説明

シート給送装置および画像形成装置

【課題】シート搬送方向下流側近傍の積載部材(底板)の周辺において、シート搬送方向の中央部に対して両側端部周辺の位置を上下方向の少なくとも一方に調整可能に構成することにより、シート幅方向に厚みの異なる特殊なシートでも安定して給送する。
【解決手段】シート7を収容するトレイ16と、トレイ16内に配置され、シート7を積載して昇降可能な3つに分割して別体的に構成された50A,50B,50Cからなる底板50と、底板50Aの裏面側に配置された高さ変更機構22とを有し、底板50A,50B,50Cの各シート積載面50Aa,50Ba,50Caが略同一面となる状態Aの位置から、調節部材51を矢印D方向へ回動すると、ラック部材52,53がシート幅方向Yへ連動してスライド移動し、傾斜面53cと裏面50Bbとが当接することにより、シート積載面50Ba,50Caが下方に傾斜面52e,53eの角度だけ傾いた状態Bの位置を占める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート給送装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、封筒等を含むシート状記録媒体(以下、「シート」または「記録媒体」という)を積載して昇降可能な積載部材上の最上面のシートを1枚ずつ分離して給送するシート給送装置、およびこのシート給送装置を有する、複写機、プリンタ、ファクシミリ、インクジェット記録装置、プロッタ等またはそれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、インクジェット記録装置、プロッタ等またはそれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置においては、給紙トレイ或いは給紙カセット上に積載された記録媒体(シート)束から1枚ずつ給送・給紙する給紙装置(シート給送装置)の構成を有しているが、多様な用途に用いるために、サイズ、厚み、材質等の異なる種々の記録媒体に対応させることが求められている。
【0003】
例えば、封筒は1枚、或いは複数枚のシート片を折り曲げたり接着することにより袋状に形成されているため、厚みが全体に亘って均一でなく、均一厚みのシート状記録媒体を搬送する一般的な機構を備えた給紙装置では、安定して給紙することが困難である。
即ち、均一厚みの記録媒体を給紙するために設計された給紙装置においては、封筒を給送するときに、部分的な厚みの違いにより、不給紙や斜め送り、耳折れ、さらには紙詰まり・ジャムなどの給紙不良が発生する場合があった。
【0004】
上記給紙不良を解決するために、例えば、特許文献1〜3のような技術が提案されている。
特許文献1には、給紙用押さえ部材を給紙トレイの圧板上に積載された被記録媒体上に載置して、給紙用押さえ部材によって被記録媒体を上側から抑えることによりたわみ、膨らみを抑制することで、安定した確実な給紙を行えるとともに、単に載置する構成として被記録媒体のセットを容易にした技術が開示されている。
【0005】
特許文献2には、枠体の底部に上下回動自在に配され給紙方向に直交する方向で相並んだ複数の底板部片と、各底板部片に対応して配され各底板部片の下面と摺擦する複数の湾曲部を有し各底板部片の給紙方向下流側を持ち上げる上昇手段とを備えて構成される給紙トレイ構造にして、各底板部片が積載袋状記録媒体に夫々対応する領域において袋状記録媒体積載厚み状態の変動に応じて各底板部片の給紙方向下流側を持ち上げて給紙動作時に袋状記録媒体の最上面が平行になるように、前記複数の湾曲部の各々が固有の湾曲輪郭を有する技術が開示されている。
【0006】
特許文献3には、記録媒体を積載して給紙位置まで上昇させる底板と、給紙位置に上昇した記録媒体を最上部から給紙する給送手段と、を備えた給紙装置であって、底板上面であって少なくとも給送手段が占める幅方向範囲内に、高さが不均一な曲面を有した補助部材を配置した技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1〜3には、それぞれ以下に示す問題点がある。すなわち、特許文献1記載の技術では、幅方向に厚みの異なる特殊な記録媒体(封筒、薬袋)を積載した場合、記録媒体の最上位面(最上面)の高さが不均一になる。特に封筒のような端部の厚みが厚い記録媒体の場合、端部が持ち上がり、その持ち上がった端部が上側ガイド部材(もしくは押さえ部材)と挟み込まれた場合、給紙ローラに対して十分な押圧力が得られず不送りとなる問題が発生する。
【0008】
特許文献2および3記載の技術では、幅方向に底板の積載面の高さを変更できる給紙トレイが示されているが、上述した特殊な記録媒体の場合、下側だけでなく上側にも同時に膨らむ場合が多くある。このような上側への膨らみがあった場合、上側ガイド部材との接触による折れ/めくれの発生、さらには記録媒体と上側ガイド部材との挟み込みによる不送りの発生の懸念がある。両文献には、このような上側への膨らみに対しての問題に対しての着眼がないとともに、その対策についても何も言及されていない。
【0009】
本発明は、上述した問題・事情に鑑みてなされたものであり、シート給送装置におけるシート搬送方向下流側近傍の積載部材(例えば底板)の周辺において、シート搬送方向の中央部に対して両側端部周辺の位置を上下方向(高さ方向)の少なくとも一方に調整可能に構成することにより、幅方向に厚みの異なる特殊なシートでも安定して給送可能とするシート給送装置および画像形成装置を実現し提供することを主な目的とする。
また、積載部材上の最上面のシートを押さえるための押さえ部材を追加することにより、直交方向に厚みの異なる特殊なシートでも安定して給送可能にすることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
請求項1記載の発明は、シートを収納するシート収容手段と、前記シート収容手段内に配置され、シートを積載して昇降可能な積載部材と、前記積載部材のシート積載面上の最上面のシートをシート給送方向に給送するシート給送手段とを有するシート給送装置において、前記積載部材は、前記シート給送方向と直交する直交方向の略中央部に開口した窓部を備え、該直交方向の略中央部に配置された第1の積載部材と、第1の積載部材における前記直交方向の両隣における前記シート給送方向の下流側に配置された2つの第2の積載部材とに分割して設けられており、前記各第2の積載部材が、第1の積載部材に対して前記シート給送方向に沿って屈曲可能に接続されており、第1の積載部材の前記シート積載面の裏面側における前記シート給送方向の下流側に設けられた支持部材と、前記支持部材に回動可能に支持されるとともに、第1の積載部材の前記窓部の上面に露出可能に設けられ、ピニオンギヤを備えた調節部材と、前記各第2の積載部材の前記シート積載面の裏面に当接可能に、かつ、前記直交方向にスライド可能に前記支持部材に支持されるとともに、前記ピニオンギヤと噛み合うラック歯、および前記各第2の積載部材の前記裏面に当接する傾斜面を備え、前記調節部材を挟んで互いに対向して設けられた一対のラック部材とを具備し、前記調節部材の回動によって、前記各第2の積載部材の前記シート積載面が、第1の積載部材の前記シート積載面に対して上下方向の少なくとも一方に変更可能であることを特徴とするシート給送装置。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のシート給送装置において、第1の積載部材と前記各第2の積載部材とを屈曲可能に接続する部材として、第1の積載部材の前記裏面側と前記各第2の積載部材の前記裏面側とに渡り取り付けられる蝶番部材を用いたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のシート給送装置において、前記各ラック部材の前記傾斜面は、前記各第2の積載部材が自重によって下方に変位する向きに設定されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一つに記載のシート給送装置において、前記支持部材に形成され、前記各ラック部材を位置決めする凹部もしくは凸部と、前記各ラック部材に形成され、前記凹部もしくは前記凸部の何れか一方と係合する被位置決め凸部もしくは被位置決め凹部とを備えた位置決め手段を有し、前記各第2の積載部材の前記傾斜面における前記直交方向の位置決めが、前記位置決め手段によりなされることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一つに記載のシート給送装置において、前記積載部材のシート積載面上の最上面のシートを押さえる押さえ部材を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載のシート給送装置において、前記積載部材上のシートの各側端面の位置を規制する、前記直交方向に移動可能な一対の規制部材を有し、前記押さえ部材は、前記各規制部材に設けられることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一つに記載のシート給送装置において、前記押さえ部材は、装置本体に設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項7記載のシート給送装置において、前記押さえ部材は、シートと当接することにより回転可能な部材であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、搬送されてくるシートに画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置において、請求項1ないし8の何れか一つに記載のシート給送装置を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、前記課題を解決して新規なシート給送装置および画像形成装置を実現し提供することができる。すなわち、本発明によれば、前記構成により、シート給送方向と直交する直交方向において厚みの異なるシートを用いたような場合にも、不送り等のシート給送不良を未然に防止して安定して給送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明が適用される画像形成装置の一例を示す電子写真式複写機の概略的な全体構成図である。
【図2】従来の給紙装置の要部を示す正断面図である。
【図3】図2の給紙装置内の給紙トレイの内部構成を示す斜視図である。
【図4】従来の給紙装置の問題点を説明するための、図2の給紙装置を給紙方向から見た模式的な断面図である。
【図5】従来の給紙装置の問題点を説明するための、図2の給紙装置を給紙方向から見た模式的な断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示す給紙装置の要部の断面図である。
【図7】図6の給紙装置を給紙方向から見た断面図である。
【図8】図6の給紙装置を構成する底板および高さ変更機構の外観斜視図である。
【図9】図8中矢視B方向から見た正面図である。
【図10】本実施形態の底板および高さ変更機構の分解斜視図である。
【図11】高さ変更機構の分解斜視図である。
【図12】(a)は、高さ変更機構を底板の上面側から底板を透視して見た図であって状態Aを、(b)は、同状態Bを、それぞれ示す平面図である。
【図13】(a)は、高さ変更機構および底板を図8中矢印A方向(底板の裏面側)から見た図であって状態Aを、(b)は、同状態Bを、それぞれ示す底面図である。
【図14】(a)は、高さ変更機構および底板を図8中矢印C方向(底板の下流側)から見た図であって状態Aを、(b)は、同状態Bを、それぞれ示す背面図である。
【図15】図6の給紙装置を給紙方向から見た模式的な図であって、底板のシート積載面上に、シート幅方向に厚みの異なるシートを積載して給紙する際の動作を説明する模式的な断面図である。
【図16】第1の実施形態の変形例を示す給紙装置の要部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を詳細に説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品等)については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
【0017】
図1〜図15を参照して、本発明に係るシート給送装置としての給紙装置の一実施形態を説明する。図1は、本発明を適用する電子写真式複写機として構成された画像形成装置の一例を示す概略的な縦断面図である。まず、図1を参照して、画像形成装置の全体構成とともに動作を説明する。
【0018】
図1に示す画像形成装置は、その画像形成装置本体1の上部にコンタクトガラス2が固設されており、そのコンタクトガラス2の上面に図示していない原稿が載置される。この原稿の画像は、画像形成装置本体1の内部に設けられた露光装置3によって像担持体の一例であるドラム状の感光体4に結像され、感光体の表面が像露光される。感光体4は図1における時計方向に図示していない駆動手段によって回転駆動され、上記像露光に先立って帯電装置5により表面を一様に帯電され、その帯電面を像露光されることにより、感光体4の表面に原稿画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置6によってトナー像として可視像化される。
【0019】
一方、感光体4の下方には、カット紙、樹脂シートあるいは封筒などのシート状記録媒体としてのシート7を1枚ずつ給送するシート給送装置としての給紙装置8が設けられている。給紙装置8から給送されたシート7は、レジストローラ対9によって所定のタイミングをとられ、感光体4と転写装置10との間の転写部11に送り込まれる。シート7がこの転写部11を通るとき、転写装置10の作用により、感光体4の表面に形成されたトナー像がシート7上に転写される。このように、本例の画像形成装置においては、転写部11が、シート7に画像を形成する画像形成部を構成している。
【0020】
トナー像を転写され、感光体4から分離されたシート7は、定着装置12を通り、このとき熱と圧力の作用によりシート7上のトナー像が定着される。次いで、このシート7は画像形成装置本体1外の排紙トレイ13上に排出される。
一方、トナー像転写後の感光体4の表面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置14によって除去され、次いで感光体4の表面が除電装置15によって除電作用を受け、その表面電位が初期化される。
【0021】
次に、図2〜図5を用いて、本発明を適用する従来の給紙装置8について述べる。図2は、給紙装置8を模式的に示す断面図であり、図3は給紙装置8内の給紙トレイ16の斜視図を示す。図2中矢印Xは、シート給送方向としての給紙方向を示す。
給紙装置8は、図1および図2に示すように、積載されたシート7を収容するシート収容手段としての給紙トレイ16と、この給紙トレイ16内に配置され、シート7を積載する底板17とを有する。また、給紙トレイ16内の底部には、図示していない正逆転可能な駆動モータによって回動駆動される駆動軸18と、基端部が駆動軸18に固定され、該駆動軸18の回動によって駆動軸18を支点として所定角度の範囲内で回動、すなわち揺動する上昇レバー19とがそれぞれ設けられている。例えば前記図示しない駆動モータの正転駆動により、上昇レバー19が反時計回りに揺動・駆動されることによって、上昇レバー19の自由端部が底板17における給紙方向Xの下流端部(図における右端部)に当接することで、底板17における給紙方向Xの下流端部が持ち上げられ、最上面(もしくは最上位)のシート7が、その上方に配置されたシート給送手段としての給紙ローラとも呼ばれるピックアップローラ20に圧接する。底板17における給紙方向Xの下流端部(図における右端部)は、底板17における給紙方向Xの上流端部(図において省略されている左端部)が画像形成装置本体1側に固着された支点軸(図示せず)に揺動可能に支持されていることにより、揺動・昇降可能に構成されている(後述する実施形態の図8参照)。
【0022】
上記の上昇レバー19の揺動は、給紙トレイ16の画像形成装置本体1への脱着・挿脱動作と連動しており、給紙トレイ16が画像形成装置本体1へ挿入された場合、底板17を持ち上げ、給紙トレイ16が引き抜かれる場合、底板17を下げるよう制御される。
【0023】
シート7の給送時には、ピックアップローラ20は、最上面のシート7の上面に当接しながら、図2における反時計方向に回転駆動され、このときピックアップローラ20とシート7とに作用する摩擦力によって、その最上面のシート7が給紙方向Xに送り出される。この給紙方向Xにおけるピックアップローラ20の下流側には、フィードローラ28が配置され、さらにこのフィードローラ28の下方には、分離部材の一例であるリバースローラ29が配置されている。上述のようにピックアップローラ20が回転すると、これに同期してフィードローラ28も、図2における反時計方向に回転し、ピックアップローラ20により送り出された最上面のシート7は、フィードローラ28とリバースローラ29との協働作用によって1枚に分離・挟持されてさらに搬送される。シート7は、上ガイド部材31および下ガイド部材33で形成されるガイド面に沿ってさらに搬送される。
【0024】
なお、図1において、31、33は、シート搬送路としての上流側(図において下側)のターン搬送路を形成する上ガイド部材、下ガイド部材を、35は、ターン搬送路を形成する上ガイド部材31の内郭側に回転可能に配置された駆動ローラからなるグリップローラを、36は、ガイド部材27に回転可能に支持されグリップローラ35に従動する搬送ローラを、37は、ガイド部材27とともにシート搬送路としての下流側(図において上側)のターン搬送路を形成するガイド部材を、それぞれ示す。
【0025】
次に図3を用いて、給紙トレイ16の要部構成を説明する。給紙トレイ16には、シート7を積載する底板17、および積載されたシートの両側端面を規制するためのサイドフェンスとも呼ばれる規制部材41、42を備えている。規制部材41、42は、シート7の給紙方向Xと直交する直交方向Y(以下、「シート幅方向Y」ともいう)に連動して移動可能に構成され、シート7の各側端面と当接し、シート7の斜行を防止するための部材である。43は、シート7の後端面を規制する、給紙方向Xの上流および下流側に移動可能な後端面規制部材を示す。
【0026】
次に図4および図5を用いて、従来の給紙装置8における、積載されるシートの種類の違いによる積載状態の変化を示す。図4および図5は、給紙装置8を給紙方向から見た模式的な断面図である。図4ではシート幅方向Yの厚みが給紙方向に亘って均一なシート7A、すなわち厚みがシート全体で均一なシート7Aを多数枚積載した図、図5はシート幅方向Yの厚みが異なる(側端部の厚みが、中央部に比べ厚い)シート7Bを積載した図である。
図5に示す通り、両側端部の厚みが異なるシート7Bを平板状の底板17上に積載した場合、シート7Bの各側端部が上ガイド部材31と底板17とで挟まれてしまい、シート7の搬送負荷が上がる、もしくはシート幅方向Yの中央部にあるピックアップローラ20に対するシート7への圧接が阻まれ、正しく給紙されないで、斜め送り・スキューや不送りあるいはジャム等のシート給送不良(以下、「給紙不良」という)を発生する場合がある。
そこで、斜め送り・スキューや不送りあるいはジャム等の給紙不良の発生を未然に防止して、安定したシート給送を行えるシート給送装置および画像形成装置に係る本発明の第1の実施形態を提案する。
【0027】
(第1の実施形態)
図6〜図15を用いて、本発明の特徴的な構成について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係るシート給送装置としての給紙装置8Aを幾分模式的に示す断面図であり、図7は、同給紙装置8Aを給紙方向から見た図、図8は、図6の給紙装置8Aを構成する底板50および高さ変更機構22の外観斜視図、図9は、図8中矢視B方向から見た正面図、図10は、本実施形態の底板および高さ変更機構の分解斜視図、図11は、高さ変更機構の分解斜視図、図12(a)は、高さ変更機構を底板の上面側から底板を透視して見た図であって状態Aを、図12(b)は、同状態Bを、それぞれ示す平面図、図13(a)は、高さ変更機構および底板を図8中矢印A方向(底板の裏面側)から見た図であって状態Aを、図13(b)は、同状態Bを、それぞれ示す底面図、図14(a)は、高さ変更機構および底板を図8中矢印C方向(底板の下流側)から見た図であって第1の位置状態Aを、図14(b)は、同第2の位置状態Bを、それぞれ示す背面図、図15は、図6の給紙装置を給紙方向から見た模式的な図であって、底板のシート積載面上に、シート幅方向に厚みの異なるシートを積載して給紙する際の動作を説明する模式的な断面図である。
なお、図12において、底板50A〜50Cの図示は、図の簡明化のため省略している。図14(a)の上段に示す図は、同図の下段に示す楕円で囲んで示した部分の拡大断面図であり、図14(b)の上段に示す図は、同図の下段に示す楕円で囲んで示した部分の拡大断面図である。
【0028】
本実施形態の給紙装置8Aは、図2〜図5に示した従来の給紙装置8と比較して、図6〜図15に示すように、単一の底板17に代えて、3つに分割して別体的に構成された50A,50B,50Cからなる底板50を用いる点、底板50Aのシート幅方向Yの左右両側に隣って配置された底板50Bおよび50Cのシート積載面50Ba,50Caの高さを、底板50Aのシート積載面50Aaの高さに対して上下方向の一方(本実施形態例では下方)に切り換える高さ変更手段としての高さ変更機構22を新設した点、および底板50上に積載されたシート7の最上面を押さえる押さえ部材55を新設した点が主に相違する。
前記相違点以外の本実施形態の構成は、図2〜図5に示した従来の給紙装置8と略同様である。以下、従来の給紙装置8との上記相違点の構成および動作を中心に本実施形態を詳述する。なお、底板50は、底板50A,50B,50C全体の総称である。
【0029】
ここで、給紙装置8で説明しきれなかった構成と略同様の給紙装置8Aの構成を補説しておく。図8のみに示すように、底板50Aにおける給紙方向Xの上流側の両端部は、画像形成装置本体1に植設された支点軸21で揺動可能に支持されていて、底板50における給紙方向Xの下流端部が、上昇レバー19により持ち上げられ揺動・上昇する。図6に示すように、駆動軸18の給紙トレイ16に対するシート給送方向Xの位置は、高さ変更機構22を底板50Aのシート給送方向Xの下流端部に配設したことに伴い、従来の給紙装置8と比べてシート給送方向Xの上流側にずらして配置されていて、上昇レバー19の自由端部が底板50Aにおける給紙方向Xの下流側の底板50A裏面に当接して全体の底板50を持ち上げることが可能になっている。これにより、上昇レバー19の自由端部が高さ変更機構22のカバー部材56と干渉することを防止している。
【0030】
給紙装置8Aは、図6等を参照して説明したように、シート7を収容するシート収容手段としてのトレイ16と、トレイ16内に配置され、シート7を積載して昇降可能な積載部材としての、3つに分割して別体的に構成された50A,50B,50Cからなる底板50と、底板50Aの裏面側に配置された高さ変更機構22と、底板50上の最上面のシート7を給紙方向Xに給送するシート給送手段としてのピックアップローラ20と、ピックアップローラ20により送り出されたシート7を1枚ずつ分離して給送するフィードローラ28およびシート分離手段・分離部材としてのリバースローラ29と、底板50上に積載されたシート7の最上面を押さえる押さえ部材55とを有している。
【0031】
上ガイド部材31には、図6および図7に示すように、底板50上に載置積載されたシート7の上面を押さえるための押さえ部材55が設けられている。押さえ部材55は、底板50上に積載されたシート7のシート幅方向Yの両端部に対応する位置に設けられている。
【0032】
図8〜図10、図13および図14を用いて底板50の細部構成を説明する。図8および図10に示すように、積載部材としての底板50は、シート幅方向Yの略中央部に開口した開口部もしくは窓部(以下、「窓部」という)58を備え、シート幅方向Yの略中央部に配置された第1の積載部材としての底板50Aと、底板50Aにおけるシート幅方向Yの両隣における給紙方向Xの下流側に配置された2つの第2の積載部材としての底板50B,50Cとに分割して別体的に設けられている。
図8〜図10、図13および図14において、Aaは底板50Aのシート積載面、Baは底板50Bのシート積載面、Caは底板50Cのシート積載面、をそれぞれ示している。
【0033】
図13および図14に示すように、底板50Aと底板50Bとは、それぞれのシート積載面50Aa,50Baの裏面50Ab,50Bb側に渡り取り付けられている蝶番部材54a,54cにより、底板50Aと底板50Cとは、それぞれのシート積載面50Aa,50Caの裏面50Ab,50Cb側に渡り取り付けられている蝶番部材54b,54dにより、給紙方向Xに沿って屈曲可能に接続・連結されている。本実施形態では、一方の側の底板50Bは、図14(a)に示すように水平方向に位置する底板50Aに対して、蝶番部材54a,54cを介して、自重によって図14(b)に示すように上下方向Zの一方向である下方向に垂下・変位するように連結されている。同様に、他方の側の底板50Cも、水平方向に位置する底板50Aに対して、図示しないが蝶番部材54b,54dを介して、自重によって上下方向Zの一方向である下方向に垂下・変位するように連結されている。
【0034】
高さ変更機構22は、図8〜図14に示すように、上記した底板50A,50B,50Cと、上記した蝶番部材54a〜54dと、底板50Aにおけるシート積載面50Aaの裏面50Ab側における給紙方向Xの下流側に設けられた支持部材としてのカバー部材56と、このカバー部材56に回動可能に支持されるとともに、底板50Aの窓部58の上面に露出可能に設けられ、ピニオンギヤ51bを備えた調節部材51と、底板50B,50Cの各裏面50Bb,50Cbに当接可能に、かつ、シート幅方向Yにスライド可能にカバー部材56に支持されるとともに、調節部材51のピニオンギヤ51bと噛み合うラック歯52d,53d、および底板50B,50Cの裏面50Bb,50Cbに当接する傾斜面52c,53cを備え、調節部材51を挟んで互いに対向して設けられた一対のラック部材52,53とを具備している。
【0035】
カバー部材56は、図11に示すように、底板50Aの裏面50Ab側に、締結手段としての4本のネジ57で締結・固定されている。カバー部材56には、図12に示すように、ラック部材52の裏側にシート幅方向Yに沿って形成された長溝56gに係合する凸部56a、56bおよびラック部材53の裏側にシート幅方向Yに沿って形成された長溝56hに係合する凸部56c、56dと、調節部材51を回動可能に取り付け支持するための支点軸部56eとが、それぞれ植設されている。支点軸56eの一部には、溝56fが形成されている。カバー部材56は、断面ハット形状をなし、例えば板金で一体的に形成されている。
【0036】
調節部材51には、図8、図11および図12に示すように、カバー部材56に植設された溝56fに係合するスナップフィット部51aと、上記したピニオンギヤ51bと、ユーザにより操作されるつまみ部51cとが一体的に形成されている。調節部材51は、例えば適宜の樹脂で一体的に形成されている。ユーザにより、つまみ部51cが底板50Aの窓部58上面から露出していることによって、シート積載面50Aa側から調節部材51を回動操作可能になっている。
調節部材51は、スナップフィット部51aが支点軸56eに形成された溝56fに係合・嵌合することで、支点軸56eに対して支点軸56eの長さ方向であるスラスト方向に固定される。
【0037】
図11および図12に示すように、カバー部材56には、ラック部材52を位置決めする凹部としての切り欠き56k,56lが、ラック部材53には、ラック部材53を位置決めする凹部としての切り欠き56i,56jが、それぞれ形成されている。
一方、ラック部材52には、切り欠き56k,56lと係合する被位置決め凸部としてのロック爪52a,52bが、ラック部材53には、切り欠き56i,56jと係合する被位置決め凸部としてのロック爪53a,53bが、それぞれ形成されている。
カバー部材56の切り欠き56k,56lおよびラック部材52のロック爪52a,52bは、ラック部材52の傾斜面52cをシート幅方向Yに位置決めする位置決め手段を、カバー部材56の切り欠き56i,56jおよびラック部材53のロック爪53a,53bは、ラック部材53の傾斜面53cをシート幅方向Yに位置決めする位置決め手段を、それぞれ構成している。
なお、上記位置決め手段は、上記の組み合わせに限らず、凹部としての切り欠きに代えて被位置決め凸部とするとともに被位置決め凸部に代えて凹部にしても良いことは無論である。
【0038】
ラック部材52は、上記したロック爪52a,52bと、上記した傾斜面52cと、上記したラック歯52dと、傾斜面52cに接続して形成された水平面52eとが、適宜の樹脂もしくは板金等をインサートした樹脂成形で一体的に形成されている。ラック部材53は、上記したロック爪53a,53bと、上記した傾斜面53cと、上記したラック歯53dと、傾斜面53cに接続して形成された水平面53eが、適宜の樹脂もしくは板金等をインサートした樹脂成形で一体的に形成されている。ロック爪52a,52bおよびロック爪53a,53bは、弾性を備えた上記材料および形状で形成されている。ロック爪52a,52bは、カバー部材56の切り欠き56k,56lに、ロック爪53a,53bは、カバー部材56の切り欠き56i,56jに、それぞれ弾ぱつ的に係合する。
【0039】
次に、図12および図14を用いて、調節部材51と各ラック部材52,53の動作を説明する。
ユーザ操作による、図12(a)に示す調節部材51の回動位置において、図12(a)および図14(a)に示すように、上記位置決め手段によりラック部材52,53が状態Aに位置決めされて固定されている。すなわち、図12(a)および図14(a)に示すように、ラック部材53の水平面53eと底板50Bの裏面50Bbとが当接しているとともに、ラック部材52の水平面52eと底板50Cの裏面50Cbとが当接していることにより、底板50A,50B,50Cの各シート積載面50Aa,50Ba,50Caが略同一面(本実施形態例では略同一水平面)となる第1の位置としての状態Aの位置を占めている。
この状態Aの位置において、図12(b)および図14(b)に示すように、ユーザが調節部材51を矢印D方向(反時計回り方向)へと回動すると、ラック部材52,53がシート幅方向Yの矢印E方向および矢印F方向へと連動してスライド移動し、上記位置決め手段によりラック部材52,53が位置決めされ固定されると、ラック部材53の傾斜面53cと底板50Bの裏面50Bbとが当接するとともに、ラック部材52の傾斜面52cと底板50Cの裏面50Cbとが当接することにより、水平面状態のシート積載面50Aaに対して、各底板50B,50Cのシート積載面50Ba,50Caが下方に傾斜面52e,53eの角度だけ傾いた第2の位置としての状態Bの位置を占めることとなる。
【0040】
次に、図13および図14を用いて、状態Aの位置から状態Bの位置に移った際の底板50Aの動作について説明する。図13(a)および図14(a)に示す状態Aの位置から、すなわち底板50A〜50Cのシート積載面50Aa〜50Caにより形成される面が略同一面の状態(本実施形態例では略同一水平面)位置から、図13(b)および図14(b)に示す状態Bの位置へと移行することで、各ラック52,53は底板50Aの中央側へとスライド移動する。それに伴い図14(b)に示すように、略同一水平面状態の底板50Aに対して各底板50B,50Cのシート幅方向Yの側端部位置がラック53,52の傾斜面52c、53cに沿う形で距離h1だけ下がった状態Bの位置へと変更される。
このように、本実施形態では、調節部材51を回動操作することにより、一対のラック部材52,53が連動してシート幅方向Yにスライドし、これに伴い各底板50B,50Cの裏面50Bb,50Cbに当接している各ラック部材52,53の傾斜面52c、53cがスライドして、略同一水平面状態の底板50Aに対して上下方向の一方である下方向に変位する動作が行われる。
【0041】
本実施形態によれば、上記構成により、図15に示すように給紙装置8Aにおいて、底板50におけるシート積載面50Aa,50Ba,50Caの高さを選択的に変更可能となり、シート幅方向Yに厚みの異なるシート7Bを積載した場合でも、上ガイド部材31とシート積載面50Aa,50Ba,50Ca上の最上面のシート7Bが挟まれることがなくなり、不送り等の給紙不良の発生を未然に防止して、安定した正しい給紙動作を行うことができる。
【0042】
(変形例)
図16を用いて、第1の実施形態の変形例に係る給紙装置8Bを説明する。この変形例の給紙装置8Bは、図6〜図15に示した第1の実施形態の給紙装置8Aと比較して、押さえ部材55を規制部材41、42(規制部材42側は同図では省略されている)に設けた点のみ相違する。この相違点以外の変形例の構成は、第1の実施形態の給紙装置8Aおよび画像形成装置と同様である。押さえ部材55は、押さえ部材55は、図示しない底板上に積載されたシート7のシート幅方向Yの両端部に対応する位置に設けられている。
また、押さえ部材55は、シート7との接触負荷を下げるために、回転可能なコロもしくはローラ状の回転部材の構成にしても良い。
【0043】
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態や変形例等について説明したが、本発明が開示する技術は、上述した実施例を含む実施形態や変形例等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0044】
上記第1の実施形態に限らず、例えば、ラック部材52,53に形成され一方向である下方に変位する傾斜面52c,53cに代えて、シートの厚みや積載状態に応じて、シート幅方向で異なる方向(一方は上へ、他方は下へ)に変位するように構成することも可能である。この場合、ラック部材52,53の傾斜面52c,53c部分を、水平面52e,53e部分に対して相対的に着脱自在に構成して、シートの厚みや積載状態に応じて、任意の角度の傾斜面のアタッチメントにすることも可能である。
また、上記実施形態では、調節部材51を手動で回動操作するものであったが、これに限定されず、モータ等を用いて自動化することも勿論可能である。
【0045】
本発明に係る画像形成装置は、上記実施形態における電子写真方式の画像形成装置に限らず、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、インクジェット記録装置、プロッタ等またはそれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置にも適用可能である。
また、シートもしくは記録媒体としては、上記例のシート7,7A,7Bに限らず、上記したように使用可能な薄紙から厚紙、はがき、封筒、あるいはOHPシート等の樹脂シートまで、電子写真方式あるいはインクジェット方式等で画像形成可能な全てのシートを含むものである。
【符号の説明】
【0046】
1 画像形成装置本体
2 コンタクトガラス
3 露光装置
4 感光体(像担持体)
5 帯電装置
6 現像装置
7 シート(シート状記録媒体、記録媒体)
8A,8B 給紙装置(シート給送装置)
9 レジストローラ対
10 転写装置
11 転写部(画像形成部)
12 定着装置
13 排紙トレイ
14 クリーニング装置
15 除電装置
16 給紙トレイ、給紙カセット(シート収容手段)
18 駆動軸
19 上昇レバー
20 ピックアップローラ(シート給送手段)
21 支点軸
22 高さ変更機構(高さ変更手段)
28 フィードローラ(シート給送手段)
29 リバースローラ(シート分離手段)
31 上ガイド部材
33 下ガイド部材
41,42 規制部材
50 底板(積載部材)
50A 底板(第1の積載部材)
50B,50C (第2の積載部材)
50Aa,50Ba,50Ca (シート積載面)
51 調節部材
51b ピニオンギヤ
51c つまみ部
52,53 ラック部材
52a,52b ロック爪(被位置決め凸部、位置決め手段)
52c,53c 傾斜面
52d,53d ラック歯
52e,53e 水平面
53a,53b ロック爪(被位置決め凸部、位置決め手段)
54a〜54d 蝶番部材
55 押さえ部材
56 カバー部材(支持部材)
56i,56j,56k,56l 切り欠き(凹部、位置決め手段)
56a〜56d 凹部
58 窓部
X 給紙方向(シート給送方向)
Y シート幅方向(直交方向)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開2005−231821号公報
【特許文献2】特開2009−263133号公報
【特許文献3】特開2010−013208号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを収納するシート収容手段と、
前記シート収容手段内に配置され、シートを積載して昇降可能な積載部材と、
前記積載部材のシート積載面上の最上面のシートをシート給送方向に給送するシート給送手段とを有するシート給送装置において、
前記積載部材は、
前記シート給送方向と直交する直交方向の略中央部に開口した窓部を備え、該直交方向の略中央部に配置された第1の積載部材と、第1の積載部材における前記直交方向の両隣における前記シート給送方向の下流側に配置された2つの第2の積載部材とに分割して設けられており、
前記各第2の積載部材が、第1の積載部材に対して前記シート給送方向に沿って屈曲可能に接続されており、
第1の積載部材の前記シート積載面の裏面側における前記シート給送方向の下流側に設けられた支持部材と、
前記支持部材に回動可能に支持されるとともに、第1の積載部材の前記窓部の上面に露出可能に設けられ、ピニオンギヤを備えた調節部材と、
前記各第2の積載部材の前記シート積載面の裏面に当接可能に、かつ、前記直交方向にスライド可能に前記支持部材に支持されるとともに、前記ピニオンギヤと噛み合うラック歯、および前記各第2の積載部材の前記裏面に当接する傾斜面を備え、前記調節部材を挟んで互いに対向して設けられた一対のラック部材とを具備し、
前記調節部材の回動によって、前記各第2の積載部材の前記シート積載面が、第1の積載部材の前記シート積載面に対して上下方向の少なくとも一方に変更可能であることを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
第1の積載部材と前記各第2の積載部材とを屈曲可能に接続する部材として、第1の積載部材の前記裏面側と前記各第2の積載部材の前記裏面側とに渡り取り付けられる蝶番部材を用いたことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
【請求項3】
前記各ラック部材の前記傾斜面は、前記各第2の積載部材が自重によって下方に変位する向きに設定されていることを特徴とする請求項1または2記載のシート給送装置。
【請求項4】
前記支持部材に形成され、前記各ラック部材を位置決めする凹部もしくは凸部と、
前記各ラック部材に形成され、前記凹部もしくは前記凸部の何れか一方と係合する被位置決め凸部もしくは被位置決め凹部とを備えた位置決め手段を有し、
前記各第2の積載部材の前記傾斜面における前記直交方向の位置決めが、前記位置決め手段によりなされることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一つに記載のシート給送装置。
【請求項5】
前記積載部材のシート積載面上の最上面のシートを押さえる押さえ部材を有することを特徴とする請求項1ないし4の何れか一つに記載のシート給送装置。
【請求項6】
前記積載部材上のシートの各側端面の位置を規制する、前記直交方向に移動可能な一対の規制部材を有し、
前記押さえ部材は、前記各規制部材に設けられることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一つに記載のシート給送装置。
【請求項7】
前記押さえ部材は、装置本体に設けられることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一つに記載のシート給送装置。
【請求項8】
前記押さえ部材は、シートと当接することにより回転可能な部材であることを特徴とする請求項7記載のシート給送装置。
【請求項9】
搬送されてくるシートに画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置において、
請求項1ないし8の何れか一つに記載のシート給送装置を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−197137(P2012−197137A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61635(P2011−61635)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】