説明

シート処理装置、シート搬送装置、シート後処理装置、シート穿孔装置および画像形成装置

【課題】第2の搬送路に滞留したシートと、次のシートを重ね合わせたシート束を処理トレイに放出する一連の処理を簡易な制御とする。
【解決手段】下側搬送路2bから第1の搬送路Aへ搬送速度V1でシートを案内し、センサS2で検出した先端がシートフィーダー6に到達する所定時間後にシートフィーダー5を減速してシートを重ね合わせる。重ね合わせたシートを搬送速度V2で搬送するため増速する。センサS2で検出したシートの後端がシートフィーダー6に到達する所定時間後にシート搬送を停止する。シートを第2の搬送路Bに退避させるためシートフィーダー6を逆回転し、搬送速度V3で搬送するため増速し、シートを重ね合わせるために正回転した搬送時間と同じ時間経過後に停止する。滞留したシートを重ね合わせたシート束を搬送速度V4で処理トレイ13に放出する。一連の処理の搬送速度(V1=V2=V3=V4)を同一とし、制御を簡易化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、印刷機等の画像形成装置に一体もしくは別体に設けられ、画像形成済みのシート(記録媒体)に対して所定の処理、例えば仕分け、スタック、綴じ、中綴じ製本を行って排紙するシート処理装置、シート搬送装置、シート後処理装置、シート穿孔装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィニッシャ等のシート処理装置では、装置全体の生産性を落とさないようにスティプル動作等の処理にかかる時間を稼ぐことを目的としてシートを一時的に滞留させた後、複数枚のシートを同時に搬送させて実質的な時間を稼ぐ、いわゆるプレスタック処理を行っているものがある。このようなプレスタック処理を行うものとして、例えば特許文献1に記載された発明が知られている。この発明は、コンパイラにおいてコピー機から排出された用紙を整頓し、製本する場合でも、コピー機おけるプリントを遅らせたり中断させることなくシートを出力できるようにしたもので、コピー機のシートの出力経路の出力フィードローラの上流に、この出力経路から分岐した転向シュートを設け、このシュートの入口に転向ゲート設け、コンパイラトレイでジョブセットが整頓され製本されている間は、後続の第1のシートを出力フィードローラで止めて逆転させ上流に送り、ゲートを介してシュートに一時的に保管し、第2のシートがゲートを通過する際にフィードローラによって第1のシートをシュートから出力経路に戻し、第1のシートと第2のシートが重なった状態でコンパイラトレイに排出する構成になっている。
【0003】
そして、大サイズ用紙でのプレスタック処理も行われ、この場合、通常サイズ用(以下、第1のプレスタックシートフィーダーとする)に加え、大サイズ専用のプレスタック用シートフィーダー(以下第2のプレスタックシートフィーダーとする)を設け、この2対のプレスタック用シートフィーダーを同一モータで駆動させる構成を取っている。
【0004】
しかし、この構成では、通常の搬送線速でプレスタック処理を行うとプレスタックシート束を放出搬送する際のシート束後端が第2のプレスタックシートフィーダーを抜ける前に、次部1枚目シートが第1のプレスタックシートフィーダーに進入してしまい、線速が合わず不具合を生じてしまう。また、そのまま線速を合わせて搬送を行ってしまうと、先行するシート束後端が第2のプレスタックシートフィーダーを抜けるのを待って次部1枚目シートをスイッチバックすると1枚目シートの退避が間に合わないという課題があった。
【0005】
これを解決するため、本発明者らが先に出願した特願2006−156164に記載されるように、プレスタック搬送によりシート滞留経路に一時的に退避されたシート束をシート滞留経路の下流に位置する処理トレイへ放出するときのシート束搬送速度と、シート束を放出した直後の1枚目のシートのシート搬送速度とを同一として構成した。
【特許文献1】特許第3417994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この特願2006−156164において、一時的にシート滞留経路に退避されたシート束を下流側の処理トレイへ搬送するときのシート搬送速度と、シート束を放出した直後の1枚目のシートのシート搬送速度を同一にするということは、生産性は向上しているが、制御が複雑化するという問題がある。
【0007】
例えば、2枚目以降のシートのシート搬送速度は、シート滞留経路にシートを退避する際のシートの搬送距離に依存する。これはモータのある定常速度(定常速度Sとする)までの立ち上がりと立ち下がりにどれだけの距離を有するかにもよるが、この距離がシート滞留経路にシートを退避する際に、シートの搬送距離よりも長いとモータを定常速度Sよりも低い速度にしなければならず、制御が複雑化する。
【0008】
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、上流からシート滞留経路にシートが搬送され、シート束となって下流側の処理トレイにシート束を放出する一連の流れの中で、搬送速度の大きさを全て同一にして簡易な制御を行うシート処理装置、シート搬送装置、シート後処理装置、シート穿孔装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載したシート処理装置は、処理トレイへシートを案内する第1の搬送路と、第1の搬送路から分岐し、一時的にシートを退避させる第2の搬送路と、第1の搬送路の上流に位置しシートを第1の搬送路に搬送する第1の搬送手段と、シートを処理トレイ側および処理トレイ側とは逆の方向へ搬送する第2の搬送手段と、第2の搬送手段によりシートを逆流させたときに当該シートを第2の搬送路へ案内する切換手段とを備え、第2の搬送路に一時的に退避していた先行するシートと後行するシートとを重ね合わせて搬送する機能を有するシート処理装置において、シートを第1の搬送手段により第1の搬送経路へ案内するときのシート搬送速度V1と、シートを第2の搬送手段により処理トレイ側の方向へ搬送するときのシート搬送速度V2との関係がV1=V2になることにより、上流から第2の搬送路にシートが搬送され、シート束となって下流の処理トレイにシート束を放出するまでの一連の流れの中で、搬送速度を同一にして制御を簡易化し生産性を向上させ、安定した搬送品質を確保できる。
【0010】
また、請求項2〜6に記載したシート処理装置は、請求項1のシート処理装置であって、シート搬送速度V1がシート先端を第1の搬送手段へ案内するときの速度であること、またシート搬送速度V2が第1の搬送経路内において、第2の搬送路へと退避していたシート束とシートが重なり合った後に到達する速度であること、また第1の搬送手段はシート搬送速度V1の搬送速度のみで駆動すること、またシート搬送速度V1およびシート搬送速度V2と、シートを第2の搬送手段により第2の搬送路へ退避するときのシート搬送速度V3との関係がV1=V2=V3になること、またシート搬送速度V1とシート搬送速度V2およびシートを第2の搬送手段により第2の搬送路へ退避するときのシート搬送速度V3と、第2の搬送路に退避したシート束を処理トレイ側の方向に放出するときのシート搬送速度V4との関係がV1=V2=V3=V4になることにより、搬送速度を同一にして制御を簡易化し生産性を向上させて、安定した搬送品質を確保できる。
【0011】
また、請求項7に記載したシート処理装置は、請求項1のシート処理装置であって、シートを第1の搬送路から処理トレイ側へ直接搬送するときのシート搬送速度が、シート搬送速度V1と同一であることにより、第2の搬送路を使用する制御と同じ駆動でシートを搬送することができ、制御簡易化ができる。
【0012】
また、請求項8〜10に記載したシート処理装置は、請求項1〜7のシート処理装置であって、シート搬送速度はシートサイズに応じて異なった搬送速度を有すること、シート搬送速度はシート間隔に応じて異なった搬送速度を有すること、シート搬送速度はシートの紙種に応じて異なった搬送速度を有することにより、搬送されるシートに対して最適な値をもつことが可能となり、高品位な搬送処理を実現できる。
【0013】
また、請求項11〜14に記載したシート搬送装置、シート後処理装置、シート穿孔装置、画像形成装置は、請求項1〜10のシート処理装置を有することにより、制御簡易化による安定かつ高品位な搬送処理と高生産性を実現した各装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シート搬送に係り上流から第2の搬送路にシートが搬送され、シート束となって下流の処理トレイにシート束を放出するまでの一連の流れの中で、搬送速度を同一にして制御を簡易化し生産性を向上させ、安定した搬送品質を確保することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態におけるシート処理装置を有する装置全体を示す概略構成図である。また、シートを搬送するためのフィード機構およびスティプル機構自体は、本発明の特徴ではなく、また、公知であることから、その詳細な説明は省略する。
【0017】
図1に示すように、画像形成装置50から出力されたシート1は、受入口2aからシート後処理装置2に入り、入口のセンサS1によりシート1は検知される。シート1は搬送手段であるローラ対からなるシートフィーダー4,5によって搬送され、分岐爪2eを図示反時計方向に回動させることにより下側搬送路2bに導かれる。下側搬送路2bに導かれたシート1は、ばねによる加圧力を搬送経路方向へ負荷させた切換爪9をシート1の移動力で図示反時計方向(破線で示す)に回動させ、それにより確保された第1の搬送路Aを通り、搬送部材であるローラ対からなるシートフィーダー6,7,8により処理トレイ13へ搬送される。切換爪9はシート1が通過した後、図示していないスプリングの張力により図示位置(実線)に復帰する。
【0018】
処理トレイ13に搬送されたシート1は矢印C方向へ自重落下し、また、叩きコロ14で下方に叩き落とされ、後端フェンス11で搬送方向の後端が揃えられる。そして、予めシート1の後端をセンサS2で検知して、シート搬送方向が揃えられ得る時間の後、整合フェンス10により幅方向が揃えられる。この動作を繰り返して処理トレイ13内に整合されたシート束1zを形成する。
【0019】
整合されたシート束1zは、スティプル12でスティプル処理された後、処理トレイ13の中央部のシート搬送方向と平行に設けられた放出爪15により矢印D方向へ移動する。放出爪15は、ローラ16aおよび16b間に這い回してある放出ベルト17を介して図示していない駆動系により動作する。シート束1zは後端を放出爪15で押されながら矢印E方向に移動し、排紙ローラ18によって排紙トレイ3上へ積載される。
【0020】
本実施の形態における制御動作について、図1,図2(a)〜(g)を参照しながら、図3のフローチャートに基づき説明する。ここで、第1の搬送手段はシートフィーダー4,5を、第2の搬送手段はシートフィーダー6,7,8を意味し、第1の搬送手段はシートフィーダー4,5を同駆動源により、第2の搬送手段はシートフィーダー6,7,8を同駆動源により駆動する。
【0021】
まず、画像形成装置50から1枚目のシート1がシート後処理装置2の受入口2aへ搬入される。センサS1(オン)によりシート1の先端が検出されたとき、または画像形成装置から送られてくる信号を受けたとき、図2(a)に示すようにシートフィーダー4,5を駆動してシート1を、下側搬送路2bを経由して第1の搬送路Aへ搬送速度V1で案内する(S1)。
【0022】
さらに、第1の搬送路Aに向けて搬送するため、下側搬送路2bを案内されたシート1の先端がセンサS2(オン)により検出されると、シート1の先端がシートフィーダー6に到達する所定時間の経過後にシートフィーダー4,5を減速する(S2)。これは、後述する2枚目以降のシートを重ね合わせてシート束とするために十分な速度とするものである。
【0023】
その後、第1の搬送路Aにおいてシートフィーダー6,7,8は、シートフィーダー4,5と共に重ね合わせたシート1を搬送するため搬送速度V2(=V1)に増速する(S3)。このときのシートフィーダー6,7,8が正回転を開始するタイミングは、センサS2がシート1の先端を検知してからシート1の先端がシートフィーダー6に到達するまでの時間を予め搬送経路および搬送線速より算出したタイミングで設定している。
【0024】
図2(b)に示すように、搬送された1枚目のシート1の後端がセンサS2(オフ)により検出されると、切換爪9の通過後でシート1の後端がシートフィーダー6に到達する所定時間の経過後に、シートフィーダー4,5とシートフィーダー6,7,8による搬送を停止する(S4)。このとき、シート1の後端はシートフィーダー6のニップに噛んだ状態となる。
【0025】
次に、図2(c)に示すように、シート1を第2の搬送路Bに一時的に退避させるためシートフィーダー6,7,8を逆回転させ、搬送速度V3(=V1=V2)まで増速して搬送し、停止する(S5)。例えば、このシートフィーダー6,7,8を逆回転させ搬送速度V3で駆動する時間としては、処理S3,S4においてシートフィーダー6,7,8がシート1を搬送処理した時間と同じ時間駆動する。
【0026】
これによりシート1は、シート滞留経路である第2の搬送路Bへ搬送され、逆搬送によるシート1の先端がシートフィーダー6を通過後、またはシートフィーダー6のニップに噛んだ時点で、シートフィーダー6は停止し、シート1は第2の搬送路B内で滞留される。
【0027】
前述した処理S2と処理S3の間に確認する処理として、予め設定されている第2の搬送路Bに滞留するシート枚数を確認し(S6)、滞留シート枚数がシート滞留所定枚数に達していない場合(処理S6のNo)、処理S3へ移り前述したシート1を第2の搬送路Bへ搬送し、重ね合わせたシート束1zを滞留させる動作を行う。また、滞留シート枚数がシート滞留所定枚数に達した場合(処理S6のYes)、処理S7として、処理S3と同様に、シート1の重ね合わせ処理後にシート束1zの搬送を開始する。そして、センサS2におけるシート1の後端検出後も処理S4を行わず、搬送速度V4(=V1=V2=V3)にて、処理トレイ13へとシート束1zの放出を行う(図2(g)参照)。
【0028】
また、滞留シート枚数は、例えば画像形成装置50へ送る信号として、処理S4においてシート1を第2の搬送路Bに搬送したことをカウントし、予め設定されたシート1の出力部数(滞留シート枚数)との演算によりシート滞留所定枚数の判断を行う。
【0029】
ここで、前述のシート処理装置において、第2の搬送路Bにシート2枚を滞留させ、次の3枚目のシートを重ね合わせてシート束とし、下流の処理トレイに放出する処理の具体例を説明する。
【0030】
前述したように、1枚目のシート1aが搬送されて、第2の搬送路Bに退避された後、図2(d)に示すように、2枚目のシート1bがシート1aと同様に搬送されて(S1)、切換爪9を通過して停止しているシートフィーダー6へと突き当たるように搬送される(S2)。そして、シート滞留所定枚数に達しているか否かを確認し(S6)、達していないとき(S6のNo)、図2(e)に示すように、シートフィーダー6はシート1bが突き当たるタイミングで正回転駆動し、シート1a,1bを合流させて搬送する(S3)。図2(f)に示すように、切換爪9の通過後でシート1a,1bの後端がシートフィーダー6に到達すると搬送を停止し(S4)、その後、図2(c)に示すように、シート1a,1bを第2の搬送路Bに退避させるため逆回転させて搬送し、停止する(S5)。
【0031】
さらに、3枚目のシート1cが搬送され(S1)、切換爪9を通過しシートフィーダー6へ突き当たるように搬送される(S2)。シート滞留所定枚数を確認し(S6)、達しているとき(S6のYes)、シートフィーダー6はシート1cが突き当たるタイミングで正回転駆動し、シート1a,1b,1cを合流させて、図2(g)に示すように、処理トレイ13へシート束を放出する(S7)。
【0032】
以上のように、シートを滞留させる第2の搬送路Bにより、上流から搬送されたシートが、シート束となって下流側の処理トレイ13に放出する一連の流れの中で、シートの搬送速度(V1=V2=V3=V4)を全て同一にすることで、制御システムの簡易化を行っている。
【0033】
また、図2(a)において、シート1のシート後端がシートフィーダー5を通過するときのシートフィーダー5の駆動速度は、シートフィーダー6(シートの長さによってはシートフィーダー7も含む)と同じはずである。しかしながら、シート1の先端がシートフィーダー5に到達したときのシートフィーダー5の駆動速度と、シート1の後端がシートフィーダー5を通過するときのシートフィーダー5の駆動速度が同一とは限らない場合がある。これは、シート1の後端がシートフィーダー5を通過するときのシートフィーダー5の駆動速度は、シート1の後端がシートフィーダー5を通過したときのシート1の先端がどの位置にいるかに依存し、またシートサイズ、シート間隔、搬送路形状にも依存することになる。
【0034】
前述の動作の説明でもしたように、シート1bよりも先行して搬送され、第2の搬送路Bに退避しているシート1a(あるいはシート束)とシート1bが合流して増速する場合、シート1bの先端がシートフィーダー5に案内されるときの搬送速度(V1)とシート1aとシート1bが合流した後のシートフィーダー6の搬送速度(V2)が同一であれば、シートフィーダー5の搬送速度は常に一定に保たれることになり、制御が簡易になる。
【0035】
さらに、シート1aとシート1bが合流し増速した後、次のシート1cとの重ね合わせによりシート束とするため、シート1aとシート1bを第2の搬送路Bに退避しなければならない。この退避するときの搬送速度(V3)の大きさ(シートフィーダー6,7あるいは8の回転方向が逆となって違うため大きさと表記)を同一にすることで、シートフィーダー6の回転方向のみ逆とした同じ時間での制御となり制御構成が簡易になる。
【0036】
さらには、滞留させたシート1aとシート1bを後行しているシート1cと合流させたシート束を下流に位置する処理トレイ13へ放出するときのシートフィーダー6,7あるいは8の搬送速度(V4)を、前述した搬送速度V1,V2,V3と同一にしておけば、さらなる制御の簡易化が可能となる。
【0037】
また、シート束を作成する第2の搬送路Bを用いずに、直接シートを下流側へ放出する動作を行う場合、全ての駆動手段を搬送速度V1で制御すれば、これも同様に制御を簡易化することができる。
【0038】
なお、これらの制御を行うためには、各駆動手段(第1,第2の搬送手段)の定常速度への立ち上がり時間と立ち下がり時間を最適なものにする必要がある。
【0039】
また、前述のシート処理装置を備えることで、シート処理装置、シート搬送装置、シート後処理装置、シート穿孔装置および画像形成装置等においても制御を簡易化することができる。
【0040】
以上に説明したように、上流からシート滞留経路である第2の搬送路Bにシートが搬送され、シート束となって下流側の処理トレイ13にシート束を放出する一連の流れの中で、搬送速度を全て同一にすることで、制御システムの簡易化を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係るシート処理装置、シート搬送装置、シート後処理装置、シート穿孔装置および画像形成装置は、シート搬送に係り上流から第2の搬送路にシートが搬送され、シート束となって下流の処理トレイにシート束を放出するまでの一連の流れの中で、搬送速度を同一にして制御を簡易化し生産性を向上させ、安定した搬送品質を確保することができ、仕分け、スタック、綴じ、中綴じ製本等のシート後処理を行って排紙する装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態におけるシート処理装置を有する装置全体を示す概略構成図
【図2】本実施の形態におけるシート搬送処理(a)〜(g)を説明する図
【図3】本実施の形態におけるシート搬送処理の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0043】
1,1a,1b,1c シート
1z シート束
2 シート後処理装置
2b 下側搬送路
2e 分岐爪
3 排紙トレイ
4,5,6,7,8 シートフィーダー
9 切換爪
10 整合フェンス
11 後端フェンス
12 スティプル
13 処理トレイ
14 叩きコロ
15 放出爪
16a,16b ローラ
17 放出ベルト
18 排紙ローラ
50 画像形成装置
A 第1の搬送路
B 第2の搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理トレイへシートを案内する第1の搬送路と、前記第1の搬送路から分岐し、一時的に前記シートを退避させる第2の搬送路と、前記第1の搬送路の上流に位置し前記シートを前記第1の搬送路に搬送する第1の搬送手段と、前記シートを前記処理トレイ側および前記処理トレイ側とは逆の方向へ搬送する第2の搬送手段と、前記第2の搬送手段により前記シートを逆流させたときに当該シートを前記第2の搬送路へ案内する切換手段とを備え、前記第2の搬送路に一時的に退避していた先行するシートと後行するシートとを重ね合わせて搬送する機能を有するシート処理装置において、
前記シートを前記第1の搬送手段により前記第1の搬送経路へ案内するときのシート搬送速度V1と、前記シートを前記第2の搬送手段により前記処理トレイ側の方向へ搬送するときのシート搬送速度V2との関係がV1=V2になることを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記シート搬送速度V1が前記シート先端を前記第1の搬送手段へ案内するときの速度であることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記シート搬送速度V2が前記第1の搬送経路内において、前記第2の搬送路へと退避していたシート束と前記シートが重なり合った後に到達する速度であることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記第1の搬送手段は前記シート搬送速度V1の搬送速度のみで駆動することを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記シート搬送速度V1および前記シート搬送速度V2と、前記シートを前記第2の搬送手段により前記第2の搬送路へ退避するときのシート搬送速度V3との関係がV1=V2=V3になることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記シート搬送速度V1と前記シート搬送速度V2および前記シートを前記第2の搬送手段により前記第2の搬送路へ退避するときのシート搬送速度V3と、前記第2の搬送路に退避したシート束を前記処理トレイ側の方向に放出するときのシート搬送速度V4との関係がV1=V2=V3=V4になることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記シートを前記第1の搬送路から前記処理トレイ側へ直接搬送するときのシート搬送速度が、前記シート搬送速度V1と同一であることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項8】
前記シート搬送速度はシートサイズに応じて異なった搬送速度を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項9】
前記シート搬送速度はシート間隔に応じて異なった搬送速度を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項10】
前記シート搬送速度はシートの紙種に応じて異なった搬送速度を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のシート処理装置を有することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のシート処理装置を有することを特徴とするシート後処理装置。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のシート処理装置を有することを特徴とするシート穿孔装置。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のシート処理装置を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−207957(P2008−207957A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48819(P2007−48819)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】