説明

シーリング・ポンプアップ装置

【課題】液剤ボトルを適切に交換することができるシーリング・ポンプアップ装置を提供すること。
【解決手段】シーリング・ポンプアップ装置は、圧縮空気を液剤ボトル12に供給することで、液剤ボトル12に収容されたシーリング剤をタイヤ2内へ供給する。シーリング・ポンプアップ装置は、液剤ボトル12が着脱可能に取り付けられる取付部20と、液剤ボトル12の内圧に応じて液剤ボトル12を取り外し可能な状態と取り外し不能な状態とに切り換える切り替え機構30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーリング剤及び圧縮空気をタイヤ内へ供給するシーリング・ポンプアップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、シーリング剤及び圧縮空気をタイヤ内へ供給し、パンクしたタイヤを応急的に修理するシーリング・ポンプアップ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このシーリング・ポンプアップ装置は、圧縮空気を圧縮空気源から液剤ボトルへ供給することで、液剤ボトルに収容されているシーリング剤をタイヤ内へ圧送した後、引き続いて圧送される圧縮空気によって、タイヤの内圧を走行可能な圧力まで高める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−188033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載のシーリング・ポンプアップ装置は、液剤ボトルが装置本体(注入ユニット)と一体的に成形されている。従って、液剤ボトルを交換することができず、シーリング・ポンプアップ装置を再利用することができない。
【0005】
そこで、再利用を図るため、液剤ボトルと装置本体とを着脱可能な構成とすることが考えられる。しかしながら、この場合、液剤ボトルを装置本体から取外す際に、液剤ボトルの内圧によって液剤ボトルが装置本体から飛び離れる虞がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、液剤ボトルを適切に交換することができるシーリング・ポンプアップ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、圧縮空気を液剤ボトルに供給することで、前記液剤ボトルに収容されたシーリング剤をタイヤ内へ供給するシーリング・ポンプアップ装置において、
前記液剤ボトルが着脱可能に取り付けられる取付部と、
前記液剤ボトルの内圧に応じて、前記液剤ボトルを取り外し可能な状態と取り外し不能な状態とに切り換える切り替え機構を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、液剤ボトルを適切に交換することができるシーリング・ポンプアップ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例のシーリング・ポンプアップ装置のタイヤ接続状態を示す正面図である。
【図2】切り替え機構30の動作を説明するための断面図である。
【図3】切り替え機構30Aの動作を説明するための断面図である。
【図4】切り替え機構30Bの動作を説明するための断面図である。
【図5】切り替え機構30Cの動作を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明を実施するための形態について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の一実施例のシーリング・ポンプアップ装置のタイヤ接続状態を示す正面図である。シーリング・ポンプアップ装置は、シーリング剤及び圧縮空気をタイヤ2内へ供給し、パンクしたタイヤ2を応急的に修理する装置である。パンクしたタイヤ2内にシーリング剤及び圧縮空気を注入した後、車両を走行させてタイヤ2を回転させることにより、タイヤ周方向全周にわたりシーリング剤を供給して、パンクしたタイヤ2を応急的に修理する。
【0012】
シーリング・ポンプアップ装置は、装置本体11、液剤ボトル12、耐圧ホース13、及びバルブコネクタ14を含み構成される。装置本体11には、取付部20(図2参照)が設けられる。取付部20は、液剤ボトル12が着脱可能に取り付けられる取付孔21(図2参照)を備える。
【0013】
装置本体11は、圧縮空気を液剤ボトル12に供給するコンプレッサ15を含み構成される。コンプレッサ15は、車載バッテリから供給される電力をエネルギー源として駆動する。コンプレッサ15は、接続管16(図2参照)を介して、液剤ボトル12に接続されている。
【0014】
液剤ボトル12は、1回のパンク修理に必要な量のシーリング剤を収容している。液剤ボトル12は、接続管17(図2参照)を介して耐圧ホース13に接続されている。
【0015】
耐圧ホース13は、シーリング剤及び圧縮空気を圧送するためのものである。耐圧ホース13の先端には、タイヤバルブ(図示せず)へ接続可能なバルブコネクタ14が設けられている。バルブコネクタ14は、開閉可能な連通弁を備える。バルブコネクタ14がタイヤバルブへ装着されることに連動して、バルブコネクタ14の連通弁が開放される。こにより、タイヤ2内と液剤ボトル12内とが連通される。
【0016】
この状態で、コンプレッサ15から液剤ボトル12へ圧縮空気を供給することで、液剤ボトル12に収容されているシーリング剤をタイヤ2内へ圧送した後、引き続いて圧送される圧縮空気によって、タイヤ2の内圧を走行可能な圧力まで高める。
【0017】
次に、シーリング・ポンプアップ装置に設けられている切り替え機構30について、図2を参照して説明する。図2は、切り替え機構30の動作を説明するための断面図であって、(A)は液剤ボトル12の内圧が低い状態、(B)は液剤ボトル12の内圧が高い状態を示す断面図である。尚、図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。
【0018】
切り替え機構30は、液剤ボトル12の内圧に応じて、液剤ボトル12を取り外し可能な状態と取り外し不能な状態とに切り換える機構である。切り替え機構30は、係合凹部31、及び係合部32を含み構成される。
【0019】
係合凹部31は、取付孔21の内周面に形成される凹部である。本実施例では、係合凹部31は、取付孔21の周方向全周にわたって形成されている。
【0020】
係合部32は、係合凹部31に出入り可能なものである。係合部32が係合凹部31に出入りすることで、液剤ボトル12を取り外し可能な状態と取り外し不能な状態とに切り換える。
【0021】
例えば、係合部32は、液剤ボトル12の一部として構成され、液剤ボトル12の内圧によって弾性変形することで係合凹部31に出入りする。本実施例では、係合部32は、液剤ボトル12の周方向全周にわたってリング状に形成されている。係合部32の内周面は、液剤ボトル12の内周面の一部を構成しており、液剤ボトル12の内圧を受圧する。
【0022】
図2(A)に示すように、液剤ボトル12の内圧が低い場合、係合部32に対する押圧が低いので、係合部32は係合凹部31から抜け出て離間する。これにより、液剤ボトル12を取り外し可能な状態とすることができる。
【0023】
一方、図2(B)に示すように、液剤ボトル12の内圧が高い場合、内圧によって係合部32が径方向外方に弾性変形され係合凹部31に侵入して係合する。これにより、液剤ボトル12の軸方向の移動を規制して、液剤ボトル12を取り外し不能な状態とすることができる。
【0024】
また、図2(B)に示すように、係合部32は、係合凹部31に侵入して係合する際に、係合凹部31に密着するよう構成されてもよい。これにより、取付孔21と液剤ボトル12との隙間からシーリング剤が漏れることを防止することができる。
【0025】
このように、切り替え機構30を構成する係合凹部31と係合部32とが協働して、液剤ボトル12の内圧に応じて、液剤ボトル12を取り外し可能な状態と取り外し不能な状態とに切り換える。
【0026】
次に、上記構成とされたシーリング・ポンプアップ装置の作用、機能について説明する。先ず、液剤ボトル12を取付孔21にネジ止めによって着脱可能に取り付ける。この状態では、液剤ボトル12の内圧が低いので、図2(A)に示すように、係合部32は係合凹部31から離間している。その後、バルブコネクタ14をタイヤバルブに装着することで、タイヤ2内と液剤ボトル12内とを連通する。
【0027】
続いて、コンプレッサ15から液剤ボトル12へ圧縮空気を供給する。そうすると、液剤ボトル12の内圧が高まるので、図2(B)に示すように、係合部32が係合凹部31に侵入して係合する。本実施例では、係合凹部31及び係合部32が取付孔21及び液剤ボトル12の周方向全周にわたって形成されており、且つ、係合凹部31に係合部32が密着しているので、取付孔21と液剤ボトル12との隙間からシーリング剤が漏れることを防止することができる。
【0028】
コンプレッサ15から液剤ボトル12へ圧縮空気を供給することで、液剤ボトル12に収容されているシーリング剤をタイヤ2内へ圧送した後、引き続いて圧送される圧縮空気によって、タイヤ2の内圧を走行可能な圧力まで高める。このとき、タイヤ2内と液剤ボトル12内との間には、圧縮空気が充填されている。即ち、このとき、液剤ボトル12の内圧は、高くなっている。
【0029】
仮に、液剤ボトル12の内圧が高い場合に、液剤ボトル12を装置本体11から誤って取外すと、液剤ボトル12の内圧によって、液剤ボトル12が装置本体11から飛び離れる虞がある。
【0030】
一方で、本実施例では、係合部32が係合凹部31に係合することで、液剤ボトル12を取り外し不能な状態としている。このため、液剤ボトル12の内圧が高い場合に、液剤ボトル12を誤って取外すことがない。
【0031】
続いて、バルブコネクタ14をタイヤバルブから取外す。この際、バルブコネクタ14は自動的に閉塞される。これにより、バルブコネクタ14を取外す際に、バルブコネクタ14の内圧によってバルブコネクタ14がタイヤバルブから飛び離れることを防止することができる。
【0032】
最後に、バルブコネクタ14のリーク弁(図示せず)を開放する。そうすると、耐圧ホース13の内圧が大気圧まで徐々に低下し、液剤ボトル12の内圧が大気圧まで徐々に低下する。これに伴い、係合部32に対する押圧が徐々に低下するので、係合部32は徐々に弾性復元する。液剤ボトル12の内圧が大気圧になる直前に、係合部32は係合凹部31から抜け出る。液剤ボトル12の内圧が大気圧になると、係合部32は係合凹部31から十分に離間し、液剤ボトル12を取り外し可能な状態とする。よって、液剤ボトル12を交換することができ、シーリング・ポンプアップ装置を再利用することができる。
【0033】
以上説明したように、本実施例のシーリング・ポンプアップ装置によれば、切り替え機構30が液剤ボトル12の内圧に応じて液剤ボトル12を取り外し可能な状態と取り外し不能な状態とに切り換えるので、液剤ボトル12を適切に交換することができる。
【0034】
また、本実施例のシーリング・ポンプアップ装置によれば、係合凹部31及び係合部32が取付孔21及び液剤ボトル12の周方向全周にわたって形成されており、且つ、係合部32が係合凹部31に侵入して係合する際に係合凹部31に密着するので、取付孔21と液剤ボトル12との隙間からシーリング剤が漏れることを防止することができる。
【実施例2】
【0035】
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例では、図2に示す切り替え機構30の代わりに、切り替え機構30Aが設けられる。その他の構成は、図1の構成と同一であるので、説明を省略する。
【0036】
ここで、切り替え機構30Aについて、図3を参照して説明する。図3は、切り替え機構30Aの動作を説明するための断面図であって、(A)は液剤ボトル12の内圧が低い状態、(B)は液剤ボトル12の内圧が高い状態を示す断面図である。
【0037】
切り替え機構30Aは、図2に示す係合凹部31、及び係合部32Aを含み構成される。係合部32Aは、図2に示す係合部32と同様に、液剤ボトル12の周方向に沿ってリング状に形成されているが、図2に示す係合部32と異なり、蛇腹状に形成されている。
【0038】
図3(A)に示すように、液剤ボトル12の内圧が低い場合、係合部32Aに対する押圧が低いので、係合部32Aは係合凹部31から抜け出て離間する。これにより、液剤ボトル12を取り外し可能な状態とすることができる。
【0039】
一方、図3(B)に示すように、液剤ボトル12の内圧が高い場合、内圧によって係合部32Aが径方向外方に弾性変形され係合凹部31に侵入して係合する。これにより、液剤ボトル12の軸方向の移動を規制して、液剤ボトル12を取り外し不能な状態とすることができる。
【0040】
本実施例では、係合部32Aが蛇腹状に形成されているので、係合部32Aの設置スペースが小さいような場合であっても、係合部32Aの変形量を大きく取ることができる。よって、係合部32Aが小さくても、係合部32Aが弾性変形して係合凹部31に侵入して係合することができ、液剤ボトル12を取り外し不能な状態とすることができる。
【0041】
従って、本実施例においても、切り替え機構30Aを構成する係合凹部31と係合部32Aとが協働して、液剤ボトル12の内圧に応じて、液剤ボトル12を取り外し可能な状態と取り外し不能な状態とに切り換えるので、液剤ボトル12を適切に交換することができる。
【0042】
また、本実施例によれば、係合部32Aが蛇腹状に形成されているので、係合部32Aの設置スペースが小さいような場合であっても、係合部32Aの変形量を大きく取ることができる。よって、係合部32Aが小さくても、係合部32Aが弾性変形して係合凹部31に侵入して係合することができ、液剤ボトル12の軸方向の移動を規制することができる。
【実施例3】
【0043】
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例では、図2に示す切り替え機構30の代わりに、切り替え機構30Bが設けられる。その他の構成は、図1の構成と同一であるので、説明を省略する。
【0044】
ここで、切り替え機構30Bについて、図4を参照して説明する。図4は、切り替え機構30Bの動作を説明するための断面図であって、(A)は液剤ボトル12の内圧が低い状態、(B)は液剤ボトル12の内圧が高い状態を示す断面図である。
【0045】
切り替え機構30Bは、係合凹部31B、及び係合部32Bを含み構成される。係合凹部31Bは、図2に示す係合凹部31と異なり、取付孔21の周方向に沿って円弧状に形成されている。また、係合部32Bは、図2に示す係合部32と異なり、液剤ボトル12の周方向に沿って円弧状に形成されている。
【0046】
図4(A)に示すように、液剤ボトル12の内圧が低い場合、係合部32Bに対する押圧が低いので、係合部32Bは係合凹部31Bから抜け出て離間する。これにより、液剤ボトル12を取り外し可能な状態とすることができる。
【0047】
一方、図4(B)に示すように、液剤ボトル12の内圧が高い場合、内圧によって係合部32Bが径方向外方に弾性変形され係合凹部31Bに侵入して係合する。これにより、液剤ボトル12の軸方向の移動を規制して、液剤ボトル12を取り外し不能な状態とすることができる。
【0048】
本実施例では、係合凹部31Bが円弧状に形成されているので、液剤ボトル12の軸周りの回転をも規制することができる。よって、液剤ボトル12を確実に取り外し不能な状態とすることができる。
【0049】
尚、本実施例において、係合部32Bは、液剤ボトル12の周方向に沿って円弧状に形成されているとしたが、液剤ボトル12の周方向全周にわたってリング状に形成されていてもよい。いずれの場合であっても、液剤ボトル12の軸周りの回転をも規制することができ、液剤ボトル12を確実に取り外し不能な状態とすることができる。尚、前者の場合には液剤ボトル12の剛性を高めることができ、後者の場合には係合部32Bと係合凹部31Bとの位置合わせが不要となる。
【0050】
このように、本実施例においても、切り替え機構30Bを構成する係合凹部31Bと係合部32Bとが協働して、液剤ボトル12の内圧に応じて、液剤ボトル12を取り外し可能な状態と取り外し不能な状態とに切り換えるので、液剤ボトル12を適切に交換することができる。
【0051】
また、本実施例によれば、係合部32Bが円弧状に形成されているので、液剤ボトル12の剛性を高めることができる。
【0052】
また、本実施例によれば、係合凹部31Bが円弧状に形成されているので、係合部32Bが係合凹部31Bに係合したとき、液剤ボトル12の軸周りの回転をも規制することができる。よって、液剤ボトル12を確実に取り外し不能な状態とすることができる。
【実施例4】
【0053】
次に、本発明の実施例4について説明する。本実施例では、図2に示す切り替え機構30の代わりに、切り替え機構30Cを備える。その他の構成は、図1の構成と同一であるので、説明を省略する。
【0054】
ここで、切り替え機構30Cについて、図5を参照して説明する。図5は、切り替え機構30Cの動作を説明するための断面図であって、(A)は液剤ボトル12の内圧が低い状態、(B)は液剤ボトル12の内圧が高い状態を示す断面図である。
【0055】
切り替え機構30Cは、図4に示す係合凹部31B及び係合部32Bに加えて、凹部33、可動部34、及び連動機構40を含み構成される。凹部33は、液剤ボトル12の外周面に形成される。可動部34は、凹部33に出入り可能なものである。可動部34は、取付孔21の内周面に形成された凹部35内を移動することで、液剤ボトル12の外周面に形成された凹部33に出入りする。
【0056】
連動機構40は、係合部32Bが係合凹部31Bに係合することに連動して、可動部34を液剤ボトル12の外周面に形成された凹部33に係合する機構である。
【0057】
例えば、連動機構40は、係合部32Bの動きを可動部34の動きに変換する変換機構50を含み構成される。変換機構50は、例えば、移動体51、回動体52、及び付勢体53により構成される。
【0058】
移動体51は、係合凹部31B内の第1の位置と第2の位置との間を移動可能なものである。尚、第1の位置は、第2の位置に対して、係合凹部31Bの開口側に設定されている。
【0059】
回動体52は、板状の形状であって、ピン止めによって回動可能に取付部20に取り付けられている。回動体52の一端には、移動体51が連結されており、回動体52の他端には、可動部34が連結されている。回動体52が回動することで、移動体51の移動を可動部34の移動に変換する。移動体51の移動方向と可動部34の移動方向とが反対向きになるよう、移動体51と可動部34とは、回動体52に対して同じ側に設置されている。
【0060】
付勢体53は、回動体52を所定方向に付勢することで、移動体51を第2の位置から第1の位置に向けて付勢するものである。付勢体53には、例えば弦巻バネが用いられる。
【0061】
図5(A)に示すように、液剤ボトル12の内圧が低い場合、係合部32Bが係合凹部31Bから離間する。従って、移動体51は、付勢体53の付勢力によって、係合凹部31B内の第1の位置に移動されている。この状態では、可動部34は、液剤ボトル12に形成された凹部33から離間している。
【0062】
一方、図5(B)に示すように、液剤ボトル12の内圧が高い場合、係合部32Bが係合凹部31B内に侵入して、移動体51を押圧する。この押圧力によって、移動体51が付勢体53の付勢力に抗して第1の位置から第2の位置に移動する。これに伴い、回動体52が矢印R方向に回動され、可動部34が液剤ボトル12に形成された凹部33に侵入して係合する。
【0063】
本実施例では、係合部32Bが係合凹部31Bに係合することに連動して、可動部34が液剤ボトル12に形成された凹部33に係合するので、液剤ボトル12を確実に取り外し不能な状態とすることができる。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0065】
例えば、上述した実施例1〜4において、装置本体11は、圧縮空気を液剤ボトル12に供給するコンプレッサ15を含み構成されるとしたが、本発明はこれに限定されない。即ち、装置本体11は、液剤ボトル12が着脱可能に取り付けられる取付部20を備えていればよく、コンプレッサ15と別体として構成されてもよい。
【0066】
また、上述した実施例1〜4において、係合部32(32A、32B)は、液剤ボトル12の内圧によって弾性変形可能な構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、圧力センサを用いて液剤ボトル12の内圧を検出し、アクチュエータを用いて係合部32(32A、32B)を係合凹部31(31B)に出入りさせることで、液剤ボトル12を取り外し可能な状態と取り外し不能な状態との間で切り換えてもよい。
【符号の説明】
【0067】
2 タイヤ
11 装置本体
12 液剤ボトル
13 耐圧ホース
14 バルブコネクタ
20 取付部
21 取付孔
30 切り替え機構
31 係合凹部
32 係合部
33 凹部
34 可動部
40 連動機構
50 変換機構
51 移動体
52 回動体
53 付勢体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気を液剤ボトルに供給することで、前記液剤ボトルに収容されたシーリング剤をタイヤ内へ供給するシーリング・ポンプアップ装置において、
前記液剤ボトルが着脱可能に取り付けられる取付部と、
前記液剤ボトルの内圧に応じて前記液剤ボトルを取り外し可能な状態と取り外し不能な状態とに切り換える切り替え機構とを備えるシーリング・ポンプアップ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−167716(P2010−167716A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13507(P2009−13507)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】