説明

シールド電線接続構造及びシールド電線接続方法

【課題】作業者の熟練度に関係なく、シールド電線のシールドコネクタへの接続部でインピーダンスが不安定になることを防止することができ、しかも、シールドコネクタへ接続する際の作業効率を向上させることもできるシールド電線接続構造を提供すること。
【解決手段】シールドコネクタ111の接続端子113への接続のために複数の被覆電線103が剥き出しにされた遮蔽層除去部131と、該遮蔽層除去部131に隣接する電磁遮蔽層105の端部と遮蔽層除去部131の上に被嵌装着されて、熱収縮により複数の被覆電線103を結束する導電性熱収縮チューブ141と、を備えたシールド電線接続構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の被覆電線の外周を覆う電磁遮蔽層が前記複数の被覆電線の外周に螺旋巻きされた導電性テープにより形成されたシールド電線を、シールドコネクタの接続端子に接続するシールド電線接続構造、及びシールド電線接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、屈曲性に優れると共に、耐ノイズ性に優れ、車載の電子機器等への配線に適したシールド電線として、電磁遮蔽層(シールド層)が被覆電線の外周に螺旋巻きされた導電性テープにより形成されるタイプのものが提案されている。図6は、このようなタイプのシールド電線の概略構成を示す斜視図である。
【0003】
図6に示したシールド電線101は、複数の被覆電線103と、これらの複数の被覆電線103の外周を覆う電磁遮蔽層105と、この電磁遮蔽層105の外周を覆う導電性金属製の編組106と、この編組106の外周を覆う絶縁外被107と、を備える。前記電磁遮蔽層105は、複数の被覆電線103の外周に螺旋巻きされた導電性テープ(金属箔テープ)108により形成されている。電磁遮蔽層105は、編組106を介して接地されてアース線としても機能する。
【0004】
このシールド電線101は、各被覆電線103の被覆103aの材質や厚みtの選定と、複数の被覆電線103相互を所定の密着状態に維持する導電性テープ108の締め付け力とによって、被覆電線103相互間に規定の離間距離L1を確保して、伝送性能に密接なインピーダンスを所定値に設定している。
【0005】
次に、上記シールド電線101を、シールドコネクタの接続端子に接続する従来の接続方法を説明する。
【0006】
上記シールド電線101は、まず、シールドコネクタに接続する端部の絶縁外被107を所定長に渡って剥ぐ。更に、端部の導電性テープ108の巻き付けを解いて、図6に示すように、各被覆電線103の結束を解いた状態にする。
【0007】
次いで、図7(a)に示すように、電磁遮蔽層105から剥き出しにされた複数の被覆電線103の端部に、シールドコネクタの接続端子113を接続する。次いで、被覆電線103に接続された端子を、図7(b)に示すように、シールドコネクタにおける絶縁樹脂製のインナーハウジング114に収容する。なお、図示例のシールドコネクタの場合、図7(b)に示すように、インナーハウジング114には、インナーハウジング114に収容された接続端子113の前端部を位置決めするフロントホルダー115が取り付けられる。
【0008】
次いで、結束が解かれている状態の外周に、図7(c)に示すように、巻き解いていた導電性テープ108を螺旋巻きに巻き戻して、複数の被覆電線103の外周に電磁遮蔽層105を再形成すると共に、インナーハウジング114の直近の位置には、緩み止め用の粘着テープ121を巻き付ける。
【0009】
次いで、図7(d)に示すように、インナーハウジング114の外周に、不図示の金属製のシールドシェルと樹脂製のアウターハウジング123を組み付けると、シールドコネクタ111の組み立てが完了し、同時に、シールド電線101のシールドコネクタ111への接続が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−194084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、図7(c)に示したように、一度巻き解いた導電性テープ108を、複数の被覆電線103の外周に巻き戻して電磁遮蔽層105を再形成する作業は、多大な手間がかかり、作業効率を低下させるという問題があった。
【0012】
また、導電性テープ108を巻き戻す際に、作業者の熟練度によって、導電性テープ108による締め付けが変わってしまう。その結果、隣接する被覆電線103相互の間隔等にばらつきが生じて、シールド電線101のシールドコネクタへの接続部でインピーダンスが不安定になり、本来の伝送性能が得られなくなるおそれがあった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、複数の被覆電線の外周を覆う電磁遮蔽層が前記複数の被覆電線の外周に螺旋巻きされた導電性テープにより形成されたシールド電線を、シールドコネクタの接続端子に接続する際に、作業者の熟練度に関係なく、シールド電線のシールドコネクタへの接続部でインピーダンスが不安定になることを防止することができ、しかも、シールドコネクタへ接続する際の作業効率を向上させることができるシールド電線接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1)複数の被覆電線と、これらの複数の被覆電線の外周に螺旋巻きされた導電性テープにより形成される電磁遮蔽層と、この電磁遮蔽層の外周を覆う絶縁外被と、を備えるシールド電線を、シールドコネクタの接続端子に接続するシールド電線接続構造であって、
前記接続端子への接続のために前記電磁遮蔽層が所定長に渡って切除されて前記複数の被覆電線が前記電磁遮蔽層から剥き出しにされた遮蔽層除去部と、該遮蔽層除去部に隣接する電磁遮蔽層の端部と前記遮蔽層除去部の上に被嵌装着されて、熱収縮により前記複数の被覆電線を結束する導電性熱収縮チューブと、を備えたことを特徴とするシールド電線接続構造。
【0015】
(2)前記導電性熱収縮チューブは、加熱により熱収縮する樹脂チューブの内周面に、導電体層を備えたことを特徴とする上記(1)に記載のシールド電線接続構造。
【0016】
(3)前記導電性熱収縮チューブは、加熱により熱収縮する樹脂チューブの材料中にカーボンを含有させて導電性を付与したものであることを特徴とする上記(1)に記載のシールド電線接続構造。
【0017】
(4)複数の被覆電線と、これらの複数の被覆電線の外周に螺旋巻きされた導電性テープにより形成される電磁遮蔽層と、この電磁遮蔽層の外周を覆う絶縁外被と、を備えるシールド電線を、シールドコネクタの接続端子に接続するシールド電線接続方法であって、
前記接続端子への接続のために前記電磁遮蔽層を所定長に渡って切除して前記複数の被覆電線が前記電磁遮蔽層から剥き出しにされた遮蔽層除去部を形成する遮蔽層除去工程と、
前記電磁遮蔽層から剥き出しにされた複数の被覆電線の端部にシールドコネクタの接続端子を接続する端子接続工程と、
加熱により熱収縮する樹脂チューブの内周面に導電体層を備えた導電性熱収縮チューブを、前記遮蔽層除去部に隣接する電磁遮蔽層の端部と前記遮蔽層除去部の上に被嵌装着させた後、該導電性熱収縮チューブを熱収縮させて、前記遮蔽層除去部の複数の被覆電線を結束状態にするチューブ装着工程と、
を備えたことを特徴とするシールド電線接続方法。
【0018】
上記(1)の構成によれば、シールドコネクタの接続端子への接続のために電磁遮蔽層から剥き出しにされた遮蔽層除去部の各被覆電線は、導電性熱収縮チューブを熱収縮させることで、結束状態に戻すことができる。そして、導電性熱収縮チューブを熱収縮させる際の加熱温度及び加熱時間を適正値に設定しておけば、作業者の熟練度に関係なく、遮蔽層除去部を正規の電磁遮蔽層内と同様の結束状態(締め付け状態)に成形することができる。また、導電性熱収縮チューブを備えるため、遮蔽層除去部の周囲に、正規の電磁遮蔽層と同様の電磁遮蔽性能(シールド性能)を、確保することもできる。即ち、遮蔽層除去部を包む導電性熱収縮チューブが、正規の電磁遮蔽層と同等の機能を果たす。
【0019】
従って、作業者の熟練度に関係なく、シールド電線のシールドコネクタへの接続部でインピーダンスが不安定になることを防止することができる。
【0020】
更に、導電性熱収縮チューブを遮蔽層除去部に装着する作業は、導電性テープを被覆電線の外周に螺旋巻きに巻き戻して電磁遮蔽層を再形成する作業と比較して、手間が大幅に削減されるため、シールドコネクタへ接続する際の作業効率を向上させることもできる。
【0021】
上記(2)、(3)の構成によれば、簡単な構成で導電性熱収縮チューブを提供することができる。
【0022】
上記(4)の構成によれば、上記(1)、(2)、(3)に記載のシールド電線接続構造を、確実に形成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるシールド電線接続構造によれば、遮蔽層除去部を包む導電性熱収縮チューブが、正規の電磁遮蔽層と同等の機能を果たす。そのため、作業者の熟練度に関係なく、シールド電線のシールドコネクタへの接続部でインピーダンスが不安定になることを防止することができる。
【0024】
更に、導電性熱収縮チューブを遮蔽層除去部に装着する作業は、導電性テープを被覆電線の外周に螺旋巻きに巻き戻して電磁遮蔽層を再形成する作業と比較して、手間が大幅に削減されるため、シールドコネクタへ接続する際の作業効率を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るシールド電線接続構造で図6のシールド電線が接続されたシールドコネクタの一実施形態の斜視図である。
【図2】図1に示したシールドコネクタの分解斜視図である。
【図3】図1に示したシールドコネクタにシールド電線を接続する際のシールド電線接続方法の説明図である。
【図4】図3に示したシールド電線接続方法で使用する導電性熱収縮チューブの斜視図である。
【図5】図4に示した導電性熱収縮チューブを熱収縮させる加熱装置の斜視図である。
【図6】本発明に係るシールド電線接続構でシールドコネクタに接続されるシールド電線の斜視図である。
【図7】図6に示したシールド電線をシールドコネクタに接続する従来のシールド電線接続方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るシールド電線接続構造、及びシールド電線接続方法の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明に係るシールド電線接続構造で図6のシールド電線101が接続されたシールドコネクタ111の一実施形態の斜視図である。
【0028】
シールド電線101は、図6に示すように、複数の被覆電線103と、これらの複数の被覆電線103の外周を覆う電磁遮蔽層105と、この電磁遮蔽層105の外周を覆う導電性金属製の編組106と、この編組106の外周を覆う絶縁外被107と、を備える。前記電磁遮蔽層105は、複数の被覆電線103の外周に螺旋巻きされた導電性テープ(金属箔テープ)108により形成されている。電磁遮蔽層105は、編組106を介して接地されてアース線としても機能する。
【0029】
シールドコネクタ111は、図2に示すように、被覆電線103の導体が圧着接続される複数の金属板製の接続端子113と、複数の接続端子113を収容する絶縁樹脂製のインナーハウジング114と、このインナーハウジング114の前端部に嵌合装着されてインナーハウジング114内の接続端子113の前端部を位置決めする絶縁樹脂製のフロントホルダー115と、インナーハウジング114の前端側外周に嵌合装着される角筒状の前部シールドシェル116と、インナーハウジング114の後端側外周に嵌合装着される後部シールドシェル117と、前部シールドシェル116及び後部シールドシェル117を収容してコネクタの外観を提供する絶縁樹脂製のアウターハウジング123と、を備えている。
【0030】
次に、図6に示したシールド電線101を、図2に示したシールドコネクタ111に接続するシールド電線接続方法について説明する。
【0031】
上記シールド電線101は、まず、シールドコネクタ111に接続する端部の絶縁外被107を所定長に渡って剥がされる。
【0032】
次いで、以下に説明する遮蔽層除去工程、端子接続工程、インナーハウジング組み付け工程、チューブ装着工程、コネクタ最終組み立て工程の各工程が、順に実施される。
【0033】
遮蔽層除去工程では、絶縁外被107及び編組106を剥いだシールド電線101の端部の導電性テープ108の巻き付けを解いて、図6に示すように、各被覆電線103の結束を解いた状態にする。このとき、図6に示すように、絶縁外被107の端部から適宜距離L2だけ、導電性テープ108の巻き付けによる電磁遮蔽層105が残るように、導電性テープ108の所定長の巻き付けを解く。この遮蔽層除去工程によって、図3(a)に示すように、電磁遮蔽層105の端部から所定長L3に渡って複数の被覆電線103が剥き出しにされた遮蔽層除去部131が形成される。
【0034】
端子接続工程では、図3(a)に示すように、電磁遮蔽層105から剥き出しにされた複数の被覆電線103の端部に、図2の接続端子113を圧着接続する。
【0035】
インナーハウジング組み付け工程は、被覆電線103に接続された接続端子113を、図3(b)に示すように、図2のインナーハウジング114に収容する工程である。また、この工程では、インナーハウジング114の前端部に図2のフロントホルダー115を装着して、インナーハウジング114内の接続端子113を固定する。
【0036】
チューブ装着工程は、図4に示す導電性熱収縮チューブ141を、前記遮蔽層除去部131に隣接する電磁遮蔽層105の端部と前記遮蔽層除去部131の上に被嵌装着させた後、該導電性熱収縮チューブ141を熱収縮させて、前記遮蔽層除去部131の複数の被覆電線103を結束状態にする
【0037】
導電性熱収縮チューブ141は、加熱により熱収縮する樹脂チューブ142の内周面に導電体層143を備えた構成である。導電体層143は、例えば、樹脂チューブ142の内周面に貼付された導電性布等で形成される。
【0038】
導電性熱収縮チューブ141の加熱は、図5に示す加熱装置151により行う。加熱装置151は、図3(c)に示したインナーハウジング114及びシールド電線101を位置決めする載置台152と、この載置台152に載置されたシールド電線101上の導電性熱収縮チューブ141を加熱する加熱器153とを備えている。
【0039】
載置台152は、インナーハウジング114を位置決めするハウジング固定治具155と、シールド電線101を位置決めする電線固定治具156とを備えている。
【0040】
加熱器153は、載置台152の一端側に、ヒンジ157により開閉可能に連結されている。図5は開いた状態である。載置台152は、閉じたときに載置台152の上に重ねる面に、加熱用の電熱線158を配置した構成である。
【0041】
導電性熱収縮チューブ141は、例えば、日本ジッパーチュービング株式会社製熱収縮シールドチューブ、SSチューブSS−6を用いた場合、加熱器153により、80℃で5秒間加熱されることで、所定の収縮を果たし、収容している複数本の被覆電線103を適正な締め付け状態にする。ここに、適正な締め付け状態とは、シールド電線101の絶縁外被107の内側の電磁遮蔽層105と同等の締め付け力で、複数の被覆電線103を締め付けた状態である。
【0042】
コネクタ最終組み立て工程は、図3(c)に示したインナーハウジング114及び導電性熱収縮チューブ141の外周に、図2に示した前部シールドシェル116及び後部シールドシェル117を組み付け、更にこれらのシェル116,117の外側にアウターハウジング123を組み付けて、図3(d)に示すように、シールドコネクタ111の組み立てを完了させる工程である。
【0043】
以上に説明した一実施形態のシールド電線接続方法では、シールド電線101のシールドコネクタ111への接続部は、図3(c)に示すように、複数の被覆電線103が電磁遮蔽層105から剥き出しにされた遮蔽層除去部131と、該遮蔽層除去部131に隣接する電磁遮蔽層105の端部と遮蔽層除去部131の上に被嵌装着されて、熱収縮により複数の被覆電線103を結束する導電性熱収縮チューブ141と、を備えた接続構造になる。
【0044】
このようなシールド電線接続構造では、電磁遮蔽層105から剥き出しにされた遮蔽層除去部131の各被覆電線103は、導電性熱収縮チューブ141を熱収縮させることで、結束状態に戻すことができる。そして、導電性熱収縮チューブ141を熱収縮させる際の加熱温度及び加熱時間を適正値に設定しておけば、作業者の熟練度に関係なく、遮蔽層除去部131を正規の電磁遮蔽層105内と同様の結束状態(締め付け状態)に成形することができる。また、導電性熱収縮チューブ141は内周面に導電体層143を備えるため、遮蔽層除去部131の周囲に、正規の電磁遮蔽層105と同様の電磁遮蔽性能(シールド性能)を、確保することもできる。即ち、遮蔽層除去部131を包む導電性熱収縮チューブ141が、正規の電磁遮蔽層105と同等の機能を果たす。
【0045】
従って、作業者の熟練度に関係なく、シールド電線101のシールドコネクタ111への接続部でインピーダンスが不安定になることを防止することができる。
【0046】
更に、導電性熱収縮チューブ141を遮蔽層除去部131に装着する作業は、導電性テープ108を被覆電線103の外周に螺旋巻きに巻き戻して電磁遮蔽層105を再形成する作業と比較して、手間が大幅に削減されるため、シールドコネクタ111へ接続する際の作業効率を向上させることもできる。
【0047】
なお、本発明のシールド電線接続構造及びシールド電線接続方法は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。また、前述した実施形態において例示したシールド電線における被覆電線の数量、遮蔽層除去部及び導電性熱収縮チューブの寸法等は、本発明の目的を達成できるものであれば、任意であり、前述した各実施形態に限定されない。
【0048】
例えば、導電性熱収縮チューブとしては、熱収縮チューブの材料中にカーボンを含有させて導電性を付与したものであってもよい。
【符号の説明】
【0049】
101 シールド電線
103 被覆電線
105 電磁遮蔽層
106 編組
107 絶縁外被
108 導電性テープ
111 シールドコネクタ
113 接続端子
114 インナーハウジング
131 遮蔽層除去部
141 導電性熱収縮チューブ
142 樹脂チューブ
143 導電体層
151 加熱装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被覆電線と、これらの複数の被覆電線の外周に螺旋巻きされた導電性テープにより形成される電磁遮蔽層と、この電磁遮蔽層の外周を覆う絶縁外被と、を備えるシールド電線を、シールドコネクタの接続端子に接続するシールド電線接続構造であって、
前記接続端子への接続のために前記電磁遮蔽層が所定長に渡って切除されて前記複数の被覆電線が前記電磁遮蔽層から剥き出しにされた遮蔽層除去部と、該遮蔽層除去部に隣接する電磁遮蔽層の端部と前記遮蔽層除去部の上に被嵌装着されて、熱収縮により前記複数の被覆電線を結束する導電性熱収縮チューブと、を備えたことを特徴とするシールド電線接続構造。
【請求項2】
前記導電性熱収縮チューブは、加熱により熱収縮する樹脂チューブの内周面に、導電体層を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシールド電線接続構造。
【請求項3】
前記導電性熱収縮チューブは、加熱により熱収縮する樹脂チューブの材料中にカーボンを含有させて導電性を付与したものであることを特徴とする請求項1に記載のシールド電線接続構造。
【請求項4】
複数の被覆電線と、これらの複数の被覆電線の外周に螺旋巻きされた導電性テープにより形成される電磁遮蔽層と、この電磁遮蔽層の外周を覆う絶縁外被と、を備えるシールド電線を、シールドコネクタの接続端子に接続するシールド電線接続方法であって、
前記接続端子への接続のために前記電磁遮蔽層を所定長に渡って切除して前記複数の被覆電線が前記電磁遮蔽層から剥き出しにされた遮蔽層除去部を形成する遮蔽層除去工程と、
前記電磁遮蔽層から剥き出しにされた複数の被覆電線の端部にシールドコネクタの接続端子を接続する端子接続工程と、
加熱により熱収縮する樹脂チューブの内周面に導電体層を備えた導電性熱収縮チューブを、前記遮蔽層除去部に隣接する電磁遮蔽層の端部と前記遮蔽層除去部の上に被嵌装着させた後、該導電性熱収縮チューブを熱収縮させて、前記遮蔽層除去部の複数の被覆電線を結束状態にするチューブ装着工程と、
を備えたことを特徴とするシールド電線接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−15060(P2012−15060A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153085(P2010−153085)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】