説明

シールドケース用ノイズ漏出防止体

【課題】コネクターを接続した後でも簡単に組み付けることができ、シールドケースの開口部と配線類との隙間から漏れ出る電磁波を効率良く漏出防止できるシールドケース用ノイズ漏出防止体を提供する。
【解決手段】シールドケース用ノイズ漏出防止体1であって、導電繊維材料、誘電材料、磁性材料の少なくとも1つの材料をベース樹脂に混練した弾性体で成形され、このノイズ漏出防止体1の内部に配線類5の周囲に配線類5を横断して装着される配線類貫通空部13を形成し、該配線類貫通空部をリング状に囲う部分の少なくとも一箇所にリングを切断する方向のスリット部14を形成し、ノイズ漏出防止体1の外側に、シールドケース4の開口部6が嵌合されるケース用溝部12を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が搭載された電子機器のシールドケース用ノイズ漏出防止体に関し、特に、シールドケースの開口部と配線類との隙間から電磁ノイズが外部に漏れ出さないようにしたノイズ漏出防止体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品が搭載された電子機器では、処理速度の高速化などにともない電磁障害が大きな問題となっており、電子機器で発生する電磁波を外部に漏れ出ないようにする必要と、外部の電磁波による影響が電子機器に及ばないようにする必要がある。このため、例えば電子機器からの電磁波の放射をシールドすることが行われ、金属製のベース板と金属製のカバーとで構成されるシールドケースが用いられている。このシールドケースでは、電子部品が搭載された基板をベース板に取り付け、基板を覆うようにカバーを取り付け、電源線や信号線をコネクターを介してカバーに形成した開口部から外部に引き出すようにしている。そして、カバーの開口部と電源線や信号線などの配線類との隙間から放射される電磁波を吸収させるためノイズ吸収体が用いられており、磁性体を焼結したリング状のノイズ吸収体を配線類の周囲に横断するように装着したり、シート状の磁性体をリング状に打ち抜き、積層して配線類の周囲に横断するように取り付けて電磁波を吸収するようにしていた(特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2006−253283号公報
【特許文献2】特開2006−303260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来のリング状のノイズ吸収体では、配線類にコネクターを取り付けた状態では、ノイズ吸収体を取り付けることができず、取付工程に制約があるという問題がある。
また、コネクターを取り付けた後に取り付けることができる後付け用のものとして、磁性体のシートを配線類の外側に巻き付けるようにして取り付ける方法もあったが、隙間を埋めるためには多くのシートが必要となるとともに、取り付けに多くの時間がかかるという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コネクターを接続した後でも簡単に組み付けることができ、ケースの開口部と配線類との隙間から電磁波が漏れ出ることを効率良く防止することができるシールドケース用ノイズ漏出防止体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載のシールドケース用ノイズ漏出防止体は、電子部品が搭載された基板が収納されるシールドケースにおいて、そのケースの配線類用の開口部に、配線類に巻装された状態で取り付けられるシールドケース用ノイズ漏出防止体であって、
導電繊維材料、誘電材料、磁性材料の少なくとも1つの材料をベース樹脂に混ぜて弾性体として成形され、
前記配線類が通る配線類貫通空部を有し、
該配線類貫通空部をリング状に囲う部分の少なくとも一箇所にリングを切断する方向のスリット部を形成したことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載のものは、前記スリット部を一箇所形成し、外力を加えて弾性変形させると前記スリット部が開口し、該開口から前記配線類に装着可能としたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載のものは、前記シールドケースの開口部の縁が嵌合されるケース用溝部を外周面に形成したことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載のものは、前記スリット部が、当該スリット部の一方端と他方端とが外力を加えない自然状態でオーバーラップし得る形状に成形されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載のものは、前記スリット部のオーバーラップし得る形状を、階段状、凹凸状、傾斜面のいずれかとしたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載のものは、前記配線類貫通空部が、フラットケーブルに対応した矩形に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載のものは、電子部品が搭載された基板が収納されるシールドケースにおいて、そのケースの配線類用の開口部に、配線類に巻装された状態で取り付けられるシールドケース用ノイズ漏出防止体であって、
導電繊維材料、誘電材料、磁性材料の少なくとも1つの材料をベース樹脂に混ぜて弾性体として成形され、
前記配線類が通る配線類貫通空部を有し、
該配線類貫通空部をリング状に囲う部分の少なくとも一箇所にリングを切断する方向のスリット部を形成したので、スリット部を開口することで、この開口から配線類貫通空部に配線類を通して装着することができ、容易に配線類に装着することができる。
【0012】
請求項2に記載のものは、前記スリット部を一箇所形成し、外力を加えて弾性変形させると前記スリット部が開口し、該開口から前記配線類に装着可能としたので、外力を加えればスリット部を開口することができ、この開口から配線類貫通空部に配線類を通して装着でき、コネクター接続後であってもより一層容易に配線類に装着することができる。
【0013】
請求項3に記載のものは、前記シールドケースの開口部の縁が嵌合されるケース用溝部を外周面に形成したので、ケース用溝部にケースの開口部の縁を嵌合することで、ケース開口部と配線類との間の隙間を確実に塞ぐことができ、電磁波の漏れ出しを確実に防止できる。
【0014】
請求項4に記載のものは、前記スリット部が、当該スリット部の一方端と他方端とが外力を加えない自然状態でオーバーラップし得る形状に成形されているので、スリット部を形成しても装着状態では、隙間がなく、一方端と他方端が重なるようになり、電磁波の漏れ出しを一層有効に防止できる。そして、配線類が多少大きい場合にはオーバーラップする範囲が少なくなるが装着でき、オーバーラップ量に予め余裕をもたせて作成すれば配線類の大きさに対して寛容となり、配線類の大きさに違いがあっても対応できる。
【0015】
請求項5に記載のものは、前記スリット部のオーバーラップし得る形状を、階段状、凹凸状、傾斜面のいずれかとしたので、吸収体本体の一方端と他方端が重なったオーバーラップ状態にでき、成形も簡単にできるとともに、電磁波の漏れ出しを一層有効に防止して吸収させることができる。
【0016】
請求項6に記載のものは、前記配線類貫通空部が、フラットケーブルに対応した矩形に形成されているので、配線類がフラットケーブルであってもコネクター接続後でも容易に装着することができ、シールドケースとの隙間を塞いで電磁波の漏れ出しを有効に防止して吸収させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、シールドケースを閉じる前の状態の分解斜視図、図2は、シールドケースを閉じたシールド状態の断面図、図3はノイズ漏出防止体の斜視図および弾性変形させた斜視図である。
シールドケース用ノイズ漏出防止体(以下、単にノイズ漏出防止体という)1は、電子部品2が搭載された基板3が収納されるシールドケース4の配線類5を引き出すための開口部6に取り付けられて配線類5との隙間を埋めて電磁波の漏れ出しを防止するものである。
【0018】
シールドケース4は、例えば金属板製の直方体の箱状体に成形され、ケース底部分を構成するベース板41と、ベース板41を覆うようにビスやボルト・ナットで取り付けられる底部側が開口したカバー42とで構成される。このシールドケース4のカバー42の一側面に配線等引き出し用の開口部6が形成され、図1に示すように、上部の略半円とその下部の平行な直線とからなる蒲鉾状に切り取られてベース板41側が開口して形成され、配線類5を引き出すことができるようにしてある。
【0019】
シールドケース4のベース板41には、CPU、ROM,RAMなどの電子部品2が搭載された基板3がスペーサを介してビスなどで取り付けられ、カバー42で覆うようにベース板41にカバー42を取り付けることで、電磁波の放射をシールドした電子機器が構成される。そして、シールド状態の電子部品2には、電源線および信号線などからなる配線類5がコネクター51を介して接続され、シールドケース4の開口部6から引き出されており、この配線類5と開口部6の隙間にノイズ漏出防止体1が装着される。
【0020】
ノイズ漏出防止体1は、導電繊維材料、誘電材料、磁性材料などの電磁波非透過材料をベース樹脂に混練した樹脂複合体からなり、弾性を備え、例えば、射出成型により成形されている。このノイズ漏出防止体1は、外形がシールドケース4の開口部6の形状に対応した上部の半円部と下部の平行直線部で構成される略蒲鉾状に成形され、カバー42の内外に配置できる厚さとしてあり、厚さ方向中央部の外側にシールドケース4の開口部6の縁が嵌合されるケース用溝部12が形成してある。
【0021】
また、このノイズ漏出防止体1には、その中心部に配線類5を貫通させて装着することができる配線類貫通空部13が形成され、配線類5の外形に対応して円形の孔が形成してある。また、ノイズ漏出防止体1には、配線類貫通空部13をリング状に囲う部分の一箇所にリングを切断する方向のスリット部14を形成してあり、例えば、図3(a)に示すように、一箇所のスリット部14が下方直線部分に形成してある。このスリット部14は、例えば、図3に示すように、配線類5の横断方向(貫通方向)、すなわちシールドケース4の開口部6の表裏方向から見たときにシールドケース4の内外を直線的に貫通することがなく、スリット部14の一方端14aと他方端14bとが、外力を受けない自然状態でオーバーラップするようにしてあり、ここでは、幅方向中央部からずらした階段状(クランク状)のスリットが形成してある。
なお、このスリット部14をオーバーラップさせる形状としては、図示した階段状にする場合に限らず、凹凸状としたり、傾斜面とすることもでき、一段の階段状や一つの凹凸、一つの傾斜面に限らず、複数で形成される形状としても良い。
【0022】
このように構成したノイズ漏出防止体1は、図3(b)に示すように、ノイズ漏出防止体1自体が弾性体であることから、作業者がスリット部14の一方端14aと他方端14bとに指で力を加えると(外力を加えると)、スリット部14を弾性変形させて開口させることができ、この広く開口したスリット部14から配線類5を通して配線類貫通空部13内に入れて装着し、配線類5の周囲にリング状のノイズ漏出防止体1が巻き付いた状態で取り付ける(巻装する)ことができる。換言すると、手で変形してスリット部14を開くだけで配線類5を横断するようにしてノイズ漏出防止体1を装着することができる。なお、開口したスリット部14を通して配線類5を配線類貫通空部13内に位置させた後に外力を解除すると、ノイズ漏出防止体1自体の弾性復元力によりスリット部14の一方端14aと他方端14bとが元の位置関係に復元してスリット部14の開口を閉じて一方端14aと他方端14bとがオーバーラップ状態となる。したがって、取り付けた後に手を放してもノイズ漏出防止体1は配線類5から外れない。
【0023】
そして、ノイズ漏出防止体1の配線類5に対する位置を調整した後、ノイズ漏出防止体1の外側のケース用溝部12にシールドケース4の開口部6の縁を嵌合するようにしてカバー42で覆い、カバー42の周囲をベース板41にビスやボルト・ナットで締め付けて固定する。これにより、シールドケース4のベース板41に電子部品2が搭載された基板3が取り付けられてカバー42で覆われ、電磁波の放射をシールドした電子機器が構成されるとともに、シールドケース4の開口部6からコネクター51を介して引き出された配線類5と開口部6の隙間がノイズ漏出防止体1で塞がれた状態となる。
【0024】
このノイズ漏出防止体1が、導電繊維材料、誘電材料、磁性材料の少なくとも1つの材料をベース樹脂に混練した樹脂複合体で成形してあるので、開口部6と電源線および信号線からなる配線類5の隙間からシールドケース4の外部に放射される電磁波がノイズ漏出防止体1で吸収されたり或いは内側に反射されて外部に漏出することが阻害されるので、近くに設置された他の機器に与えるノイズによる誤動作の影響を低減できる。また、外部の電磁波が開口部6から内部に侵入することもノイズ漏出防止体1によって防止でき、これにより電子部品2の誤動作も防止でき、電子機器の品質向上を図ることができる。
【0025】
また、ノイズ漏出防止体1を配線類5に装着する場合に、スリット部14を弾性変形させて開口し、開口したスリット部14から簡単に配線類5を配線類貫通空部13に装着することができるので、コネクター51の接続の前後にかかわらず短時間で効率良く装着することができる。
【0026】
さらに、ノイズ漏出防止体1にスリット部14を形成してもシールドケース4の内外では、スリット部14の一方端14aと他方端14bとがオーバーラップして直線的な隙間ができないようにしてあるので、電磁波の漏洩を防止して効率良くノイズを吸収乃至反射させることができる。
また、このノイズ漏出防止体1では、これまでの磁性粉末を焼結して作成したノイズ漏出防止体に比べ、スリット部で弾性変形させることで簡単に配線類に装着できるだけでなく、電子機器の制御処理速度の高速化にともない発生する高周波の電磁波に対して優れたノイズ漏出防止効果が認められる。
【0027】
ノイズ漏出防止体1を構成する樹脂複合体は、弾性を備え、且つ導電繊維材料、誘電材料、磁性材料の少なくとも1つの材料をベース樹脂に混ぜて成形できるものであれば良く、例えばオレフィン系、スチレン系、エステル系、アミド系などの各種エラストマおよびEEA(エチレンエチルアクリレート)、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、軟質PVC(ポリ塩化ビニル)などの低硬度かつ高弾性を有するベース樹脂を用い、Mn−Zn、Mg−Zn、Ni−Zn、Mn−Mg−Zn、Mn−Mg−Alなどの各種ソフトフェライト、純鉄、センダスト、アモルファス合金、などの粉末状の軟磁性体、あるいは抵抗繊維などの抵抗性材料やカーボン系誘電性材料などの電磁波非透過性材料を少なくとも1つ混練し、ベース樹脂中に分散させて得られる組成物を挙げることができる。
【0028】
次に、ノイズ漏出防止体の他の実施の形態について、図4〜図6により説明する。
図4は、シールドケースを閉じる前の状態の分解斜視図、図5は、シールドケースを閉じたシールド状態の断面図、図6はノイズ漏出防止体の斜視図および弾性変形させた斜視図である。
このノイズ漏出防止体1Aは、配線類の形状が略円形の配線束と異なり、フラットケーブル5Aで構成される場合に対応できるようにしたものである。
シールドケース4には、カバー42に矩形の開口部6Aが形成してある。
ノイズ漏出防止体1Aは、フラットケーブル5Aに対応して外形が直方体状とされ、その中心部にフラットケーブル5Aに対応した矩形の配線類貫通空部13Aが形成され、配線類貫通空部13Aを四角リング状に囲う部分の横一箇所にリングを切断する方向のスリット部14Aを形成してある。このスリット部14Aは、図6に示すように、一方端14aと他方端14bとがオーバーラップしてシールドケース4の内外が直線的に連通しないにように一方に凹部が、他方に凸部がそれぞれ1つずつ形成して両者が噛み合ってオーバーラップする構成を採っている。
なお、他の構成は、既に説明したノイズ漏出防止体1と同一であるので、重複する説明は省略する。
【0029】
このようなノイズ漏出防止体1Aによっても、図6(b)に示すように、フラットケーブル5Aに対してもコネクター51の接続後でもスリット部14Aを弾性変形させて開口し、この広く開いたスリット部14A内に薄いフラットケーブル5Aを通して配線類貫通空部13Aに位置させ、これによりフラットケーブル5Aを取り巻くようにした状態でノイズ漏出防止体1Aを簡単に装着(巻装)することができ、シールドケース4の開口部6Aとフラットケーブル5Aとの隙間を塞ぐことができ、隙間から放射される電磁波をノイズ漏出防止体1Aで吸収することができる等、前記したノイズ漏出防止体1と同様の作用・効果を奏するものとなる。
【0030】
なお、上記実施の形態では、ノイズ漏出防止体1,1Aに1つの配線類貫通空部13,13Aを形成して配線類5やフラットケーブル5Aに装着してシールドケース4の開口部6、6Aとの隙間を塞いで電磁波を吸収する場合を例に説明したが、図7および図8に示すように、ノイズ漏出防止体1Bのように、2つの配線類貫通空部13,13Aを形成し、それぞれの配線類貫通空部13,13Aに連通するスリット部14,14Aを形成しても良く、さらに電子機器に応じて配線類貫通空部を増加形成し、それぞれにスリット部を形成することもできる。このようなノイズ漏出防止体1Bなどによっても既に説明したノイズ漏出防止体1,1Aと同様の作用・効果を奏するものとなる。
【0031】
また、ノイズ漏出防止体1Cとして、図9に示すように、1つの配線類貫通空部13を形成し、該配線類貫通空部13をリング状に囲う部分にリングを切断する方向のスリット部14を複数箇所形成して全体を2つに分割できるように構成しても良く、図示例のように、対向する上下2箇所のスリット部14、14を設け、オーバーラップするように凹凸部を一方端14aと他方端14bに形成して構成することもできる。
このような2箇所のスリット部14、14によってノイズ漏出防止体1を2分割することが可能となり、これによって配線類5の配線束の外径が大きくなる場合でも、スリット部14、14がオーバーラップする範囲で広げた状態で配線類5に装着することができ、配線類貫通空部13を小径側に形成しておくことで、外径が大きくなる配線類5に対しても1つのノイズ漏出防止体1Cで対応することができる。なお、スリット部を3箇所以上とすることで、一層配線類の外径変化に対応できる範囲を拡大することができる。
このようなノイズ漏出防止体1Cによっても既に説明したノイズ漏出防止体と同様の作用・効果を奏するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】シールドケースを閉じる前の状態の分解斜視図である。
【図2】シールドケースを閉じたシールド状態の断面図である。
【図3】ノイズ漏出防止体の斜視図および弾性変形させた斜視図である。
【図4】シールドケースを閉じる前の状態の分解斜視図である。
【図5】シールドケースを閉じたシールド状態の断面図である。
【図6】ノイズ漏出防止体の斜視図および弾性変形させた斜視図である。
【図7】シールドケースを閉じる前の状態の分解斜視図である。
【図8】ノイズ漏出防止体の斜視図である。
【図9】ノイズ漏出防止体の斜視図および分割した斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1…シールドケース用ノイズ漏出防止体,2…電子部品,3…基板,4…シールドケース,41…ベース板,42…カバー,5…配線類,51…コネクター,6…開口部,12…ケース用溝部,13…配線類貫通空部,14…スリット部,14a…一方端,14b…他方端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が搭載された基板が収納されるシールドケースにおいて、そのケースの配線類用の開口部に、配線類に巻装された状態で取り付けられるシールドケース用ノイズ漏出防止体であって、
導電繊維材料、誘電材料、磁性材料の少なくとも1つの材料をベース樹脂に混ぜて弾性体として成形され、
前記配線類が通る配線類貫通空部を有し、
該配線類貫通空部をリング状に囲う部分の少なくとも一箇所にリングを切断する方向のスリット部を形成したことを特徴とするシールドケース用ノイズ漏出防止体。
【請求項2】
前記スリット部を一箇所形成し、
外力を加えて弾性変形させると前記スリット部が開口し、該開口から前記配線類に装着可能としたことを特徴とする請求項1に記載のシールドケース用ノイズ漏出防止体。
【請求項3】
前記シールドケースの開口部の縁が嵌合されるケース用溝部を外周面に形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシールドケース用ノイズ漏出防止体。
【請求項4】
前記スリット部が、当該スリット部の一方端と他方端とが外力を加えない自然状態でオーバーラップし得る形状に成形されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のシールドケース用ノイズ漏出防止体。
【請求項5】
前記スリット部のオーバーラップし得る形状を、階段状、凹凸状、傾斜面のいずれかとしたことを特徴とする請求項4に記載のシールドケース用ノイズ漏出防止体。
【請求項6】
前記配線類貫通空部が、フラットケーブルに対応した矩形に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のシールドケース用ノイズ漏出防止体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−238797(P2009−238797A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79559(P2008−79559)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000226507)株式会社ニックス (96)
【Fターム(参考)】