説明

シンクライアントサーバシステム

【課題】シンクライアントへのデバイスドライバのインストールが不要なシンクライアントサーバシステムを提供する。
【解決手段】デバイス制御データ転送部14は、シンクライアント2のデバイス制御データ転送制御部22に、制御ID、デバイスIDならびにデバイス制御データを送信する(S67)。デバイス制御データ転送制御部22は、そのデバイスIDを含むポートIDレコードを検索し(S71)、そのポートIDレコードに含まれたポートIDのポートに対応するポートドライバ24に、そのポートIDとデバイス制御データを送信する(S73)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクライアントへのデバイスドライバのインストールが不要なシンクライアントサーバシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シンクライアントサーバシステムにあって、シンクライアントは、マウスやキーボードなどへの操作内容を処理および保存しないで操作内容のままサーバに通知し、サーバはその操作内容に応じた処理を行い、その処理結果に応じた画面情報をシンクライアントに送信し、シンクライアントは画面情報を処理および保存しないで画面情報のまま表示装置に表示させる。
【0003】
このようにシンクライアントは、クライアントとしての最低限の機能しか持たないので、機能更新などの作業がほとんど不要であり、よって管理が容易である。また、送受信されるのが操作内容および画面情報なので、これにより、情報漏洩の防止を図ることができる。
【非特許文献1】USB/IP Project、[online]、[平成17年9月15日検索]、インターネット<URL:http://usbip.naist.jp/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようにシンクライアントは、最低限の機能しか持たなくてよいので、プリンタなどのデバイスが接続されることも少ない。
【0005】
もしデバイスを接続して使用する場合は、シンクライアントが外部記憶装置を備えないことが多いから、そのデバイスドライバは、例えば、リードオンリーメモリにインストールされる。よって、シンクライアントに新たなデバイスを接続して使用するためには、リードオンリーメモリの交換作業が必要となる。また、交換作業は、そのデバイスが接続されて使用される全てのシンクライアントにおいて必要となる。したがって、必要に応じて、デバイスを接続あるいは取り外すといったことが行えなかった。つまり、シンクライアントサーバシステムは、その運用に柔軟性を欠くという問題点を有している。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シンクライアントへのデバイスドライバのインストールが不要なシンクライアントサーバシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のシンクライアントサーバシステムにあっては、サーバは、シンクライアントに接続されるデバイスのデバイスドライバがインストールされ、シンクライアントからの要求によりアプリケーション実行プロセスを生成し、当該シンクライアントの操作入力装置への操作内容が通知されたときに、その操作内容に応じた処理要求を当該アプリケーション実行プロセスに送信し、その処理結果に応じた画面情報を当該シンクライアントに送信する制御手段と、接続されたデバイスのデバイスIDと当該デバイスが接続されたシンクライアントのシンクライアントIDと当該デバイスが接続されたシンクライアントからの要求により生成されたアプリケーション実行プロセスのプロセスIDとを含むデバイスIDレコードが記憶されるデバイスIDデータベースと、アプリケーション実行プロセスからデバイスドライバを介して送信されるデバイスIDと当該アプリケーション実行プロセスのプロセスIDとを含むデバイスIDレコードを検索し、該当のデバイスIDレコードに含まれるシンクライアントIDのシンクライアントに、当該デバイスIDと、当該アプリケーション実行プロセスから当該デバイスドライバへ通知される制御内容に基づいて当該デバイスドライバから送信されるデバイス制御データと、を送信するデバイス制御データ転送手段とを備え、各シンクライアントは、ポートIDとともに送信されるデバイス制御データを当該ポートIDのポートへ送出するポートドライバがインストールされ、デバイスが接続されたポートのポートIDと当該デバイスのデバイスIDとを含むポートIDレコードが記憶されるポートIDデータベースと、サーバからデバイス制御データとともに送信されるデバイスIDを含むポートIDレコードを検索し、当該ポートIDレコードに含まれるポートIDのポートに対応するポートドライバに当該ポートIDおよび当該デバイス制御データを送信するデバイス制御データ転送制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、デバイスドライバを逐一シンクライアントにインストールすることなくデバイスを制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態に係るシンクライアントサーバシステムの構成図である。
【0011】
シンクライアントサーバシステム1Aにあっては、サーバ1と、1以上のしかも互いに同様の構成を有するシンクライアント2(図1では、その1つのみを示している。)とがネットワーク3を介して接続される。
【0012】
シンクライアント2には、液晶や陰極管などを用いた表示装置4Aと、マウスやキーボードなどの操作入力装置4Bとが接続される。
【0013】
また、シンクライアント2は、複数のポート(ユニバーサルシリアルバス(USB)ポートなど)を有し、各ポートには、必要なときは、デバイス4C(プリンタやいわゆるUSBメモリなど)が接続され、それが不要になれば取り外される。
【0014】
サーバ1は、複数のユーザIDをパスワードとともに記憶しており、いずれかのユーザIDをもつユーザが所望のシンクライアント2を選択して自身のユーザIDとパスワードを入力し、それによりユーザ認証が成功することで、その所望のシンクライアント2とサーバ1を使用できるようになっている。
【0015】
サーバ1は、アプリケーションプログラムが記憶されたアプリケーションプログラム記憶部11を備える。多くの場合、アプリケーションプログラム記憶部11には、複数のアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0016】
例えば、アプリケーションプログラム記憶部11には、文書作成のアプリケーションプログラム、表計算のアプリケーションプログラムなどがインストールされている。
【0017】
また、サーバ1は、シンクライアント2から開始要求されたアプリケーションに応じたアプリケーションプログラムを読み出し実行して、そのアプリケーションプログラムに応じたアプリケーション実行プロセス11Pを生成し、操作入力装置4Bへの操作内容がシンクライアント2から通知されたときに、その操作内容に応じた処理要求をアプリケーション実行プロセス11Pに送信し、そのアプリケーション実行プロセス11Pによる処理結果に応じた画面情報をシンクライアント2に送信する制御部12を備える。制御部12は、制御手段に相当するものである。
【0018】
サーバ1では、複数のアプリケーション実行プロセス11Pによる並列処理が可能となっているが、図1では、そのアプリケーション実行プロセス11Pの1つのみを示している。
【0019】
また、サーバ1では、シンクライアント2のいずれかに接続されるであろうと想定されたデバイス4Cに応じたデバイスドライバ13が、サーバ1が備えた外部記憶装置などに予めインストールされている。多くの場合、複数のデバイス4Cが想定され、それぞれに応じたデバイスドライバ13が予めインストールされている。
【0020】
その中には、例えば、デバイス4Cのメーカにより提供されたプログラムを実行することによりインストールされたものや、メーカによらない汎用プログラムを実行することによりインストールされたものなどがあるが、図1では、1つのみを示している。
【0021】
かかるデバイスドライバ13は、サーバ1が備えた外部記憶装置に追加インストールすることができる。
【0022】
また、サーバ1は、デバイスドライバ13から送信されるデバイス制御データをシンクライアント2に転送するデバイス制御データ転送部14を備える。デバイス制御データ転送部14は、デバイス制御データ転送手段に相当するものである。
【0023】
また、サーバ1は、シンクライアント2に接続されたデバイス4Cを示すデバイスIDを含むデバイスIDレコードが記憶されるデバイスIDデータベース15を備える。
【0024】
また、サーバ1は、デバイス4Cの接続および取り外しの履歴に関する履歴レコードが記憶される履歴データベース16を備える。
【0025】
また、サーバ1は、特定の種類のデバイス4Cの制御や特定のシンクライアント2による制御を禁止または許可するためのデバイス制御レコードが記憶されるデバイス制御データベース17を備える。
【0026】
シンクライアント2は、操作入力装置4Bへの操作内容を制御部12に通知し、制御部12から送信される画面情報を表示装置4Aに表示させるシンクライアント制御部21を備える。シンクライアント制御部21は、シンクライアント制御手段に相当するものである。
【0027】
また、シンクライアント2は、デバイス制御データ転送部14から転送されるデバイス制御データを後述するポートドライバ24に転送するデバイス制御データ転送制御部22を備える。デバイス制御データ転送制御部22は、デバイス制御データ転送制御手段に相当するものである。
【0028】
また、シンクライアント2は、デバイス4Cが接続されたポートを示すポートIDを含むポートIDレコードが記憶されるポートIDデータベース23を備える。
【0029】
また、シンクライアント2には、デバイス4Cが接続されるポートにデバイス制御データを送出するポートドライバ24がインストールされている。
【0030】
例えば、USBポートとIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394ポートを備えるシンクライアント2には、USBプロトコル用のポートドライバ24と、IEEE1394プロトコル用のポートドライバ24とがインストールされている。これらのポートドライバ24は、シンクライアント2が備えたリードオンリーメモリなどにインストールされている。
【0031】
シンクライアント2は外部記憶装置を備えず、よって、容易にはデバイスドライバ13をインストールできないようになっている。
【0032】
図2は、デバイスIDデータベース15に記憶されるデバイスIDレコードを示す図である。
【0033】
デバイスIDデータベース15には、シンクライアント2にデバイス4Cが接続されたときに、(1)そのデバイス4Cを示すデバイスIDと、(2)そのデバイス4Cの型名などの、デバイスの情報と、(3)そのシンクライアント2のIPアドレスやMACアドレスといったシンクライアントIDと、(4)そのシンクライアント2を使用するユーザのユーザIDと、(5)そのアプリケーション実行プロセス11PのプロセスIDを含むデバイスIDレコードが記憶され、このデバイスIDレコードはそのデバイスが取り外されたときに削除される。
【0034】
図3は、履歴データベース16に記憶される履歴レコードを示す図である。
【0035】
履歴データベース16には、シンクライアント2にデバイス4Cが接続されたときまたは取り外されたとき、(1)そのデバイス4Cの型名などの、デバイスの情報と、(2)そのシンクライアント2のシンクライアントIDと、(3)そのシンクライアント2を使用するユーザのユーザIDと、(4)その接続または取り外しの日時と、(5)接続されたことを示す情報または取り外されたことを示す情報、を含む履歴レコードが記憶される。
【0036】
図4は、デバイス制御データベース17に記憶されるデバイス制御レコードを示す図である。
【0037】
デバイス制御データベース17には、(1)特定の種類のデバイス4Cの制御を禁止または許可したいときの当該種類を示すデバイス種類情報、(2)特定のシンクライアント2によるデバイス制御を禁止または許可したいときの当該シンクライアント2のシンクライアントID、(3)特定のユーザによるデバイス制御を禁止または許可したいときの当該ユーザのユーザID、(4)デバイス4Cへの書き込みと読み出しのいずれかの制御方法によるデバイス制御を禁止または許可したいときの当該制御方法を示す制御方法ID、の中の(4)制御方法IDを少なくとも含むデバイス制御レコードが記憶される。
【0038】
例えば、鍵のかからない部屋に設置されたシンクライアント2に対し、デバイス4CであるUSBメモリが悪意のユーザによって接続され、サーバ1に記憶されたファイルデータがUSBメモリに書き込まれ、そのUSBメモリがシンクライアント2から外され、持ち去られてしまうという情報盗難の防止したく、しかも、その悪意のユーザが特には想定されていない場合には、デバイス制御データベース17に、(1)USBメモリという種類を示すデバイス種類情報と、(2)そのシンクライアント2のシンクライアントIDと、(4)書き込みという制御方法を示す制御方法IDと、を含み、(3)ユーザIDを含まないデバイス制御レコードが記憶される。
【0039】
一方、鍵のかからない部屋に設置されたシンクライアント2に対し、デバイス4CであるUSBメモリが悪意のユーザによって接続され、そのUSBメモリに記憶された悪意のファイルデータがサーバ1に書き込まれ、そのファイルデータにより、サーバ1内の善意のファイルデータが改ざんされてしまうという情報改ざんを防止したく、しかも、その悪意のユーザが特には想定されていない場合には、デバイス制御データベース17に、(1)USBメモリという種類を示すデバイス種類情報と、(2)そのシンクライアント2のシンクライアントIDと、(4)読み出しという制御方法を示す制御方法IDと、を含み、(3)ユーザIDを含まないデバイス制御レコードが記憶される。
【0040】
また、例えば、職場の上長などのユーザによる制御のみを許可したく、その他については任意である場合には、デバイス制御データベース17に、そのユーザのユーザIDのみを含むデバイス制御レコードが記憶される。
【0041】
また、例えば、鍵のかかる部屋に設置されたシンクライアント2による制御を許可したく、その他については任意である場合には、デバイス制御データベース17に、そのシンクライアント2のシンクライアントIDのみを含むデバイス制御レコードが記憶される。
【0042】
図5は、ポートIDデータベース23に記憶されるポートIDレコードを示す図である。
【0043】
シンクライアント2にデバイス4Cが接続されたときに、ポートIDデータベース23には、そのデバイス4Cを示すデバイスIDと、そのデバイス4Cが接続されたポートを示すポートIDとを含むポートIDレコードが記憶され、このポートIDレコードはそのデバイス4Cが取り外されたときに削除される。
【0044】
(本実施の形態の動作)
シンクライアントサーバシステム1Aでは、サーバ1から1つシンクライアント2への情報送信は、サーバ1が、その情報を含むパケットのヘッダにシンクライアント2のIPアドレス(送信先IPアドレス)を含ませて、そのパケットをネットワーク3に送出し、ネットワーク3がこの送信先IPアドレスをもつシンクライアント2にパケットを送信することによってなされ、1つのシンクライアント2からサーバ1への情報送信も同様に行われるようになっている。
【0045】
図6は、アプリケーション実行プロセス11Pが生成されるまでのシーケンス図である。
【0046】
例えば、シンクライアント2に接続された操作入力装置4Bに対し、ユーザIDやパスワードの入力操作が行われた場合、シンクライアント制御部21が、その操作情報つまりユーザIDなどを制御部12に送信する(S1)。
【0047】
制御部12は、そのユーザIDなどと予め記憶したユーザIDなどとを照合して、ユーザ認証を行う(S3)。ここでは、そのユーザ認証が成功したこととする。
【0048】
その後、操作入力装置4Bに対して、あるアプリケーションの開始要求のための入力操作が行われた場合、シンクライアント制御部21が、そのアプリケーションの開始要求を制御部12に送信する(S5)。
【0049】
制御部12は、その開始要求されたアプリケーションに対応するアプリケーションプログラムをアプリケーションプログラム記憶部11から読み出し実行することで、アプリケーション実行プロセス11Pを生成する(S7)。
【0050】
図7は、その後に操作入力装置4Bへの入力操作が行われたときのシーケンス図である。
【0051】
その後、操作入力装置4Bに対し、例えば、文字列の入力操作が行われた場合、シンクライアント制御部21が、その操作内容を処理および保存しないで制御部12に送信する(S11)。
【0052】
制御部12は、その操作内容に応じた処理要求をアプリケーション実行プロセス11Pに送信し(S13)、アプリケーション実行プロセス11Pは、その処理要求に応じた処理を行い(S15)、その処理結果を制御部12に送信する(S17)。
【0053】
制御部12は、その処理結果に応じた画面情報を生成し、それをシンクライアント制御部21に送信する(S19)。例えば、入力操作が行われた文字列とその表示位置を示す情報と背景の色などを示す情報を含む画面情報が送信される。
【0054】
シンクライアント制御部21は、その画面情報を処理および保存しないで表示装置4Aに表示させる(S21)。例えば、指定された色などで背景が表示され、指定された位置に文字列が表示される。
【0055】
図8は、その後にデバイス4Cが接続されたときのシーケンス図である。
【0056】
シンクライアント2にデバイス4Cが接続された場合、ポートドライバ24はデバイス4Cから、そのデバイス構成情報を取得し(S31)、このデバイス構成情報を、接続されたポートのポートIDとともに、デバイス制御データ転送制御部22へ送信する(S33)。デバイス構成情報には、そのデバイス4Cの種類を示すデバイス種類情報ならびに型名やメーカ名などが含まれる。
【0057】
デバイス制御データ転送制御部22は、そのデバイス構成情報をデバイス制御データ転送部14へ送信する(S35)。
【0058】
このデバイス構成情報が、想定外のデバイス4Cから取得されたものである場合には、サーバ1には、対応するデバイスドライバ13がインストールされていないのだが、そのデバイスドライバのプログラムをサーバ1が備えている場合は、ここで制御部12が当該プログラムを実行して、そのデバイスドライバをインストールする。
【0059】
デバイス制御データ転送部14は、そのデバイス構成情報が送信されると、新たなデバイスIDつまりそのデバイス構成情報をもつデバイス4Cを示すものとしてのデバイスIDを生成し、デバイスIDデータベース15に、(1)そのデバイスIDと、(2)そのデバイス構成情報に含まれる型名などの、デバイスの情報と、(3)送信元のシンクライアント2のシンクライアントIDと、(4)そのシンクライアント2を使用するユーザのユーザIDと、(5)そのシンクライアント2からの要求により生成されたアプリケーション実行プロセス11Pを示すプロセスIDと、を含むデバイスIDレコードを記憶させる(S37)。
【0060】
なお、デバイス4Cが接続されたときには、まだアプリケーション実行プロセス11Pが生成されていない場合がある。そのときは、(5)のプロセスIDを含まないデバイスIDレコードが記憶され、その後、アプリケーション実行プロセス11Pが生成されたときに、(5)のプロセスIDが追加される。
【0061】
さて、デバイス制御データ転送部14は、さらに履歴データベース16に、(1)そのデバイス構成情報に含まれる型名などの、デバイスの情報と、(2)そのシンクライアントIDと、(3)そのユーザIDと、(4)そのときの日時つまり接続日時と、(5)接続されたことを示す情報と、を含む履歴レコードを記憶させる(S39)。
【0062】
また、デバイス制御データ転送部14は、そのデバイスIDをデバイス制御データ転送制御部22に送信する(S41)。
【0063】
デバイス制御データ転送制御部22は、ポートIDデータベース23に、そのデバイスIDと、S33で送信されたポートIDとを含むポートIDレコードを記憶させる(S43)。
【0064】
図9は、デバイス4Cを制御するときのシーケンス図である。
【0065】
新たに生成されたアプリケーション実行プロセス11Pは、操作入力装置4Bへの操作内容に応じた制御部12からの処理要求により処理を行う中にあって、デバイス4Cを制御するときは、まず、デバイス制御データ転送部14に自身のプロセスIDを送信する(S51)。
【0066】
デバイス制御データ転送部14は、デバイスIDデータベース15から、そのプロセスIDを含むデバイスIDレコードを検索する(S53)。該当のデバイスIDレコードがなかった場合、以下の処理が省略される。
【0067】
一方、該当のデバイスIDレコードがあった場合、デバイス制御データ転送部14は、そのデバイスIDレコードに含まれたデバイスIDをアプリケーション実行プロセス11Pに送信する(S55)。
【0068】
アプリケーション実行プロセス11Pは、そのデバイスIDから、制御対象であるデバイス4CのデバイスIDを選択し、そのデバイス4Cに対応するデバイスドライバ13を起動し、そのデバイスドライバ13への制御指示において、自身のプロセスIDと、そのデバイスIDと、制御内容を通知する(S57)。
【0069】
デバイスドライバ13は、例えばプリンタにプリントデータを送信するというように、書き込みという制御方法でデバイス4Cを制御するときは、そのプロセスIDと、書き込みという制御方法を示す制御方法IDと、その制御指示を示す制御IDと、その制御内容に応じたデバイス制御データと、そのデバイスIDと、をデバイス制御データ転送部14へ送信する(S59)。
【0070】
なお、USBメモリからファイルデータを読み出すというように、読み出しという制御方法でデバイス4Cを制御するときは、書き込みという制御方法を示す制御方法IDに代えて、読み出しという制御方法を示す制御方法IDが送信される。
【0071】
デバイス制御データ転送部14は、デバイスIDデータベース15から、そのデバイスIDとプロセスIDを含むデバイスIDレコードを検索する(S61)。
【0072】
そして、デバイス制御データ転送部14は、(1)検索されたデバイスIDレコードのデバイス構成情報に含まれるデバイス種類情報、(2)検索されたデバイスIDレコードに含まれるシンクライアントID、(3)検索されたデバイスIDレコードに含まれるユーザID、(4)その送信された制御方法ID、の中の当該制御方法IDを少なくとも含むデバイス制御レコードを検索する(S63)。デバイス制御レコードがデバイス制御を禁止するためのもので、かつ該当のデバイス制御レコードがあった場合、以下の処理が省略される。一方、デバイス制御レコードがデバイス制御を許可するためのもので、かつ該当のデバイス制御レコードがなかった場合、以下の処理が省略される。
【0073】
省略されない場合、デバイス制御データ転送部14は、そのデバイス制御データを暗号化し(S65)、そのデバイスIDレコードに含まれたシンクライアントIDのシンクライアント2のデバイス制御データ転送制御部22に、その制御ID、そのデバイスIDならびに暗号化したデバイス制御データを送信する(S67)。なお、ここで送信されるもの全てを暗号化して送信してもよい。
【0074】
デバイス制御データ転送制御部22は、暗号化されて送信されたものを復号化し(S69)、送信されあるいはその後に復号化されたデバイスIDを含むポートIDレコードをポートIDデータベース23から検索し(S71)、そのポートIDレコードに含まれたポートIDのポートに対応するポートドライバ24に、そのポートIDと、復号化したデバイス制御データを送信する(S73)。
【0075】
ポートドライバ24は、そのデバイス制御データを、そのポートIDのポートに対し、そのポートに対応するプロトコルにしたがって送出する(S75)。
【0076】
これにより、そのポートに接続されたデバイス4Cが、そのデバイス制御データに応じた処理を行う(S77)。例えば、プリンタがプリントデータをプリントする。
【0077】
図10は、デバイス4Cが応答したときのシーケンス図である。
【0078】
デバイス4Cは、例えばプリントが正常に終了したことを応答するときは、そのような応答内容をポートドライバ24に送信する(S81)。
【0079】
ポートドライバ24は、その応答内容をデバイス制御データ転送制御部22に送信する(S83)。
【0080】
デバイス制御データ転送制御部22は、その応答内容を暗号化し(S85)、S67で送信された制御IDと、暗号化した応答内容をデバイス制御データ転送部14に送信する(S87)。なお、ここで送信されるもの全てを暗号化して送信してもよい。
【0081】
デバイス制御データ転送部14は、暗号化されて送信されたものを復号化し(S89)、送信あるいはその後に復号化された制御IDと、復号化された応答内容をデバイスドライバ13へ送信する(S91)。
【0082】
デバイスドライバ13は、その制御IDと応答内容をアプリケーション実行プロセス11Pに送信する(S93)。
【0083】
これにより、アプリケーション実行プロセス11Pは、その応答内容に応じた情報を制御部12に送信する(S95)。
【0084】
制御部12は、その情報に応じた画面情報を生成し、それをシンクライアント制御部21に送信する(S97)。例えば、プリントが正常に終了したことを示す文字列とその表示位置を示す情報と背景の色などを示す情報を含む画面情報が送信される。
【0085】
シンクライアント制御部21は、その画面情報を表示装置4Aに表示させる(S99)。例えば、指定された色などで背景が表示され、指定された位置にプリントが正常に終了したことを示す文字列が表示される。
【0086】
図11は、デバイスIDレコードに含まれるデバイスの情報を表示させるときのシーケンス図である。
【0087】
また、アプリケーション実行プロセス11Pは、操作入力装置4Bへの操作内容に応じた制御部12からの処理要求により処理を行う中にあって、デバイスIDレコードに含まれるデバイスの情報を表示させるときは、デバイス制御データ転送部14に自身のプロセスIDを送信する(S101)。
【0088】
デバイス制御データ転送部14は、デバイスIDデータベース15から、そのプロセスIDを含むデバイスIDレコードを検索する(S103)。
【0089】
そして、デバイス制御データ転送部14は、検索されたデバイスIDレコードに含まれるシンクライアントID、または、検索されたデバイスIDレコードに含まれるユーザIDを含むデバイス制御レコードを検索する(S105)。デバイス制御レコードがデバイス制御を禁止するためのもので、かつ該当のデバイス制御レコードがあった場合、以下の処理が省略される。一方、デバイス制御レコードがデバイス制御を許可するためのもので、かつ該当のデバイス制御レコードがなかった場合、以下の処理が省略される。
【0090】
省略されない場合、デバイス制御データ転送部14は、該当のデバイスIDレコードに含まれる型名などのデバイスの情報をアプリケーション実行プロセス11Pに送信する(S107)。
【0091】
アプリケーション実行プロセス11Pは、そのデバイスの情報を制御部12に送信する(S109)。
【0092】
制御部12は、そのデバイスの情報を一覧できる画面情報を生成し、それをシンクライアント制御部21に送信する(S111)。
【0093】
シンクライアント制御部21は、その画面情報を表示装置4Aに表示させる(S120)。
【0094】
図12は、デバイス4Cが取り外されたときのシーケンス図である。
【0095】
シンクライアント2からデバイス4Cが取り外された場合、ポートドライバ24は、デバイス4Cが取り外されたポートのポートIDをデバイス制御データ転送制御部22へ送信する(S121)。
【0096】
デバイス制御データ転送制御部22は、そのポートIDを含むポートIDレコードをポートIDデータベース23から検索し(S123)、そのポートIDレコードに含まれるデバイスIDをデバイス制御データ転送部14へ送信し(S125)、そのポートIDレコードを削除する(S127)。
【0097】
デバイス制御データ転送部14は、そのデバイスIDを含むデバイスIDレコードをデバイスIDデータベース15から検索し(S131)、履歴データベース16に、(1)検索されたデバイスIDレコードに含まれたデバイスの情報と、(2)検索されたデバイスIDレコードに含まれたシンクライアントIDと、(3)検索されたデバイスIDレコードに含まれたユーザIDと、(4)そのときの日時つまり取り外し日時と、(5)取り外されたことを示す情報と、を含む履歴レコードを記憶させる(S133)。
【0098】
また、デバイス制御データ転送部14は、その検索されたデバイスIDレコードをデバイスIDデータベース15から削除する(S135)。
【0099】
以上説明したように、本実施の形態によれば、デバイスドライバ13を逐一シンクライアント2にインストールすることなくデバイス4Cを制御することができる。
【0100】
これにより、シンクライアント2にデバイス4Cであるスキャナを接続した場合、そのスキャナのデバイスドライバ13を逐一シンクライアント2にインストールすることなく、当該スキャナで読み取った画像をサーバ1に記録することができる。
【0101】
また、シンクライアント2にデバイス4Cであるカメラを接続した場合、そのカメラのデバイスドライバ13を逐一シンクライアント2にインストールすることなく、そのカメラでユーザの顔画像を撮像し、その顔画像をユーザ認証に使用することができる。
【0102】
また、かかる顔画像によるユーザ認証を例えば一定時間ごとに行うことで、善意のユーザが離席したときに、悪意のユーザによりシンクライアント2が使用されてしまうということを防止することができる。
【0103】
また、シンクライアント2にデバイス4CであるICカードリーダを接続した場合、そのICカードリーダのデバイスドライバ13を逐一シンクライアント2にインストールすることなく、そのICカードリーダでユーザのICカード内のデータを読み込み、そのデータをユーザ認証に使用することができる。
【0104】
なお、本実施の形態のサーバ1またはシンクライアント2を、コンピュータプログラムで動作する1以上のコンピュータ(演算装置を用いたもの)で構成(実現)し、このコンピュータが本実施の形態の方法(本方法)を実行するようにしてもよい。つまり、コンピュータが、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどの記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取り、あるいは、通信回線(場合によってはインターネットに使用されるもの)を介して送信されたコンピュータプログラムを受信し、こうして取得したコンピュータプログラムを、このコンピュータが主記憶装置に記憶させ演算装置が実行することで、このコンピュータが本装置の機能を具備し、本方法が(場合によっては操作により)実行されるようにしてもよい。また、このコンピュータプログラムが記録された記録媒体を配送および陳列などして流通させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本実施の形態に係るシンクライアントサーバシステムの構成図である。
【図2】デバイスIDレコードを示す図である。
【図3】履歴レコードを示す図である。
【図4】デバイス制御レコードを示す図である。
【図5】ポートIDレコードを示す図である。
【図6】アプリケーション実行プロセス11Pが生成されるまでのシーケンス図である。
【図7】操作入力装置4Bへの入力操作が行われたときのシーケンス図である。
【図8】デバイス4Cが接続されたときのシーケンス図である。
【図9】デバイス4Cを制御するときのシーケンス図である。
【図10】デバイス4Cが応答したときのシーケンス図である。
【図11】デバイスの情報を表示させるときのシーケンス図である。
【図12】デバイス4Cが取り外されたときのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0106】
1…サーバ
1A…シンクライアントサーバシステム
2…シンクライアント
3…ネットワーク
4A…表示装置
4B…操作入力装置
4C…デバイス
11…アプリケーションプログラム記憶部
11P…アプリケーション実行プロセス
12…制御部
13…デバイスドライバ
14…デバイス制御データ転送部
15…デバイスIDデータベース
16…履歴データベース
17…デバイス制御データベース
21…シンクライアント制御部
22…デバイス制御データ転送制御部
23…データベース
24…ポートドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のシンクライアントと、該シンクライアントとともに用いられるサーバとを備え、
サーバは、
シンクライアントに接続されるデバイスのデバイスドライバがインストールされ、
シンクライアントからの要求によりアプリケーション実行プロセスを生成し、当該シンクライアントの操作入力装置への操作内容が通知されたときに、その操作内容に応じた処理要求を当該アプリケーション実行プロセスに送信し、その処理結果に応じた画面情報を当該シンクライアントに送信する制御手段と、
接続されたデバイスのデバイスIDと当該デバイスが接続されたシンクライアントのシンクライアントIDと当該デバイスが接続されたシンクライアントからの要求により生成されたアプリケーション実行プロセスのプロセスIDとを含むデバイスIDレコードが記憶されるデバイスIDデータベースと、
アプリケーション実行プロセスからデバイスドライバを介して送信されるデバイスIDと当該アプリケーション実行プロセスのプロセスIDとを含むデバイスIDレコードを検索し、該当のデバイスIDレコードに含まれるシンクライアントIDのシンクライアントに、当該デバイスIDと、当該アプリケーション実行プロセスから当該デバイスドライバへ通知される制御内容に基づいて当該デバイスドライバから送信されるデバイス制御データと、を送信するデバイス制御データ転送手段と
を備え、
各シンクライアントは、
ポートIDとともに送信されるデバイス制御データを当該ポートIDのポートへ送出するポートドライバがインストールされ、
サーバから送信される画面情報を表示させるシンクライアント制御手段と、
デバイスが接続されたポートのポートIDと当該デバイスのデバイスIDとを含むポートIDレコードが記憶されるポートIDデータベースと、
サーバからデバイス制御データとともに送信されるデバイスIDを含むポートIDレコードを検索し、当該ポートIDレコードに含まれるポートIDのポートに対応するポートドライバに当該ポートIDおよび当該デバイス制御データを送信するデバイス制御データ転送制御手段とを備える
ことを特徴とするシンクライアントサーバシステム。
【請求項2】
1以上のシンクライアントの各シンクライアントは、ポートIDとともに送信されるデバイス制御データを当該ポートIDのポートへ送出するポートドライバがインストールされ、サーバから送信される画面情報を表示させるシンクライアント制御手段と、デバイスが接続されたポートのポートIDと当該デバイスのデバイスIDとを含むポートIDレコードが記憶されるポートIDデータベースと、デバイス制御データとともに送信されるデバイスIDを含むポートIDレコードを検索し、当該ポートIDレコードに含まれるポートIDのポートに対応するポートドライバに当該ポートIDおよび当該デバイス制御データを送信するデバイス制御データ転送制御手段とを備えるときのサーバであって、
シンクライアントに接続されるデバイスのデバイスドライバがインストールされ、
シンクライアントからの要求によりアプリケーション実行プロセスを生成し、当該シンクライアントの操作入力装置への操作内容が通知されたときに、その操作内容に応じた処理要求を当該アプリケーション実行プロセスに送信し、その処理結果に応じた画面情報を当該シンクライアントに送信する制御手段と、
接続されたデバイスのデバイスIDと当該デバイスが接続されたシンクライアントのシンクライアントIDと当該デバイスが接続されたシンクライアントからの要求により生成されたアプリケーション実行プロセスのプロセスIDとを含むデバイスIDレコードが記憶されるデバイスIDデータベースと、
アプリケーション実行プロセスからデバイスドライバを介して送信されるデバイスIDと当該アプリケーション実行プロセスのプロセスIDとを含むデバイスIDレコードを検索し、該当のデバイスIDレコードに含まれるシンクライアントIDのシンクライアントに、当該デバイスIDと、当該アプリケーション実行プロセスから当該デバイスドライバへ通知される制御内容に基づいて当該デバイスドライバから送信されるデバイス制御データと、を送信するデバイス制御データ転送手段と
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項3】
請求項2記載のサーバであって、
デバイスIDレコードは、接続されたシンクライアントを使用するユーザのユーザIDを含み、
特定のユーザによるデバイス制御を禁止または許可したいときの当該ユーザのユーザID、または、特定のシンクライアントによるデバイス制御を禁止または許可したいときの当該シンクライアントのシンクライアントIDを含むデバイス制御レコードが記憶されるデバイス制御データベースを備え、
デバイス制御データ転送手段は、
検索したデバイスIDレコードに含まれるユーザIDまたはシンクライアントIDを含むデバイス制御レコードを検索し、該当のデバイス制御レコードの有無により、デバイス制御データの転送を実行または抑制する
ことを特徴とするサーバ。
【請求項4】
請求項2または3記載のサーバであって、
デバイスIDレコードは、デバイスが接続されたシンクライアントを使用するユーザのユーザIDと当該デバイスの情報とを含み、
特定のユーザによるデバイスの情報の表示を許可したいときの当該ユーザのユーザID、または、特定のシンクライアントによるデバイスの情報の表示を許可したいときの当該シンクライアントのシンクライアントIDを含むデバイス制御レコードが記憶されるデバイス制御データベースを備え、
制御手段は、アプリケーション実行プロセスから送信されるデバイスの情報に応じた画面情報を当該シンクライアントに送信するものであり、
デバイス制御データ転送手段は、
アプリケーション実行プロセスから送信される当該アプリケーション実行プロセスのプロセスIDを含むデバイスIDレコードを検索し、該当のデバイスIDレコードに含まれたデバイスの情報を当該アプリケーション実行プロセスに送信するものであり、
かつ、検索したデバイスIDレコードに含まれるユーザIDまたはシンクライアントIDを含むデバイス制御レコードを検索し、該当のデバイス制御レコードの有無により、アプリケーション実行プロセスへのデバイスの情報の送信を実行または抑制する
ことを特徴とするサーバ。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載のサーバであって、
デバイス制御データ転送制御手段は、
新たにデバイスが接続されたポートに対応するポートドライバにより当該デバイスから取得され送信されるデバイス構成情報をサーバに転送し、当該ポートのポートIDと、サーバから送信されるデバイスIDとを含むポートIDレコードを記憶させ、デバイスが取り外されたポートに対応するポートドライバにより送信される当該ポートのポートIDを含むポートIDレコードを検索し、当該ポートIDレコードに含まれるデバイスIDをサーバに送信し、当該ポートIDレコードを削除し、
デバイス制御データ転送手段は、
シンクライアントから送信される構成情報をもつデバイスのデバイスIDと当該構成情報を送信したシンクライアントのシンクライアントIDとを含むデバイスIDレコードを記憶させ、当該デバイスIDを当該シンクライアントに送信し、シンクライアントから送信されるデバイスIDを含むデバイスIDレコードを削除する
ことを特徴とするサーバ。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載のサーバであって、
デバイスIDレコードは、接続されたデバイスの種類を示すデバイス種類情報と、接続されたシンクライアントを使用するユーザのユーザIDとを含み、
特定の種類のデバイスのデバイス制御を禁止または許可したいときの当該種類を示すデバイス種類情報、特定のシンクライアントによるデバイス制御を禁止または許可したいときの当該シンクライアントのシンクライアントID、特定のユーザによるデバイス制御を禁止または許可したいときの当該ユーザのユーザID、デバイスへの書き込みと読み出しのいずれかの制御方法によるデバイス制御を禁止または許可したいときの当該制御方法を示す制御方法ID、の中の当該制御方法IDを少なくとも含むデバイス制御レコードが記憶されるデバイス制御データベースとを備え、
デバイス制御データ転送手段は、
検索したデバイスIDレコードに含まれるデバイス種類情報、当該デバイスIDレコードに含まれるシンクライアントID、当該デバイスIDレコードに含まれるユーザID、デバイスドライバから送信される制御方法ID、の中の当該制御方法IDを少なくとも含むデバイス制御レコードを検索し、該当のデバイス制御レコードの有無により、デバイス制御データの転送を実行または抑制する
ことを特徴とするサーバ。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれかに記載のサーバであって、
シンクライアントに接続されたまたは取り外されたデバイスの情報、当該シンクライアントのシンクライアントID、当該シンクライアントを使用するユーザのユーザID、その接続または取り外しの日時、の少なくとも1つを含む履歴レコードが記憶される履歴データベースとを備え、
デバイス制御データ転送手段は、
デバイスが接続されたまたは取り外されたシンクライアントから当該デバイスの構成情報またはデバイスIDが送信されたとき、当該デバイスの情報、当該シンクライアントのシンクライアントID、当該シンクライアントを使用するユーザのユーザID、そのときの日時、の少なくとも1つを含む履歴レコードを記憶させる
ことを特徴とするサーバ。
【請求項8】
シンクライアントに接続されるデバイスのデバイスドライバがインストールされたサーバが、シンクライアントからの要求によりアプリケーション実行プロセスを生成し、当該シンクライアントの操作入力装置への操作内容が通知されたときに、その操作内容に応じた処理要求を当該アプリケーション実行プロセスに送信し、その処理結果に応じた画面情報を当該シンクライアントに送信する制御手段と、接続されたデバイスのデバイスIDと当該デバイスが接続されたシンクライアントのシンクライアントIDと当該デバイスが接続されたシンクライアントからの要求により生成されたアプリケーション実行プロセスのプロセスIDとを含むデバイスIDレコードが記憶されるデバイスIDデータベースと、アプリケーション実行プロセスからデバイスドライバを介して送信されるデバイスIDと当該アプリケーション実行プロセスのプロセスIDとを含むデバイスIDレコードを検索し、該当のデバイスIDレコードに含まれるシンクライアントIDのシンクライアントに、当該デバイスIDと、当該アプリケーション実行プロセスから当該デバイスドライバへ通知される制御内容に基づいて当該デバイスドライバから送信されるデバイス制御データと、を送信するデバイス制御データ転送手段とを備えるときのシンクライアントであって、
ポートIDとともに送信されるデバイス制御データを当該ポートIDのポートへ送出するポートドライバがインストールされ、
サーバから送信される画面情報を表示させるシンクライアント制御手段と、
デバイスが接続されたポートのポートIDと当該デバイスのデバイスIDとを含むポートIDレコードが記憶されるポートIDデータベースと、
サーバからデバイス制御データとともに送信されるデバイスIDを含むポートIDレコードを検索し、当該ポートIDレコードに含まれるポートIDのポートに対応するポートドライバに当該ポートIDおよび当該デバイス制御データを送信するデバイス制御データ転送制御手段とを備える
ことを特徴とするシンクライアント。
【請求項9】
請求項8記載のシンクライアントであって、
デバイス制御データ転送手段は、
シンクライアントから送信される構成情報をもつデバイスのデバイスIDと当該構成情報を送信したシンクライアントのシンクライアントIDとを含むデバイスIDレコードを記憶させ、当該デバイスIDを当該シンクライアントに送信し、シンクライアントから送信されるデバイスIDを含むデバイスIDレコードを削除し、
デバイス制御データ転送制御手段は、
新たにデバイスが接続されたポートに対応するポートドライバにより当該デバイスから取得され送信されるデバイス構成情報をサーバに転送し、当該ポートのポートIDと、サーバから送信されるデバイスIDとを含むポートIDレコードを記憶させ、デバイスが取り外されたポートに対応するポートドライバにより送信される当該ポートのポートIDを含むポートIDレコードを検索し、当該ポートIDレコードに含まれるデバイスIDをサーバに送信し、当該ポートIDレコードを削除する
ことを特徴とするシンクライアント。
【請求項10】
請求項2乃至7のいずれかに記載のサーバをコンピュータで実現させるコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項8または9記載のシンクライアントをコンピュータで実現させるコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項10または11記載のコンピュータプログラムが記録された記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−102308(P2007−102308A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−287932(P2005−287932)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】