説明

シート排出装置、シート処理装置、画像形成装置

【課題】整合性と積載性を向上させ、幅広い紙種、紙サイズへの対応、高速化への対応も可能なシート排出装置、シート処理装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】シートを積載する第一積載トレイと、シートを搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送されてくるシートの第一積載トレイへの排出及び、シートの排出方向と逆方向に搬送が可能な排出手段と、排出手段により排出方向と逆方向に搬送されるシートを重ねて積載するための第二積載トレイと、第二積載トレイに搬送されるシートの搬送方向の先端を規制するストッパと、排出手段により一枚ずつシートを第一積載トレイに排出する際の第一排出方向が、第二積載トレイで複数枚のシートが重ねられたシート束を排出する際の第二排出方向よりも第一積載トレイに近づくよう排出手段の排出角度を変更する変更手段と、を備え、排出手段によるシートの第二積載トレイへの搬送方向を、ストッパの下部の方向に向けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載トレイにシートが順次排出されて積載されるシート排出装置、このシート排出装置を有するシート処理装置、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シート束を綴じる綴じ装置、シート束に孔をあける穿孔装置等のシートを取り扱うシート処理装置として、シートが順次積載される積載トレイと積載トレイにシートを排出する排出ローラを備えたものがある(特許文献1、2参照)。
【0003】
図24は特許文献1、2のシート処理装置における排出部の構成図である。図24に示すように、従来のシート処理装置は、搬出ローラ対1007(搬出ローラ1007a、搬出コロ1007b)、処理トレイ1130、積載トレイ1200を有している。シート処理装置は、シート幅方向左右1対の整合部材1140、排出ローラ対1180、揺動ガイド1150、引込みパドル1160を有している。
【0004】
搬出ローラ対1007は、上流搬送パスからのシートSを搬出する。処理トレイ1130は、搬出されるシートSを受け入れる。積載トレイ1200は、処理後に束排出されるシート束を積載する。
【0005】
搬出ローラ対1007の下部搬出ローラ1007aには、搬出コロ1007bとの間の軸方向数か所にローレットベルトが巻き掛けられており、かつ各ローレットベルト間の適所にシートガイドが配されている。
【0006】
処理トレイ1130は、傾斜しており、シートSの排出方向に対して下流側(図の左上方側)を上方に、上流側(図の右下方側)を下方に位置している。処理トレイ1130の上流側端部には、後端ストッパ1131が設けられている。排出ローラ対1180(束排出ローラ1180a、1180b)は、処理トレイ1130での下流側に配されている。揺動ガイド1150は、先端部下面に上部束排出ローラ1180bを有し、下部束排出ローラ1180aに対して上部束排出ローラ1180bを離接可能に支持する。引込みパドル1160は、中間部上方に配される。
【0007】
排出されたシートSは、自重で後端ストッパ1131へ移動し始め、加えてホームポジション停止していたパドル1160は、反時計回りに回動し、シートの移動を助長する。シートSの後端が、ストッパ1131に確実に当接し停止すると、パドル1160の回転も停止され、整合部材1140によってシートを整合する。
【0008】
1部目のシートが全て処理トレイ1130上に排出され、整合されたら、揺動ガイド1150が降りてきて、上部束排出ローラ1180bがシート束の上に乗る。シート束は、後端ストッパ1131側で待機したステイプラによってステイプルされ、積載トレイ1200上に束排出される。
【0009】
一方、その間に、画像形成装置本体から排出されてきたシートS1は、処理トレイ1130の上流部に設けた搬送大ローラによって巻きつけられ、処理トレイ1130側にシートを搬送しないように3枚まで貯留される。
【0010】
搬送大ローラ部で3枚のシートS2は、そのまま上流搬送パスを経て、処理トレイ1130側へ搬送される。この時、揺動ガイド1150は降りたまま、ローラ1180a、1180bで3枚のシートS2を受け取る。シートS2の後端が搬出ローラ対1007を抜けたら、ローラ1180a、1180bが逆転し、シートS2の後端がストッパ1131に当接する前に、揺動ガイド1150は上昇し、ローラ1180bは、シート面から離れる。4枚目以降のシートは、1部目の動作と同様、上流搬送パスを通って、揺動ガイド1150が開いた状態で処理トレイ上に排出される。3部目以降は、2部目と同じ動作で整合処理し設定部数分積載トレイ1200に積載し終了する。
【0011】
ここで、束排出ローラ1180の束戻し角度は、水平に対する処理トレイ1130の角度よりやや大きくしてある。これは、3枚重ねされたシートが、ストッパ1131に当接する際、ストッパの下部に当接させることでシートの座屈を防止し、カールしたシートでも整合しやすくするためである。
【0012】
また、特許文献2においては、ステイプル無しモード時のソート(仕分け)処理において、1部のシート束を少数枚(2枚〜5枚)に分けて、処理トレイ1130上で少数枚積載整合してから少数枚(2枚〜5枚)で積載トレイ1200に束排出する。これにより、積載トレイ1200上での積載性を向上させている。
【0013】
特許文献1、2のように、傾斜状の処理トレイ上に積載されたシートを束排出ローラで排出する場合、通常、束排出ローラの搬送方向(ニップ角度)は、処理トレイ角度よりも若干(1〜2°)大きくしている。処理トレイ角度は、シートの整合性と整合に要する時間短縮を考慮して、通常、水平面に対し略35°の傾斜を有している。これにより、束排出ローラから後端ストッパ方向に逆搬送する際に処理トレイ面に倣うように設定している。積載トレイにおいても、整合性や排出積載時間と積載形状を考慮し、処理トレイよりはやや水平に近い角度(従来水平面に対し略30°)で設定している。
【0014】
シート排出方向は、シートの坪量(連量)、使用環境、カール状況を考慮して、水平面から25°より大きくしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平10−181988号公報
【特許文献2】特開平10−194569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、積載トレイ角度よりも排出方向のほうが大きい場合、空気抵抗による先端浮上、排出落下時の姿勢の不安定性等から排出性が悪化することが知られている。このため、通常、排出部においては、安定排出を行うために、排出方向を水平面から20°〜22°に設定し、シート後端が排出ニップ部を抜ける前に先端を積載トレイ面に接触させ、安定した排出制御を行っている。このようにすることで、一枚ずつシートを排出する際の安定性を保つことはできるが、束排出する際にはシート先端にかかる重量が増し、既積載のシートを押し出してしまう。また、多数枚のシートからなるシート束を排出すると、排出口をふさいでしまう可能性がある。
【0017】
したがって、特許文献2においては、積載トレイ傾斜角(35°)よりも更に上方に排出するようにしている。このため、後端が束排出ローラニップを抜けた後、積載トレイへの排出落下時の姿勢が不安定になることを懸念して、必ず少数枚重ねた状態で束排出することで、排出シート束の重量を大きくして、排出安定性を改善している。
【0018】
しかしながら、排出方向が大きい(略35°〜36°)ため、軽薄紙若しくは、先端が上方へカールしたシートでは少数枚重ねても積載不良等の問題があった。また、排出時の先端浮上や排出落下性の不安定を考慮すると、排出速度を上げていくには限界がある。また、必ず一旦、処理トレイ1130で積載した後、複数のシート束で束排出することから、シート搬送間隔の間に処理トレイでの積載整合処理を済ませる必要がある。したがって、更なる高速排出対応が困難であった。
【0019】
そこで本発明は、整合性と積載性を向上させることができ、幅広い紙種、紙サイズへの対応、高速化への対応も可能なシート排出装置、シート処理装置、画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するために本発明に係るシート排出装置は、シートを積載する第一積載トレイと、シートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送されてくるシートの前記第一積載トレイへの排出及び、シートの排出方向と逆方向にシートの搬送が可能な排出手段と、前記排出手段によりシートの排出方向と逆方向に搬送されるシートを重ねて積載するための第二積載トレイと、前記排出手段により前記第二積載トレイに搬送されるシートの搬送方向の先端を規制するストッパと、前記排出手段により一枚ずつシートを前記第一積載トレイに排出する際の第一排出方向が、前記第二積載トレイで複数枚のシートが重ねられたシート束を排出する際の第二排出方向よりも前記第一積載トレイに近づくよう前記排出手段の排出角度を変更する変更手段と、を備え、 前記排出手段によるシートの前記第二積載トレイへの搬送方向を、前記ストッパの下部の方向に向けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第二積載トレイに搬送されるシートの端部が確実にストッパにつき当てられて整合され、積載される複数のシートの整列性を向上させることができる。積載させたシートの整合性を良くすることにより、排出手段による排出する際に第一積載トレイから排出方向が遠くなっても、シート束の整合状態を大きく悪化させることなく第一積載トレイに排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【図2】シート処理装置の構成図である。
【図3】シート処理装置の動作を説明する断面図である。
【図4】シート処理装置の動作を説明する断面図である。
【図5】シート処理装置の動作を説明する断面図である。
【図6】シフトユニットの正面図である。
【図7】シフトユニットの斜視図である。
【図8】中間処理トレイを説明する断面図である。
【図9】ステイプル部を説明する上視図である。
【図10】整合手段を説明する上視図である。
【図11】揺動ガイドを説明する構成図である。
【図12】未綴じソートモード時における、シートの流れと中間処理トレイの動作を説明する図である。
【図13】ステイプルソートモード時における、シートの流れと中間処理トレイの動作を説明する図である。
【図14】ステイプルソートモード時における、シートの流れと中間処理トレイの動作を説明する図である。
【図15】ステイプルソートモード時における、シートの流れと中間処理トレイの動作を説明する図である。
【図16】ステイプルソートモード時における、シートの流れと中間処理トレイの動作を説明する図である。
【図17】ステイプルソートモード時における、シートの流れと中間処理トレイの動作を説明する図である。
【図18】バッファー紙整合を説明する動作図である。
【図19】画像形成装置を制御する画像形成装置制御部のブロック図である。
【図20】シート処理装置を制御する制御部のブロック図である。
【図21】シート排出制御のフローチャートである。
【図22】排出ニップ角度の比較図である。
【図23】排出ニップ角度の説明図である。
【図24】従来のシート処理装置を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<画像形成装置全体構成>
図1は画像形成装置の構成図である。図1に示すように、画像形成装置は、白黒/カラー画像形成を行う画像形成装置本体300と、これに接続したシート処理装置であるフィニッシャ100を有している。フィニッシャ100は、中綴じ処理装置(サドルユニット)135と、シート排出装置としての平綴じ処理装置と、を備えている。このため、画像形成装置本体300から排出されるシートは、オンラインで処理することができる。なお、フィニッシャ100は、オプションとして使用されることがある。このため、画像形成装置本体300は、単独でも使用できるようになっている。また、画像形成装置本体300は、フィニッシャ100をシート排出装置として一体に組み込んでもよい。ここで、ユーザが画像形成装置本体300に対して各種入力/設定を行うため操作部301(図19)に臨む位置を画像形成装置の正面手前側(以下、手前側)といい、装置背面側を奥側という。図1は、装置手前側から見た画像形成装置の構成を示したものである。フィニッシャ100は画像形成装置本体300の側部に接続される。
【0024】
画像形成装置本体300内のカセット909a〜909dから供給されたシートは、それぞれ画像形成手段としてのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光ドラム914a〜914d等によって、4色のトナー像が転写される。トナー像を転写されたシートは、定着器904に搬送されてトナー画像を定着され、機外に排出される。
【0025】
<シート処理装置>
図2はシート処理装置としてのフィニッシャ100の構成図である。図2に示すように、画像形成装置本体300から排出されたシートは、シート処理装置100の入口ローラ対102に受け渡される。この時、入口センサ101によりシートの受渡しタイミングも同時に検知されている。入口ローラ対102により搬送されたシートは、搬送パス103を通過しながら、シートの端部位置を横レジ検知センサ104により検知され、シート処理装置のセンター(中央)位置に対してどの程度横レジ誤差が生じているかを検知する。
【0026】
横レジ誤差が検知された後で、シートはシフトローラ対105、106に搬送されている途中でシフトユニット108が手前/奥方向に所定量移動することにより、シートのシフト動作が実施される。このシフト動作に関しては、後で詳細に記述する。
【0027】
その後、搬送ローラ110、離間ローラ111により搬送されたシートは、バッファーローラ対115により搬送される。その後、上排出トレイ136に排出される場合は、上パス切換え部材118が図示されないソレノイド等の駆動手段により、図中破線の状態になり上パス搬送路117に導かれ、上排出ローラ120により上排出トレイ136に排出されることになる。
【0028】
上排出トレイ136に排出されない場合は、バッファーローラ対115により搬送されたシートは、上パス切換え部材118により束搬送パス121に導かれる。その後、バッファーローラ対122、束搬送ローラ対124により順次搬送パス内を通過していく。シートをサドル(中綴じ)処理する場合には、図示しないソレノイド等の駆動手段によりサドルパス切換え部材125が破線の状態になる。そして、シートがサドルパス133に搬送され、サドル入口ローラ対134によりサドルユニット135に導かれ、サドル処理(中綴じ処理)されることになる。
【0029】
搬送されてきたシートSが下排出トレイ(第一積載トレイ)137に排出される場合は、束搬送ローラ対124に搬送されたシートは、サドル切換え部材125により下パス126に搬送されることになる。その後、下排出ローラ対(搬送手段)128により中間処理トレイ138(第二積載トレイ)に排出されたシートは、中間処理トレイ138内で複数枚重ねられて処理を施され、排出ローラ対(排出手段)130により下排出トレイ137に排出されることになる。中間処理トレイ138内でのシート処理は後で詳細に説明する。
【0030】
<シフトユニットの説明>
次にシフトユニット108の構成と動作に関して図6、図7で説明する。図6はシフトユニットの正面図である。図7はシフトユニットの斜視図である。
【0031】
図6、図7に示すように、搬送されてきたシートSは、シフト搬送モータ208の駆動が駆動ベルト209を伝達してシフトローラ対105を駆動する。そして、さらに駆動ベルト213によりシフトローラ対106を駆動することで、シートSは図中のC方向に搬送される。この時、横レジ検知センサ104が図示しない駆動手段により矢印E方向に移動することにより、シートSの位置が検出される。この横レジ誤差を相殺する移動量と設定されたシートのシフト量を足し合わせたシートのシフト量だけシートを搬送中に移動する。この動作をシートSがシフトローラ対105、106に挟持されている時に手前/奥方向(矢印D間)に行うことで搬送方向Cに搬送しながらシートSを所定量シフトできる。
【0032】
<バッファリング処理動作の説明>
ステイプル処理やサドル処理を行う場合には、通常ある一定の処理時間が必要になる。通常、シート排出間隔の間で処理を完了させるのは困難であるため、処理時間はシート排出間隔を越える。この処理時間は、画像形成装置の画像形成速度にも依存する。このため、画像形成装置の画像形成を止めること無く、シート処理を行う、いわゆるシートバッファリング処理という処理方法が広く知られている。以下、シートバッファリング処理についての説明を行う。
【0033】
図3に示すように、搬送ローラ110、離間ローラ111により搬送されてきたシートS1は、バッファーローラ対115により束搬送パス121に導かれる。この時、シートS1の先端がバッファーセンサ116により検知される。そして、予め認知されているシートのサイズ情報からシート後端位置が位置Aに到達した時にシートが停止するように、図示されない駆動手段によりバッファーローラ対115は停止制御を行う。
【0034】
図4に示すように、図示されないソレノイド等の駆動手段により、バッファーパス切換え部材114は破線の状態になった状態でバッファーローラ対115が逆転動作を行う。これにより、シート後端がバッファーパス113に導かれ、シート先端が位置Bに来るまでシートS1は逆転搬送される。
【0035】
図5に示すように、シートS1に続いて搬送されて来たシートS2の先端をバッファーセンサ109で検知した後、停止しているシートS1が搬送速度に到達した状態でシートS2の先端と同じ位置になる様に、バッファーローラ対115を駆動開始する。これにより、シートS1とシートS2は先端が揃った状態になる。
【0036】
ここで、さらにもう一枚、重ね合せ処理する場合には、シートS1、S2の後端位置がAポイントに到達するまで、バッファーローラ対115を駆動する。その後、前述した処理を繰返し行うことにより、さらにもう一枚、重ね合せ処理を実施することができる。
【0037】
このようにして、所定枚数重ね合せ処理を行った後、複数枚のシート束として下流のバッファーローラ対122、束搬送ーラ対123により中間処理トレイ138、若しくはサドルユニット135に搬送される。
【0038】
<中間処理トレイ138>
次に、中間処理トレイ138に関して図8〜図12を用いて説明する。
【0039】
図8に示すように、第二積載トレイとしての中間処理トレイ138は、シート束の排出方向に対して下流側(図8の左側)を上方に、上流側(図8の右側)を下方に傾斜して配設されている。中間処理トレイ138の上流側である下方端部には、後端ストッパ150が配置されている。
【0040】
中間処理トレイ138の下流側である上方端部には、排出ローラ対130の上部排出ローラ130bが配置されている。揺動ガイド149の下面前端部には、排出ローラ対130の上部排出ローラ130bが配置されている。上部排出ローラ130bは、揺動ガイド149の開閉動作に伴って下部排出ローラ130aに対して離接する。排出ローラ対130は、上下それぞれの排出ローラシャフト部に駆動手段である駆動モータM130からの回転駆動が付与され、正逆回転する。これにより、排出ローラ対130は、下排出トレイ137上に排出する排出方向と、中間処理トレイ138上に搬送する搬送方向とに、排出搬送可能である。
【0041】
揺動ガイド149には、案内ガイド151、第一除電針152、第二除電針153がそれぞれ軸方向に渡って配置されている。揺動ガイド149は、回動可能に支持軸154に支持され、上下方向に移動可能になっている。
【0042】
案内ガイド151は、上部排出ローラ130bのシート搬送方向上流側に設けられており、シートを排出ローラ対130のニップ部へ案内する。第一除電針152は、下排出ローラ128から中間処理トレイ138内へシートを排出する際のシート表面の帯電電位を除去する除電手段である。第二除電針153は、上部排出ローラ130bのシート搬送方向下流側に設けられており、排出ローラ対130から排出されたシート表面の帯電電位を除去する除電手段である。
【0043】
また、支持軸154の同軸上に配置された当接部材155は、スライダー内で移動可能に収容され、不図示の付勢バネによって、常時、偏芯カム156に当接するように支持されている。図11に示すように、偏心カム156は、排出角移動モータ160によって、回転可能である。偏芯カム156の回転位置によって、当接部材155は、支持軸154と共にスライダー内を移動し、揺動ガイド149を移動させる。当接部材155、偏芯カム156、排出角移動モータ160は変更手段を構成する。
【0044】
この変更手段の動作により、上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aによって形成されるローラニップ位置が下部排出ローラ130aの外周円上を移動し、排出ローラ対130の排出角度を可変にしている。この一連の揺動ガイド149動作に関しては、付随の案内ガイド151、第一除電針152、第二除電針153においても揺動ガイド149動作と同様に移動する。よって、常に、上部排出ローラ130bとの配置関係は変わることがない。
【0045】
シート処理手段であるステイプラ132は、スライド支台303上に固定されている。図9に示すように、スライド支台303の下部には転動コロ304、305が設けられている。スライド支台303は、転動コロ304、305と、ステイプラ移動台306上のガイドレール溝307とに案内されて、中間処理トレイ138に積載されたシートSの後端縁に沿って(矢印Y方向に)移動する。
【0046】
ステイプラ132は、中間処理トレイ138に積載されたシートSのコーナにおいて、シートの後端縁に対して所定角度αだけ傾斜した姿勢に維持される。傾斜角度αは、約30度に設定されているが、ガイドレール溝307の形状を変えることによって、変更できる。ステイプラ移動台306には、ステイプラ132のホームポジションを検知する不図示の位置センサが設けられている。通常、ステイプラ132は、装置手前側のホームポジションに待機している。
【0047】
図10に示すように、整合手段340、341は、中間処理トレイ138に収容されたシートの幅方向の左右端側を整合する第1、第2の整合部材340a、341aを有している。
【0048】
第1、第2の整合部材340a、341aは、中間処理トレイ138面上でシートSの両側端に独立して対向配置される。第1、第2の整合部材340a、341aは、処理トレイ138面に対して垂直な整合面340a1、341a1とその上部にあって、外側に傾斜面をもつ非整合面340b、341bを有している。整合面340a1、341a1は、シート側端面を押圧して支持する。
【0049】
左右の整合手段340、341は、それぞれ独立して駆動可能な第1、第2の駆動モータM340、M341とを有している。そして、駆動モータM340、M341の先端プーリーからタイミングベルトB340、B341を介して、第1、第2の整合部材340、341に駆動伝達される。これにより、第1、第2の整合部材340、341は、処理トレイ138に対してシートの幅方向に沿って独立して移動可能となる。すなわち、処理トレイ138上に、各整合面340a1、341a1が対向して配置され、かつその下面側に各移動手段が整合方向に正逆移動可能なように組み付けられている。
【0050】
ここで、第1、第2の整合部材340a、341aに対して、それぞれのホームポジションを検知するセンサS340、S341が配置されている。動作しない時は、第1、第2の整合部材340、341は、それぞれ各ホームポジション位置(両端部)に待機している。
【0051】
図8に示すように、引き込みパドル131は、中間処理トレイ138の上方に配設され、不図示の駆動モータによって回転する駆動軸157上に沿って複数固定されている。引き込みパドル131は、駆動モータM131(不図示)により、適切なタイミングで図8において反時計回りに回転する。引き込みパドル131は、シートを搬送し、後端ストッパ150に突き当てるシート搬送手段である。引き込みパドル131は、駆動軸157の軸方向に複数存在する。
【0052】
次にシート後端整合部の説明を行う。中間処理トレイ138の上流側には、シート搬送手段としてのベルトローラ158、シート押圧部材としての後端レバー159が配置されている。
【0053】
シートは、ベルトローラ158の反時計回りの回転によって、後端レバー159にガイドされながら、後端ストッパ150に突き当たり、整合される。
【0054】
ベルトローラ158は、搬送手段としての下排出ローラ対128を構成する排出ローラ128aの外周に掛けられ、排出ローラ128aの回転に従動して反時計回りに回転する。また、ベルトローラ158は、その下方部が中間処理トレイ138上に積載された最上シートと接するような位置関係で、中間処理トレイ138の上方に設けられている。
【0055】
<未綴じソートモード時の排出手段の動作説明>
次に、未綴じソートモード(第一排出モード)時における、シートの流れと排出手段としての排出ローラ対130の動作説明を、図12を用いて行う。
【0056】
未綴じソートモードのジョブが選択されると、ジョブの最初のシートが画像形成装置300から排出されるまでに、ホームポジションで待機していた偏芯カム156を180度回転させる。これにより、偏芯カム156とともに変更手段を形成する当接部材155をスライド移動させ、揺動ガイド149を搬送下流方向側へ移動させる。
【0057】
この変更手段による排出角度変更動作は、揺動ガイド149を上方へ移動させ、上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aがニップを非接触状態にさせてから行う。このようにすることで、ローラ移動時におけるローラ表面同士の擦れによる磨耗を防止することができる。
【0058】
変更手段による排出角度変更動作が終了すると、揺動ガイド149を下方へ移動させて、上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aが接触させ、鉛直線に対して排出ニップ角度βの状態で待機する。
【0059】
画像形成装置から排出されたシートは、シフトユニット108で(図2中手前側)に所定量シフトされながら搬送され、下排出ローラ対128から上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130a対へ直接排出される。そして、排出ローラ対130により下排出トレイ137へ排出される。同様の動作を指定ソート枚数分繰り返し、2部目では1部目のシフト方向と反対側(図2中奥側)に所定量シフトさせながら、1部目同様に下排出ローラ対128から上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130a対を経て、下排出トレイ137へ排出される。
【0060】
例えば、本実施形態においては、1回のシフト量は排出中心から片側15mmと定める。これにより、シート束間のソートオフセット量として30mmずらした状態で、シート束を下排出トレイ137上に積載する。
【0061】
ソート無しのモードを指定すると、上流部において斜送等でずれて搬送されてきたシートをシフトユニット108で排出中心位置へ戻す横レジ補正動作を行う。そして、排出中心位置で上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130a対を経て、積載トレイとしての下排出トレイ137へ排出される。
【0062】
このように、綴じ処理を行わない未綴じのジョブにおいては、シートを1枚ずつ下排出トレイ137に排出する際、排出手段としての排出ローラ対130の排出ニップ角度をβとし、後述するシート束排出時と比べて排出方向を下排出トレイ137側にする。これにより、シート後端が排出ローラ対130を抜けてからのシートの浮遊性を安定化させることができる。また、シートの先端を早めに積載トレイに当接させることで、シートの暴れを防ぐことができ、積載性が向上する。また、従来の未綴じソートモード時の排出ローラ対130を逆転させて中間処理トレイ138に引込む動作が不要であるため、装置の磨耗劣化、及び稼動音を低減させることができる。
【0063】
<ステイプルソートモード時の排出手段の動作説明>
ステイプルソートモード(第二排出モード)時における、シートの流れと排出手段としての排出ローラ対130の動作説明を、図13〜図17を用いて行う。
【0064】
ステイプルソートモードのジョブが選択されると、ジョブの最初のシートが画像形成装置300から排出されるまでに、偏芯カム156を回転させる。これにより、偏芯カム156とともに変更手段を形成する当接部材155をスライド移動させ、揺動ガイド149を搬送上流方向側(未綴じソートモード時と逆方向)へ移動させる。
【0065】
この変更手段による排出角度変更動作は、揺動ガイド149を上方へ移動させ、上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aがニップを非接触状態にさせてから行う。図13に示すように、排出角度変更動作が終了すると、揺動ガイド149を下方に移動して、上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aが接触させ、排出ニップ角度γ状態で待機する。このときの排出角度(排出ニップ角度γ)は、未綴じソートモード(第一排出モード)時における排出角度(排出ニップ角度β)よりも上向き(下排出トレイ137から離れる方向)に設定される。
【0066】
画像形成装置300から排出された1部目の1枚目のシートS11は、シフトユニット108により図2中手前方向に所定量シフトさせながら搬送され、下排出ローラ対128により上部排出ローラ130b、下部排出ローラ130aに搬送される。
【0067】
図14に示すように、シートS11は、その後端が下排出ローラ対128を抜けて上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aによって所定量送られる。その後、上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aを逆転させることで、シートS11の後端が後端ストッパ150へ当接するように搬送速度Vbで搬送される。
【0068】
図15に示すように、シートS11の後端が後端ストッパ150に突き当たる前に、揺動ガイド149を上昇させ、上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aを離間させる。これにより、搬送速度Vbで、搬送されたシートS11は非挟持状態で後端ストッパ150に突き当て整合することができ、特に薄手のシートで発生しやすい座屈の発生を防止することができる。
【0069】
上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aの排出方向は、逆転の際には後端ストッパ150の下部方向に向いている。これにより、シートS11の後端を後端ストッパ150で確実に整合できる。上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aの各中心点を結ぶ方向と垂直方向との成す角は、排出ニップ角度γとなっている。
【0070】
シートS11の搬送方向(後端部)の整合が終了すると、次に、幅方向の整合を整合手段340、341によって行う。
【0071】
次に、1部目の2枚目のシートS12が下排出ローラ対128から中間処理トレイ138に排出される。この時、揺動ガイド149は上昇位置にあり、上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aを離間させた状態でシートS12を迎える。シートS12の後端が下排出ローラ対128のニップを抜けると、中間処理トレイ138上に排出される。
【0072】
図16に示すように、中間処理トレイ138上に排出されたシートS12は、引き込みパドル131が反時計回りに回転することで、シートS12のシート後端部を後端ストッパ150に向けて搬送される。
【0073】
シートS12は、反時計回りに回転するベルトローラ158によって更に後端ストッパ150に引き寄せられ、後端ストッパ150面に突き当たり、整合される。シートS12の搬送方向(後端部)の整合が終了すると、1枚目同様、幅方向の整合を整合手段340、341によって行う。この一連の動作を1部目の最終シートS1nが後端ストッパ150に突き当たるまで繰り返す。
【0074】
最終シートS1nの整合動作が終了すると、ステイプラ132によって、シート束S1Tの後端縁をステイプルクリンチする。そして、図17に示すように、揺動ガイド149を降下させて、シート束S1Tを上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aで挟持し、下排出トレイ137に排出する。
【0075】
最終シートS1nが後端ストッパ150に突き当たってからのステイプル動作、下排出トレイ137への束排出動作が、通常のシート処理よりも余分に処理時間を要する時間である。そして、この間、中間処理トレイ138にシート、つまり2部目の1枚目のシートS21を入れることができない。
【0076】
よって、本実施形態のシート処理装置では、前述したように、この間、画像形成装置本体300から排出されるシートをバッファリング(貯留)処理する。これにより、画像形成装置300から次の部のシートを順次受け取りつつ、中間処理トレイ138へシートを排出しない処理を行っている。
【0077】
図18に示すように、1部目のシート束が下排出トレイ137へ排出されるまでの間にバッファリングされた2部目のシートS21、S22、S23は、3枚で瓦済み状態となる。バッファリング処理されたシート束S21〜S23は、下排出ローラ対128から上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130a対に搬送される。この3枚のシート束は、その後端が下排出ローラ対128を抜けてから上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aによって所定量送られる。その後、1部目の1枚目のシートと同様に上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aを逆転させ、シート束の後端が後端ストッパ150に当接する方向に搬送速度Vbで搬送される。
【0078】
シート束の後端が後端ストッパ150に突き当たる前に、揺動ガイド149を上昇させ、上部排出ローラ130bと下部排出ローラ130aを離間させる。2部目の4枚目から最終シートまでのシート処理は1部目と同様に整合処理され、ステイプル後、下排出トレイ137への排出が行われる。この動作を指定部数分繰り返した後、ジョブは終了する。
【0079】
(制御部)
図19は画像形成装置を制御する画像形成装置制御部のブロック図である。図19に示すように、CPU回路部330は、CPU329、ROM331、RAM350を有している。CPU回路部330は、原稿給送装置制御部332、イメージリーダ制御部333、画像信号制御部334、プリンタ制御部335、フィニッシャ制御部336、外部インターフェイス337を制御している。CPU回路部330は、ROM331に格納されているプログラム及び操作部301の設定に従って制御する。
【0080】
原稿給送装置制御部332は、原稿給送装置500を制御する。イメージリーダ制御部333はイメージリーダを制御する。プリンタ制御部335は画像形成装置本体300を制御する。フィニッシャ制御部336はフィニッシャ100を制御する。本実施の形態において、フィニッシャ制御部336をフィニッシャ100に搭載した構成について説明するが、CPU回路部330と一体的に画像形成装置本体300に設け、画像形成装置本体300側からフィニッシャ100を制御するようにしてもよい。
【0081】
RAM350は、制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられる。外部インターフェイス337は、コンピュータ320からのインターフェイスであり、プリントデータを画像に展開して画像信号制御部334へ出力する。イメージリーダ制御部333から画像信号制御部334へは、イメージセンサで読み取られた画像が出力され、画像信号制御部334からプリンタ制御部335へ出力された画像は露光制御部へ入力される。
【0082】
図20はフィニッシャ100を制御するフィニッシャ制御部336のブロック図である。図20に示すように、フィニッシャ制御部は、マイコン(CPU)701、RAM702、ROM703、入出力部(I/O)705、通信インターフェイス706、ネットワークインターフェイス704を有している。
【0083】
搬送制御部707において、シートの横レジ検知処理、シートバッファリング処理、搬送処理が行われる。中間処理トレイ制御部708では、整合板の動作制御、パドルの動作制御、ベルトローラの移動制御、束排出制御、排出角移動制御がそれぞれ、ホームポジション検知センサと移動モータによって制御される。綴じ制御部709においては、ステイプル移動制御とクリンチ制御がそれぞれ、ホームセンサとモータで制御される。
【0084】
I/O705の入力ポートには、各種センサ信号が入力される。I/O705の出力ポートには、不図示の制御ブロックや、不図示の各種ドライバを介して接続された各駆動系に接続されている。
【0085】
(シート排出制御)
図21はシート排出制御のフローチャートである。図21に示すように、下排出トレイ137に排出位置が選択されると(S710)、綴じ処理の有無判定モードに入る(S711)。綴じ処理が行われる場合は、排出手段としての排出ローラ対130の排出ニップ角度を鉛直線に対してγに設定する(S712)。綴じ処理を行わない、未綴じ処理の場合は、排出ローラ対130の排出ニップ角度を鉛直線に対してγよりも小さなβに設定する(S713)。
【0086】
次に、シフトソートの処理の有無判定に入る(S714)。シフトソートモードが選択された場合は、シフトユニット108の制御を行い(S715)、画像形成部からのシート排出動作が開始される(S716)。シフトソートの処理が無い場合、シフトユニット108の制御を行うことなく、画像形成部からのシート排出動作が開始される(S716)。
【0087】
(効果)
図22に示すように、未綴じのシート処理(第一排出モード)の場合は、排出ローラ対130の排出ニップ角度をβとし、束排出時の排出ニップ角度がγの場合に比べて排出方向を下排出トレイ137側へ向ける(第一排出方向)。これにより、生産性を落とすことなく、1枚ずつ安定した姿勢を保ったまま下排出トレイ137へ排出できる。
【0088】
ステイプル処理((第二排出モード))の場合は、排出ローラ対130の排出ニップ角度をγとし、排出ニップ角度がβの場合に比べて排出方向を下排出トレイ137から離れる方向へ向ける(第二排出方向)。これにより、多数枚のシートからなるシート束が一度に排出されても排出口をふさいでしまうことがない。また、逆転時、後端ストッパ150の下部方向へ向けることで、バッファリング処理を行った複数枚のシート束の整合性を確保しつつ、下排出トレイ137への排出は必ず複数枚で排出するために、下排出トレイ137上での積載性も低下させることがない。
【0089】
なお、本実施の形態において、未綴じ処理、綴じ処理のいずれにおいても排出ローラ対130の排出方向を水平よりも上向きとしたが、未綴じ処理の際の第一排出方向が綴じ処理の際の第二排出方向よりも積載トレイ側であれば水平よりも下向きであってもよい。また、排出ローラ対130の排出角度は、シートのサイズ、搬送長、カール状態、坪量(連量)、厚み、画像形成濃度、装置使用環境、折り形態によって、変えることが好ましい。
【0090】
ここで、シートのサイズが大きく、搬送長が長いシートやコート紙のような表面抵抗の高い重量シートを未綴じで排出する場合の排出ロ−ラ対130の動作に関して説明する。図23に示すようなシートのサイズが大きく、搬送長が長いシートやコート紙を排出する場合、排出シート自身の質量が大きいために、シート排出時の排出ロ−ラ対130からのシート排出距離が短くなる。このため、シート後端部がもたれぎみになる傾向がある。また、排出時のシート先端が、積載トレイ上に排出済みのシートを搬送方向に押し出して積載状態を乱すという現象が発生しやすくなる。
【0091】
このため、変更手段としての偏心カム156の回転位置を変更し、排出ロ−ラ対130の排出ニップ角度を、通常の未綴じモード(第一排出モード)時の排出ニップ角度βよりも鉛直線に対して大きなθに設定する。これにより、排出ニップ角度がβの場合に比べて、シートの排出方向をやや上方(下排出トレイ137から離れる方向)へ向けることができ、後端部のもたれや、先端部による既積載シートの押し出し現象を防ぐことができる。また、この他にも、カール方向が下方向の時、坪量、紙厚が大きい時、画像形成濃度が多い時、使用環境の湿度が高い時、折り紙を排出する時は、概ね、同様に排出方向をやや上方に向けるのが好ましい。これにより、幅広い紙種、紙サイズへの対応、高速化への対応、幅広い使用環境下におけるシートのカール方向、大きさへの対応も可能である。このときの排出ニップ角度θはβとγの間で任意の角度に設定可能である。
【符号の説明】
【0092】
A、B…位置
B340、B341…タイミングベルト
M340、M341…駆動モータ
S…シート
S340、S341…センサ
Vb…搬送速度
Ws…シート排出幅
Wt…整合退避幅
100…フィニッシャ
101…入口センサ
102…入口ローラ対
103…搬送パス
104…横レジ検知センサ
105、106…シフトローラ対
108…シフトユニット
109…バッファーセンサ
110…搬送ローラ
111…離間ローラ
113…バッファーパス
114…バッファーパス切換え部材
115…バッファーローラ対
116…バッファーセンサ
117…上パス搬送路
118…上パス切換え部材
120…上排出ローラ
121…束搬送パス
122…バッファーローラ対
124…束搬送ローラ対
125…サドルパス切換え部材
128…下排出ローラ対(搬送手段)
128a…排出ローラ
130…排出ローラ対(排出手段)
130a…下部排出ローラ
130b…上部排出ローラ
131…引き込みパドル
132…ステイプラ
134…サドル入口ローラ対
135…中綴じ処理装置
136…上排出トレイ
137…下排出トレイ(第一積載トレイ)
138…中間処理トレイ(第二積載トレイ)
149…揺動ガイド
151…案内ガイド
152…第一除電針
153…第二除電針
154…支持軸
155…当接部材
156…偏芯カム
157…駆動軸
158…ベルトローラ
159…後端レバー
160…排出角移動モータ
208…シフト搬送モータ
209、213…駆動ベルト
300…画像形成装置本体
301…操作部
303…スライド支台
304、305…転動コロ
306…ステイプラ移動台
307…ガイドレール溝
320…コンピュータ
329、701…CPU
330…CPU回路部
331、703…ROM
332…原稿給送装置制御部
333…イメージリーダ制御部
334…画像信号制御部
335…プリンタ制御部
336…フィニッシャ制御部
337…外部インターフェイス
340…整合手段
340a、341a…整合部材
340a1、341a1…整合面
340b、341b…非整合面
350、702…RAM
500…原稿給送装置
601…シート搬送手段
681…積載手段
682…シート幅方向整合手段
682b…シート案内部材
704…ネットワークインターフェイス
705…入出力部
706…通信インターフェイス
707…搬送制御部
708…中間処理トレイ制御部
709…綴じ制御部
904…定着器
909…カセット
914…感光ドラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを積載する第一積載トレイと、
シートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送されてくるシートの前記第一積載トレイへ排出及び、シートの排出方向と逆方向にシートの搬送が可能な排出手段と、
前記排出手段によりシートの排出方向と逆方向に搬送されるシートを重ねて積載するための第二積載トレイと、
前記排出手段により前記第二積載トレイに搬送されるシートの搬送方向の先端を規制するストッパと、
前記排出手段により一枚ずつシートを前記第一積載トレイに排出する際の第一排出方向が、前記第二積載トレイで複数枚のシート重ねられたシート束を排出する際の第二排出方向よりも前記第一積載トレイに近づくよう前記排出手段の排出角度を変更する変更手段と、を備え、
前記排出手段によるシートの前記第二積載トレイへの搬送方向を、前記ストッパの下部の方向に向けたことを特徴とするシート排出装置。
【請求項2】
前記排出手段により一枚ずつ排出する際は、前記搬送手段により搬送されたシートを前記第一積載トレイへ直接排出することを特徴とする請求項1に記載のシート排出装置。
【請求項3】
前記変更手段は、前記排出手段により一枚ずつシートを排出する際の前記排出手段の排出角度を、シートのサイズ、搬送長、カール状態、坪量、厚み、画像形成濃度、装置使用環境、折り形態のうちいずれか一つに基づいて変更することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート排出装置。
【請求項4】
前記排出手段は、複数の排出ローラによる排出ローラ対で構成され、前記変更手段は、前記排出ローラ対の排出ニップ角度を変更することで前記排出角度を変更することを特徴とした請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート排出装置。
【請求項5】
前記変更手段は、前記排出ローラ対のうち少なくとも一方の排出ローラを移動し、前記排出ローラ対の排出ニップ角度を変更することで前記排出角度を変更することを特徴とした請求項4に記載のシート排出装置。
【請求項6】
前記変更手段は、前記排出ローラ対を離間させた状態で、少なくとも一方の排出ローラを移動し、前記排出ローラ対の排出ニップ角度を変更することを特徴とした請求項に記載のシート排出装置。
【請求項7】
前記排出ローラ対は、上下それぞれの排出ローラシャフト部に駆動手段からの回転駆動が付与されていることを特徴とした請求項乃至のいずれか1項に記載のシート排出装置。
【請求項8】
少なくとも一方の前記排出ローラのシート搬送方向上流側に設けられ、搬送されたシートを前記排出手段に案内する案内ガイドと、
前記一方の前記排出ローラのシート搬送方向上流側に設けられ、シート表面の帯電電位を除去する除電手段を有し、
前記変更手段は、
前記案内ガイド及び前記除電手段と前記一方の排出ローラとの配置関係が変わらないように、前記排出手段の排出角度を変更することを特徴とした請求項乃至のいずれか1項に記載のシート排出装置。
【請求項9】
前記第二積載トレイに積載されたシート綴じ処理を施すシート処理手段と、請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート排出装置を有することを特徴とするシート処理装置。
【請求項10】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像を形成されたシートを処理する請求項に記載のシート処理装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像を形成されたシートが積載される請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート排出装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−188291(P2012−188291A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−129675(P2012−129675)
【出願日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【分割の表示】特願2007−289201(P2007−289201)の分割
【原出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】