シート処理装置及び画像形成装置
【課題】シートにタブを形成する際の生産性を向上させる。
【解決手段】シートを断裁するシート処理位置に、搬送部500によってシートを搬送し、シートの側端部のうち、断裁刃122によりシートの搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁し、タブを形成する。そして、断裁位置に移動させた断裁刃122によるシートの断裁後、断裁刃122が断裁待機位置に移動完了する前に、搬送部500によりシートの搬送を開始する。このとき、搬送部500によって断裁刃122から離れる方向にシートを斜送する。
【解決手段】シートを断裁するシート処理位置に、搬送部500によってシートを搬送し、シートの側端部のうち、断裁刃122によりシートの搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁し、タブを形成する。そして、断裁位置に移動させた断裁刃122によるシートの断裁後、断裁刃122が断裁待機位置に移動完了する前に、搬送部500によりシートの搬送を開始する。このとき、搬送部500によって断裁刃122から離れる方向にシートを斜送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに切欠きを形成するシート処理装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置においては、シートに画像を形成する画像形成部と、画像形成部で画像形成されたシートに処理を施すシート処理装置とを有するものが一般に知られている。ここで、このようなシート処理装置としては、画像が形成されたシートを積み重ねてシート束を形成した後、シート束を折り曲げて中折り冊子を作成する中綴じ製本するものが知られている。
【0003】
この種のシート処理装置を有する画像形成装置では、予めタブが形成されているインデックスシートに画像形成して製本することが可能である。しかし、シートに形成されているタブの位置は予め決まっているため、タブの位置を変更するときにはシートを変更しなければならず、自由度が低かった。
【0004】
そこで、近年では、シートにおける搬送方向上流側の端部(後端部)及び下流側の端部(先端部)を断裁して切欠くことでタブを形成するものが提案されている(特許文献1参照)。この装置では、パンチを搬送方向と直交する幅方向に移動させてシートを断裁することで、ユーザが設定した幅方向の任意の位置にタブを形成することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2004−525840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の装置では、パンチによりシートの先端部を断裁した後は、パンチをシートから離間させないと、シートがパンチに接触してダメージを受ける可能性がある。したがって、パンチをシートから離間させるまではシートの搬送を開始することができず、生産性の向上の妨げとなっていた。
【0007】
また、シートに形成するタブの位置が変更される度に、パンチを幅方向に移動させなければならず、パンチの幅方向の移動機構が必要となるので構造が複雑となり、また、移動に時間を要するので生産性の向上の妨げとなっていた。
【0008】
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、生産性を向上させることができるシート処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、搬送されてきたシートに切欠きを形成するシート処理装置において、シートの搬送方向に沿った側端部を断裁する断裁刃と、前記断裁刃を、断裁待機位置と、シートを断裁する断裁位置とに移動させる駆動手段と、シートの前記側端部のうち、前記断裁刃により搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁するシート処理位置にシートを搬送する搬送手段と、を備え、前記搬送手段は、前記シート処理位置にシートを搬送し、前記断裁位置に移動させた前記断裁刃によるシートの断裁後、前記断裁刃が前記断裁待機位置に移動完了する前に、シートの搬送を開始する、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シートの断裁後に断裁刃がシートから脱する前にシートの搬送を開始するので、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】シート処理装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】シート断裁部を示す説明図であり、(a)は、断裁刃を断裁待機位置に移動させている状態を示す図であり、(b)は、断裁刃を断裁位置に移動させている状態を示す図である。
【図4】画像形成装置を制御する制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】CPU回路部による処理動作を示すフローチャートである。
【図6】シートを切欠いた状態を示す説明図である。
【図7】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図8】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図9】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図10】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図11】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図12】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図13】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図14】本発明に係る第2実施形態の画像形成装置のシート断裁部を示す説明図であり、(a)は、断裁刃を断裁待機位置に移動させている状態を示す図であり、(b)は、断裁刃を断裁位置に移動させている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【0014】
図1において、1000は画像形成装置、601は画像形成装置本体(以下、装置本体という)、602は装置本体601の上部に設けられた原稿読み取り部(イメージリーダ)、400は複数の原稿を自動的に読み取るための原稿搬送装置である。
【0015】
装置本体601は、画像形成するための通常のシートPを積載する給紙カセット909a,909b、電子写真プロセスを用いてシート上にトナー画像を形成する画像形成部300、シートに形成されたトナー画像を定着させる定着部904等を備えている。画像形成部300は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の感光体ドラム914a〜914dを有している。また、装置本体601の上面にはユーザが装置本体601に対して各種入力/設定を行うため操作部610が、また装置本体601の側方には、シート処理装置100が接続されている。
【0016】
ここで、シート処理装置100は、装置本体601にオンライン接続されると共に、装置本体601から搬送(排出)されたシートPを順に取り込み、取り込んだシートPの端部を切欠いてタブを形成するものである。なお、960は、装置本体601及びシート処理装置100の制御を司る制御部である。
【0017】
そして、このような画像形成装置1000において、不図示の原稿の画像をシートPに形成する際には、まず原稿搬送装置400により搬送された原稿の画像を、原稿読み取り部602に設けられたイメージセンサ602aにより読み取る。この後、読み取られたデジタルデータを露光手段としての露光装置200に入力し、露光装置200は、このデジタルデータに応じた光を画像形成部300の感光体ドラム914(914a〜914d)に照射する。このように光が照射されると、感光体ドラム表面に静電潜像が形成され、この静電潜像を現像することにより、感光体ドラム表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー画像が形成される。
【0018】
次に、この4色のトナー画像を給紙カセット909a,909bから給送されたシート上に転写し、この後、シート上に転写されたトナー像を、定着部904により永久定着する。なお、このようにトナー画像を定着した後、シートPの片面に画像を形成するモードであれば、そのまま、シートPを排出ローラ対907からシート処理装置100に排出する。
【0019】
また、シートPの両面に画像を形成するモードであれば、シートPを定着部904から反転ローラ905に受け渡す。この後、シートの搬送方向上流端(後端)が反転切換部材905aを超えると反転ローラ905を反転させ、シートPを両面搬送ローラ906a〜906fの方向へ搬送する。そして、この後、再度、シートを画像形成部300に搬送し、裏面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を転写する。なお、このように裏面に4色のトナー像が転写されたシートは、再度定着部904に搬送されてトナー画像が定着され、この後、排出ローラ対907からシート処理装置100に搬送される。
【0020】
次に、シート処理装置100の構成について説明する。
【0021】
シート処理装置100は、シートPを搬送する搬送手段としての搬送部500を備えている。搬送部500は、入口ローラ対101、斜送ローラ対102、搬送ローラ対105、斜送ローラ対106、搬送ローラ対107、斜送ローラ対108、搬送ローラ対109及び排出ローラ対110を有している。そして、これらローラ対101,102,105,106,107,108,109,110が搬送方向上流側から下流側に向かってシートPの搬送路に順次配置されている。
【0022】
また、シート処理装置100は、シートPの搬送方向に沿った側端部(すなわち、シートPの搬送方向と直交する幅方向の側端部)を断裁する断裁刃122を有するシート断裁部120と、シート断裁部120の下方に配置される屑箱140と、を備えている。
【0023】
図2は、シート処理装置100の概略構成を示す斜視図である。
【0024】
シート処理装置100は、各ローラ対101,102,105〜110を駆動するステッピングモータM1と、シートPの幅方向の側端面が突き当たり、シートPの幅方向の位置及び斜行を補正する斜行補正手段としての突き当て部104と、を備えている。
【0025】
また、シート処理装置100は、入口ローラ対101のローラ同士を離間させるソレノイドSL1、搬送ローラ対105のローラ同士を離間させるソレノイドSL2、及び斜送ローラ対106のローラ同士を離間させるソレノイドSL3を備えている。更に、シート処理装置100は、搬送ローラ対107のローラ同士を離間させるソレノイドSL4、斜送ローラ対108のローラ同士を離間させるソレノイドSL5、及び搬送ローラ対109のローラ同士を離間させるソレノイドSL6を備えている。
【0026】
また、シート処理装置100は、斜送ローラ対102近傍に配置され、シートPの有無を検知するパスセンサ103と、排出ローラ対110近傍に配置され、シートPの有無を検知するパスセンサ111と、を備えている。
【0027】
突き当て部104は、シートPの搬送方向と平行に延びる突き当て板を有し、シートPの幅方向の一方の側端面が当接するように斜送ローラ対102の側部に対向して配置されている。突き当て部104のシートPの搬送方向下流側には、シート断裁部120が、搬送ローラ対105,107及び斜送ローラ対106,108に対向するように配置されている。
【0028】
入口ローラ対101は、装置本体601から搬送(排出)されたシートPを受け取り、ステッピングモータM1の駆動により、シートPを図2中矢印A方向(搬送方向)に搬送する。入口ローラ対101は、ソレノイドSL1により図2中矢印D方向に一方のローラを離間できるようになっている。
【0029】
斜送ローラ対102は、ステッピングモータM1の駆動により、突き当て部104に近づく方向(図2中矢印B方向)にシートPを斜送し、突き当て部104にシートPの側端面を突き当ててシートPを搬送しながら幅方向のシートPの位置決めをする。また、斜送ローラ対102は、シートPの側端面が突き当て部104に突き当たった後は、突き当て部104に沿って矢印A方向にシートPを搬送する。
【0030】
この斜送ローラ対102の搬送力は、入口ローラ対101の搬送力よりも小さく設定されている。したがって、シートPが入口ローラ対101により挟持搬送されている間は、斜送ローラ対102の搬送力の影響を受けず、図2中矢印A方向に搬送される。
【0031】
パスセンサ103は、搬送されるシートの有無を検知し、各種ローラ対やシート断裁部120の駆動タイミングを決定する際に使用される。
【0032】
搬送ローラ対105,107,109は、図2中矢印A方向にシートPを搬送するローラ対であり、それぞれソレノイドSL2,SL4,SL6により図2中矢印D方向に一方のローラを離間できるようになっている。
【0033】
斜送部としての斜送ローラ対106,108は、シート断裁部120の断裁刃122から離れる方向(図2中矢印C方向)にシートPを斜送するローラ対であり、それぞれソレノイドSL3,SL5により図2中矢印D方向に離間できるようになっている。
【0034】
また、斜送ローラ対106,108の搬送力は、搬送ローラ対105,107,109の搬送力よりも小さく設定されている。したがって、シートPが搬送ローラ対105,107,109により挟持搬送されている間は斜送ローラ対106,108を離間させ、シートPは、斜送ローラ対106,108の搬送力の影響を受けず、図2中矢印A方向に搬送される。
【0035】
排出ローラ対110は、シートPをシート処理装置100機外に排出するローラ対であり、機外に排出されたシートPはシート積載部600(図1)に積載される。
【0036】
パスセンサ111は、シートPの有無を検知することにより、排出ローラ対110によるシートPの排出完了を検知する。
【0037】
次に、シート断裁部120の構成について説明する。
【0038】
図3は、シート断裁部120を示す説明図であり、図3(a)は、断裁刃122を断裁待機位置に移動させている状態を示す図であり、図3(b)は、断裁刃122を断裁位置に移動させている状態を示す図である。
【0039】
シート断裁部120は、刃先121a及び刃先121bを有する固定刃が内蔵された支持台121と、固定刃の刃先121aに対向する刃先122a及び固定刃の刃先121bに対向する刃先122bを有する可動刃となる断裁刃122と、を備えている。断裁刃122は、支持台121(固定刃)の上方に配置され、昇降可能に支持されている。
【0040】
支持台121は、突き当て部104のシートの搬送方向下流側に配置され、突き当て部104に沿って搬送されたシートを支持する。
【0041】
固定刃の刃先121a及び刃先121bは、支持台121に形成された平面視略四角形の貫通孔の上縁に形成されている。具体的には、固定刃の刃先121aは、貫通孔の搬送路側の上縁に形成され、固定刃の刃先121bは、貫通孔の搬送方向下流側の上縁に形成されている。
【0042】
この支持台121の貫通孔の搬送路側の刃面は、平面視シートPの搬送方向と平行となるように形成されている。また、支持台121の貫通孔の搬送方向下流側の刃面は、平面視シートPの搬送方向と直交(直角に交差)するように形成されている。つまり、刃先121aと刃先121bとは、互いに直交するように支持台121の貫通孔の上縁に形成されている。刃先121aは、刃先121bよりも長くなるように設定されている。
【0043】
また、可動刃である断裁刃122の基体は、平面視略四角形に形成されており、刃先122a及び刃先122bは、断裁刃122の基体の下縁に形成されている。具体的には、刃先122aは、基体の搬送路側の下縁に形成され、刃先122bは、基体の搬送方向下流側の下縁に形成されている。
【0044】
この断裁刃122の搬送路側の刃面は、平面視シートPの搬送方向と平行となるように形成されている。また、断裁刃122の搬送方向下流側の刃面は、平面視シートPの搬送方向と直交するように形成されている。つまり、刃先122aと刃先122bとは、互いに直交するように断裁刃122の基体の下縁に形成されている。刃先122aは、刃先122bよりも長くなるように設定されている。
【0045】
そして、図3(b)に示すように、断裁刃122が断裁位置に下降し、断裁刃122の刃先122a,122bが刃先121a,121bと合わさることでシートPを断裁し、シートPに切欠きを形成するようになっている。
【0046】
また、シート断裁部120は、断裁刃122を上下方向(図3中矢印E方向)に駆動する駆動手段としての駆動部160を備えている。
【0047】
駆動部160は、支持台121に固定されたガイド軸125と、断裁刃122が固定される支持部材123と、支持部材123に固定され、ガイド軸125が貫通するガイドブッシュ124と、支持部材123を矢印E方向に移動させるカム機構170とを有する。
【0048】
また、駆動部160は、支持台121と支持部材123との間に配置され、ガイド軸125に装着されて、常時、支持部材123を上方向(断裁刃122が断裁待機位置に移動する方向)に付勢するコイルばね130を有する。
【0049】
カム機構170は、駆動モータM2と、駆動モータM2の軸に固定されたプーリ126と、支持部材123に当接するカム129と、カム129の軸に固定されたプーリ127と、プーリ126,127に張架されたタイミングベルト128とを有する。カム129は、偏心カムである。
【0050】
そして、カム129が、駆動モータM2によりプーリ126,タイミングベルト128,プーリ127を介して回転駆動されることで、コイルばね130の付勢力により常時、カム129に当接している支持部材123が、図3中矢印E方向に往復運動する。これにより、支持部材123に固定される断裁刃122は、駆動部160の駆動によって、下方に移動してシートPを断裁する断裁位置(図3(b)参照)と、断裁位置から上方に退避する断裁待機位置(図3(a)参照)とに移動する。
【0051】
断裁刃122は、図3(a)に示す断裁待機位置(上死点)では上死点センサ131で、図3(b)に示す断裁位置(下死点)では下死点センサ132で検知される。断裁された屑は、図1の屑箱140に収納される。
【0052】
図4は、画像形成装置1000を制御する制御部960の構成を示すブロック図である。制御部960は、CPU回路部150を有し、CPU回路部150は、CPU151、ROM152、RAM153を内蔵している。そして、ROM152に格納されている制御プログラムにより、原稿給送制御部401、操作部610、イメージリーダ制御部201、画像形成制御部202、プリンタ制御部301、シート処理装置制御部190を総括的に制御する。
【0053】
なお、図4において、203は、画像形成装置1000と外部のコンピュータ204とのインターフェースである外部I/Fである。そして、この外部I/F203により、コンピュータ204からのプリントデータをビットマップ画像に展開し、画像データとして画像形成制御部202へ出力する。
【0054】
RAM153は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。原稿給送制御部401は、原稿搬送装置400をCPU回路部150からの指示に基づき駆動制御するものである。イメージリーダ制御部201は、原稿読み取り部602に設けられたイメージセンサ602a等に対する駆動制御を行い、イメージセンサ602aから出力されたアナログ画像信号を画像形成制御部202に転送するものである。
【0055】
画像形成制御部202は、イメージセンサ602aからのアナログ画像信号をデジタル信号に変換した後に各処理を施し、このデジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部301に出力するものである。また、コンピュータ204から外部I/F203を介して入力されたデジタル画像信号に対して各種処理を施すと共に、デジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部301に出力するものである。なお、このプリンタ制御部301による処理動作は、CPU回路部150により制御される。
【0056】
プリンタ制御部301は、入力されたビデオ信号に基づいて不図示の露光制御部を介して露光装置200を駆動するものである。操作部610は、画像形成に関する各種機能を設定する複数のキー、設定状態を示す情報を表示するための表示部などを有している。そして、各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部150に出力すると共に、CPU回路部150からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示するものである。
【0057】
シート処理装置制御部190は、シート処理装置100に搭載され、CPU回路部150と情報のやり取りを行うことにより、シート処理装置全体の駆動制御を行うものである。このシート処理装置制御部190は、不図示のCPU、RAM、ROM、I/O(入出力部)、通信インターフェース、ネットワークインターフェース等を有している。
【0058】
ここで、シート処理装置制御部190のI/O(入出力部)の出力ポートには、ステッピングモータM1及び駆動モータM2並びにソレノイドSL1〜SL6が接続されている。また、I/O(入出力部)の入力ポートには、パスセンサ103、パスセンサ111、上死点センサ131及び下死点センサ132が接続されている。そして、これら各種センサからの検知信号に基づき各種駆動系の駆動を制御している。
【0059】
次に、シート処理装置100によりシートPを切欠いてタブを形成するインデックス加工動作について説明する。
【0060】
図5は、CPU回路部150による処理動作を示すフローチャートである。図6は、シートPを切欠いた状態を示す説明図である。図7〜図13は、シート処理装置100による処理動作を説明するための説明図である。
【0061】
まず、ユーザにより図1に示す操作部610でシートサイズの選択、インデックス加工の位置、インデックス加工するシート枚数が設定される。
【0062】
ここで、ユーザは、インデックス加工の位置として、図6の(a),(b)に示すようなシートPの断裁長Xa(Xb)を、操作部610で任意に設定することができる。そして、操作部610は、シートの搬送方向上流側の隅部を含む側端部の搬送方向の断裁長Xa(Xb)に対応する断裁処理情報、すなわち、インデックス加工の位置を示す情報を、CPU回路部150に出力する。
【0063】
そして、プリントが開始され、装置本体601の排出ローラ対907によりシートPが排出されると、CPU回路部150は、シート処理装置制御部190を介してステッピングモータM1を動作させる(ステップS1)。すると、図7のように、装置本体601から排出されたシートPは、入口ローラ対101で受け取られ、ステッピングモータM1により駆動される入口ローラ対101によって搬送される。
【0064】
CPU回路部150は、パスセンサ103でシートPが検知されると(ステップS2:Yes)、ソレノイドSL1をONさせ(ステップS3)、入口ローラ対101の一方(上方)のローラを離間させる。
【0065】
これにより、シートPは、図8のように、斜送ローラ対102により斜送され、突き当て部104にシートPの側端面を突き当てられて、シートPの斜行(姿勢)が補正され、シートの幅方向の位置決めがなされる。これにより、シートPの一方の側端面を整列させることができるので、シートPに断裁を施した際には、各シートPで幅方向の長さが揃うので、仕上がりがよく、断裁したシートPの品質が向上する。また、突き当て部104を搬送路に進退させる必要がなく、構造を簡略化できる。
【0066】
次に、搬送ローラ対105,107は、ステッピングモータM1の駆動によりシート処理位置までシートPを搬送する。
【0067】
このシート処理位置は、シートPの側端部のうち、断裁刃122により搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁する位置であり、断裁処理情報に基づいて決定される。つまり、シート処理位置は、パスセンサ103がシートPの搬送方向上流端(後端)を検知してから所定量搬送される位置である。
【0068】
ここで、CPU回路部150は、入力した断裁処理情報に基づいて、ユーザが設定したインデックス加工の位置となるように、予めステッピングモータM1のパルス数を演算しておく。
【0069】
そして、CPU回路部150は、パスセンサ103がシートPの後端を検知したか否か、つまり、パスセンサ103がOFFしたか否かを判断する(ステップS4)。
【0070】
CPU回路部150は、パスセンサ103がOFFした場合(ステップS4:Yes)、演算したパルス数(所定パルス数)分、ステッピングモータM1を回転させてシートPを搬送させたか否かを判断する(ステップS5)。
【0071】
CPU回路部150は、所定パルス数分、搬送ローラ対105,107によりシートPを搬送させた場合(ステップS5:Yes)、ステッピングモータM1を停止させる(ステップS6)。
【0072】
これにより、シートPは、断裁処理情報に基づいて決定されたシート処理位置に位置決め搬送され、シート処理位置で停止する。
【0073】
例えば、CPU回路部150は、図6の(a)のような断裁長Xaを断裁する場合には、シートの搬送方向の長さLと断裁長Xaからパルス数を演算し、図9に示すシート処理位置までシートPを搬送させ、そのシート処理位置でシートPを停止させる。
【0074】
また、CPU回路部150は、図6の(b)のような断裁長Xbを断裁する場合には、シートの搬送方向の長さLと断裁長Xbからパルス数を演算し、図13に示すシート処理位置までシートPを搬送させ、そのシート処理位置でシートPを停止させる。
【0075】
このように、シートPの搬送を停止させるシート処理位置を変更するだけで、タブの位置(長さ)を変更できるので、シート断裁部120を移動させる必要がない。このため、装置構成を簡略化でき、装置を小型化することができる。
【0076】
なお、搬送ローラ対105及び107によりシートPが搬送されている間は、斜送ローラ対106及び108の一方(上方)のローラは、ソレノイドSL3及びSL5によって離間されている。
【0077】
次に、CPU回路部150は、駆動モータM2により断裁刃122を駆動させ(ステップS7)、断裁刃122を断裁待機位置から断裁位置に移動させる。これにより、シートSの断裁処理が開始される。
【0078】
CPU回路部150は、下死点センサ132により断裁刃122が断裁位置(下死点)に到達したことを検知されたか否か、つまり、下死点センサ132がONしたか否かを判断する(ステップS8)。
【0079】
そして、CPU回路部150は、下死点センサ132がONした場合(ステップS8:Yes)、ソレノイドSL2,SL4をONさせる(ステップS9)。これにより、搬送ローラ対105及び107の一方(上方)のローラが離間する。
【0080】
このとき、断裁刃122は、図10に示すように、断裁位置に到達しており、搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁することにより、シートPの幅方向の側端部には、搬送方向下流側の隅部を含むタブTが形成されている。
【0081】
次に、CPU回路部150は、ソレノイドSL3,SL5をOFFさせる(ステップS10)。これにより斜送ローラ対106,108の上下のローラ同士が接触する。
【0082】
そして、CPU回路部150は、ステッピングモータM1に斜送ローラ対106,108を駆動させ(ステップS11)、シートPの搬送(斜送)を開始する。この間、CPU回路部150は、断裁刃122が断裁位置(下死点)から断裁待機位置(上死点)へ戻るように、駆動モータM2の動作を開始する。
【0083】
つまり、断裁刃122によるシートPの断裁後、斜送ローラ対106,108により、断裁刃122が断裁待機位置に移動完了する前に、シートPの搬送を開始している。
【0084】
そして、CPU回路部150は、ステッピングモータM1を所定パルス分だけ回転させてシートPを斜送したか否かを判断する(ステップS12)。つまり、斜送ローラ対106,108によって、シート断裁後にシートPが断裁刃122から離れる方向にシートPを斜送する。CPU回路部150は、所定パルス分、斜送したと判断した場合(ステップS12:Yes)、ソレノイドSL4,SL6をOFFさせる(ステップS13)。これにより、搬送ローラ対107,109の上下のローラ同士が接触し、図11に示すように、搬送ローラ対107,109によりシートPが挟持搬送される。
【0085】
次に、CPU回路部150は、パスセンサ111でシートPの後端が検知されたか否か、つまり、パスセンサ111がOFFしたか否かを判断する(ステップS14)。図12の状態では、パスセンサ111はONであり、このシートPがパスセンサ111から抜けると、パスセンサ111がOFFとなる。
【0086】
そして、CPU回路部150は、パスセンサ111がOFFとなった場合(ステップS14:Yes)、シートPは、排出ローラ対110でシート積載部600に排出されているので、最終シートであるか否かを判断する(ステップS15)。
【0087】
CPU回路部150は、最終シートのインデックス加工が終了すると(ステップS15:Yes)、ジョブが終了する。
【0088】
以上、本実施の形態では、シートPの搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁しているので、シートPの搬送方向下流側の隅部を含むタブが形成される。これにより、断裁刃122が断裁待機位置に戻る前にシートPの搬送を開始しても、シートPのタブが断裁刃122に接触してダメージを受けることはない。そして、このように断裁刃122が断裁待機位置に移動完了する前に、シートPの搬送を開始することで、生産性を向上させることができる。
【0089】
また、シート断裁後、斜送ローラ対106,108によりシートPの断裁面が断裁刃122から離れる方向に斜送されるので、シートPの断裁面が断裁刃122と擦れることはない。したがって、断裁刃122の錆や油がシートPに付着して汚れたり、シートPがダメージを受けたりすることがない。
【0090】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、シート断裁後、斜送部としての斜送ローラ対106,108によりシートPを斜送し、搬送されるシートPが断裁刃122に擦れるのを回避する場合について説明した。本第2実施形態では、別の構成によりシートPが断裁刃に擦れるのを回避する場合について説明する。なお、本第2実施形態において、上記第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0091】
図14は、本発明に係る第2実施形態の画像形成装置のシート断裁部を示す説明図であり、図14(a)は、断裁刃を断裁待機位置に移動させている状態を示す図であり、図14(b)は、断裁刃を断裁位置に移動させている状態を示す図である。
【0092】
本第2実施形態のシート断裁部120Aの断裁刃122Aは、上記第1実施形態の断裁刃122に凹部133を形成したものである。
【0093】
具体的に説明すると、凹部133は、図14(a)に示すように、断裁刃122Aの刃先122aが形成されている側の刃面122wに、シートPの搬送方向と平行に延びるように形成されている。
【0094】
そして、図14(b)に示すように、断裁刃122Aを断裁位置に移動させたとき、断裁刃122Aの刃先122a,122bは、シートPの側端部を断裁する。断裁刃122Aに形成した凹部133は、断裁したシートPの断裁面に対向し、シートPの断裁面と接触するのを妨げるよう設けられている。このように、断裁したシートPの断裁面は凹部133があるため、断裁刃122Aに接触しない。
【0095】
つまり、凹部133は、断裁刃122Aを断裁位置に移動させたときにシートPの断裁面と対向する位置に形成されている。
【0096】
そして、断裁刃122Aが断裁位置で停止した状態、すなわち、シートPの断裁面が凹部133に対向した状態でシートPの搬送を開始する。これにより、シートPの断裁面は、断裁刃122Aに接触することはない。したがって、搬送ローラ対107,109で搬送方向に真直ぐに搬送させたとしても、シートPは汚れたり、ダメージを受けたりすることがない。このため、上記第1実施形態で説明した斜送ローラ対106,108は省略することができる。
【0097】
ここで、断裁刃122Aが断裁位置で停止した状態でシートPを搬送するようにしたが、生産性を向上させるためにシートPが断裁刃122Aの凹部133から抜ける前に断裁刃122Aを断裁待機位置に移動させる動作を開始することも可能である。
【0098】
この場合、断裁刃122Aが断裁位置から断裁待機位置に移動中であっても断裁刃122AとシートPが接触しないように、凹部133の上下方向の長さを設定すればよい。
【0099】
なお、上述した実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0100】
上述した実施形態では、シート処理位置を変更することで、シートのタブの長さを変更したが、シートを定位置に停止させ、シート断裁部を移動させてシートにタブを形成する場合であってもよい。
【0101】
また、上述した実施形態では、シート断裁部を幅方向の一方に設けてシートPの一方の側端部にタブを形成する場合について説明したが、シート断裁部を幅方向の両方に設けてシートの両側の側端部にタブを形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
100 シート処理装置
106,108 斜送部(斜送ローラ対)
122,122A 断裁刃
133 凹部
160 駆動手段(駆動部)
300 画像形成部
500 搬送手段(搬送部)
1000 画像形成装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに切欠きを形成するシート処理装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置においては、シートに画像を形成する画像形成部と、画像形成部で画像形成されたシートに処理を施すシート処理装置とを有するものが一般に知られている。ここで、このようなシート処理装置としては、画像が形成されたシートを積み重ねてシート束を形成した後、シート束を折り曲げて中折り冊子を作成する中綴じ製本するものが知られている。
【0003】
この種のシート処理装置を有する画像形成装置では、予めタブが形成されているインデックスシートに画像形成して製本することが可能である。しかし、シートに形成されているタブの位置は予め決まっているため、タブの位置を変更するときにはシートを変更しなければならず、自由度が低かった。
【0004】
そこで、近年では、シートにおける搬送方向上流側の端部(後端部)及び下流側の端部(先端部)を断裁して切欠くことでタブを形成するものが提案されている(特許文献1参照)。この装置では、パンチを搬送方向と直交する幅方向に移動させてシートを断裁することで、ユーザが設定した幅方向の任意の位置にタブを形成することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2004−525840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の装置では、パンチによりシートの先端部を断裁した後は、パンチをシートから離間させないと、シートがパンチに接触してダメージを受ける可能性がある。したがって、パンチをシートから離間させるまではシートの搬送を開始することができず、生産性の向上の妨げとなっていた。
【0007】
また、シートに形成するタブの位置が変更される度に、パンチを幅方向に移動させなければならず、パンチの幅方向の移動機構が必要となるので構造が複雑となり、また、移動に時間を要するので生産性の向上の妨げとなっていた。
【0008】
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、生産性を向上させることができるシート処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、搬送されてきたシートに切欠きを形成するシート処理装置において、シートの搬送方向に沿った側端部を断裁する断裁刃と、前記断裁刃を、断裁待機位置と、シートを断裁する断裁位置とに移動させる駆動手段と、シートの前記側端部のうち、前記断裁刃により搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁するシート処理位置にシートを搬送する搬送手段と、を備え、前記搬送手段は、前記シート処理位置にシートを搬送し、前記断裁位置に移動させた前記断裁刃によるシートの断裁後、前記断裁刃が前記断裁待機位置に移動完了する前に、シートの搬送を開始する、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シートの断裁後に断裁刃がシートから脱する前にシートの搬送を開始するので、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】シート処理装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】シート断裁部を示す説明図であり、(a)は、断裁刃を断裁待機位置に移動させている状態を示す図であり、(b)は、断裁刃を断裁位置に移動させている状態を示す図である。
【図4】画像形成装置を制御する制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】CPU回路部による処理動作を示すフローチャートである。
【図6】シートを切欠いた状態を示す説明図である。
【図7】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図8】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図9】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図10】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図11】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図12】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図13】シート処理装置による処理動作を説明するための説明図である。
【図14】本発明に係る第2実施形態の画像形成装置のシート断裁部を示す説明図であり、(a)は、断裁刃を断裁待機位置に移動させている状態を示す図であり、(b)は、断裁刃を断裁位置に移動させている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【0014】
図1において、1000は画像形成装置、601は画像形成装置本体(以下、装置本体という)、602は装置本体601の上部に設けられた原稿読み取り部(イメージリーダ)、400は複数の原稿を自動的に読み取るための原稿搬送装置である。
【0015】
装置本体601は、画像形成するための通常のシートPを積載する給紙カセット909a,909b、電子写真プロセスを用いてシート上にトナー画像を形成する画像形成部300、シートに形成されたトナー画像を定着させる定着部904等を備えている。画像形成部300は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の感光体ドラム914a〜914dを有している。また、装置本体601の上面にはユーザが装置本体601に対して各種入力/設定を行うため操作部610が、また装置本体601の側方には、シート処理装置100が接続されている。
【0016】
ここで、シート処理装置100は、装置本体601にオンライン接続されると共に、装置本体601から搬送(排出)されたシートPを順に取り込み、取り込んだシートPの端部を切欠いてタブを形成するものである。なお、960は、装置本体601及びシート処理装置100の制御を司る制御部である。
【0017】
そして、このような画像形成装置1000において、不図示の原稿の画像をシートPに形成する際には、まず原稿搬送装置400により搬送された原稿の画像を、原稿読み取り部602に設けられたイメージセンサ602aにより読み取る。この後、読み取られたデジタルデータを露光手段としての露光装置200に入力し、露光装置200は、このデジタルデータに応じた光を画像形成部300の感光体ドラム914(914a〜914d)に照射する。このように光が照射されると、感光体ドラム表面に静電潜像が形成され、この静電潜像を現像することにより、感光体ドラム表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー画像が形成される。
【0018】
次に、この4色のトナー画像を給紙カセット909a,909bから給送されたシート上に転写し、この後、シート上に転写されたトナー像を、定着部904により永久定着する。なお、このようにトナー画像を定着した後、シートPの片面に画像を形成するモードであれば、そのまま、シートPを排出ローラ対907からシート処理装置100に排出する。
【0019】
また、シートPの両面に画像を形成するモードであれば、シートPを定着部904から反転ローラ905に受け渡す。この後、シートの搬送方向上流端(後端)が反転切換部材905aを超えると反転ローラ905を反転させ、シートPを両面搬送ローラ906a〜906fの方向へ搬送する。そして、この後、再度、シートを画像形成部300に搬送し、裏面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を転写する。なお、このように裏面に4色のトナー像が転写されたシートは、再度定着部904に搬送されてトナー画像が定着され、この後、排出ローラ対907からシート処理装置100に搬送される。
【0020】
次に、シート処理装置100の構成について説明する。
【0021】
シート処理装置100は、シートPを搬送する搬送手段としての搬送部500を備えている。搬送部500は、入口ローラ対101、斜送ローラ対102、搬送ローラ対105、斜送ローラ対106、搬送ローラ対107、斜送ローラ対108、搬送ローラ対109及び排出ローラ対110を有している。そして、これらローラ対101,102,105,106,107,108,109,110が搬送方向上流側から下流側に向かってシートPの搬送路に順次配置されている。
【0022】
また、シート処理装置100は、シートPの搬送方向に沿った側端部(すなわち、シートPの搬送方向と直交する幅方向の側端部)を断裁する断裁刃122を有するシート断裁部120と、シート断裁部120の下方に配置される屑箱140と、を備えている。
【0023】
図2は、シート処理装置100の概略構成を示す斜視図である。
【0024】
シート処理装置100は、各ローラ対101,102,105〜110を駆動するステッピングモータM1と、シートPの幅方向の側端面が突き当たり、シートPの幅方向の位置及び斜行を補正する斜行補正手段としての突き当て部104と、を備えている。
【0025】
また、シート処理装置100は、入口ローラ対101のローラ同士を離間させるソレノイドSL1、搬送ローラ対105のローラ同士を離間させるソレノイドSL2、及び斜送ローラ対106のローラ同士を離間させるソレノイドSL3を備えている。更に、シート処理装置100は、搬送ローラ対107のローラ同士を離間させるソレノイドSL4、斜送ローラ対108のローラ同士を離間させるソレノイドSL5、及び搬送ローラ対109のローラ同士を離間させるソレノイドSL6を備えている。
【0026】
また、シート処理装置100は、斜送ローラ対102近傍に配置され、シートPの有無を検知するパスセンサ103と、排出ローラ対110近傍に配置され、シートPの有無を検知するパスセンサ111と、を備えている。
【0027】
突き当て部104は、シートPの搬送方向と平行に延びる突き当て板を有し、シートPの幅方向の一方の側端面が当接するように斜送ローラ対102の側部に対向して配置されている。突き当て部104のシートPの搬送方向下流側には、シート断裁部120が、搬送ローラ対105,107及び斜送ローラ対106,108に対向するように配置されている。
【0028】
入口ローラ対101は、装置本体601から搬送(排出)されたシートPを受け取り、ステッピングモータM1の駆動により、シートPを図2中矢印A方向(搬送方向)に搬送する。入口ローラ対101は、ソレノイドSL1により図2中矢印D方向に一方のローラを離間できるようになっている。
【0029】
斜送ローラ対102は、ステッピングモータM1の駆動により、突き当て部104に近づく方向(図2中矢印B方向)にシートPを斜送し、突き当て部104にシートPの側端面を突き当ててシートPを搬送しながら幅方向のシートPの位置決めをする。また、斜送ローラ対102は、シートPの側端面が突き当て部104に突き当たった後は、突き当て部104に沿って矢印A方向にシートPを搬送する。
【0030】
この斜送ローラ対102の搬送力は、入口ローラ対101の搬送力よりも小さく設定されている。したがって、シートPが入口ローラ対101により挟持搬送されている間は、斜送ローラ対102の搬送力の影響を受けず、図2中矢印A方向に搬送される。
【0031】
パスセンサ103は、搬送されるシートの有無を検知し、各種ローラ対やシート断裁部120の駆動タイミングを決定する際に使用される。
【0032】
搬送ローラ対105,107,109は、図2中矢印A方向にシートPを搬送するローラ対であり、それぞれソレノイドSL2,SL4,SL6により図2中矢印D方向に一方のローラを離間できるようになっている。
【0033】
斜送部としての斜送ローラ対106,108は、シート断裁部120の断裁刃122から離れる方向(図2中矢印C方向)にシートPを斜送するローラ対であり、それぞれソレノイドSL3,SL5により図2中矢印D方向に離間できるようになっている。
【0034】
また、斜送ローラ対106,108の搬送力は、搬送ローラ対105,107,109の搬送力よりも小さく設定されている。したがって、シートPが搬送ローラ対105,107,109により挟持搬送されている間は斜送ローラ対106,108を離間させ、シートPは、斜送ローラ対106,108の搬送力の影響を受けず、図2中矢印A方向に搬送される。
【0035】
排出ローラ対110は、シートPをシート処理装置100機外に排出するローラ対であり、機外に排出されたシートPはシート積載部600(図1)に積載される。
【0036】
パスセンサ111は、シートPの有無を検知することにより、排出ローラ対110によるシートPの排出完了を検知する。
【0037】
次に、シート断裁部120の構成について説明する。
【0038】
図3は、シート断裁部120を示す説明図であり、図3(a)は、断裁刃122を断裁待機位置に移動させている状態を示す図であり、図3(b)は、断裁刃122を断裁位置に移動させている状態を示す図である。
【0039】
シート断裁部120は、刃先121a及び刃先121bを有する固定刃が内蔵された支持台121と、固定刃の刃先121aに対向する刃先122a及び固定刃の刃先121bに対向する刃先122bを有する可動刃となる断裁刃122と、を備えている。断裁刃122は、支持台121(固定刃)の上方に配置され、昇降可能に支持されている。
【0040】
支持台121は、突き当て部104のシートの搬送方向下流側に配置され、突き当て部104に沿って搬送されたシートを支持する。
【0041】
固定刃の刃先121a及び刃先121bは、支持台121に形成された平面視略四角形の貫通孔の上縁に形成されている。具体的には、固定刃の刃先121aは、貫通孔の搬送路側の上縁に形成され、固定刃の刃先121bは、貫通孔の搬送方向下流側の上縁に形成されている。
【0042】
この支持台121の貫通孔の搬送路側の刃面は、平面視シートPの搬送方向と平行となるように形成されている。また、支持台121の貫通孔の搬送方向下流側の刃面は、平面視シートPの搬送方向と直交(直角に交差)するように形成されている。つまり、刃先121aと刃先121bとは、互いに直交するように支持台121の貫通孔の上縁に形成されている。刃先121aは、刃先121bよりも長くなるように設定されている。
【0043】
また、可動刃である断裁刃122の基体は、平面視略四角形に形成されており、刃先122a及び刃先122bは、断裁刃122の基体の下縁に形成されている。具体的には、刃先122aは、基体の搬送路側の下縁に形成され、刃先122bは、基体の搬送方向下流側の下縁に形成されている。
【0044】
この断裁刃122の搬送路側の刃面は、平面視シートPの搬送方向と平行となるように形成されている。また、断裁刃122の搬送方向下流側の刃面は、平面視シートPの搬送方向と直交するように形成されている。つまり、刃先122aと刃先122bとは、互いに直交するように断裁刃122の基体の下縁に形成されている。刃先122aは、刃先122bよりも長くなるように設定されている。
【0045】
そして、図3(b)に示すように、断裁刃122が断裁位置に下降し、断裁刃122の刃先122a,122bが刃先121a,121bと合わさることでシートPを断裁し、シートPに切欠きを形成するようになっている。
【0046】
また、シート断裁部120は、断裁刃122を上下方向(図3中矢印E方向)に駆動する駆動手段としての駆動部160を備えている。
【0047】
駆動部160は、支持台121に固定されたガイド軸125と、断裁刃122が固定される支持部材123と、支持部材123に固定され、ガイド軸125が貫通するガイドブッシュ124と、支持部材123を矢印E方向に移動させるカム機構170とを有する。
【0048】
また、駆動部160は、支持台121と支持部材123との間に配置され、ガイド軸125に装着されて、常時、支持部材123を上方向(断裁刃122が断裁待機位置に移動する方向)に付勢するコイルばね130を有する。
【0049】
カム機構170は、駆動モータM2と、駆動モータM2の軸に固定されたプーリ126と、支持部材123に当接するカム129と、カム129の軸に固定されたプーリ127と、プーリ126,127に張架されたタイミングベルト128とを有する。カム129は、偏心カムである。
【0050】
そして、カム129が、駆動モータM2によりプーリ126,タイミングベルト128,プーリ127を介して回転駆動されることで、コイルばね130の付勢力により常時、カム129に当接している支持部材123が、図3中矢印E方向に往復運動する。これにより、支持部材123に固定される断裁刃122は、駆動部160の駆動によって、下方に移動してシートPを断裁する断裁位置(図3(b)参照)と、断裁位置から上方に退避する断裁待機位置(図3(a)参照)とに移動する。
【0051】
断裁刃122は、図3(a)に示す断裁待機位置(上死点)では上死点センサ131で、図3(b)に示す断裁位置(下死点)では下死点センサ132で検知される。断裁された屑は、図1の屑箱140に収納される。
【0052】
図4は、画像形成装置1000を制御する制御部960の構成を示すブロック図である。制御部960は、CPU回路部150を有し、CPU回路部150は、CPU151、ROM152、RAM153を内蔵している。そして、ROM152に格納されている制御プログラムにより、原稿給送制御部401、操作部610、イメージリーダ制御部201、画像形成制御部202、プリンタ制御部301、シート処理装置制御部190を総括的に制御する。
【0053】
なお、図4において、203は、画像形成装置1000と外部のコンピュータ204とのインターフェースである外部I/Fである。そして、この外部I/F203により、コンピュータ204からのプリントデータをビットマップ画像に展開し、画像データとして画像形成制御部202へ出力する。
【0054】
RAM153は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。原稿給送制御部401は、原稿搬送装置400をCPU回路部150からの指示に基づき駆動制御するものである。イメージリーダ制御部201は、原稿読み取り部602に設けられたイメージセンサ602a等に対する駆動制御を行い、イメージセンサ602aから出力されたアナログ画像信号を画像形成制御部202に転送するものである。
【0055】
画像形成制御部202は、イメージセンサ602aからのアナログ画像信号をデジタル信号に変換した後に各処理を施し、このデジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部301に出力するものである。また、コンピュータ204から外部I/F203を介して入力されたデジタル画像信号に対して各種処理を施すと共に、デジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部301に出力するものである。なお、このプリンタ制御部301による処理動作は、CPU回路部150により制御される。
【0056】
プリンタ制御部301は、入力されたビデオ信号に基づいて不図示の露光制御部を介して露光装置200を駆動するものである。操作部610は、画像形成に関する各種機能を設定する複数のキー、設定状態を示す情報を表示するための表示部などを有している。そして、各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部150に出力すると共に、CPU回路部150からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示するものである。
【0057】
シート処理装置制御部190は、シート処理装置100に搭載され、CPU回路部150と情報のやり取りを行うことにより、シート処理装置全体の駆動制御を行うものである。このシート処理装置制御部190は、不図示のCPU、RAM、ROM、I/O(入出力部)、通信インターフェース、ネットワークインターフェース等を有している。
【0058】
ここで、シート処理装置制御部190のI/O(入出力部)の出力ポートには、ステッピングモータM1及び駆動モータM2並びにソレノイドSL1〜SL6が接続されている。また、I/O(入出力部)の入力ポートには、パスセンサ103、パスセンサ111、上死点センサ131及び下死点センサ132が接続されている。そして、これら各種センサからの検知信号に基づき各種駆動系の駆動を制御している。
【0059】
次に、シート処理装置100によりシートPを切欠いてタブを形成するインデックス加工動作について説明する。
【0060】
図5は、CPU回路部150による処理動作を示すフローチャートである。図6は、シートPを切欠いた状態を示す説明図である。図7〜図13は、シート処理装置100による処理動作を説明するための説明図である。
【0061】
まず、ユーザにより図1に示す操作部610でシートサイズの選択、インデックス加工の位置、インデックス加工するシート枚数が設定される。
【0062】
ここで、ユーザは、インデックス加工の位置として、図6の(a),(b)に示すようなシートPの断裁長Xa(Xb)を、操作部610で任意に設定することができる。そして、操作部610は、シートの搬送方向上流側の隅部を含む側端部の搬送方向の断裁長Xa(Xb)に対応する断裁処理情報、すなわち、インデックス加工の位置を示す情報を、CPU回路部150に出力する。
【0063】
そして、プリントが開始され、装置本体601の排出ローラ対907によりシートPが排出されると、CPU回路部150は、シート処理装置制御部190を介してステッピングモータM1を動作させる(ステップS1)。すると、図7のように、装置本体601から排出されたシートPは、入口ローラ対101で受け取られ、ステッピングモータM1により駆動される入口ローラ対101によって搬送される。
【0064】
CPU回路部150は、パスセンサ103でシートPが検知されると(ステップS2:Yes)、ソレノイドSL1をONさせ(ステップS3)、入口ローラ対101の一方(上方)のローラを離間させる。
【0065】
これにより、シートPは、図8のように、斜送ローラ対102により斜送され、突き当て部104にシートPの側端面を突き当てられて、シートPの斜行(姿勢)が補正され、シートの幅方向の位置決めがなされる。これにより、シートPの一方の側端面を整列させることができるので、シートPに断裁を施した際には、各シートPで幅方向の長さが揃うので、仕上がりがよく、断裁したシートPの品質が向上する。また、突き当て部104を搬送路に進退させる必要がなく、構造を簡略化できる。
【0066】
次に、搬送ローラ対105,107は、ステッピングモータM1の駆動によりシート処理位置までシートPを搬送する。
【0067】
このシート処理位置は、シートPの側端部のうち、断裁刃122により搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁する位置であり、断裁処理情報に基づいて決定される。つまり、シート処理位置は、パスセンサ103がシートPの搬送方向上流端(後端)を検知してから所定量搬送される位置である。
【0068】
ここで、CPU回路部150は、入力した断裁処理情報に基づいて、ユーザが設定したインデックス加工の位置となるように、予めステッピングモータM1のパルス数を演算しておく。
【0069】
そして、CPU回路部150は、パスセンサ103がシートPの後端を検知したか否か、つまり、パスセンサ103がOFFしたか否かを判断する(ステップS4)。
【0070】
CPU回路部150は、パスセンサ103がOFFした場合(ステップS4:Yes)、演算したパルス数(所定パルス数)分、ステッピングモータM1を回転させてシートPを搬送させたか否かを判断する(ステップS5)。
【0071】
CPU回路部150は、所定パルス数分、搬送ローラ対105,107によりシートPを搬送させた場合(ステップS5:Yes)、ステッピングモータM1を停止させる(ステップS6)。
【0072】
これにより、シートPは、断裁処理情報に基づいて決定されたシート処理位置に位置決め搬送され、シート処理位置で停止する。
【0073】
例えば、CPU回路部150は、図6の(a)のような断裁長Xaを断裁する場合には、シートの搬送方向の長さLと断裁長Xaからパルス数を演算し、図9に示すシート処理位置までシートPを搬送させ、そのシート処理位置でシートPを停止させる。
【0074】
また、CPU回路部150は、図6の(b)のような断裁長Xbを断裁する場合には、シートの搬送方向の長さLと断裁長Xbからパルス数を演算し、図13に示すシート処理位置までシートPを搬送させ、そのシート処理位置でシートPを停止させる。
【0075】
このように、シートPの搬送を停止させるシート処理位置を変更するだけで、タブの位置(長さ)を変更できるので、シート断裁部120を移動させる必要がない。このため、装置構成を簡略化でき、装置を小型化することができる。
【0076】
なお、搬送ローラ対105及び107によりシートPが搬送されている間は、斜送ローラ対106及び108の一方(上方)のローラは、ソレノイドSL3及びSL5によって離間されている。
【0077】
次に、CPU回路部150は、駆動モータM2により断裁刃122を駆動させ(ステップS7)、断裁刃122を断裁待機位置から断裁位置に移動させる。これにより、シートSの断裁処理が開始される。
【0078】
CPU回路部150は、下死点センサ132により断裁刃122が断裁位置(下死点)に到達したことを検知されたか否か、つまり、下死点センサ132がONしたか否かを判断する(ステップS8)。
【0079】
そして、CPU回路部150は、下死点センサ132がONした場合(ステップS8:Yes)、ソレノイドSL2,SL4をONさせる(ステップS9)。これにより、搬送ローラ対105及び107の一方(上方)のローラが離間する。
【0080】
このとき、断裁刃122は、図10に示すように、断裁位置に到達しており、搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁することにより、シートPの幅方向の側端部には、搬送方向下流側の隅部を含むタブTが形成されている。
【0081】
次に、CPU回路部150は、ソレノイドSL3,SL5をOFFさせる(ステップS10)。これにより斜送ローラ対106,108の上下のローラ同士が接触する。
【0082】
そして、CPU回路部150は、ステッピングモータM1に斜送ローラ対106,108を駆動させ(ステップS11)、シートPの搬送(斜送)を開始する。この間、CPU回路部150は、断裁刃122が断裁位置(下死点)から断裁待機位置(上死点)へ戻るように、駆動モータM2の動作を開始する。
【0083】
つまり、断裁刃122によるシートPの断裁後、斜送ローラ対106,108により、断裁刃122が断裁待機位置に移動完了する前に、シートPの搬送を開始している。
【0084】
そして、CPU回路部150は、ステッピングモータM1を所定パルス分だけ回転させてシートPを斜送したか否かを判断する(ステップS12)。つまり、斜送ローラ対106,108によって、シート断裁後にシートPが断裁刃122から離れる方向にシートPを斜送する。CPU回路部150は、所定パルス分、斜送したと判断した場合(ステップS12:Yes)、ソレノイドSL4,SL6をOFFさせる(ステップS13)。これにより、搬送ローラ対107,109の上下のローラ同士が接触し、図11に示すように、搬送ローラ対107,109によりシートPが挟持搬送される。
【0085】
次に、CPU回路部150は、パスセンサ111でシートPの後端が検知されたか否か、つまり、パスセンサ111がOFFしたか否かを判断する(ステップS14)。図12の状態では、パスセンサ111はONであり、このシートPがパスセンサ111から抜けると、パスセンサ111がOFFとなる。
【0086】
そして、CPU回路部150は、パスセンサ111がOFFとなった場合(ステップS14:Yes)、シートPは、排出ローラ対110でシート積載部600に排出されているので、最終シートであるか否かを判断する(ステップS15)。
【0087】
CPU回路部150は、最終シートのインデックス加工が終了すると(ステップS15:Yes)、ジョブが終了する。
【0088】
以上、本実施の形態では、シートPの搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁しているので、シートPの搬送方向下流側の隅部を含むタブが形成される。これにより、断裁刃122が断裁待機位置に戻る前にシートPの搬送を開始しても、シートPのタブが断裁刃122に接触してダメージを受けることはない。そして、このように断裁刃122が断裁待機位置に移動完了する前に、シートPの搬送を開始することで、生産性を向上させることができる。
【0089】
また、シート断裁後、斜送ローラ対106,108によりシートPの断裁面が断裁刃122から離れる方向に斜送されるので、シートPの断裁面が断裁刃122と擦れることはない。したがって、断裁刃122の錆や油がシートPに付着して汚れたり、シートPがダメージを受けたりすることがない。
【0090】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、シート断裁後、斜送部としての斜送ローラ対106,108によりシートPを斜送し、搬送されるシートPが断裁刃122に擦れるのを回避する場合について説明した。本第2実施形態では、別の構成によりシートPが断裁刃に擦れるのを回避する場合について説明する。なお、本第2実施形態において、上記第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0091】
図14は、本発明に係る第2実施形態の画像形成装置のシート断裁部を示す説明図であり、図14(a)は、断裁刃を断裁待機位置に移動させている状態を示す図であり、図14(b)は、断裁刃を断裁位置に移動させている状態を示す図である。
【0092】
本第2実施形態のシート断裁部120Aの断裁刃122Aは、上記第1実施形態の断裁刃122に凹部133を形成したものである。
【0093】
具体的に説明すると、凹部133は、図14(a)に示すように、断裁刃122Aの刃先122aが形成されている側の刃面122wに、シートPの搬送方向と平行に延びるように形成されている。
【0094】
そして、図14(b)に示すように、断裁刃122Aを断裁位置に移動させたとき、断裁刃122Aの刃先122a,122bは、シートPの側端部を断裁する。断裁刃122Aに形成した凹部133は、断裁したシートPの断裁面に対向し、シートPの断裁面と接触するのを妨げるよう設けられている。このように、断裁したシートPの断裁面は凹部133があるため、断裁刃122Aに接触しない。
【0095】
つまり、凹部133は、断裁刃122Aを断裁位置に移動させたときにシートPの断裁面と対向する位置に形成されている。
【0096】
そして、断裁刃122Aが断裁位置で停止した状態、すなわち、シートPの断裁面が凹部133に対向した状態でシートPの搬送を開始する。これにより、シートPの断裁面は、断裁刃122Aに接触することはない。したがって、搬送ローラ対107,109で搬送方向に真直ぐに搬送させたとしても、シートPは汚れたり、ダメージを受けたりすることがない。このため、上記第1実施形態で説明した斜送ローラ対106,108は省略することができる。
【0097】
ここで、断裁刃122Aが断裁位置で停止した状態でシートPを搬送するようにしたが、生産性を向上させるためにシートPが断裁刃122Aの凹部133から抜ける前に断裁刃122Aを断裁待機位置に移動させる動作を開始することも可能である。
【0098】
この場合、断裁刃122Aが断裁位置から断裁待機位置に移動中であっても断裁刃122AとシートPが接触しないように、凹部133の上下方向の長さを設定すればよい。
【0099】
なお、上述した実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0100】
上述した実施形態では、シート処理位置を変更することで、シートのタブの長さを変更したが、シートを定位置に停止させ、シート断裁部を移動させてシートにタブを形成する場合であってもよい。
【0101】
また、上述した実施形態では、シート断裁部を幅方向の一方に設けてシートPの一方の側端部にタブを形成する場合について説明したが、シート断裁部を幅方向の両方に設けてシートの両側の側端部にタブを形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
100 シート処理装置
106,108 斜送部(斜送ローラ対)
122,122A 断裁刃
133 凹部
160 駆動手段(駆動部)
300 画像形成部
500 搬送手段(搬送部)
1000 画像形成装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されてきたシートに切欠きを形成するシート処理装置において、
シートの搬送方向に沿った側端部を断裁する断裁刃と、
前記断裁刃を、断裁待機位置と、シートを断裁する断裁位置とに移動させる駆動手段と、
シートの前記側端部のうち、前記断裁刃により搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁するシート処理位置にシートを搬送する搬送手段と、を備え、
前記搬送手段は、前記シート処理位置にシートを搬送し、前記断裁位置に移動させた前記断裁刃によるシートの断裁後、前記断裁刃が前記断裁待機位置に移動完了する前に、シートの搬送を開始する、
ことを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記搬送手段は、シートの搬送方向上流側の隅部を含む前記側端部の搬送方向の断裁長に対応する断裁処理情報に基づいて決定された前記シート処理位置にシートを搬送する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記搬送手段は、前記断裁刃によるシート断裁後にシートが前記断裁刃から離れる方向にシートを斜送する斜送部を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記断裁刃には、断裁したシートの断裁面に対向する位置に、前記断裁刃がシートの断裁面と接触するのを妨げる凹部が形成され、
前記搬送手段は、シートの断裁面が前記凹部に対向した状態でシートの搬送を開始する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項5】
シートに画像を形成する画像形成部と、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート処理装置と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
搬送されてきたシートに切欠きを形成するシート処理装置において、
シートの搬送方向に沿った側端部を断裁する断裁刃と、
前記断裁刃を、断裁待機位置と、シートを断裁する断裁位置とに移動させる駆動手段と、
シートの前記側端部のうち、前記断裁刃により搬送方向上流側の隅部を含む領域を断裁するシート処理位置にシートを搬送する搬送手段と、を備え、
前記搬送手段は、前記シート処理位置にシートを搬送し、前記断裁位置に移動させた前記断裁刃によるシートの断裁後、前記断裁刃が前記断裁待機位置に移動完了する前に、シートの搬送を開始する、
ことを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記搬送手段は、シートの搬送方向上流側の隅部を含む前記側端部の搬送方向の断裁長に対応する断裁処理情報に基づいて決定された前記シート処理位置にシートを搬送する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記搬送手段は、前記断裁刃によるシート断裁後にシートが前記断裁刃から離れる方向にシートを斜送する斜送部を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記断裁刃には、断裁したシートの断裁面に対向する位置に、前記断裁刃がシートの断裁面と接触するのを妨げる凹部が形成され、
前記搬送手段は、シートの断裁面が前記凹部に対向した状態でシートの搬送を開始する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項5】
シートに画像を形成する画像形成部と、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート処理装置と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−188476(P2010−188476A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35568(P2009−35568)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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