説明

シート積載装置およびシート積載方法

シート積載装置およびシートを積載する方法において、第一押さえ部材(40)は、第二押さえ部材(42)が先に載置されたシート(21)の縁部(38)への圧力を維持している間に、シート受容面(14)上の先に載置されたシート(21)の上に載置される新しいシート(21)の縁部(38)と係合して、前記縁部(38)を押さえ;次に、第一押さえ部材(40)が新しいシート(21)の前記縁部(38)への圧力を維持している間に、第二押さえ部材(42)は、前記新しいシート(21)の前記縁部(38)と係合して、受容面(14)の先に載置されたシート(21)上に前記縁部(38)を押さえる。このため、シート(21)は、第一および第二押さえ部材(40、42)のうちの少なくとも1つによって、常に縁部(38)が押さえられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば印刷シートなどの、シートの積載に関する。具体的には、本発明は、シート積載装置およびシート積載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシート積載装置では、たとえば、シートはシート受容面上に連続的に載置され、それによって載置されたシートの積載を形成する。シートの載置は、回転軸の周りでシートを反転させることを含んでもよい。
【0003】
欧州特許出願公開第1762523号明細書より、シートを反転させて受容面上に搬送するための、回転的配置要素を含むシート積載装置が知られている。積載されるシートの少なくとも一部は、回転可能配置要素の周囲縁部のスロット内に受け入れられ、回転可能配置要素がさらに回転する間にこれが止め具に到達してスロットから出てくるまで回転させられる。受容面上に既に載置されたいずれのシートの縁部の運動自由度も制限するために、シート縁部に下向きの保持力を印加するための保持フックが設けられている。
【0004】
仏国特許出願公開第2760733号明細書は、可撓性支持要素47a、47bおよび積載の上部シートを押さえる指状部46を備える、類似のシート積載装置を開示している。
【0005】
独国特許出願公開第19957574号明細書より、積載上にシートを載置する装置および方法が知られている。舌部、押さえ、およびローラが、積載の最上シートを押さえるために使用される。舌部および押さえが積載の上に位置している間に、ローラの回転によって新しいシートが積載上に前進させられる。シートがローラによって舌部に対して保持されている間、押さえが持ち上げられて、積載の上の新しいシート上に配置される。後に、ローラおよび舌部は積載から持ち上げられ、舌部は再び積載の上に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1762523号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2760733号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第19957574号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、シートの積載速度を著しく上昇させることができるシート積載装置またはシート積載方法を提供することである。
【0008】
具体的には、一旦新しいシートが積載上に搬送されたとき、シートがまだシートの積載上に完全に静止するように置かれないように、シートを積載できることが、望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、上記の目的を達成するために、シート積載装置が提供され、シート積載装置は、
積載されたシートを支持するシート受容面と、
シート受容面上にシートを載置するシート載置部材と、
先に載置されたシートの縁部を解放し、受容面の上の前記先に載置されたシート上に新しいシートの縁部を押さえるように各々配置された、少なくとも1つの第一押さえ部材および少なくとも1つの第二押さえ部材と、を含み、
少なくとも1つの第二押さえ部材は、
少なくとも1つの第二押さえ部材が前記縁部を押さえている間に、少なくとも1つの第一押さえ部材が先に載置されたシートの前記縁部を解放するように、および
少なくとも1つの第一押さえ部材が前記先に載置されたシート上に新しいシートの前記縁部を押さえている間に、少なくとも1つの第二押さえ部材が先に載置されたシートの前記縁部を解放するように、
少なくとも1つの第一押さえ部材に対する時間遅延を伴って、シートの縁部を解放し、新しいシートと係合するようになっており、
少なくとも1つの第二押さえ部材は、シート係合位置から、前記先に載置されたシートの前記縁部を位置合わせするための停止部材に向かい、場合によりこれを越える方向に、後退させられるようになっている。
【0010】
具体的には、シートの係合は、シートの前記縁部の上方のそれぞれの押さえ部材を、前記縁部を押さえるための位置に位置決めすることを含む。
【0011】
「シートの縁部を解放する」、または「シートを解放する」と短縮された表現は、それぞれの押さえ部材による係合から前記縁部においてシートの上側を自由にすることとして、理解されるべきである。
【0012】
たとえば、少なくとも1つの第二押さえ部材は、少なくとも1つの第一押さえ部材に対して時間遅延を伴って、シートを解放して新しいシートと係合するように、制御可能である。たとえば、シート積載装置は、先に記載された方式で、少なくとも1つの第二押さえ部材および/または少なくとも1つの第一押さえ部材を制御するための、制御ユニットをさらに含む。
【0013】
少なくとも1つの第一押さえ部材は、先に載置されたシート上に新しいシートの縁部を押さえるためだけではなく、前記先に載置されたシートの縁部を解放するため、具体的には新しいシートの縁部を押さえる前に前記縁部を解放するためにも配置されているので、少なくとも1つの第一押さえ部材によって印加される押圧力は、シートの積載の縁部を確実に押さえるように、必要に応じて選択されてもよい。第一押さえ部材が先に積載されたシートの縁部をまだ押さえている間に、第一押さえ部材の下に新しいシートを挿入することができるようにするために、前記圧力を制限する必要はない。このため、積載されたシートの位置合わせが改善されるだろう。
【0014】
さらに、少なくとも1つの第二押さえ部材は、少なくとも1つの第一押さえ部材に対する時間遅延を伴って操作されてもよいので、たとえば、少なくとも1つの第二押さえ部材が受容面上のいずれかのシートの縁部をまだ押さえている間に、少なくとも1つの第一押さえ部材は載置されるべき新しいシートと係合する準備が整った位置に持ってこられてもよい。このため、前記少なくとも1つの第二押さえ部材の押圧力の下で位置合わせされたままでいる間に、先のシートが静止状態に近づくかまたはその状態になるために、利用可能な時間がより多い。このため、積載されたシートの位置合わせが改善されるだろう。
【0015】
本発明の有用な詳細は、従属請求項に示されている。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つの第二押さえ部材は、少なくとも1つの第二押さえ部材が先に載置されたシートの縁部への圧力を維持している間に少なくとも1つの第一押さえ部材が新しいシートの縁部と係合することを可能にするために、第一押さえ部材に対する時間遅延を伴ってシートを解放し、新しいシートと係合するようになっている。少なくとも1つの第一押さえ部材によって新しいシートの縁部と係合することは、新しいシートの縁部を押さえるための係合位置での前記少なくとも1つの第一押さえ部材の移動を含んでもよい。こうして、先に載置されたシートの縁部が押圧力の影響下にある時間が増大されてもよい。このため、シート積載装置のシート位置合わせの品質が向上するだろう。
【0017】
たとえば、少なくとも1つの第二押さえ部材は、シート受容面と実質的に平行な方向、たとえば実質的に水平方向に、シート係合位置から後退させられるようになっている。シート係合位置は、少なくとも1つの第二押さえ部材が、先に載置されたシートの縁部を押さえるように配置されている位置として、理解されるべきである。少なくとも1つの第二押さえ部材を、シート受容面に実質的に平行な方向に、または、具体的には受容面上のいずれかの積載されたシートの面と実質的に平行な方向に、後退させることは、少なくとも1つの第二押さえ部材を後退させるために必要とされるシートの積載の上方の空間が最小化されるという利点を有する。これは、少なくとも1つの第二押さえ部材が後退している間に、新しいシートの縁部が先に載置されたシート上に既に載置されている場合に、特に有利である。
【0018】
少なくとも1つの第二押さえ部材は、シート係合位置から、前記先に載置されたシートの前記縁部を位置合わせするための停止部材に向かい、場合によりこれを越える方向に、後退させられるようになっている。たとえば、前記停止部材は、シート受容面上で積載されたシートを位置合わせするために、シート受容面の端部に配置されている。記載された方向に後退することにより、後退中に、少なくとも1つの第二押さえ部材が、停止部材に向かう以外のいずれの方向にも前記先に載置されたシートの上側に力を印加することが、回避される。このため、たとえば前記シートの側方移動が回避されるだろう。さらに、少なくとも1つの第二押さえ部材は、後退中に、前記停止部材に向かう方向に、前記先に載置されたシートの上側に摩擦力を印加するための、摩擦要素を含んでもよい。このため、シートの位置合わせが改善されるだろう。
【0019】
好ましくは、少なくとも1つの第二押さえ部材は実質的に平坦である。このため、新しいシートの縁部が、先に載置されたシートの上に、および少なくとも1つの第二押さえ部材の上に配置されたとき、少なくとも1つの第二押さえ部材の平坦な形状は、新しいシートの縁部が、先に載置されたシートと新しいシートの縁部の間にまだ位置している少なくとも1つの第二押さえ部材にも関わらず、可能な限り平坦な構成を取ることが可能となる。このため、少なくとも1つの第二押さえ部材がそのシート係合位置から後退させられるときの新しいシートの縁部の構成のゆがみは、最小化されるだろう。
【0020】
少なくとも1つの第二押さえ部材は、
少なくとも1つの第二押さえ部材が前記縁部を押さえている間に、少なくとも1つの第一押さえ部材が先に載置されたシートの前記縁部を解放するように、および
少なくとも1つの第一押さえ部材が前記先に載置されたシート上に新しいシートの前記縁部を押さえている間に、少なくとも1つの第二押さえ部材が先に載置されたシートの前記縁部を解放するように、
少なくとも1つの第一押さえ部材に対する時間遅延を伴って、シートを解放し、新しいシートと係合するようになっている。このため、各押さえ部材は、少なくとも第一および第二押さえ部材の他方がいずれかの積載されたシートの縁部上に再び押圧力を印加するまで、先に載置されたシートの前記縁部を解放しない。このため、いずれの最上部シートの縁部も、たとえばシートのうちの1つ以上のその他の部分のいかなるほどき動作とも無関係に、常に確実に所定位置に保持されていてもよい。さらに、いずれの積載されたシートの縁部上にも連続的に押圧力を印加することは、たとえばわずかにカールした積載の場合などに別途発生し得る積載の揺れ運動を、防止する。
【0021】
たとえば、シート積載装置は、少なくとも1つの第一押さえ部材および少なくとも1つの第二押さえ部材が、シート媒体の媒体依存パラメータに応じて、先に載置されたシートの縁部を解放して新しいシートの縁部を押さえるタイミングを制御する、制御ユニットをさらに含む。たとえば、シート積載装置は、異なるシート媒体の前記媒体依存パラメータを含む、ルックアップテーブルを含んでもよい。このため、タイミングは、前記媒体依存パラメータに応じて変動可能である。このため、シート積載速度は、シートの媒体のパラメータに応じて最大化されるだろう。
【0022】
一実施形態において、シート積載装置はシート反転装置を含み、ここでシート載置部材は、シート受容面に向かって回転軸の周りでシートを反転させるシート反転要素である。ここで、本発明の上述の利点は、以下の理由により特に重要である。シートが回転軸の周りで反転させられるとき、シートの前縁は、シートの後部がたとえば受容面上に繰り出される間に、シート受容面上に早期に載置されてもよい。このため、新しいシートの前縁は、たとえば先に載置されたシートがまだ静止状態を取っていない間に、シート受容面上に載置されるだろう。
【0023】
本発明のさらなる態様において、シート受容面上にシートを積載する方法が提供され、方法は、
新しいシートの少なくとも縁部を、シート受容面上の先に載置されたシートの上に受容するステップと、
少なくとも1つの第二押さえ部材が先に載置されたシートの縁部への圧力を維持している間に、前記新しいシートの前記縁部と係合、少なくとも1つの第一押さえ部材によって受容面上の先に載置されたシート上に前記縁部を押さえるステップと、
少なくとも1つの第二押さえ部材の間、少なくとも1つの第一押さえ部材が新しいシートの前記縁部への圧力を維持している間に、少なくとも1つの第二押さえ部材を停止部材に向かう方向にシート係合位置から後退させ、前記新しいシートの前記縁部と係合、受容面上の先に載置されたシート上に前記縁部を押さえるステップと、
新しいシートを先に載置されたシートの上に載置するステップと、を含む。
【0024】
利点は、上記の説明より明らかである。
【0025】
たとえば、新しいシートの少なくとも前記縁部は、直前に載置されたシートが静止状態を取る前に、シート受容面上の前記直前に載置されたシート上に受容される。このため、積載速度は著しく上昇するだろう。
【0026】
ここで、本発明の好適な実施形態が、以下の図面とともに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】動作段階における、本発明によるシート積載装置の側面図である。
【図2】異なる動作段階における、本発明によるシート積載装置の側面図である。
【図3】左側はシート積載装置の圧力部材を詳細に示し、右側は圧力部材によって印加される圧力を示す、概略図である。
【図4】異なる動作段階に対応する、図3と類似の図である。
【図5】異なる動作段階に対応する、図3と類似の図である。
【図6】異なる動作段階に対応する、図3と類似の図である。
【図7】異なる動作段階に対応する、図3と類似の図である。
【図8】図1のシート積載装置を詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、シート反転装置12、およびその上にシートを積載するためのシート受容面14の形態のシート受容部材を含む、シート積載装置10を示す図である。シート反転装置12は、シート反転要素16の形態のシート載置部材、およびシート反転要素16にシートを供給するための給紙ユニット18を含む。
【0029】
たとえば、シート21がシート入力経路20に沿って給紙ユニット18に供給されてもよいように、シート入力経路20が配置されている。たとえば、シートは、シート積載装置10に結合されてもよい印刷機から受け入れられてもよい。たとえば、給紙ユニット18は第一および第二給紙ローラ22を含み、給紙ニップを通じて摩擦によって供給されたシート21を搬送するために給紙ニップが、その間に形成されている。
【0030】
シート反転要素16は回転可能配置要素24を含み、これはたとえば、電気サーボモータまたはステッピングモータなど、電気駆動モータによって駆動可能な回転シャフト26上に配置されたディスクによって形成されている。回転可能配置要素24は、シート21の少なくとも前部が収容されてもよい、その外側周囲輪郭に、少なくとも1つのスロット28を含む。図1に示される回転可能配置要素24の第一回転領域内の回転位置において、給紙ユニット18がシート21をスロット28に供給するように、給紙ユニット18の前にスロット28の開口部が配置されている。
【0031】
シート21がスロット28に供給されるとき、シート反転装置12の動作は、以下のように記載されてもよい。シート21の前縁はスロット28に受け入れられる。シート21が、少なくとも部分的に、スロット28内に供給されると、これは曲げられて、回転シャフト26の回転軸29の周りを回転させられる。次に、またはこれと同時に、回転可能配置要素24は、図1の矢印によって示されるように回転させられ、シート21の前部は、スロット28が回転可能配置要素24の下部周囲箇所に向かって回転させられる際にシート21の前縁がスロット28に干渉するように配置された止め具30に接するまで、回転軸29の周りをさらに回転させられる。たとえば、止め具30は、回転可能配置要素24の間で下から突起している。
【0032】
シート21の前縁が止め具30に接して、回転可能配置要素24がさらに回転させられ、そしてシートの長さに応じて、シート21が給紙ユニット18を通じてさらに供給されるとき、シート21は、回転可能配置要素24の周囲輪郭から突出させられる。スロット28の入力開口部が止め具30を通過する際に、シート21の前縁は、シート反転要素16から解放され、受容面14上に受容される。これにより、シート21の前縁は、受容面14の手前側Aの止め具30によって位置合わせされる。
【0033】
図2に示されるように、シート21が給紙ユニット18を通じて完全に供給されるとき、シート21は受容面14の向こう側Bに向かって繰り出されてもよく、これによって受容部材14の上の平坦な構成を取る。シート反転要素16は図1に示される位置になるまでさらに回転させられて、スロット28内に次のシート21を受け入れる準備を整えてもよい。
【0034】
図1は、給紙ユニット18へのシート21の前縁の到着を検出するために給紙ユニット18に配置されたセンサ32を、さらに示す。センサ32は、シート反転要素16および給紙ユニット18の動作を制御する制御ユニット34に接続されている。
【0035】
たとえば、積載装置10は、受容面14を上下させるための昇降手段36を含んでもよい。このため、受容面14はさらに下降してもよく、より多くのシートが受容面14上に積載される。
【0036】
シート積載装置10の動作は、動作サイクル、すなわち受容面14上に先に載置されたいずれかの積載されたシートの上にシートを載置するサイクルの、異なる段階を示す図3から図7を参照して、以下に記載される。図3から図7において、5つの動作段階が図示されており、各段階は、それぞれの図の左側に、載置されたシートの縁の詳細の概略側面図によって示されており、またそれぞれの図の右側には、シートの縁に印加される力、および前記縁に沿ったこれらの力の位置の概略図が示されている。図3から図7において、シートの積載37は、受容面14上に示されている。
【0037】
図3は、受容面14上に積載され、止め具30に位置合わせされた、シート21の縁部38の詳細を示す。たとえば、第一押さえ部材40および2つの第二押さえ部材42が、シート21の縁部38部分に下向きの押圧力を印加するために、縁部38に沿って分布している。図3の右側は、押圧力が印加される、縁部38に沿った位置を模式的に示している。白抜き矢印で示される、第一押さえ部材40の押圧力は、第一押さえ部材40が図3の左側に示されるそのシート係合位置にあるときに、縁部38の中央に印加される。第二押さえ部材42は、第一押さえ部材40の両側に、第一押さえ部材40から離れて配置されている。たとえば、図3の右側に模式的に示されているように、第二押さえ部材42は、最上部シート21の角付近の縁部38に押圧力を印加してもよい。しかしながら、第二押さえ部材42のこの位置は、特に図解目的のために選択されている。実際には、第二押さえ部材42は、たとえばより第一押さえ部材40に近づけて位置されてもよい。さらに、第一および第二押さえ部材40、42の数は、記載される例に限定されるものではない。
【0038】
図3において、積載上の最上部シート21の状態は、図2に示されるように現在載置されているシート21の状態に対応している。つまり、シート21の縁部38は、止め具30において受容面14上に載置されている。第一および第二押さえ部材40、42は、最上部シート21が図2に示されるように繰り出される際に、シート21を止め具20に対して、したがって先に積載されたシート21の縁部38に対して位置合わせされた状態に保持するために、縁部38に押圧力を印加するために、それぞれのシート係合位置にある。
【0039】
第二押さえ部材42が受容したばかりの最上部シート21の縁部38を押さえるためにそのシート係合位置にまだある間に、第一押さえ部材40は、前記縁部38を解放し、図4に示される位置に、たとえば持ち上げられるなどして移動させられる。第一押さえ部材40がそのシート係合位置から持ち上げられている間、新しいシート21’は上記と同じ方式でシート反転要素16によって反転され、その前縁部38’は、止め具30によって位置合わせされている間に積載37上に載置される。縁部38’は第二押さえ部材42の上に受容され、これは、図4の右側に示されるように、先のシート21の縁部38をまだ押しつけている。
【0040】
第一押さえ部材40は次に、図5に示されるように、新しいシート21’の縁部38’上を押しつけるためにそのシート係合位置に移動させられる。第一押さえ部材40は、たとえば、後退運動および逆の係合運動を含む、回転軸の周りの回転の形態などの、前後運動を実行してもよい。具体的には、係合運動は後退運動と同じ経路を辿ってもよい。
【0041】
図5の状態において、第二押さえ部材42は、特に図5の右側に示されるように、先のシート21と新しいシート21’との間にある。第二押さえ部材42は実質的に平坦である。図5の右側において、まだ縁部38’の下にある第二押さえ部材42から生じる縁部38’の湾曲は、図解目的のため誇張されている。
【0042】
第一押さえ部材40が縁部38’を押さえるとき、第二押さえ部材42は、図6に示されるように、方向Rのそれらのシート係合位置から止め具30に向かって後退させられる。それにより、先に載置されたシート21の縁部38が解放される。しかしながら、図6の右側に示されるように、第一押さえ部材40は新しいシート21’の縁部38’上にその押圧力を印加し、それによって両方のシート21、21’を止め具30に位置合わせたままにする。
【0043】
第一押さえ部材40がまだ縁部38’の上でその係合位置にある間、第二押さえ部材42もまた、新しいシート21’の縁部38’の上に移動させられる。これは図7に示されている。第二押さえ部材42は、水平後退運動およびたとえば半円係合運動を含む、たとえば漕ぎ運動の形態の、閉ループを形成する運動を実行してもよい。具体的には、係合運動は、後退運動とは異なる経路を辿る。このため、図7の右側に模式的に示されるように、第一押さえ部材40および第二押さえ部材42はいずれも、新しいシート21’の縁部38を押しつけている。
【0044】
そして、シート21’がまだ受容面14、あるいは積載37上に、それぞれ繰り出されている間、記載される動作ステップは、第一押さえ部材40が縁部38’を解放し、さらに新しいシートが図4の状態に対応して載置されることによって、繰り返されてもよい。
【0045】
記載される動作サイクルの間、積載37は、第一押さえ部材40および第二押さえ部材42のうちの少なくとも1つによって、縁部38側を常に押しつけられることになる。このため、シート21の位置合わせは維持され、新しいシートは、先に受容されたシートが既に静止状態を取っていることを必要とせずに、積載37上に受け入れられてもよい。このため、1つ以上の先行シート21の繰り出し過程と、新しいシート21’の積載37上への繰り出し過程とが、時間的に重複してもよい。
【0046】
シート反転装置12のシート反転動作と同期する第一および第二押さえ部材40、41の異なる運動のタイミングは、たとえば、光センサなどの、シート反転空間に配置された1つ以上のセンサ43によって、制御されてもよい。シート反転空間は、反転および受容面14上の載置中にシートによって占有される空間によって、定義される。
【0047】
加えて、または代わりに、タイミングは、シート媒体の媒体依存パラメータに応じて制御されてもよい。たとえば、図8に模式的に示されるように、制御ユニット34は、第一および第二押さえ部材40、42の運動を制御するように配置されてもよく、制御ユニット34は、タイミングのパラメータを収容するルックアップテーブル44へのアクセスを有してもよい。たとえば、ルックアップテーブル44は、異なるタイプのシートのパラメータを含んでもよい。たとえば、パラメータは、シートの重量、紙または合成樹脂などのシートの材料、および/またはシートの厚みに応じて提供されてもよい。たとえば、適切なタイミングは実験によって決められてもよく、決められたパラメータはルックアップテーブル44に保存されてもよい。
【0048】
図2の破線によって示されるように、シート反転装置12は、シート反転要素16に対向する現在反転しているシートの側に対する気流を発生させるための、気流発生器46をさらに含んでもよい。このため、薄く、弱く、または柔軟なシートの繰り出しは、容易になり促進されるだろう。
【0049】
記載されるシート積載装置は、非常に高い積載および反転速度においてさえ、高い積載品質を提供するだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート積載装置であって、
積載されたシート(21)を支持するシート受容面(14)と、
シート受容面(14)上にシート(21)を載置するシート載置部材(16)と、
先に載置されたシート(21)の縁部(38)を解放し、受容面(14)の上の前記先に載置されたシート(21)上に新しいシート(21)の縁部(38)を押さえるように各々配置された、少なくとも1つの第一押さえ部材(40)および少なくとも1つの第二押さえ部材(42)と、を含み、
少なくとも1つの第二押さえ部材(42)は、
少なくとも1つの第二押さえ部材(42)が前記縁部を押さえている間に、少なくとも1つの第一押さえ部材(40)が先に載置されたシート(21)の前記縁部を解放するように、および
少なくとも1つの第一押さえ部材(40)が前記先に載置されたシート上に新しいシート(21)の前記縁部を押さえている間に、少なくとも1つの第二押さえ部材(42)が先に載置されたシート(21)の前記縁部を解放するように、
少なくとも1つの第一押さえ部材(40)に対する時間遅延を伴って、シート(21)を解放し、新しいシート(21)と係合するようになっており、
少なくとも1つの第二押さえ部材(42)は、シート係合位置から、前記先に載置されたシート(21)の前記縁部(38)を位置合わせするための停止部材(30)に向かい、場合によりこれを越える方向(R)に、後退させられるようになっている、シート積載装置。
【請求項2】
少なくとも1つの第二押さえ部材(42)が、少なくとも1つの第二押さえ部材(42)が先に載置されたシート(21)の縁部(38)への圧力を維持している間に、少なくとも1つの第一押さえ部材(40)が新しいシート(21)の縁部(38)と係合することができるようにするために、第一押さえ部材(40)に対する時間遅延を伴って、シート(21)を解放して新しいシート(21)と係合するようになっている、請求項1に記載のシート積載装置。
【請求項3】
少なくとも1つの第二押さえ部材(42)が、シート係合位置から実質的に水平方向(R)に後退させられるようになっている、請求項1または2に記載のシート積載装置。
【請求項4】
少なくとも1つの第二押さえ部材(42)が実質的に平坦である、請求項1から3のいずれか一項に記載のシート積載装置。
【請求項5】
少なくとも1つの第一押さえ部材(40)および少なくとも1つの第二押さえ部材(42)が、シート媒体の媒体依存パラメータに応じて、先に載置されたシート(21)の縁部を解放して新しいシート(21)の縁部を押さえるタイミングを制御する、制御ユニット(34)をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のシート積載装置。
【請求項6】
シート載置部材(16)が、シート受容面(14)に向かって回転軸の周りでシート(21)を反転させるシート反転装置のシート反転要素である、シート反転装置をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のシート積載装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のシート積載装置(10)を含む、印刷機。
【請求項8】
シート受容面(14)上にシートを積載する方法であって、
新しいシート(21)の少なくとも縁部(38)を、シート受容面(14)上の先に載置されたシート(21)の上に受容するステップと、
少なくとも1つの第二押さえ部材(42)が先に載置されたシート(21)の端部(38)への圧力を維持している間に、前記新しいシート(21)の前記端部(38)と係合、少なくとも1つの第一押さえ部材(40)によって受容面(14)上の先に載置されたシート(21)上に前記縁部(38)を押さえるステップと、
少なくとも1つの第一押さえ部材(40)が新しいシート(21)の前記縁部(38)への圧力を維持している間に、少なくとも1つの第二押さえ部材(42)を停止部材(30)に向かう方向(R)にシート係合位置から後退させ、前記新しいシート(21)の前記縁部(38)と係合、少なくとも1つの第二押さえ部材(42)によって受容面(14)上の先に載置されたシート(21)上に前記縁部(38)を押さえるステップと、
新しいシート(21)を先に載置されたシート(21)上に載置するステップと、を含む方法。
【請求項9】
新しいシート(21)の少なくとも前記縁部(38)が、直前に載置されたシート(21)が静止状態を取る前に、シート受容面(14)上の前記直前に載置されたシート(21)上に受容される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの第二押さえ部材(42)が前記縁部を押さえている間に、少なくとも1つの第一押さえ部材(40)は先に載置されたシート(21)の前記縁部を解放し、
少なくとも1つの第一押さえ部材(40)が前記先に載置されたシート(21)上に新しいシート(21)の前記縁部を押さえている間に、少なくとも1つの第二押さえ部材(42)は先に載置されたシート(21)の前記縁部を解放する、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの第一押さえ部材(40)および少なくとも1つの第二押さえ部材(42)が、先に載置されたシート(21)の縁部を解放して新しいシート(21)の縁部を押さえるタイミングが、シート媒体の媒体依存パラメータに応じて制御される、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
シート受容面(14)に向かって回転軸(29)の周りでシート(21)を反転させるステップをさらに含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−511457(P2013−511457A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540405(P2012−540405)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068052
【国際公開番号】WO2011/064220
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(390039435)オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー (103)
【氏名又は名称原語表記】OCE’−NEDERLAND BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】