説明

シート製造装置および製造方法

【課題】接着剤層に微細な凹溝を有する接着シートを効率よく製造できるシート製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】シート製造装置1は、接着シートSが接着剤層ADを介して剥離シートRL上に仮着された第1原反R1を繰り出す繰出手段21と、繰り出された第1原反R1の接着シートSを剥離シートRLから剥離する剥離板4と、剥離シートRLから剥離された接着シートSに第1,第2凹溝M1,M2を形成するシート成形手段10と、第1,第2凹溝M1,M2が形成された接着シートSを剥離シートRLに再仮着して第2原反R2を形成する再仮着プレート8とを備え、シート成形手段10は、剥離された接着シートSを支持して再仮着プレート8まで搬送する搬送手段5と、搬送中の接着シートSの接着剤層AD側から第1,第2凹溝M1,M2を形成する凹溝形成手段6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートの接着剤層に凹溝を形成するシート製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被着体に貼付される接着シートとして、基材シート上の接着剤層に凹溝が形成されたものが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。この凹溝が形成された接着シートは、貼付の際、当該接着シートと被着体の間に空気が入っても、凹溝を介して空気を排出できるため、いわゆる空気溜まりができず被着体にまんべんなく貼付することが可能である。
【0003】
特許文献1には、接着シートの製造方法として、基材シートの表面に接着剤をコーティングし、所定の凹凸模様を備える型をあててプレスするか、絞りロールの間で加圧することにより凹溝を形成する方法が開示されている。
また、特許文献2には、接着シートの製造方法として、まず、基材シートの表面に塗布された接着剤を加熱して流動状態とし、凹凸パターンを有し加熱されたロールを基材シートの接着剤層を形成した面とは反対側の面に接触させ、接着剤層の溶剤を凹凸パターンに応じて蒸発させることで、凹溝を形成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−204986号公報
【特許文献2】特開平7−126582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のようなプレス加工では、接着剤層が薄い場合にプレスが施しにくく、微細な凹凸を形成することが困難である。また、特許文献2に記載の製造方法では、凹溝の形成の際に、基材シートの接着剤層を形成した面にロールを接触させるのではなく、接着剤層の溶剤の蒸発を利用しているので、微細な凹溝を形成することが困難である。また、接着剤層に揮発性の溶媒が必要である他、当該溶媒の蒸発温度など、溶媒の物性や基材シートの熱伝導性に製造条件が大きく依存するという問題がある。
さらに、生産性向上の観点から、凹溝を有する接着シートを効率よく製造できることが求められているが、いずれの文献においても、生産性向上に寄与する製造方法は検討されていない。
【0006】
本発明の目的は、接着剤層に微細な凹溝を有する接着シートを効率よく製造できるシート製造装置および製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のシート製造装置は、基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートの接着剤層に凹溝を形成するシート製造装置であって、前記接着シートが前記接着剤層を介して第1剥離部材上に仮着された第1原反を繰り出す繰出手段と、前記繰り出された第1原反の接着シートを前記第1剥離部材から剥離する剥離手段と、前記第1剥離部材から剥離された接着シートに凹溝を形成するシート成形手段と、前記凹溝が形成された接着シートを第2剥離部材に再仮着して第2原反を形成する再仮着手段とを備え、前記シート成形手段は、前記剥離された接着シートを支持して前記再仮着手段まで搬送する搬送手段と、前記搬送中の接着シートの接着剤層側から前記凹溝を形成する凹溝形成手段とを備える、という構成を採用している。
【0008】
この際、本発明のシート製造装置では、前記凹溝形成手段は、前記接着剤層に押圧されることで凹溝を形成する転写体を備え、前記搬送手段は、前記接着シートを支持するとともに、前記転写体が前記接着剤層に押圧される際の押圧力を受け止める支持受圧手段を備える、ことが好ましい。
さらに、本発明のシート製造装置では、前記剥離手段と前記再仮着手段とを離間接近可能とする接離手段を備える、ことが好ましい。
さらに、本発明のシート製造装置では、前記凹溝形成手段は、前記接着剤層に押圧されることで異なる形状の凹溝を形成可能な複数の転写体を備える、ことが好ましい。
【0009】
また、本発明のシート製造方法は、基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートの接着剤層に凹溝を形成するシート製造方法であって、前記接着シートが前記接着剤層を介して第1剥離部材上に仮着された第1原反を繰り出す工程と、前記繰り出された第1原反の接着シートを前記第1剥離部材から剥離する工程と、前記第1剥離部材から剥離された接着シートに凹溝を形成するシート成形工程と、前記凹溝が形成された接着シートを第2剥離部材に再仮着して第2原反を形成する再仮着工程とを備え、前記シート成形工程は、前記剥離された接着シートを支持して前記再仮着工程まで搬送する工程と、前記搬送中の接着シートの接着剤層側から前記凹溝を形成する凹溝形成工程とを備える、という構成を採用している。
【発明の効果】
【0010】
以上のような本発明によれば、接着シートを第1剥離部材から剥離する工程から、この接着シートを第2剥離部材に再仮着する工程まで搬送する間に、接着剤層側から凹溝を形成するので、接着剤層の種類によらず微細な凹溝を確実に形成できるとともに、凹溝を有する接着シートを効率よく製造できる。さらに、凹溝を形成した接着シートを第2剥離部材に再仮着して第2原反とするので、例えば、原反を他の紙管等の支持部材に巻き替える既存の巻替装置を用いて凹溝を形成することができる。
【0011】
さらに、搬送手段の支持受圧手段で接着シートを支持するとともに、転写体の押圧力を受け止めることにより、接着シートを搬送しつつ所望の形状の凹溝を確実に形成できる。
また、装置が複雑になることなく、省スペース化が図れる。
さらに、接離手段を設けたので、凹溝形成手段の大きさや数、あるいは接着シートの長さによって、剥離手段と再仮着手段との間隔を適切に変更でき、また、凹溝形成手段の交換などのメンテナンスも容易に行える。
また、異なる凹溝を形成可能な転写体を複数備えているので、その組み合わせにより、多様な形状の凹溝を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るシート製造装置の側面図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】本発明の変形例に係るシート製造装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
また、実施形態では、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」といった方位を示す用語は、図1を基準として用いる。
図1において、シート製造装置1は、基材シートBSの一方の面に接着剤層ADを有する接着シートSの接着剤層ADに第1,第2凹溝M1,M2を形成し、この接着シートSを剥離シートRLに再仮着するものである。具体的に、第1,第2凹溝M1,M2形成前の接着シートSは、予め所定のシート長にカットされており、第1剥離部材としての帯状の剥離シートRL上に、所定間隔で仮着された状態で第1原反R1として予め準備されている。そして、シート製造装置1は、この第1原反R1の剥離シートRLから接着シートSを剥離して第1,第2凹溝M1,M2を形成した後、剥離シートRL上に再仮着する。なお、本実施形態では、第1,第2凹溝M1,M2が形成された接着シートSが再仮着される第2剥離部材として、第1原反R1を構成する剥離シートRLを再利用している。
【0014】
シート製造装置1は、第1原反R1を繰り出す繰出手段21および第2原反R2を回収する回収手段22を有する原反繰出手段2と、繰り出された第1原反R1の接着シートSの基材シートBSに印刷を施す印刷手段3と、第1原反R1の接着シートSを剥離シートRLから剥離する剥離手段としての剥離板4と、剥離された接着シートSを基材シートBS側から支持して搬送する搬送手段5と、搬送中の接着シートSの接着剤層ADに第1,第2凹溝M1,M2を形成する凹溝形成手段6と、接着シートSが剥離された剥離シートRLを迂回させる迂回手段7と、第1,第2凹溝M1,M2が形成された接着シートSを迂回させた剥離シートRLに再仮着して第2原反R2を形成する再仮着手段としての再仮着プレート8と、剥離板4と再仮着プレート8を離間接近可能にする接離手段9とを備えている。なお、搬送手段5と凹溝形成手段6により、本発明のシート成形手段10が構成されている。
【0015】
原反繰出手段2の繰出手段21は、凹溝形成手段6の右側に設けられており、第1原反R1を巻回して支持する支持ローラ211と、支持ローラ211から引き出された第1原反R1を案内するガイドローラ212とを備えている。また、回収手段22は、凹溝形成手段6の左側に設けられており、駆動機器としての回転モータ223によって駆動する駆動ローラ224と、駆動ローラ224との間に第2原反R2を挟み込むピンチローラ225と、駆動機器としての回転モータ226によって第2原反R2を回収する回収ローラ227とを備えている。
印刷手段3としては、印字手段を含む概念であって特に制限はなく、サーマルヘッドプリンタ、レーザプリンタ、ドットインパクトプリンタ、インクジェットプリンタなどを用いることができる他、凸版印刷、凹判印刷、平版印刷、スクリーン印刷などであってもよい。
【0016】
剥離板4は、左方向に繰り出される第1原反R1の剥離シートRLを右下方向に折り返して接着シートSから剥離させる。この剥離板4における剥離シートRLを折り返す先端部分は、鋭角に形成され、接着シートSを容易に剥離できる。
【0017】
搬送手段5は、2本のプーリ51,52と、これらのプーリ51,52に巻回された無端ベルト53と、無端ベルト53の内側にてプーリ51,52間に位置する吸引チャンバ54と、プーリ52を回転駆動する駆動機器としての回動モータ521とを備えている。
無端ベルト53は、多孔性を有した帯状部材で構成された所謂サクションベルトであって、プーリ52の回転によって図1中時計回りに回転駆動される。また、吸引チャンバ54は、空気を吸引することで、無端ベルト53の下面側で接着シートSを吸引支持可能に設けられ、当該吸引チャンバ54の下面側541が支持受圧手段として形成される。これにより、剥離板4で剥離シートRLから剥離されて繰り出された接着シートSが無端ベルト53の下面側で支持され、当該無端ベルト53の回転に伴ってプーリ51側からプーリ52側に向かって搬送されるようになっている。
また、支持面541および無端ベルト53は、一定の剛性を備えており、搬送中の接着シートSの接着剤層ADに後述する第1,第2転写体64,65が押圧されたときの圧力を受け止めることができるようになっている。
【0018】
凹溝形成手段6は、搬送手段5で搬送される接着シートSの接着剤層ADを軟化させるコイルヒータ、赤外線照射装置等の軟化手段61と、駆動機器としての回動モータ62,63により回転し、軟化した接着剤層ADに押圧されて互いに異なる形状の第1,第2凹溝M1,M2をそれぞれ形成する第1,第2転写体64,65と、第1,第2凹溝M1,M2が形成された接着剤層ADを硬化させる扇風機、冷風送風機、UVランプ等の硬化手段66とを備えている。なお、軟化手段や硬化手段は、接着剤層ADの特性に応じて当該接着剤層ADを軟化できるもの及び硬化できるものであれば手段は選ばない。
第1,第2転写体64,65は、ローラ状に形成され、第1転写体64は、図2中右上がりに形成された複数の第1凸部641を備えており、第2転写体65は同図左上がりに形成された複数の第2凸部651を備えている。
【0019】
迂回手段7は、凹溝形成手段6の右下方と左下方にそれぞれ設けられた第1,第2迂回ローラ71,72を備え、剥離板4で接着シートSが剥離された剥離シートRLを、凹溝形成手段6を避けるように迂回させて再仮着プレート8まで案内する。
【0020】
再仮着プレート8は、迂回手段7で迂回された剥離シートRLを左方向に折り返して、第1,第2凹溝M1,M2が形成された接着シートSを再仮着して第2原反R2を形成する。つまり、剥離板4で接着シートSが剥離された剥離シートRLは、再仮着プレート8に送られて、第2原反R2を形成するための第2剥離部材として再利用される。この再仮着プレート8における剥離シートRLを折り返す先端部分は、曲面状に形成されている。これにより、再仮着直前から直後にかけての接着シートSと剥離シートRLとのなす角度を徐々に小さくすることができ、再仮着のときの空気の巻き込みを最小限に抑えることができ、また、容易に再仮着できる。
【0021】
接離手段9は、剥離板4と第1迂回ローラ71とを、再仮着プレート8と第2迂回ローラ72とを、それぞれ上下に連結する一対の連結部材91と、それぞれの連結部材91に出力軸92が接続され、それら連結部材91を左右方向に進退させる一対の駆動機器としての直動モータ93とを備えている。
【0022】
以上のシート製造装置1において、接着シートSを製造する手順としては、まず、図1に示すように、第1原反R1をガイドローラ212,剥離板4,第1,第2迂回ローラ71,72,再仮着プレート8に架け渡した状態で、駆動ローラ224とピンチローラ225に挟み込み、回収ローラ227にセットしておく。このとき、印刷手段3よりも、第1原反R1の繰り出し方向下流側に位置する接着シートSは、除去しておく。
この状態で、回動モータ223,226の駆動により、第1原反R1を支持ローラ211から回収ローラ227方向に繰り出す。繰り出された第1原反R1に仮着された接着シートSは、印刷手段3により所定の印刷が施される。この印刷に関し、上記印刷手段3で例示した各印刷手段等では、被印字体である接着シートSの表面までの距離が正確に維持されていなければ、印刷や印字の内容が擦れたり、ぼやけたりして正確で綺麗な印刷が行えない。つまり、第1,第2凹溝M1,M2が形成された接着シートSの表面は、これら溝によって凹凸形状となっているため、印刷手段3と接着シートSの表面までの距離が不規則なため、正確で綺麗な印刷が行えない。その点本発明のシート製造装置1は、第1,第2凹溝M1,M2を形成する前に印刷を施す構成であるため、正確で綺麗な印刷を施すことができる。
印刷が施された第1原反R1は、剥離板4により剥離シートRLが折り返されることで、接着シートSが剥離シートRLから剥離される。そして、剥離シートRLは、迂回手段7により凹溝形成手段6を迂回するように、再仮着プレート8に案内される。
一方、接着シートSは、剥離シートRLから剥離されるのと同時に、繰り出し方向の先端から順次、搬送手段5に受け渡される。
【0023】
搬送手段5に受け渡された接着シートSは、無端ベルト53を介して吸引チャンバ54の吸引によって支持され、当該無端ベルト53の回転によって、左方向に向かって搬送される。
次いで、搬送手段5によって搬送される接着シートSは、まず、その接着剤層ADが軟化手段61により軟化され、第1,第2凹溝M1,M2を形成しやすい状態になる。そして、接着シートSは、さらに搬送され、無端ベルト53を介して支持面541と回転する第1転写体64とに挟持される。これにより、軟化した接着剤層ADに第1転写体64の第1凸部641が押圧され、図2に示すように、接着剤層ADに第1凹溝M1が形成される。続いて、接着シートSが支持面541と第2転写体65とに挟持され、接着剤層ADに第2凸部651が押圧されることで、第2凹溝M2が形成される。このようにして第1,第2凹溝M1,M2が形成された接着剤層ADは、硬化手段66により硬化されて、第1,第2凹溝M1,M2が変形しにくい状態となる。なお、第1,第2凹溝M1,M2は、それぞれ接着シートSのいずれかの端縁まで連続し、端縁で開口している。
この後、接着シートSは、再仮着プレート8上に案内され、プーリ52の手前に達したところで、吸引チャンバ54による吸引力が働かなくなり、剥離シートRL上に順次受け渡され、第1,第2凹溝M1,M2が形成された接着シートSが剥離シートRLに再仮着され、第2原反R2が形成される。
【0024】
この後、第2原反R2は、駆動ローラ224およびピンチローラ225間を案内され、回収ローラ227にロール状に巻き取られる。
【0025】
また、以上のようなシート製造装置1において、直動モータ93により出力軸92を進退させることで、剥離板4と再仮着プレート8との距離を変更することができる。例えば、第1,第2転写体64,65を交換する場合、剥離板4と再仮着プレート8との距離を長くすれば、交換作業が容易になる。また、転写体の数や大きさ等に合わせて剥離板4と再仮着プレート8との距離を適切に調整できる。
【0026】
以上のような実施形態によれば、接着シートSを剥離シートRLから剥離する工程から、接着シートSを剥離シートRLに再仮着する工程まで搬送する間に、接着剤層ADに第1,第2凹溝M1,M2を形成するので、接着剤層ADの種類によらず微細な第1,第2凹溝M1,M2を確実に形成できるとともに、第1,第2凹溝M1,M2を有する接着シートSを効率よく製造できる。さらに、第1,第2凹溝M1,M2を形成した接着シートSを剥離シートRLに再仮着して第2原反R2とするので、既存の貼付装置を用いて被着体への貼付を行うことができる。
【0027】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0028】
前記実施形態では、第2剥離部材として第1剥離部材である剥離シートRLを再利用したが、第1,第2剥離部材を別々の部材で構成して、図3に示すようなシート製造装置1Aとしてもよい。
図3に示すシート製造装置1Aと図1に示すシート製造装置1との相違点は、繰出手段21および回収手段22の代わりに繰出手段21Aおよび回収手段22Aを設けた点と、迂回手段7を設けていない点である。
繰出手段21Aは、第1剥離部材としての第1剥離シートRL11に接着シートSが仮着された第1原反R11を支持する支持ローラ211と、ガイドローラ212と、駆動機器としての回転モータ213Aにより回転駆動し、剥離板4で接着シートSが剥離された第1剥離シートRL11を回収する回収ローラ214Aとを備えている。
回収手段22Aは、回収手段22に、第2剥離部材としての第2剥離シートRL22を支持する支持ローラ220Aを新たに設けた構成を有している。そして、駆動ローラ224の回転駆動により支持ローラ220Aから繰り出された第2剥離シートRL22が再仮着プレート8で折り返される際に、第1,第2凹溝M1,M2が形成された接着シートSが再仮着されることで、第2原反R22が形成される。
【0029】
また、前記実施形態では、接着シートSとして予めカットされたものを例示したが、カットされていない帯状のものを用いてもよく、回収ローラ227の前段で所定形状にカットされるような構成であってもよい。
さらに、第1,第2転写体64,65それぞれの内部にコイルヒータや赤外線ヒータ等の軟化手段を配置してもよい。
また、凹溝形成手段として、転写体を例示したが、レーザーを用いて凹溝を形成するようにしてもよい。
さらに、印刷手段3、軟化手段61、硬化手段66、接離手段9のうち少なくとも1つを設けなくてもよい。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0030】
1,1A…シート製造装置
4…剥離板(剥離手段)
5…搬送手段
6…凹溝形成手段
8…再仮着プレート(再仮着手段)
9…接離手段
10…シート成形手段
21,21A…繰出手段
S…接着シート
BS…基材シート
AD…接着剤層
R1,R11…第1原反
R2,R22…第2原反
RL…剥離シート(第1剥離部材、第2剥離部材)
RL11…第1剥離シート(第1剥離部材)
RL22…第2剥離シート(第2剥離部材)
M1,M2…第1,第2凹溝(凹溝)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートの接着剤層に凹溝を形成するシート製造装置であって、
前記接着シートが前記接着剤層を介して第1剥離部材上に仮着された第1原反を繰り出す繰出手段と、
前記繰り出された第1原反の接着シートを前記第1剥離部材から剥離する剥離手段と、
前記第1剥離部材から剥離された接着シートに凹溝を形成するシート成形手段と、
前記凹溝が形成された接着シートを第2剥離部材に再仮着して第2原反を形成する再仮着手段とを備え、
前記シート成形手段は、
前記剥離された接着シートを支持して前記再仮着手段まで搬送する搬送手段と、
前記搬送中の接着シートの接着剤層側から前記凹溝を形成する凹溝形成手段とを備えることを特徴とするシート製造装置。
【請求項2】
前記凹溝形成手段は、前記接着剤層に押圧されることで凹溝を形成する転写体を備え、
前記搬送手段は、前記接着シートを支持するとともに、前記転写体が前記接着剤層に押圧される際の押圧力を受け止める支持受圧手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のシート製造装置。
【請求項3】
前記剥離手段と前記再仮着手段とを離間接近可能とする接離手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート製造装置。
【請求項4】
前記凹溝形成手段は、前記接着剤層に押圧されることで異なる形状の凹溝を形成可能な複数の転写体を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のシート製造装置。
【請求項5】
基材シートの一方の面に接着剤層を有する接着シートの接着剤層に凹溝を形成するシート製造方法であって、
前記接着シートが前記接着剤層を介して第1剥離部材上に仮着された第1原反を繰り出す工程と、
前記繰り出された第1原反の接着シートを前記第1剥離部材から剥離する工程と、
前記第1剥離部材から剥離された接着シートに凹溝を形成するシート成形工程と、
前記凹溝が形成された接着シートを第2剥離部材に再仮着して第2原反を形成する再仮着工程とを備え、
前記シート成形工程は、
前記剥離された接着シートを支持して前記再仮着工程まで搬送する工程と、
前記搬送中の接着シートの接着剤層側から前記凹溝を形成する凹溝形成工程とを備えることを特徴とするシート製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−72237(P2012−72237A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217013(P2010−217013)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】