説明

シート着座センサ、着座検出装置、及び車両用シート

【課題】乗員と荷物の判別性能を向上することを目的とする。
【解決手段】シートクッション12の後方中央部から車両前方へ向けて車幅方向の何れか一方側へ傾斜した状態で直線状に一列に第1〜4の感圧スイッチ14を配列する。この時、第1感圧スイッチ14Aと第2感圧スイッチ14Bを直列接続すると共に、第3感圧スイッチ14Cと第4感圧スイッチ14Dを直列接続し、かつ第1感圧スイッチ14A及び第2感圧スイッチ14Bと、第3感圧スイッチ14C及び第4感圧スイッチ14Dと、を並列接続する。さらに、第1感圧スイッチ14Aと第2感圧スイッチ14B間にダイオードDのカソードを接続し、第3感圧スイッチ14Cと第4感圧スイッチ14D間にダイオードDのアノードを接続し、第1感圧スイッチ14Aと第3感圧スイッチ14Cの一端をバッテリのプラス端子に接続し、第2感圧スイッチ14Bと第4感圧スイッチ14Dの一端をアース接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート着座センサ及び車両用シート構造にかかり、特に、乗員の着座を検出するシート着座センサ及び該シート着座センサを備えた車両用シート構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシート着座センサの一例としては、例えば、特許文献1に記載の技術が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、シートクッションに2列の複数のスイッチを配設し、少なくとも2個のスイッチがオンとなった場合に、乗員が着座していると判定するようになっている。
【特許文献1】欧州特許第1636071(B1)号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、2列の複数のスイッチをシートクッションに設けているが、安価にするために1列の複数のスイッチにすることが考えられる。
【0005】
しかしながら、車両前後方向に沿って1列の複数のスイッチをシートクッションに設ける場合、特許文献1に記載のシート着座センサでは、一番前と一番後のスイッチがオンとなっても、乗員が着座していると判断するため、箱形状の荷物をシートクッションに置いた場合に、一番前と一番後のスイッチがオンとなり易く、乗員と荷物の判別性能の面で改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、乗員と荷物の判別性能を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載のシート着座センサは、各々所定値以上の圧力が作用したときに作動する4つ以上のスイッチを備え、前記4つ以上のスイッチがシートクッションの前後方向に沿って配列されたスイッチ列を備え、前記スイッチ列の隣接する少なくとも2つのスイッチが作動したときに信号を出力することを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、スイッチ列は、所定値以上の圧力が作用したときに作動する4つ以上のスイッチを備えて、シートクッションの前後方向に沿って配列される。
【0009】
そして、スイッチ列の隣接する少なくとも2つのスイッチが作動したときに信号が出力される。
【0010】
すなわち、スイッチ列がシートクッションの前後方向に沿って配列されるため、乗員以外の荷物などがシートクッション上に載せられた場合には、荷物の車両前端側と後端側に圧力が加わり、車両前端側のスイッチと車両後端側のスイッチが作動しやすくなるので、隣接する2つのスイッチは作動せずに、信号が出力されることがない。従って、荷物を乗員の着座として誤検出することを防止することができるので、乗員と荷物の判別性能を向上することができる。
【0011】
請求項2に記載のシート着座センサは、所定値以上の圧力が作用したときにオンする第1のスイッチ及び所定値以上の圧力が作用したときにオンする第2のスイッチを直列に接続した第1の直列回路、並びに、所定値以上の圧力が作用したときにオンする第3のスイッチ及び所定値以上の圧力が作用したときにオンする第4のスイッチを直列に接続した第2の直列回路を備え、前記第1の直列回路と前記第2の直列回路を並列接続して、前記第1のスイッチないし前記第4のスイッチからなるスイッチ列をシートクッションの前後方向に沿って配列したスイッチ回路と、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間にカソードが接続され、前記第3のスイッチと前記第4のスイッチとの間にアノードが接続されたダイオードと、を備えることを特徴としている。
【0012】
スイッチ回路は、所定値以上の圧力が作用したときにオンする第1〜第4のスイッチを含む回路とされ、第1のスイッチ及び第2のスイッチを直列に接続した第1の直列回路と、第3のスイッチ及び第4のスイッチを直列に接続した第2の直列回路と、を並列接続して、第1〜第4のスイッチかならるスイッチ列をシートクッションの前後方向に沿って配列されている。
【0013】
また、ダイオードは、第1のスイッチと第2のスイッチとの間にカソードが接続され、第3のスイッチと第4のスイッチとの間にアノードが接続されている。
【0014】
このように構成することによって、隣接する少なくとも2つのスイッチがオンしたときに信号を出力することができ、簡易な回路で乗員と荷物の判別性能を向上したシート着座センサを得ることができる。
【0015】
なお、スイッチ列は、請求項3に記載の発明のように、乗員のヒップ形状に合わせた形状を有するシートクッションの車両後方中央部付近から車両前方へ向けて車幅方向の何れか一方に傾斜した状態で直線状に一列に配列されるようにしてもよい。また、請求項4に記載の発明のように、乗員が着座した場合に常にシートクッションに圧力が加わる予め定めたラップ領域内に、隣接する2つのスイッチが含まれるように設けるようにしてもよい。これによって簡易な構成で乗員と荷物の判別性能を向上したシート着座センサを得ることができる。
【0016】
請求項5に記載の着座検出装置は、各々所定値以上の圧力が作用したときに作動する4つ以上のスイッチを備え、前記4つ以上のスイッチがシートクッションの前後方向に沿って配列されたスイッチ列と、前記スイッチの作動状況を検出して、隣接する少なくとも2つの前記スイッチが作動したときに、乗員の着座と判断する判断手段と、を備えることを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様に、スイッチ列は、所定値以上の圧力が作用したときに作動する4つ以上のスイッチがシートクッションの前後方向に沿って配列される。
【0018】
また、判断手段では、スイッチの作動状況を検出して、隣接する2つのスイッチが作動したときに、乗員の着座と判断される。例えば、CPU等のマイクロコンピュータを判断手段と適用してもよい。
【0019】
このように構成しても、請求項1に記載の発明と同様に、乗員以外の荷物などがシートクッション上に載せられた場合には、荷物の車両前端側と後端側に圧力が加わり、車両前端側のスイッチと車両後端側のスイッチが作動しやすくなるので、隣接する2つのスイッチは作動せずに、判断手段が乗員の着座と判断することがなくなる。従って、荷物を乗員の着座として誤検出することを防止することができるので、乗員と荷物の判別性能を向上することができる。
【0020】
なお、スイッチは、請求項3に記載した発明のように、乗員のヒップ形状に合わせた形状を有するシートクッションの車両後方中央部付近から車両前方へ向けて車幅方向の何れか一方に傾斜した状態で直線状に一列に配列されるようにしてもよい。また、請求項4に記載した発明のように、乗員が着座した場合に常にシートクッションに座圧が加わる予め定めたラップ領域内に、隣接する2つのスイッチが含まれるように設けるようにしてもよい。
【0021】
また、請求項1〜4に記載のシート着座センサは、請求項6に記載の発明のように、乗員のヒップ形状に合わせた形状を有するシートクッションにスイッチ列を設けた車両用シートとして構成してもよい。さらに、請求項5に記載の着座検出装置も同様に、請求項7に記載の発明のように、乗員のヒップ形状に合わせた形状を有するシートクッションにスイッチ列を設けた車両用シートとして構成してもよい。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、シートクッションの車両前後方向に沿ってスイッチを配列して、隣接する少なくとも2つのスイッチがオンしたときに、信号を出力することで、乗員と荷物の判別性能を向上することができる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係わるシート着座センサを設けた車両用シートのシートクッション部分を示す図である。
【0025】
本発明の第1実施形態に係わるシート着座センサ10は、車両用シートのシートクッション12に設けられている。なお、シートクッションは一般的な形状、すなわち乗員のヒップ形状に合わせた形状(凹形状)とされている。
【0026】
シート着座センサ12は、図1に示すように、4つの感圧スイッチ14(第1感圧スイッチ14A、第2感圧スイッチ14B、第3感圧スイッチ14C、及び第4感圧スイッチ14D)を備え、4つの感圧スイッチ14が、車両前後方向に沿ってシートクッション12に一列に直線状に配列されている。さらに詳細には、感圧スイッチ14の一列の配列は、シートクッション12の後方中央部から車両前方へ向けて車幅方向の何れか一方側へ傾斜した状態で配列されている。
【0027】
感圧スイッチ14としては、例えば、ボタンスイッチや、加圧導電ゴム等を利用して圧力が閾値以上になったらオンするタイプの感圧スイッチ等を適用することができる。また、所定値以上の圧力が作用したときに作動するスイッチであれば、他のスイッチを適用するようにしてもよい。
【0028】
図2は、シート着座センサ10の詳細な構成を示す回路図である。
【0029】
シート着座センサ10は、図2に示すように、第1感圧スイッチ14Aと第2感圧スイッチ14Bが直列接続されていると共に、第3感圧スイッチ14Cと第4感圧スイッチ14Dが直列接続されており、かつ第1感圧スイッチ14A及び第2感圧スイッチ14Bと、第3感圧スイッチ14C及び第4感圧スイッチ14Dと、が並列接続されている。
【0030】
また、ダイオードDを備えており、第1感圧スイッチ14Aと第2感圧スイッチ14Bとの間にダイオードDのカソードが接続され、第3感圧スイッチ14Cと第4感圧スイッチ14Dとの間にダイオードDのアノードが接続されている。
【0031】
そして、第1感圧スイッチ14Aと第3感圧スイッチ14Cの一端がバッテリのプラス端子に接続され、第2感圧スイッチ14Bと第4感圧スイッチ14Dの一端がアース接続されている。
【0032】
なお、バッテリのプラス端子への接続と、アース接続への接続は、図1に示すように、コネクタ16を介して接続される。また、図1では、図2の回路を単に直線として省略して示すが、図1の各感圧スイッチ14を結ぶ直線状の部分は、図2の回路がプリントされたフレキシブル基板等などで構成することができる。
【0033】
ここで、本発明の第1実施形態に係わるシート着座センサ10の第1〜第4感圧スイッチ14の配列方法について詳細に説明する。
【0034】
本実施形態では、AM50(米国人成人男性50%をカバーするモデル)、AF05(米国人成人女性5%をカバーするモデル)、及び6歳児の各体格の座圧分布領域を求め、求めた座圧分布領域を用いて、それぞれで常に座圧が加わるラップ領域を求める。
【0035】
すなわち、図3(A)に示すAM50(米国人成人男性50%をカバーするモデル)の座圧分布領域18、図3(B)に示すAF05(米国人成人女性5%をカバーするモデル)の座圧分布領域20、及び図3(C)に示す6歳児の座圧分布領域22を用いて、各座圧分布領域18〜22をシートクッション12上で移動可能な範囲を考慮して図4(A)〜(C)のように移動して、それぞれのラップ領域24〜28を求める。
【0036】
なお、図4(A)のハッチング領域は、AM50のラップ領域24を示し、図4(B)のハッチング領域は、AF05のラップ領域26を示し、図4(C)のハッチング領域は、6歳児のラップ領域28を示す。
【0037】
そして、本実施形態では、図4(A)〜(C)の各ラップ領域24〜28において、隣接する感圧スイッチ14が2つオンする位置を求めて、図4(D)に示すように、各感圧スイッチ14を配置する。また、感圧スイッチ14を配置するにあたり、全てのラップ領域を網羅して感圧スイッチ14間の距離を長くするように配置する。なお、図4の点線はAM50のラップ領域24を示し、図4の実線はAF05のラップ領域26を示し、図4の一点鎖線は6歳児のラップ領域28を示す。
【0038】
本実施形態では、感圧スイッチ14間の距離を長くするために、図4(D)に示すように、シートクッション12の後方中央部から車両前方へ向けて車幅方向の何れか一方側へ傾斜した状態で、車両前後方向に沿ってシートクッション12に一列に配列している。また、このように配置することによって、各モデル(AM50、AF05、及び6歳児)の全てにおいて、乗員が着座している場合に、2つの隣接する感圧スイッチ14がオンする。従って、このように各感圧スイッチ14を配列することで、乗員の着座を検出することができる。
【0039】
続いて、上述のように構成された本発明の第1実施形態に係わるシート着座センサ10の作用について説明する。
【0040】
各体格(AM50、AF05、及び6歳児)のラップ領域おいて、隣接する2つの感圧スイッチ14がオンするように、シート着座センサ10が配置されているので、乗員がシートクッション12に着座すると、隣接する少なくとも2つの感圧スイッチ14がオンする。
【0041】
すなわち、本実施形態では、AM50の場合には、少なくとも第3感圧スイッチ14Cと第4感圧スイッチ14Dがオンし、AF05の場合には、少なくとも第2感圧スイッチ14Bと第3感圧スイッチ14Cがオンし、6歳児の場合には、少なくとも第1感圧スイッチ14Aと第2感圧スイッチ14Bがオンする。
【0042】
これによって、図2に示す回路のように、隣接する少なくとも1つのスイッチ14がオンすることで、シート着座センサ10が導通状態となり、この導通状態で乗員の着座を検出することができる。換言すれば、隣接する少なくとも2つの感圧スイッチ14がオンすることでシート着座センサ10から着座信号を出力することになる。
【0043】
また、例えば、図5(A)に示すような箱形状の荷物がシートクッション12に載せられた場合には、シートクッション12は乗員のヒップ形状に合わせた形状(凹形状)とされているので、当該凹形状のシートクッション12にフラットな面が対応して、シートクッション12の圧力分布が図5(B)に示すように車両前後端に集中し、本実施形態のシート着座センサ10をシートクッション12に配置した場合には、第1感圧スイッチ14Aと第4感圧スイッチ14Dがオンとなり、隣接する感圧スイッチ14はオンにならない。従って、荷物の場合には、シート着座センサ10から着座信号が出力されず、誤検出を防止することができるので、乗員と荷物の判別性能を向上することができる。
【0044】
ここで、乗員の着座状態を変化させた場合のシート着座センサ10による着座検出の評価結果の一例を表1に示す。
【0045】
表1は、正規着座位置に着座した場合、足を組んで着座した場合、アームレストにもたれて着座した場合、前側へ80mmオフセットして着座した場合、及び車幅方向へ30mmオフセットして着座した場合のそれぞれについて感圧スイッチ14のオンオフ状態を評価した結果を示す。
【0046】
【表1】

【0047】
表1に示すように、乗員の着座状態を変換させても、乗員が着座している場合には、隣接する少なくとも2つの感圧スイッチ14が必ずオンするので、乗員の着座を検出することができる。
【0048】
一方、複数種類の荷物を載せた場合のシート着座センサ10による着座検出の評価結果を表2に示す。
【0049】
表2は、長手方向が車両前後方向となるように荷物をシートクッションに載せた場合、短手方向が車両前後方向となるように荷物をシートクッションに載せた場合、及び荷物の角がシートクッション12にあたるように角置きした場合のそれぞれについて感圧スイッチ14のオンオフ状態を評価した結果を示す。
【0050】
【表2】

【0051】
表2に示すように、カバン袋類や箱類などの荷物について評価した結果、上記の全ての場合において、隣接する少なくとも2つの感圧スイッチ14がオンとなることがなく、荷物がシートクッション12に置かれてもシート着座センサ10から着座信号が出力されないので、誤検出を防止することができる。
【0052】
また、本実施の形態に係わるシート着座センサ10を製造する際には、フィルム状のシートに複数のシート着座センサ10を印刷技術等を利用して製造することができるため、1枚のシートで多くのシート着座センサ10を製造することができ、歩留まりを向上して大幅なコスト削減効果も得ることができる。
【0053】
(第2実施形態)
上記の実施の形態では、回路構成によって2つの隣接する感圧スイッチ14がオンの場合に着座信号を出力する回路を構成したものを説明したが、第2実施形態では、4つの感圧スイッチ14を第1実施形態と同様に配置して、各感圧スイッチ14の検出結果から隣接する2つの感圧スイッチ14がオンか否かを判断するようにしたものである。
【0054】
図6は、本発明の第2実施形態に係わる着座検出装置30の構成を示すブロック図である。なお、第1実施形態と同一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0055】
本発明の第2実施形態に係わる着座検出装置30は、図6に示すように、着座判断ECU(Electronic Control Unit)32を備えている。
【0056】
着座判断ECU32は、CPU32A、RAM32B、ROM32C、及びI/O32Dを備えたマイクロコンピュータとされ、車両用シートへの乗員の着座を判断する。
【0057】
ROM32Cには、乗員の着座を判断するためのプログラム等が記憶されており、ROM32Cに記憶されたプログラム等がRAM32Bに展開されてCPU32Aによって実行されることによって後述する着座判断処理を実行するようになっている。
【0058】
また、I/O32Dには、第1〜第4感圧スイッチ14A〜14Dが接続されており、各感圧スイッチ14のオンオフ検出結果が着座判断ECU32に入力される。なお、各感圧スイッチ14の配列は、第1実施形態と同様に、シートクッション12の前後方向に沿って配列されている。
【0059】
そして、着座判断ECU32は、第1〜第4感圧スイッチ14A〜14Dのオンオフ状態から、隣接する少なくとも2つの感圧スイッチ14がオンしているか否かを判断することによって、乗員の着座を判断する。
【0060】
次に、上述のように構成された着座検出装置30の着座判断ECU32によって行われる着座判断処理について説明する。図7は、本発明の実施の形態に係わる着座検出装置30の着座判断ECU32によって行われる着座判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0061】
ステップ100では、各感圧スイッチ14の状態がCPU32Aによって取得されてステップ102へ移行する。
【0062】
ステップ102では、隣接する第1感圧スイッチ14Aと第2感圧スイッチ14Bがオンしているか否かCPU32Aによって判定され、該判定が否定された場合にはステップ104へ移行し、肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0063】
ステップ104では、隣接する第2感圧スイッチ14Bと第3感圧スイッチ14Cがオンしているか否かCPU32Aによって判定され、該判定が否定された場合にはステップ106へ移行し、肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0064】
ステップ106では、隣接する第3感圧スイッチ14Cと第4感圧スイッチ14Dがオンしているか否かCPU32Aによって判定され、該判定が否定された場合にはステップ108へ移行し、肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0065】
ステップ108では、乗員が着座していない(非着座)とCPU32Aによって判断されてステップ112へ移行する。
【0066】
一方、ステップ110では、乗員が着座しているとCPU32Aによって判断されてステップ112へ移行する。
【0067】
ステップ112では、図示しないイグニッションスイッチがオフしたか否かCPU32Aによって判定され、該判定が否定された場合にはステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、ステップ112の判定が肯定されたところで一連の着座判断処理を終了する。
【0068】
このように構成しても、第1実施形態と同様に、隣接した少なくとも2つの感圧スイッチ14がオン(作動)した場合に着座していると判断するため、第1実施形態と同様に、荷物がシートクッション12に載せられても乗員が着座していると誤検出することがなくなり、乗員と荷物の判別性能を向上することができる。
【0069】
なお、上記の各実施形態では、4つの感圧スイッチ14をシートクッション12に直線状に配列するようにしたが、感圧スイッチ14は4つに限るものではなく、5以上を配列するようにしてもよい。また、直線状に配列するようにしたが、直線ではなく、多少ずれて配列するようにしてもよいし、直線に近い円弧状に配列してもよい。
【0070】
また、上記の各実施形態では、圧力が加わることによってスイッチ(感圧スイッチ14)がオン(作動)する回路として説明したが、圧力が加わることによってスイッチがオフ(作動)するものを適用して回路を構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるシート着座センサを設けた車両用シートのシートクッション部分を示す図である。
【図2】シート着座センサの詳細な構成を示す回路図である。
【図3】(A)はAM50の座圧分布領域を示し、(B)はAF05の座圧分布領域を示し、(C)は6歳児の座圧分布領域を示す図である。
【図4】(A)はAM50のラップ領域を示し、(B)はAF05のラップ領域を示し、(C)は6歳児のラップ領域を示し、(D)は各ラップ領域に基づいて配置する感圧スイッチを示す図である。
【図5】(A)は荷物がシートクッションに載せられた状態を示し、(B)は荷物が載せられたシートクッションの圧力分布の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係わる着座検出装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係わる着座検出装置の着座判断ECUによって行われる着座判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
10 シート着座センサ
12 シートクッション
14 感圧スイッチ
14A 第1感圧スイッチ
14B 第2感圧スイッチ
14C 第3感圧スイッチ
14D 第4感圧スイッチ
24〜28 ラップ領域
30 着座検出装置
32 着座判断ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々所定値以上の圧力が作用したときに作動する4つ以上のスイッチを備え、前記4つ以上のスイッチがシートクッションの前後方向に沿って配列されたスイッチ列を備え、前記スイッチ列の隣接する少なくとも2つのスイッチが作動したときに信号を出力するシート着座センサ。
【請求項2】
所定値以上の圧力が作用したときにオンする第1のスイッチ及び所定値以上の圧力が作用したときにオンする第2のスイッチを直列に接続した第1の直列回路、並びに、所定値以上の圧力が作用したときにオンする第3のスイッチ及び所定値以上の圧力が作用したときにオンする第4のスイッチを直列に接続した第2の直列回路を備え、前記第1の直列回路と前記第2の直列回路を並列接続して、前記第1のスイッチないし前記第4のスイッチからなるスイッチ列をシートクッションの前後方向に沿って配列したスイッチ回路と、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間にカソードが接続され、前記第3のスイッチと前記第4のスイッチとの間にアノードが接続されたダイオードと、
を備えたシート着座センサ。
【請求項3】
前記スイッチ列は、乗員のヒップ形状に合わせた形状を有するシートクッションの車両後方中央部から車両前方へ向けて車幅方向の何れか一方に傾斜した状態で直線状に一列に配列されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート着座センサ。
【請求項4】
前記スイッチ列は、乗員が着座した場合に常にシートクッションに圧力が加わる予め定めたラップ領域内に、隣接する2つのスイッチが含まれるように設けることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシート着座センサ。
【請求項5】
各々所定値以上の圧力が作用したときに作動する4つ以上のスイッチを備え、前記4つ以上のスイッチがシートクッションの前後方向に沿って配列されたスイッチ列と、
前記スイッチの作動状況を検出して、隣接する少なくとも2つの前記スイッチが作動したときに、乗員の着座と判断する判断手段と、
を備えた着座検出装置。
【請求項6】
乗員のヒップ形状に合わせた形状を有するシートクッションと、
請求項1〜4の何れか1項に記載のシート着座センサと、
を備えた車両用シート。
【請求項7】
乗員のヒップ形状に合わせた形状を有するシートクッションと、
請求項5に記載の着座検出装置と、
を備えた車両用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−220727(P2009−220727A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68248(P2008−68248)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】