説明

シート

【課題】
マイクロカプセルを有する1つの機能シートにおいて、複数の機能を持たせることを目的とする。
【解決手段】
樹脂等による不織布、織布の布等、及びクラフト紙、ケント紙、上質紙、和紙、加工原紙などの通気性のあるシートに、異なる2種類以上の機能物質を有する組成物を印刷もしくはコーティング方法によってマイクロカプセル層を形成したシートにおいて、この異なる2種類以上の機能物質を有するマイクロカプセル形成部分を設け、気体、液体を遮断するポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリプロピレン、及び、それらのフィルム例えばポリ塩化ビニリデン等をコーティングしたフィルム、あるいは無機物質からなる金箔、銀箔、アルミ箔等等の材料を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロカプセル付きシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1種類の機能物質を有するマイクロカプセル形成部分を設けたシートに、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムから構成されているシートに対して、マイクロカプセル形成部分は気体の移行あるいは溶出を検知するために機能性内物質をインキ組成したマイクロカプセル部分をインジケーター付きシートとして包装材や包装体として使用していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら1つのマイクロカプセル付きシートにおいて、気体を遮断及び移行あるいは溶出することが可能であって、マイクロカプセルの皮膜物質が物理的破壊あるいは化学的破壊あるいはその両者の組み合わせの破壊外力の大きさ及び破壊外力の種類等の異なる破壊メカニズムより破壊できることあるいは破壊外力を防止することが可能である2種類以上のマイクロカプセルの機能物質を有するマイクロカプセル付きシートは存在していなかった。
【特許文献1】特開2008-296971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、2種類以上の機能物質のマイクロカプセル形成部分を有する1つのシートにおいて、物理的破壊あるいは化学的破壊あるいはその両者の組み合わせの異なる破壊メカニズムよりマイクロカプセルの皮膜物質が破壊外力の大きさと破壊外力の種類により破壊されることあるいは破壊外力を防止すること及び、マイクロカプセルの内物質の気体を遮断すること及び、移行あるいは溶出することが可能であるマイクロカプセル付きシートを提供することである。またさらに1つのシートにおいて表面と裏面で異なる機能を持ったマイクロカプセル付シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の課題を解決するために本発明者らは鋭意研究の結果以下の手段をとった。すなわち、シートに2種類以上の機能のマイクロカプセル形成部分を設けておき、この2種類以上のマイクロカプセルそれぞれのマイクロカプセルは異なった機能物質を内包し、それぞれの異なった機能のマイクロカプセル部は該シートの異なった部分に形成配置されており、それぞれのマイクロカプセル形成部分は気体を遮断するために気体遮断部分あるいは液体を遮断する液体遮断部分を設けそれぞれ異なった機能のマイクロカプセル部のたがいの気体または液体を遮断するようにすればよい。
【0006】
この2種類以上の異なった機能のマイクロカプセル形成部分はそれぞれシートの表面とシートの裏面に異なる機能を内包したマイクロカプセルを形成配置し、気体あるいは液体を遮断する気体遮断部分あるいは液体遮断部分はシートの表面と裏面を気体あるいは液体を遮断する目的でシートの表面と裏面の間の中心部に一様に形成された層とすればよい。そして該遮断部分からなる層により対向する表裏の気体または液体が遮断された2つの部分からなる面が形成され、片方の面に少なくとも1種類の機能のマイクロカプセル部分を設け、他の面に前述と異なる少なくとも1種類のマイクロカプセル部分を設けておけばよい。
【0007】
そして、それぞれのマイクロカプセル形成部分の気体あるいは液体を遮断する気体遮断部分あるいは液体遮断部分はポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリプロピレンから選ばれた少なくとも1つの材料により遮断部分からなる層を形成しておけばよい。
【0008】
及びこの遮断部分からなる層の上部に気体または液体が通る層を形成し、この気体または液体が通る層は樹脂等による不織布、織布の布等、及びクラフト紙、ケント紙、上質紙、和紙、加工原紙から選ばれた少なくとも1つの材料により気体または液体が通る層を形成しておけばよい。
【0009】
また、マイクロカプセルを有するシートにおいて、2種類以上の機能のマイクロカプセル形成部分を設け、前述の2種類以上のマイクロカプセルのそれぞれのマイクロカプセルは異なった機能物質を内包しておけばよい。
【0010】
この2種類以上の機能のマイクロカプセル形成部分に形成されるマイクロカプセルの皮膜物質は少なくとも2種類以上のそれぞれ異なる破壊メカニズムで破壊され、前述の異なる破壊メカニズムは物理的破壊あるいは化学的破壊あるいはその両者の組み合わせである。
【0011】
そして、この2種類以上の機能のマイクロカプセル形成部分に形成されるマイクロカプセルの皮膜物質はそれぞれ異なる物理的大きさで破壊され、及びこの皮膜物質の膜厚はそれぞれ異なっていることにより異なった物理的大きさで破壊され、マイクロカプセル形成部分の内物質の気体または液体は、遮断部分からなる層により移行あるいは溶出することを遮断され、他の面の気体または液体が通る層により移行あるいは溶出することが可能となる。
【0012】
また異なる機能のマイクロカプセルは片方の面に少なくとも1つは酸を配置し、他の異なる面の1つはアルカリを配置しておけばよい。そのシートは1枚のシートで酸洗浄及び酸除菌あるいはアルカリ洗浄及びアルカリ除菌が可能となる。
よって、気体または液体遮断部分からなる層を設けて異なる破壊メカニズムで破壊される皮膜厚の外殻を含有したマイクロカプセルを有するインキ組成物からなるこのマイクロカプセル形成部分を気体または液体が移行あるいは溶出できる気体または液体が通る層部分の少なくても一部に設けておけば可能となる。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたよう本発明によれば、1つのシートで2種類以上の異なる機能性物質のマイクロカプセル形成部分は異なる皮膜厚及び物理的破壊あるいは化学的破壊あるいはその両者の組み合わせによる異なる破壊メカニズムにより、内物質の気体を保護することあるいは皮膜物質を破壊することが可能となる。気体または液体が通る層部分及び気体または液体遮断部分からなる層部分を設けたことにより気体または液体を遮断することで1枚のシートで異なる内容物のマイクロカプセルを格納できることにより表面と裏面で異なった効果を出すことが可能となる。すなわち種類の異なった内容物のマイクロカプセルを有する1つのシートは必要に応じて好適に使用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態について図を参照にして詳しく説明する。
【実施例1】
【0015】
実施形態を図に基づいてさらに詳しく説明していく。図1は本発明の1例であり実施例1のシートの概要を示している断面図である。101が不通気性のある樹脂フィルムからなるポリプロピレンであり気体を遮断するための不通気層であって、102と102aが気体を移行あるいは溶出するための通気性のある上質紙からなる通気層で構成されている。通気性のある上質紙の面に104と104aが肉眼で見ることがきる図柄等の可視印刷層であって、その上部2層目に103と103aがそれぞれの図柄と同類の香料成分の臭気の内物質を有するインキ組成物からなる透明マイクロカプセル層であって、印刷もしくはコーティング方法による層である。105と105aが接着層であって、ポリプロピレンが層の中心部分になるようにその両面に上質紙の可視印刷層以外の面を積層したマイクロカプセル付きシート100である。
【0016】
実施例1に用いられる通気性のある上質紙に限られるものではない。例えば、樹脂等による不織布、織布の布等、及びクラフト紙、ケント紙、上質紙、和紙、加工原紙等から選ばれた少なくとも1つの材料を用いることができる。
【0017】
実施例1に用いられる不通気性のあるポリプロピレンに限られるものではない。例えば、透明性あるポリエチレンテレフタレートフィルムのポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリプロピレン、及び、それらのフィルム例えばポリ塩化ビニリデン等をコーティングしたフィルム、及び不透明性ある材料としては無機物質からなる金箔、銀箔、アルミ箔等から選ばれた少なくとも1つの材料を用いることができる。
【0018】
図4は図1に概要を示したシートの模式図である。100が本発明のシートであって、肉眼で見ることができる402がみかん図柄であって402aが林檎図柄の可視印刷層であってオフセット印刷により形成し、401と401aがそれぞれの図柄と同類の香料成分の臭気の内物質を有するインキ組成物からなる透明なマイクロカプセル層であって、それぞれの図柄の上面部分にシルク印刷によって形成し、書籍に形成したマイクロカプセル付きシートである。
【0019】
ここで、図2は図1に概要を示したマイクロカプセル層の一部拡大平面図である。本発明のマイクロカプセルを有するシートのマイクロカプセルは、図2に示すように、203が通気性のある上質紙の通気層の面であって201が香料成分によるみかん臭気と林檎臭気の気体であって、202がその上質紙の上面部分に付着させ及び気体を内包するゼラチン物質の透明皮膜の外殻であって、2種類のマイクロカプセルを通気性のある上質紙の上面部分に備えた。
【0020】
図3がマイクロカプセルの模式拡大図である。301がみかん臭気及び301aが林檎臭気であって2種類の香料成分による異なる内物質である。302と302aが膜厚2μmであって302bと302cが膜厚4μmであるゼラチン物質による異なる2種類の厚みの外殻であって、その外殻が爪等の引っ掻く外力による物理的破壊の大きさにより異なる破壊メカニズムが発生するように異なる2種類の厚み及び臭気を含有する内物質の気体でそれぞれのマイクロカプセルを形成した。
【0021】
実施例1ではマイクロカプセルの皮膜物質としてゼラチンを使用したが、これに限られるものではなくその他の尿素樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂等でもよい。
【0022】
及び、内物質としてみかん臭気、林檎臭気の果実系の香料成分を使用したがこれに限られるものではなく、例えば、コスモス、バラ、チューリップ等の草花系、カモミール、シナモン、ペパーミント等のハーブ系、杉、エゾ松、ティートゥリー等の常緑樹系、その他果実系のコーヒー、ココナツ等の香料成分が使用できる。
【0023】
また、香料成分によるみかん臭気内物質と林檎臭気内物質のインキ組成物からなるマイクロカプセル層を通気性のある上質紙の上面に形成する印刷もしくはコーティング方法としては、グラビア印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などが利用でき、またコーティング方法としては、ロールコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、ベタコーティング等が用いられ特に限定されるものではない。
【0024】
また、接着層1005の接着剤としては、ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、エポキシ系、ゴム系、ウレタン系等いずれも使用でき、グラビアコートやロールコート等接着層を形成することができ特に限定されるものではない。
【0025】
図4は図1に概要を示したシートの書籍の模式図であり、400が本発明のシートであって、肉眼で見ることができる403がみかん図柄と403aが林檎図柄の可視印刷層であってオフセット印刷により印刷し、402と402aがそれぞれの図柄と同類の香料成分の臭気の内物質を有するインキ組成物からなる透明なマイクロカプセル層であって、それぞれの図柄の上面部分にシルク印刷によって印刷し書籍に形成した。
【0026】
通気性のある上質紙の上面部分の少なくとも一部分に、シルク印刷で形成したマイクロカプセル層は、大きさや形状あるいは色は特に限定されるものではない。角形状のマーク、図柄等であってもよいし、文字、絵柄、写真等であってもよい。また、ここではマイクロカプセル層は図柄等の可視印刷層の上部に透明マイクロカプセル層として可視印刷層の上面に印刷しているが特に限定されるものではない。
【0027】
実施例1の本発明のシートの透明マイクロカプセルの外殻は直接的に爪等で引っ掻く破壊メカニズムの物理的破壊が発生するように形成されている。このように書籍を形成することによって製本時の状態、未開封の状態、あるいは開封状態にあっても、前述のマイクロカプセル皮膜厚形成部分によって香料成分の気体の移行あるいは溶出が防止される。このため、未使用の書籍から香料成分の気体が移行あるいは溶出してしまうということがない。また、この透明マイクロカプセルは直接的に爪等で引っ掻く破壊メカニズムで破壊されるように形成されているために、それぞれの図柄の上面部分を直接的に爪等で引っ掻く等の物理的外力を加えることにより外殻が破壊され、2種類以上の臭気の気体は通気層により表面部に移行し使用者は異なった2種類以上の臭気を異なった図柄よりそれぞれ得ることができる。
【0028】
よって、実施例1による図4のみかん図柄の可視印刷層403と林檎図柄の可視印刷層403aの図柄上部面を爪等で引っ掻く物理的外力を加えることにより透明マイクロカプセル402と402aの外殻の皮膜物質ゼラチンが物理的に破壊され、皮膜物質ゼラチンに内包されたそれぞれの気体は、不通気性のあるフィルムにポリプロピレンを使用したがこれに限られるものではなく、例えば透明性を有する材料としては樹脂フィルムが使用され、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、及び、それらのフィルム例えばポリ塩化ビニリデン等をコーティングしたフィルム、あるいは不透明性を有する材料としては無機物質の金箔、銀箔、アルミ箔等の不通気性のある材料を限定ものではなくすることはなく、以上の構造により異なる2種類以上の香料成分の気体は、この不通気性ある材料に遮蔽され裏面及び、次ぎのページに移行あるいは溶出することを遮断され、通気性のある上質紙の孔により移行あるいは溶出が可能になり上質紙の表面部で異なる2種類以上の気体を嗅ぎ分けることが可能となる。
【0029】
以上説明した構造にすれば、1つのシートで気体の通気あるいは不通気が可能であり、通気性のある材料に上質紙及び気体を遮断するために不通気性のある材料にポリプロピレンを書籍では使用したが、上質紙及びポリプロピレンの変わりとして他の材料を必要に応じて使用することで用途が広がるものである。本実施例においては気体を遮断する不通気性の材料を使用したがこれに限られるものではなく応用によって液体を遮断する不通液性の材料層でもよい。
【実施例2】
【0030】
また、他の実施形態を図に基づいてさらに詳しく説明していく。図5は本発明の1例であり実施例2のシートの概要を示している断面図である。図5に示すように、例えば501が不通気性のある樹脂フィルムからなるポリエチレンテレフタレート(PET)であり気体を遮断するための不通気層であって、502と502aが気体の移行あるいは溶出するための通気性のある不織布からなる通気層で構成されている。通気性のある不織布の面に504と504aが肉眼で見ることがきる図柄等の可視印刷層であって、その対向面に503が葡萄香料成分の臭気の内物質であり、503aが無臭の塩化カルシウムによる除湿成分の内物質であって、異なる2種類の内物質を有するインキ組成物からなる印刷もしくはコーティング方法によるマイクロカプセル層である。505と505aが接着層であって、ポリエチレンテレフタレート(PET)が層の中心部分になるようにその両面に不織布に印刷したそれぞれのマイクロカプセル層の面を積層したマイクロカプセル付きシート200である。
【0031】
実施例2に用いられる通気性のある不織布に限られるものではない。例えば、織布の布等、及び上質紙、和紙、加工原紙等から選ばれた少なくとも1つの材料を用いることができる。
【0032】
また、実施例2に用いられる不通気性のあるポリエチレンテレフタレート(PET)に限られるものではない。例えば透明性あるナイロン、ポリプロピレン、及び、それらのフィルムに例えばポリ塩化ビニリデン等をコーティングしたフィルム、不透明性を有する材料としては無機物質の金箔、銀箔、アルミ箔等から選ばれた少なくとも1つの材料を用いることができる。
【0033】
図6は図5に実施例2のシート200の概要を示している片方の面の平面図である。601は気体が移行あるいは溶出できる片方の通気層であって、表面の葡萄図柄の602が見ることができる可視印刷層であり、裏面部分の見ることができない網状の図柄603が葡萄臭気の香料成分による内物質のマイクロカプセル層である。
【0034】
及び、図7は図5に実施例2のシート200の概要を示している他の面の平面図である。701は気体が移行あるいは溶出できる他の面の通気層であって、表面の水滴図柄の702が見ることができる可視印刷層であり、裏面部分の見ることができない網状の図柄703が除湿成分の塩化カルシウムからなる内物質のマイクロカプセル層である。
【0035】
図8は図5に概要を示したシート200の模式図である。801が片方の面の通気層であって801aが他の面の通気層であり、802が肉眼で見ることがきる葡萄図柄の可視印刷層である。803が葡萄図柄と同類臭気の香料成分を有するインキ組成物からなるマイクロカプセル層であって、803aが除湿成分の塩化カルシウムを有するインキ組成物からなる内物質のマイクロカプセル層であってそれぞれシルク印刷により形成し、不通気性のあるポリエチレンテレフタレート(PET)が層の中心部分になるようにその上下部分に図6と図7で述べたそれぞれのマイクロカプセル層面を積層したシートを対角線状に折った不切正方形折紙のマイクロカプセル付シートである。
【0036】
図9は図5に実施例2のシート200の概要を示している不切正方形折紙の完成斜視図である。901が表側に出現する面の通気層であり、902が葡萄図柄の可視印刷層であり、903が見ることができない葡萄香料成分及び塩化カルシウムを含有する内物質のマイクロカプセル層であってマイクロカプセル付シートを鶴形状に形成した。
【0037】
ここで、実施例1の図を援用して図2は実施例2の概要を示したシートのマイクロカプセル層の一部拡大平面図である。本発明のシートのマイクロカプセルは、図2に示すように、203が通気性のある不織布の面であって201が香料成分による葡萄臭気と塩化カルシウムによる除湿成分の気体であって、202が通気性のある不織布の上面部分に付着させ及び気体を内包するゼラチンの皮膜の外殻であって、マイクロカプセルを通気性のある不織布にそれぞれ備えた。
【0038】
さらに、実施例1の図を援用して図3が実施例2のシートの概要を示したマイクロカプセルの模式拡大図である。異なる2種類の成分の301が香料成分による葡萄臭気及び301aが塩化カルシウムによる除湿成分の内物質であり、皮膜厚2μmが302と302aで302bと302cが4μmであるゼラチンによる異なる厚みの外殻である。外殻が異なる破壊メカニズムで破壊されるように例えば、折り畳む外力等による物理的破壊及び、例えば水分や湿気等による化学的破壊の異なる破壊メカニズムが発生するように2種類の異なる成分による内物質でマイクロカプセルを形成した。
【0039】
実施例2ではマイクロカプセルの皮膜物質としてゼラチンを使用したが、これに限られるものではなくその他の尿素樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂等でもよい。
【0040】
機能性内物質として葡萄臭気の香料成分、塩化カルシウムを除湿成分として使用したがこれに限られるものではなく、例えば香料成分としてコスモス、バラ、チューリップ等の草花系、カモミール、シナモン、ペパーミント等のハーブ系、杉、エゾ松、ティートゥリー等の常緑樹系、その他果実系のみかん、バナナ、コーヒー、ココナツ等、除湿成分として二酸化ケイ素、酸化カルシウム等が使用できる。
【0041】
また、葡萄臭気の香料成分及び塩化カルシウムによる除湿成分の内物質のインキ組成物からなるマイクロカプセル層を通気性のある不織布の面に形成する印刷もしくはコーティング方法としては、グラビア印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などが利用でき、またコーティング方法としては、ロールコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、ベタコーティング等が用いられ特に限定されるものではない。
【0042】
また、接着層505、505aの接着剤としては、ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、エポキシ系、ゴム系、ウレタン系等いずれも使用でき、グラビアコートやロールコート等接着層を形成することができ特に限定されるものではない。
【0043】
図6は図5に実施例2のシート200の概要を示している片方の面の平面図であり、601は気体が移行あるいは溶出できる片方の面の通気層であって、表面の葡萄図柄の602が見ることができる可視印刷層であり、裏面部分の見ることができない網状の図柄603が香料成分による葡萄臭気の内物質のマイクロカプセル層をシルク印刷により形成した。
【0044】
さらに、図7は図5に実施例2のシート200の概要を示している他の面の平面図であり、701は気体が移行あるいは溶出できる他の面の通気層であって、表面の水滴図柄の702が見ることができる可視印刷層であり、裏面部分の見ることができない網状の図柄703が除湿成分の塩化カルシウムからなる内物質のマイクロカプセル層をシルク印刷により形成した。
【0045】
図8は図5に概要を示したシート200の不切正方形折紙の模式図であり、801が片方の面の通気層であって801aが他の面の通気層であり、802が肉眼で見ることがきる葡萄図柄の可視印刷層である。803が葡萄図柄と同類臭気の香料成分を有するインキ組成物からなるマイクロカプセル層であって、803aが除湿成分の塩化カルシウムを有するインキ組成物からなる内物質のマイクロカプセル層であってそれぞれシルク印刷により形成し、不通気性のあるポリエチレンテレフタレート(PET)が層の中心部分になるようにその上下部分に図6と図7で述べたそれぞれのマイクロカプセル層面を積層した不切正方形折紙を対角線状に折ったマイクロカプセル付シートである。
【0046】
図9は図5に実施例2のシート200の概要を示している不切正方形折紙を折り進めた鶴形状の斜視図であり、901が表側に出現する面の通気性層であって、902が葡萄図柄の可視印刷層であって、903が見ることができない葡萄香料及び塩化カルシウム成分の内物質のマイクロカプセル層であるマイクロカプセル付き不切正方形折紙を折り進めた折鶴の完成形状である。
【0047】
この通気性のある不織布の面部分の少なくとも一部分に、シルク印刷で形成したマイクロカプセル層は、大きさや形状あるいは色は特に限定されるものではない。角形状のマーク、図柄等であってもよいし、文字、絵柄、写真等であってもよい。また、ここではマイクロカプセル層は図柄による可視印刷層の対向面に印刷しているが特に限定されるものではない。
【0048】
実施例2の本発明のマイクロカプセルを有するシートは折り畳む等の物理的外力、及び水分や湿気等の化学的外力を受ける破壊メカニズムにより破壊されるように形成されている。このように不切正方形折紙を形成することによって未開封の状態、あるいは開封状態にあっても、前述のマイクロカプセル皮膜厚形成部分によって内物質成分の気体の移行あるいは溶出が防止される。このため、未使用の不切正方形折紙から臭気成分が移行あるいは溶出してしまうということがない。また、それぞれの図柄の上面部分に直接的に爪等で引っ掻く等の物理的外力を加えてもこのマイクロカプセルは折り畳む等の物理的外力及び、水分や湿気等の化学的外力を受ける破壊メカニズムで破壊する構成のために反応せず、折り畳む破壊メカニズムにより外殻が破壊され内包されていた2種類の成分の気体は通気性のある不織布の表部分に移行し使用者は異なった2種類の機能を得ることができる。
【0049】
よって、実施例2による図8は図5に概要を示した不切正方形折紙シート200の葡萄図柄の可視印刷層802を対角線状に折り畳む物理的外力を加えることによりマイクロカプセル層803と803aの外殻の皮膜部質ゼラチンが物理的に破壊され、皮膜部質ゼラチンに内包されたそれぞれの気体は、不通気性のあるフィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)を使用したがこれに限られるものではなく、例えば透明性を有する材料としては樹脂フィルムが使用され、例えばナイロン、ポリプロピレン、及び、それらのフィルム例えばポリ塩化ビニリデン等をコーティングしたフィルム、あるいは不透明性を有する材料としては無機物質の金箔、銀箔、アルミ箔等の不通気性のある材料を限定ものではなくすることはなく、以上の構造により不通気性ある材料に遮蔽され裏面部分に移行あるいは溶出することがなく異なる2種類以上の成分の気体は、通気性のある不織布の通気層の孔により移行し不切正方形折紙の葡萄香料成分の内物質の気体はシートを折り進める度に臭気の気体は通気性のある不織布の表部分に移行し、通気性のある不織布の表面部分で葡萄臭気を嗅ぐことが可能となる。また、裏面部分を構成している他の内物質の塩化カルシウム成分の気体は無臭のために嗅ぐことができない。完成した折鶴を狭い密閉箇所に設置及び吊るすことにより、水分や湿気等の水溶性の化学的破壊メカニズムに反応し除湿が可能となる。
【0050】
以上説明した構造にすれば、1つのシートで気体の通気あるいは不通気が可能であり、通気性のある材料に不織布及び気体を遮断するために不通気性のある材料にポリエチレンテレフタレート(PET)を不切正方形折紙では使用したが、不織布及びポリエチレンテレフタレート(PET)の変わりとして他の材料を必要に応じて使用することで用途が広がるものである。
【実施例3】
【0051】
次に、さらに別の1つのシートで酸洗浄とアルカリ洗浄あるいは酸除菌とアルカリ除菌の両方が可能なシートについて実施形態を図に基づいてさらに詳しく説明していく。図10および図11は本発明の1例であり実施例3のシートの概要を示している断面図である。図10はシートの断面でありマイクロカプセルが溶出する前、図11はマイクロカプセルから溶出している様子である。1001が不通気性、不通液性のある樹脂フィルムからなるポリエチレンテレフタレート(PET)であり気体、液体を遮断するための不通気、不通水液層であって、1002が気体、液体を移行あるいは溶出するための通気性、通液性のある不織布からなる通気層、通液層で構成されている。通気性、通液性のある不織布の上部の1004が肉眼で見ることがきる図柄等の可視印刷層であって、その上面2層目の1003及び下部の1003aがマイクロカプセル層であって、異なる種類の内物質を有するインキ組成物からなる印刷もしくはコーティング方法による層である。1005が接着層であって、ポリエチレンテレフタレート(PET)の片側に不織布の可視印刷層以外の面を積層したマイクロカプセル付きシート300である。
【0052】
実施例3に用いられる通気性、通液性のある不織布に限られるものではない。例えば、織布の布等、及び上質紙、和紙、加工原紙等から選ばれた少なくとも1つの材料を用いることができる。
【0053】
また、実施例3に用いられる透明性を有する不通気性、不通液性のあるポリエチレンテレフタレート(PET)に限られるものではない。例えば、ナイロン、ポリプロピレン、及び、それらのフィルムに例えばポリ塩化ビニリデン等をコーティングしたフィルム、不透明性を有する材料としては無機物質の金箔、銀箔、アルミ箔等から選ばれた少なくとも1つの材料を用いることができる。
【0054】
図10に示すように、1001が不通気性のある樹脂フィルムからなるポリエチレンテレフタレート(PET)であり気体、液体を遮断するための不通気層、不通液層であって、1002が気体、液体を移行あるいは溶出するための通気性、通液性のある不織布からなる通気層、通液層で構成されている。通気性、通液性のある不織布の上部に1004が肉眼で見ることがきる図柄等のシルク印刷による可視印刷層であって、その上部2層目の1003及び、その下部の1003aがマイクロカプセル層であって、1003の層にマイクロカプセルの皮膜厚5μmの1006が酸洗浄剤、1006aがアルカリ洗浄剤を配置しておく。
【0055】
こういった構造にすることによって1枚のシートで酸洗浄、アルカリ洗浄が可能となる。図11はその様子を示した図であり、水滴1108により1106のマイクロカプセルの外殻が溶けて酸洗浄剤が溶出する。そしてこのシートの上面では酸洗浄が可能となる1106bには同様な形でアルカリ洗浄剤が入っており下面ではアルカリ洗浄が可能となる。ここでは酸洗浄剤、アルカリ洗浄剤が入っていたがこれに限られるものではなくそれぞれ酸除菌剤、アルカリ除菌剤を配置しておいてもよい。1枚のシートで酸除菌、アルカリ除菌が可能となる。さらに酸洗浄剤に酸除菌効果、アルカリ洗浄剤にアルカリ除菌効果のあるものを使用することによって同時に洗浄、除菌が可能となる。
【実施例4】
【0056】
また、さらに別の実施形態を図に基づいてさらに詳しく説明していく。図12は本発明の1例であり実施例3のシートの概要を示している断面図である。例えば、1201が不通気性のある樹脂フィルムからなるポリエチレンテレフタレート(PET)であり気体を遮断するための不通気層であって、1202が気体を移行あるいは溶出するための通気性のある不織布からなる通気層で構成されている。通気性のある不織布の上部の1204が肉眼で見ることがきる図柄等の可視印刷層であって、その上面2層目の1203a及び下部の1203がマイクロカプセル層であって、異なる種類の内物質を有するインキ組成物からなる印刷もしくはコーティング方法による層である。1205が接着層であって、ポリエチレンテレフタレート(PET)の片側に不織布の可視印刷層以外の面を積層したマイクロカプセル付きシート400である。
【0057】
実施例4に用いられる通気性のある不織布に限られるものではない。例えば、織布の布等、及び上質紙、和紙、加工原紙等から選ばれた少なくとも1つの材料を用いることができる。
【0058】
また、実施例4に用いられる透明性を有する不通気性のあるポリエチレンテレフタレート(PET)に限られるものではない。例えば、ナイロン、ポリプロピレン、及び、それらのフィルムに例えばポリ塩化ビニリデン等をコーティングしたフィルム、不透明性を有する材料としては無機物質の金箔、銀箔、アルミ箔等から選ばれた少なくとも1つの材料を用いることができる。
【0059】
図13は図12にシートの概要を示した実施例4の一部拡大模式断面図である。
図13に示すように、1301が不通気性のある樹脂フィルムからなるポリエチレンテレフタレート(PET)であり気体を遮断するための不通気層であって、1302が気体を移行あるいは溶出するための通気性のある不織布からなる通気層で構成されている。通気性のある不織布の上部に1304が肉眼で見ることがきる図柄等のシルク印刷による可視印刷層であって、その上部2層目の1303及び、その下部の1303aがマイクロカプセル層であって、1303の層にマイクロカプセルの皮膜厚5μmの1306がシナモン、1306aがペパーミントの2種類の香料成分の内物質であって、皮膜厚15μmの1306cがアンモニア消臭成分の硫酸カリウムアルミニウムであり、及び1103aの層に皮膜厚5μmの1106bがアンモニア消臭成分の硫酸カリウムアルミニウムであって、皮膜厚15μmの1306dがシナモン、1306eがペパーミントの2種類の香料成分の内物質であり、異なる2種類の厚みの外殻及び異なる3種類の成分による内物質を有するインキ組成物からなるそれぞれシルク印刷による層である。1305が接着層であって、ポリエチレンテレフタレート(PET)の片側に不織布の可視印刷層以外の面を積層したマイクロカプセル付きシート400を便座シートに形成した。
【0060】
図14は図12にシート400の概要を示した実施例4の模式断面図である。図14に示すように、例えば1408が体重30kg以下の人体であって、上部の1402が通気性のある不織布であって、その両面に例えば膜厚15μmが1406c、1406d、1406eであって体重60kg以上で破壊が発生する、及び膜厚5μmが1406、1406a、1406bであって体重30kg以下で破壊が発生する2種類の厚みによる外殻の破壊メカニズムでそれぞれ3種類の成分のマイクロカプセルであり、そのマイクロカプセルを有する1403、1403aがマイクロカプセル層であって、1404が図柄等の可視印刷層でありそれぞれシルク印刷より形成し、1401が不通気性のある材料のポリエチレンテレフタレート(PET)であり、その上部に接着層1405よって積層したシートに座した人体の体重差によるマイクロカプセルの破壊メカニズムである。破壊された3種類のマイクロカプセルより発生した1407がシナモン臭気成分であり、1407aがペパーミント臭気成分であり、1407bが硫酸カリウムアルミニウムの消臭成分であってそれぞれの機能を有する内物質の気体である。気体移行は最下部の不通気性のある材料のポリエチレンテレフタレート(PET)が遮断し、上部の通気性のある不織布が気体移行を可能とし及び1407cが排泄時に発生するアンモニア成分の気体であり硫酸カリウムアルミニウムがアンモニアの気体を吸着したマイクロカプセル付き便座シートの実施の様子である。
【0061】
ここで、実施例1の図を援用して図2は実施例4の概要を示したシート400のマイクロカプセル層の一部拡大平面図である。本発明のシートのマイクロカプセルは、図2に示すように、203が通気性のある不織布の面であって201が香料成分によるシナモン臭気とペパーミント臭気、及び消臭成分の硫酸カリウムアルミニウムの3種類の内物質の気体であって、202が通気性のある不織布の上面部分に付着させ及び気体を内包するゼラチンの皮膜の外殻であって、マイクロカプセルを通気性のある不織布の両面にそれぞれ備えた。
【0062】
さらに、実施例1の図を援用して図3が実施例4のシート400の概要を示したマイクロカプセルの模式拡大図である。301、301aがシナモン臭気とペパーミント臭気の香料成分及び、消臭成分の硫酸カリウムアルミニウムの3種類の内物質であって、膜厚が5μmの302と302aであって302bと302cが15μmであるゼラチンによる異なる2種類の厚みの外殻である。外殻が異なる破壊メカニズムで破壊されるように例えば、体重30kg以下と60kg以上による体重差で物理的破壊が発生するように異なる2種類の厚みの外殻及び異なる3種類の成分によるマイクロカプセルを形成した。
【0063】
実施例4ではマイクロカプセルの皮膜物質としてゼラチンを使用したが、これに限られるものではなくその他の尿素樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂等でもよい。
【0064】
及び、機能性内物質としてシナモン香料成分、ペパーミント香料成分のハーブ系を使用したがこれに限られるものではなく、例えば、コスモス、バラ、チューリップ等の草花系、カモミール等のハーブ系、杉、エゾ松、ティートゥリー等の常緑樹系、その他果実系等が使用でき、機能性消臭物質として硫酸カリウムアルミニウムを使用したがこれに限られるものではなく、例えば、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン等が使用できる。
【0065】
また、機能性内物質のシナモン香料成分、ペパーミント香料成分及び機能性消臭物質の硫酸カリウムアルミニウムの内物質等を有するインキ組成物からなるマイクロカプセル層を通気性のある不織布の表裏面に形成する印刷もしくはコーティング方法として、グラビア印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などが利用でき、またコーティング方法としては、ロールコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、ベタコーティング等が用いられ特に限定されるものではない。
【0066】
また、接着層1405の接着剤としては、ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、エポキシ系、ゴム系、ウレタン系等いずれも使用でき、グラビアコートやロールコート等接着層を形成することができ特に限定されるものではない。
【0067】
図13はシート図12に概要を示した実施例4の便座シート400の一部拡大模式断面図であり、図13に示すように、1301が不通気性のある樹脂フィルムからなるポリエチレンテレフタレート(PET)であり気体を遮断するための不通気層であって、1302が気体を移行あるいは溶出するための通気性のある不織布からなる通気層で構成されている。通気性のある不織布の上部に1304が肉眼で見ることがきる。
【0068】
図柄等のシルク印刷による可視印刷層であって、その上部2層目の1303及び、その下部の1303aがマイクロカプセル層であって、1303の層にマイクロカプセルの皮膜厚5μmの1306がシナモン、1306aがペパーミントの2種類の香料成分の内物質であって、皮膜厚15μmの1306cがアンモニア消臭成分の硫酸カリウムアルミニウムであり、及び1303aの層に皮膜厚5μmの1306bがアンモニア消臭成分の硫酸カリウムアルミニウムであって、皮膜厚15μmの1306dがシナモン、1306eがペパーミントの2種類の香料成分の内物質であり、異なる2種類の厚みの外殻及び異なる3種類の成分による内物質を有するインキ組成物からなるシルク印刷により形成し、1305が接着層であって、ポリエチレンテレフタレート(PET)の片側に不織布の可視印刷層以外の面を積層したマイクロカプセル付きシート400を便座シートに形成した。
【0069】
この通気性のある不織布の両面部分の少なくとも一部分に、シルク印刷で形成したマイクロカプセル層は、大きさや形状は特に限定されるものではない。角形状のマーク、図柄等であってもよいし、文字、写真、絵柄などであってもよい。また、ここではマイクロカプセル層は不織布の両面に印刷しているが特に限定されるものではない。
【0070】
実施例4の本発明のシートのマイクロカプセルは体重差による重量による物理的破壊メカニズムを受けることで破壊が発生するように形成されている。このように便座シートを形成することによって開封の状態、あるいは未使用状態にあっても、前述のマイクロカプセル皮膜厚構成部分によってそれぞれの物質成分の気体移行あるいは溶出が防止される。このため、未使用の便座シートからそれぞれの物質成分の気体移行あるいは溶出してしまうということがない。また、このマイクロカプセルは直接的に重量等の体重差による破壊メカニズムで破壊が発生するように構成されているために、図柄等の上面部分に直接的に座る人の体重の重量等の物理的外力を加えることにより外殻が破壊され内包した3種類の内物質成分の気体は通気性のある不織布の孔により気体が表面部分に移行し使用者は異なった2種類の臭気及びアンモニア消臭機能を得ることができる。
【0071】
よって、実施例4による図14の本発明のシートに体重差のある人が座る重量による物理的外力を加えることによる破壊メカニズムでマイクロカプセル外殻の皮膜部質ゼラチンが破壊され、皮膜物質ゼラチンに内包されたそれぞれの気体は、不通気性のあるフィルムにポリエチレンテレフタレート(PET)を使用したがこれに限られるものではなく、例えば透明性を有する材料としては樹脂フィルムが使用され、例えば、ナイロン、ポリプロピレン、及び、それらのフィルム例えばポリ塩化ビニリデン等をコーティングしたフィルム、あるいは不透明性を有する材料としては無機物質の金箔、銀箔、アルミ箔等の不通気性のある材料を限定ものではなくすることはなく、以上の構造によりそれぞれに内包された機能性内物質の気体は不通気性ある面に遮蔽され裏面及び下部に移行あるいは溶出することがなく異なる3種類の機能性内物質の気体は、通気性のある不織布の孔により上面部に移行あるいは溶出ができ体重差に関係なく使用者は異なる2種類の臭気及びアンモニアの消臭機能を得ることが可能となる。
【0072】
本実施例では図14の1401のように不通気層を形成しているが、これは便座部分にしみ込むことを防ぐためである。用途に応じてこの不通気層を用いればよく不通気層がなくてもよい。
【0073】
以上説明した構造にすれば、1つのシートで気体の通気あるいは不通気が可能であり、通気性のある材料に不織布及び気体を遮断するために不通気性のある材料にポリエチレンテレフタレート(PET)を便座シートでは使用したが、不織布及びポリエチレンテレフタレート(PET)の変わりとして他の材料を必要に応じて使用することで用途が広がるものである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】両面マイクロカプセル層を持つ本発明のシート(実施例1)
【図2】マイクロカプセルの詳細(実施例1)
【図3】マイクロカプセル組成の詳細(実施例1)
【図4】マイクロカプセル層を書籍に印刷した様子(実施例1)
【図5】内面マイクロカプセル層を持つ本発明のシート(実施例2)
【図6】片方の面のマイクロカプセル層の詳細(実施例2)
【図7】他の面のマイクロカプセル層の詳細(実施例2)
【図8】折り畳んだマイクロカプセル層の様子(実施例2)
【図9】形成体のマイクロカプセルの詳細(実施例2)
【図10】反機能マイクロカプセル層を持つ本発明のシート(実施例3)
【図11】マイクロカプセル内物質の様子(実施例3)
【図12】内外面マイクロカプセル層を持つ本発明のシート(実施例4)
【図13】マイクロカプセル組成の詳細(実施例4)
【図14】マイクロカプセル内物質の様子(実施例4)
【符号の説明】
【0075】
100、200、300・・・・・・・・・・・・・・本発明のシート
101、501、1001、1101、1201、1301・・・不通気、通液層
102、203、502、502a、601、701、801、801a、901、1002、1102、1202、1302・・・・・・・・・通気、通液層
103、401、401a、503、503a、603、703、803、803a、903、1003、1003a、1103、1103a、1203、1203a、1303、1303a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マイクロカプセル層
104、402、402a、403、403a、504、504a、602、702、802、902、1004、1104、1204、1304、1304a・・・・可視印刷層
105、505、505a、1005、1105、1205、1305、1305a・・・接着層
201、301、301a、1207、1207a、1207b、1207c、1307、1308・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・気体、液体
202、302、302a、302b、302c、・・・外殻
1106、1106a、1106b、1106c、1106d、1106e、1206、1206a、1206b、1206c、1206d、1206e、1306、1306a、1306c・・・マイクロカプセル
1208・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに2種類以上の機能のマイクロカプセル形成部分を有し、前記2種類以上のマイクロカプセルそれぞれのマイクロカプセルは異なった機能物質を内包し、それぞれの異なった機能のマイクロカプセル部は該シートの異なった部分に形成配置されそれぞれのマイクロカプセル形成部分は気体を遮断するために気体遮断部分あるいは液体を遮断する液体遮断部分を設け前記それぞれ異なった機能のマイクロカプセル部のたがいの気体または液体が遮断されることを特徴とするシート
【請求項2】
前記2種類以上の異なった機能のマイクロカプセル形成部分はそれぞれシートの表面とシートの裏面に異なる機能を内包したマイクロカプセルを形成配置し、前記気体あるいは液体を遮断する気体遮断部分あるいは液体遮断部分はシートの表面と裏面を気体あるいは液体を遮断する目的でシートの表面と裏面の間の中心部に一様に形成された層であり、該遮断部分からなる層により対向する表裏の気体または液体が遮断された2つの部分からなる面が形成され、片方の面に少なくとも1種類の機能のマイクロカプセル部分を有し、他の面に前記と異なる少なくとも1種類のマイクロカプセル部分を有したことを特徴とする特許請求範囲第1項記載のシート
【請求項3】
前記遮断部分はポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリプロピレンから選ばれた少なくとも1つの材料であることを特徴とする特許請求範囲第1項記載のシート
【請求項4】
前記遮断部分からなる層の上部に気体または液体が通る層を形成したことを特徴とする特許請求範囲第2項記載のシート
【請求項5】
前記気体または液体が通る層は樹脂等による不織布、織布の布等、及びクラフト紙、ケント紙、上質紙、和紙、加工原紙から選ばれた少なくとも1つの材料であることを特徴とする特許請求範囲第4項記載のシート
【請求項6】
シートに2種類以上の機能のマイクロカプセル形成部分を有し、前記2種類以上のマイクロカプセルのそれぞれのマイクロカプセルは異なった機能物質を内包していることを特徴とするシート
【請求項7】
前記2種類以上の機能のマイクロカプセル形成部分に形成されるマイクロカプセルの皮膜物質は少なくとも2種類以上のそれぞれ異なる破壊メカニズムで破壊されることを特徴とする特許請求範囲第1項、あるいは第6項記載のシート
【請求項8】
前記異なる破壊メカニズムは物理的破壊あるいは化学的破壊あるいはその両者の組み合わせであることを特徴とする特許請求範囲第7項記載のシート
【請求項9】
前記2種類以上の機能のマイクロカプセル形成部分に形成されるマイクロカプセルの皮膜物質の膜厚はそれぞれ異なる物理的大きさで破壊されることを特徴とする特許請求範囲第1項、あるいは第6項記載のシート
【請求項10】
前記皮膜物質の膜厚はそれぞれ異なっていることにより異なった物理的大きさで破壊されることを特徴とする特許請求範囲第9項記載のシート
【請求項11】
前記異なる機能のマイクロカプセルは少なくとも1つは酸を内包し、異なる1つはアルカリを内包していることを特徴とする特許請求範囲第2項記載のシート
【請求項12】
前記シートは1枚のシートで酸洗浄とアルカリ洗浄が可能なことを特徴とする特許請求範囲第11項記載のシート
【請求項13】
前記シートは1枚のシートで酸除菌とアルカリ除菌が可能なことを特徴とする特許請求範囲第11項記載のシート

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−83902(P2011−83902A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−236050(P2009−236050)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【出願人】(392019433)
【出願人】(509284163)
【Fターム(参考)】