説明

シート状太陽光発電モジュール取付け工法

【課題】建築部材の種類や新築と改修の別なく、シート状太陽光発電モジュールを容易に位置決めして確実に建築部材に取り付ける。
【解決手段】シート状太陽光発電モジュール1の取り付けに先立って、シート状太陽光発電モジュール1の側周部を囲む構造を有するフレーム3を構造物又は建築部材5に固定するフレーム固定工程と、フレーム3と構造物又は建築部材5におけるシート状太陽光発電モジュール1の取付け面に接着剤Jを塗布する接着剤塗布工程と、先に固定したフレーム3を案内としてシート状太陽光発電モジュール1をフレーム3内に嵌め込み、先に塗布した接着剤Jによって構造物又は建築部材5に接着させるシート状モジュール貼付工程と、フレーム3内に貼付されたシート状太陽光発電モジュール1とフレーム3間の隙間をシールするシーリング工程と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状太陽光発電モジュールを構造物、及び、建築物の外壁材、屋根材等の建築部材に取り付ける場合の取付け工法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に優しいクリーンなエネルギーとして太陽光の利用が注目されており、該太陽光を電気エネルギーに変える太陽光発電モジュールの開発が急速に進められている。
【0003】
また、上記太陽光発電モジュールとして従来はガラス板を使用した太陽電池パネルが主流であったが、最近では下記の特許文献1〜5に示すようなシート状太陽光発電モジュールが登場してきている。
【0004】
上記シート状太陽光発電モジュールとしては、幅が約50cm、長さが約180cm、厚さが約1mmの薄手の矩形シート形状をしたタイプも登場している。
【0005】
このタイプのシート状太陽光発電モジュールは、上記従来のガラス板を使用した太陽電池パネルに比べて重量が約10分の1と極めて軽量で、可撓性を有するため、曲面形状の外壁材や屋根材等の建築部材にも適用でき、種々の用途で今後の利用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−311281号公報
【特許文献2】特開平8−56006号公報
【特許文献3】特開平11−324260号公報
【特許文献4】特開2000−145074号公報
【特許文献5】特開2000−150949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、シート状太陽光発電モジュールは、可撓性を有することによって、例えば建築物の外壁材(一例として、ALCパネル)に取り付ける際にシート状太陽光発電モジュールを垂直姿勢で支持した状態で正確に水平方向に取り付けることが困難であった。
【0008】
そして、前記建築物が新築物件の場合には、工場等で予めALCパネル等にシート状太陽光発電モジュールを取り付けた後、現場でALCパネルを組み立てることも可能であるが、上記建築物が改修物件の場合には、既設の外壁材にシート状太陽光発電モジュールを取り付ける際に上述した垂直姿勢でのシート状太陽光発電モジュールの位置決めが必要になってくる。
【0009】
これに対し、上記特許文献1〜5ではシート状太陽光発電モジュールを水平ないしなだらかな傾斜面の屋根材等に設置することを前提に説明されており、上述したシート状太陽光発電モジュールを垂直姿勢で支持して位置決めする際の問題点と解決策には何ら触れられていない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、シート状太陽光発電モジュールを取り付ける建築部材の種類や新築工事と改修工事の別に因ることなく、シート状太陽光発電モジュールを容易に位置決めして確実に建築部材に取り付けることができる防火性能に優れたシート状太陽光発電モジュール取付け工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の一側面に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法は、シート状太陽光発電モジュールを構造物又は建築部材に取り付けるための取付け工法であって、前記シート状太陽光発電モジュールの取り付けに先立って、当該シート状太陽光発電モジュールの側周部を囲む構造を有するフレームを前記構造物又は建築部材に固定するフレーム固定工程と、前記フレームと前記構造物又は建築部材における前記シート状太陽光発電モジュールの取付け面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、先に固定したフレームを案内として前記シート状太陽光発電モジュールを前記フレーム内に嵌め込むと共に、先に塗布した接着剤によって前記構造物又は建築部材に接着させるシート状モジュール貼付工程と、前記フレーム内に貼付されたシート状太陽光発電モジュールと当該フレーム間の隙間をシールするシーリング工程と、を備えていることを特徴とするものである。シール工程は、例えば、不定形シーリングあるいは定形ガスケット工程である。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法では、前記フレーム固定工程において、前記建築部材が突き合わせ状態で複数設けられている場合に、前記フレームを隣接する2つの建築部材間の目地を跨ぐように配設すると共に、当該フレームが架かる2つの建築部材のうちの何れか一方の建築部材に対して固定する。
【0013】
また、本発明の一実施形態に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法では、前記接着剤塗布工程で使用する接着剤は、変成シリコーン系接着剤である。
【0014】
また、本発明の一実施形態に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法では、前記シート状モジュール貼付工程において、前記シート状太陽光発電モジュール貼付を前記フレーム(3)内に嵌め込む前に、該シート状太陽光発電モジュールの発電セルの存在しない光透過部に対して遮光性プライマーを塗布する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の態様を示す図で、本工法によって取り付けたシート状太陽光発電モジュールの施工状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の態様を示す図で、建築部材とフレームとシート状太陽光発電モジュールを分解した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の態様を示す図で、建築部材にフレームとシート状太陽光発電モジュールを取り付けた状態を示す正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の態様を示す図で、建築部材にフレームとシート状太陽光発電モジュールを取り付けた状態を示す側断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の態様を示す図で、シート状太陽光発電モジュールの積層構造を示す平断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の態様を示す図で、フレーム固定工程を(a)〜(c)の3段階に分けて示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の態様を示す図で、接着剤塗布工程を(a)(b)の2段階に分けて示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の態様を示す図で、シート状モジュール貼付工程を(a)(b)の2段階に分けて示す説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の態様を示す図で、シーリング工程を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す図で、隣接する建築部材間の目地に跨ってフレームとシート状太陽光発電モジュールを取り付けた状態を示す正面図である。
【図10A】第2の実施の形態の変形例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態を示す図で、フレームによる上下方向(a)と左右方向(b)の建築部材の層間変位に対する吸収作用を示す説明図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態を示す図で、脱落防止貫通アンカーを使用した工法によって建築部材に取り付けたフレームとシート状太陽光発電モジュールを示す正面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態を示す図で、脱落防止貫通アンカー使用部位を拡大して示す側断面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態を示す図で、フレーム補強工程を(a)〜(d)の4段階に分けて示す説明図である。
【図15】本発明の他の実施の形態を示す図でフレームの他の構造を示す斜視図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態の変形例を示す図で、羽根出し部付きのフレームを示す正面図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態の変形例を示す図で、羽根出し部を拡大して示す側断面図である。
【図18】隣接フレーム間の外部配線設置スペースを示す正面図である。
【図19】外部配線設置スペースに設けられる配線カバーを示す断面図である。
【図20】外部配線設置スペースに設けられる配線カバーの他の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法を図1乃至図9に示す第1の実施の形態と、図10及び図11に示す第2の実施の形態と、図12乃至図14に示す第3の実施の形態と、図16及び図17に示す第3の実施の形態の変形例とを例にとって具体的に説明する。
【0017】
最初に図1乃至図5に基づいて本工法で使用するフレーム3と、シート状太陽光発電モジュール1と、取り付け対象となる建築部材5と、取り付けに際して使用されるその他の部材について説明する。
【0018】
先ず、取り付け対象となる建築部材5としては、建築部材の屋根材や外壁材が適用でき、このうち外壁材としては、発泡剤で気泡を形成して多孔質化した軽量気泡コンクリート板である「ALCパネル」が一例として使用できる。なお、ここでは、「ALCパネル」を例に挙げて説明するが、本発明は、「ALCパネル」に限らず、RC、PC板、断熱塗装鋼板サンドイッチパネル等の任意の建築・土木部材、及び、建築・土木構造物に適用可能である。
【0019】
また、本工法を適用する建築物は、主に改修物件を対象としているが、新築物件にも適用可能であり、その場合には、建築物に設置する前の建築部材5に対して予めフレーム3とシート状太陽光発電モジュール1を取り付けるようにしても勿論構わない。
【0020】
また、上記ALCパネルによって構成されている建築部材5を建築物の外壁に設置する場合には、図1、2に示すように複数枚の建築部材5を突き合わせた状態で例えば下方から順次上方に向って、あるいは上方から順次下方に向って設置して行く。
【0021】
そして、図1では上下に積み上げられた各建築部材5の各々に次に述べるフレーム3と後述するシート状太陽光発電モジュール1が取り付けられている「標準タイプ」の施工状態が図示されている。
【0022】
フレーム3は、後述するシート状太陽光発電モジュール1の側周部となる上下左右の4辺A、B、C、Dを囲む上記シート状太陽光発電モジュール1よりも一回り大きな前面が開口された枠構造の部材である。
【0023】
具体的には、図2乃至4に示すように上枠7A、下枠7B、左枠7C、右枠7Dとから構成されている外枠7と、例えば該外枠7の上記上枠7Aと下枠7Bを連結するように左右に設けられている2本の補強枠9C,9Dとを備えることによってフレーム3は構成されている。さらに、好適には、上枠7A、下枠7B、左枠7C、右枠7Dの少なくとも1つに、太陽光発電モジュールからのリード配線27(図5参照)を通す孔を設けても良い。
【0024】
フレーム3は、一例としてステンレス製の厚さ1mm程度の板材を折り曲げ加工することによって形成されており、前記上下左右の外枠7A、7B、7C、7Dのうち、少なくとも上枠7Aと下枠7Bには、該板材の端部を前方に90°、2回折り曲げて形成した門型断面の張出し囲み部11が形成されている。
【0025】
また、上記張出し部囲み部11の内側には図4中の拡大図で示すような空間Sが形成されており、該空間Sには該空間Sの入り口部の隙間を埋めるシーリング材17と、該シーリング材17の充填量を調整するバックアップ材15とが収容されている。
【0026】
尚、上記シーリング材17としては粘性のあるペースト状の変成シリコーン系のシーリング材料が一例として適用でき、例えば円筒状のカートリッジに充填されるものを使用する。例えば、サンスター技研株式会社製の「ペンギンシール2550HM」を用いることができる。具体的には先に設けたバックアップ材15の上面に、必要に応じてプライマー処理し、上記カートリッジからシーリング材17を押し出した後、一例としてヘラ等で整えられて断面形状が四角形状になるように外観が成形されている。
【0027】
また、上記バックアップ材15としては、例えば断面形状が矩形状の棒状部材等が一例として適用される。
【0028】
一方、左枠7Cと右枠7Dは、本実施の形態では後述するシート状太陽光発電モジュール1の左辺Cと右辺Dの左右方向の移動を規制する前方に張り出した衝立状の張出し規制部12によって構成されている。
【0029】
そして、上記張出し規制部12の内壁面側にも後述するシート状太陽光発電モジュール1との間にできる隙間を埋める上記と同様、三角形断面に成形されたシーリング材17が装填されている。
【0030】
また、上記張出し囲み部11と張出し規制部12を正面から視た時、これらの内側には図2に示すように内縁部13が内側に張り出すように設けられている。そして、該内縁部13は上記張出し囲み部11ないし張出し規制部12と一体に形成されている。
【0031】
更に、上記内縁部13と上記補強枠9には、フレーム3を建築部材5に固定する場合に使用される一例としてALCパネル用の固定ビス19を受け入れる小孔20が複数形成されている。
【0032】
シート状太陽光発電モジュール1は、たとえば、幅Wが約50cm、長さLが約180cm、厚さが約1mmの可撓性を有する矩形シート状の部材である。
【0033】
シート状太陽光発電モジュール1の積層構造は、図5に示すようになっており、中心に厚さが約20μmの遮光性を有する発電セル21、その上下及び周囲に上記発電セル21を取り囲むように厚さが約500μmの透明で可燃性の合成樹脂材料、例えばポリエチレン(PE)によって形成される中間層23が設けられている。
【0034】
また、上記中間層23の上下には、各々の厚さが約20μmの透明で難燃性を有する合成樹脂材料、例えばエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)によって形成される表層25が形成されている。
【0035】
また、上記発電セル21からはリード配線27が延びており、その先端は受光面と反対側に位置する中間層23と、表層25を通って受光面側あるいは裏面側から外部に取り出されている。リード配線27の先端には、後述の外部配線27aと接続するためのコネクタが取り付けられる。
【0036】
また、上記積層構造に伴って上記シート状太陽光発電モジュール1の外周部には、遮光性の発電セル21が存在しない透明領域29が25〜50mm位の幅で存在している。
【0037】
そして、上記透明領域29は光が透過する光透過部になっており、シート状太陽光発電モジュール1の裏面を建築部材5及びフレーム3に接着する接着剤Jが光に曝されて劣化するおそれがある。これに伴い、本発明では後述するように上記透明領域29のシート状太陽光発電モジュール1の裏面に遮光性プライマー31を塗布して上記接着剤Jの劣化を防止している。
【0038】
尚、このようなシート状太陽光発電モジュール1としては、富士電機システムズ株式会社製造の商品名「FWAVE」が一例として使用でき、該「FWAVE」は厚さが約1mmと極めて薄く、重量が従来のガラスを使用した太陽電池パネルに比べて約10分の1(約1kg/m)と、極めて軽量になっている。
(1)第1の実施の形態(図1〜図9参照)
以下、前述したフレーム3とシート状太陽光発電モジュール1を使用して建築部材5の表面に太陽光発電設備を設置する場合に実施する本発明のシート状太陽光発電モジュール取付け工法の第1の実施の形態について説明する。
【0039】
本実施の形態のシート状太陽光発電モジュール取付け工法は、(A)フレーム固定工程と、(B)接着剤塗布工程と、(C)シート状モジュール貼付工程と、(D)シーリング工程と、を備えることによって構成されている。
(A)フレーム固定工程(図6参照)
フレーム固定工程は、前記シート状太陽光発電モジュール1の取り付けに先立って、当該シート状太陽光発電モジュール1の側周部を囲む構造の前記フレーム3を前記建築部材5に固定する工程である。
【0040】
本工程では最初に図6(a)に示すようにシート状太陽光発電モジュール1を取り付ける建築部材5に対して、フレーム3の取付け位置に墨出しを行う。
【0041】
次に、墨出しした墨出し線35を案内にしてフレーム3を建築部材5に宛がい、図6(b)に示すようにネイル33を使用して、フレーム3の前記内縁部13の左右上部のコーナ部を支持させることでフレーム3を仮止めする。
【0042】
更に、図6(c)に示すように前述した固定ビス19を内縁部13と補強枠9に対して形成されている小孔20に通してビス止めし、フレーム3を建築部材5に固定する。尚、上記ネイル33は、フレーム3の固定完了後に撤去する。
(B)接着剤塗布工程(図7参照)
接着剤塗布工程は、前記フレーム3と前記建築部材5におけるシート状太陽光発電モジュール1の取付け面に接着剤Jを塗布する工程である。
【0043】
本工程では最初に前記フレーム3の内縁部13及び補強枠9と建築部材5の取付け面の下地をチェックし、目違い、不陸、凹凸、損傷等の問題がある場合にはセメント系や樹脂系材料で補修後、必要に応じて図7(a)に示すように取付け面全体にプライマーPをウーローラー等で塗布して下地処理を行う。尚、本工程で使用するプライマーPとしては、透明で塗りやすく、紫外線による黄変性がなく、接着性に優れたウレタン樹脂系プライマーが一例として適用可能である。例えば、サンスター技研株式会社製の「プライマーUS−1」を用いることができる。
【0044】
次に、図7(b)に示すようにプライマーPを塗布した面に接着剤Jを更に塗布し、櫛目ごて36を使用して、塗膜の厚さが0.5mm〜1mm程度になるように均して当該接着剤Jを櫛目状に成形する。
【0045】
尚、本工程で使用する接着剤Jとしては、粘性が高く、耐候性および各種被着体への接着性に優れた変成シリコーン系接着剤が一例として適用可能である。例えば、サンスター技研株式会社製の「ペンギンセメント2610」を用いることができる。
【0046】
(C)シート状モジュール貼付工程(図8及び図9参照)
シート状モジュール貼付工程は、先に固定したフレーム3を案内として前記シート状太陽光発電モジュール1を前記フレーム3内にけんどん式で嵌め込むと共に、先に塗布した接着剤Jによって前記建築部材5に接着させる工程である。
【0047】
本工程では、予めシート状太陽光発電モジュール1の裏面外周部の前述した透明領域29に図8(a)に示すように遮光性プライマー31を刷毛等で塗布しておく。尚、本工程で使用する遮光性プライマー31としては、塗布しやすく、紫外線の透過性がなく、接着可能時間が長いシラン系プライマーが一例として適用可能である。例えば、サンスター技研株式会社製の「プライマーGP−402」を用いることができる。
【0048】
上記遮光性プライマー31が塗布されたシート状太陽光発電モジュール1を手に持って、前記フレーム3の外枠7を案内としてフレーム3内にけんどん式で嵌め込み、図8(b)に示すように上記接着剤Jが塗布された所定の取付け面にシート状太陽光発電モジュール1を貼り付ける。
【0049】
次に、張出し囲み部11が形成されている上枠7Aと下枠7Bに対して図9に示すように張出囲み部11の内側の空間Sに前述したバックアップ材15を装填する。
【0050】
(D)シーリング工程(図9参照)
シーリング工程は、前記フレーム3内に貼付されたシート状太陽光発電モジュール1と当該フレーム3間の隙間をシールする工程である。ここでは、シーリング工程として不定形シーリング工程を例に挙げて説明するが、定形シーリング工程により実行することも可能である。
【0051】
本工程では、フレーム3の上枠7Aと下枠7Bについては、上記張出し囲み部11の内部にバックアップ材15を装填し、必要に応じて内壁面と、シート状太陽光発電モジュール1の上辺A及び下辺Bとの境界部にプライマー処理後、シーリング材17を充填し、フレーム3の左枠7Cと右枠7Dについては、張出し規制部12の内壁面と、シート状太陽光発電モジュール1の左辺C及び右辺Dとの境界部に必要に応じてプライマー処理後、シーリング材17を充填する。
【0052】
更に、上記充填されたシーリング材17をヘラ等で押えてその外観を図9に示すように断面が四角形状あるいは三角形状になるように成形すれば本実施の形態に係る一連の工程が終了する。
【0053】
同様に当該建築部材5に接続されている他の建築部材5に対しても上記(A)〜(D)の4工程を順次実行し、必要な数のシート状太陽光発電モジュール1を取り付ければ太陽光発電設備の設置が完了する。
【0054】
尚、本実施の形態に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法は、既設の建築部材5に対して適用できる点が特徴になっているが、前述したように建築物の新築工事に使用する場合には、建築物に取り付ける前の建築部材5に対して上記(A)〜(D)の4工程を実行して予めシート状太陽光発電モジュール1を取り付けておき、該シート状太陽光発電モジュール1が取り付けられた状態の建築部材5を使用して建築物の外壁材設置工事や屋根材設置工事を実行することも可能である。
【0055】
そして、このようにして構成される本実施の形態に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法によれば、シート状太陽光発電モジュール1を取り付ける建築部材5の種類や新築工事と改修工事の別に因ることなく、シート状太陽光発電モジュール1を容易に位置決めして確実に建築部材5に取り付けることが可能になる。
【0056】
また、このようにして取り付けられたシート状太陽光発電モジュール1は、防水性、防火性能及び耐候性に優れているため、長期間に亘って安心して安全に使用することが可能である。
【0057】
(2)第2の実施の形態(図10及び図11参照)
本実施の形態に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法は、基本的な構成については、前記第1の実施の形態と同様であり、フレーム3とシート状太陽光発電モジュール1の配設構造を異ならせた点で前記第1の実施の形態と相違する。
【0058】
従って、ここでは前記第1の実施の形態と相違するフレーム3とシート状太陽光発電モジュール1の配設構造を中心にして説明する。
【0059】
即ち、本実施の形態では、前記第1の実施の形態において採用した1つの建築部材5に対して1つのフレーム3及びシート状太陽光発電モジュール1を配設する「標準タイプ」の配設構造と相違する「目地跨ぎタイプ」の配設構造を採用している。
【0060】
目地跨ぎタイプの配設構造は、図10に示すように前記建築部材5が突き合わせ状態で複数設けられている場合に、前記フレーム3とシート状太陽光発電モジュール1を隣接する2つの建築部材5間の目地37を跨ぐように配設した配設設備である。
【0061】
そして、本実施の形態では、前述した(A)のフレーム固定工程において、前記フレーム3を隣接する2つの建築部材5間の目地37を跨ぐように配設すると共に、当該フレーム3が架かる2つの建築部材5のうちの何れか一方の建築部材5に対してのみ固定し、他方の建築部材5には固定しない構造をとっている。これに伴ない、本実施の形態では一方の建築部材5に対して接着剤Jを塗布し、他方の建築部材5には接着剤Jを塗布しないようにフレーム3にマスキングするためのプレート板63が追加されている。図10の例では、上側の建築部材5に対してフレーム3を固定ビス19で固定するとともに接着剤Jが塗布されるが、下側の建築部材5に対しては固定ビス19によってフレーム3を固定せず、プレート板63によって接着剤Jが塗布されない。
【0062】
このような構成の本実施の形態に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法によっても、前記第1の実施の形態と同様の作用、効果が発揮され、更に本実施の形態の特有の効果として、当該フレーム3が強度部材となって突き合わせた状態で接続されている建築部材5の左右方向の層間変位67が図11に示すように吸収されるため建築部材5および太陽光発電モジュールの耐震性を維持、向上することができる。
【0063】
図10Aは、第2の実施の形態の種々の変形例を示す。建築部材5に接着剤Jを塗布しないようにマスキングするためのプレート板63は、フレーム3内の一部あるいは全面に取り付けることができる。例えば、図10Aに示すように、プレート板63が、縦目地を跨ぐように(図10A中の上段左右両側のフレーム3)、又は、横目地及び縦目地の両方を跨ぐように(2方向の目地を跨ぐように:図10A中の中段のフレーム3)、フレーム3内の適宜な位置に適宜の形状で設置することができる。また、図10A中の下段のフレーム3のように、フレーム3の全面にプレート板63を配置しても良い。フレーム3の一部にプレート板63が配置されていないものでは、プレート板63がない部分においてフレーム3を建築部材5に固定ビス19で固定するが、フレーム全面にプレート板63が配置されるものでは、フレーム3が覆う何れか1つの建築部材5にフレーム3を固定ビス19で固定する。図10A中の下段のフレーム3では、左上の建築部材5に固定ビス19で固定している。
【0064】
プレート板63が縦目地を跨ぐように配置されたフレーム3(図10A中の上段左右両側のフレーム3)によれば、建築部材5の上下方向の層間変位を吸収させることが可能である。また、横目地及び縦目地の両方を跨ぐように(2方向の目地を跨ぐように)配置されたフレーム3(図10A中の中段のフレーム3)、及び、全面にプレート63が配置されたフレーム3(図10A中の下段)によれば、左右方向及び上下方向の層間変位を吸収させることが可能である。
(3)第3の実施の形態(図12〜図14参照)
本実施の形態に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法は、基本的な構成については、前記第1及び第2の実施の形態と同様であり、前記(D)のシーリング工程の後工程として(E)フレーム取り付け補強工程を更に備えている点で前記第1及び第2の実施の形態と相違する。
【0065】
従って、ここでは前記第1の実施の形態と相違する(E)のフレーム取り付け補強工程を中心にして説明する。
(E)フレーム取り付け補強工程(図12〜図14参照)
フレーム取り付け補強工程は、前記フレーム3と建築部材5に対してアンカー挿入孔39を穿孔し、穿孔したアンカー挿入孔39に脱落防止貫通アンカー41を挿入して前記フレーム3の固定を補強する工程である。
【0066】
脱落防止貫通アンカー41を取り付ける個所は、一例として図12に示すフレーム3の上枠7Aの左右両端部寄りの2ヶ所であり、図13及び図14に示すように脱落防止貫通アンカー41をフレーム3側からアンカー挿入孔39に挿入して、上枠7Aの張出し囲み部11の前面にてナット43を締め付けて固定する。なお、脱落防止貫通アンカー41をフレーム3の下枠7Bに取り付けても良い。
【0067】
脱落防止貫通アンカー41は、周面に雄ネジが刻設されている先端部45と、次に述べるロールプレート47を回転自在に支持するためのスリット49が形成されている頭部53と、を備える軸体55と、該軸体55の上記スリット49に係合するプレート本体57と、該プレート本体57の長手方向の中心から幾分ずれた位置において側部外方に向けて左右に突き出している係合ピン59とを備える上述したロールプレート47と、を具備することによって構成されている。
【0068】
本工程では最初に図14(a)に示すようにドリル61によって、建築部材5と該建築部材5に固定されているフレーム3に対してアンカー挿入孔39を一例としてフレーム3側から穿孔する。
【0069】
次に、穿孔したアンカー挿入孔39に対して、ロールプレート47を軸体55に沿わせた姿勢で図14(b)に示すようにロールプレート47を先にしてフレーム3側から脱落防止貫通アンカー41を挿入する。
【0070】
所定のストローク、脱落防止貫通アンカー41が挿入されると、ロールプレート47がアンカー挿入孔39による規制から解除されて図14(c)に示すように係合ピン59を中心に自然に回転して、フレーム3側からは引き出すことができないロック状態になる。
【0071】
最後にフレーム3の上枠7Aないし下枠7Bの張出し囲み部11の前面に突出している脱落防止貫通アンカー41における軸体55の先端部45にナット43を螺合して締め付け、該締め付け個所の周辺の防水処理を行えば脱落防止アンカー41を使用した本工程によるフレーム3の補強が完了する(図14d)。
【0072】
図16及び図17には、第3の実施の形態の変形例を示す。これらの図に示すように、フレーム3の上枠7Aの両端部に稲妻状金物の羽根出し部70Aを設け、これらの羽根出し部70Aを介して脱落防止アンカー41をフレーム3及び建築部材5に固定することもできる。なお、フレーム3の下枠7Bの両端部には、平板状の羽根出し部70Bが取り付けられており、この羽根出し部70Bは、図17に示すように、下方で隣接するフレーム3の羽根出し部70Aの屈曲部に嵌め込まれる。このように、上下に隣接するフレーム3のうち、上側のフレーム3の羽根出し部70Bを下側のフレーム3の羽根出し部70Aに嵌め込むことにより、フレーム3の面外方向の移動が拘束される一方、フレーム3が面内方向で可動となり、層間変位を吸収できる。
【0073】
脱落防止アンカー41の取り付けは、上述したようにフレーム3及びシート状太陽光発電モジュール1を建築部材5に固定した後、図14(a)と同様に、ドリル61によって、羽根出し部70を貫通させて建築部材5にアンカー挿入孔39を穿孔する。次に、図14(b)と同様に、穿孔したアンカー挿入孔39に対して、ロールプレート47を軸体55に沿わせた姿勢でロールプレート47を先にして、羽根出し部70A側から脱落防止貫通アンカー41を挿入する。そして、図14(c)、(D)と同様に、脱落防止貫通アンカー41をフレーム3及び建築部材5に固定する。
【0074】
そして、このような構成の本実施の形態に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法によっても、前記第1又は第2の実施の形態と同様の作用、効果が発揮され、更に本実施の形態の特有の効果として、前記フレーム3を固定する固定ビス19の劣化や建築部材5の表面のひび割れや剥離等によって生ずる万が一のフレーム3の脱落が未然に防止される。
【0075】
なお、図18に示すように、横方向に隣接するフレーム3の間の空間100は、リード線27(図5参照)に接続される外部配線27aの設置スペースとして使用される。具体的には、図19に示すように、空間100において建築部材5上に細長いメス型カバー81を固定し、メス型カバー81内側の配線設置通路100aに外部配線27aを設置した後、対応するオス型カバー82をメス型カバー81に嵌合させる。
【0076】
また、図20に示すように、コ字状の本体91aの両側にフランジ部91bが設けられた帯状下地プレート91を用いて外部配線27aを設置しても良い。この場合、フレーム3間の空間100において所定個数の帯状下地プレート91を建築部材5上にビス94で固定し、帯状下地プレート91内側の配線設置通路100aに外部配線27aを配置した後、帯状下地プレート91のフランジ部91bにカバープレート92をビス95で固定する。その後、カバープレート92とシート状太陽光発電モジュール1との間の縦目地内に、定形又は不定形のシーリング材93を挿入又は充填する。なお、不定形のシーリング材を用いる場合には、例えば断面円形のバックアップ材を事前に挿入した後に、シーリング材を充填する。
【0077】
以上が本発明の基本的な実施の形態であるが、本発明のシート状太陽光発電モジュールの取付け工法は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略、あるいは当業者において周知、慣用の技術を追加することが可能である。
【0078】
例えば、本発明で使用するシート状太陽光発電モジュール1やフレーム3の構造や材質は、前記各実施の形態で述べた構成に限らず、同様の作用、効果を奏する種々の構造や材質のシート状太陽光発電モジュール1やフレーム3を採用することが可能である。
【0079】
図15は、フレーム3の構造を異ならせた他の実施の形態のフレーム3Aを図示している。即ち、図15で図示されているフレーム3Aには、上記実施形態において左枠7Cと右枠7Dに設けていた張出し規制部12に代えて、上枠7Aと下枠7Bに設けられているのと同じ張出し囲み部11を左枠7Cと右枠7Dに設けている。
【0080】
このようなフレーム3Aを採用した場合にも前記第1〜第3の実施の形態と同様の作用、効果が発揮され、更にシート状太陽光発電モジュール1の左辺Cと右辺Dでのシール性が高まるから、防水性と防火性能の一層の向上が図られる。また、本実施形態のフレーム3Aも、第1及び第2の実施形態に係る取付方法を適用することができ、また、第3の実施形態に係るフレーム補強工程を適用することができる。
【0081】
この他、本発明で使用したフレーム3やシート状太陽光発電モジュール1の大きさも前記第1〜第3の実施の形態で例示した寸法に限らず、種々の大きさに変更することが可能である。
【0082】
また、建築部材5が湾曲していたり屈曲している形状を有している場合には、フレーム3の形状をそれに合わせて湾曲ないし屈曲させた形状とすることも可能である。
【0083】
上記実施形態に係るシート状太陽光発電モジュール取付け工法によれば、シート状太陽光発電モジュールの取り付けに先立って、当該シート状太陽光発電モジュールの側周部を囲む構造を有するフレームを前記建築部材に予め固定するフレーム固定工程を設けているから、建築物に取り付ける前の外壁材等に予めシート状太陽光発電モジュールを取り付けることができる新築工事だけでなく、既設の外壁材等に対してシート状太陽光発電モジュールを現場にて直接取り付ける改修工事にも対応することができる。
【0084】
また、上記フレームによりシート状太陽光発電モジュールの側周部が覆われるから防火性能が向上する。また、上記フレームを設けることで、接着剤塗布工程で塗布した接着剤の貼り仕舞養生が不要になるため、誰でも簡単に綺麗にシート状太陽光発電モジュールを外壁材等に取り付けることが可能になる。
【0085】
また、前記シート状モジュール貼付工程では、上記フレームを案内にしてシート状太陽光発電モジュールを取り付けるようにしているから、シート状太陽光発電モジュールを既設の外壁材等に取り付ける場合のようにシート状太陽光発電モジュールを垂直姿勢で支持して作業を行わなければならない条件下でも簡単に位置決めが行え、かつ軽量であるため施工が速く、作業効率が向上する。
【0086】
また、シート状太陽光発電モジュールの側周部を囲む構造のフレームと、ガラス板を有しない軽量なシート状太陽光発電モジュールとの採用によって、ALCパネルのように重量物を設置できない構造で常乾塗装仕上げの脆弱面を有する建築部材に対しても太陽光発電改修工事を実施することが可能になる。
【0087】
この他、前記接着剤塗布工程では、シート状太陽光発電モジュールを取り付ける凹凸のある建築部材の取付け面だけでなく、前記フレームの平担な取付け面に対しても接着剤を塗布しているから、シート状太陽光発電モジュールの接着強度が増大する。更に、シーリング工程の採用によってシート状太陽光発電モジュールの防水性と防火性能が向上する。
【0088】
また、前記フレームを隣接する複数の建築部材間の目地を跨ぐように配設した場合には、当該フレームが強度部材となって突き合わせ状態で接続される建築部材の左右方向及び/又は上下方向の層間変位が吸収されるため当該建築部材およびシート状太陽光発電モジュールの耐震性を維持、向上することができる。
【0089】
また、上記目地を跨ぐフレームの配置は、外壁部材の割り付けに捕らわれないシート状太陽光発電モジュールの連続した自由な設置を可能にするため建築部材表面積の有効な活用とデザイン性に優れたシート状太陽光発電モジュールのレイアウトが可能になる。
【0090】
また、前述のように隣接する2つの建築部材間の目地を跨ぐように配設したフレームを当該2つの建築部材のうちの何れか一方のみに固定するようにした場合には、建築物の新築工事等で建築物に設置する前の建築部材に対してシート状太陽光発電モジュールを予め取り付けておいたものを現場で組み立てる場合の作業が容易になり、一旦、取り付けたシート状太陽光発電モジュールを建築物に設置された状態の建築部材から取り外す作業も容易に行われるようになる。
【0091】
また、前記接着剤塗布工程で使用する接着剤を変成シリコーン系接着剤とした場合には、ALCパネルのように表面に凹凸のある建築部材に対しても良好な接着ができ、耐候性が高いため長期に亘って安定した接着力が期待できる。
【0092】
また、シート状モジュール貼付工程において、シート状太陽光発電モジュールの光透過部に対して遮光性プライマーを塗布するようにした場合には、光の透過による接着剤の劣化が防止されるから接着剤の接着力が更に安定し、長期間に亘って持続されるようになる。
【0093】
また、前記シーリング工程の後に、脱落防止貫通アンカーを使用するフレーム補強工程を設けた場合には、フレームを固定する固定ビスの劣化やALCパネル等の脆弱な建築部材表面のひび割れや剥離等によって生ずる万が一のフレームの脱落が未然に防止されるからシート状太陽光発電モジュールの使用中の安全性が向上する。
【0094】
本発明は、シート状太陽光発電モジュールを使用して建築物の外壁材や屋根材等の建築部材に太陽光発電設備を設置する工事を行っている施工分野で利用でき、特に新築工事だけでなく改修工事にも対応できる、施工期間が短く特別な躯体の補強、改変ができない場合の防火性能に優れた太陽光発電設備の設置に特に有用である。
【符号の説明】
【0095】
1 シート状太陽光発電モジュール
3 フレーム
5 建築部材
7 外枠
9 補強枠
11 張出し囲み部
12 張出し規制部
13 内縁部
15 バックアップ材
17 シーリング材
19 固定ビス
20 小孔
21 発電セル
23 中間層
25 表層
27 リード配線
27a 外部配線
29 透明領域
31 遮光性プライマー
33 ネイル
35 墨出し線
36 櫛目ごて
37 目地
39 アンカー挿入孔
41 脱落防止貫通アンカー
43 ナット
45 先端部
47 ロールプレート
49 スリット
53 頭部
55 軸体
57 プレート本体
59 係合ピン
61 ドリル
63 プレート板(マスキング板)
67 (左右方向の)層間変位
70A、70B 羽出し部
81 メス型カバー
82 オス型カバー
91 帯状下地プレート
91a 本体
91b フランジ部
92 カバープレート
93 シーリング材
94,95 ビス
100 隣接フレーム間の空間
100a 配線設置通路
A 上辺
B 下辺
C 左辺
D 右辺
S 空間
W 幅
L 長さ
J 接着剤
P プライマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状太陽光発電モジュール(1)を構造物又は建築部材(5)に取り付けるための取付け工法であって、
前記シート状太陽光発電モジュール(1)の取り付けに先立って、当該シート状太陽光発電モジュール(1)の側周部を囲む構造を有するフレーム(3)を前記構造物又は建築部材(5)に固定するフレーム固定工程と、
前記フレーム(3)と前記構造物又は建築部材(5)における前記シート状太陽光発電モジュール(1)の取付け面に接着剤(J)を塗布する接着剤塗布工程と、
先に固定したフレーム(3)を案内として前記シート状太陽光発電モジュール(1)を前記フレーム(3)内に嵌め込むと共に、先に塗布した接着剤(J)によって前記構造物又は建築部材(5)に接着させるシート状モジュール貼付工程と、
前記フレーム(3)内に貼付されたシート状太陽光発電モジュール(1)と当該フレーム(3)間の隙間をシールするシーリング工程と、を備えていることを特徴とするシート状太陽光発電モジュール取付け工法。
【請求項2】
請求項1に記載のシート状太陽光発電モジュール取付け工法において、
前記フレーム固定工程では、前記建築部材(5)が突き合わせ状態で複数設けられている場合に、前記フレーム(3)を隣接する複数の建築部材(5)間の目地(37)を跨ぐように配設すると共に、当該フレーム(3)が架かる複数の建築部材(5)のうちの何れか一つの建築部材(5)に対して固定されていることを特徴とする、シート状太陽光発電モジュール取付け工法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシート状太陽光発電モジュール取付け工法において、
前記接着剤塗布工程で使用する接着剤(J)は、変成シリコーン系接着剤であることを特徴とする、シート状太陽光発電モジュール取付け工法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載のシート状太陽光発電モジュール取付け工法において、
前記シート状モジュール貼付工程では、前記シート状太陽光発電モジュール(1)を前記フレーム(3)内に嵌め込む前に、該シート状太陽光発電モジュール(1)の発電セル(21)の存在しない光透過部(29)に対して遮光性プライマー(31)を塗布するようにしたことを特徴とする、シート状太陽光発電モジュール取付け工法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−140762(P2012−140762A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292461(P2010−292461)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【出願人】(305032254)サンスター技研株式会社 (97)
【Fターム(参考)】