【0019】
従って、この請求項1に係るシャワーヘッド100は、手元での吐水または止水操作が行えて、その使用がし易いものであるだけでなく、シャワー水の吐水時に外気をシャワー水中に混合させることができて、節水しながら、人の肌に血行を促進する刺激を与えるシャワー水の吐水が行えるものとなっているのである。
【0020】
また、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載のシャワーヘッド100について、
「連通路42に連通してシャワーヘッド100の外部に開口する空気穴32をヘッド本体10に形成し、かつ、この空気穴32の周囲に突起33を形成して、この突起33によって空気穴32が使用時に塞がれないようにしたこと」
である。
【0021】
すなわち、この請求項2に係るシャワーヘッド100は、図5の(a)及び図10に示すように、上述した連通路42に連通してシャワーヘッド100の外部に開口する空気穴32をヘッド本体10に形成し、かつ、この空気穴32の周囲に突起33を形成したものである。
【0022】
これらの突起33は、空気穴32の周囲に突出しているから、この空気穴32が形成してあるヘッド本体10の全体を手で握った場合に、手指がヘッド本体10の表面に密着することを防止することになるものである。その結果、これらの突起33によって周囲が囲まれた空気穴32が、手指によって塞がれることがなくなり、当該空気穴32を通した外気のヘッド本体10内への流入状態が確保されることになるのである。
【0023】
ヘッド本体10に設けた空気穴32が塞がれないことは、当該シャワーヘッド100の使用時における空気を含んだシャワー水の吐水を、節水しながら安定的に行えることを意味し、当該シャワーヘッド100の使用時に当該シャワーヘッド100をどのように持とうが、シャワー水による肌への刺激を持続させることができるのである。
【0024】
従って、この請求項2のシャワーヘッド100は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮する他、ヘッド本体10に形成してある空気穴32が手指で塞がれることを防止して、当該シャワーヘッド100をどのように持とうが、節水しながら、シャワー水による肌への刺激を持続させ得るものとなっているのである。
【0025】
さらに、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または請求項2に記載のシャワーヘッド100について、
「連通路42内にボール50を収納して、このボール50によって連通路42の外気への連通を塞ぎ得るようにしたこと」
である。
【0026】
すなわち、この請求項3に係るシャワーヘッド100は、図4及び図5の各(a)に示すように、上述した切替軸40の連通路42内にボール50を収納したものであり、このボール50が、当該シャワーヘッド100の止水時に、連通路42の外気への連通を塞ぐようにしたものである。
【0027】
このボール50は、切替軸40の連通路42内に湯水が流入して、この連通路42の開口または上記空気穴32から外に出ようとする場合に、この湯水の流れによって開口または空気穴32に向けて押し流されるものであり、最終的に連通路42の開口または空気穴32を塞ぎ、湯水が開口または空気穴32から外に出るのを防止するものである。
【0028】
湯水が連通路42の開口または上記空気穴32から外に出ようとするのには次の場合がある。まず第1に、使用者が、当該シャワーヘッド100の使用中にシャワー口20の分水板21に不用意に手を触れる場合である。つまり、吐水しているシャワー口20の分水板21を不用意に塞ぐと、それまで吐水されていたシャワー水に負荷が掛かるため、このシャワー水が切替軸40の連通路42内に逆流する場合である。
【0029】
第2には、当該シャワーヘッド100の止水状態から吐水状態への切替直後である。このときには、切替軸40の通水口41内には十分な負圧が発生していないため、シャワー水がシャワー口20側から出ることもあるが、一部のシャワー水が連通路42の開口または空気穴32から出ようとすることがあり、この場合に、当該ボール50によって連通路42の開口または空気穴32を塞ぐようにするのである。
【0030】
従って、この請求項3に係るシャワーヘッド100は、上記請求項1または2のそれと同様な機能を発揮する他、ボール50によって、連通路42の開口または空気穴32からの不用意なシャワー水漏れを防止し得るものとなっているのである。
【0031】
そして、上記課題を解決するために、請求項4に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のシャワーヘッド100について、
「ヘッド本体10内に、第1分流板13または第2分流板14の内のいずれか少なくとも1つを形成して、この少なくとも1つの分流板13または14によって切替軸40の通水口41から給送されてきた湯水と外気との混合流を整流するようにしたこと」
である。
【0032】
すなわち、この請求項4に係るシャワーヘッド100は、図4の(b)等に示すように、ヘッド本体10内に、第1分流板13または第2分流板14のいずれか少なくとも1つを形成したものである。この場合、第1分流板13については、図7の(b)に示すように、ヘッド本体10の分散空間10a内に当該ヘッド本体10と一体的に形成したものであり、図6の(c)に示すように、分散空間10aの先端内側に複数(後述する最良形態では4枚)形成したものである。一方、第2分流板14については、図4及び図5の各(b)にて示すように、上記第1分流板13と平行にした複数の第2分流板14を、ヘッド本体10の分散空間10a内に収納して取り付けられる1つの取付台14aに組み付けて、これをヘッド本体10の分散空間10a内に収納するようにしたものである。
【0033】
これらの第1分流板13及び第2分流板14は、図4及び図5の各(b)に示すように、それぞれの間に空間を形成するものであり、これらの空間をヘッド本体10の分散空間10a内に開放するものである。これらの第1分流板13及び第2分流板14によって形成される空間には、切替軸40の通水口41から分散空間10a内に給送されてきた空気を含む湯水が噴射され、噴射された湯水等を各第1分流板13または第2分流板14が「整流」するのである。つまり、これらの第1分流板13または第2分流板14は、ヘッド本体10の分散空間10a内にて、空気及び湯水の「乱流または渦流」を形成しないで、切替軸40の通水口41から分散空間10a内に給送されてきた空気を含む湯水を、直ちにシャワー口20の分水板21から整流された状態で吐出するのである。
【0034】
もし、ヘッド本体10の分散空間10a内に、シャワー水による「乱流または渦流」が形成されたとすると、これによってヘッド本体10内に大きな異音が発生することになる。ところが、この請求項4のシャワーヘッド100では、そのヘッド本体10内に第1分流板13または第2分流板14の何れか少なくとも一方が配置されているから、これらの第1分流板13または第2分流板14によって、異音の発生が抑制されることになるのである。
【0035】
従って、この請求項4に係るシャワーヘッド100は、上記請求項1〜3のそれと同様な機能を発揮する他、第1分流板13または第2分流板14によって、ヘッド本体10内にての異音の発生が抑制されたものとなっているのである。
【発明の効果】
【0036】
以上、説明した通り、本発明においては、
「シャワーホース200の先端に取り付けられて、ヘッド本体10の内部に収納した切替軸40を進退させることにより、シャワーホース200から給送されてくる湯水をシャワー口20からシャワー水として吐水し、または止水するようにしたシャワーヘッド100において、
シャワーホース200からの湯水をシャワー口20に通す通水口41を切替軸40内に形成するとともに、通水口41とシャワーヘッド100の外部とを連通させる連通路42を切替軸40内に形成して、当該シャワーヘッド100によるシャワー水の吐水時に、外気を連通路42を通して通水口41内に吸引し得るようにしたこと」
にその構成上の主たる特徴がありボール50これにより、手元での吐水または止水操作を行うことができて、使用上の利便性を高いものとすることができることは勿論、シャワー水の吐水時に外気をシャワー水中に混合させて、節水しながら、シャワー水を受ける肌に血行をよくする軽い刺激を与えることのできるシャワーヘッド100を、簡単な構成によって提供することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
次に、以上のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した最良の形態であるシャワーヘッド100について説明するが、この最良形態に係るシャワーヘッド100は、上記各請求項に係る発明の全てを含むものである。
【0038】
さて、図1には、本発明に係るシャワーヘッド100の側面図が示してあり、このシャワーヘッド100は、図示しない給湯器や吸水管に接続されたシャワーホース200の先端に取り付けられるものである。このシャワーヘッド100のシャワーホース200に対する取付あるいは取り外しは、シャワーヘッド100を構成するヘッド本体10のホース接続部11の左右両側面に形成してある面取り11aを利用する。すなわち、図1及び図6の(b)に示したように、ヘッド本体10を構成してるホース接続部11の左右両側面には面取り11aがそれぞれ形成してあり、これらの面取り11aを手または図示しない工具で挟み込んでヘッド本体10を固定し、シャワーホース200を回転させれば、このシャワーヘッド100のシャワーホース200に対する取付あるいは取り外しは、簡単に行うことができる。
【0039】
このシャワーヘッド100のヘッド本体10には、図7の(a)及び(b)に示したように、挿入部12が形成してあり、この挿入部12内の挿入口12aには、図8に示した切替軸40が、図4及び図5に示したように、挿入されるのである。なお、挿入部12の挿入口12a内に挿入された切替軸40の両端には、図4及び図5の各(b)に示したように、図9及び図10に示した第1切換ボタン30a及び第2切換ボタン30bが外から嵌合固定される。
【0040】
また、挿入部12内の挿入口12aの一方側には、図7の(a)に示したように、位置決め溝12bが形成してあり、この位置決め溝12bには、図8の(b)及び(e)に示した切替軸40側の位置決め突起43が挿入され、これにより、切替軸40の挿入口12a内での回転止めが行えるようにしてある。さらに、このヘッド本体10のホース接続部11と挿入口12aとの境界部分には、図7にも示したように、連通孔12cが形成してあり、この連通孔12cによってシャワーホース200からの湯水が切替軸40を介してヘッド本体10の分散空間10a内に流入し得るようにしてある。
【0041】
以上のヘッド本体10内に形成してある分散空間10a内には、図6の(c)にも示したように、複数の第1分流板13が一体的に形成してあるが、これらの第1分流板13はシャワーホース200側から給送されてきた湯水や外気つまり空気の整流を行うものである。このような整流を行うものとして、本最良形態に係るシャワーヘッド100では、ヘッド本体10のシャワー口20が取り付けられる部分内に収納した第2分流板14も用意している。この第2分流板14は、上記第1分流板13と同数程度の複数用意しておいて、本最良形態では、これらをヘッド本体10内に収納固定される取付台14aに一体化するようにしている。
【0042】
そして、このヘッド本体10のシャワーホース200が接続されることになるホース接続部11内には、例えば図4に示したように、流量調整弁15が収納される。この流量調整弁15は、その中心の通水口によって、シャワーホース200から送られてきた湯水の流量を一定にするものであり、この通水口は、ヘッド本体10に形成してある上述した連通孔12cと中心を一にするものである。なお、この流量調整弁15は、その通水口の大きさが種々なものとして用意されるものであり、当該シャワーヘッド100の使用状況に合わせた大きさの通水口のものが使用できるようになっている。
【0043】
勿論、このヘッド本体10の分散空間10aの開口部には、図1〜図3、あるいは図4の(b)等に示したように、シャワー口20が取り付けられる。このシャワー口20は、図4の(b)にも示したように、多数の穴を形成した分水板21を有するものであり、この分水板21の各穴からシャワー水が吐水されるものである。
【0044】
さて、このヘッド本体10の挿入口12a内に挿入される切替軸40について説明すると、この切替軸40は、図8にも示したように、オーリングや止水カーラー44を嵌合する段部や、ヘッド本体10側に形成した位置決め溝12b内に係合する位置決め突起43を有した円柱状のものである。
【0045】
また、この切替軸40内には、通水口41及び連通路42が形成してあり、通水口41の連通孔12c側端部は、図8の(c)に示したように現れ、通水口41の分散空間10a側端部は、図8の(a)に示したように現れる。一方、連通路42については、図8の(d)に示したように、図示上方に形成してあり、この連通路42と通水口41とは、図4及び図5の各(a)にて示したように、連通孔42aによって連通するものである。なお、切替軸40の下部には、図8の(d)に示したように、上記連通路42と同様な空間が形成してあるが、この空間は単に当該切替軸40を形成する材料の軽減を図るものである。
【0046】
この連通路42の外側に位置する段部内には、上述した止水カーラー44が嵌合されるが、この止水カーラー44は、例えば図4に示したように、当該シャワーヘッド100の「一時止水時」に、ヘッド本体10側の連通孔12cの連通を「緩く」遮断するために使用されるものである。つまり、この止水カーラー44は、切替軸40の段部に嵌合された円筒状のものであるから、ヘッド本体10側の連通孔12cの内端面を平らなままにしておけば、この連通孔12cの内端面と止水カーラー44との間には少しの隙間が形成でき、この隙間から湯水をシャワー口20側から少しずつ出すのである。
【0047】
この止水カーラー44は、当該シャワーヘッド100側での「一時止水」を、シャワー口20からのシャワー水の洩出をある程度許容しながら行うものである。そのようにした理由は、もし当該シャワーヘッド100側で「完全止水」がなされたとすると、シャワーホース200内にこれが接続されている湯水混合栓等からの圧力がそのまま掛かることになり、「一時止水」時間が長くなるとシャワーホース200が破裂することもあり得るが、このようなシャワーホース200の破裂や破損を避けるためである。
【0048】
シャワー水の「完全止水」を行うのは、シャワーホース200が接続されている湯水混合栓等の「元」側なのであるが、この「元」を締めることは、当然のことながら当該シャワーヘッド100側での「手元止水あるいは一時止水」とは別作業である。この種のシャワーヘッド100は、理髪店や美容院等の業務用としても使用されるものであるが、このような業務用として使用する場合、完全止水を一々行っていてはそれだけでも手間が掛かって業務に支障を来すことになる。勿論、一般家庭で使用する場合も、止水をしなければならない場合は何度もあるが、その都度シャワーホースの「元」側での「完全止水」を行うことは非常に面倒である。
【0049】
この点、本発明に係るシャワーヘッド100は、止水カーラー44を採用したことによって、シャワー水の手元止水時において、シャワー口20からシャワー水が少しずつ出るようにしてシャワーホース200への負荷軽減を図り、さらには、この手元止水が「完全止水」ではないことを示すようにしているのである。そして、「完全止水」が必要な場合に、シャワー口20からシャワー水が少しずつ出ていれば、湯水混合栓等の「元」での止水を促すことになるものである。
【0050】
また、上記の切替軸40の図示上端部には、上記連通路42を塞ぐように、図10に示した第2切換ボタン30bが嵌合され、図示下端部には、図9に示した第1切換ボタン30aが嵌合される。この第1切換ボタン30aは、図9の(c)に示したように、嵌合部31を有していて、この嵌合部31を切替軸40の下部外側に嵌合することにより、当該切替軸40に取り付けられ、その図9の(a)に示したボタン部が、図1に示したようにシャワーヘッド100の外部に露出することになるのである。
【0051】
一方、第2切換ボタン30bは、図10の(c)に示したように、上記第1切換ボタン30aの嵌合部31と同じ嵌合部31を設けたものであるが、そのボタン部に空気穴32と突起33とを設けたことが、第1切換ボタン30aとは異なるものである。本最良形態の第2切換ボタン30bでは、図10の(a)及び(c)に示したように、1個の空気穴32を中心に形成したものであるが、この空気穴32の直径は後述するボール50のそれより小さなものとして、ボール50による当該空気穴32の塞ぎが十分可能となるようにしてある。
【0052】
この第2切換ボタン30bの空気穴32の周囲には、図10の(a)に示したように、空気穴32を取り囲むように、複数(本最良形態では4個)の突起33が形成してあり、これら各突起33は、図10の(b)及び(c)に示したように、所定の高さ(本最良形態では約2mm)で外方に突出したものである。つまり、これらの突起33は、当該第2切換ボタン30bを指で押さえる場合に痛さを感じさせるものではないが、当該シャワーヘッド100によりシャワー水の吐水時には、当該第2切換ボタン30bを不用意に押さえたとしても空気穴32を塞ぐことを防止するものである。
【0053】
以上の第1切換ボタン30a及び第2切換ボタン30bは、ヘッド本体10の挿入口12a内に挿入した切替軸40の両端部に、各嵌合部31を利用して嵌合することにより取り付けられるものであるが、特に、第2切換ボタン30bを連通路42の外端部に取り付ける際には、この連通路42内にボール50が挿入される。ボール50は、一種の逆止弁の役目を果たすものであり、連通路42内にシャワー水の圧力が不用意に加わった場合、この圧力によって空気穴32の内側に当接して、当該空気穴32からシャワー水の外側への洩出を防止するものである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
このシャワーヘッド100は、理髪店や美容院での業務用として使用するのに非常に適しており、理髪店や美容院の営業を効率的に行えるものともなる。何故なら、図1にも示したように、ホース接続部11を非常に短くして、ヘッド本体10自体を掌で包み込めるような小さなものとすることができるから、お客様の頭部に、シャワー口20を近接させた状態でしかもあらゆる角度でシャワー水の噴射が行え、使用する湯水の節約が行えるだけでなく、お客様の衣服などを濡らしてしまうことがないからである。
【0055】
勿論、このシャワーヘッド100は、切替軸40の切替操作をヘッド本体10を握ったまま行えるため、その吐水あるいは止水操作が非常に短時間で簡単におこなえるだけでなく、使用中にシャワー口20の分水板21を手で塞いだとしても、空気穴32からのシャワー水の洩出がないため、お客様の衣服などを濡らしてしまうこともないから、理髪店や美容院の営業を効率的に行えるのである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係るシャワーヘッドをシャワーホースの先端に接続した状態を示す側面図である。
【図2】同シャワーヘッドを示すもので、(a)は平面図、(b)は底面図である。
【図3】同シャワーヘッドの背面図である。
【図4】同シャワーヘッドの止水時を示すもので、(a)は図1中の1−1線に沿ってみた横断面図、(b)は図3中の2−2線に沿ってみた縦断面図である。
【図5】同シャワーヘッドの吐水時を示すもので、(a)は図1中の1−1線に沿ってみた横断面図、(b)は図3中の2−2線に沿ってみた縦断面図である。
【図6】同シャワーヘッドを構成しているヘッド本体を示すもので、(a)は側面図、(b)は背面図、(c)は底面図である。
【図7】同シャワーヘッドを構成しているヘッド本体を示すもので、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
【図8】同シャワーヘッドを構成している切替軸を拡大して示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は(c)中の3−3線に沿ってみた断面図、(e)は平面図、(f)は通水口を横断してみた切替軸の横断面図である。
【図9】切替軸に嵌合される第1切換ボタンを拡大して示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(a)中の4−4線に沿って見た縦断面図である。
【図10】切替軸に嵌合される第2切換ボタンを拡大して示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(a)中の5−5線に沿って見た縦断面図である。
【図11】従来技術を示す部分拡大断面図である。
【図12】従来の他の技術を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0057】
100 シャワーヘッド
10 ヘッド本体
10a 分散空間
11 ホース接続部
11a 面取り
12 挿入部
12a 挿入口
12b 位置決め溝
12c 連通孔
13 第1分流板
14 第2分流板
14a 取付台
15 流量調整弁
20 シャワー口
21 分水板
30a 第1切換ボタン
30b 第2切換ボタン
31 嵌合部
32 空気穴
33 突起
40 切替軸
41 通水口
42 連通路
42a 連通孔
43 位置決め突起
44 止水カーラー
50 ボール
200 シャワーホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワーホースの先端に取り付けられて、ヘッド本体の内部に収納した切替軸を進退させることにより、前記シャワーホースから給送されてくる湯水をシャワー口からシャワー水として吐水し、または止水するようにしたシャワーヘッドにおいて、
前記シャワーホースからの湯水を前記シャワー口に通す通水口を前記切替軸内に形成するとともに、前記通水口とシャワーヘッドの外部とを連通させる連通路を前記切替軸内に形成して、当該シャワーヘッドによるシャワー水の吐水時に、外気を前記連通路を通して通水口内に吸引し得るようにしたことを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項2】
前記連通路に連通してシャワーヘッドの外部に開口する空気穴を前記ヘッド本体に形成し、かつ、この空気穴の周囲に突起を形成して、この突起によって空気穴が使用時に塞がれないようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項3】
前記連通路内にボールを収納して、このボールによって連通路の外気への連通を塞ぎ得るようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシャワーヘッド。
【請求項4】
前記ヘッド本体内に、第1分流板または第2分流板の内のいずれか少なくとも1つを形成して、この少なくとも1つの分流板によって前記切替軸の通水口から給送されてきた湯水と外気との混合流を整流するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−110354(P2010−110354A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282976(P2008−282976)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(599166459)株式会社田中金属製作所 (7)
【Fターム(参考)】