説明

シールド掘進機、およびテールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法

【課題】 掘進機の掘進とテールクリアランス等の計測を並行しておこなうことができ、マシンテール後方の任意のセグメントリングの内空寸法を自動計測することのできるシールド掘進機、およびテールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法を提供すること。
【解決手段】 シールド掘進機1を構成するスキンプレート2の内部で、該シールド掘進機1の延伸方向に延びる通路用配管4の回りを回転可能で、その延伸方向に移動可能な移動装置6と、移動装置6に装着された伸縮装置71,71と、伸縮装置71の先端に装着された距離センサ81が設けられている。移動装置6の通路用配管4まわりの回転と、通路用配管4の延伸方向への移動に応じて、距離センサ81がスキンプレート2の内面までの距離とセグメントまでの距離を測定することにより、テールクリアランスや、セグメントリングの真円度などを自動測定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機と、テールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法に係り、特に、掘進機の掘進とテールクリアランス等の計測を並行しておこなうことができ、さらには、マシンテール後方の任意のセグメントリングの内空寸法も自動計測することのできるシールド掘進機、およびテールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シールド工法においては、シールド掘進機のスキンプレートの内面とセグメントの外面との間のテールクリアランスの管理や、既設置されたセグメントリングの内空寸法の管理は極めて重要である。掘進時には、スキンプレートと既設セグメントリングとの相対的な位置関係にずれ(偏心)が生じ易く、したがって、掘進に応じて適宜、テールクリアランスを精度よく、かつ迅速に計測することが必要となってくる。かかる計測結果に基づいてシールド掘進機の掘進制御やセグメントの組付け方法の調整等を早期におこなうことができ、シールド掘進機の軸心とセグメントリングの軸心との偏心を早期に是正することができる。
【0003】
ところで、上記するテールクリアランス等の計測は、従来は作業員がコンベックスやスチールテープ、楔形の測定片などを用いておこなうことが多く、その計測も、シールド掘進機の掘進に応じて組み付けられるセグメントリング1リングごとにおこなっていた。シールド工法は、シールド掘進機の掘進、エレクタ装置によるセグメントリングの組付け、テールクリアランス等の計測、から大略構成されるサイクルの繰返しで施工がおこなわれることから、テールクリアランス等の計測に多くの時間が費やされることにより、工期の長期化が頻繁に招来されていた。また、作業員による計測は、シールドジャッキ付近に作業員が近づいておこなうことからその計測時の安全性が問題視されており、施工されるシールドトンネルの大断面化に伴って高所作業が余儀なくされ、計測時の施工安全性への危惧がより一層顕著になってきていることから、その改善が望まれていた。
【0004】
上記する従来の問題に対して、作業員によることなく、テールクリアランス等の計測を自動化した計測装置を有するシールド掘進機およびその計測方法に関する技術が種々提案されている。特許文献1には、エレクタ装置に2つの超音波センサを取付け、一方のセンサでセグメント内面までの距離を測定し、他方のセンサでリングガーダーの内面までの距離を測定し、セグメントの厚さとスキンプレート〜リングガーダーの内面までの距離(ともに既知)と上記測定値とからテールクリアランスを求める測定装置および方法が開示されている。エレクタ装置をリングガーダーに沿って回転させながら、かかる計測と計測結果に基づくテールクリアランスの演算を周方向で実施することにより、セグメントリング外周のテールクリアランスを自動的に求めるものである。
【0005】
また、特許文献2には、シールドジャッキのスプレッダにテールクリアランス計測機構(センサヘッド)を設けたトンネル掘進機が開示されている。掘進機が掘進する際に、スプレッダは既設セグメントに相対的に固定されているため、この姿勢でセグメント内面までの距離と、スキンプレート内面までの距離を測定することで、掘進機の掘進と並行してテールクリアランスの計測をおこなうことができる。
【0006】
また、特許文献3には、シールド掘進機後部のスキンプレート内周面に凹部を設け、該凹部内に超音波距離計を設置してテールクリアランスの計測をおこなうテールクリアランス計測装置にかかる発明が開示されている。この装置では、超音波距離計に土砂が付着した際に洗浄するための洗浄手段がさらに設けられている。
【0007】
さらに、特許文献4には、スキンプレート内面の複数箇所にそれぞれ所定の向きに距離センサを固設しておき、それぞれのセンサにてセグメント内面およびスキンプレート内面までの距離を測定し、セグメント厚を勘案してテールクリアランスを求める計測装置および計測方法に関する発明が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開平11−294072号公報
【特許文献2】特開平7−208073号公報
【特許文献3】特開平7−173996号公報
【特許文献4】特開平6−180095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1のテールクリアランスの測定装置および測定方法によれば、テールクリアランスの自動計測を迅速かつ高精度におこなうことができる。しかし、計測範囲がエレクタ装置近傍に限定されるため、シールド掘進機の延伸方向後方の任意の計測点(計測対象面内)における自動計測はできない。すなわち、シールド掘進機の掘進に応じて、マシンテール後方の任意のセグメントリングの内空寸法が所定の内空寸法を有しており、真円を保持しているか否かを計測することが施工管理上必要となってくるが、かかる後方のセグメントリングの計測を自動計測することは本測定装置では不可能である。また仮に、このエレクタ装置をシールド掘進機の延伸方向に移動可能に構成したとしても、今度は、セグメントリングの真円保持装置に干渉するといった問題が生じる。また、セグメントを実際に組付けるエレクタ装置にセンサを備えた構成とすることで、セグメントの組付け時にはテールクリアランスの計測が実質的に不可能となり、したがって、上記する工期の長期化の問題を大幅に改善するには至らない。
【0010】
また、特許文献2のトンネル掘進機によれば、掘進機の掘進とテールクリアランスの計測を同時におこなうことができるため、工期を大幅に短縮することができる。しかし、計測範囲がスプレッダ近傍に限定されるため、上記するように、シールド掘進機の掘進に応じて、マシンテール後方の任意のセグメントリングの内空寸法を計測することはできない。かかる課題は、特許文献3のシールド掘進機においても同様である。また、特許文献3のシールド掘進機においては、超音波距離計に付着した土砂をエアや水で洗浄する構成としているが、洗浄不備によって計測不能となった際のメンテナンスの問題が招来されることが否めない。さらに、特許文献4のテールクリアランスの計測装置によれば、特許文献2と同様に掘進機の掘進とテールクリアランスの計測を同時におこなうことができるが、複数のセンサがスキンプレートの任意箇所に固設されているため、やはり、マシンテール後方の任意のセグメントリングの内空寸法を計測することはできない。
【0011】
本発明のシールド掘進機、およびテールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、掘進機の掘進とテールクリアランスまたはセグメントトンネル内空寸法の計測を並行しておこなうことができ、さらには、マシンテール後方の任意のセグメントリングの内空寸法の計測(真円を保持しているか否かの品質確認)も、シールド掘進機の掘進に並行して自動計測することのできるシールド掘進機、およびテールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成すべく、本発明によるシールド掘進機は、シールド掘進機のスキンプレート内部に設けられ、該シールド掘進機の延伸方向に延びる軸部材と、該軸部材の回りを回転可能で、且つ、該軸部材の延伸方向に移動可能な移動装置と、該移動装置に装着された測定装置と、から少なくとも構成されており、移動装置の軸部材回りの回転と、移動装置の延伸方向への移動に応じて、測定装置が、シールド掘進機のスキンプレート内面とセグメントトンネル外面との間のテールクリアランス、および/またはセグメントトンネルの内空寸法を測定可能に構成されていることを特徴とする。
【0013】
ここで、シールド掘進機とは、比較的軟弱な地盤内にセグメントトンネルを構築するシールド工法で使用される掘進機のほかに、切羽が自立可能な岩盤等の硬質地盤内を掘進しながらトンネルを構築するTBM(トンネルボーリングマシン)をも含む意味である。また、シールド掘進機の外郭を構成するスキンプレートは、その断面が円形のほか、矩形(正方形)をも含んでおり、断面円形の場合には、スキンプレート前面に面盤が回転可能に設けられ、断面矩形の場合には、スキンプレート前面に十字状または菱形、ブーメラン状、矩形状などの外郭をカッタスポークにて構成された揺動カッターが設けられている。
【0014】
本発明のシールド掘進機においては、スキンプレートの中央部に掘進機の延伸方向に延びる、例えば環状の軸部材が設けられている。この軸部材には、該軸部材の回りを回転(公転)可能で、且つ、軸部材の延伸方向に移動可能な移動装置が設けられている。この移動装置は、例えば、軸部材表面をローラ駆動できるとともに該軸部材からの落下を防止するための腕部を備えた構成からなる実施例とすることができ、その形態は特に限定するものではない。この移動装置には、適宜の構成の測定装置が装着されている。測定装置は、スキンプレート内面や既設セグメントリングのセグメント内面まで延びるノギスや、非接触式の計測機器などからなる。
【0015】
移動装置の軸部材回りの回転時に測定装置を稼動させることにより、シールドトンネルの軸心の任意点における該軸心に直交する面内における、該軸部材からスキンプレート内面またはセグメント内面までの距離を360度にわたって測定することができる。例えば、エレクタ装置にて組み付けられ、掘削坑内に設置されたセグメントリングの内周壁面までの距離を360度にわたって測定し、それよりも掘進方向前方のスキンプレート内周壁面までの距離を同様に測定することにより、セグメントリングの真円度の自動測定と、スキンプレートの例えば真円度(掘進機が断面円形の場合)の自動測定がおこなわれ、さらには、双方の測定結果の差分からセグメント厚を勘案することにより、セグメントリングとスキンプレート双方の軸心の偏心が考慮された360度にわたるテールクリアランスの自動測定が可能となる。
【0016】
さらに、軸部材の延長を適宜に調整することにより、移動装置が軸部材の延伸方向に沿って移動するで、マシンテール後方に位置する任意のセグメントリングの内空寸法を、掘進機の掘進進歩状況に左右されることなく、また掘進機の掘進と並行して計測することが可能となる。特に、マシンテールが通過した後のセグメントリングの内空寸法は、土圧等の作用によって組付け設置時とは異なることが多分にあることから、マシンが通過した後でも例えばセグメントリングの真円度を計測できることにより、真円度が確保されていない場合には、真円保持装置を該セグメントリングに移動設置させ、内空寸法の修正を早期におこなうことが可能となる。
【0017】
また、本発明によるシールド掘進機の好ましい実施形態において、前記軸部材が、シールド掘進機内部の中心に設けられた作業通路を内部に構成する管部材であることを特徴とする。
【0018】
シールド掘進機のスキンプレート内部には、一般に、作業員の作業通路が確保されており、例えば、断面が円形のシールド掘進機においては、その軸心と同軸の鋼製管部材の内部に作業通路が設けられている。本発明では、シールド掘進機に予め設けられている管部材を利用し、この管部材のまわりに測定装置を備えた移動装置が移動できるように掘進機を構成するものである。なお、マシンテール後方の後続台車に上記する移動装置を取付けることにより、シールド掘進機から非常に離れた既設セグメントリングの内空寸法をも計測することが可能となる。
【0019】
また、本発明によるシールド掘進機の他の実施形態において、前記移動部材が、前記管部材の外周に設けられたリング部材であることを特徴とする。
【0020】
リング部材は、例えば、管部材の外周にベアリングを介して回転可能および該管部材の延伸方向に移動可能な実施例や、管部材の外周にねじ溝を設けておき、リング部材が送りねじ機構のナットに相当するような実施例などを適用することができる。また、リング部材の周方向において、複数の測定装置(例えば90度間隔で4つの測定装置)を装着しておくことにより、リング部材が1回転しなくともスキンプレート内面やセグメントリング内面の360度にわたる測定が可能となり、測定時間の短縮を図ることができる。
【0021】
また、本発明によるシールド掘進機の他の実施形態において、前記移動装置には、軸部材からスキンプレート方向に向かって伸縮自在な伸縮装置が装着されており、該伸縮装置の先端に前記測定装置が装着されていることを特徴とする。
【0022】
伸縮装置の実施形態は特に限定するものではないが、測定装置が非接触式の計測機器などの場合には、可及的に被測定点近傍まで測定装置を移載することにより、測定精度を高めることが可能となる。トンネルが大断面になるにしたがい、その効果はより高くなる。ここで、軸部材からスキンプレート方向に向かって伸縮自在とは、例えば、シールド掘進機が断面円形の場合には、その軸心と同軸の管部材から径方向に伸縮自在であることを意味している。
【0023】
伸縮装置を設ける利点としては、そのほかにも、移動装置の移動に伴い、測定装置が真円保持装置などに干渉することを防止できることである。上記するように、可及的に被測定点近傍または測定点まで測定装置を移載したい場合に、その姿勢で移動装置を管部材の延伸方向に移動させると、測定装置が真円保持装置などと干渉する可能性があり、したがって測定装置(移動装置)の移動が制限されてしまう。そこで、管部材の延伸方向へ移動装置が移動する際には、伸縮装置が管部材方向へ縮むことで真円保持装置等の他の内部機器と測定装置とが干渉することを防止し、所定の位置まで移動装置が移動した際にあらためて伸縮装置が伸長し、その先端に設けられた測定装置が測定点近傍または測定点まで移載できる構成とすることで上記の課題は解消される。
【0024】
また、本発明によるシールド掘進機の他の実施形態において、前記伸縮装置は、前記管部材と同径の円弧を有する複数のアームが、それぞれの端部同士で回動可能に取付けられて構成されていることを特徴とする。
【0025】
本発明は、伸縮装置の一実施形態に関するものである。管部材と同径の任意長さの円弧のアームを複数用意し、各アーム端部同士を回動可能に連結して伸縮装置を構成することにより、該伸縮装置が縮んだ際には、すべてのアームが管部材の外周面に沿って収容されることとなり、移動装置の移動の際に他の機器に該移動装置や測定装置が干渉することはなくなる。
【0026】
また、本発明によるシールド掘進機の他の実施形態において、前記伸縮装置は、X字形に連結した2本のリンクの端部を同じ構成の他のX字形リンクの端部に連結してパンタグラフ状に構成されていることを特徴とする。
【0027】
本発明は、伸縮装置の他の実施形態に関するものである。X字形に連結した2本のリンクの端部を同じ構成の他のX字形リンクの端部に連結してパンタグラフ状に構成することで、その伸縮により、例えばその先端に設けられた測定装置を管部材の径方向に自在に移載することが可能となる。
【0028】
なお、伸縮装置の実施形態は、上記する複数のアームからなる実施形態やパンタグラフ状の実施形態のほかにも、シリンダーからロットが出入りし、ロットの先端に測定装置が装着された実施形態(トンネル断面の規模によっては、シリンダー内部から小径の複数のシリンダーが順次出入りでき、最小径シリンダーの内部からロットが出入りする形態もある)なども適用できる。
【0029】
また、本発明によるシールド掘進機の他の実施形態において、前記測定装置が距離センサからなることを特徴とする。
【0030】
距離センサとしては、例えば、超音波式の距離センサや光波式の距離センサなどを使用できる。なお、いずれの距離センサを使用する場合においても、距離センサと被計測点までの距離が比較的離れていると、超音波や光波が3次元的に広がることにより、所望の測定点までの距離を正確に測定できないという問題が生じ得る。そこで、かかる距離センサを測定装置として適用する場合には、既述する伸縮装置の先端に距離センサを装着し、距離センサにとって最適な被測定点までの離隔となる位置まで距離センサを移載することが望ましい。なお、伸縮装置には、自身の伸長時の長さや管部材の軸心方向に直交する面内における伸長時の角度が算出できるようになっており、センサによる計測値と伸縮装置の伸長時の角度や長さから、スキンプレート内面までの距離やセグメント内面までの距離が算出される。
【0031】
また、本発明によるシールド掘進機の他の実施形態において、前記測定装置が、伸縮装置の先端に設けられたワイヤ巻取り装置とワイヤからなり、伸縮装置をスキンプレート内面またはセグメントの内面に当接させ、該内面から軸部材まで延びたワイヤ長にて距離の測定がおこなわれることを特徴とする。
【0032】
伸縮装置の先端にワイヤ巻取り装置を取付け、所望の被測定点まで伸縮装置を延ばして該ワイヤ巻取り装置をスキンプレート内面等に当接させた姿勢で、ワイヤ巻取り装置からワイヤを管部材まで延ばし、このワイヤ長により内部の計測をおこなうものである。
【0033】
また、本発明によるシールド掘進機の他の実施形態において、前記伸縮装置が前記測定装置であり、伸縮装置をスキンプレート内面またはセグメントの内面に当接させることにより、該内面から軸部材までの距離の測定がおこなわれることを特徴とする。
【0034】
本発明は、伸縮装置自体が測定装置をも兼ねる実施形態に関するものである。例えば、伸縮装置の先端に圧力センサなどが装着されていて、伸縮装置の伸長によってその先端がスキンプレート等の内面に当接したことを圧力センサが検知し、その際の伸縮装置の全長からスキンプレート等の内面までの距離が自動的に算出される実施例などを適用できる。
【0035】
また、本発明によるテールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法は、シールド掘進機のスキンプレート内面とセグメントトンネル外面との間のテールクリアランス、および/またはセグメントトンネルの内空寸法を測定する測定方法であって、前記シールド掘進機内部には、作業通路を内部に構成する管部材の回りを回転可能で、該管部材の延伸方向に移動可能な移動装置と、該移動装置に装着された伸縮装置が設けられており、伸縮装置をスキンプレート内面またはセグメントの内面まで伸長させることによって該内面と管部材との間の距離を測定し、移動装置を管部材の回りに回転させながら距離の測定をおこなうことによって任意の面内における前記内面までの距離の自動測定がおこなわれ、移動装置を管部材の延伸方向に移動させながら、前記任意の面内における前記内面までの距離の測定をおこなうことにより、複数面内における距離の自動測定がおこなわれることを特徴とする。
【0036】
本発明の測定方法は、作業通路を内部に備えた管部材の外周を回転でき、さらに、その延伸方向に移動可能で、既述の伸縮装置を備えた移動装置が設けられてなるシールド掘進機において、スキンプレート等の内面までの距離を測定する測定方法に関する。管部材の延伸方向に直交する任意面内におけるスキンプレート内面までの距離とセグメントリング内面までの距離を、各面まで伸長した伸縮装置によって求め、移動装置が360度回転することによってスキンプレートの内周面までの距離とセグメントリングの内周面までの距離の双方が求められる。スキンプレートの内周面に対するセグメントリングの相対的なずれ(偏心)は、測定原点がともに同軸の管部材であることから容易に求めることができ、さらに、双方の距離の差分とセグメント厚とからテールクリアランスを求めることができる。
【0037】
任意面内の測定が終了したら、伸縮装置を管部材方向へ縮ませ、移動装置が管部材の延伸方向後方、例えば、マシンテール後方の任意の既設セグメントリングまで移動し、再度、伸縮装置が伸長するとともに移動装置が回転することで、セグメントリングの内空寸法を求め、真円度の確認等がおこなわれる。
【0038】
さらに、本発明によるテールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法は、シールド掘進機のスキンプレート内面とセグメントトンネル外面との間のテールクリアランス、および/またはセグメントトンネルの内空寸法を測定する測定方法であって、前記シールド掘進機内部には、作業通路を内部に構成する管部材の回りを回転可能で、該管部材の延伸方向に移動可能な移動装置と、該移動装置に装着された伸縮装置と、該伸縮装置の先端に設けられた距離センサが設けられており、伸縮装置をスキンプレート内面近傍またはセグメントの内面近傍まで伸長させた姿勢で該内面までの距離を距離センサにて測定し、移動装置を管部材の回りに回転させながら距離の測定をおこなうことによって任意の面内における前記内面までの距離の自動測定がおこなわれ、移動装置を管部材の延伸方向に移動させながら、前記任意の面内における前記内面までの距離の測定をおこなうことにより、複数面内における距離の自動測定がおこなわれることを特徴とする。
【0039】
本発明の測定方法は、伸縮装置の先端に既述する距離センサが備えられた測定方法に関する。なお、距離センサの代わりに、既述するワイヤを測定装置として使用することもできる。
【発明の効果】
【0040】
以上の説明から理解できるように、本発明のシールド掘進機、およびテールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法によれば、作業通路を内部に備えた管部材などからなる軸部材の外周を回転し、且つ軸部材の延伸方向に移動する移動装置を設け、測定装置と必要に応じてさらに伸縮装置が該移動装置に備えられたシールド掘進機を使用することで、シールド掘進機の掘進と並行してテールクリアランス等の計測をおこなうことができ、工期の短縮を図ることができる。また、本発明の本発明のシールド掘進機、およびテールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法によれば、マシンテール後方のセグメントリングの内空寸法(例えば真円度)を、シールド掘進機の掘進の進歩状況に関わらず、任意の時点で計測することができるため、いつでもセグメントリングの内空寸法の確認(品質管理)をおこなうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明のシールド掘進機の一実施形態の縦断図であって、本発明の測定方法を説明した図を、図2は、図1のII−II矢視図を、図3aは、図1のIII部の拡大図を、図3bは、図2のIII部の拡大図をそれぞれ示している。図4は、図1に続き、本発明の測定方法を説明した図を、図5は、図4のV−V矢視図を、図6は、図4に続き、本発明の測定方法を説明した図を、図7は、図6のVII−VII矢視図をそれぞれ示している。図8は、図6に続き、本発明の測定方法を説明した図を、図9は、図8のIX−IX矢視図を、図10は、図8に続き、本発明の測定方法を説明した図を、図11は、図10のXI−XI矢視図をそれぞれ示している。図12、13はそれぞれ、本発明のシールド掘進機の他の実施形態の断面図である。なお、図示する実施形態では、リング状の移動装置に1つの伸縮装置が装着されているが、本発明のシールド掘進機の内部構造は、かかる実施形態に限定されるものでないことは勿論のことである。例えば、移動装置はリング状の形態以外であってもよく、移動装置が図示するリング状の場合において、伸縮装置がリング方向に複数個(例えば90度間隔で4つ)設けられている実施形態などであってもよい。さらには、伸縮装置も、図示する実施形態以外に、シリンダーからロットが出入りする形態などであってもよい。
【0042】
図1は、本発明のシールド掘進機の一実施形態を示した縦断図であり、本発明の測定方法を説明する図である。このシールド掘進機1は、円形断面のスキンプレート2の掘進方向前方端に多数のカッタビット31a,31a,…を備えた面盤31が回転可能に装着され、スキンプレート2の内部には、面盤31と対向する隔壁32によってチャンバ33が画成され、このチャンバ33に連通する作泥用の注入管34と排泥管35が掘進機後方へ延設し、さらには、掘進機の軸心と同軸となる作業員の通路用配管4が設けられている。セグメントS,S,…は、エレクタ装置37によってスキンプレート2の内部でリング状に組み付けられ、シールド掘進機1が地盤G内を掘進すると同時に、または掘進の後に掘削坑内に設置されていく。セグメントS,S,…の組付けと同時に、またはその後にテールボイドにマシンテール21から裏込め材aが充填されるが、マシンテール21には、掘進機の周方向に亘るテールブラシ22,22,…が設けられ、土砂や地下水の掘進機内への浸入を防止している。シールド掘進機1は、シールドジャッキ36の伸長によってセグメントSに反力を取りながら、該ジャッキによる推力をスキンプレート2内部のフレーム38から掘進機全体に伝達することで掘進機の掘進がおこなわれる。
【0043】
スキンプレート2の内部(組付けられたセグメントリングの内部)には、セグメントリングの真円度を確保/修正するための真円保持装置5が掘進機の延伸方向に移動可能に設けられている。真円保持装置5は、その上半部材51と下半部材52、上半部材51と下半部材52を繋ぐストロークジャッキ53にて構成されている。図1では、2点鎖線で示された真円保持装置5が組み付けられた直後のセグメントリングの真円度を確保するように移動し(X方向)、セグメントリングの内部においてストロークジャッキ53が伸長することにより(Y方向)、上半部材51と下半部材52がセグメントリングを内側から押圧しながら所定の真円度となるように調整される。
【0044】
通路用配管4の外周には、リング形状で、その内側にローラを備えた移動装置6が装着されており、この移動装置6は、通路用配管4のまわりを回転(公転)できるとともに、通路用配管4の延伸方向(Z方向)に移動できるようになっている。また、移動装置6には、後述する伸縮装置7が設けられている。
【0045】
図2は、図1のシールド掘進機1の内部を正面から見た図である。通路用配管4の外側にエレクタ装置37が配設されており、通路用配管4の外周にリング状の移動装置6が回転/移動可能に装着されている。図2は、伸縮装置7が縮んでいる態様を示しているが、移動装置6が通路用配管4の延伸方向に移動する際には、図示するように伸縮装置7が縮み、移動装置6からほとんど突出しない姿勢を確保できる。したがって、その外周に配設されているエレクタ装置37や図示しない真円保持装置などと移動装置6(伸縮装置7)が干渉することなく、該移動装置6が自在に移動することができる。
【0046】
図3aは、図1のIII部の拡大図を、図3bは、図2のIII部の拡大図をそれぞれ示している。テールボイドTは、スキンプレート2とセグメントSとの間の空間であり、通常は、このテールボイドTが周方向にわたって同程度の幅(スキンプレート2〜セグメントSまでの距離)となるように施工がおこなわれる。しかし、地盤内を掘進機が掘進しながらセグメントリングが組み付けられることから、スキンプレート2の軸心とセグメントリングの軸心にはずれ(偏心)が生じ易く、したがって、テールボイドの幅もその周方向にわたって変化する。かかる偏心は、早期に是正することで計画縦断線に沿ったシールドトンネルの構築が実現できる。
【0047】
図4は、図1に続く測定方法を示した図である。移動装置6の外周面に縮んだ姿勢で収容されていた伸縮装置7が伸長し、その先端に装着された距離センサ81によってスキンプレート2の内面までの距離を測定している。距離センサ81は、超音波式の距離センサや光波式の距離センサなどを使用することができる。図示するようにスキンプレート2の内面に向かって照射したレーザーの反射光を読取って距離センサ81からスキンプレート2内面までの距離を測定する。伸縮装置7は、その伸長時の長さを自動測定できるようになっており、かかる伸縮装置7の長さと距離センサ81による測定結果を図示しない掘進機内部のコンピュータに送り、双方の和を求めて掘進機の軸心からの距離を求めることができる。
【0048】
図5は、図4における移動装置6および伸縮装置7を構成するアーム71,71等を正面から見た図である。伸縮装置7は、通路用配管4と略同径の円弧を有する2本のアーム71,71がそれぞれの端部で回動自在に取り付けられて構成されており、一方のアーム71の端部は移動装置6に回動自在に取り付けられ、他方のアーム71の端部には距離センサ81が装着されている。距離センサ81がスキンプレート2の内面と所定の離隔となるまでアーム71,71が伸長し(X方向)、距離センサ81によりスキンプレート2の内面までの距離が求められる(Y方向)。アーム71,71が図示する姿勢を保持した状態で、移動装置6が通路用配管4の外周を一回転する際に(Z方向)、該距離センサ81によるセンシングも継続して行われることで、スキンプレート2の360度にわたる距離、すなわち真円度が測定される。
【0049】
スキンプレート2の真円度を測定した後、図6に示すように移動装置6が組付けられたセグメントリングまで後方に移動する(Y方向)。ここで、図6,7に示すように、セグメントSの内面までの距離を距離センサ81にて読取り(図6,7のX方向)、移動装置6を通路用配管4の外周で回転させながら(図7のY方向)、距離センサ81によるセンシングをおこなう。この段階で、スキンプレート2の内面までの360度にわたる距離と、セグメントリングの内面までの360度にわたる距離の双方が求められていることから、双方の差分からセグメント厚をさらに差し引くことにより、周方向にわたるテールクリアランスTが算出される。また、シールド掘進機1の軸心(スキンプレート2の軸心)とセグメントリングの軸心のずれ(偏心)の有無やその程度も同時に確認することができる。早期にかかる偏心状況が把握されることで、組付けられたセグメントリングの修正やセグメントの組付け方法の調整などをおこなうことが可能となる。
【0050】
図8は、マシンテール後方の任意のセグメントリングに移動装置6が移動している状況を示した図である(X方向)。図9は、図8の内部を正面から見た図であるが、移動装置6の移動の際には、予めアーム71,71が移動装置6側に縮むことで移動装置6の外周に収容される。したがって、移動装置6の移動の際には、その外周に配設された真円保持装置5等に伸縮装置7が干渉する危険性はなく、移動装置6は自在に通路用配管4の延伸方向に移動することができる。なお、図9は、真円保持装置5を正面から見ているが、略コの字状の上半部材51および下半部材52のそれぞれの端部が、ストロークジャッキ53,53にて繋がり、該ジャッキが上下に伸長することにより(X方向)、セグメントリングをその内部から径方向外側へ押圧することにより、真円の保持を図ることができる。
【0051】
図10は、マシンテール後方の任意のセグメントリング位置まで移動装置6が移動し、既述するようにアーム71,71が伸長し、距離センサ81にてセグメントSの内面までの距離を求めている状況を示している(X方向)。図11は、移動装置6を通路用配管4の外周で回転させ(Y方向)、距離センサ81によるセンシングをおこないながらセグメントリングの真円度を測定している状況を示している。このセグメントリングの位置は、図10からも明らかなように、その外周に裏込め材aが充填硬化され、外周地盤からの土圧が作用している部分である。シールド掘進機1の掘進進歩状況とは関係なく、任意の時点でかかる後方のセグメントリングの真円度を自動計測することにより、真円度が歪んでいる場合には、真円保持装置を該セグメントリングまで移動させ、該真円保持装置にて真円度の修正をおこなうことができる。
【0052】
図12は、測定手段の他の実施形態を示した図である。伸縮装置は、既述する2つのアーム71,71から構成されているが、その端部には、ワイヤ83を巻取るための巻取り装置82が装着されている。ワイヤ83は、その一端が移動装置6に取り付けられており、伸縮装置の伸長によって該巻取り装置82がスキンプレート2(またはセグメントS)の内面に当接した際に、ワイヤ83を巻取って緊張させ、その長さを測定することができる。移動装置を通路用配管4の外周で回転(X方向)させながら、巻取り装置82が内面に当接するようにアーム71,71の伸長具合を調整し、随時、緊張したワイヤ83の長さを測定することにより周方向にわたる距離の測定がおこなわれる。
【0053】
図13は、測定手段のさらに他の実施形態を示した図である。図示する実施形態では、伸縮装置が、X字形に連結した2本のリンク72,72の端部を同じ構成の他のX字形リンク72,72の端部に連結してパンタグラフ状に構成されている。このパンタグラフ状の伸縮装置の端部には既述する距離センサ81が装着されている。この複数のリンク72,72,…を伸長させることにより、距離センサ81をスキンプレート2の内面から所定の離隔位置まで移載することができる。この姿勢で移動装置6を通路用配管4の外周に亘って一回転することで(Y方向)、スキンプレート内面までの距離の測定や真円度の確認をおこなうことができる。また、移動装置6が通路用配管の延伸方向へ移動する際には、このパンタグラフ状の伸縮装置を縮めることで真円保持装置等と伸縮装置とが干渉することなく、移動装置6の自在な移動が可能となる。
【0054】
なお、図示を省略するが、図13の実施形態において、パンタグラフ状の伸縮装置の先端にワイヤ巻取り装置を装着し、ワイヤ長にて距離の測定をおこなうこともできる。また、複数のアームから構成される伸縮装置、パンタグラフ状の伸縮装置のいずれの実施形態においても、伸縮装置を伸長させてその先端をスキンプレートの内面またはセグメントの内面に当接させ、該伸縮装置の長さを自動測定することで距離の測定をおこなうこともできる。なお、この際には、伸縮装置の先端に圧力センサを設けておくこともできる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。図示する移動装置を作業通路の後方から坑内へ移動する適宜の台車に回転可能に設置することにより、坑口から延びるセグメントトンネルを構成する任意のセグメントリングの真円度を確認または測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のシールド掘進機の一実施形態の縦断図であって、本発明の測定方法を説明した図。
【図2】図1のII−II矢視図。
【図3】(a)は、図1のIII部の拡大図であり、(b)は、図2のIII部の拡大図。
【図4】図1に続き、本発明の測定方法を説明した図。
【図5】図4のV−V矢視図。
【図6】図4に続き、本発明の測定方法を説明した図。
【図7】図6のVII−VII矢視図。
【図8】図6に続き、本発明の測定方法を説明した図。
【図9】図8のIX−IX矢視図。
【図10】図8に続き、本発明の測定方法を説明した図。
【図11】図10のXI−XI矢視図。
【図12】本発明のシールド掘進機の他の実施形態を示した断面図。
【図13】本発明のシールド掘進機のさらに他の実施形態を示した断面図。
【符号の説明】
【0057】
1…シールド掘進機、2…スキンプレート、21…マシンテール、22…テールブラシ31…面盤、31a…カッタビット、32…隔壁、33…チャンバ、34…注入管、35…排泥管、36…シールドジャッキ、37…エレクタ装置、38…フレーム、4…通路用配管、5…真円保持装置、51…上半部材、52…下半部材、53…ストロークジャッキ、6…移動装置、7…伸縮装置、71…アーム、72…リンク、81…距離センサ、82…巻取り装置、83…ワイヤ、S…セグメント、T…テールクリアランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド掘進機のスキンプレート内部に設けられ、該シールド掘進機の延伸方向に延びる軸部材と、該軸部材の回りを回転可能で、且つ、該軸部材の延伸方向に移動可能な移動装置と、該移動装置に装着された測定装置と、から少なくとも構成されており、移動装置の軸部材回りの回転と、移動装置の延伸方向への移動に応じて、測定装置が、シールド掘進機のスキンプレート内面とセグメントトンネル外面との間のテールクリアランス、および/またはセグメントトンネルの内空寸法を測定可能に構成されていることを特徴とするシールド掘進機。
【請求項2】
前記軸部材が、シールド掘進機内部の中心に設けられた作業通路を内部に構成する管部材であることを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機。
【請求項3】
前記移動部材が、前記管部材の外周に設けられたリング部材であることを特徴とする請求項2に記載のシールド掘進機。
【請求項4】
前記移動装置には、軸部材からスキンプレート方向に向かって伸縮自在な伸縮装置が装着されており、該伸縮装置の先端に前記測定装置が装着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシールド掘進機。
【請求項5】
前記伸縮装置は、前記管部材と同径の円弧を有する複数のアームが、それぞれの端部同士で回動可能に取付けられて構成されていることを特徴とする請求項4に記載のシールド掘進機。
【請求項6】
前記伸縮装置は、X字形に連結した2本のリンクの端部を同じ構成の他のX字形リンクの端部に連結してパンタグラフ状に構成されていることを特徴とする請求項4に記載のシールド掘進機。
【請求項7】
前記測定装置が距離センサからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシールド掘進機。
【請求項8】
前記測定装置が、伸縮装置の先端に設けられたワイヤ巻取り装置とワイヤからなり、伸縮装置をスキンプレート内面またはセグメントの内面に当接させ、該内面から軸部材まで延びたワイヤ長にて距離の測定がおこなわれることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のシールド掘進機。
【請求項9】
前記伸縮装置が前記測定装置であり、伸縮装置をスキンプレートの内面またはセグメントの内面に当接させることにより、該内面から軸部材までの距離の測定がおこなわれることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のシールド掘進機。
【請求項10】
シールド掘進機のスキンプレート内面とセグメントトンネル外面との間のテールクリアランス、および/またはセグメントトンネルの内空寸法を測定する測定方法であって、
前記シールド掘進機内部には、作業通路を内部に構成する管部材の回りを回転可能で、該管部材の延伸方向に移動可能な移動装置と、該移動装置に装着された伸縮装置が設けられており、伸縮装置をスキンプレート内面またはセグメントの内面まで伸長させることによって該内面と管部材との間の距離を測定し、移動装置を管部材の回りに回転させながら距離の測定をおこなうことによって任意の面内における前記内面までの距離の自動測定がおこなわれ、移動装置を管部材の延伸方向に移動させながら、前記任意の面内における前記内面までの距離の測定をおこなうことにより、複数面内における距離の自動測定がおこなわれることを特徴とする、テールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法。
【請求項11】
シールド掘進機のスキンプレート内面とセグメントトンネル外面との間のテールクリアランス、および/またはセグメントトンネルの内空寸法を測定する測定方法であって、
前記シールド掘進機内部には、作業通路を内部に構成する管部材の回りを回転可能で、該管部材の延伸方向に移動可能な移動装置と、該移動装置に装着された伸縮装置と、該伸縮装置の先端に設けられた距離センサが設けられており、伸縮装置をスキンプレート内面近傍またはセグメントの内面近傍まで伸長させた姿勢で該内面までの距離を距離センサにて測定し、移動装置を管部材の回りに回転させながら距離の測定をおこなうことによって任意の面内における前記内面までの距離の自動測定がおこなわれ、移動装置を管部材の延伸方向に移動させながら、前記任意の面内における前記内面までの距離の測定をおこなうことにより、複数面内における距離の自動測定がおこなわれることを特徴とする、テールクリアランスおよび/またはセグメントトンネル内空寸法の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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