説明

シート材給送装置および画像形成装置

【課題】信頼性の高いシート材の給送を実現できるシート材給送装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート材Sを載置する手差しトレイ4bと、手差しトレイ4bに載置されたシート材Sを送り出すピックアップローラ101と、ピックアップローラ101の周面に圧接して上記送り出されたシート材Sを分離する摩擦力を発現させる分離パッド102とを有するシート材給送装置100であって、手差しトレイ4bに昇降自在に設けられ、上記載置されたシート材Sを支持すると共に所定の付勢力でシート材Sをピックアップローラ101の周面に圧接させるボトムプレート120と、ボトムプレート120に着脱自在に設けられ、上記付勢力を増加させるアタッチメント部材110とを有するという構成を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置に原稿や記録紙等のシート材を給送するシート材給送装置に関するものであって、特に摩擦係数の高いOHP(Overhead Projector)シート等を給送することができるシート材給送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シート材給送装置には、シート材の重送を防止するシート材分離用の摩擦部材を備えるものがあり、この摩擦部材としては、例えばゴム製のリタードローラや分離パッド等がある。この摩擦部材は、給送ローラに圧接して摩擦力を発現させ、その間で重なったシート材を一枚ずつ分離する構成となっている。この種の摩擦部材におけるシート材が摺接する表面は成形のままであったり、研磨処理を施してあったり、あるいはコルク等の混合物を設けて、シート材の分離に最適な状態にしている。
【0003】
ところで、画像形成装置にシート材を給送するシート材給送装置としては、例えば下記特許文献1に記載の手差供給方式が知られている。近年、このような手差供給方式等では、普通紙の他に、厚紙、薄紙、OHPシート、特殊紙等の様々な材質のシート材を給送しなければならない状況になってきており、上記のような摩擦部材の表面加工あるいは表面仕上げ等では、種々様々なシート材を十分に分離させることが難しくなってきている。
【0004】
特に、OHPシートのような摩擦係数の高いシート材においては、摩擦部材に密着し易いため、給送ローラの搬送力が足らずにシート材の給紙不良が起りやすい。しかし、OHPシートに合わせて摩擦部材の表面の密着性を低くすると、普通紙のような摩擦係数の低いシート材においては、分離不良が起こり重送を招いてしまう。
そこで、従来では、摩擦部材の表面を紙の捨て焼きでならしたり、適時にシート材を摩擦部材と給送ローラとの間に通して摩擦部材の表面を研磨したりして、シート材の搬送不良や分離不良を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−62887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来行われている摩擦部材の表面を紙の捨て焼き等でならす方法では、非常に時間が掛かってしまう上、搬送性能及び分離性能が若干低下してしまうという問題があった。なお、OHPシートと摩擦部材との密着を防ぐためには、両者の接触面積を小さくすれば良いが、接触面積を小さくすると逆に重送を招きやすくなるという問題がある。また、密着を防ぐ手段としては、給送ローラに対する摩擦部材の圧接する力(分離圧)を小さくすることも考えられるが、これも同様に重送の頻度を増加させてしまうという問題がある。このように、搬送性能と分離性能の両立は難しい状況にある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、信頼性の高いシート材の給送を実現できるシート材給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、シート材を載置するトレイと、上記トレイに載置された上記シート材を送り出す給送ローラと、上記給送ローラの周面に圧接して上記送り出されたシート材を分離する摩擦力を発現させる摩擦部材とを有するシート材給送装置であって、上記トレイに昇降自在に設けられ、上記載置されたシート材を支持すると共に所定の付勢力で上記シート材を上記給送ローラの周面に圧接させるボトムプレートと、上記ボトムプレートに着脱自在に設けられ、上記付勢力を増加させるアタッチメント部材とを有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、アタッチメント部材をボトムプレートに装着して付勢力を増加させることで、ボトムプレートと給送ローラとの圧接により得られるシート材のピック圧が高くなる。これにより、摩擦部材と給送ローラとが圧接する給送方向の上流側においてシート材の搬送力のアシストが得られるため、摩擦係数の高いシート材を給送する際の不送りが生じ難くなる。他方、アタッチメント部材をボトムプレートから取り外せば、摩擦部材に設計変更や特殊な処理を施すことなく、他のシート材に対しては従来と同じように十分な摩擦力で分離を行うことが可能となる。
【0009】
また、本発明では、上記アタッチメント部材は、上記ボトムプレートを底上げして上記付勢力を増加させるという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、アタッチメント部材を装着してボトムプレートを底上げすることで、シート材を給送ローラに圧接させるまでのストロークが短くなるため、付勢力を発現させるバネの十分な縮みを確保することができる。
【0010】
また、本発明では、上記アタッチメント部材は、上記摩擦部材が圧接する位置近傍で上記シート材を上記給送ローラの周面に圧接させる圧接部を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、摩擦部材と給送ローラとが圧接する位置により近い位置においてシート材を給送ローラに圧接させて搬送力のアシストを得ることができるため、摩擦係数の高いシート材を給送する際の不送りがより生じ難くなる。
【0011】
また、本発明では、上記圧接部は、上記給送ローラの周面に沿って傾斜しているという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、給送ローラとシート材との接触面積を十分に確保してシート材のピック圧を高めることが可能となる。
【0012】
また、本発明では、シート材を給送するシート材給送装置を有し、該シート材給送装置により給送されたシート材に画像を形成する画像形成装置であって、このシート材給送装置として、先に記載のシート材給送装置を有するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、シート材を載置するトレイと、上記トレイに載置された上記シート材を送り出す給送ローラと、上記給送ローラの周面に圧接して上記送り出されたシート材を分離する摩擦力を発現させる摩擦部材とを有するシート材給送装置であって、上記トレイに昇降自在に設けられ、上記載置されたシート材を支持すると共に所定の付勢力で上記シート材を上記給送ローラの周面に圧接させるボトムプレートと、上記ボトムプレートに着脱自在に設けられ、上記付勢力を増加させるアタッチメント部材とを有するという構成を採用し、アタッチメント部材をボトムプレートに装着して付勢力を増加させると、ボトムプレートと給送ローラとの圧接により得られるシート材のピック圧が高くなる。このため、摩擦部材と給送ローラとが圧接する給送方向の上流側においてシート材の搬送力のアシストが得られ、摩擦係数の高いシート材を給送する際の不送りが生じ難くなる。他方、アタッチメント部材をボトムプレートから取り外せば、摩擦部材に設計変更や特殊な処理を施すことなく、他のシート材に対しては従来と同じように十分な摩擦力で分離を行うことが可能となる。
したがって、本発明によれば、信頼性の高いシート材の給送を実現できるシート材給送装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態における複写機の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態におけるシート材給送装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態におけるアタッチメント装着時のシート材給送装置を示す斜視図である。
【図4】シート材給送時の図2における線視X−X断面図である。
【図5】シート材給送時の図3における線視Y−Y断面図である。
【図6】本発明の実施形態におけるアタッチメント部材を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態におけるアタッチメント部材を示す側面図である。
【図8】本発明の実施形態におけるアタッチメント部材を下側から視た斜視図である。
【図9】本発明の実施形態におけるアタッチメント部材を装着したボトムプレートを下側から視た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明においては、本発明のシート材給送装置を複写機(画像形成装置)に適応した場合の例について説明する。
【0016】
先ず、図1を参照して、本実施形態における複写機1の構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態における複写機1の構成を示す概略図である。
複写機1は、原稿から画像を読み取る画像読取部2と、シート材Sに画像を形成する画像形成部3と、シート材Sを収容する給紙カセット4aと、シート材Sを給紙する手差しトレイ(トレイ)4bを備えるシート材給送装置100と、画像形成部3にて形成された画像をシート材Sに転写する転写装置5と、転写された画像をシート材S上に定着させる定着装置6と、定着が完了し複写機1の機外に排出されたシート材Sを受ける排紙トレイ7と、給紙カセット4aあるいは手差しトレイ4bから給紙されたシート材Sを排紙トレイ7まで搬送する搬送路8とを備える。
【0017】
画像読取部2は、例えば、図1に示す原稿自動送り装置21と、原稿の画像を読み取る原稿読取装置22とを備える構成となっており、原稿自動送り装置21から供給された原稿の画像を、スキャナ等を備える原稿読取装置22で読み取る構成となっている。
画像形成部3は、画像読取部2において読み取った画像データに基づいて画像を形成するものであり、例えば、感光ドラム31、帯電装置32、露光装置33、現像装置34、クリーニングユニット35を概略備える構成となっている。
【0018】
感光ドラム31は、円柱状に形状設定され、その周面に静電潜像及び該静電潜像に基づくトナー像が形成されるものである。帯電装置32は、感光ドラム31に対して対向配置され、感光ドラム31の周面を帯電状態とするものである。露光装置33は、印刷形式の画像データに基づいてレーザー光を射出し、そのレーザー光を帯電状態の感光ドラム31の周面において走査することで感光ドラム31の周面に静電潜像を形成するものである。現像装置34は、感光ドラム31の周面に形成された静電潜像に対してトナーを供給することによって感光ドラム31の周面上にトナー像を形成するものである。クリーニングユニット35は、感光ドラム31からトナー像が搬送されるシート材Sに転写された後に感光ドラム31上に残留したトナーを除去するものである。
【0019】
転写装置5は、感光ドラム31と対向配置され、転写装置5と感光ドラム31との間に搬送されるシート材Sに、感光ドラム31に担持されているトナー像を転写するものであり、感光ドラム31に担持されたトナー像に所定の電荷を与えてシート材Sに吸着させる帯電器を備える構成となっている。また、定着装置6は、加圧・加熱することによりシート材S上に転写されたトナー像をシート材Sに定着させ、搬送路8は、シート材Sを搬送する搬送ローラ82、トナー像が転写されたシート材Sを定着装置6に搬送する搬送ベルト83、排紙トレイ7にシート材Sを排紙する排紙ローラ84等を概略備える構成となっている。
【0020】
次に、このような複写機1に設けられたシート材給送装置100の構成について図2〜図9を参照して説明する。
図2は、本発明の実施形態におけるシート材給送装置100を示す斜視図である。図3は、本発明の実施形態におけるアタッチメント装着時のシート材給送装置100を示す斜視図である。図4は、シート材給送時の図2における線視X−X断面図である。図5は、シート材給送時の図3における線視Y−Y断面図である。図6は、本発明の実施形態におけるアタッチメント部材110を示す斜視図である。図7は、本発明の実施形態におけるアタッチメント部材110を示す側面図である。図8は、本発明の実施形態におけるアタッチメント部材110を下側から視た斜視図である。図9は、本発明の実施形態におけるアタッチメント部材110を装着したボトムプレート120を下側から視た斜視図である。
【0021】
図2〜図5に示すように、シート材給送装置100は、複写機1の側面に設けられてシート材Sを載置する手差しトレイ4bと、手差しトレイ4bに載置されたシート材Sを送り出すピックアップローラ(給送ローラ)101と、ピックアップローラ101の周面に圧接して送り出されたシート材Sを分離する摩擦力を発現させる分離パッド(摩擦部材)102とを有する。本実施形態のシート材給送装置100は、普通紙の他、薄紙、厚紙、OHPシート等の様々なシート材Sを給送する構成となっている。
【0022】
ピックアップローラ101は、手差しトレイ4b上で所定の高さに軸支され、不図示のモータ等の駆動源により軸周りに回転駆動され、手差しトレイ4bに載置された最上位のシート材Sを複写機1の内部に給送する構成となっている。
分離パッド102は、所定の表面処理を施しピックアップローラ101の周面に圧接(摺接)するパッド部102aと、パッド部102aを支持するホルダ部102bとを有する。ホルダ部102bは、不図示の加圧バネの付勢により、パッド部102aを揺動自在に支持すると共にパッド部102aをピックアップローラ101の周面に所定の分離圧で圧接させる構成となっている。
【0023】
手差しトレイ4bには、載置されたシート材Sを昇降させるボトムプレート120が設けられる。ボトムプレート120は、手差しトレイ4bのガイド側壁両側において回動自在に支持されて、ピックアップローラ101寄りのシート材Sの端部を持ち上げる構成となっている。このボトムプレート120は、その底部120a裏側を上方に向け不勢する加圧バネ121(図4あるいは図5参照)を有する昇降機構を備えて昇降が適宜制御される。このボトムプレート120には、アタッチメント部材110が着脱自在に嵌合する嵌合溝122が設けられる(図2参照)。
【0024】
本実施形態のアタッチメント部材110は、摩擦係数の高いOHPシートを給送する際にボトムプレート120の底部120aに装着される専用アタッチメントである(図3参照)。アタッチメント部材110は、図6及び図7に示すように、側面視で略直角三角形状を有し、シート材Sを広い範囲で支持すべく手差しトレイ4bの幅方向(シート材の給送方向に直交する方向)に亘って延在している。このアタッチメント部材110の底部には、ボトムプレート120に設けられた嵌合溝122に挿入して嵌め合う突起部111が設けられる。
【0025】
突起部111は、嵌合溝122に容易に挿入できるように角部が面取りされた形状を有する。この突起部111は、図8に示すように、アタッチメント部材110の底部に計4つ設けられ、突起部111a1及び突起部111a2、突起部111b1及び突起部111b2が組となっている。また、嵌合溝122も図2に示すように、ボトムプレート120に計4つ設けられ、嵌合溝122a1及び嵌合溝122a2、嵌合溝122b1及び嵌合溝122b2が組となっている。
【0026】
アタッチメント部材110をボトムプレート120に装着する際には、図9に示すように、突起部111a1を嵌合溝122a1に、突起部111a2を嵌合溝122a2に、突起部111b1を嵌合溝122b1に、突起部111b2を嵌合溝122b2に、挿入して装着する。なお、嵌合溝122は、舌片部123を備え、組となった突起部111が挿入された際にそれらの対向する側面が舌片部123を挟み込むように接するようになっている。舌片部123は、アタッチメント部材110の幅方向のズレを規制すると共に、突起部111との間で摩擦力を発現させ、挿入方向にアタッチメント部材110が容易に抜けないように作用する。
【0027】
このように装着されたアタッチメント部材110は、図5に示すように、ピックアップローラ101に向かうに従って上方に傾斜するようにボトムプレート120を底上げする。アタッチメント部材110は、分離パッド102が設けられる位置近傍でシート材Sをピックアップローラ101に圧接させる圧接部110aを備える。この圧接部110aは、ピックアップローラ101とシート材Sとの接触面積を十分に確保してシート材Sのピック圧を高めるべく、ピックアップローラ101の周面に沿って傾斜している。
【0028】
続いて、上記構成のシート材給送装置100のシート材給送動作について説明する。
シート材給送装置100は、先ず、ボトムプレート120を上昇させ、手差しトレイ4bに載置されたシート材Sの端部をピックアップローラ101の周面に圧接させる。すなわち、最上位のシート材Sの端部上面はボトムプレート120を押圧するように設けられた加圧バネ121により所定の付勢力でピックアップローラ101の周面に圧接し、この状態でピックアップローラ101が回転駆動すると、シート材Sが摩擦力で送り出される。
【0029】
ここで、ピックアップローラ101には分離パッド102が圧接しており、送り出されたシート材Sが複数枚重なっていた場合には、ピックアップローラ101と分離パッド102との間で、分離パッド102側のシート材Sは摩擦力によりせき止められて、ピックアップローラ101側のシート材Sはせき止められたシート材Sと分離して給送方向下流側に送り出される。
【0030】
ところで、OHPシートのような摩擦係数が高いシート材Sを給送する場合は、シート材Sが分離パッド102に密着し易いため、ピックアップローラ101の搬送力が足らずにシート材Sの不送りが起こり易い。この場合、OHP専用のアタッチメント部材110をボトムプレート120に装着することで、この不送りを防止する。
【0031】
すなわち、アタッチメント部材110を装着してボトムプレート120を底上げすると、図4と図5との比較から分かるように、シート材Sをピックアップローラ101に圧接させるまでのストロークが短くなるため、付勢力を発現させる加圧バネ121の十分な縮みを確保することができる。すなわち、アタッチメント部材110をボトムプレート120に装着して加圧バネ121による付勢力を増加させると、ボトムプレート120とピックアップローラ101との圧接により得られるシート材Sのピック圧が高くなる。このため、分離パッド102とピックアップローラ101とが圧接する位置の給送方向上流側においてシート材Sの搬送力のアシストが得られ、摩擦係数の高いシート材Sを給送する際の不送りが生じ難くなる。
【0032】
また、アタッチメント部材110は、分離パッド102がピックアップローラ101に圧接する位置近傍でシート材Sをピックアップローラ101の周面に圧接させる圧接部110aを備えるため、分離パッド102により近い位置において搬送力のアシストを得ることができ、摩擦係数の高いシート材Sを給送する際の不送りがより生じ難くなる。
加えて、圧接部110aは、ピックアップローラ101の周面に沿って傾斜しているため、ピックアップローラ101とシート材Sとの接触面積を十分に確保してシート材Sのピック圧を高めることが可能となる。
【0033】
したがって、上述した本実施形態によれば、シート材Sを載置する手差しトレイ4bと、手差しトレイ4bに載置されたシート材Sを送り出すピックアップローラ101と、ピックアップローラ101の周面に圧接して上記送り出されたシート材Sを分離する摩擦力を発現させる分離パッド102とを有するシート材給送装置100であって、手差しトレイ4bに昇降自在に設けられ、上記載置されたシート材Sを支持すると共に所定の付勢力でシート材Sをピックアップローラ101の周面に圧接させるボトムプレート120と、ボトムプレート120に着脱自在に設けられ、上記付勢力を増加させるアタッチメント部材110とを有するという構成を採用し、アタッチメント部材110をボトムプレート120に装着して付勢力を増加させると、ボトムプレート120とピックアップローラ101との圧接により得られるシート材Sのピック圧が高くなる。このため、分離パッド102とピックアップローラ101とが圧接する給送方向の上流側においてシート材Sの搬送力のアシストが得られ、摩擦係数の高いシート材Sを給送する際の不送りが生じ難くなる。他方、アタッチメント部材110をボトムプレート120から取り外せば、分離パッド102に設計変更や特殊な処理を施すことなく、他のシート材Sに対しては従来と同じように十分な摩擦力で分離を行うことが可能となる。
したがって、本実施形態によれば、信頼性の高いシート材Sの給送を実現できるシート材給送装置100を提供できる効果がある。
【0034】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0035】
例えば、上述した実施形態ではシート材給送装置100を手差しトレイ4bに適用した場合の例について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、シート材給送装置100を給紙カセット4aに適用する構成であっても良い。
【符号の説明】
【0036】
S…シート材、1…複写機(画像形成装置)4b…手差しトレイ(トレイ)、100…シート材給送装置、101…ピックアップローラ(給送ローラ)、102…分離パッド(摩擦部材)、110…アタッチメント部材、110a…圧接部、120…ボトムプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材を載置するトレイと、前記トレイに載置された前記シート材を送り出す給送ローラと、前記給送ローラの周面に圧接して前記送り出されたシート材を分離する摩擦力を発現させる摩擦部材とを有するシート材給送装置であって、
前記トレイに昇降自在に設けられ、前記載置されたシート材を支持すると共に所定の付勢力で前記シート材を前記給送ローラの周面に圧接させるボトムプレートと、
前記ボトムプレートに着脱自在に設けられ、前記付勢力を増加させるアタッチメント部材とを有することを特徴とするシート材給送装置。
【請求項2】
前記アタッチメント部材は、前記ボトムプレートを底上げして前記付勢力を増加させることを特徴とする請求項1に記載のシート材給送装置。
【請求項3】
前記アタッチメント部材は、前記摩擦部材が圧接する位置近傍で前記シート材を前記給送ローラの周面に圧接させる圧接部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のシート材給送装置。
【請求項4】
前記圧接部は、前記給送ローラの周面に沿って傾斜していることを特徴とする請求項3に記載のシート材給送装置。
【請求項5】
シート材を給送するシート材給送装置を有し、該シート材給送装置により給送されたシート材に画像を形成する画像形成装置であって、
前記シート材給送装置として、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシート材給送装置を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−1180(P2011−1180A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146965(P2009−146965)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】