シート処理装置及び画像形成装置
【課題】シート束の一端に対する綴じ位置のズレを防ぐことのできるシート処理装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】グリッパユニット40により、シート束を、シート搬送方向と直交する幅方向に移動して整合部により整合されたシート束の一端部の幅方向の複数個所を綴じるステープラユニット41による綴じ処理が可能な位置に搬送する。そして、制御部は、シート束の一端に対するステープラユニット41による最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なる場合には、次の綴じ動作の前に、シート束の一端に対する次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送するようグリッパユニット40を制御する。
【解決手段】グリッパユニット40により、シート束を、シート搬送方向と直交する幅方向に移動して整合部により整合されたシート束の一端部の幅方向の複数個所を綴じるステープラユニット41による綴じ処理が可能な位置に搬送する。そして、制御部は、シート束の一端に対するステープラユニット41による最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なる場合には、次の綴じ動作の前に、シート束の一端に対する次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送するようグリッパユニット40を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理装置及び画像形成装置に関し、特に綴じ装置を綴じ処理を施す位置に移動させるための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、画像形成された後の複写用紙等のシートを順次装置内に取り込み、このシートに対して綴じ処理、穿孔処理等を選択的に施すシート処理装置を備えたものがある。そして、このようなシート処理装置を備えることにより、画像形成された後のシートに対する綴じ、穿孔等の処理に要する手間を軽減することができる。
【0003】
このシート処理装置は、例えば綴じ処理を施すため、綴じ処理されるシートを集積する処理トレイと、処理トレイ上のシート束に綴じ処理を施す綴じ装置と、処理トレイ上で綴じ処理されたシート束が排出される収納トレイを備えている。
【0004】
このようなシート処理装置としては、シート束の一端の両端角部のいずれか一方を選択して綴じ処理を行う端綴じモードと、シート束の一端の2箇所に綴じ処理を施す2箇所綴じモードを備えた、所謂マルチ綴じ処理が可能なものがある(特許文献1参照)。このようなシート処理装置では、端綴じモードの場合は、選択された端部の綴じ位置に綴じ装置を移動させてシート束に綴じ処理を施す。また、2箇所綴じモードの場合は、シート束の一端に沿って綴じ装置を第1の綴じ位置まで移動させて綴じ処理を施した後、綴じ装置を第2の綴じ位置に移動させて綴じ処理を施す。なお、2箇所綴じモードにおける第1及び第2の綴じ位置はシートサイズに応じて予め定められた位置である。
【0005】
ここで、綴じ処理を施す際、処理トレイ上で集積されたシート束を搬送手段により綴じ処理位置に移動させた後、綴じ装置により綴じ処理を施すようにしたものがある。なお、シート束を綴じ処理位置に移動させる搬送手段として、例えばシートを把持する把持装置を備え、シート束の一端を把持しながら把持装置を移動させることにより、シート束を綴じ処理位置に移動させるようにしたものがある(特許文献2参照)。このような把持搬送方式は、シート束を押圧部材によって押圧しながら綴じ処理位置に搬送させる方式に比べて、シート束のズレずれ量が少ない。また、把持装置でシート束の一端を把持し、この把持装置を移動させることで収納トレイに搬送する搬送方式が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−132635号公報
【特許文献2】特開平2−89772号公報
【特許文献3】特開2011−79669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、このような従来のシート処理装置において、シート束を綴じる際、シート束の一端を把持した把持装置をシート搬送方向上流側に移動させた後、シート搬送方向と直交する幅方向に移動させて、シート束を綴じ処理位置に移動させるようにしたものがある。しかし、このように把持装置をシート搬送方向上流側に移動させる際、綴じ処理を行うシートのサイズ、厚さ(坪量)、枚数等の条件により、把持装置に偏った負荷がかかる場合がある。この場合、綴じ処理位置に移動した際、シート束の一端が傾斜する。また、設置環境や把持装置の消耗等によっても、シート束の一端が傾斜する場合がある。
【0008】
そして、この状態で綴じ処理を行うと、最初の綴じ位置と、次に綴じ位置において、シート束の一端に対してシート搬送方向のズレが生じるため、排出されたシート束の見栄えが悪くなるだけでなく、ユーザの使い勝手が低下してしまう。
【0009】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、シート束の一端に対する綴じ位置のズレを防ぐことのできるシート処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、シート積載部に積載されたシート束の一端を整合する整合部と、シート搬送方向と直交する幅方向に移動して前記整合部により整合されたシート束の一端部の幅方向の複数個所を綴じる綴じ部と、前記整合部により整合されたシート束を前記綴じ部による綴じ処理が可能な位置に搬送するシート束搬送部と、前記シート束搬送部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、シート束の一端に対する前記綴じ部による最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なる場合には、次の綴じ動作の前に、シート束の一端に対する次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送するよう前記シート束搬送部を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のように、シート束の一端に対する綴じ部による最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なる場合には、次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送することにより、シート束の一端に対する綴じ位置のズレを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート処置装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図。
【図2】上記シート処理装置の構成を説明する断面図。
【図3】上記シート処理装置の平面図。
【図4】上記シート処理装置のグリッパ・ステープル部に設けられたグリッパユニットの外観を示す側面図。
【図5】上記グリッパユニットの構成を説明する第1の図。
【図6】上記グリッパユニットの構成を説明する第2の図。
【図7】上記グリッパユニットをシート排出方向に移動させる構成を説明する図。
【図8】上記シート処理装置のグリッパ・ステープル部に設けられたステープラユニットを移動させるための構成を説明する図。
【図9】上記ステープラユニットが傾斜したときの状態を示す図。
【図10】上記グリッパユニットとステープラユニットとを連結させるユニット連結機構を説明する図。
【図11】上記ユニット連結機構及びグリッパユニットと第4のガイドレールとを連結する連結機構を説明する図。
【図12】上記シート処理装置の制御ブロック図。
【図13】上記シート処理装置のステープル動作の主な流れを示すメイン動作フローチャート。
【図14】上記シート処理装置のステープル前処理を示す動作フローチャート。
【図15】上記シート処理装置のシート整合処理を示す動作フローチャート。
【図16】上記シート処理装置のグリップ搬送処理を示す動作フローチャート。
【図17】上記シート処理装置のステープル処理を示す動作フローチャート。
【図18】上記シート処理装置のユニット連結処理を示す動作フローチャート。
【図19】上記シート処理装置のユニット連結解除処理を示す動作フローチャート。
【図20】上記シート処理装置のグリップ排紙処理を示す動作フローチャート。
【図21】上記シート処理装置の最終処理を示す動作フローチャート。
【図22】上記シート処理装置のシート束収納動作を説明する図。
【図23】上記シート処理装置のステープル位置調整の調整処理を示す動作フローチャート。
【図24】上記シート処理装置のステープル位置調整処理を示す動作フローチャート。
【図25】上記シート処理装置のステープル位置調整処理を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るシート処置装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図であり、図1において、Aは給紙装置、Bは画像形成部を備えた画像形成装置本体、Cはシート処理装置、Dは原稿読取装置、Fは原稿搬送装置である。Gは給紙装置A、画像形成装置本体B、原稿読取装置D及び原稿搬送装置Fを制御する制御部である。
【0014】
ここで、原稿搬送装置Fは、原稿トレイF1にセットされた原稿を1枚ずつ原稿読取装置Dの上面に設けられた不図示のプラテン上に搬送し、排紙トレイF2上に搬出するものである。画像読取装置Dは、原稿搬送装置Fによってプラテン上を通過する原稿を、不図示のランプ、複数のミラー、レンズ、イメージセンサから構成されている読取手段によって読み取るものである。画像形成装置本体Bは、画像読取装置Dにより読み取られた画像信号に応じてレーザ光を出力する不図示の露光部と、レーザ光が照射されて表面に静電潜像が形成される感光体ドラムを備えている。
【0015】
また、画像形成装置本体Bは、感光体ドラム上の静電潜像を現像してトナー像を形成する現像器と、感光体ドラム上に形成されたトナー像をシートに転写する転写部と、シートに転写されたトナー像を定着処理する定着部とを備えている。そして、これら露光部、感光体ドラム、現像器、及び定着部がシートに画像を形成する画像形成部を構成している。
【0016】
給紙装置Aは、不図示の複数のカセットを備え、何れかのカセットに収納されたシートを転写部へ搬送するものである。シート処理装置Cは画像形成装置本体Bと原稿読取装置Dとの間に配置され、水平方向の一端側に綴じ装置を有する処理部9を設け、他端側に処理されたシートを収納する収納部10を設けている。なお、この収納部10は、画像形成装置本体Bと原稿読取装置Dの間の空間に位置している。すなわち、本実施の形態の画像形成装置は、処理されたシートを画像形成装置本体Bと原稿読取装置Dの間の空間に排出収納する、いわゆる胴内搬出機能を有している。
【0017】
そして、このような構成の画像形成装置において、原稿読取装置Dによって原稿画像を読み取り、読み取った画像をシートに対し画像形成する際は、まず原稿搬送装置Fによって原稿を、プラテン上を通過させる。そして、この際、画像読取装置Dはランプから光を照射すると共に、照射された光を原稿面で反射させ、複数のミラー、レンズを介してイメージセンサに導くことにより画像を読み取る。この後、イメージセンサにより読み取られた原稿の画像データは、所定の画像処理が施されて画像形成装置本体Bの露光部へ転送される。
【0018】
次に、画像形成装置本体Bでは、露光部が画像信号に応じたレーザ光を出力し、このレーザ光は、ポリゴンミラーにより走査されながら感光体ドラム上に照射され、この結果、感光体ドラム上には走査されたレーザ光に応じた静電潜像が形成される。この後、感光体ドラム上に形成された静電潜像は、現像器により現像され、トナー像として可視化される。
【0019】
一方、画像が形成されるシートは、複数のカセットを備える給紙装置Aの何れかのカセットから転写部へ搬送され、シートは転写部において、感光体ドラム上の可視化されたトナー像が転写される。トナー像が転写されたシートは、この後、定着部にて定着処理が施されてトナー像が定着される。次に、定着部を通過したシートはシート処理装置Cに搬送され、この後、処理部9によって綴じや折り等の処理が施されて収納部10に排出される。
【0020】
図2は、シート処理装置Cの構成を説明する断面図である。図2に示すように、シート処理装置Cは、収納部10と、画像形成装置本体Bからのシートを受けて搬送する搬送部11と、搬送部11により搬送されたシートを処理する処理トレイ14と、処理トレイ14上のシートを整合する整合部12を備えている。また、シート処理装置Cは、所定排出方向に搬送されて処理トレイ上に積載された後、整合部12により整合されたシートにステープル処理(綴じ処理)を施すステープル・グリッパ部13を備えている。
【0021】
搬送部11は、シートを案内する一対のガイド板20a,20bで構成されると共に、画像形成装置本体Bの排紙口と連なる搬送経路20と、搬送経路20に沿ってシートを搬送する搬送ローラ対21が設けられている。そして、この搬送経路20の搬出口20cには排出ローラ22が設けられており、この排出ローラ22は搬送経路20の下側に配置されている処理トレイ14に順次シートを搬出する。なお、本実施の形態においては、排出ローラ22によってシートが搬出されると、シートは処理トレイ14と、収納部10に設けられた第1及び第2スタックトレイ50,51の載置面との間に掛け渡された状態で載置され、所定の処理が施される。
【0022】
このシート積載部である第1及び第2のスタックトレイ50,51は、それぞれシート載置面50a,51aを有し、処理トレイ14に装備したフレーム14aに上下方向に昇降自在に支持されている。なお、第1のスタックトレイ50のシート載置面50aの下方には、サドルユニット53が設けられている。そして、処理トレイ14に集積されたシート束は、選択的に、サドルユニット53により折り合わされた後、第1のスタックトレイ50のシート載置面50aに収納される。
【0023】
このように、第1のスタックトレイ50には、サドルユニット53からの折りシート束と、ステープラユニット41で端綴じ又は2箇所綴じが施されたシート束が収納される。また第2のスタックトレイ51のシート載置面51aには、主にステープラユニット41で端綴じ又は2箇所綴じが施されたシート束が収納される。もちろん、第1及び第2のスタックトレイ50,51は、綴じや折りを施さないシート束も収納可能である。
【0024】
整合部12は、処理トレイ14上に搬出されたシートの一端を整合するストッパ部材31と、処理トレイ上に搬出されたシートの上面に接触し、シートを排出ローラ22のシート排出方向と交差(直交)する幅方向に搬送するシフトローラ30とを備えている。また、整合部12は、シフトローラ30により幅方向に搬送されるシートの幅方向の端部が当接する図3に示す整合部材32(32a,32b)を備えている。
【0025】
なお、図2に示すように、ストッパ部材31は支軸31aを支点に回動自在に構成されており、シートの後端(シート排出方向上流側端)と当接してシートの後端位置を規制する処理トレイ14に対して垂直な整合位置と、略水平な退避位置に回動する。また、シフトローラ30は、正逆転可能な不図示の給送モータにより回転すると共に、断面を多角形に形成された支軸33aを支点に上下方向に回動自在に設けられたアーム部材33の一端側に回転自在に支持されている。そして、アーム部材33の回動動作によって処理トレイ上のシートの上面に接触する接触位置と、シート上面から退避した退避位置に移動する。さらに、アーム部材33は、支軸33aに沿って幅方向に移動自在に構成されており、このアーム部材33の移動によってシフトローラ30がスライド移動する。
【0026】
このような構成の整合部12において、処理トレイ14上にシートが搬出されると、先ずアーム部材33が下方回動する。これに伴ってシフトローラ30が退避位置から接触位置に移動して回転し、シートをシート排出方向と反対方向、すなわちストッパ部材31側の方向に搬送する。そして、このようなシフトローラ30の回転により、シートは整合位置にあるストッパ部材31に突き当たり、その送り方向端部、すなわち後端がストッパ部材31により整合される。
【0027】
なお、このようにシートの後端が整合されるとシフトローラ30は停止し、この後、アーム部材33が不図示のシフトモータにより幅方向に移動することで、シフトローラ30が、シート上面に接触した状態で整合部材32側にスライド移動する。ここで、シフトローラ30はウレタンゴム等の高摩擦部材で形成されており、このようにシフトローラ30がスライド移動すると、これに追従してシートも整合部材32側にスライドする。そして、この後、アーム部材33(シフトローラ30)はシートの幅方向の一端が整合部材32に当接するまでスライド移動して停止する。これによりシートの幅方向端部が整合される。
【0028】
なお、本実施の形態のシート処理装置Cは、綴じモードとして、シートの幅方向の一端側を綴じる第1の端綴じモード、一端側と反対の他端側を綴じる第2の端綴じモード、シートの一端の2箇所を綴じる2箇所綴じモードを有している。そして、シフトローラ30は第1の端綴じモードと、2箇所綴じモードのとき、図3に示す奥側に設けられた整合部材32aにシートを突き当ててシートの幅方向を整合する。ここで奥側とは、図1に示す状態をシート処理装置Cの正面としたとき、正面から見て、シート処理装置Cに搬送されるシートの幅方向中心(幅方向とはシート排出方向と交差する方向と同じ)よりも奥の領域を指す。なお、画像形成装置本体Bは、シート処理装置Cに対して、シートを中央基準で搬送する。一方、シフトローラ30は、第2の端綴じモードのときには、手前側に設けられた整合部材32bにシートを突き当ててシートの幅方向を整合する。
【0029】
次に、このようなシートの後端及び幅方向の一端に対する整合動作が終了すると、アーム部材33が上方に回動し、シフトローラ30はシートの上面から離れた退避位置に移動する。この後、アーム部材33及びシフトローラ30は支軸33aに沿って処理トレイ14の幅方向略中央の初期位置(ホームポジション)に移動し、次のシートが処理トレイ14上に搬出されると、同様な整合動作を実行する。
【0030】
ステープル・グリッパ部13は、図2に示すように処理トレイ上で整合されたシート束をグリップして移動させるグリッパユニット40と、グリッパユニット40によりステープル処理位置まで移動されたシート束を綴じるステープラユニット41とを備えている。ここで、綴じられるシートの一端側を把持(保持)して移動するシート束搬送部であるグリッパユニット40は図3の矢印c及びd方向(シート排出方向及びシート排出方向と反対方向)に移動自在に構成されている。そして、グリッパユニット40は、シート束を排紙する際にはP3で示す排紙位置に、シート束の後端部をグリップする際には、後述する第4のガイドレール43dと一体にP1で示すグリップ位置に移動する。また、シート束にステープルを施す際には、第4のガイドレール43dと一体にGHPで示す、ステープラユニット41によるシート束に対するステープル処理が可能な綴じ処理可能位置であるステープル処理位置に移動する。
【0031】
さらに、グリッパユニット40は、シート束を2箇所綴じする際には、後述するステープラユニット41と連結するための連結位置であるユニット連結位置P2に移動する。なお、本実施の形態では、グリッパユニット40によるステープル処理位置GHPとグリッパユニット40のホームポジションとが同一位置となるように構成している。また、グリッパユニット40が移動する排紙位置P3と、グリッパユニット40が移動することでレール同士を連結させる後述するレール連結位置とが同一位置となるように構成している。なお、以降、便宜上、目的、機能動作に沿ってステープル処理位置とホームポジション、排紙位置P3とレール連結位置とを使用する。なお、図3におけるグリッパユニット40の位置はGHPを示している。
【0032】
綴じ部を構成するステープラユニット41は図3の矢印a、b方向(幅方向)に移動自在に構成されており、ホームポジションと、各綴じモードやシートサイズに応じて決定されるステープル位置に移動する。また、図3のSHPは、ステープラユニット41のステープル部分(センターライン)を示している。
【0033】
図4はグリッパユニット40の外観を示す側面図である。グリッパユニット40は、図5に示すように処理トレイ14上で整合されたシート束をグリップする一対のグリップアーム対44を備えた第1のグリッパユニット40aを有している。また、グリッパユニット40に備えられた第2のグリッパユニット40bは、第1のグリッパユニット40aをシート排出方向に平行にスライド可能に支持すると共に、グリップアーム対44によってシート束をグリップさせる駆動機構を有している。
【0034】
第1のグリッパユニット40aは、シート束の下面を支持する固定グリップアーム44aと、固定グリップアーム44aの上方に対向して設けられてシート束の上面を押圧する可動グリップアーム44bとで構成されたグリップアーム対44を備えている。固定グリップアーム44aは、図6に示すように平板状の第1のベース部材140に取り付けられており、この固定グリップアーム44aに可動グリップアーム44bが回動軸143を支点として上下方向に回動自在に取り付けられている。
【0035】
なお、回動軸143には付勢手段としてのコイルバネ144が設けられ、このコイルバネ144の両端は、固定グリップアーム44aと可動グリップアーム44bにそれぞれ架けられている。そして、このコイルバネ144の作用によって可動グリップアーム44bのグリップ部44dが固定グリップアーム44aのグリップ部44cに圧接するように付勢されてグリップアーム対44は閉じ状態となり、シートを把持するためのグリップ力が付与される。
【0036】
第2のグリッパユニット40bは、可動グリップアーム44bを固定グリップアーム44aから離れる方向に付勢する図6に示す駆動レバー142と、駆動レバー142を駆動する図4、図5に示すグリップモータGM1を備えている。なお、グリップモータGM1からの駆動は、図6に示す複数のギヤGZ1〜GZ8を介して駆動レバー142に伝達される。つまり、グリップアーム対44によってシート束をグリップさせる駆動機構は、駆動レバー142と、グリップモータGM1と、複数のギヤGZ1〜GZ8とにより構成される。また、駆動レバー142の位置は、駆動レバー142に一体に設けられた検出フラグ142bの位置をレバー検出センサGS1が検知することにより検出される。なお、本実施の形態において、グリップアーム対44が図6の(a)に示すように閉じ状態のとき、レバー検出センサGS1はONとなり、グリップアーム対44が図6の(b)に示すように開いた状態のとき、レバー検出センサGS1はOFFとなる。
【0037】
次に、シート束をグリップさせる駆動機構の動作について説明する。通常、グリップアーム対44は、コイルバネ114の作用により、図6の(a)に示すように閉じた状態となっている。グリップアーム対44を開いた状態にする場合は、グリップモータGM1を正回転(図4中反時計回り方向に回転)駆動する。そして、このグリップモータGM1の駆動は、複数のギヤGZ1〜GZ7を介して駆動レバー142に一体に形成された最終ギヤGZ8に伝達され、これにより駆動レバー142が軸142aを支点として可動グリップアーム44b側に回動する。この後、駆動レバー142の先端側が、回動軸143に対して可動グリップアーム44bのグリップ部44dと反対側に形成された当接部44eに当接し、当接部44eを下方に移動させる。
【0038】
この結果、可動グリップアーム44bのグリップ部44dが回動軸143を支点として上方に回動し、図6の(b)に示すように可動グリップアーム44bのグリップ部44dが固定グリップアーム44aのグリップ部44cから離間する。これにより、グリップアーム対44は閉じ状態から開いた状態となる。なお、この後、駆動レバー142に一体に設けられた検出フラグ142bをレバー検出センサGS1が検出しなくなった時点から所定時間が経過すると、グリップモータGM1を停止する。これにより、グリップアーム対44は、開いた状態で保持される。
【0039】
グリップアーム対44を閉じた状態にする場合は、グリップモータGM1を逆回転(時計回り方向に回転)駆動する。そして、このグリップモータGM1の逆回転駆動により、駆動レバー142の先端部が、軸142aを支点として可動グリップアーム44bの当接部44eから離れる方向に回動する。これに伴いコイルバネ144の作用により、可動グリップアーム44bの当接部44eが回動軸143を支点として反時計方向に回動し、駆動レバー142の先端部が可動グリップアーム44bの当接部44eから離間する。これにより、グリップアーム対44は図6の(a)に示すように閉じ状態となり、コイルバネ144の付勢力によってシートを把持するためのグリップ力が可動グリップアーム44bに付与される状態となる。なお、グリップモータGM1は、検出フラグ142bがレバー検出センサGS1により検出された時点で停止する。
【0040】
ここで、本実施の形態においては、図3に示すように、グリップアーム対44、グリップ力を付与するコイルバネ144及びグリップ力を解除する駆動レバー142を幅方向に、3つ(複数)設けている。そして、この3つのグリップアーム対44を、1つのグリップモータGM1で駆動するように構成している。なお、図3に示すように、3つのグリップアーム対44は所定の間隔で、図6に示すベース部材140に取り付けられ、3つの駆動レバー142は第2のベース部材141の側部に掛け渡されるように取り付けられた軸142aにそれぞれ取り付けられている。これにより、グリッパユニット40は、3つの駆動レバー142を同時に回転させることができると共に、シートの一端部の3箇所をグリップして搬送することができる。
【0041】
第1のグリッパユニット40aは、既述したように第2のグリッパユニット40bにより、シート排出方向に平行にスライド可能に支持されている。次に、第1のグリッパユニット40aの移動機構について説明する。図5に示すグリップアーム対44が取り付けられる第1のベース部材140は、幅方向の端部が下方に折り曲げている。そして、この第1のベース部材140の折り曲げ部140aの角部には第1のグリッパユニット40aを移動させるための移動ラックGR1が取り付けられている。また、第1のベース部材140の折り曲げ部140aにはスライド孔としての長孔140bが形成されている。
【0042】
この長孔140bには、移動ラックGR1に歯合するピニオンギヤGZ10の回転軸GZ10aが貫通されており、この回転軸GZ10aは第2のグリッパユニット40bの側板141aに回転支持されている。これにより、グリップモータGM1により、第2のグリッパユニット40bに設けられたピニオンギヤGZ10を回転させると、移動ラックGR1を介して第1のグリッパユニット40aが移動する。つまり、ピニオンギヤGZ10を回転させることにより、第1のグリッパユニット40aは、図5の(a)に示す初期位置と、図5の(b)に示すシートを排出する排出位置との間を移動する。
【0043】
なお、移動ラックGR1はシート排出方向下流側に向かって、下降するように構成されている。このように構成することにより、第1のグリッパユニット40aが上記初期位置に位置する場合、グリップアーム対44の上部を処理トレイ14上面より突出するように位置させることができる。また、第1のグリッパユニット40aが上記排出位置に位置する場合、グリップアーム対44の上部が処理トレイ14上面より下になるように位置させることができる。
【0044】
このように第1のグリッパユニット40aを移動するための駆動機構は、グリップモータGM1と、複数のグリッパギヤGZ1〜GZ5と、第5のグリッパギヤGZ5の回転軸上に設けられたグリッパギヤGZ9と、ピニオンギヤGZ10によって構成される。つまり、本実施の形態においては、既述したようにグリップアーム対40を開閉させる駆動源として、また第1のグリッパユニット40aを移動させる駆動源として、グリップモータGM1を用いている。
【0045】
なお、グリップモータGM1を共通の駆動源として使用するため、図6に示すグリップアーム対44を開閉させるための第7のグリッパギヤGZ7は、グリップモータGM1の駆動を伝達する領域と、伝達しない領域を形成した歯欠けギヤを採用している。また、第1のグリッパユニット40aを移動させるための第9のグリッパギヤGZ9としても、同様の歯欠けギヤを採用している。
【0046】
ここで、歯欠けギヤを用いた第7のグリッパギヤGZ7がその外周の一部の歯部を使ってグリップアーム対44を開閉するとき、第9のグリッパギヤGZ9の歯欠け部は後段のギヤに対向するように位置にあり、後段のギヤに駆動を伝達しない。一方、歯欠けギヤを用いた第9のグリッパギヤGZ9がその外周の一部の歯部を使って第1のグリッパユニット40aを移動させているとき、第7のグリッパギヤGZ7の歯欠け部が後段のギヤに対向する位置にあり、後段のギヤに駆動を伝達しない。このように歯欠けギヤを用いて駆動機構を構成することによって、グリップアーム対44の開閉動作と第1のグリッパユニット40aの移動を切り換えることが容易にできる。
【0047】
次に、グリッパユニット40をシート排出方向に移動させる構成について説明する。図4に示すように、グリッパユニット40は第2のベース部材141を備えており、この第2のベース部材141の下面には、幅方向に2つの摺動ピン145が設けられている。この摺動ピン145は、グリッパユニット40を幅方向に移動させるための第4のガイドレール43dの溝部に係合している。そして、この摺動ピン145を第4のガイドレール43dの溝部に対して係合してなる連結機構により、グリッパユニット40は第4のガイドレール43dに連結されている。なお、第4のガイドレール43dと上述の連結機構の詳細については後述する。
【0048】
第4のガイドレール43dの底面の所定の箇所には、グリッパユニット40及びステープラユニット41を支持する図7に示す基台42に形成されたシート排出方向に延びた長溝42aと係合する係合部90が下方に突設されている。長溝42aは、所定の間隔をあけて互いに平行となるように2本形成されている。また、係合部90は、グリッパユニット40に連結された第4のガイドレール43dの底面の所定箇所に、シート排出方向に延びるように互いに平行に2本設けられている(図7)。
【0049】
なお、この2本の長溝42aは、ステープラユニット41の移動を妨げない低い形状を有してグリッパユニット40を案内する溝状ガイドレールを構成している。そして、溝状ガイドレールとしての長溝42aは、グリッパユニット40を案内する第1の案内部を構成している。さらに、この係合部90の下面には、基台42の下面側に配置された板状部材151と連結するためのボス152が設けられており、このボス152と板状部材151の嵌合孔151aとが嵌合して第4のガイドレール43dは板状部材151と一体化されている。
【0050】
ここで、この板状部材151は、グリッパユニット40を移動させるための長溝42aに沿って設けられた無端ベルトGBに連結されている。これにより、無端ベルトGBを駆動すると、グリッパユニット40は、板状部材151、グリッパユニット40を支持する支持部材である第4のガイドレール43dと一体に長溝42aに沿って移動する。そして、このように第4のガイドレール43dを移動させることにより、グリッパユニット40を第2のスタックトレイ51にシートを排出する排出位置と、ステープラユニット41と連結する連結位置とに位置させることができる。
【0051】
なお、上記無端ベルトGBは、図7に示すグリッパモータGM2と、無端ベルトGBを懸架する一対のプーリGP1,GP2と、グリッパモータGM2の駆動を無端ベルトGBに伝達する複数のギヤGZ11〜GZ13により駆動される。つまり、本実施の形態では、シートのステープル処理が施される一端と交差するシート排出方向にグリッパユニット40を移動させるための第2の移動機構(駆動機構)は、以下の構成からなる。即ち、この第2の移動機構は、グリッパモータGM2と、無端ベルトGBと、一対のプーリGP1,GP2と、複数のギヤGZ11〜GZ13から構成される。
【0052】
次に、綴じ装置であるステープラユニット41について説明する。ステープラユニット41は、ステープルヘッドとアンビルブロックが組込まれ、針状のステープルをコ字状に折り曲げてシート束に圧入し、その先端をアンビルブロックで折り曲げてシート束を綴じる。本実施の形態では、基端を互いに軸承した上下レバー部材の一方にヘッドブロックを他方にアンビルブロックを取付け、この上下レバー部材を駆動カム部材によって離間位置から圧接位置に往復動させる構成の一般的なステープラユニットを採用している。また、本実施の形態において、ステープラユニット41は、設定されたモードに応じて、シートの幅方向の一端側を綴じる位置、一端側と反対の他端側を綴じる位置、シートの一端部の2箇所(複数個所)を綴じる位置に移動可能になっている。
【0053】
図8はステープラユニット41を移動させるための構成を説明する図である。ステープラユニット41は、ベース部材120上に取り付けられており、このベース部材120にはステープラユニット41の移動を補助するための3つのコロ121が設けられている。また、このベース部材120には、後述するガイドレール部Rに係合してガイドレール部Rに沿ってステープラユニット41を移動させるための3つのボス122a〜122cが設けられている。
【0054】
さらに、ベース部材120には、3つのボス122a〜122cよりもシート排出方向上流側に一列で配置され、グリッパユニット40とステープラユニット41を連結して移動させる際に用いる2つのボス122d,122eが設けられている。さらに、ベース部材120の下面側には、ステープラユニット41を移動させるための無端ベルトSB2に連結する連結部材123が設けられている。
【0055】
この連結部材123にはステープラユニット41の移動を補助するための2つのコロ124と長孔123aが設けられている。そして、この連結部材123の長孔123aにベース部材120の下面に設けられたボス125が貫通されている。なお、この長孔123aはシート排出方向と平行な方向に延びた長孔であり、ボス125は長孔123aに沿ってシート排出方向と平行な方向に移動可能に構成されている。
【0056】
ステープラユニット41を移動させるための移動機構である駆動機構は、ステープルモータSMと、ステープルモータSMの駆動軸に取り付けられたギヤSG1と、ギヤSG1と歯合するギヤSG2とを備えている。さらに、ギヤSG2の回転軸に取り付けられたプーリSP1と、プーリSP1と対をなしてタイミングベルトSB1が張架されるプーリSP2とを備えている。また、プーリSP2の回転軸上に設けられて無端ベルトSB2を張架するプーリSP3と、プーリSP3と対をなして無端ベルトSB2を張架するプーリSP4とを備えている。なお、ステープルモータSM、タイミングベルトSB1、無端ベルトSB2、ベース部材120、ギヤSG1,SG2、プーリSP1〜SP4により、シートのステープル処理が施される一端に沿ってステープラユニット41を移動させる第1の移動機構が構成される。
【0057】
なお、グリッパユニット40が移動する基台42上には、ステープラユニット41を幅方向に移動させるためのガイドレール部Rが設けられている。このガイドレール部Rは最大シートの幅よりも長く形成されており、ステープラユニット41をガイドレール部Rに沿って移動させることにより、シートの一端側の所定の位置にステープル処理を施すことが可能となる。
【0058】
このように構成された駆動機構において、ステープルモータSMの駆動がタイミングベルトSB1を介して無端ベルトSB2に伝達されて無端ベルトSB2が回転し、この無端ベルトSB2の回転によって連結部材123が移動する。そして、このように連結部材123が移動すると、ボス125を介してベース部材120及びベース部材120に取り付けられたステープラユニット41がガイドレール部Rに沿って移動する。
【0059】
本実施の形態では、既述したように、シートの両端の何れか一方をその対応する綴じ位置(第1、第2の綴じ位置)で綴じる端綴じ処理と、シートの一端の幅方向に対して、その略中央部の2箇所にステープル処理を施す2箇所綴じ処理が可能に構成されている。そして、ガイドレール部Rの構成を端綴じ処理の場合と2箇所綴じ処理の場合とで異なる構成としている。
【0060】
具体的に説明すると、端綴じ処理の場合のガイドレール部Rは、幅方向に第1〜第3のガイドレール43a〜43cの3つに分割されている。これら3つのガイドレール43a〜43cのうちの中央に位置する第1のガイドレール43aは、図4に示すようにグリッパユニット40の底部の後部(シート排出方向上流側)に固定されている。また、第1のガイドレール43aに対して両側に位置する第2及び第3のガイドレール43b,43cは、それぞれ基台42上に固定されている。
【0061】
ここで、第1のガイドレール43aは、グリッパユニット40がステープラユニット41の移動を邪魔しない所定の退避位置に位置するとき、第2及び第3のガイドレール43b,43cと一列(一直線状)となるように設けられている。また、既述したように、ステープラユニット41を支持するベース部材120の前側底部(シート排出方向上流側の底部)には、ガイドレール部Rに沿ってステープラユニット41を移動させるためのボス(突起部)122a〜122cが取り付けられている。そして、このように第1〜第3のガイドレール43a〜43cが一列となると、ステープラユニット41に一列で配置された3つのボス122a〜122cが第1〜第3のガイドレール43a〜43cに係合し、ステープラユニット41が幅方向に移動する。
【0062】
この構成によれば、シートの端部を綴じるためにステープラユニット41がグリッパユニット40を挟んで反対側に移動するとき、グリッパユニット40はステープラユニット41の移動を邪魔しない退避位置に移動している。このため、ステープラユニット41の幅方向への移動を妨げることがなくなる。したがって、シートが処理トレイ14に搬送される前に、ステープラユニット41をステープル処理されるシート角部側に予め移動させることが可能となる。また、グリッパユニット40はシートの幅方向の略中央部を把持するように配置されているので、ステープラユニット41を予めシートの角部側に移動させておくことによって、ステープラユニット41がグリッパユニット40の移動の妨げとなることもない。
【0063】
ここで、第1のガイドレール43aに対して両側に位置する第2及び第3のガイドレール43b,43cは、それぞれ第1のガイドレール43aの側方に位置する揺動軸110,111によって揺動可能に基台42上に取り付けられている。これにより、ステープラユニット41により端綴じ処理を施す場合、ステープラユニット41を第2及び第3のガイドレール43b,43cと一体的に略45°傾けることができ、シートの端部(角部)にステープル処理を施すことができる。なお、揺動軸110,111は、ベース部材120の下面に設けられたボス125に対し、シート排出方向下流側に配置されている。
【0064】
次に、このようにステープラユニット41を略45°傾ける構成について説明する。なお、第2のガイドレール43b側の端部を綴じるための構成と第3のガイドレール43c側の端部を綴じるための構成はその左右が対象の同一な構成であるため、便宜上ここでは第2のガイドレール43b側の構成についてのみ説明する。
【0065】
図8に示すように、第2のガイドレール43bの揺動軸110の内側の箇所と基台42との間には引っ張りバネ114が設けられており、この引っ張りバネ114の作用により第2のガイドレール43bは図中時計回り方向に常時付勢されている。ここでいう内側、とは、比較対象物とシート処理装置Cに搬送されるシートの幅方向中心(幅方向とはシート排出方向と交差する方向と同じ)との間の領域を示す。そして、基台42の揺動軸110よりも内側には引っ張りバネ114によって常時付勢されている第2のガイドレール43bを規制する規制部材112が設けられている。この規制部材112によって第2のガイドレール43bは、シート排出方向と交差する第1の位置に保持され、グリッパユニット40に取り付けられた第1のガイドレール43aと連続したガイドレール部Rを形成する。なお、第3のガイドレール43c側では、引っ張りバネ115及び規制部材113が上記と同様に機能する。
【0066】
ここで、無端ベルトSB2を駆動し、第2のガイドレール43bに沿ってステープラユニット41を外側に向かって移動させると、第2のガイドレール43bに係合したベース部材120のボス122cが第2のガイドレール43bの端部に突き当たる。ここでいう外側に移動する、とは、シート処理装置Cに搬送されるシートの幅方向中心(幅方向とはシート排出方向と交差する方向と同じ)から離れる方向に移動する、ということである。これにより、ステープラユニット41の幅方向の移動が規制される。この状態でさらに無端ベルトSB2を駆動すると、無端ベルトSB2に固着された連結部材123が無端ベルトSB2の駆動に伴って移動し、これに伴いベース部材120のボス125が外側に向けて引っ張られる。
【0067】
このとき、ベース部材120は第2のガイドレール43bの端部によって幅方向の移動が規制されている。上述したように、揺動軸110は、ボス125に対し、シート排出方向下流側に配置されている。このため、ボス125が引っ張られると、図9に示すように、係合片であるボス125を連結部材123の長孔123aに沿ってシート排出方向に移動させながら、ベース部材120とステープラユニット41が揺動軸110を支点にして一体で回転する。さらに、この際、ベース部材120とステープラユニット41は、第2のガイドレール43bを引っ張りバネ114に抗して揺動軸110を支点として反時計方向に回転させる。これにより、第2のガイドレール43bは、ステープラユニット41と一体的にシートの一端に対して傾斜した第2の位置に移動し、これに伴いステープラユニット41は傾斜し、シートの一端の角部に対して斜め綴じを行うことができる。
【0068】
このように、本実施の形態においては、連結部材123と、ベース部材120に設けられたボス125とにより、ステープラユニット41を、シートの一端の端部に対して傾斜した位置に移動させる傾斜機構123Aが構成される。そして、この傾斜機構123Aにより、第2のガイドレール43bの端部に突き当たった後、ステープラユニット41を第2のガイドレール43bと一体的に第2の位置に移動させることができる。
【0069】
一方、グリッパユニット40は基台42の幅方向の中央部に位置しているため、2箇所綴じを施す場合、ステープラユニット41はグリッパユニット40に対し幅方向において重なるようになる。このため、グリッパユニット40が邪魔になり、ステープラユニット41は、そのままでは2箇所綴じを行うことができない。そこで、本実施の形態においては、2箇所綴じを施す場合、グリッパユニット40を、ステープラユニット41による2箇所綴じの妨げにならない位置に移動させるようにしている。具体的には、ステープラユニット41が2箇所綴じを施す位置に移動する際、ステープラユニット41と一体的にグリッパユニット40を幅方向に移動させるようにしている。
【0070】
ここで、このようにステープラユニット41と一体的にグリッパユニット40を幅方向に移動させるため、2箇所綴じを施す際は、まずグリッパユニット40を既述した図3に示すユニット連結位置P2に移動させる。なお、このようにグリッパユニット40が移動したとき、図4に示すグリッパユニット40の底面に取り付けられている第4のガイドレール43dが、図7に示す、第2及び第3のガイドレール43b,43cよりもシート排出方向上流側に移動する。なお、この位置は、3つのボス122a〜122cよりもシート排出方向上流側に一列で配置された2つのボス122d,122eに対応する位置である。
【0071】
これにより、ステープラユニット41とグリッパユニット40を連結した場合、ステープラユニット41は2つのボス122d,122eを第4のガイドレール43dに係合させながらグリッパユニット40と共に幅方向に移動することが可能になる。つまり、グリッパユニット40をユニット連結位置P2に移動させると、第2〜第4のガイドレール43b〜43dにより、案内部であるガイドレール部Rが形成される。そして、グリッパユニット40と連結したステープラユニット41が移動すると、ステープラユニット41と連結したグリッパユニット40は、第4のガイドレール43dに支持されながらステープラユニット41の移動方向と同一方向へ移動する。
【0072】
なお、このように構成した場合、2箇所綴じを施す際、ステープラユニット41が第2のガイドレール側から第3のガイドレール側に移動する場合、まずステープラユニット41は第2のガイドレール43bにボス122a〜122cが係合して移動する。次に、ステープラユニット41のボス122aが第2のガイドレール43bから外れると、ステープラユニット41のボス122dが、グリッパユニット40の移動に伴い、図7に示す位置に移動した第4のガイドレール43dと係合する。
【0073】
この結果、ステープラユニット41はその移動に伴って第2のガイドレール43bから第4のガイドレール43dに引き継がれて保持される。また、ステープラユニット41のボス122dが第4のガイドレール43bから外れると、ステープラユニット41のボス122aが今度は第3のガイドレール43cと係合する。なお、ステープラユニット41と連結して移動する際に、グリッパユニット40は第4のガイドレール43dから外れるが、グリッパユニット40はステープラユニット41に対して幅方向及びシート排出方向に移動することが無いように固定連結されている。これにより、グリッパユニット40は支障なくステープラユニット41の移動に追従して移動する。
【0074】
図10及び図11は、このようなグリッパユニット40とステープラユニット41とを連結させる連結部を構成するユニット連結機構を説明する図である。図10及び図11に示すように、ユニット連結機構は、ステープラユニット41とグリッパユニット40とをシート排出方向において連結する第1の連結機構である第1のユニット連結機構60aを備えている。また、ステープラユニット41とグリッパユニット40とを幅方向において連結する第2の連結機構である第2のユニット連結機構60bを備えている。
【0075】
第1のユニット連結機構60aは、図8にも示すステープラユニット41のベース部材120に取り付けられた係合部材129と、グリッパユニット40の第2のベース部材141の側部に軸支された連結アーム部材132とを備えている。また、第1のユニット連結機構60aは、グリップアーム対40を開閉させるための駆動レバー142の軸142aに設けられた作動部材131を備えている。そして、連結アーム部材132はその一端に係合部材129の溝部129aに係合する係合ピン132aが形成され、また他端には作動部材131のスリット131aに嵌合される作動ピン132bが形成されている。
【0076】
ここで、グリッパユニット40がユニット連結位置P2に移動する際、グリッパユニット40は、図10の(a)に示すように連結アーム部材132の係合ピン132aが上方の退避位置にある状態で矢印方向に移動する。なお、このときステープラユニット41は、グリッパユニット40との連結が可能な位置に移動、待機している。そして、グリッパユニット40が、第4のガイドレール43dが第2及び第3のガイドレール43b,43cよりもシート排出方向上流側となる連結位置に到着すると、グリッパモータGM2を駆動し、作動部材131を時計回り方向に回動させる。
【0077】
これにより、作動部材131のスリット131aに嵌合される作動ピン132bが上方に持ち上げられ、連結アーム部材132はその軸を支点として反時計回り方向に回転する。これに伴って連結アーム部材132の係合ピン132aが、図10の(b)に示すように、グリッパユニット40との連結が可能な位置に移動、待機しているステープラユニット41の係合部材129の溝部129aに係合する。これにより、グリッパユニット40とステープラユニット41とをグリッパユニット40の移動方向において連結することができる。
【0078】
また、第2のユニット連結機構60bは、第2のベース部材141の下面に取り付けられた連結部材91を備えており、この連結部材91の幅方向端部側には、2つの突起133が形成されている。この連結部材91の突起133は、ユニット連結位置P2にグリッパユニット40を移動することで、図10の(b)及び図11の(b)に示すように係合部材129の下面側に形成された不図示の溝部に進入するように構成されている。これにより、ステープラユニット41とグリッパユニット40は幅方向、すなわちステープラユニット41の移動方向において連結し、一体で幅方向に移動する。なお、本実施の形態においては、連結部材91と第1のガイドレール43aを樹脂により一体で形成している。
【0079】
ここで、グリッパーユニット40をステープラユニット41と連結して幅方向に移動させるためには、グリッパユニット40と第4のガイドレール43dとを切り離さなければならない。これは、第4のガイドレール43dをステープラユニット41が移動するためのレールとして用いるためである。また、グリッパユニット40とグリッパモータGM2との駆動連結を解除する必要がある。このため、本実施の形態においては、既述したように第4のガイドレール43dは板状部材151と一体化され、板状部材151はグリッパモータGM2によって駆動される無端ベルトGBに連結されている。また、第4のガイドレール43dとグリッパユニット40は連結・解除するように構成されている。これにより、グリッパユニット40と第4のガイドレール43dの連結・解除と、グリッパユニット40とグリッパモータGM2との駆動の連結・解除を同時に1つの機構を用いて行うことができる。
【0080】
次に、このようなグリッパユニット40と第4のガイドレール43dとを連結する連結機構60cについて図11を用いて説明する。この連結機構60cは、第2のベース部材141の上面に設けられた第1の揺動軸161に取り付けられた揺動レバー162と、第1の揺動軸161に取り付けられて揺動レバー162の揺動動作に伴って揺動する揺動部材163を備えている。また、連結機構60cは、第2のベース部材141の上面に設けられた第2の揺動軸164に取り付けられて揺動部材163のスリット163aに係合するピン165aが形成された第1の作動部材165を備えている。また、連結機構60cは、揺動レバー162に形成されたピン162aに嵌合する孔が一端側に形成されたリンク部材166を備えている。さらに、連結機構60cは、第3の揺動軸167に取り付けられてリンク部材166の他端側に形成された孔に嵌合するピン168aが形成された第2の作動部材168を備えている。
【0081】
そして、第1の作動部材165には第2のベース部材141の上面から下面側に向かって延設された円柱状の第1の作動ピン165bと、第1の作動ピン165bの延設側の先端に形成された第1の作動片165cが設けられている。第1の作動ピン165bは第1の作動部材165の揺動によって第4のガイドレール43dの溝を形成する凸部の側面に形成された湾曲部97aに嵌合する。これにより、第2のベース部材141の底面に設けられて第4のガイドレール43dの溝に係合した摺動ピン145との間で第4のガイドレール43dの凸部を挟み込む。また、第1の作動片165cは第1の作動部材165の揺動によって第4のガイドレール43dの凸部の下面に移動し、第2のベース部材141の下面との間で第4のガイドレール43dの凸部を挟み込む。
【0082】
第2の作動部材168には、第2のベース部材141の上面から下面側に向かって延設された円柱状の第2の作動ピン168bと、第2の作動ピン168bの延設側の先端に形成された第2の作動片168cとが形成されている。そして、第1の作動ピン168bは第2の作動部材168の揺動によって第4のガイドレール43dの凸部の側面に形成された湾曲部97bに嵌合し、第2の作動片168cは第4のガイドレール43dの凸部の下面に移動する。これにより、第2の作動ピン168bは摺動ピン145との間で第4のガイドレール43dの凸部を挟み、また第2の作動片168cはベース部材141の底面との間で第4のガイドレール43dの凸部を挟む。
【0083】
なお、第2の作動部材168と第2のベース部材141との間には、第3の揺動軸167を支点として第2の作動部材168を図中時計回り方向に回転付勢する引っ張りバネ169が設けられている。また、95、96は、第1、第2の作動ピン165b、168bが移動するための第2のベース部材141に形成された開口である。
【0084】
このような構成によって、連結位置にグリッパユニット40が移動到着する前の状態においては、図11の(a)に示すように引っ張りバネ169の作用により第2の作動部材168は時計回り方向に回転する。これにより、第2の作動ピン168bが第4のガイドレール43dの凸部の側面の湾曲部97bに嵌合し、第2の作動片168cは凸部の下面の下方に移動する。また、第2の作動部材168の時計回り方向の回転は、リンク部材166を介して揺動レバー162に伝達され、揺動レバー162を時計回り方向に回転させる。さらにこの揺動レバー162の回転によって揺動部材163が時計回り方向に回転し、揺動部材163によって第1の作動部材165が反時計回り方向に回転する。これにより、第1の作動ピン165bが第4のガイドレールの凸部の側面の湾曲部97aに嵌合し、第2の作動片168cは凸部の下面の下方に移動する。
【0085】
一方、連結位置にグリッパユニット40が到着すると、揺動レバー162は、先端がステープラユニット41側の係合部材129に当接し、引っ張りバネ169の作用に抗して反時計回り方向に回転する。この回転動作によって揺動部材163が反時計回り方向に回転し、第1の作動部材165が時計回り方向に回転する。これにより、図10の(b)に示すように第1の作動ピン165bがレール43dの凸部の湾曲部97aから離間し、第1の作動片165cがレール43dの凸部の下面から退避した位置に移動する。また、揺動レバー162が反時計回り方向に回転すると、その回転はリンク部材166を介して第2の作動部材168に伝達され、第2の作動部材168は時計回り方向に回転する。これにより、第2の作動ピン168bがレール43dの凸部の湾曲部97bから離間し、第2の作動片168cがレール43dの凸部の下面から退避した位置に移動する。
【0086】
このように、本実施の形態においては、連結位置にグリッパユニット40が移動到着する前は、第2のベース部材141の摺動ピン145と第1及び第2の作動ピン165b,168bとの間で第4のガイドレール43dの凸部の側方を挟持している。また、第2のベース部材141の下面と第1及び第2の作動片165c,168cとで第4のガイドレール43dの凸部の上下方向を挟持している。これにより、グリッパユニット40と第4のガイドレール43dとを連結している。
【0087】
一方、グリッパユニット40をステープラユニット41との連結位置に移動させると、揺動レバー162が係合部材129に突き当たり、これにより揺動レバー162が揺動する。そして、この揺動レバー162の揺動によって第1及び第2の作動ピン165b,168bを第4のガイドレール43dの凸部の側部から離間させる。また、第1及び第2の作動片165c,168cを第4のガイドレール43dの凸部の下面から退避した位置に移動させる。これにより、グリッパユニット40と第4のガイドレール43dとの連結が解除され、この解除動作によってグリッパユニット40は幅方向に移動することが可能となる。
【0088】
図12は、シート処理装置Cの制御ブロック図である。シート処理装置Cを制御する制御部であるCPU80には、グリップモータGM1、グリッパモータGM2及びステープルモータSMが接続されている。また、CPU80はレバー検知センサGS1の検知信号を受け取るように、レバー検知センサGS1と接続されている。また、CPU80は内部にROMを有している。ROMには後述する図13〜図21、図23〜図25に示す制御手順に対応するプログラム等が格納されている。CPU80はこのプログラムを読み出しながら各モータの制御を行う。
【0089】
また、CPU80はシリアルインターフェイス部(I/O)を備えており、画像形成装置本体Bとの制御データの授受を行う。さらに、シリアルインターフェイス部(I/O)を介して画像形成装置本体B(の制御部)から送られてくる制御データに基づいて各部の制御を行うようにしている。
【0090】
図12において、81はシートの枚数、サイズ及び厚さ(坪量)のうちの少なくとも一つのシート情報を入力する入力部である操作部である。そして、CPU80は、後述するように1箇所目と2箇所目のステープル位置とが異なる場合には、次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送するよう、この操作部81からのシート情報に基づいてグリッパユニット40を制御する。なお、本実施の形態においては、CPU80はシート処理装置Cに設けているが、CPU80を画像形成装置本体Bに設けるようにしてもよく、また制御部GによりCPU80を介してシート処理装置Cを制御するようにしても良い。
【0091】
次に、シート処理装置Cのステープル動作について説明する。なお、本実施の形態においては、このステープル動作はシート処理装置Cに設けられているCPU80により行う。図13は、シート処理装置Cのステープル動作の主な流れを示すメイン動作フローチャートであり、この動作フローチャートに基づきステープル動作について説明する。
【0092】
シート処理装置Cは、画像形成装置本体Bからシートサイズや綴じモードなどの情報を受信すると、先ずステープル動作を実行するための初期動作を実行する(ST1)。なお、この初期動作では、滞留シートの有無、ステープラユニット41やグリッパユニット40の位置、シフトローラ30とストッパ部材31の状態等を検出し、残留シートがあれば画像形成装置本体Bにエラー情報を送信する。また、ステープラユニット41、グリッパユニット40、シフトローラ30、ストッパ部材31等がホームポジションや初期位置になければ、ホームポジションや初期位置に移動するように制御する。
【0093】
また、この初期動作では、綴じモードに応じてステープラユニット41を所定の綴じ処理位置に予め移動するステープル前処理を実行する。次に、このステープル前処理について、図14の動作フローチャートに基づいて説明する。ステープル前処理を行う場合は、まず、画像形成装置本体Bからの綴じモード情報により綴じモードが端綴じモードであるかを判断する(ST20)。そして、端綴じモードである場合は(ST20のY)、次に端綴じモードが第1の端綴じモード、すなわちシート処理装置Cの奥側に位置するシートの角部を綴じる端綴じモードであるかを判断する(ST21)。ここで、綴じモードが第1の端綴じモードの場合は(ST21のY)、ステープルモータSMを逆回転駆動させる(ST22)。
【0094】
これにより、ホームポジションSHPにあるステープラユニット41は、図3の点線で示す矢印b方向(装置奥側方向)に移動する。そして、ステープラユニット41が約45°傾いた第1のステープル位置に到着すると(ST23のY)、ステープルモータSMを停止する(ST24)。これにより、ステープラユニット41はシートが処理トレイ14上に搬出される前に第1のステープル位置に移動し、位置決めされる。
【0095】
綴じモードが第2の端綴じモード、すなわちシート処理装置の手前側に位置するシートの角部を綴じるモードの場合は(ST21のN)、グリッパモータGM2を逆回転駆動させ(ST25)、グリッパユニット40を図3の点線で示す矢印d方向に移動させる。そして、グリッパユニット40がレール連結位置(排紙位置)P3に到着したならば(ST26のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST27)。これにより、第1のガイドレール43aが第2、第3のガイドレール43b、43cと連続したガイドレール部Rを形成し、ステープラユニット41が幅方向に移動可能となる。
【0096】
そして、グリッパユニット40がレール連結位置P3に到着した後、ステープルモータSMを正回転駆動し(ST28)、ステープラユニット41をホームポジションSHPから図3の実線で示す矢印a方向(装置手前方向)に移動させる。そして、ステープラユニット41が装置手前側の約45°傾いた第2のステープル位置に到着すると(ST29のY)、ステープルモータSMを停止する(ST30)。これにより、ステープラユニット41はシートが処理トレイ14上に搬出される前に第2のステープル位置に移動し、位置決めされる。さらに、このようにステープラユニット41をステープル位置に位置決めすると、グリッパモータGM2を正回転駆動させ(ST31)、グリッパユニット40をホームポジションに戻す。そして、グリッパユニット40がホームポジションに到着すると(ST32のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST33)。
【0097】
このように、シートが処理トレイ14上に到着する前にステープラユニット41を綴じモードに応じたステープル位置に移動させることにより、シート束が処理位置に搬送された時点で直ちにステープル処理を施すことができる。これにより、小型化された装置であってもステープル処理時間を短縮することが容易となる。
【0098】
次に、このような初期動作が完了すると、図13に示すように搬送ローラ21、排出ローラ22を駆動し(ST2)、処理トレイ14上にシートを排出する。そして、この後、シート整合処理を実行する(ST3)。次に、このシート整合処理について、図15の動作フローチャートに基づいて説明する。シート整合処理を行う場合は、シートが処理トレイ14上に排出されると、シフトローラ30を下降させ(ST40)、シート上面に接触させる。次に、シフトローラ30を回転駆動し(ST41)、シートをストッパ部材31に向けて搬送し、この後、シフトローラ30を所定のストッパ突き当て量だけ駆動する。
【0099】
そして、シフトローラ30をストッパ突き当て量だけ駆動すると(ST42のY)、シートが整合位置に移動しているストッパ部材31に突き当たり、シートがストッパ部材31に突き当たると、シフトローラ30の回転を停止する(ST43)。これにより、シートの後端位置が整合される。なお、ストッパ突き当て量は排出されたシートの後端をストッパ部材31に突き当てるために予め設定されたシフトローラ30によるシート搬送量に相当する。実際には、シフトローラ30を回転させる不図示の給送モータの駆動パルスをカウントして駆動量を計測している。
【0100】
次に、シート後端がストッパ部材31に突き当たって停止すると、シフトローラ30は綴じモードに応じてスライド方向を選択して移動する。つまり、綴じモードが第2の端綴じモードである場合は(ST44のY)、シフトローラ30をシート処理装置の手前側に向かってスライド移動させる(ST45)。このとき、シフトローラ30の外周面は高摩擦部材で構成されているのでシフトローラ30が接触したシートもシフトローラ30の移動に伴って装置手前側の第2の整合部材32bに向かってスライド搬送される。
【0101】
次に、シフトローラ30を、シートの端部が第2の整合部材32bに突き当たる突き当て量だけ移動させると(ST46のY)、シフトローラ30のスライド動作を停止させる(ST47)。この後、シフトローラ30を上昇させ(ST48)、シフトローラ30をホームポジションに向けて装置の奥側方向にスライド移動する(ST49)。そして、シートの幅方向中央のホームポジションにシフトローラ30が到着すると(ST55のY)、シフトローラ30のスライドを停止する(ST56)。
【0102】
一方、第2の端綴じモード以外、すなわち綴じモードが第1の端綴じモード或いは2箇所綴じモードである場合は(ST44のN)、シフトローラ30を装置の奥側に向けてスライド移動させる(ST50)。次に、シフトローラ30を、シートの端部が第1の整合部材32aに突き当たる突き当て量だけ移動させると(ST51のY)、シフトローラ30のスライドを停止させる(ST52)。この後、シフトローラ30を上昇させ(ST53)、シフトローラ30をホームポジションに向けて装置の手前側にスライド移動する(ST54)。そして、ホームポジション位置にシフトローラ30が到着すると(ST55のY)、シフトローラ30のスライドを停止する(ST56)。
【0103】
次に、このようなシート整合処理が完了すると、画像形成装置本体Bからのシート情報により、図13に示すように整合されたシートがシート束の最終シートか否かを判断する(ST4)。そして、最終シートでなければ(ST4のN)、後続シートが処理トレイ上に排出されるまで待機し、以降シート束の最終シートを整合するまで、シート整合処理を1枚毎に繰り返す。全てのシートの整合処理が完了すると、すなわち整合されたシートがシート束の最終シートの場合は(ST4のY)、グリッパユニット40によってシート束をステープル処理位置まで搬送するグリップ搬送処理を実行する(ST5)。
【0104】
次に、このグリップ搬送処理について、図16の動作フローチャートに基づいて説明する。グリップ搬送処理を行う場合は、まずグリップモータGM1を正転駆動する(ST60)。次に、レバー検出センサGS1がOFF、すなわちレバー検出センサGS1が検出フラグ142bの通過を検出すると(ST61のY)、所定量駆動させた時点でグリップモータGM1を停止する(ST62)。これにより、既述した図6の(b)に示すように可動グリップアーム44bが固定グリップアーム44aから離れ、グリップアーム対44は開状態となる。
【0105】
その状態で、グリッパモータGM2を逆転駆動し(ST63)、グリッパユニット40がシート整合処理で整合されたシート束をグリップするシートグリップ位置に向かわせる。そして、グリッパユニット40がシートグリップ位置に到着すると(ST64のY)、
グリッパモータGM2を停止する(ST65)。次に、グリップモータGM1を逆転駆動し(ST66)、レバー検出センサGS1がON、すなわちレバー検出センサGS1が検出フラグ142bを検出すると(ST67のY)、駆動レバー142を所定量回転させる。そして、駆動レバー142を所定量回転させると(ST68のY)、その時点でグリップモータGM1を停止する(ST69)。これにより、コイルバネ144の作用により可動グリップアーム44bが固定グリップアーム44a側に付勢され、図6の(a)に示すようにグリッパユニット40がシート束をグリップする状態となり、シート束がグリップされる。
【0106】
次に、ストッパ部材31を退避位置に移動する(ST70)。これにより、シート束をグリップした状態でグリッパユニット40は、ステープル処理位置GHP方向に移動が可能となる。次に、グリッパモータGM2を正転駆動し(ST71)、グリッパユニット40を、シート束をグリップした状態で図3の実線で示される矢印c方向に移動させる。そして、この後、シート束をグリップしたグリッパユニット40がステープル処理位置GHPに到着すると(ST72のY)、グリッパモータGM2を停止し(ST73)、グリッパユニット40をステープル処理位置GHPに位置決めする。
【0107】
次に、グリップモータGM1を正転駆動する(ST74)。そして、レバー検出センサGS1がOFFとなると(ST75のY)、グリップモータGM1を所定量駆動して停止する(ST76)。これにより、駆動レバー142が可動グリップアーム44bの当接部44eから離れる位置に回転してグリップアーム対44が開状態となり、シート束のグリップが解除される。
【0108】
次に、このようなグリップ搬送処理が完了すると、図13に示すように、シート束の所定の位置にステープル処理を施すためのステープル処理を実行する(ST6)。次に、このステープル処理について、図17の動作フローチャートに基づいて説明する。ステープル処理を行う場合は、まず、綴じモードが端綴じモードか否かを判断する(ST80)。このとき、端綴じモードであれば(ST80のY)、ステップ1(ST1)のステープル前処理(初期動作)において、ステープラユニット41は既に第1のステープル位置、または第2のステープル位置のいずれかに綴じモードに応じて移動している。したがって、その状態でステープラユニット41を作動させ(ST81)、シート束にステープルを施す。
【0109】
一方、綴じモードが端綴じモードでなく(ST80のN)、2箇所綴じモードの場合、先ずグリッパユニット40とステープラユニット41とを連結するユニット連結処理を実行する(ST83)。これにより、ステープラユニット41の移動に連動してグリッパユニット40も幅方向に移動することが可能となる。この後、2箇所綴じ処理を行うためにステープルモータSMを正転駆動し(ST84)、ステープラユニット41が1箇所目のステープル位置に到着すると(ST85のY)、ステープルモータSMを停止する(ST86)。そして、ステープラユニット41を作動させ(ST87)、最初の綴じ動作である1箇所目のステープル動作を行う。
【0110】
次に、このようにして1箇所目のステープル動作が実行されると、この後、2箇所目のステープル動作を行うが、この前に、2箇所目のステープル位置の調整を行う必要があるかを、予め設定された調整値に基づいて判断する(ST88)。なお、この調整値については、後述する。そして、調整値に基づいて2箇所目のステープル位置の調整が必要と判断した場合には(ST88のY)、一度、グリッパユニット40との連結を解除する。そして、グリッパユニット40を駆動し、シート搬送方向に対するシートの位置を調整することにより、ステープル位置を調整する(ST89)。
【0111】
この後、再度グリッパユニット40と連結するユニット連結処理を実行した後、ステープルモータSMを正転駆動し(ST90)、ステープラユニット41を2箇所目のステープル位置に移動させる。そして、ステープラユニット41が2箇所目のステープル位置に到着すると(ST91のY)、ステープルモータSMを停止し(ST92)、この後、ステープラユニット41を作動させ(ST93)、2箇所目のステープル動作を行う。ステープラユニット41によってシート束の2箇所にステープル処理が完了すると、グリッパユニット40とステープラユニット41の連結を解除するユニット連結解除処理が実行される(ST94)。なお、上記の1箇所目のステープル位置と2箇所目のステープル位置は、シートサイズに対応して予め設定された位置であり、画像形成装置本体Bからのシートサイズ情報に応じて予め記憶された値を設定し、この値に基づきステープラユニット41が制御される。
【0112】
ここで、このユニット連結処理及びユニット連結解除処理について、図18、図19の動作フローチャートに基づいて説明する。ユニット連結処理を行う場合は、図18の動作フローチャートに示すように、まずグリッパモータGM2を正転駆動し(ST100)、ステープル処理位置GHPにあるグリッパユニット40をユニット連結位置P2に向けて移動させる。なお、このときステープラユニット41は、グリッパユニット40との連結が可能な位置に移動、待機している。そして、グリッパユニット40がユニット連結位置P2に移動すると(ST101のY)、図10の(b)及び図11の(b)に示すように連結部材91の突起133が、ステープラユニット41の係合部材129の下面側に形成された不図示の溝部に進入する。これにより、ステープラユニット41とグリッパユニット40は幅方向に対して連結し、一体で幅方向に移動可能となる。また、グリッパユニット40の揺動レバー162の先端がステープラユニット41側の係合部材129に当接し、図11の(b)に示すようにグリッパユニット40と第4のガイドレール43dが切り離され、グリッパユニット40が幅方向に自由に移動可能となる。
【0113】
次に、このようにステープラユニット41とグリッパユニット40を幅方向に対して連結した後、グリッパモータGM2を停止し(ST102)、グリッパユニット40をユニット連結位置P2で停止させる。この後、グリップモータGM1を逆転駆動し(ST103)、作動部材131と検出フラグ142bを軸142aを支点に回転させる。そして、検出フラグ142bが通過してレバー検出センサGS1がOFFとなると(ST104のY)、グリップモータGM1を停止する(ST105)。このとき、作動部材131が作動ピン132bを移動させる。これに伴い、図10の(b)に示すように連結アーム部材132の係合ピン132aが、グリッパユニット40との連結が可能な位置に移動、待機しているステープラユニット41の係合部材129の溝部129aに係合する。これにより、両ユニットがシート排出方向に対して連結し、一体でシート排出方向に沿って移動可能となる。
【0114】
次に、ユニット連結解除処理について説明する。ユニット連結解除処理を行う場合は、図19の動作フローチャートに示すように、ステープラユニット41によってシート束に対して2箇所目のステープル処理がなされると、ステープルモータSMを逆転駆動する(ST110)。これにより、ステープラユニット41をホームポジションSHPに向かわせ、ステープラユニット41がホームポジションSHPに到着すると(ST111のY)、ステープルモータSMを停止する(ST112)。これにより、ステープラユニット41に連結されたグリッパユニット40も移動し、グリッパユニット40は第4のガイドレール43dに連結可能な位置に位置決めされる。
【0115】
次に、グリップモータGM1を正転駆動し(ST113)、検出フラグ142bがレバー検出センサGS1を通過してレバー検出センサGS1がONとなると(ST114のY)、この時点からグリップモータGM1を所定量駆動する。そして、グリップモータGM1を所定量駆動すると(ST115のY)、グリップモータGM1を停止する(ST116)。これにより、作動部材131が作動ピン132bを先の連結動作時と逆方向に移動し、図10の(a)に示すように連結アーム部材132の係合ピン132aは係合部材129の溝部129aから退避する。これにより、グリッパユニット40とステープラユニット41の連結が解除される。
【0116】
この後、グリッパモータGM2を逆転駆動し(ST117)、グリッパユニット40をステープル処理位置に向かわせる。そして、グリッパユニット40が再びステープル処理位置に戻ると(ST118のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST119)。なお、グリッパモータGM2の逆転駆動を開始する時点において、グリッパモータGM2とグリッパユニット40は確実な連結状態にはない。しかし、第4のガイドレール43dの溝部にグリッパユニット40の摺動ピン145が係合しているため、第4のガイドレール43dの移動に伴ってグリッパユニット40は移動する。そして、この移動の過程において、グリッパユニット40の揺動レバー162先端がステープルニット41側の係合部材129から離間し、図11の(a)に示すようにグリッパユニット40と第4のガイドレール43dは確実に連結される。
【0117】
次に、このようなステープル処理が完了すると、図13に示すように、シート束をスタックトレイ51に排紙するグリップ排紙処理を実行する(ST7)。次に、このグリップ排紙処理について、図20の動作フローチャートに基づいて説明する。グリップ排紙処理を行う場合は、先ずステープル処理位置にあるグリッパユニット40のグリップモータGM1を逆転駆動する(ST120)。そして、レバー検出センサがONすると(ST121のY)、グリップモータGM1を停止する(ST122)。これにより、シート束はグリップアーム対44でグリップされる。
【0118】
次に、グリップアーム対44がシート束をグリップすると、グリッパモータGM2を逆転駆動する(ST123)。これにより、グリッパユニット40は収納部10に向かって移動する。そして、グリッパユニット40が図3に示す排紙位置P3に到着すると(ST124のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST125)。次に、グリッパユニット40が排紙位置に到着した状態でグリップモータGM1を逆転駆動する(ST126)。これにより、第1のグリッパユニット40aがスタックトレイ50側に移動する。そして、この後、グリップモータGM1を所定量逆転駆動すると(ST127のY)、グリップモータGM1を停止する(ST128)。
【0119】
なお、本実施の形態において、処理トレイ14にはシート排出方向に延びた不図示の切欠部が設けられている。そして、この切欠部により、図22の(a)に示すように、グリップアーム対44のグリップ部44c,44dは処理トレイ14上からスタックトレイ50上で、かつ処理トレイ14の載置端面よりも下方に移動する。これにより、シート束SAがスタックトレイ50上に移動する。
【0120】
次に、第1のグリッパユニット40aがシート束SAをスタックトレイ上に搬送すると、グリッパモータGM2を正転駆動し(ST129)、第1のグリッパユニット40aをスタックトレイ側と異なる方向、すなわちホームポジションに向かって移動させる。そして、このように第1のグリッパユニット40aを移動させると、グリッパアーム44の突部44fが処理トレイ14の切欠部から折れ曲がった折曲部14bに設けられたガイド片14c突き当たる。これにより、図22の(b)に示すように可動グリップアーム44bが固定グリップアーム44aから離れる方向に移動し、シート束SAのグリップを解除し、この結果、シート束はスタックトレイ50上に収納される。
【0121】
この後、グリッパユニット40がホームポジションに到着すると(ST130のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST131)。次に、グリップモータGM1を正転駆動し(ST132)、第1のグリッパユニット40aを所定の位置に戻すようにグリップモータGM1を所定量駆動させる。これにより、第1のグリッパユニット40aのグリップアーム対44は、処理トレイ14の載置面よりも上方に移動する。そして、グリップモータGM1を所定量駆動すると(ST133のY)、グリップモータGM1を停止させる(ST134)。
【0122】
次に、このようなシート束のグリップ排紙処理が完了すると、図13に示すように、画像形成装置本体Bから受信した設定部数であるかを判断する(ST8)。そして、設定部数でなければ(ST8のN)、図13のST3からST8を繰り返し実行する。一方、設定部数であれば(ST8のY)、シート処理装置Cを停止するための最終処理を実行する(ST9)。
【0123】
次に、この最終処理について、図21の動作フローチャートに基づいて説明する。この最終処理では、搬送ローラ21、排出ローラ22、ストッパ部材31等を初期状態に戻す動作を実行する。なお、綴じモードが端綴じモードである場合にはステープル位置からホームポジションにステープラユニット41を移動させる処理が実行される。
【0124】
この処理は、端綴じモードである場合は(ST150のY)、次に端綴じモードが第1の端綴じモードであるかを判断する(ST151)。そして、綴じモードが第1の端綴じモードの場合は(ST151のY)、ステープルモータSMを正転駆動させる(ST152)。これにより、ステープラユニット41は、ホームポジションに向かって移動し、ホームポジション到着すると(ST153のY)、ステープルモータSMを停止する(STST154)。
【0125】
一方、綴じモードが第2の端綴じモードの場合は(ST151のN)、グリッパモータGM2を逆回転駆動させる(ST155)。これにより、グリッパユニット40は排紙位置に向かい、グリッパユニット40が排紙位置に到着したならば(ST156のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST157)。これにより、第1のガイドレール42aが第2、第3のガイドレール42b、42cと連続したガイドレール部Rを形成する。次に、ステープルモータSMを逆回転駆動させ(ST158)、ステープラユニット41をホームポジションに向かわせる。そして、ステープラユニット41がホームポジションに到着すると(ST159のY)、ステープルモータSMを停止する(ST160)。この後、グリッパモータGM2を正転駆動させ(ST161)、グリッパユニット40をホームポジションに向かわせ、グリッパユニット40がホームポジションに到着すると(ST162のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST163)。そして、このような最終処理が終了すると、シート処理装置Cのステープル動作が終了する。
【0126】
ここで、本実施の形態において、既述したグリッパユニット40がステープル処理位置(ホームポジション)、グリップ位置、排紙位置、連結位置の各停止位置に到着したか否かの検出は、各停止位置に設けた検出センサにより行うようにしている。また、勿論、各停止位置までの距離間に相当するグリッパモータGM2の駆動パルス数を記憶し、グリッパモータGM2の駆動パルス数をカウントすることで各停止位置に到着したことを検出するようにしてもよい。
【0127】
さらに、第1、第2の端綴じモードにおける第1、第2のステープル位置へのステープラユニット41の移動及びステープラユニット41のホームポジションへの移動についても各位置に配置した検出センサにより行っている。また、2箇所綴じモードにおけるグリッパユニット40との連結が可能な位置、1箇所目及び2箇所目のステープル位置への移動制御は、シートサイズに応じてステープラユニット41の移動量を算出し、算出結果に基づき設定される駆動パスル数をカウントする。そして、このカウントされた駆動パスル数によってグリッパユニット40との連結が可能な位置、1箇所目及び2箇所目のステープル位置でステープラユニット41を停止させるようにすればよい。
【0128】
以上説明したように、本実施の形態においては、第4のガイドレール43dにより、グリッパユニット40を、連結したステープラユニット41の移動方向と同一方向に移動可能に支持している。これにより、複数綴じの際、グリッパユニット40を連結位置で連結したステープラユニット41と一体で移動させることができ、特別な退避空間を確保することなく、ステープラユニット41をステープル処理位置へ移動させることができる。
【0129】
つまり、グリッパユニット40が排出方向に移動する際の移動領域に、ステープラユニット41が移動させられてシートにステープル処理を行う場合、グリッパユニット40は、ステープラユニット41が上記の移動領域への移動を妨げない幅方向に退避する。なお、ステープラユニット41が上記移動領域外でシートにステープル処理を行う場合、グリッパユニット40は、幅方向に移動しない。これにより、グリッパユニット40を退避させるための特別な退避空間を確保することなく、ステープラユニット41をステープル処理位置へ移動させることができる。
【0130】
本実施の形態では、グリッパユニット40は、ステープラユニット41を動作させる第1の移動機構により幅方向に移動させている。しかし、ステープラユニット41の上記移動領域への移動に伴い、グリッパユニット40が第1の移動機構とは別の移動機構により幅方向に退避させられるようにしてもよい。
【0131】
言い換えれば、本実施の形態においては、グリッパユニット40の排出方向の移動領域のうちの排出方向上流側に、ステープラユニット41の移動領域と重なる共通移動領域を設けている。そして、ステープラユニット41が共通移動領域以外の領域から、すなわち共通移動領域の幅方向の領域から移動してステープル処理を行う際、グリッパユニット40をステープラユニット41と同一方向に移動させるようにしている。これにより、グリッパユニット40を退避させるための特別な退避空間を確保することなく、ステープラユニット41をステープル処理位置へ移動させることができる。
【0132】
なお、ステープラユニット41が共通移動領域以外の領域でシートにステープル処理を行う場合、グリッパユニット40は、ステープラユニット41が移動可能な方向に移動せずにステープル処理したシートを第1又は第2のスタックトレイ50,51に排出する。また、ステープラユニット41が共通移動領域でシートにステープル処理を行う場合、ステープラユニット41は、シートにステープル処理を行った後、共通移動領域以外の領域に移動する。そして、このステープラユニット41の移動に伴い、グリッパユニット40は共通移動領域に移動してからステープル処理したシートを第1又は第2のスタックトレイ50,51に排出する。
【0133】
ところで、シート束に対してステープル処理を行う前に、シート束をグリップしたグリッパユニット40がステープル処理位置GHPに到着するまでに、シートのサイズ、厚さ、枚数等の条件により、シート束の一端が傾斜する場合がある。この場合、2箇所目のステープル処理を行うと、シート束の一端に対する最初の綴じ位置である1箇所目のステープル位置と、次の綴じ位置である2箇所目のステープル位置との間に、ズレが生じる場合がある。
【0134】
このため、本実施の形態においては、既述した図17のフローチャートに示すように、2箇所目のステープル動作を行う前に、2箇所目のステープル位置の調整を行う必要があるかを、予め設定された調整値に基づいて判断する。ここで、調整値に基づいて2箇所目のステープル位置の調整が必要と判断した場合には、一度、グリッパユニット40をシート排紙方向への移動が可能な位置まで移動させた後、ステープラユニット41との連結を解除する。そして、この後、グリッパユニット40を移動させてシート束を再度グリップさせると共に、シート搬送方向に対するシートのステープル処理位置を調整する。
【0135】
次に、このようなステープル位置の調整処理について、図23に示すフローチャートに基づいて説明する。CPU80は、操作部81からのシート情報に基づき、シートが搬送された時点で、シートサイズがスモールサイズかを判断し(ST170)、シートサイズがスモールサイズの場合は(ST170のY)、次にシートが厚紙かを判断する(ST171)。そして、シートが厚紙の場合には(ST171のY)、シート束のシート枚数が所定枚数以上かを判断する(ST172)。
【0136】
ここで、シート枚数が所定枚数以上の場合は(ST172のY)、メモリ上のユーザによる個別調整にて設定されたステープル位置のユーザ調整値に、シートサイズ、坪量及びシート枚数に応じて、実験等により予め求めた調整値をセットする(ST173)。なお、このユーザ設定調整値は、不揮発性メモリ上への保存のため、装置への電源供給が落ちた場合でも調整値を保持し続けている。
【0137】
次に、ステープル位置のユーザ調整値をチェックし(ST174)、ユーザ調整値に基づいて調整の必要有無の判断を行う(ST175)。ここで、この調整の必要有無の判断は、ユーザ設定調整値の変化の有無に基づいて行う。例えば、ユーザ調整値のチェックの際、ユーザ調整値に変化がない場合、すなわちシートがスモールサイズシートでなく(ST170のN)、厚紙でなく(ST171のN)、シート枚数が所定枚数以下の場合は(ST172のN)、調整の必要なしと判断する。また、ユーザ調整値に変化がある場合には調整の必要ありと判断し、このように調整の必要ありと判断すると(ST175のY)、調整値として予めセットしていたユーザ調整値の代わりに調整値を加えた値を再セットする(ST176)。
【0138】
次に、このようなステープル位置の設定処理が完了すると、図24に示すように、次の綴じ位置である2箇所目のステープル位置を調整するためのステープル位置調整処理を実行する。ステープル位置の設定処理の中で、既述したようにステープル位置調整が必要と判断された場合、グリッパユニット40のシート排出方向への移動が可能となるよう、ステープラユニット41とグリッパユニット40とのユニット連結解除処理を行う(ST180)。この後、グリッパモータGM2を正転駆動させ(ST181)、グリッパユニット40を、既述した図3に示すグリップ位置に移動させ、このようにグリッパユニット40をグリップ位置に移動させた後、グリッパモータGM2を停止する(ST182)。
【0139】
次に、グリップモータGM1を駆動し(ST183)、グリッパユニット40がシートをグリップすると、グリップモータGM1の駆動を停止する(ST184)。この後、予め調整されたユーザ調整値に基づき、シート束の位置調整を行い(ST185)、調整分の駆動を終えたところでグリッパモータGM2を停止する(ST186)。
【0140】
ここで、例えば、図25の(a)に示すようにシートの奥側の方がグリッパユニット側に傾いている場合にはグリッパユニット40をステープル処理位置GHPよりもシート排出方向上流側に移動させる。これにより、1箇所目のステープル位置ST1は破線で示す位置に移動するが、この位置は、2箇所目のステープル位置ST2と同じ位置になる。
【0141】
また、図25の(b)に示すようにシートの手前側の方がグリッパユニット側に傾いている場合にはグリッパユニット40をステープル処理位置GHPよりもシート排出方向下流側に移動させる。これにより、1箇所目のステープル位置ST1は破線で示す位置に移動するが、この位置は、2箇所目のステープル位置ST2と同じ位置になる。このように、シート束の位置調整を行うことにより、1箇所目と2箇所目のシート束の一端に対するステープル位置のズレを無くすことができる。そして、調整後、再度ユニット連結処理を行いステープル処理へ戻る(ST187)。
【0142】
以上説明したように、本実施の形態では、1箇所目と2箇所目のステープル位置が異なる場合には、次のステープル動作の前に、次のステープル位置が最初のステープル位置と一致するような位置にシート束を搬送するようグリッパユニット40を制御している。そして、このように次のステープル位置が最初のステープル位置と一致するような位置にシート束を搬送することにより、シート束の一端に対するステープル位置のズレを防ぐことができる。これにより、排出されたシート束の見栄えも良くなり、ユーザの使い勝手も良くなる。
【0143】
なお、これまでは、綴じ部として一つのステープラユニット41を用いた場合について説明したが、複数のステープラユニットを用いた場合でも適用することができる。また、これまでは、次のステープル動作の前に、ステープル位置が最初のステープル位置と一致するようグリッパユニット40を移動させる場合について説明したが、本発明は、これに限らない。例えば、次のステープル動作の前に、ステープル位置が最初のステープル位置と一致するようシート束のシート搬送方向上流端と綴じ部との相対位置を調整することができるならば、綴じ部を調整値に基づいてシート搬送方向に移動させるようにしても良い。さらに、これまでは、シート処理装置として2箇所綴じを行うものを例に挙げたが、3箇所綴じ等を行うことができるシート処理装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0144】
10…収納部、12…整合部、13…ステープル・グリッパ部、14…処理トレイ、30…シフトローラ、31…ストッパ部材、32a,32b…整合部材、40…グリッパユニット、40a…第1のグリッパユニット、40b…第2のグリッパユニット、41…ステープラユニット、43a…第1のガイドレール、43b…第2のガイドレール、43c…第3のガイドレール、43d…第4のガイドレール、44…グリップアーム対、44a…固定グリップアーム、44b…可動グリップアーム、50,51…第1及び第2のスタックトレイ、60a…第1のユニット連結機構、60b…第2のユニット連結機構、60c…連結機構、122a〜122e…ボス、123…連結部材、123A…傾斜機構、125…ベース部材に設けられたボス、GM1…グリップモータ、GM2…グリッパモータ、GS1…レバー検出センサ、B…画像形成装置本体、C…シート処理装置、G…制御部、SA…シート束
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理装置及び画像形成装置に関し、特に綴じ装置を綴じ処理を施す位置に移動させるための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、画像形成された後の複写用紙等のシートを順次装置内に取り込み、このシートに対して綴じ処理、穿孔処理等を選択的に施すシート処理装置を備えたものがある。そして、このようなシート処理装置を備えることにより、画像形成された後のシートに対する綴じ、穿孔等の処理に要する手間を軽減することができる。
【0003】
このシート処理装置は、例えば綴じ処理を施すため、綴じ処理されるシートを集積する処理トレイと、処理トレイ上のシート束に綴じ処理を施す綴じ装置と、処理トレイ上で綴じ処理されたシート束が排出される収納トレイを備えている。
【0004】
このようなシート処理装置としては、シート束の一端の両端角部のいずれか一方を選択して綴じ処理を行う端綴じモードと、シート束の一端の2箇所に綴じ処理を施す2箇所綴じモードを備えた、所謂マルチ綴じ処理が可能なものがある(特許文献1参照)。このようなシート処理装置では、端綴じモードの場合は、選択された端部の綴じ位置に綴じ装置を移動させてシート束に綴じ処理を施す。また、2箇所綴じモードの場合は、シート束の一端に沿って綴じ装置を第1の綴じ位置まで移動させて綴じ処理を施した後、綴じ装置を第2の綴じ位置に移動させて綴じ処理を施す。なお、2箇所綴じモードにおける第1及び第2の綴じ位置はシートサイズに応じて予め定められた位置である。
【0005】
ここで、綴じ処理を施す際、処理トレイ上で集積されたシート束を搬送手段により綴じ処理位置に移動させた後、綴じ装置により綴じ処理を施すようにしたものがある。なお、シート束を綴じ処理位置に移動させる搬送手段として、例えばシートを把持する把持装置を備え、シート束の一端を把持しながら把持装置を移動させることにより、シート束を綴じ処理位置に移動させるようにしたものがある(特許文献2参照)。このような把持搬送方式は、シート束を押圧部材によって押圧しながら綴じ処理位置に搬送させる方式に比べて、シート束のズレずれ量が少ない。また、把持装置でシート束の一端を把持し、この把持装置を移動させることで収納トレイに搬送する搬送方式が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−132635号公報
【特許文献2】特開平2−89772号公報
【特許文献3】特開2011−79669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、このような従来のシート処理装置において、シート束を綴じる際、シート束の一端を把持した把持装置をシート搬送方向上流側に移動させた後、シート搬送方向と直交する幅方向に移動させて、シート束を綴じ処理位置に移動させるようにしたものがある。しかし、このように把持装置をシート搬送方向上流側に移動させる際、綴じ処理を行うシートのサイズ、厚さ(坪量)、枚数等の条件により、把持装置に偏った負荷がかかる場合がある。この場合、綴じ処理位置に移動した際、シート束の一端が傾斜する。また、設置環境や把持装置の消耗等によっても、シート束の一端が傾斜する場合がある。
【0008】
そして、この状態で綴じ処理を行うと、最初の綴じ位置と、次に綴じ位置において、シート束の一端に対してシート搬送方向のズレが生じるため、排出されたシート束の見栄えが悪くなるだけでなく、ユーザの使い勝手が低下してしまう。
【0009】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、シート束の一端に対する綴じ位置のズレを防ぐことのできるシート処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、シート積載部に積載されたシート束の一端を整合する整合部と、シート搬送方向と直交する幅方向に移動して前記整合部により整合されたシート束の一端部の幅方向の複数個所を綴じる綴じ部と、前記整合部により整合されたシート束を前記綴じ部による綴じ処理が可能な位置に搬送するシート束搬送部と、前記シート束搬送部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、シート束の一端に対する前記綴じ部による最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なる場合には、次の綴じ動作の前に、シート束の一端に対する次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送するよう前記シート束搬送部を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のように、シート束の一端に対する綴じ部による最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なる場合には、次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送することにより、シート束の一端に対する綴じ位置のズレを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート処置装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図。
【図2】上記シート処理装置の構成を説明する断面図。
【図3】上記シート処理装置の平面図。
【図4】上記シート処理装置のグリッパ・ステープル部に設けられたグリッパユニットの外観を示す側面図。
【図5】上記グリッパユニットの構成を説明する第1の図。
【図6】上記グリッパユニットの構成を説明する第2の図。
【図7】上記グリッパユニットをシート排出方向に移動させる構成を説明する図。
【図8】上記シート処理装置のグリッパ・ステープル部に設けられたステープラユニットを移動させるための構成を説明する図。
【図9】上記ステープラユニットが傾斜したときの状態を示す図。
【図10】上記グリッパユニットとステープラユニットとを連結させるユニット連結機構を説明する図。
【図11】上記ユニット連結機構及びグリッパユニットと第4のガイドレールとを連結する連結機構を説明する図。
【図12】上記シート処理装置の制御ブロック図。
【図13】上記シート処理装置のステープル動作の主な流れを示すメイン動作フローチャート。
【図14】上記シート処理装置のステープル前処理を示す動作フローチャート。
【図15】上記シート処理装置のシート整合処理を示す動作フローチャート。
【図16】上記シート処理装置のグリップ搬送処理を示す動作フローチャート。
【図17】上記シート処理装置のステープル処理を示す動作フローチャート。
【図18】上記シート処理装置のユニット連結処理を示す動作フローチャート。
【図19】上記シート処理装置のユニット連結解除処理を示す動作フローチャート。
【図20】上記シート処理装置のグリップ排紙処理を示す動作フローチャート。
【図21】上記シート処理装置の最終処理を示す動作フローチャート。
【図22】上記シート処理装置のシート束収納動作を説明する図。
【図23】上記シート処理装置のステープル位置調整の調整処理を示す動作フローチャート。
【図24】上記シート処理装置のステープル位置調整処理を示す動作フローチャート。
【図25】上記シート処理装置のステープル位置調整処理を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るシート処置装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図であり、図1において、Aは給紙装置、Bは画像形成部を備えた画像形成装置本体、Cはシート処理装置、Dは原稿読取装置、Fは原稿搬送装置である。Gは給紙装置A、画像形成装置本体B、原稿読取装置D及び原稿搬送装置Fを制御する制御部である。
【0014】
ここで、原稿搬送装置Fは、原稿トレイF1にセットされた原稿を1枚ずつ原稿読取装置Dの上面に設けられた不図示のプラテン上に搬送し、排紙トレイF2上に搬出するものである。画像読取装置Dは、原稿搬送装置Fによってプラテン上を通過する原稿を、不図示のランプ、複数のミラー、レンズ、イメージセンサから構成されている読取手段によって読み取るものである。画像形成装置本体Bは、画像読取装置Dにより読み取られた画像信号に応じてレーザ光を出力する不図示の露光部と、レーザ光が照射されて表面に静電潜像が形成される感光体ドラムを備えている。
【0015】
また、画像形成装置本体Bは、感光体ドラム上の静電潜像を現像してトナー像を形成する現像器と、感光体ドラム上に形成されたトナー像をシートに転写する転写部と、シートに転写されたトナー像を定着処理する定着部とを備えている。そして、これら露光部、感光体ドラム、現像器、及び定着部がシートに画像を形成する画像形成部を構成している。
【0016】
給紙装置Aは、不図示の複数のカセットを備え、何れかのカセットに収納されたシートを転写部へ搬送するものである。シート処理装置Cは画像形成装置本体Bと原稿読取装置Dとの間に配置され、水平方向の一端側に綴じ装置を有する処理部9を設け、他端側に処理されたシートを収納する収納部10を設けている。なお、この収納部10は、画像形成装置本体Bと原稿読取装置Dの間の空間に位置している。すなわち、本実施の形態の画像形成装置は、処理されたシートを画像形成装置本体Bと原稿読取装置Dの間の空間に排出収納する、いわゆる胴内搬出機能を有している。
【0017】
そして、このような構成の画像形成装置において、原稿読取装置Dによって原稿画像を読み取り、読み取った画像をシートに対し画像形成する際は、まず原稿搬送装置Fによって原稿を、プラテン上を通過させる。そして、この際、画像読取装置Dはランプから光を照射すると共に、照射された光を原稿面で反射させ、複数のミラー、レンズを介してイメージセンサに導くことにより画像を読み取る。この後、イメージセンサにより読み取られた原稿の画像データは、所定の画像処理が施されて画像形成装置本体Bの露光部へ転送される。
【0018】
次に、画像形成装置本体Bでは、露光部が画像信号に応じたレーザ光を出力し、このレーザ光は、ポリゴンミラーにより走査されながら感光体ドラム上に照射され、この結果、感光体ドラム上には走査されたレーザ光に応じた静電潜像が形成される。この後、感光体ドラム上に形成された静電潜像は、現像器により現像され、トナー像として可視化される。
【0019】
一方、画像が形成されるシートは、複数のカセットを備える給紙装置Aの何れかのカセットから転写部へ搬送され、シートは転写部において、感光体ドラム上の可視化されたトナー像が転写される。トナー像が転写されたシートは、この後、定着部にて定着処理が施されてトナー像が定着される。次に、定着部を通過したシートはシート処理装置Cに搬送され、この後、処理部9によって綴じや折り等の処理が施されて収納部10に排出される。
【0020】
図2は、シート処理装置Cの構成を説明する断面図である。図2に示すように、シート処理装置Cは、収納部10と、画像形成装置本体Bからのシートを受けて搬送する搬送部11と、搬送部11により搬送されたシートを処理する処理トレイ14と、処理トレイ14上のシートを整合する整合部12を備えている。また、シート処理装置Cは、所定排出方向に搬送されて処理トレイ上に積載された後、整合部12により整合されたシートにステープル処理(綴じ処理)を施すステープル・グリッパ部13を備えている。
【0021】
搬送部11は、シートを案内する一対のガイド板20a,20bで構成されると共に、画像形成装置本体Bの排紙口と連なる搬送経路20と、搬送経路20に沿ってシートを搬送する搬送ローラ対21が設けられている。そして、この搬送経路20の搬出口20cには排出ローラ22が設けられており、この排出ローラ22は搬送経路20の下側に配置されている処理トレイ14に順次シートを搬出する。なお、本実施の形態においては、排出ローラ22によってシートが搬出されると、シートは処理トレイ14と、収納部10に設けられた第1及び第2スタックトレイ50,51の載置面との間に掛け渡された状態で載置され、所定の処理が施される。
【0022】
このシート積載部である第1及び第2のスタックトレイ50,51は、それぞれシート載置面50a,51aを有し、処理トレイ14に装備したフレーム14aに上下方向に昇降自在に支持されている。なお、第1のスタックトレイ50のシート載置面50aの下方には、サドルユニット53が設けられている。そして、処理トレイ14に集積されたシート束は、選択的に、サドルユニット53により折り合わされた後、第1のスタックトレイ50のシート載置面50aに収納される。
【0023】
このように、第1のスタックトレイ50には、サドルユニット53からの折りシート束と、ステープラユニット41で端綴じ又は2箇所綴じが施されたシート束が収納される。また第2のスタックトレイ51のシート載置面51aには、主にステープラユニット41で端綴じ又は2箇所綴じが施されたシート束が収納される。もちろん、第1及び第2のスタックトレイ50,51は、綴じや折りを施さないシート束も収納可能である。
【0024】
整合部12は、処理トレイ14上に搬出されたシートの一端を整合するストッパ部材31と、処理トレイ上に搬出されたシートの上面に接触し、シートを排出ローラ22のシート排出方向と交差(直交)する幅方向に搬送するシフトローラ30とを備えている。また、整合部12は、シフトローラ30により幅方向に搬送されるシートの幅方向の端部が当接する図3に示す整合部材32(32a,32b)を備えている。
【0025】
なお、図2に示すように、ストッパ部材31は支軸31aを支点に回動自在に構成されており、シートの後端(シート排出方向上流側端)と当接してシートの後端位置を規制する処理トレイ14に対して垂直な整合位置と、略水平な退避位置に回動する。また、シフトローラ30は、正逆転可能な不図示の給送モータにより回転すると共に、断面を多角形に形成された支軸33aを支点に上下方向に回動自在に設けられたアーム部材33の一端側に回転自在に支持されている。そして、アーム部材33の回動動作によって処理トレイ上のシートの上面に接触する接触位置と、シート上面から退避した退避位置に移動する。さらに、アーム部材33は、支軸33aに沿って幅方向に移動自在に構成されており、このアーム部材33の移動によってシフトローラ30がスライド移動する。
【0026】
このような構成の整合部12において、処理トレイ14上にシートが搬出されると、先ずアーム部材33が下方回動する。これに伴ってシフトローラ30が退避位置から接触位置に移動して回転し、シートをシート排出方向と反対方向、すなわちストッパ部材31側の方向に搬送する。そして、このようなシフトローラ30の回転により、シートは整合位置にあるストッパ部材31に突き当たり、その送り方向端部、すなわち後端がストッパ部材31により整合される。
【0027】
なお、このようにシートの後端が整合されるとシフトローラ30は停止し、この後、アーム部材33が不図示のシフトモータにより幅方向に移動することで、シフトローラ30が、シート上面に接触した状態で整合部材32側にスライド移動する。ここで、シフトローラ30はウレタンゴム等の高摩擦部材で形成されており、このようにシフトローラ30がスライド移動すると、これに追従してシートも整合部材32側にスライドする。そして、この後、アーム部材33(シフトローラ30)はシートの幅方向の一端が整合部材32に当接するまでスライド移動して停止する。これによりシートの幅方向端部が整合される。
【0028】
なお、本実施の形態のシート処理装置Cは、綴じモードとして、シートの幅方向の一端側を綴じる第1の端綴じモード、一端側と反対の他端側を綴じる第2の端綴じモード、シートの一端の2箇所を綴じる2箇所綴じモードを有している。そして、シフトローラ30は第1の端綴じモードと、2箇所綴じモードのとき、図3に示す奥側に設けられた整合部材32aにシートを突き当ててシートの幅方向を整合する。ここで奥側とは、図1に示す状態をシート処理装置Cの正面としたとき、正面から見て、シート処理装置Cに搬送されるシートの幅方向中心(幅方向とはシート排出方向と交差する方向と同じ)よりも奥の領域を指す。なお、画像形成装置本体Bは、シート処理装置Cに対して、シートを中央基準で搬送する。一方、シフトローラ30は、第2の端綴じモードのときには、手前側に設けられた整合部材32bにシートを突き当ててシートの幅方向を整合する。
【0029】
次に、このようなシートの後端及び幅方向の一端に対する整合動作が終了すると、アーム部材33が上方に回動し、シフトローラ30はシートの上面から離れた退避位置に移動する。この後、アーム部材33及びシフトローラ30は支軸33aに沿って処理トレイ14の幅方向略中央の初期位置(ホームポジション)に移動し、次のシートが処理トレイ14上に搬出されると、同様な整合動作を実行する。
【0030】
ステープル・グリッパ部13は、図2に示すように処理トレイ上で整合されたシート束をグリップして移動させるグリッパユニット40と、グリッパユニット40によりステープル処理位置まで移動されたシート束を綴じるステープラユニット41とを備えている。ここで、綴じられるシートの一端側を把持(保持)して移動するシート束搬送部であるグリッパユニット40は図3の矢印c及びd方向(シート排出方向及びシート排出方向と反対方向)に移動自在に構成されている。そして、グリッパユニット40は、シート束を排紙する際にはP3で示す排紙位置に、シート束の後端部をグリップする際には、後述する第4のガイドレール43dと一体にP1で示すグリップ位置に移動する。また、シート束にステープルを施す際には、第4のガイドレール43dと一体にGHPで示す、ステープラユニット41によるシート束に対するステープル処理が可能な綴じ処理可能位置であるステープル処理位置に移動する。
【0031】
さらに、グリッパユニット40は、シート束を2箇所綴じする際には、後述するステープラユニット41と連結するための連結位置であるユニット連結位置P2に移動する。なお、本実施の形態では、グリッパユニット40によるステープル処理位置GHPとグリッパユニット40のホームポジションとが同一位置となるように構成している。また、グリッパユニット40が移動する排紙位置P3と、グリッパユニット40が移動することでレール同士を連結させる後述するレール連結位置とが同一位置となるように構成している。なお、以降、便宜上、目的、機能動作に沿ってステープル処理位置とホームポジション、排紙位置P3とレール連結位置とを使用する。なお、図3におけるグリッパユニット40の位置はGHPを示している。
【0032】
綴じ部を構成するステープラユニット41は図3の矢印a、b方向(幅方向)に移動自在に構成されており、ホームポジションと、各綴じモードやシートサイズに応じて決定されるステープル位置に移動する。また、図3のSHPは、ステープラユニット41のステープル部分(センターライン)を示している。
【0033】
図4はグリッパユニット40の外観を示す側面図である。グリッパユニット40は、図5に示すように処理トレイ14上で整合されたシート束をグリップする一対のグリップアーム対44を備えた第1のグリッパユニット40aを有している。また、グリッパユニット40に備えられた第2のグリッパユニット40bは、第1のグリッパユニット40aをシート排出方向に平行にスライド可能に支持すると共に、グリップアーム対44によってシート束をグリップさせる駆動機構を有している。
【0034】
第1のグリッパユニット40aは、シート束の下面を支持する固定グリップアーム44aと、固定グリップアーム44aの上方に対向して設けられてシート束の上面を押圧する可動グリップアーム44bとで構成されたグリップアーム対44を備えている。固定グリップアーム44aは、図6に示すように平板状の第1のベース部材140に取り付けられており、この固定グリップアーム44aに可動グリップアーム44bが回動軸143を支点として上下方向に回動自在に取り付けられている。
【0035】
なお、回動軸143には付勢手段としてのコイルバネ144が設けられ、このコイルバネ144の両端は、固定グリップアーム44aと可動グリップアーム44bにそれぞれ架けられている。そして、このコイルバネ144の作用によって可動グリップアーム44bのグリップ部44dが固定グリップアーム44aのグリップ部44cに圧接するように付勢されてグリップアーム対44は閉じ状態となり、シートを把持するためのグリップ力が付与される。
【0036】
第2のグリッパユニット40bは、可動グリップアーム44bを固定グリップアーム44aから離れる方向に付勢する図6に示す駆動レバー142と、駆動レバー142を駆動する図4、図5に示すグリップモータGM1を備えている。なお、グリップモータGM1からの駆動は、図6に示す複数のギヤGZ1〜GZ8を介して駆動レバー142に伝達される。つまり、グリップアーム対44によってシート束をグリップさせる駆動機構は、駆動レバー142と、グリップモータGM1と、複数のギヤGZ1〜GZ8とにより構成される。また、駆動レバー142の位置は、駆動レバー142に一体に設けられた検出フラグ142bの位置をレバー検出センサGS1が検知することにより検出される。なお、本実施の形態において、グリップアーム対44が図6の(a)に示すように閉じ状態のとき、レバー検出センサGS1はONとなり、グリップアーム対44が図6の(b)に示すように開いた状態のとき、レバー検出センサGS1はOFFとなる。
【0037】
次に、シート束をグリップさせる駆動機構の動作について説明する。通常、グリップアーム対44は、コイルバネ114の作用により、図6の(a)に示すように閉じた状態となっている。グリップアーム対44を開いた状態にする場合は、グリップモータGM1を正回転(図4中反時計回り方向に回転)駆動する。そして、このグリップモータGM1の駆動は、複数のギヤGZ1〜GZ7を介して駆動レバー142に一体に形成された最終ギヤGZ8に伝達され、これにより駆動レバー142が軸142aを支点として可動グリップアーム44b側に回動する。この後、駆動レバー142の先端側が、回動軸143に対して可動グリップアーム44bのグリップ部44dと反対側に形成された当接部44eに当接し、当接部44eを下方に移動させる。
【0038】
この結果、可動グリップアーム44bのグリップ部44dが回動軸143を支点として上方に回動し、図6の(b)に示すように可動グリップアーム44bのグリップ部44dが固定グリップアーム44aのグリップ部44cから離間する。これにより、グリップアーム対44は閉じ状態から開いた状態となる。なお、この後、駆動レバー142に一体に設けられた検出フラグ142bをレバー検出センサGS1が検出しなくなった時点から所定時間が経過すると、グリップモータGM1を停止する。これにより、グリップアーム対44は、開いた状態で保持される。
【0039】
グリップアーム対44を閉じた状態にする場合は、グリップモータGM1を逆回転(時計回り方向に回転)駆動する。そして、このグリップモータGM1の逆回転駆動により、駆動レバー142の先端部が、軸142aを支点として可動グリップアーム44bの当接部44eから離れる方向に回動する。これに伴いコイルバネ144の作用により、可動グリップアーム44bの当接部44eが回動軸143を支点として反時計方向に回動し、駆動レバー142の先端部が可動グリップアーム44bの当接部44eから離間する。これにより、グリップアーム対44は図6の(a)に示すように閉じ状態となり、コイルバネ144の付勢力によってシートを把持するためのグリップ力が可動グリップアーム44bに付与される状態となる。なお、グリップモータGM1は、検出フラグ142bがレバー検出センサGS1により検出された時点で停止する。
【0040】
ここで、本実施の形態においては、図3に示すように、グリップアーム対44、グリップ力を付与するコイルバネ144及びグリップ力を解除する駆動レバー142を幅方向に、3つ(複数)設けている。そして、この3つのグリップアーム対44を、1つのグリップモータGM1で駆動するように構成している。なお、図3に示すように、3つのグリップアーム対44は所定の間隔で、図6に示すベース部材140に取り付けられ、3つの駆動レバー142は第2のベース部材141の側部に掛け渡されるように取り付けられた軸142aにそれぞれ取り付けられている。これにより、グリッパユニット40は、3つの駆動レバー142を同時に回転させることができると共に、シートの一端部の3箇所をグリップして搬送することができる。
【0041】
第1のグリッパユニット40aは、既述したように第2のグリッパユニット40bにより、シート排出方向に平行にスライド可能に支持されている。次に、第1のグリッパユニット40aの移動機構について説明する。図5に示すグリップアーム対44が取り付けられる第1のベース部材140は、幅方向の端部が下方に折り曲げている。そして、この第1のベース部材140の折り曲げ部140aの角部には第1のグリッパユニット40aを移動させるための移動ラックGR1が取り付けられている。また、第1のベース部材140の折り曲げ部140aにはスライド孔としての長孔140bが形成されている。
【0042】
この長孔140bには、移動ラックGR1に歯合するピニオンギヤGZ10の回転軸GZ10aが貫通されており、この回転軸GZ10aは第2のグリッパユニット40bの側板141aに回転支持されている。これにより、グリップモータGM1により、第2のグリッパユニット40bに設けられたピニオンギヤGZ10を回転させると、移動ラックGR1を介して第1のグリッパユニット40aが移動する。つまり、ピニオンギヤGZ10を回転させることにより、第1のグリッパユニット40aは、図5の(a)に示す初期位置と、図5の(b)に示すシートを排出する排出位置との間を移動する。
【0043】
なお、移動ラックGR1はシート排出方向下流側に向かって、下降するように構成されている。このように構成することにより、第1のグリッパユニット40aが上記初期位置に位置する場合、グリップアーム対44の上部を処理トレイ14上面より突出するように位置させることができる。また、第1のグリッパユニット40aが上記排出位置に位置する場合、グリップアーム対44の上部が処理トレイ14上面より下になるように位置させることができる。
【0044】
このように第1のグリッパユニット40aを移動するための駆動機構は、グリップモータGM1と、複数のグリッパギヤGZ1〜GZ5と、第5のグリッパギヤGZ5の回転軸上に設けられたグリッパギヤGZ9と、ピニオンギヤGZ10によって構成される。つまり、本実施の形態においては、既述したようにグリップアーム対40を開閉させる駆動源として、また第1のグリッパユニット40aを移動させる駆動源として、グリップモータGM1を用いている。
【0045】
なお、グリップモータGM1を共通の駆動源として使用するため、図6に示すグリップアーム対44を開閉させるための第7のグリッパギヤGZ7は、グリップモータGM1の駆動を伝達する領域と、伝達しない領域を形成した歯欠けギヤを採用している。また、第1のグリッパユニット40aを移動させるための第9のグリッパギヤGZ9としても、同様の歯欠けギヤを採用している。
【0046】
ここで、歯欠けギヤを用いた第7のグリッパギヤGZ7がその外周の一部の歯部を使ってグリップアーム対44を開閉するとき、第9のグリッパギヤGZ9の歯欠け部は後段のギヤに対向するように位置にあり、後段のギヤに駆動を伝達しない。一方、歯欠けギヤを用いた第9のグリッパギヤGZ9がその外周の一部の歯部を使って第1のグリッパユニット40aを移動させているとき、第7のグリッパギヤGZ7の歯欠け部が後段のギヤに対向する位置にあり、後段のギヤに駆動を伝達しない。このように歯欠けギヤを用いて駆動機構を構成することによって、グリップアーム対44の開閉動作と第1のグリッパユニット40aの移動を切り換えることが容易にできる。
【0047】
次に、グリッパユニット40をシート排出方向に移動させる構成について説明する。図4に示すように、グリッパユニット40は第2のベース部材141を備えており、この第2のベース部材141の下面には、幅方向に2つの摺動ピン145が設けられている。この摺動ピン145は、グリッパユニット40を幅方向に移動させるための第4のガイドレール43dの溝部に係合している。そして、この摺動ピン145を第4のガイドレール43dの溝部に対して係合してなる連結機構により、グリッパユニット40は第4のガイドレール43dに連結されている。なお、第4のガイドレール43dと上述の連結機構の詳細については後述する。
【0048】
第4のガイドレール43dの底面の所定の箇所には、グリッパユニット40及びステープラユニット41を支持する図7に示す基台42に形成されたシート排出方向に延びた長溝42aと係合する係合部90が下方に突設されている。長溝42aは、所定の間隔をあけて互いに平行となるように2本形成されている。また、係合部90は、グリッパユニット40に連結された第4のガイドレール43dの底面の所定箇所に、シート排出方向に延びるように互いに平行に2本設けられている(図7)。
【0049】
なお、この2本の長溝42aは、ステープラユニット41の移動を妨げない低い形状を有してグリッパユニット40を案内する溝状ガイドレールを構成している。そして、溝状ガイドレールとしての長溝42aは、グリッパユニット40を案内する第1の案内部を構成している。さらに、この係合部90の下面には、基台42の下面側に配置された板状部材151と連結するためのボス152が設けられており、このボス152と板状部材151の嵌合孔151aとが嵌合して第4のガイドレール43dは板状部材151と一体化されている。
【0050】
ここで、この板状部材151は、グリッパユニット40を移動させるための長溝42aに沿って設けられた無端ベルトGBに連結されている。これにより、無端ベルトGBを駆動すると、グリッパユニット40は、板状部材151、グリッパユニット40を支持する支持部材である第4のガイドレール43dと一体に長溝42aに沿って移動する。そして、このように第4のガイドレール43dを移動させることにより、グリッパユニット40を第2のスタックトレイ51にシートを排出する排出位置と、ステープラユニット41と連結する連結位置とに位置させることができる。
【0051】
なお、上記無端ベルトGBは、図7に示すグリッパモータGM2と、無端ベルトGBを懸架する一対のプーリGP1,GP2と、グリッパモータGM2の駆動を無端ベルトGBに伝達する複数のギヤGZ11〜GZ13により駆動される。つまり、本実施の形態では、シートのステープル処理が施される一端と交差するシート排出方向にグリッパユニット40を移動させるための第2の移動機構(駆動機構)は、以下の構成からなる。即ち、この第2の移動機構は、グリッパモータGM2と、無端ベルトGBと、一対のプーリGP1,GP2と、複数のギヤGZ11〜GZ13から構成される。
【0052】
次に、綴じ装置であるステープラユニット41について説明する。ステープラユニット41は、ステープルヘッドとアンビルブロックが組込まれ、針状のステープルをコ字状に折り曲げてシート束に圧入し、その先端をアンビルブロックで折り曲げてシート束を綴じる。本実施の形態では、基端を互いに軸承した上下レバー部材の一方にヘッドブロックを他方にアンビルブロックを取付け、この上下レバー部材を駆動カム部材によって離間位置から圧接位置に往復動させる構成の一般的なステープラユニットを採用している。また、本実施の形態において、ステープラユニット41は、設定されたモードに応じて、シートの幅方向の一端側を綴じる位置、一端側と反対の他端側を綴じる位置、シートの一端部の2箇所(複数個所)を綴じる位置に移動可能になっている。
【0053】
図8はステープラユニット41を移動させるための構成を説明する図である。ステープラユニット41は、ベース部材120上に取り付けられており、このベース部材120にはステープラユニット41の移動を補助するための3つのコロ121が設けられている。また、このベース部材120には、後述するガイドレール部Rに係合してガイドレール部Rに沿ってステープラユニット41を移動させるための3つのボス122a〜122cが設けられている。
【0054】
さらに、ベース部材120には、3つのボス122a〜122cよりもシート排出方向上流側に一列で配置され、グリッパユニット40とステープラユニット41を連結して移動させる際に用いる2つのボス122d,122eが設けられている。さらに、ベース部材120の下面側には、ステープラユニット41を移動させるための無端ベルトSB2に連結する連結部材123が設けられている。
【0055】
この連結部材123にはステープラユニット41の移動を補助するための2つのコロ124と長孔123aが設けられている。そして、この連結部材123の長孔123aにベース部材120の下面に設けられたボス125が貫通されている。なお、この長孔123aはシート排出方向と平行な方向に延びた長孔であり、ボス125は長孔123aに沿ってシート排出方向と平行な方向に移動可能に構成されている。
【0056】
ステープラユニット41を移動させるための移動機構である駆動機構は、ステープルモータSMと、ステープルモータSMの駆動軸に取り付けられたギヤSG1と、ギヤSG1と歯合するギヤSG2とを備えている。さらに、ギヤSG2の回転軸に取り付けられたプーリSP1と、プーリSP1と対をなしてタイミングベルトSB1が張架されるプーリSP2とを備えている。また、プーリSP2の回転軸上に設けられて無端ベルトSB2を張架するプーリSP3と、プーリSP3と対をなして無端ベルトSB2を張架するプーリSP4とを備えている。なお、ステープルモータSM、タイミングベルトSB1、無端ベルトSB2、ベース部材120、ギヤSG1,SG2、プーリSP1〜SP4により、シートのステープル処理が施される一端に沿ってステープラユニット41を移動させる第1の移動機構が構成される。
【0057】
なお、グリッパユニット40が移動する基台42上には、ステープラユニット41を幅方向に移動させるためのガイドレール部Rが設けられている。このガイドレール部Rは最大シートの幅よりも長く形成されており、ステープラユニット41をガイドレール部Rに沿って移動させることにより、シートの一端側の所定の位置にステープル処理を施すことが可能となる。
【0058】
このように構成された駆動機構において、ステープルモータSMの駆動がタイミングベルトSB1を介して無端ベルトSB2に伝達されて無端ベルトSB2が回転し、この無端ベルトSB2の回転によって連結部材123が移動する。そして、このように連結部材123が移動すると、ボス125を介してベース部材120及びベース部材120に取り付けられたステープラユニット41がガイドレール部Rに沿って移動する。
【0059】
本実施の形態では、既述したように、シートの両端の何れか一方をその対応する綴じ位置(第1、第2の綴じ位置)で綴じる端綴じ処理と、シートの一端の幅方向に対して、その略中央部の2箇所にステープル処理を施す2箇所綴じ処理が可能に構成されている。そして、ガイドレール部Rの構成を端綴じ処理の場合と2箇所綴じ処理の場合とで異なる構成としている。
【0060】
具体的に説明すると、端綴じ処理の場合のガイドレール部Rは、幅方向に第1〜第3のガイドレール43a〜43cの3つに分割されている。これら3つのガイドレール43a〜43cのうちの中央に位置する第1のガイドレール43aは、図4に示すようにグリッパユニット40の底部の後部(シート排出方向上流側)に固定されている。また、第1のガイドレール43aに対して両側に位置する第2及び第3のガイドレール43b,43cは、それぞれ基台42上に固定されている。
【0061】
ここで、第1のガイドレール43aは、グリッパユニット40がステープラユニット41の移動を邪魔しない所定の退避位置に位置するとき、第2及び第3のガイドレール43b,43cと一列(一直線状)となるように設けられている。また、既述したように、ステープラユニット41を支持するベース部材120の前側底部(シート排出方向上流側の底部)には、ガイドレール部Rに沿ってステープラユニット41を移動させるためのボス(突起部)122a〜122cが取り付けられている。そして、このように第1〜第3のガイドレール43a〜43cが一列となると、ステープラユニット41に一列で配置された3つのボス122a〜122cが第1〜第3のガイドレール43a〜43cに係合し、ステープラユニット41が幅方向に移動する。
【0062】
この構成によれば、シートの端部を綴じるためにステープラユニット41がグリッパユニット40を挟んで反対側に移動するとき、グリッパユニット40はステープラユニット41の移動を邪魔しない退避位置に移動している。このため、ステープラユニット41の幅方向への移動を妨げることがなくなる。したがって、シートが処理トレイ14に搬送される前に、ステープラユニット41をステープル処理されるシート角部側に予め移動させることが可能となる。また、グリッパユニット40はシートの幅方向の略中央部を把持するように配置されているので、ステープラユニット41を予めシートの角部側に移動させておくことによって、ステープラユニット41がグリッパユニット40の移動の妨げとなることもない。
【0063】
ここで、第1のガイドレール43aに対して両側に位置する第2及び第3のガイドレール43b,43cは、それぞれ第1のガイドレール43aの側方に位置する揺動軸110,111によって揺動可能に基台42上に取り付けられている。これにより、ステープラユニット41により端綴じ処理を施す場合、ステープラユニット41を第2及び第3のガイドレール43b,43cと一体的に略45°傾けることができ、シートの端部(角部)にステープル処理を施すことができる。なお、揺動軸110,111は、ベース部材120の下面に設けられたボス125に対し、シート排出方向下流側に配置されている。
【0064】
次に、このようにステープラユニット41を略45°傾ける構成について説明する。なお、第2のガイドレール43b側の端部を綴じるための構成と第3のガイドレール43c側の端部を綴じるための構成はその左右が対象の同一な構成であるため、便宜上ここでは第2のガイドレール43b側の構成についてのみ説明する。
【0065】
図8に示すように、第2のガイドレール43bの揺動軸110の内側の箇所と基台42との間には引っ張りバネ114が設けられており、この引っ張りバネ114の作用により第2のガイドレール43bは図中時計回り方向に常時付勢されている。ここでいう内側、とは、比較対象物とシート処理装置Cに搬送されるシートの幅方向中心(幅方向とはシート排出方向と交差する方向と同じ)との間の領域を示す。そして、基台42の揺動軸110よりも内側には引っ張りバネ114によって常時付勢されている第2のガイドレール43bを規制する規制部材112が設けられている。この規制部材112によって第2のガイドレール43bは、シート排出方向と交差する第1の位置に保持され、グリッパユニット40に取り付けられた第1のガイドレール43aと連続したガイドレール部Rを形成する。なお、第3のガイドレール43c側では、引っ張りバネ115及び規制部材113が上記と同様に機能する。
【0066】
ここで、無端ベルトSB2を駆動し、第2のガイドレール43bに沿ってステープラユニット41を外側に向かって移動させると、第2のガイドレール43bに係合したベース部材120のボス122cが第2のガイドレール43bの端部に突き当たる。ここでいう外側に移動する、とは、シート処理装置Cに搬送されるシートの幅方向中心(幅方向とはシート排出方向と交差する方向と同じ)から離れる方向に移動する、ということである。これにより、ステープラユニット41の幅方向の移動が規制される。この状態でさらに無端ベルトSB2を駆動すると、無端ベルトSB2に固着された連結部材123が無端ベルトSB2の駆動に伴って移動し、これに伴いベース部材120のボス125が外側に向けて引っ張られる。
【0067】
このとき、ベース部材120は第2のガイドレール43bの端部によって幅方向の移動が規制されている。上述したように、揺動軸110は、ボス125に対し、シート排出方向下流側に配置されている。このため、ボス125が引っ張られると、図9に示すように、係合片であるボス125を連結部材123の長孔123aに沿ってシート排出方向に移動させながら、ベース部材120とステープラユニット41が揺動軸110を支点にして一体で回転する。さらに、この際、ベース部材120とステープラユニット41は、第2のガイドレール43bを引っ張りバネ114に抗して揺動軸110を支点として反時計方向に回転させる。これにより、第2のガイドレール43bは、ステープラユニット41と一体的にシートの一端に対して傾斜した第2の位置に移動し、これに伴いステープラユニット41は傾斜し、シートの一端の角部に対して斜め綴じを行うことができる。
【0068】
このように、本実施の形態においては、連結部材123と、ベース部材120に設けられたボス125とにより、ステープラユニット41を、シートの一端の端部に対して傾斜した位置に移動させる傾斜機構123Aが構成される。そして、この傾斜機構123Aにより、第2のガイドレール43bの端部に突き当たった後、ステープラユニット41を第2のガイドレール43bと一体的に第2の位置に移動させることができる。
【0069】
一方、グリッパユニット40は基台42の幅方向の中央部に位置しているため、2箇所綴じを施す場合、ステープラユニット41はグリッパユニット40に対し幅方向において重なるようになる。このため、グリッパユニット40が邪魔になり、ステープラユニット41は、そのままでは2箇所綴じを行うことができない。そこで、本実施の形態においては、2箇所綴じを施す場合、グリッパユニット40を、ステープラユニット41による2箇所綴じの妨げにならない位置に移動させるようにしている。具体的には、ステープラユニット41が2箇所綴じを施す位置に移動する際、ステープラユニット41と一体的にグリッパユニット40を幅方向に移動させるようにしている。
【0070】
ここで、このようにステープラユニット41と一体的にグリッパユニット40を幅方向に移動させるため、2箇所綴じを施す際は、まずグリッパユニット40を既述した図3に示すユニット連結位置P2に移動させる。なお、このようにグリッパユニット40が移動したとき、図4に示すグリッパユニット40の底面に取り付けられている第4のガイドレール43dが、図7に示す、第2及び第3のガイドレール43b,43cよりもシート排出方向上流側に移動する。なお、この位置は、3つのボス122a〜122cよりもシート排出方向上流側に一列で配置された2つのボス122d,122eに対応する位置である。
【0071】
これにより、ステープラユニット41とグリッパユニット40を連結した場合、ステープラユニット41は2つのボス122d,122eを第4のガイドレール43dに係合させながらグリッパユニット40と共に幅方向に移動することが可能になる。つまり、グリッパユニット40をユニット連結位置P2に移動させると、第2〜第4のガイドレール43b〜43dにより、案内部であるガイドレール部Rが形成される。そして、グリッパユニット40と連結したステープラユニット41が移動すると、ステープラユニット41と連結したグリッパユニット40は、第4のガイドレール43dに支持されながらステープラユニット41の移動方向と同一方向へ移動する。
【0072】
なお、このように構成した場合、2箇所綴じを施す際、ステープラユニット41が第2のガイドレール側から第3のガイドレール側に移動する場合、まずステープラユニット41は第2のガイドレール43bにボス122a〜122cが係合して移動する。次に、ステープラユニット41のボス122aが第2のガイドレール43bから外れると、ステープラユニット41のボス122dが、グリッパユニット40の移動に伴い、図7に示す位置に移動した第4のガイドレール43dと係合する。
【0073】
この結果、ステープラユニット41はその移動に伴って第2のガイドレール43bから第4のガイドレール43dに引き継がれて保持される。また、ステープラユニット41のボス122dが第4のガイドレール43bから外れると、ステープラユニット41のボス122aが今度は第3のガイドレール43cと係合する。なお、ステープラユニット41と連結して移動する際に、グリッパユニット40は第4のガイドレール43dから外れるが、グリッパユニット40はステープラユニット41に対して幅方向及びシート排出方向に移動することが無いように固定連結されている。これにより、グリッパユニット40は支障なくステープラユニット41の移動に追従して移動する。
【0074】
図10及び図11は、このようなグリッパユニット40とステープラユニット41とを連結させる連結部を構成するユニット連結機構を説明する図である。図10及び図11に示すように、ユニット連結機構は、ステープラユニット41とグリッパユニット40とをシート排出方向において連結する第1の連結機構である第1のユニット連結機構60aを備えている。また、ステープラユニット41とグリッパユニット40とを幅方向において連結する第2の連結機構である第2のユニット連結機構60bを備えている。
【0075】
第1のユニット連結機構60aは、図8にも示すステープラユニット41のベース部材120に取り付けられた係合部材129と、グリッパユニット40の第2のベース部材141の側部に軸支された連結アーム部材132とを備えている。また、第1のユニット連結機構60aは、グリップアーム対40を開閉させるための駆動レバー142の軸142aに設けられた作動部材131を備えている。そして、連結アーム部材132はその一端に係合部材129の溝部129aに係合する係合ピン132aが形成され、また他端には作動部材131のスリット131aに嵌合される作動ピン132bが形成されている。
【0076】
ここで、グリッパユニット40がユニット連結位置P2に移動する際、グリッパユニット40は、図10の(a)に示すように連結アーム部材132の係合ピン132aが上方の退避位置にある状態で矢印方向に移動する。なお、このときステープラユニット41は、グリッパユニット40との連結が可能な位置に移動、待機している。そして、グリッパユニット40が、第4のガイドレール43dが第2及び第3のガイドレール43b,43cよりもシート排出方向上流側となる連結位置に到着すると、グリッパモータGM2を駆動し、作動部材131を時計回り方向に回動させる。
【0077】
これにより、作動部材131のスリット131aに嵌合される作動ピン132bが上方に持ち上げられ、連結アーム部材132はその軸を支点として反時計回り方向に回転する。これに伴って連結アーム部材132の係合ピン132aが、図10の(b)に示すように、グリッパユニット40との連結が可能な位置に移動、待機しているステープラユニット41の係合部材129の溝部129aに係合する。これにより、グリッパユニット40とステープラユニット41とをグリッパユニット40の移動方向において連結することができる。
【0078】
また、第2のユニット連結機構60bは、第2のベース部材141の下面に取り付けられた連結部材91を備えており、この連結部材91の幅方向端部側には、2つの突起133が形成されている。この連結部材91の突起133は、ユニット連結位置P2にグリッパユニット40を移動することで、図10の(b)及び図11の(b)に示すように係合部材129の下面側に形成された不図示の溝部に進入するように構成されている。これにより、ステープラユニット41とグリッパユニット40は幅方向、すなわちステープラユニット41の移動方向において連結し、一体で幅方向に移動する。なお、本実施の形態においては、連結部材91と第1のガイドレール43aを樹脂により一体で形成している。
【0079】
ここで、グリッパーユニット40をステープラユニット41と連結して幅方向に移動させるためには、グリッパユニット40と第4のガイドレール43dとを切り離さなければならない。これは、第4のガイドレール43dをステープラユニット41が移動するためのレールとして用いるためである。また、グリッパユニット40とグリッパモータGM2との駆動連結を解除する必要がある。このため、本実施の形態においては、既述したように第4のガイドレール43dは板状部材151と一体化され、板状部材151はグリッパモータGM2によって駆動される無端ベルトGBに連結されている。また、第4のガイドレール43dとグリッパユニット40は連結・解除するように構成されている。これにより、グリッパユニット40と第4のガイドレール43dの連結・解除と、グリッパユニット40とグリッパモータGM2との駆動の連結・解除を同時に1つの機構を用いて行うことができる。
【0080】
次に、このようなグリッパユニット40と第4のガイドレール43dとを連結する連結機構60cについて図11を用いて説明する。この連結機構60cは、第2のベース部材141の上面に設けられた第1の揺動軸161に取り付けられた揺動レバー162と、第1の揺動軸161に取り付けられて揺動レバー162の揺動動作に伴って揺動する揺動部材163を備えている。また、連結機構60cは、第2のベース部材141の上面に設けられた第2の揺動軸164に取り付けられて揺動部材163のスリット163aに係合するピン165aが形成された第1の作動部材165を備えている。また、連結機構60cは、揺動レバー162に形成されたピン162aに嵌合する孔が一端側に形成されたリンク部材166を備えている。さらに、連結機構60cは、第3の揺動軸167に取り付けられてリンク部材166の他端側に形成された孔に嵌合するピン168aが形成された第2の作動部材168を備えている。
【0081】
そして、第1の作動部材165には第2のベース部材141の上面から下面側に向かって延設された円柱状の第1の作動ピン165bと、第1の作動ピン165bの延設側の先端に形成された第1の作動片165cが設けられている。第1の作動ピン165bは第1の作動部材165の揺動によって第4のガイドレール43dの溝を形成する凸部の側面に形成された湾曲部97aに嵌合する。これにより、第2のベース部材141の底面に設けられて第4のガイドレール43dの溝に係合した摺動ピン145との間で第4のガイドレール43dの凸部を挟み込む。また、第1の作動片165cは第1の作動部材165の揺動によって第4のガイドレール43dの凸部の下面に移動し、第2のベース部材141の下面との間で第4のガイドレール43dの凸部を挟み込む。
【0082】
第2の作動部材168には、第2のベース部材141の上面から下面側に向かって延設された円柱状の第2の作動ピン168bと、第2の作動ピン168bの延設側の先端に形成された第2の作動片168cとが形成されている。そして、第1の作動ピン168bは第2の作動部材168の揺動によって第4のガイドレール43dの凸部の側面に形成された湾曲部97bに嵌合し、第2の作動片168cは第4のガイドレール43dの凸部の下面に移動する。これにより、第2の作動ピン168bは摺動ピン145との間で第4のガイドレール43dの凸部を挟み、また第2の作動片168cはベース部材141の底面との間で第4のガイドレール43dの凸部を挟む。
【0083】
なお、第2の作動部材168と第2のベース部材141との間には、第3の揺動軸167を支点として第2の作動部材168を図中時計回り方向に回転付勢する引っ張りバネ169が設けられている。また、95、96は、第1、第2の作動ピン165b、168bが移動するための第2のベース部材141に形成された開口である。
【0084】
このような構成によって、連結位置にグリッパユニット40が移動到着する前の状態においては、図11の(a)に示すように引っ張りバネ169の作用により第2の作動部材168は時計回り方向に回転する。これにより、第2の作動ピン168bが第4のガイドレール43dの凸部の側面の湾曲部97bに嵌合し、第2の作動片168cは凸部の下面の下方に移動する。また、第2の作動部材168の時計回り方向の回転は、リンク部材166を介して揺動レバー162に伝達され、揺動レバー162を時計回り方向に回転させる。さらにこの揺動レバー162の回転によって揺動部材163が時計回り方向に回転し、揺動部材163によって第1の作動部材165が反時計回り方向に回転する。これにより、第1の作動ピン165bが第4のガイドレールの凸部の側面の湾曲部97aに嵌合し、第2の作動片168cは凸部の下面の下方に移動する。
【0085】
一方、連結位置にグリッパユニット40が到着すると、揺動レバー162は、先端がステープラユニット41側の係合部材129に当接し、引っ張りバネ169の作用に抗して反時計回り方向に回転する。この回転動作によって揺動部材163が反時計回り方向に回転し、第1の作動部材165が時計回り方向に回転する。これにより、図10の(b)に示すように第1の作動ピン165bがレール43dの凸部の湾曲部97aから離間し、第1の作動片165cがレール43dの凸部の下面から退避した位置に移動する。また、揺動レバー162が反時計回り方向に回転すると、その回転はリンク部材166を介して第2の作動部材168に伝達され、第2の作動部材168は時計回り方向に回転する。これにより、第2の作動ピン168bがレール43dの凸部の湾曲部97bから離間し、第2の作動片168cがレール43dの凸部の下面から退避した位置に移動する。
【0086】
このように、本実施の形態においては、連結位置にグリッパユニット40が移動到着する前は、第2のベース部材141の摺動ピン145と第1及び第2の作動ピン165b,168bとの間で第4のガイドレール43dの凸部の側方を挟持している。また、第2のベース部材141の下面と第1及び第2の作動片165c,168cとで第4のガイドレール43dの凸部の上下方向を挟持している。これにより、グリッパユニット40と第4のガイドレール43dとを連結している。
【0087】
一方、グリッパユニット40をステープラユニット41との連結位置に移動させると、揺動レバー162が係合部材129に突き当たり、これにより揺動レバー162が揺動する。そして、この揺動レバー162の揺動によって第1及び第2の作動ピン165b,168bを第4のガイドレール43dの凸部の側部から離間させる。また、第1及び第2の作動片165c,168cを第4のガイドレール43dの凸部の下面から退避した位置に移動させる。これにより、グリッパユニット40と第4のガイドレール43dとの連結が解除され、この解除動作によってグリッパユニット40は幅方向に移動することが可能となる。
【0088】
図12は、シート処理装置Cの制御ブロック図である。シート処理装置Cを制御する制御部であるCPU80には、グリップモータGM1、グリッパモータGM2及びステープルモータSMが接続されている。また、CPU80はレバー検知センサGS1の検知信号を受け取るように、レバー検知センサGS1と接続されている。また、CPU80は内部にROMを有している。ROMには後述する図13〜図21、図23〜図25に示す制御手順に対応するプログラム等が格納されている。CPU80はこのプログラムを読み出しながら各モータの制御を行う。
【0089】
また、CPU80はシリアルインターフェイス部(I/O)を備えており、画像形成装置本体Bとの制御データの授受を行う。さらに、シリアルインターフェイス部(I/O)を介して画像形成装置本体B(の制御部)から送られてくる制御データに基づいて各部の制御を行うようにしている。
【0090】
図12において、81はシートの枚数、サイズ及び厚さ(坪量)のうちの少なくとも一つのシート情報を入力する入力部である操作部である。そして、CPU80は、後述するように1箇所目と2箇所目のステープル位置とが異なる場合には、次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送するよう、この操作部81からのシート情報に基づいてグリッパユニット40を制御する。なお、本実施の形態においては、CPU80はシート処理装置Cに設けているが、CPU80を画像形成装置本体Bに設けるようにしてもよく、また制御部GによりCPU80を介してシート処理装置Cを制御するようにしても良い。
【0091】
次に、シート処理装置Cのステープル動作について説明する。なお、本実施の形態においては、このステープル動作はシート処理装置Cに設けられているCPU80により行う。図13は、シート処理装置Cのステープル動作の主な流れを示すメイン動作フローチャートであり、この動作フローチャートに基づきステープル動作について説明する。
【0092】
シート処理装置Cは、画像形成装置本体Bからシートサイズや綴じモードなどの情報を受信すると、先ずステープル動作を実行するための初期動作を実行する(ST1)。なお、この初期動作では、滞留シートの有無、ステープラユニット41やグリッパユニット40の位置、シフトローラ30とストッパ部材31の状態等を検出し、残留シートがあれば画像形成装置本体Bにエラー情報を送信する。また、ステープラユニット41、グリッパユニット40、シフトローラ30、ストッパ部材31等がホームポジションや初期位置になければ、ホームポジションや初期位置に移動するように制御する。
【0093】
また、この初期動作では、綴じモードに応じてステープラユニット41を所定の綴じ処理位置に予め移動するステープル前処理を実行する。次に、このステープル前処理について、図14の動作フローチャートに基づいて説明する。ステープル前処理を行う場合は、まず、画像形成装置本体Bからの綴じモード情報により綴じモードが端綴じモードであるかを判断する(ST20)。そして、端綴じモードである場合は(ST20のY)、次に端綴じモードが第1の端綴じモード、すなわちシート処理装置Cの奥側に位置するシートの角部を綴じる端綴じモードであるかを判断する(ST21)。ここで、綴じモードが第1の端綴じモードの場合は(ST21のY)、ステープルモータSMを逆回転駆動させる(ST22)。
【0094】
これにより、ホームポジションSHPにあるステープラユニット41は、図3の点線で示す矢印b方向(装置奥側方向)に移動する。そして、ステープラユニット41が約45°傾いた第1のステープル位置に到着すると(ST23のY)、ステープルモータSMを停止する(ST24)。これにより、ステープラユニット41はシートが処理トレイ14上に搬出される前に第1のステープル位置に移動し、位置決めされる。
【0095】
綴じモードが第2の端綴じモード、すなわちシート処理装置の手前側に位置するシートの角部を綴じるモードの場合は(ST21のN)、グリッパモータGM2を逆回転駆動させ(ST25)、グリッパユニット40を図3の点線で示す矢印d方向に移動させる。そして、グリッパユニット40がレール連結位置(排紙位置)P3に到着したならば(ST26のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST27)。これにより、第1のガイドレール43aが第2、第3のガイドレール43b、43cと連続したガイドレール部Rを形成し、ステープラユニット41が幅方向に移動可能となる。
【0096】
そして、グリッパユニット40がレール連結位置P3に到着した後、ステープルモータSMを正回転駆動し(ST28)、ステープラユニット41をホームポジションSHPから図3の実線で示す矢印a方向(装置手前方向)に移動させる。そして、ステープラユニット41が装置手前側の約45°傾いた第2のステープル位置に到着すると(ST29のY)、ステープルモータSMを停止する(ST30)。これにより、ステープラユニット41はシートが処理トレイ14上に搬出される前に第2のステープル位置に移動し、位置決めされる。さらに、このようにステープラユニット41をステープル位置に位置決めすると、グリッパモータGM2を正回転駆動させ(ST31)、グリッパユニット40をホームポジションに戻す。そして、グリッパユニット40がホームポジションに到着すると(ST32のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST33)。
【0097】
このように、シートが処理トレイ14上に到着する前にステープラユニット41を綴じモードに応じたステープル位置に移動させることにより、シート束が処理位置に搬送された時点で直ちにステープル処理を施すことができる。これにより、小型化された装置であってもステープル処理時間を短縮することが容易となる。
【0098】
次に、このような初期動作が完了すると、図13に示すように搬送ローラ21、排出ローラ22を駆動し(ST2)、処理トレイ14上にシートを排出する。そして、この後、シート整合処理を実行する(ST3)。次に、このシート整合処理について、図15の動作フローチャートに基づいて説明する。シート整合処理を行う場合は、シートが処理トレイ14上に排出されると、シフトローラ30を下降させ(ST40)、シート上面に接触させる。次に、シフトローラ30を回転駆動し(ST41)、シートをストッパ部材31に向けて搬送し、この後、シフトローラ30を所定のストッパ突き当て量だけ駆動する。
【0099】
そして、シフトローラ30をストッパ突き当て量だけ駆動すると(ST42のY)、シートが整合位置に移動しているストッパ部材31に突き当たり、シートがストッパ部材31に突き当たると、シフトローラ30の回転を停止する(ST43)。これにより、シートの後端位置が整合される。なお、ストッパ突き当て量は排出されたシートの後端をストッパ部材31に突き当てるために予め設定されたシフトローラ30によるシート搬送量に相当する。実際には、シフトローラ30を回転させる不図示の給送モータの駆動パルスをカウントして駆動量を計測している。
【0100】
次に、シート後端がストッパ部材31に突き当たって停止すると、シフトローラ30は綴じモードに応じてスライド方向を選択して移動する。つまり、綴じモードが第2の端綴じモードである場合は(ST44のY)、シフトローラ30をシート処理装置の手前側に向かってスライド移動させる(ST45)。このとき、シフトローラ30の外周面は高摩擦部材で構成されているのでシフトローラ30が接触したシートもシフトローラ30の移動に伴って装置手前側の第2の整合部材32bに向かってスライド搬送される。
【0101】
次に、シフトローラ30を、シートの端部が第2の整合部材32bに突き当たる突き当て量だけ移動させると(ST46のY)、シフトローラ30のスライド動作を停止させる(ST47)。この後、シフトローラ30を上昇させ(ST48)、シフトローラ30をホームポジションに向けて装置の奥側方向にスライド移動する(ST49)。そして、シートの幅方向中央のホームポジションにシフトローラ30が到着すると(ST55のY)、シフトローラ30のスライドを停止する(ST56)。
【0102】
一方、第2の端綴じモード以外、すなわち綴じモードが第1の端綴じモード或いは2箇所綴じモードである場合は(ST44のN)、シフトローラ30を装置の奥側に向けてスライド移動させる(ST50)。次に、シフトローラ30を、シートの端部が第1の整合部材32aに突き当たる突き当て量だけ移動させると(ST51のY)、シフトローラ30のスライドを停止させる(ST52)。この後、シフトローラ30を上昇させ(ST53)、シフトローラ30をホームポジションに向けて装置の手前側にスライド移動する(ST54)。そして、ホームポジション位置にシフトローラ30が到着すると(ST55のY)、シフトローラ30のスライドを停止する(ST56)。
【0103】
次に、このようなシート整合処理が完了すると、画像形成装置本体Bからのシート情報により、図13に示すように整合されたシートがシート束の最終シートか否かを判断する(ST4)。そして、最終シートでなければ(ST4のN)、後続シートが処理トレイ上に排出されるまで待機し、以降シート束の最終シートを整合するまで、シート整合処理を1枚毎に繰り返す。全てのシートの整合処理が完了すると、すなわち整合されたシートがシート束の最終シートの場合は(ST4のY)、グリッパユニット40によってシート束をステープル処理位置まで搬送するグリップ搬送処理を実行する(ST5)。
【0104】
次に、このグリップ搬送処理について、図16の動作フローチャートに基づいて説明する。グリップ搬送処理を行う場合は、まずグリップモータGM1を正転駆動する(ST60)。次に、レバー検出センサGS1がOFF、すなわちレバー検出センサGS1が検出フラグ142bの通過を検出すると(ST61のY)、所定量駆動させた時点でグリップモータGM1を停止する(ST62)。これにより、既述した図6の(b)に示すように可動グリップアーム44bが固定グリップアーム44aから離れ、グリップアーム対44は開状態となる。
【0105】
その状態で、グリッパモータGM2を逆転駆動し(ST63)、グリッパユニット40がシート整合処理で整合されたシート束をグリップするシートグリップ位置に向かわせる。そして、グリッパユニット40がシートグリップ位置に到着すると(ST64のY)、
グリッパモータGM2を停止する(ST65)。次に、グリップモータGM1を逆転駆動し(ST66)、レバー検出センサGS1がON、すなわちレバー検出センサGS1が検出フラグ142bを検出すると(ST67のY)、駆動レバー142を所定量回転させる。そして、駆動レバー142を所定量回転させると(ST68のY)、その時点でグリップモータGM1を停止する(ST69)。これにより、コイルバネ144の作用により可動グリップアーム44bが固定グリップアーム44a側に付勢され、図6の(a)に示すようにグリッパユニット40がシート束をグリップする状態となり、シート束がグリップされる。
【0106】
次に、ストッパ部材31を退避位置に移動する(ST70)。これにより、シート束をグリップした状態でグリッパユニット40は、ステープル処理位置GHP方向に移動が可能となる。次に、グリッパモータGM2を正転駆動し(ST71)、グリッパユニット40を、シート束をグリップした状態で図3の実線で示される矢印c方向に移動させる。そして、この後、シート束をグリップしたグリッパユニット40がステープル処理位置GHPに到着すると(ST72のY)、グリッパモータGM2を停止し(ST73)、グリッパユニット40をステープル処理位置GHPに位置決めする。
【0107】
次に、グリップモータGM1を正転駆動する(ST74)。そして、レバー検出センサGS1がOFFとなると(ST75のY)、グリップモータGM1を所定量駆動して停止する(ST76)。これにより、駆動レバー142が可動グリップアーム44bの当接部44eから離れる位置に回転してグリップアーム対44が開状態となり、シート束のグリップが解除される。
【0108】
次に、このようなグリップ搬送処理が完了すると、図13に示すように、シート束の所定の位置にステープル処理を施すためのステープル処理を実行する(ST6)。次に、このステープル処理について、図17の動作フローチャートに基づいて説明する。ステープル処理を行う場合は、まず、綴じモードが端綴じモードか否かを判断する(ST80)。このとき、端綴じモードであれば(ST80のY)、ステップ1(ST1)のステープル前処理(初期動作)において、ステープラユニット41は既に第1のステープル位置、または第2のステープル位置のいずれかに綴じモードに応じて移動している。したがって、その状態でステープラユニット41を作動させ(ST81)、シート束にステープルを施す。
【0109】
一方、綴じモードが端綴じモードでなく(ST80のN)、2箇所綴じモードの場合、先ずグリッパユニット40とステープラユニット41とを連結するユニット連結処理を実行する(ST83)。これにより、ステープラユニット41の移動に連動してグリッパユニット40も幅方向に移動することが可能となる。この後、2箇所綴じ処理を行うためにステープルモータSMを正転駆動し(ST84)、ステープラユニット41が1箇所目のステープル位置に到着すると(ST85のY)、ステープルモータSMを停止する(ST86)。そして、ステープラユニット41を作動させ(ST87)、最初の綴じ動作である1箇所目のステープル動作を行う。
【0110】
次に、このようにして1箇所目のステープル動作が実行されると、この後、2箇所目のステープル動作を行うが、この前に、2箇所目のステープル位置の調整を行う必要があるかを、予め設定された調整値に基づいて判断する(ST88)。なお、この調整値については、後述する。そして、調整値に基づいて2箇所目のステープル位置の調整が必要と判断した場合には(ST88のY)、一度、グリッパユニット40との連結を解除する。そして、グリッパユニット40を駆動し、シート搬送方向に対するシートの位置を調整することにより、ステープル位置を調整する(ST89)。
【0111】
この後、再度グリッパユニット40と連結するユニット連結処理を実行した後、ステープルモータSMを正転駆動し(ST90)、ステープラユニット41を2箇所目のステープル位置に移動させる。そして、ステープラユニット41が2箇所目のステープル位置に到着すると(ST91のY)、ステープルモータSMを停止し(ST92)、この後、ステープラユニット41を作動させ(ST93)、2箇所目のステープル動作を行う。ステープラユニット41によってシート束の2箇所にステープル処理が完了すると、グリッパユニット40とステープラユニット41の連結を解除するユニット連結解除処理が実行される(ST94)。なお、上記の1箇所目のステープル位置と2箇所目のステープル位置は、シートサイズに対応して予め設定された位置であり、画像形成装置本体Bからのシートサイズ情報に応じて予め記憶された値を設定し、この値に基づきステープラユニット41が制御される。
【0112】
ここで、このユニット連結処理及びユニット連結解除処理について、図18、図19の動作フローチャートに基づいて説明する。ユニット連結処理を行う場合は、図18の動作フローチャートに示すように、まずグリッパモータGM2を正転駆動し(ST100)、ステープル処理位置GHPにあるグリッパユニット40をユニット連結位置P2に向けて移動させる。なお、このときステープラユニット41は、グリッパユニット40との連結が可能な位置に移動、待機している。そして、グリッパユニット40がユニット連結位置P2に移動すると(ST101のY)、図10の(b)及び図11の(b)に示すように連結部材91の突起133が、ステープラユニット41の係合部材129の下面側に形成された不図示の溝部に進入する。これにより、ステープラユニット41とグリッパユニット40は幅方向に対して連結し、一体で幅方向に移動可能となる。また、グリッパユニット40の揺動レバー162の先端がステープラユニット41側の係合部材129に当接し、図11の(b)に示すようにグリッパユニット40と第4のガイドレール43dが切り離され、グリッパユニット40が幅方向に自由に移動可能となる。
【0113】
次に、このようにステープラユニット41とグリッパユニット40を幅方向に対して連結した後、グリッパモータGM2を停止し(ST102)、グリッパユニット40をユニット連結位置P2で停止させる。この後、グリップモータGM1を逆転駆動し(ST103)、作動部材131と検出フラグ142bを軸142aを支点に回転させる。そして、検出フラグ142bが通過してレバー検出センサGS1がOFFとなると(ST104のY)、グリップモータGM1を停止する(ST105)。このとき、作動部材131が作動ピン132bを移動させる。これに伴い、図10の(b)に示すように連結アーム部材132の係合ピン132aが、グリッパユニット40との連結が可能な位置に移動、待機しているステープラユニット41の係合部材129の溝部129aに係合する。これにより、両ユニットがシート排出方向に対して連結し、一体でシート排出方向に沿って移動可能となる。
【0114】
次に、ユニット連結解除処理について説明する。ユニット連結解除処理を行う場合は、図19の動作フローチャートに示すように、ステープラユニット41によってシート束に対して2箇所目のステープル処理がなされると、ステープルモータSMを逆転駆動する(ST110)。これにより、ステープラユニット41をホームポジションSHPに向かわせ、ステープラユニット41がホームポジションSHPに到着すると(ST111のY)、ステープルモータSMを停止する(ST112)。これにより、ステープラユニット41に連結されたグリッパユニット40も移動し、グリッパユニット40は第4のガイドレール43dに連結可能な位置に位置決めされる。
【0115】
次に、グリップモータGM1を正転駆動し(ST113)、検出フラグ142bがレバー検出センサGS1を通過してレバー検出センサGS1がONとなると(ST114のY)、この時点からグリップモータGM1を所定量駆動する。そして、グリップモータGM1を所定量駆動すると(ST115のY)、グリップモータGM1を停止する(ST116)。これにより、作動部材131が作動ピン132bを先の連結動作時と逆方向に移動し、図10の(a)に示すように連結アーム部材132の係合ピン132aは係合部材129の溝部129aから退避する。これにより、グリッパユニット40とステープラユニット41の連結が解除される。
【0116】
この後、グリッパモータGM2を逆転駆動し(ST117)、グリッパユニット40をステープル処理位置に向かわせる。そして、グリッパユニット40が再びステープル処理位置に戻ると(ST118のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST119)。なお、グリッパモータGM2の逆転駆動を開始する時点において、グリッパモータGM2とグリッパユニット40は確実な連結状態にはない。しかし、第4のガイドレール43dの溝部にグリッパユニット40の摺動ピン145が係合しているため、第4のガイドレール43dの移動に伴ってグリッパユニット40は移動する。そして、この移動の過程において、グリッパユニット40の揺動レバー162先端がステープルニット41側の係合部材129から離間し、図11の(a)に示すようにグリッパユニット40と第4のガイドレール43dは確実に連結される。
【0117】
次に、このようなステープル処理が完了すると、図13に示すように、シート束をスタックトレイ51に排紙するグリップ排紙処理を実行する(ST7)。次に、このグリップ排紙処理について、図20の動作フローチャートに基づいて説明する。グリップ排紙処理を行う場合は、先ずステープル処理位置にあるグリッパユニット40のグリップモータGM1を逆転駆動する(ST120)。そして、レバー検出センサがONすると(ST121のY)、グリップモータGM1を停止する(ST122)。これにより、シート束はグリップアーム対44でグリップされる。
【0118】
次に、グリップアーム対44がシート束をグリップすると、グリッパモータGM2を逆転駆動する(ST123)。これにより、グリッパユニット40は収納部10に向かって移動する。そして、グリッパユニット40が図3に示す排紙位置P3に到着すると(ST124のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST125)。次に、グリッパユニット40が排紙位置に到着した状態でグリップモータGM1を逆転駆動する(ST126)。これにより、第1のグリッパユニット40aがスタックトレイ50側に移動する。そして、この後、グリップモータGM1を所定量逆転駆動すると(ST127のY)、グリップモータGM1を停止する(ST128)。
【0119】
なお、本実施の形態において、処理トレイ14にはシート排出方向に延びた不図示の切欠部が設けられている。そして、この切欠部により、図22の(a)に示すように、グリップアーム対44のグリップ部44c,44dは処理トレイ14上からスタックトレイ50上で、かつ処理トレイ14の載置端面よりも下方に移動する。これにより、シート束SAがスタックトレイ50上に移動する。
【0120】
次に、第1のグリッパユニット40aがシート束SAをスタックトレイ上に搬送すると、グリッパモータGM2を正転駆動し(ST129)、第1のグリッパユニット40aをスタックトレイ側と異なる方向、すなわちホームポジションに向かって移動させる。そして、このように第1のグリッパユニット40aを移動させると、グリッパアーム44の突部44fが処理トレイ14の切欠部から折れ曲がった折曲部14bに設けられたガイド片14c突き当たる。これにより、図22の(b)に示すように可動グリップアーム44bが固定グリップアーム44aから離れる方向に移動し、シート束SAのグリップを解除し、この結果、シート束はスタックトレイ50上に収納される。
【0121】
この後、グリッパユニット40がホームポジションに到着すると(ST130のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST131)。次に、グリップモータGM1を正転駆動し(ST132)、第1のグリッパユニット40aを所定の位置に戻すようにグリップモータGM1を所定量駆動させる。これにより、第1のグリッパユニット40aのグリップアーム対44は、処理トレイ14の載置面よりも上方に移動する。そして、グリップモータGM1を所定量駆動すると(ST133のY)、グリップモータGM1を停止させる(ST134)。
【0122】
次に、このようなシート束のグリップ排紙処理が完了すると、図13に示すように、画像形成装置本体Bから受信した設定部数であるかを判断する(ST8)。そして、設定部数でなければ(ST8のN)、図13のST3からST8を繰り返し実行する。一方、設定部数であれば(ST8のY)、シート処理装置Cを停止するための最終処理を実行する(ST9)。
【0123】
次に、この最終処理について、図21の動作フローチャートに基づいて説明する。この最終処理では、搬送ローラ21、排出ローラ22、ストッパ部材31等を初期状態に戻す動作を実行する。なお、綴じモードが端綴じモードである場合にはステープル位置からホームポジションにステープラユニット41を移動させる処理が実行される。
【0124】
この処理は、端綴じモードである場合は(ST150のY)、次に端綴じモードが第1の端綴じモードであるかを判断する(ST151)。そして、綴じモードが第1の端綴じモードの場合は(ST151のY)、ステープルモータSMを正転駆動させる(ST152)。これにより、ステープラユニット41は、ホームポジションに向かって移動し、ホームポジション到着すると(ST153のY)、ステープルモータSMを停止する(STST154)。
【0125】
一方、綴じモードが第2の端綴じモードの場合は(ST151のN)、グリッパモータGM2を逆回転駆動させる(ST155)。これにより、グリッパユニット40は排紙位置に向かい、グリッパユニット40が排紙位置に到着したならば(ST156のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST157)。これにより、第1のガイドレール42aが第2、第3のガイドレール42b、42cと連続したガイドレール部Rを形成する。次に、ステープルモータSMを逆回転駆動させ(ST158)、ステープラユニット41をホームポジションに向かわせる。そして、ステープラユニット41がホームポジションに到着すると(ST159のY)、ステープルモータSMを停止する(ST160)。この後、グリッパモータGM2を正転駆動させ(ST161)、グリッパユニット40をホームポジションに向かわせ、グリッパユニット40がホームポジションに到着すると(ST162のY)、グリッパモータGM2を停止する(ST163)。そして、このような最終処理が終了すると、シート処理装置Cのステープル動作が終了する。
【0126】
ここで、本実施の形態において、既述したグリッパユニット40がステープル処理位置(ホームポジション)、グリップ位置、排紙位置、連結位置の各停止位置に到着したか否かの検出は、各停止位置に設けた検出センサにより行うようにしている。また、勿論、各停止位置までの距離間に相当するグリッパモータGM2の駆動パルス数を記憶し、グリッパモータGM2の駆動パルス数をカウントすることで各停止位置に到着したことを検出するようにしてもよい。
【0127】
さらに、第1、第2の端綴じモードにおける第1、第2のステープル位置へのステープラユニット41の移動及びステープラユニット41のホームポジションへの移動についても各位置に配置した検出センサにより行っている。また、2箇所綴じモードにおけるグリッパユニット40との連結が可能な位置、1箇所目及び2箇所目のステープル位置への移動制御は、シートサイズに応じてステープラユニット41の移動量を算出し、算出結果に基づき設定される駆動パスル数をカウントする。そして、このカウントされた駆動パスル数によってグリッパユニット40との連結が可能な位置、1箇所目及び2箇所目のステープル位置でステープラユニット41を停止させるようにすればよい。
【0128】
以上説明したように、本実施の形態においては、第4のガイドレール43dにより、グリッパユニット40を、連結したステープラユニット41の移動方向と同一方向に移動可能に支持している。これにより、複数綴じの際、グリッパユニット40を連結位置で連結したステープラユニット41と一体で移動させることができ、特別な退避空間を確保することなく、ステープラユニット41をステープル処理位置へ移動させることができる。
【0129】
つまり、グリッパユニット40が排出方向に移動する際の移動領域に、ステープラユニット41が移動させられてシートにステープル処理を行う場合、グリッパユニット40は、ステープラユニット41が上記の移動領域への移動を妨げない幅方向に退避する。なお、ステープラユニット41が上記移動領域外でシートにステープル処理を行う場合、グリッパユニット40は、幅方向に移動しない。これにより、グリッパユニット40を退避させるための特別な退避空間を確保することなく、ステープラユニット41をステープル処理位置へ移動させることができる。
【0130】
本実施の形態では、グリッパユニット40は、ステープラユニット41を動作させる第1の移動機構により幅方向に移動させている。しかし、ステープラユニット41の上記移動領域への移動に伴い、グリッパユニット40が第1の移動機構とは別の移動機構により幅方向に退避させられるようにしてもよい。
【0131】
言い換えれば、本実施の形態においては、グリッパユニット40の排出方向の移動領域のうちの排出方向上流側に、ステープラユニット41の移動領域と重なる共通移動領域を設けている。そして、ステープラユニット41が共通移動領域以外の領域から、すなわち共通移動領域の幅方向の領域から移動してステープル処理を行う際、グリッパユニット40をステープラユニット41と同一方向に移動させるようにしている。これにより、グリッパユニット40を退避させるための特別な退避空間を確保することなく、ステープラユニット41をステープル処理位置へ移動させることができる。
【0132】
なお、ステープラユニット41が共通移動領域以外の領域でシートにステープル処理を行う場合、グリッパユニット40は、ステープラユニット41が移動可能な方向に移動せずにステープル処理したシートを第1又は第2のスタックトレイ50,51に排出する。また、ステープラユニット41が共通移動領域でシートにステープル処理を行う場合、ステープラユニット41は、シートにステープル処理を行った後、共通移動領域以外の領域に移動する。そして、このステープラユニット41の移動に伴い、グリッパユニット40は共通移動領域に移動してからステープル処理したシートを第1又は第2のスタックトレイ50,51に排出する。
【0133】
ところで、シート束に対してステープル処理を行う前に、シート束をグリップしたグリッパユニット40がステープル処理位置GHPに到着するまでに、シートのサイズ、厚さ、枚数等の条件により、シート束の一端が傾斜する場合がある。この場合、2箇所目のステープル処理を行うと、シート束の一端に対する最初の綴じ位置である1箇所目のステープル位置と、次の綴じ位置である2箇所目のステープル位置との間に、ズレが生じる場合がある。
【0134】
このため、本実施の形態においては、既述した図17のフローチャートに示すように、2箇所目のステープル動作を行う前に、2箇所目のステープル位置の調整を行う必要があるかを、予め設定された調整値に基づいて判断する。ここで、調整値に基づいて2箇所目のステープル位置の調整が必要と判断した場合には、一度、グリッパユニット40をシート排紙方向への移動が可能な位置まで移動させた後、ステープラユニット41との連結を解除する。そして、この後、グリッパユニット40を移動させてシート束を再度グリップさせると共に、シート搬送方向に対するシートのステープル処理位置を調整する。
【0135】
次に、このようなステープル位置の調整処理について、図23に示すフローチャートに基づいて説明する。CPU80は、操作部81からのシート情報に基づき、シートが搬送された時点で、シートサイズがスモールサイズかを判断し(ST170)、シートサイズがスモールサイズの場合は(ST170のY)、次にシートが厚紙かを判断する(ST171)。そして、シートが厚紙の場合には(ST171のY)、シート束のシート枚数が所定枚数以上かを判断する(ST172)。
【0136】
ここで、シート枚数が所定枚数以上の場合は(ST172のY)、メモリ上のユーザによる個別調整にて設定されたステープル位置のユーザ調整値に、シートサイズ、坪量及びシート枚数に応じて、実験等により予め求めた調整値をセットする(ST173)。なお、このユーザ設定調整値は、不揮発性メモリ上への保存のため、装置への電源供給が落ちた場合でも調整値を保持し続けている。
【0137】
次に、ステープル位置のユーザ調整値をチェックし(ST174)、ユーザ調整値に基づいて調整の必要有無の判断を行う(ST175)。ここで、この調整の必要有無の判断は、ユーザ設定調整値の変化の有無に基づいて行う。例えば、ユーザ調整値のチェックの際、ユーザ調整値に変化がない場合、すなわちシートがスモールサイズシートでなく(ST170のN)、厚紙でなく(ST171のN)、シート枚数が所定枚数以下の場合は(ST172のN)、調整の必要なしと判断する。また、ユーザ調整値に変化がある場合には調整の必要ありと判断し、このように調整の必要ありと判断すると(ST175のY)、調整値として予めセットしていたユーザ調整値の代わりに調整値を加えた値を再セットする(ST176)。
【0138】
次に、このようなステープル位置の設定処理が完了すると、図24に示すように、次の綴じ位置である2箇所目のステープル位置を調整するためのステープル位置調整処理を実行する。ステープル位置の設定処理の中で、既述したようにステープル位置調整が必要と判断された場合、グリッパユニット40のシート排出方向への移動が可能となるよう、ステープラユニット41とグリッパユニット40とのユニット連結解除処理を行う(ST180)。この後、グリッパモータGM2を正転駆動させ(ST181)、グリッパユニット40を、既述した図3に示すグリップ位置に移動させ、このようにグリッパユニット40をグリップ位置に移動させた後、グリッパモータGM2を停止する(ST182)。
【0139】
次に、グリップモータGM1を駆動し(ST183)、グリッパユニット40がシートをグリップすると、グリップモータGM1の駆動を停止する(ST184)。この後、予め調整されたユーザ調整値に基づき、シート束の位置調整を行い(ST185)、調整分の駆動を終えたところでグリッパモータGM2を停止する(ST186)。
【0140】
ここで、例えば、図25の(a)に示すようにシートの奥側の方がグリッパユニット側に傾いている場合にはグリッパユニット40をステープル処理位置GHPよりもシート排出方向上流側に移動させる。これにより、1箇所目のステープル位置ST1は破線で示す位置に移動するが、この位置は、2箇所目のステープル位置ST2と同じ位置になる。
【0141】
また、図25の(b)に示すようにシートの手前側の方がグリッパユニット側に傾いている場合にはグリッパユニット40をステープル処理位置GHPよりもシート排出方向下流側に移動させる。これにより、1箇所目のステープル位置ST1は破線で示す位置に移動するが、この位置は、2箇所目のステープル位置ST2と同じ位置になる。このように、シート束の位置調整を行うことにより、1箇所目と2箇所目のシート束の一端に対するステープル位置のズレを無くすことができる。そして、調整後、再度ユニット連結処理を行いステープル処理へ戻る(ST187)。
【0142】
以上説明したように、本実施の形態では、1箇所目と2箇所目のステープル位置が異なる場合には、次のステープル動作の前に、次のステープル位置が最初のステープル位置と一致するような位置にシート束を搬送するようグリッパユニット40を制御している。そして、このように次のステープル位置が最初のステープル位置と一致するような位置にシート束を搬送することにより、シート束の一端に対するステープル位置のズレを防ぐことができる。これにより、排出されたシート束の見栄えも良くなり、ユーザの使い勝手も良くなる。
【0143】
なお、これまでは、綴じ部として一つのステープラユニット41を用いた場合について説明したが、複数のステープラユニットを用いた場合でも適用することができる。また、これまでは、次のステープル動作の前に、ステープル位置が最初のステープル位置と一致するようグリッパユニット40を移動させる場合について説明したが、本発明は、これに限らない。例えば、次のステープル動作の前に、ステープル位置が最初のステープル位置と一致するようシート束のシート搬送方向上流端と綴じ部との相対位置を調整することができるならば、綴じ部を調整値に基づいてシート搬送方向に移動させるようにしても良い。さらに、これまでは、シート処理装置として2箇所綴じを行うものを例に挙げたが、3箇所綴じ等を行うことができるシート処理装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0144】
10…収納部、12…整合部、13…ステープル・グリッパ部、14…処理トレイ、30…シフトローラ、31…ストッパ部材、32a,32b…整合部材、40…グリッパユニット、40a…第1のグリッパユニット、40b…第2のグリッパユニット、41…ステープラユニット、43a…第1のガイドレール、43b…第2のガイドレール、43c…第3のガイドレール、43d…第4のガイドレール、44…グリップアーム対、44a…固定グリップアーム、44b…可動グリップアーム、50,51…第1及び第2のスタックトレイ、60a…第1のユニット連結機構、60b…第2のユニット連結機構、60c…連結機構、122a〜122e…ボス、123…連結部材、123A…傾斜機構、125…ベース部材に設けられたボス、GM1…グリップモータ、GM2…グリッパモータ、GS1…レバー検出センサ、B…画像形成装置本体、C…シート処理装置、G…制御部、SA…シート束
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート積載部に積載されたシート束の一端を整合する整合部と、
シート搬送方向と直交する幅方向に移動して前記整合部により整合されたシート束の一端部の幅方向の複数個所を綴じる綴じ部と、
前記整合部により整合されたシート束を前記綴じ部による綴じ処理が可能な位置に搬送するシート束搬送部と、
前記シート束搬送部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、シート束の一端に対する前記綴じ部による最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なる場合には、次の綴じ動作の前に、シート束の一端に対する次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送するよう前記シート束搬送部を制御することを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
シートの枚数、サイズ及び坪量のうちの少なくとも一つのシート情報を入力する入力部を備え、
前記制御部は、前記入力部からのシート情報に基づき、最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なると判断した場合には、予め求められた調整値により、シート束の一端に対する次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送するよう前記シート束搬送部を制御することを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記調整値により前記シート束搬送部の移動量を調整することを特徴とする請求項2記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記シート束搬送部は、前記整合部により整合されたシート束を保持して前記綴じ部の方向に移動し、シート束を前記綴じ部による綴じ処理が可能な位置に搬送すると共に、綴じ処理の際には、シート束の保持を解除して前記綴じ部と一体に幅方向に移動することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項5】
シート積載部に積載されたシート束の一端を整合する整合部と、
シート搬送方向と直交する幅方向に移動して前記整合部により整合されたシート束の一端部の幅方向の複数個所を綴じる綴じ部と、
前記整合部により整合されたシート束を前記綴じ部による綴じ処理が可能な位置に搬送するシート束搬送部と、を備え、
シート束の一端に対する前記綴じ部による最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なる場合には、次の綴じ動作の前に、シート束の一端に対する次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するようシート束の一端と前記綴じ部との相対位置を調整することを特徴とするシート処理装置。
【請求項6】
シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成されたシートを処理する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート処理装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
シート積載部に積載されたシート束の一端を整合する整合部と、
シート搬送方向と直交する幅方向に移動して前記整合部により整合されたシート束の一端部の幅方向の複数個所を綴じる綴じ部と、
前記整合部により整合されたシート束を前記綴じ部による綴じ処理が可能な位置に搬送するシート束搬送部と、
前記シート束搬送部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、シート束の一端に対する前記綴じ部による最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なる場合には、次の綴じ動作の前に、シート束の一端に対する次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送するよう前記シート束搬送部を制御することを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
シートの枚数、サイズ及び坪量のうちの少なくとも一つのシート情報を入力する入力部を備え、
前記制御部は、前記入力部からのシート情報に基づき、最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なると判断した場合には、予め求められた調整値により、シート束の一端に対する次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するような位置にシート束を搬送するよう前記シート束搬送部を制御することを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記調整値により前記シート束搬送部の移動量を調整することを特徴とする請求項2記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記シート束搬送部は、前記整合部により整合されたシート束を保持して前記綴じ部の方向に移動し、シート束を前記綴じ部による綴じ処理が可能な位置に搬送すると共に、綴じ処理の際には、シート束の保持を解除して前記綴じ部と一体に幅方向に移動することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【請求項5】
シート積載部に積載されたシート束の一端を整合する整合部と、
シート搬送方向と直交する幅方向に移動して前記整合部により整合されたシート束の一端部の幅方向の複数個所を綴じる綴じ部と、
前記整合部により整合されたシート束を前記綴じ部による綴じ処理が可能な位置に搬送するシート束搬送部と、を備え、
シート束の一端に対する前記綴じ部による最初の綴じ位置と次の綴じ位置とが異なる場合には、次の綴じ動作の前に、シート束の一端に対する次の綴じ位置が最初の綴じ位置と一致するようシート束の一端と前記綴じ部との相対位置を調整することを特徴とするシート処理装置。
【請求項6】
シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成されたシートを処理する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート処理装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2013−71821(P2013−71821A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212534(P2011−212534)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】
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