説明

シーリングファン

【課題】照明器具がシーリングファンに設置されていない状態で照明器具の点灯操作をされることによる無駄な電力を消費しないようにするシーリングファンを提供することを目的とする。
【解決手段】照明駆動手段110の動作状態と照度センサー1の明るさとからマイクロコンピュータ2により照明器具108の接続状態を判定し、照明器具108が接続されていない場合には照明駆動手段110をOFFすることで、照明駆動手段110を駆動したときに消費する無駄な電力が削減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭や事務所等で使用されるシーリングファンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷暖房機と併用して使用されるシーリングファンは、天井から涼風を供給するとともに、冷房時に床面に偏っている冷気を拡散させ、室内の温度を均一化させる機能が快適で健康にもよく、かつ、冷房機器を省エネ運転できる経済効果から普及が広がりつつある。
【0003】
従来、この種のシーリングファンの一例として照明器具がシーリングファン本体下部に取り付け可能な天井扇風機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、そのシーリングファンについて図10を参照しながら説明する。
【0005】
図10に示すように、中心をシャフト101で軸支される外転型のモータ102と、このモータの回転子103に固定される羽根104と、前記モータ102の固定子105の下面に固定される照明器具固定板106と、この照明器具固定板106に収納される制御装置107と、前記照明器具固定板106に取り付けられた照明器具108で構成されている。
【0006】
図11は回路ブロック図で、前記制御装置107はマイクロコンピュータ109と照明駆動手段110としてのリレー111とこのリレー111を駆動するトランジスタ112で構成され、電源は、シーリングファンが設置されている付近の壁に取り付けられた壁スイッチ113を介して供給されている。
【0007】
上記構成において、シーリングファンの運転時には、リモコン(図示せず)からの信号を前記制御装置107が受信し、風速設定指示信号に従って規定された回転数になるようにモータ102に通電し、羽根104が回転して室内全体に送風が行なわれる。照明も同様にリモコンからの点灯/消灯指示信号に従って制御装置107が照明駆動手段110を介して照明器具108の通電制御をしている。
【0008】
また、照明を夜間に点灯させる場合は、暗やみの中でリモコンを捜し出してから操作する手間を省くために、壁スイッチ113がONされた時には、マイクロコンピュータ109は照明駆動手段110のトランジスタ112に通電し、リレー111の接点を閉じることにより照明を点灯している。つまり、シーリングファンに電源が投入されたときには、照明駆動手段110のトランジスタ112に通電がされ、リレー111の接点が閉じる構成となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−10881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような従来のシーリングファンでは、使用者の要望により選択して照明器具を取り付けるものであった。そこで、シーリングファンは、照明を取り付けた場合と取り付けない場合と両方に対応できるように予め照明駆動手段を備えておくものであった。
【0011】
そのため、照明器具がシーリングファンに設置されていないときにも照明駆動回路が駆動され、無駄な電力が消費されてしまうといった課題を有していた。
【0012】
そこで、本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、照明器具がシーリングファンに設置されていない時には、無駄な電力を消費しないようにしたシーリングファンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そして、この目的を達成するために、モータと、このモータの回転子に固定される羽根と、前記モータの固定子の下面に配置され照明器具が取り付け可能な照明器具固定板と、前記モータと前記照明器具固定板に固定された照明を制御する制御装置とを備えたシーリングファンにおいて、前記制御装置は、前記照明器具の通電状態をON/OFFさせる照明駆動手段と、室内の明るさを検出する照度検出手段と、前記照明駆動手段の動作状態と前記照度検出手段の明るさとから照明器具の接続状態を判定する照明器接続判定手段とを備え、前記照明駆動手段をONしたときに、前記照明器接続判定手段が前記照度検出手段の検知した明るさが所定の明るさよりも暗い場合には照明が接続されていないと判断し、前記制御装置は、前記照明器接続判定手段の判断を受けて照明駆動手段をOFFさせる構成としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【0014】
また、本発明のシーリングファンは、リモコンからの信号でモータと照明を制御できるが、照明器接続判定手段により照明が接続されていないと判断した場合には照明を制御する信号には反応しない構成にした。
【0015】
また、本発明のシーリングファンは、モータと照明を制御するためのリモコンと、制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、照明器接続判定手段により照明が接続されていないと判断した場合には照明を制御する信号には反応しない構成にした。
【0016】
また、本発明のシーリングファンは、制御装置は照度検出手段の電源を入り切りする照度検出駆動手段を備え、照明器接続判定手段により照明が接続されていないと判断した場合には、照度検出駆動手段により、照度検出手段の電源を切る構成にした。
【0017】
また、本発明のシーリングファンは、制御装置は照明器接続判定手段により判定された結果を記憶する不揮発性メモリを備え、電源ON時にこの不揮発性メモリの記憶内容に基づいて照明駆動手段のON/OFFを行う構成にした。
【0018】
また、本発明のシーリングファンは、制御装置は照度検出手段の電源を入り切りする照度検出駆動手段を備え、電源ON時に前記不揮発性メモリの記憶内容が照明接続なしの時には、前記照度検出手段の電源を入れない構成にした。
【0019】
また、本発明のシーリングファンは、モータと照明を制御するためのリモコンと、制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、不揮発性メモリの記憶内容が照明接続なしの時には、リモコンからの照明を制御する信号には反応しない構成にした。
【0020】
また、本発明のシーリングファンは、制御装置は電源遮断時間計測手段を有し、電源が切られた後、規定された時間の中で再度電源が入れられた時には、前記不揮発性メモリの記憶内容を消去する構成にした。
【0021】
また、本発明のシーリングファンは、モータと照明を制御するためのリモコンと、前記制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、このリモコンに照明設定解除スイッチを設け、このスイッチが押された時に送信される信号を受信した時には、前記不揮発性メモリの内容を消去する構成にした。
【0022】
また、本発明のシーリングファンは、モータと照明を制御するためのリモコンと、制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、このリモコンの複数のスイッチを同時に押した時に照明設定解除の信号が送信され、この信号を受信した時には、前記不揮発性メモリの内容を消去する構成にした。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、モータと、このモータの回転子に固定される羽根と、前記モータの固定子の下面に配置され照明器具が取り付け可能な照明器具固定板と、前記モータと前記照明器具固定板に固定された照明を制御する制御装置とを備えたシーリングファンにおいて、前記制御装置は、前記照明器具の通電状態をON/OFFさせる照明駆動手段と、室内の明るさを検出する照度検出手段と、前記照明駆動手段の動作状態と前記照度検出手段の明るさとから照明器具の接続状態を判定する照明器接続判定手段とを備え、前記照明駆動手段をONしたときに、前記照明器接続判定手段が前記照度検出手段の検知した明るさが所定の明るさよりも暗い場合には照明が接続されていないと判断し、前記制御装置は、前記照明器接続判定手段の判断を受けて照明駆動手段をOFFさせる構成としたことにより、照明器具がシーリングファンに設置されていない時には、無駄な電力を消費することがない効果のあるシーリングファンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1のシーリングファンの構造図
【図2】同回路ブロック図
【図3】本発明の実施の形態2のシーリングファンの構造図
【図4】同回路ブロック図
【図5】本発明の実施の形態3の回路ブロック図
【図6】本発明の実施の形態4の回路ブロック図
【図7】本発明の実施の形態5の回路ブロック図
【図8】本発明の実施の形態6の回路ブロック図
【図9】本発明の実施の形態7の回路ブロック図
【図10】従来のシーリングファンの構造図
【図11】同回路ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の請求項1記載の発明は、モータと、このモータの回転子に固定される羽根と、前記モータの固定子の下面に配置され照明器具が取り付け可能な照明器具固定板と、前記モータと前記照明器具固定板に固定された照明を制御する制御装置とを備えたシーリングファンにおいて、前記制御装置は、前記照明器具の通電状態をON/OFFさせる照明駆動手段と、室内の明るさを検出する照度検出手段と、前記照明駆動手段の動作状態と前記照度検出手段の明るさとから照明器具の接続状態を判定する照明器接続判定手段とを備え、前記照明駆動手段をONしたときに、前記照明器接続判定手段が前記照度検出手段の検知した明るさが所定の明るさよりも暗い場合には照明が接続されていないと判断し、前記制御装置は、前記照明器接続判定手段の判断を受けて照明駆動手段をOFFさせる構成を有する。これにより照明器具がシーリングファンに設置されていない時には、無駄な電力を消費することがないという効果を奏する。
【0026】
また、請求項2記載の発明は、前記モータと前記照明を制御するためのリモコンと、前記制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、前記照明器接続判定手段により照明が接続されていないと判断した場合には照明を制御する信号には反応しないようにした構成を有する。これによりリモコンの照明を点灯するスイッチを誤って押されても、照明駆動手段に通電されないため、無駄な電力を消費することがないという効果を奏する。
【0027】
また、請求項3記載の発明は、前記照度検出手段の電源を入り切りする照度検出駆動手段を備え、照明器接続判定手段により照明が接続されていないと判断した場合には、照度検出駆動手段により、照度検出手段の電源を切るようにした構成を有する。これにより照度検出手段により消費される電力を削減できるという効果を奏する。
【0028】
また、請求項4記載の発明は、前記照明器接続判定手段により判定された結果を記憶する不揮発性メモリを備え、電源ON時にこの不揮発性メモリの記憶内容に基づいて照明駆動手段のON/OFFを行うようにした構成を有する。これにより照明器具が接続されていない場合、電源ON時に一度照明駆動手段に通電することによる無駄な電力を削減できるという効果を奏する。
【0029】
また、請求項5記載の発明は、照度検出手段の電源を入り切りする照度検出駆動手段を備え、電源ON時に前記不揮発性メモリの記憶内容が照明接続なしの時には、前記照度検出手段の電源を入れないようにした構成を有する。これにより電源ON時に照度検出手段により消費される電力を削減できるという効果を奏する。
【0030】
また、請求項6記載の発明は、前記モータと前記照明を制御するためのリモコンと、前記制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、前記不揮発性メモリの記憶内容が照明接続なしの時には、リモコンからの照明を制御する信号には反応しないようにした構成を有する。これによりリモコンの照明を点灯するスイッチを誤って押されても、照明駆動手段に通電されないため、無駄な電力を消費することがないという効果を奏する。
【0031】
また、請求項7記載の発明は、電源遮断時間計測手段を有し、電源が切られた後、規定された時間の中で再度電源が入れられた時には、前記不揮発性メモリの記憶内容を消去するようにした構成を有する。これにより照明器具をシーリングファンの後で設置した場合でも、不揮発性メモリの記憶内容を消去するスイッチを設けることなく、不揮発性メモリの記憶内容を消去でき、壁スイッチがONされた時には照明を点灯することができるという効果を奏する。
【0032】
また、請求項8記載の発明は、前記モータと前記照明を制御するためのリモコンと、前記制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、このリモコンに照明設定解除スイッチを設け、このスイッチが押された時に送信される信号を受信した時には、前記不揮発性メモリの内容を消去するようにした構成を有する。これにより不揮発性メモリの記憶内容を消去するスイッチをシーリングファン本体設けることなく、不揮発性メモリの記憶内容を消去でき、壁スイッチがONされた時には照明を点灯することができるという効果を奏する。
【0033】
また、請求項9記載の発明は、前記モータと前記照明を制御するためのリモコンと、前記制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、このリモコンの複数のスイッチを同時に押した時に照明設定解除の信号が送信され、この信号を受信した時には、前記不揮発性メモリの内容を消去するようにした構成を有する。これによりこれにより不揮発性メモリの記憶内容を消去するスイッチをリモコンに設けることなく、不揮発性メモリの記憶内容を消去でき、壁スイッチがONされた時には照明を点灯することができるという効果を奏する。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0035】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について図1、2を参照しながら説明する。
【0036】
中心をシャフト101で軸支される外転型のモータ102と、このモータの回転子103に固定される羽根104と、前記モータ102の固定子105の下面に固定される照明器具固定板106と、この照明器具固定板106に収納される制御装置107とで構成される。
【0037】
照明器具108は前記照明器具固定板106に固定可能となっており、部屋の広さや部屋のデザインに合わせて使用者が自由に選択して取り付けることができる。電源は、シーリングファンが設置されている付近の壁に取り付けられた壁スイッチ113を介して供給されている。
【0038】
前記制御装置107は前記照明器具108の通電状態をON/OFFさせる照明駆動手段110としてのリレー111とこのリレー111を駆動するトランジスタ112と、室内の明るさを検出する照度検出手段としての照度センサー1と、前記照明駆動手段110の動作状態と前記照度センサー1の明るさとから照明器具108の接続状態を判定する照明器接続判定手段としてのマイクロコンピュータ2とで構成されている。
【0039】
上記構成において、壁スイッチ113がONされるとマイクロコンピュータ2は照度センサー1からの信号を入力し、信号レベルが規定値未満で室内が暗いと判断した時にはトランジスタ112をONし、リレー111の接点を閉じる。
【0040】
この時、照明器具108が接続されておれば、照明に通電され部屋が明るくなるが、照明器具108が接続されていなければ、部屋の明るさに変化はない。マイクロコンピュータ2は照明に通電してから照明が確実に点灯するまでの時間が経過した後に前記照度センサー1からの信号を入力し、トランジスタ112の駆動前の照度センサー1信号のレベルと比較し明るいほうに変化があれば、照明が接続されていると判断しトランジスタ112の駆動を継続する。トランジスタ112の駆動前の照度センサー1信号のレベルと比較し信号のレベルに変化がない時には、照明が接続されていないと判断してトランジスタ112をOFFする。
【0041】
一方、壁スイッチ113がONされた時、マイクロコンピュータ2は照度センサー1からの信号を入力し、信号レベルが規定値以上で室内が明るいと判断した時にはトランジスタ112はOFFのままで、照明器具108には通電しない。
【0042】
以上のように照明が設置されている場合には室内の明るさにより照明を点灯することができるとともに、照明器具が設置されていない場合には、照明を駆動するための無駄な電力の消費をなくすことができる。
【0043】
(実施の形態2)
図3は、本実施の形態2における構造図、図4は回路ブロック図を示す。図3、4において図1、2と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0044】
制御装置107はモータ102と照明器具108を制御するためのリモコン(図示せず)の赤外線信号を受信して電気信号に変換しマイクロコンピュータ2に入力するリモコン受光素子3を有する。
【0045】
上記構成において、壁スイッチ113でシーリングファンに通電された時には請求項1と同様に、マイクロコンピュータ2は照度センサー1からの信号を入力し、信号レベルが規定値未満で室内が暗いと判断した時にはトランジスタ112をONし、リレー111の接点を閉じる。トランジスタ112の駆動前の照度センサー1信号のレベルと比較し信号のレベルに変化がない時には、照明が接続されていないと判断してトランジスタ112をOFFする。トランジスタ112をOFFした後は、リモコンから照明ON/OFF信号が送信されると、リモコン受光素子3がこの信号を受信してマイクロコンピュータ2に信号を入力するが、マイクロコンピュータ2は照明が接続されていないとすでに判断しているため、この信号を無視し、トランジスタ112をOFFした状態を継続する。
【0046】
壁スイッチ113でシーリングファンに通電された時、マイクロコンピュータ2は照度センサー1から信号が規定値以上で室内が明るいと判断した時にはトランジスタ112はOFFのままで、照明器具108には通電しない。この後、リモコンから照明ON信号が送信されると、マイクロコンピュータ2は一旦、トランジスタ112をONし、リレー111の接点を閉じる。トランジスタ112の駆動前の照度センサー1信号のレベルと比較し信号のレベルに変化がない時には、照明が接続されていないと判断してトランジスタ112をOFFする。この後は、リモコンから照明ON/OFF信号が送信されても、マイクロコンピュータ2は照明が接続されていないとすでに判断しているため、この信号を無視し、トランジスタ112をOFFした状態を継続する。
【0047】
以上のように、照明が接続されていない場合、リモコンの照明を点灯するスイッチを誤って押されても、照明駆動手段に通電されないため、無駄な電力を消費することをなくすことができる。
【0048】
(実施の形態3)
図5は、本実施の形態3における回路ブロック図を示す。
【0049】
本実施の形態は前記実施の形態1に対して照度センサー1の電源を入り切りする照度検出駆動手段4としてのトランジスタ5を追加したものであり、同一構成のものは同一番号を付して詳しい説明は省略する。
【0050】
照度検出駆動手段4としてのトランジスタ5はマイクロコンピュータ2からON/OFF制御され照度センサー1への電源供給をコントロールしている。
【0051】
上記構成において、壁スイッチ113がONされ、電源が制御装置107に供給されるとマイクロコンピュータ2はトランジスタ5をONし、照度センサー1へ電源を供給し、照度センサー1からの信号により室内の明るさを判断し、明るい時はトランジスタ112のOFFを継続し、暗い時にはトランジスタ112をONし、リレー111の接点を閉じ照明への電源を供給する。この時、照明器具108が接続されておれば、照明に通電され部屋が明るくなるので照明器具108が接続されていると判断し、トランジスタ112のONを継続する。照明器具108が接続されていなければ、部屋の明るさに変化はないので、接続されていないと判断し、トランジスタ112をOFFする。
【0052】
この後、照度検出駆動手段4としてのトランジスタ5をOFFし、照度センサー1への電源をOFFする。
【0053】
以上のように照明器具108の接続判断が終了した後は、照度センサー1の電源を遮断することにより、照度検出手段により消費される電力を削減できる。
【0054】
(実施の形態4)
図6は、本実施の形態4における回路ブロック図を示す。
【0055】
本実施の形態は前記実施の形態1に対して照明器接続判定手段により判定された結果を記憶する不揮発性メモリ6を追加したものであり、同一構成のものは同一番号を付して詳しい説明は省略する。
【0056】
シーリングファンを設置後に始めて壁スイッチ113がONされ、電源が制御装置107に供給されるとマイクロコンピュータ2はトランジスタ5をONし、照度センサー1へ電源を供給し、照度センサー1からの信号により室内の明るさを判断し、暗い時にはトランジスタ112をONし、リレー111の接点を閉じ照明への電源を供給する。この時、照明器具108が接続されておれば、照明に通電され部屋が明るくなるので照明器具108が接続されていると判断し、トランジスタ112のONを継続する。同時に不揮発性メモリ6には照明接続有りに対応するデータを書き込む。
【0057】
照明器具108が接続されていなければ、部屋の明るさに変化はないので、接続されていないと判断し、トランジスタ112をOFFし、不揮発性メモリ6には照明接続なしに対応するデータを書き込む。
【0058】
また、照度センサー1からの信号により室内が明るい時はトランジスタ112のOFFを継続し、この時は不揮発性メモリ6には照明接続不明に対応するデータを書き込む。
【0059】
2回目以降、壁スイッチ113により電源が供給された時には、マイクロコンピュータ2は不揮発性メモリ6からデータを読み込み、照明接続有りに対応するデータであれば、照度センサー1からの信号により室内が暗いか明るいかを判断し、暗ければトランジスタ112をONすることで照明器具108に通電し、明るければトランジスタ112のOFFを継続する。
【0060】
不揮発性メモリ6から読み込んだデータが照明接続なしであれば、トランジスタ112のOFFを継続する。
【0061】
不揮発性メモリ6から読み込んだデータが照明接続不明であれば、シーリングファンを設置後に始めて壁スイッチ113がONされた時と同様の動作を行い、照明器具108の接続の判断をし、結果を不揮発性メモリ6に書き込む。
【0062】
以上のように不揮発性メモリ6に照明器具108の接続状態を記憶しておくことで、壁スイッチ113がONされた時の照明駆動手段へ通電することによる無駄な電力を削減できる。
【0063】
(実施の形態5)
図7は、本実施の形態5における回路ブロック図を示す。
【0064】
本実施の形態は前記実施の形態4に対して照度検出駆動手段4としてのトランジスタ5を追加したものであり、同一構成のものは同一番号を付して詳しい説明は省略する。
【0065】
壁スイッチ113がONされ、電源が制御装置107に供給されるとマイクロコンピュータ2は不揮発性メモリ6のデータを読み込み、データが照明接続なしであれば、トランジスタ112のOFFを継続する。
【0066】
照明接続有りに対応するデータであれば、トランジスタ5をONし照度センサー1に通電後、照度センサー1からの信号により室内が暗いか明るいかを判断し、暗ければトランジスタ112をONすることで照明器具108に通電し、明るければトランジスタ112のOFFを継続する。
【0067】
データが照明接続不明であれば、トランジスタ5をONし照度センサー1に通電して実施の形態4のシーリングファンを設置後に始めて壁スイッチ113がONされた時と同様の動作を行い、照明器具108の接続の判断をし、結果を不揮発性メモリ6に書き込み、トランジスタ5をOFFして照度センサー1への電源供給を停止する。
【0068】
以上のように不揮発性メモリ6の照明器具108の接続状態の記憶結果から照度検出駆動手段4への通電判断をすることで、照度検出手段により消費される電力を削減できる。
【0069】
(実施の形態6)
図8は、本実施の形態6における回路ブロック図を示す。
【0070】
本実施の形態は前記実施の形態4に対してリモコン受光素子3を追加したものであり、同一構成のものは同一番号を付して詳しい説明は省略する。
【0071】
壁スイッチ113がONされ、電源が制御装置107に供給されるとマイクロコンピュータ2は不揮発性メモリ6のデータを読み込み、データが照明接続なしであれば、以降リモコンから照明ONの信号をリモコン受光素子3が受信してもこの信号を無視し、照明駆動手段110のトランジスタ112のOFFを継続する。
【0072】
照明接続有りに対応するデータであれば、以降リモコンから送信された照明ONまたは照明OFFの信号をリモコン受光素子3が受信したときには、マイクロコンピュータ2は照明駆動手段110のトランジスタ112のONまたはOFFし、照明器具108の点灯、消灯を行う。
【0073】
以上のように不揮発性メモリ6の照明器具108の記憶結果が照明接続なしの場合、リモコンからの照明を制御する信号を無視することにより、モコンの照明を点灯するスイッチを誤って押されても、照明駆動手段に通電されないため、無駄な電力を消費することがない。
【0074】
(実施の形態7)
図9は、本実施の形態6における回路ブロック図を示す。図9において図6と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0075】
電源電圧に同期する信号を発生するため抵抗・ダイオード・フォトカプラで構成された電源同期信号発生手段7を有し、この電源同期信号発生手段7の信号がマイクロコンピュータ2に入力され、電源遮断時間計測手段としてのマイクロコンピュータ2はこの信号がなくなった時間を計測することで電源が遮断された時間を計測している。
【0076】
上記構成において、通常電源が制御装置107に供給されている時には、電源同期信号発生手段7からマイクロコンピュータ2に入力される信号は電源の周波数(50/60Hz)に同期したHi/Loの信号である。
【0077】
壁スイッチ113がOFFされると電源同期信号発生手段7からマイクロコンピュータ2に入力される信号はHiになり、再度壁スイッチ113がONされると信号は電源の周波数に同期したHi/Loになる。マイクロコンピュータ2はこの信号が連続してHiである時間を計測し、使用者が意図して操作できる時間(約2秒〜5秒)の範囲内であれば、不揮発性メモリ6に書き込んだ照明器具108の接続状態のデータをクリア、すなわち照明接続不明のデータを書き込む。
【0078】
その後、実施の形態4と同様に、照度センサー1の信号により、照明器具108の接続判断を実施する。
【0079】
以上のように壁スイッチ113により電源を意図的に遮断する時間により照明器具108の接続状態をクリアすることで、照明器具をシーリングファンの後で設置した場合でも、不揮発性メモリの記憶内容を消去するスイッチを設けることなく、不揮発性メモリの記憶内容を消去でき、壁スイッチがONされた時には照明を点灯することができる。
【0080】
(実施の形態8)
本実施の形態は前記実施の形態6の構成と同一であり判断処理が異なるのみであり、同一構成のものは同一番号を付して詳しい説明は省略する。
【0081】
リモコン(図示せず)には通常のシーリングファンのON/OFF・回転数指示や照明のON/OFFスイッチのほかに照明設定解除スイッチを設けている。このスイッチが押された時には照明設定解除信号が送信され、マイクロコンピュータ2はこの信号を入力すると不揮発性メモリ6に書き込んだ照明器具108の接続状態のデータをクリア、すなわち照明接続不明のデータを書き込む。
【0082】
その後、実施の形態4と同様に、照度センサー1の信号により、照明器具108の接続判断を実施する。
【0083】
以上のように不揮発性メモリ6の記憶内容を消去するスイッチをシーリングファン本体設けることなく、不揮発性メモリ6の記憶内容を消去でき、照明器具をシーリングファンの後で設置した場合でも、壁スイッチがONされた時には照明を点灯することができる。
【0084】
(実施の形態9)
本実施の形態は前記実施の形態6の構成と同一であり判断処理が異なるのみであり、同一構成のものは同一番号を付して詳しい説明は省略する。
【0085】
リモコン(図示せず)には通常のシーリングファンのON/OFF・回転数指示や照明のON/OFFスイッチが設けられており、これらのスイッチの中で特定の組み合わせのスイッチが同時にが押された時には照明設定解除信号が送信され、マイクロコンピュータ2はこの信号を入力すると不揮発性メモリ6に書き込んだ照明器具108の接続状態のデータをクリア、すなわち照明接続不明のデータを書き込む。
【0086】
その後、実施の形態4と同様に、照度センサー1の信号により、照明器具108の接続判断を実施する。
【0087】
以上のようにリモコンの複数のスイッチを同時に押すことにより照明器具108の接続状態のデータを消去できるようにしたことで、照明器具をシーリングファンの後で設置した場合でも、壁スイッチがONされた時には照明を点灯することができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明にかかるシーリングファンは、照明器具が設置されていない場合には無効な消費電力が削減できるので、一般家庭のほか照明器具がシーリングファン以外の場所に別に設置されるケースが多い事務所や店舗にも有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 照度センサー(照度検出手段)
2 マイクロコンピュータ(照明器接続判定手段)
102 モータ
104 羽根
106 照明器具固定板
107 制御装置
110 照明駆動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、このモータの回転子に固定される羽根と、前記モータの固定子の下面に配置され照明器具が取り付け可能な照明器具固定板と、前記モータと前記照明器具固定板に固定された照明を制御する制御装置とを備えたシーリングファンにおいて、前記制御装置は、前記照明器具の通電状態をON/OFFさせる照明駆動手段と、室内の明るさを検出する照度検出手段と、前記照明駆動手段の動作状態と前記照度検出手段の明るさとから照明器具の接続状態を判定する照明器接続判定手段とを備え、前記照明駆動手段をONした後ときに、前記照明器接続判定手段が前記照度検出手段の検知した明るさが所定の明るさよりも暗い場合には照明が接続されていないと判断し、前記制御装置は、前記照明器接続判定手段の判断を受けて照明駆動手段をOFFさせる構成としたシーリングファン。
【請求項2】
前記モータと前記照明を制御するためのリモコンと、前記制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、前記照明器接続判定手段により照明が接続されていないと判断した場合には照明を制御する信号には反応しないようにした請求項1記載のシーリングファン。
【請求項3】
前記制御装置は前記照度検出手段の電源を入り切りする照度検出駆動手段を備え、照明器接続判定手段により照明が接続されていないと判断した場合には、照度検出駆動手段により、照度検出手段の電源を切るようにした請求項1記載のシーリングファン。
【請求項4】
前記制御装置は前記照明器接続判定手段により判定された結果を記憶する不揮発性メモリを備え、電源ON時にこの不揮発性メモリの記憶内容に基づいて照明駆動手段のON/OFFを行うようにした請求項1記載のシーリングファン。
【請求項5】
前記制御装置は前記照度検出手段の電源を入り切りする照度検出駆動手段を備え、電源ON時に前記不揮発性メモリの記憶内容が照明接続なしの時には、前記照度検出手段の電源を入れないようにした請求項4記載のシーリングファン。
【請求項6】
前記モータと前記照明を制御するためのリモコンと、前記制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、前記不揮発性メモリの記憶内容が照明接続なしの時には、リモコンからの照明を制御する信号には反応しないようにした請求項4記載のシーリングファン。
【請求項7】
前記制御装置は電源遮断時間計測手段を有し、電源が切られた後、規定された時間の中で再度電源が入れられた時には、前記不揮発性メモリの記憶内容を消去するようにした請求項4記載のシーリングファン。
【請求項8】
前記モータと前記照明を制御するためのリモコンと、前記制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、このリモコンに照明設定解除スイッチを設け、このスイッチが押された時に送信される信号を受信した時には、前記不揮発性メモリの内容を消去するようにした請求項4記載のシーリングファン。
【請求項9】
前記モータと前記照明を制御するためのリモコンと、前記制御装置にリモコンからの信号を受信するリモコン受信手段を備え、このリモコンの複数のスイッチを同時に押した時に照明設定解除の信号が送信され、この信号を受信した時には、前記不揮発性メモリの内容を消去するようにした請求項4記載のシーリングファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−97569(P2012−97569A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243190(P2010−243190)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】