シート保持具
【課題】シートの拡がり状態を維持することができ、遮光性を高め得るシート保持具を提供する。
【解決手段】ヒンジ１により枢動を可能に連結してある二つの枢動体２，３を備え、一方の枢動体２の対向する内面にはシート止用の凸部４及び対向状態維持用の被係止凸部５を設け、他方の枢動体３の対向する内面には、凸部４が嵌入される凹所６及び被係止凸部５が嵌入される係止孔７を設け、枢動体２，３の一方の外面に吸盤１０を保持し、枢動体２，３の対向する内面間にシートＡを挾着するようにした。
【解決手段】ヒンジ１により枢動を可能に連結してある二つの枢動体２，３を備え、一方の枢動体２の対向する内面にはシート止用の凸部４及び対向状態維持用の被係止凸部５を設け、他方の枢動体３の対向する内面には、凸部４が嵌入される凹所６及び被係止凸部５が嵌入される係止孔７を設け、枢動体２，３の一方の外面に吸盤１０を保持し、枢動体２，３の対向する内面間にシートＡを挾着するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は車両用日除け具の遮光シート等を保持するシート保持具に関する。
【背景技術】
【０００２】
車両用日除け具は、窓ガラスの内側、フロントガラスの内側に配される遮光シート、該遮光シートの縁部に保持された吊紐及び該吊紐の両端部に結合された吸盤とを有し、該吸盤が窓ガラス等の内側に吸着されることにより取外し可能に取付けられるように構成されている（例えば、特許文献１参照）。前記吸盤は、周縁部が可撓の皿形部及び該皿形部の中央部から非吸着側へ突出し、貫通孔が開設されている軸部を有し、該軸部の貫通孔に前記吊紐の端部が挿通され、吊紐を結ぶことにより結合されている。
【０００３】
車両用日除け具には、遮光シートの縁よりも外側に吸盤を配してあるものと、遮光シートの縁よりも内側に吸盤を配してあるものとがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】米国意匠特許第４８８７５１号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところが、特許文献１のように遮光シートが吊紐に保持され、該吊紐が吸盤に結合されるものにあっては、遮光シートが可撓の吊紐を介して吸盤に保持されるため、車両の振動等により遮光シートが吊紐に沿って収縮し、遮光シートの広がり状態を維持することができず、遮光性が悪くなり易いという問題がある。
【０００６】
また、遮光シートの縁よりも外側に吸盤が配されているものにあっては、吸盤が窓ガラスの周縁部に吸着された際、ガラス周縁部の非遮光部分が多くなり、遮光性が悪くなるという問題があり、また、遮光シートの縁よりも内側に吸盤が配されているものにあっては、遮光シートの縁部が弛み、遮光性が悪くなるという問題がある。
【０００７】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は、シートの縁よりも内側を保持する場合においてもシートの拡がり状態を維持することができ、遮光性を高め得るシート保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
第１発明に係るシート保持具は、シートが保持されるべきシート保持部及び該シート保持部を適宜の物体に取付けるための取付部を有するシート保持具において、前記シート保持部は、ヒンジにより枢動を可能に連結してある二つの枢動体と、該枢動体の一方向への枢動で対向する内側に配してあるシート止部及び前記枢動体の対向状態を維持する維持手段とを有することを特徴とする。
【０００９】
第１発明にあっては、ヒンジにて連結された枢動体間のシート止部にシートを止めることができるため、窓ガラス等の物体に取付部が取付けられた際、シートの縁よりも内側を保持することができ、シート縁部を撓ませることなく、該シートの拡がり状態を維持することができる。よって、遮光シートが保持される場合の遮光性を高めることができる。
【００１０】
第２発明に係るシート保持具は、前記シート止部は、前記枢動体の一方の内側に一体に成形してある凸部及び前記枢動体の他方の内側に形成され、前記凸部が嵌入される凹所／孔を有することを特徴とする。
第２発明にあっては、ヒンジにて連結された二つの枢動体の一方を枢動させることによりシートを止め、また止め解除することができるため、シートの保持、取外し操作が簡易である。
【００１１】
第３発明に係るシート保持具は、前記維持手段は、前記枢動体の一方（又は他方）の内側に開設された係止孔及び該係止孔への嵌入を可能に前記枢動体の他方（又は一方）の内側に一体に成形され、前記係止孔の縁部にて係止される被係止凸部を有することを特徴とする。
第３発明にあっては、二つの枢動体の一方を枢動させてシートを止める際に、被係止凸部を係止孔へ嵌入させ、枢動体の対向状態を維持することができ、また、止め解除する際に前記対向状態の維持を解除することができるため、シートの保持、取外し操作がより一層簡易である。
【００１２】
第４発明に係るシート保持具は、前記枢動体の一方又は他方は、該枢動体の外側に一体に成形してある結合凸部を有し、該結合凸部に前記取付部が結合されていることを特徴とする。
第４発明にあっては、結合凸部が設けられていない枢動体の枢動によりシートを止め、また止め解除することができるため、取付部に影響されることなくシートの保持、取外しを行うことができる。
【００１３】
第５発明に係るシート保持具は、前記結合凸部は、先端部が前記枢動体の外側と対向する略Ｌ字形をなし、前記取付部は前記結合凸部の先端部に嵌入保持されている吸盤であることを特徴とする。
第５発明にあっては、ヒンジにて連結された枢動体の外側と対向する位置に吸盤が配されているため、二つの枢動体の対向する内側にシートが止められた際、該シートにて吸盤を隠すことができる。よって、窓ガラス等の物体の縁部に吸盤にて取付けられた場合においても窓ガラス等を周縁に亘ってシートで隠すことができ、遮光性を高めることができる。
【００１４】
第６発明に係るシート保持具は、前記結合凸部を配してある枢動体の外側には、前記吸盤に当接する当接片を一体に成形してあることを特徴とする。
第６発明にあっては、二つの枢動体の対向する内側にシートが止められた状態で吸盤が窓ガラス等に吸着される際、枢動体を押圧する押圧力を当接片から吸盤に直接伝えることができるため、結合凸部を破損させることなく吸盤を簡易に吸着させることができる。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、ヒンジにて連結された枢動体間のシート止部にシートを止めることができるため、窓ガラス等の物体に取付部が取付けられた際、シートの縁よりも内側を保持することができ、シート縁部を弛ませることなく、該シートの拡がり状態を維持することができ、遮光シートが保持される場合の遮光性を高めることができる。
【００１６】
また、本発明によれば、ヒンジにて連結された二つの枢動体を枢動させることによりシートを止め、また止め解除することができるため、シートの保持、取外し操作が簡易である。
また、本発明によれば、二つの枢動体を枢動させてシートを止める際に、被係止凸部を係止孔へ嵌入させ、枢動体の対向状態を維持することができ、また、止め解除する際に前記対向状態の維持を解除することができるため、シートの保持、取外し操作がより一層簡易である。
また、本発明によれば、結合凸部が設けられていない枢動体の枢動によりシートを止め、また止め解除することができるため、取付部に影響されることなくシートの保持、取外しを行うことができる。
また、本発明によれば、ヒンジにて連結された枢動体の外側と対向する位置に吸盤が配されているため、二つの枢動体の対向する内側にシートが止められた際、該シートにて吸盤を隠すことができる。よって、窓ガラス等の物体の縁部に吸盤にて取付けられた場合においても窓ガラス等を周縁に亘ってシートで隠すことができ、遮光性を高めることができる。
また、本発明によれば、二つの枢動体の対向する内側にシートが止められた状態で吸盤が窓ガラス等に吸着される際、枢動体を押圧する押圧力を当接片から吸盤に直接伝えることができるため、結合凸部を破損させることなく吸盤を簡易に吸着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明に係るシート保持具の構成を示す側面図である。
【図２】本発明に係るシート保持具の構成を示す縦断側面図である。
【図３】本発明に係るシート保持具の構成を示す正面図である。
【図４】本発明に係るシート保持具の構成を示す展開図である。
【図５】本発明に係るシート保持具にシートが保持される状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図１は本発明に係るシート保持具の構成を示す側面図、図２はシート保持具の構成を示す縦断側面図、図３はシート保持具の構成を示す正面図、図４はシート保持具の構成を示す展開図である。
【００１９】
シート保持具は、薄肉のヒンジ１により枢動を可能に連結され、半楕円形をなす二つの枢動体２，３と、一方の枢動体２の内面に一体に成形されている複数の凸部４及び被係止凸部５と、他方の枢動体３の内面に開設されている複数の凹所６及び係止孔７と、他方の枢動体の外面に一体に成形してある結合凸部８及び当接片９と、結合凸部８の先端部に結合してある吸盤１０とを有する。枢動体２，３はシート保持部を構成しており、凸部４及び凹所６はシート止部を構成しており、被係止凸部５及び係止孔７は、枢動体２，３の対向状態を維持する維持手段を構成しており、吸盤１０は取付部を構成している。
【００２０】
枢動体２，３は合成樹脂材にて半楕円形をなす板状に成形され、展開時に略楕円形となるように薄肉のヒンジ１にて一体に連なり、ヒンジ１を支点として対向する位置に枢動されたとき、図１に示すように枢動体２，３間に若干の隙間が生じるように構成されている。
【００２１】
枢動体２は、内面のヒンジ側に四つの凸部４が一体に成形され、内面のヒンジ１から遠い側に被係止凸部５が一体に成形されている。凸部４は全体が略錐形に尖がっている。被係止凸部５は元側が柱形をなし、先側が抜止段部５ａを経て略錐形に尖がっており、抜止段部５ａが係止孔７の縁部に係止されるように構成されている。
【００２２】
枢動体３は、内面のヒンジ側に、凸部４が嵌入される四つの凹所６が形成され、内面のヒンジ１から遠い側に、被係止凸部５が嵌入される係止孔７が開設されている。枢動体３の外面には、ヒンジ１の近傍から外方へ突出する結合凸部８及び係止孔７の周りから外方へ突出し、吸盤１０に当接する当接片９が一体に成形されている。
【００２３】
結合凸部８は、先端部が枢動体３の外面と対向する略Ｌ字形をなし、先端部に抜止段部８ａが設けられている。
【００２４】
当接片９は、係止孔７の周りで対向し、該当接片９，９間に被係止凸部５の先端部が配され、被係止凸部５が吸盤１０と干渉するのを防ぐように構成されている。
【００２５】
吸盤１０は、周縁部が可撓の皿形部１０ａ及び該皿形部の中央部から非吸着側へ突出し、貫通孔１０ｃが開設されている軸部１０ｂを有し、該軸部１０ｂの貫通孔１０ｃに結合凸部８の先端部が嵌入されている。
【００２６】
図５は本発明に係るシート保持具にシートが保持される状態を示す説明図である。以上のように構成されたシート保持具は、結合凸部８に吸盤１０が嵌入保持されている状態で、枢動体２，３が略楕円形に展開され、一方の枢動体３の内面に遮光シート等のシートＡの縁部があてがわれ、ヒンジ１を支点として他方の枢動体２が対向する位置へ枢動される際、被係止凸部５が係止孔７に嵌入されるとともに、凸部４がシートＡに食い込み、シートＡの食い込み部とともに凸部４が凹所６に嵌め込まれ、シートＡが止められた後、被係止凸部５の抜止段部５ａが係止孔７の縁部に係止され、枢動体２，３の対向状態が維持される。
【００２７】
四角形をなす遮光シートが車両における窓ガラスに取付けられる場合、遮光シートの一辺側両端部で、縁よりも内側部分が二つのシート保持具に保持され、二つのシート保持具における吸盤１０，１０が窓ガラスの周縁部内側に吸着されることにより、遮光シートを拡げて配することができ、また、遮光シートは枢動体２，３間のシート止部にて止められているため、遮光シートの拡がり状態を維持することができる。
【００２８】
また、吸盤１０，１０は遮光シートにて隠れるため、窓ガラスの周縁に亘って遮光することができ、遮光性を高めることができる。
【００２９】
尚、以上説明した実施の形態では、取付部として吸盤１０を用いたが、その他、結合凸部８にクリップが結合されている構成、又は結合凸部８がなく、枢動体２，３の一方の外面に両面テープ等の粘着層が設けられている構成としてもよく、取付部の構成は特に制限されない。また、凸部４が嵌入される凹所６を有する構成としたが、その他、凹所６に代えて、貫通する孔を有する構成としてもよい。
【００３０】
また、本発明に係るシート保持具は、車両における窓ガラス等に遮光シートを取付けるために使用される他、ベビーカー等に遮光シートを取付けるために使用されてもよく、使用箇所及びシートの種類は特に制限されない。
【符号の説明】
【００３１】
１ ヒンジ
２，３ 枢動体（シート保持部）
４ 凸部（シート止部）
５ 被係止凸部（維持手段）
６ 凹所（シート止部）
７ 係止孔（維持手段）
８ 結合凸部
９ 当接片
１０ 吸盤
Ａ シート
【技術分野】
【０００１】
本発明は車両用日除け具の遮光シート等を保持するシート保持具に関する。
【背景技術】
【０００２】
車両用日除け具は、窓ガラスの内側、フロントガラスの内側に配される遮光シート、該遮光シートの縁部に保持された吊紐及び該吊紐の両端部に結合された吸盤とを有し、該吸盤が窓ガラス等の内側に吸着されることにより取外し可能に取付けられるように構成されている（例えば、特許文献１参照）。前記吸盤は、周縁部が可撓の皿形部及び該皿形部の中央部から非吸着側へ突出し、貫通孔が開設されている軸部を有し、該軸部の貫通孔に前記吊紐の端部が挿通され、吊紐を結ぶことにより結合されている。
【０００３】
車両用日除け具には、遮光シートの縁よりも外側に吸盤を配してあるものと、遮光シートの縁よりも内側に吸盤を配してあるものとがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】米国意匠特許第４８８７５１号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところが、特許文献１のように遮光シートが吊紐に保持され、該吊紐が吸盤に結合されるものにあっては、遮光シートが可撓の吊紐を介して吸盤に保持されるため、車両の振動等により遮光シートが吊紐に沿って収縮し、遮光シートの広がり状態を維持することができず、遮光性が悪くなり易いという問題がある。
【０００６】
また、遮光シートの縁よりも外側に吸盤が配されているものにあっては、吸盤が窓ガラスの周縁部に吸着された際、ガラス周縁部の非遮光部分が多くなり、遮光性が悪くなるという問題があり、また、遮光シートの縁よりも内側に吸盤が配されているものにあっては、遮光シートの縁部が弛み、遮光性が悪くなるという問題がある。
【０００７】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は、シートの縁よりも内側を保持する場合においてもシートの拡がり状態を維持することができ、遮光性を高め得るシート保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
第１発明に係るシート保持具は、シートが保持されるべきシート保持部及び該シート保持部を適宜の物体に取付けるための取付部を有するシート保持具において、前記シート保持部は、ヒンジにより枢動を可能に連結してある二つの枢動体と、該枢動体の一方向への枢動で対向する内側に配してあるシート止部及び前記枢動体の対向状態を維持する維持手段とを有することを特徴とする。
【０００９】
第１発明にあっては、ヒンジにて連結された枢動体間のシート止部にシートを止めることができるため、窓ガラス等の物体に取付部が取付けられた際、シートの縁よりも内側を保持することができ、シート縁部を撓ませることなく、該シートの拡がり状態を維持することができる。よって、遮光シートが保持される場合の遮光性を高めることができる。
【００１０】
第２発明に係るシート保持具は、前記シート止部は、前記枢動体の一方の内側に一体に成形してある凸部及び前記枢動体の他方の内側に形成され、前記凸部が嵌入される凹所／孔を有することを特徴とする。
第２発明にあっては、ヒンジにて連結された二つの枢動体の一方を枢動させることによりシートを止め、また止め解除することができるため、シートの保持、取外し操作が簡易である。
【００１１】
第３発明に係るシート保持具は、前記維持手段は、前記枢動体の一方（又は他方）の内側に開設された係止孔及び該係止孔への嵌入を可能に前記枢動体の他方（又は一方）の内側に一体に成形され、前記係止孔の縁部にて係止される被係止凸部を有することを特徴とする。
第３発明にあっては、二つの枢動体の一方を枢動させてシートを止める際に、被係止凸部を係止孔へ嵌入させ、枢動体の対向状態を維持することができ、また、止め解除する際に前記対向状態の維持を解除することができるため、シートの保持、取外し操作がより一層簡易である。
【００１２】
第４発明に係るシート保持具は、前記枢動体の一方又は他方は、該枢動体の外側に一体に成形してある結合凸部を有し、該結合凸部に前記取付部が結合されていることを特徴とする。
第４発明にあっては、結合凸部が設けられていない枢動体の枢動によりシートを止め、また止め解除することができるため、取付部に影響されることなくシートの保持、取外しを行うことができる。
【００１３】
第５発明に係るシート保持具は、前記結合凸部は、先端部が前記枢動体の外側と対向する略Ｌ字形をなし、前記取付部は前記結合凸部の先端部に嵌入保持されている吸盤であることを特徴とする。
第５発明にあっては、ヒンジにて連結された枢動体の外側と対向する位置に吸盤が配されているため、二つの枢動体の対向する内側にシートが止められた際、該シートにて吸盤を隠すことができる。よって、窓ガラス等の物体の縁部に吸盤にて取付けられた場合においても窓ガラス等を周縁に亘ってシートで隠すことができ、遮光性を高めることができる。
【００１４】
第６発明に係るシート保持具は、前記結合凸部を配してある枢動体の外側には、前記吸盤に当接する当接片を一体に成形してあることを特徴とする。
第６発明にあっては、二つの枢動体の対向する内側にシートが止められた状態で吸盤が窓ガラス等に吸着される際、枢動体を押圧する押圧力を当接片から吸盤に直接伝えることができるため、結合凸部を破損させることなく吸盤を簡易に吸着させることができる。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、ヒンジにて連結された枢動体間のシート止部にシートを止めることができるため、窓ガラス等の物体に取付部が取付けられた際、シートの縁よりも内側を保持することができ、シート縁部を弛ませることなく、該シートの拡がり状態を維持することができ、遮光シートが保持される場合の遮光性を高めることができる。
【００１６】
また、本発明によれば、ヒンジにて連結された二つの枢動体を枢動させることによりシートを止め、また止め解除することができるため、シートの保持、取外し操作が簡易である。
また、本発明によれば、二つの枢動体を枢動させてシートを止める際に、被係止凸部を係止孔へ嵌入させ、枢動体の対向状態を維持することができ、また、止め解除する際に前記対向状態の維持を解除することができるため、シートの保持、取外し操作がより一層簡易である。
また、本発明によれば、結合凸部が設けられていない枢動体の枢動によりシートを止め、また止め解除することができるため、取付部に影響されることなくシートの保持、取外しを行うことができる。
また、本発明によれば、ヒンジにて連結された枢動体の外側と対向する位置に吸盤が配されているため、二つの枢動体の対向する内側にシートが止められた際、該シートにて吸盤を隠すことができる。よって、窓ガラス等の物体の縁部に吸盤にて取付けられた場合においても窓ガラス等を周縁に亘ってシートで隠すことができ、遮光性を高めることができる。
また、本発明によれば、二つの枢動体の対向する内側にシートが止められた状態で吸盤が窓ガラス等に吸着される際、枢動体を押圧する押圧力を当接片から吸盤に直接伝えることができるため、結合凸部を破損させることなく吸盤を簡易に吸着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明に係るシート保持具の構成を示す側面図である。
【図２】本発明に係るシート保持具の構成を示す縦断側面図である。
【図３】本発明に係るシート保持具の構成を示す正面図である。
【図４】本発明に係るシート保持具の構成を示す展開図である。
【図５】本発明に係るシート保持具にシートが保持される状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図１は本発明に係るシート保持具の構成を示す側面図、図２はシート保持具の構成を示す縦断側面図、図３はシート保持具の構成を示す正面図、図４はシート保持具の構成を示す展開図である。
【００１９】
シート保持具は、薄肉のヒンジ１により枢動を可能に連結され、半楕円形をなす二つの枢動体２，３と、一方の枢動体２の内面に一体に成形されている複数の凸部４及び被係止凸部５と、他方の枢動体３の内面に開設されている複数の凹所６及び係止孔７と、他方の枢動体の外面に一体に成形してある結合凸部８及び当接片９と、結合凸部８の先端部に結合してある吸盤１０とを有する。枢動体２，３はシート保持部を構成しており、凸部４及び凹所６はシート止部を構成しており、被係止凸部５及び係止孔７は、枢動体２，３の対向状態を維持する維持手段を構成しており、吸盤１０は取付部を構成している。
【００２０】
枢動体２，３は合成樹脂材にて半楕円形をなす板状に成形され、展開時に略楕円形となるように薄肉のヒンジ１にて一体に連なり、ヒンジ１を支点として対向する位置に枢動されたとき、図１に示すように枢動体２，３間に若干の隙間が生じるように構成されている。
【００２１】
枢動体２は、内面のヒンジ側に四つの凸部４が一体に成形され、内面のヒンジ１から遠い側に被係止凸部５が一体に成形されている。凸部４は全体が略錐形に尖がっている。被係止凸部５は元側が柱形をなし、先側が抜止段部５ａを経て略錐形に尖がっており、抜止段部５ａが係止孔７の縁部に係止されるように構成されている。
【００２２】
枢動体３は、内面のヒンジ側に、凸部４が嵌入される四つの凹所６が形成され、内面のヒンジ１から遠い側に、被係止凸部５が嵌入される係止孔７が開設されている。枢動体３の外面には、ヒンジ１の近傍から外方へ突出する結合凸部８及び係止孔７の周りから外方へ突出し、吸盤１０に当接する当接片９が一体に成形されている。
【００２３】
結合凸部８は、先端部が枢動体３の外面と対向する略Ｌ字形をなし、先端部に抜止段部８ａが設けられている。
【００２４】
当接片９は、係止孔７の周りで対向し、該当接片９，９間に被係止凸部５の先端部が配され、被係止凸部５が吸盤１０と干渉するのを防ぐように構成されている。
【００２５】
吸盤１０は、周縁部が可撓の皿形部１０ａ及び該皿形部の中央部から非吸着側へ突出し、貫通孔１０ｃが開設されている軸部１０ｂを有し、該軸部１０ｂの貫通孔１０ｃに結合凸部８の先端部が嵌入されている。
【００２６】
図５は本発明に係るシート保持具にシートが保持される状態を示す説明図である。以上のように構成されたシート保持具は、結合凸部８に吸盤１０が嵌入保持されている状態で、枢動体２，３が略楕円形に展開され、一方の枢動体３の内面に遮光シート等のシートＡの縁部があてがわれ、ヒンジ１を支点として他方の枢動体２が対向する位置へ枢動される際、被係止凸部５が係止孔７に嵌入されるとともに、凸部４がシートＡに食い込み、シートＡの食い込み部とともに凸部４が凹所６に嵌め込まれ、シートＡが止められた後、被係止凸部５の抜止段部５ａが係止孔７の縁部に係止され、枢動体２，３の対向状態が維持される。
【００２７】
四角形をなす遮光シートが車両における窓ガラスに取付けられる場合、遮光シートの一辺側両端部で、縁よりも内側部分が二つのシート保持具に保持され、二つのシート保持具における吸盤１０，１０が窓ガラスの周縁部内側に吸着されることにより、遮光シートを拡げて配することができ、また、遮光シートは枢動体２，３間のシート止部にて止められているため、遮光シートの拡がり状態を維持することができる。
【００２８】
また、吸盤１０，１０は遮光シートにて隠れるため、窓ガラスの周縁に亘って遮光することができ、遮光性を高めることができる。
【００２９】
尚、以上説明した実施の形態では、取付部として吸盤１０を用いたが、その他、結合凸部８にクリップが結合されている構成、又は結合凸部８がなく、枢動体２，３の一方の外面に両面テープ等の粘着層が設けられている構成としてもよく、取付部の構成は特に制限されない。また、凸部４が嵌入される凹所６を有する構成としたが、その他、凹所６に代えて、貫通する孔を有する構成としてもよい。
【００３０】
また、本発明に係るシート保持具は、車両における窓ガラス等に遮光シートを取付けるために使用される他、ベビーカー等に遮光シートを取付けるために使用されてもよく、使用箇所及びシートの種類は特に制限されない。
【符号の説明】
【００３１】
１ ヒンジ
２，３ 枢動体（シート保持部）
４ 凸部（シート止部）
５ 被係止凸部（維持手段）
６ 凹所（シート止部）
７ 係止孔（維持手段）
８ 結合凸部
９ 当接片
１０ 吸盤
Ａ シート
【特許請求の範囲】
【請求項１】
シートが保持されるべきシート保持部及び該シート保持部を適宜の物体に取付けるための取付部を有するシート保持具において、前記シート保持部は、ヒンジにより枢動を可能に連結してある二つの枢動体と、該枢動体の一方向への枢動で対向する内側に配してあるシート止部及び前記枢動体の対向状態を維持する維持手段とを有することを特徴とするシート保持具。
【請求項２】
前記シート止部は、前記枢動体の一方の内側に一体に成形してある凸部及び前記枢動体の他方の内側に形成され、前記凸部が嵌入される凹所／孔を有する請求項１記載のシート保持具。
【請求項３】
前記維持手段は、前記枢動体の一方（又は他方）の内側に開設された係止孔及び該係止孔への嵌入を可能に前記枢動体の他方（又は一方）の内側に一体に成形され、前記係止孔の縁部にて係止される被係止凸部を有する請求項１又は２記載のシート保持具。
【請求項４】
前記枢動体の一方又は他方は、該枢動体の外側に一体に成形してある結合凸部を有し、該結合凸部に前記取付部が結合されている請求項１から３のいずれか一つに記載のシート保持具。
【請求項５】
前記結合凸部は、先端部が前記枢動体の外側と対向する略Ｌ字形をなし、前記取付部は前記結合凸部の先端部に嵌入保持されている吸盤である請求項４記載のシート保持具。
【請求項６】
前記結合凸部を配してある枢動体の外側には、前記吸盤に当接する当接片を一体に成形してある請求項５記載のシート保持具。
【請求項１】
シートが保持されるべきシート保持部及び該シート保持部を適宜の物体に取付けるための取付部を有するシート保持具において、前記シート保持部は、ヒンジにより枢動を可能に連結してある二つの枢動体と、該枢動体の一方向への枢動で対向する内側に配してあるシート止部及び前記枢動体の対向状態を維持する維持手段とを有することを特徴とするシート保持具。
【請求項２】
前記シート止部は、前記枢動体の一方の内側に一体に成形してある凸部及び前記枢動体の他方の内側に形成され、前記凸部が嵌入される凹所／孔を有する請求項１記載のシート保持具。
【請求項３】
前記維持手段は、前記枢動体の一方（又は他方）の内側に開設された係止孔及び該係止孔への嵌入を可能に前記枢動体の他方（又は一方）の内側に一体に成形され、前記係止孔の縁部にて係止される被係止凸部を有する請求項１又は２記載のシート保持具。
【請求項４】
前記枢動体の一方又は他方は、該枢動体の外側に一体に成形してある結合凸部を有し、該結合凸部に前記取付部が結合されている請求項１から３のいずれか一つに記載のシート保持具。
【請求項５】
前記結合凸部は、先端部が前記枢動体の外側と対向する略Ｌ字形をなし、前記取付部は前記結合凸部の先端部に嵌入保持されている吸盤である請求項４記載のシート保持具。
【請求項６】
前記結合凸部を配してある枢動体の外側には、前記吸盤に当接する当接片を一体に成形してある請求項５記載のシート保持具。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１２−１１９２０（Ｐ２０１２−１１９２０Ａ）
【公開日】平成２４年１月１９日（２０１２．１．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１５１３６３（Ｐ２０１０−１５１３６３）
【出願日】平成２２年７月１日（２０１０．７．１）
【出願人】（５９６０６０５９４）株式会社サンコー (65)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１月１９日（２０１２．１．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年７月１日（２０１０．７．１）
【出願人】（５９６０６０５９４）株式会社サンコー (65)
【Ｆターム（参考）】
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