説明

シール保持体装置及びシール保持体装置を備えた力伝達装置

【課題】特に1つの部材の異なる位置に配置された複数のシール装置の位置固定が、できるだけ小さな手間で実現され得るようにする。
【解決手段】シール保持体装置(1)が、半径方向及び/又は軸方向でシール装置(9,10)を位置固定するための少なくとも1つの当接面(22,23)、前記構成部材(4)に結合するための少なくとも1つの第1の機能面(70,71)及びスラスト滑り軸受け面又はラジアル滑り軸受け面を形成するための少なくとも1つの第2の機能面(28)を有しているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2つの圧力室を力伝達装置に対してシールするための、1構成部材と少なくとも1つの接続部材との間の少なくとも1つのシール装置を位置固定するためのシール保持体装置に関する。更に本発明は、駆動機械と伝動装置入力軸との間を接続するための力伝達装置であって、伝動装置入力軸と相対回動不能に結合されたハブを備えており、該ハブが、別の2つの接続部材と共に2つの圧力室の形成に関与しており、ハブと各接続部材との間にそれぞれシール装置が設けられている形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
流体力学的なコンポーネントと、この流体力学的なコンポーネントを介した出力伝達の迂回に役立つ切換可能な結合装置とを含む、駆動機械と伝動装置との間で出力を伝達するための力伝達装置では、一般に異なる圧力室が設けられている。この場合、流体力学的なコンポーネントにおける作動媒体ガイドに基づき、対応する接続部を備えた2つの圧力室のみが設けられており、しかも、前記接続部を介して作動媒体ガイドも制御可能である。この場合、第1の圧力室は、流体力学的なコンポーネントの作業室により形成されるのに対して、第2の圧力室は、ケーシングと流体力学的なコンポーネントとの間の内室により形成される。付加的に、作動装置、特に切換可能な結合装置のピストン部材を負荷するための別個の圧力室が設けられている場合は、前記の切換可能な結合装置も対応する接続部を介して制御可能である。この場合は、圧力室相互を適宜シールすることが必要とされており、しかも、シール装置の負荷は、できるだけ小さく保持されるのが望ましい。この場合、個々のシール装置は一般に、圧力室を制限する部材に設けられた対応する溝に嵌め込まれる。このことは、力伝達装置の構成、特に個別部材相互の配置形式、個々の圧力室並びに場合によってはその接続部の構成に応じて、個々のシール装置のために設けられた溝に関して極めて手間のかかる構成を生ぜしめ、しかも、前記溝は使用しようとするシール装置に適合されている。円盤形の部材に溝を形成することは、これらの溝の最小厚さを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って本発明の課題は、冒頭で述べた形式の力伝達装置を改良して、シール装置、特に1つの部材の異なる位置に配置された複数のシール装置の位置固定が、できるだけ小さな手間で実現され得るようにすることである。更に、シール装置のための支持面に関する構造上及び製作技術上の手間をできるだけ小さく保持する、即ち、具体的なシール装置タイプに関する個々の構成部材の変更ができるだけ不要であるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するために本発明では、シール保持体装置が、半径方向及び/又は軸方向でシール装置を位置固定するための少なくとも1つの当接面、前記構成部材に結合するための少なくとも1つの第1の機能面及びスラスト滑り軸受け面又はラジアル滑り軸受け面を形成するための少なくとも1つの第2の機能面を有しているようにした。
【0005】
更に本発明では、ハブと接続部材との間の個々のシール装置が、その位置を、シール保持体装置によりハブ及び接続部材に対して軸方向及び/又は半径方向で位置固定され、シール保持体装置がハブに配置されているようにした。
【0006】
有利な構成は従属請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、力伝達装置に設けられた2つの圧力室を相互にシールするための、1構成部材と少なくとも1つの接続部材との間の少なくとも1つ、有利には複数のシール装置を位置固定するために、シール保持体装置が設けられており、このシール保持体装置は、個々のシール装置を位置固定するための少なくとも1つの当接面と、当該のシール保持体装置を構成部材に結合するため、特に位置固定し且つ固定するための少なくとも1つの第1の機能面とを有している。特に有利な構成では、少なくとも1つの別の第2の機能面が設けられており、この第2の機能面は、滑り軸受け、特にスラスト滑り軸受け及び/又はラジアル滑り軸受けの機能を引き受ける。
【0008】
本発明に基づく構成により、一方では1構成部材に何れにしろ設けようとするシール装置を、さもなければ支持用に必要とされる溝無しで当該の構成部材に配置することが可能であり、この場合、使用されるシール装置の形式及びシール保持体装置の当接面により規定される、力伝達装置の各構成部材における個々のシール装置の寸法決めに際するパラメータに関して独立性が与えられている。有利には第2の機能面がスラスト軸受け装置において使用されると、付加的なスラスト軸受けを省くことができ、このこともやはり著しい節約ポテンシャルをもたらす。特に、個々のシール保持体装置を介して、多数の個別のシール装置を相互に構成部材及び接続部材に対して位置固定することが可能であり、この場合の配置形式は、主として対応する構成部材、接続部材及びシール保持体装置のジオメトリの間の構成的な実情により規定される。機能集中により、最低限の手間で、比較的単純な構成部材をマルチ機能部材として提供することができると同時に、例えば別個のスラスト軸受け等の機能変換用の別の付加的な部材又は手段を省くことができる。有利には、シール保持体装置は回動可能な、特に回転可能な部材において使用され、この場合、シール保持体装置は環状部材として構成されている。シール保持体装置は、その横断面に関して所要の当接面の位置及び固定手段に関連して種々様々に構成されていてよい。但し有利には、組込み状態で見て、組込み状態で回転軸の回転部材に対応する、理論上の中心軸線に関して回転対称的な構成が選択される。しかし、特に個々のシール装置を軸方向で位置固定する配置形式の局所的な実情及び要求に関して、対称的な構成とは異なる構成も考えられる。シール保持体装置は、当接面の位置に関してシール装置の組込み状況に適合され得るので、当該のシール保持体装置を介して軸方向ずれ及び/又は半径方向ずれが可能となり、その結果、シール装置を1平面内に配置することも、軸方向及び/又は半径方向で互いにずらされた複数の平面内に配置することも可能である。
【0009】
この場合、シール保持体装置の横断面構成は、個別のケースの具体的な要求に従う。回転対称的な部材に配置した場合は、シール保持体装置の横断面も同様に回転対称的に構成されている。第1の機能面を形成する横断面領域は、例えばU字形、C字形、L字形又はT字形に構成されていてもよく、この場合、構成部材との摩擦接続又は形状接続を、付加的な軸方向の位置固定部材無しで可能にする構成が優先される。
【0010】
駆動機械と、別の2つの接続部材と共に2つの圧力室の形成に関与する、相対回動不能に結合されたハブを備えた伝動装置入力軸との間を接続するための力伝達装置では、ハブと各接続部材との間にシール装置が設けられており、ハブと接続部材との間の個々のシール装置が、シール保持体装置によってその位置をハブ及び接続部材に対して軸方向及び/又は半径方向で位置固定されており、この場合、シール保持体装置はハブに配置されている。既にシール保持体装置について述べた利点と同じ利点が得られる。更に、ハブ及び例えばピストン又は伝動装置入力軸等の接続部材における溝を完全に省くことができ、これにより、これらの接続部材は規定されたシール状況に関して具体的に構成されるのではなく、この課題はシール保持体装置によって引き受けられる。
【0011】
シール保持体装置は、ハブとの結合用に少なくとも1つの第1の機能面を有している。前記結合は、摩擦接続によって、有利には周方向で作用するプレス結合によって行われ、この場合は付加的な軸方向の位置固定部材は必要とされない。形状接続も同様に可能である。このためにはシール保持体装置は、特に有利な構成では、ハブ当接用の、互いに同軸的に配置され且つ第1の機能面を形成する少なくとも2つの面領域を形成するための、殊にC字形又はU字形の環状横断面を備えた環状のキャップ状の部材として、軸方向の当接面を形成するための、半径方向に向けられた複数の突出部及び同軸的な面領域間の結合部材を備えて形成されている。
【0012】
出力部若しくは伝動装置入力軸又はハブとケーシングとの間にスラスト軸受け機能を供与しようとする場合、このスラスト軸受け機能はハブ自体又はシール保持体装置によって引き受けられる。
【0013】
第1のケースでは、環状のキャップ状の部材が結合部材の領域に、周方向で複数の切欠きを有しており、これらの切欠きを介して、軸方向でハブに接して位置調整され且つスラスト滑り軸受け面領域を形成する複数の突出部がガイドされており、これらの突出部は、ケーシングの内周面若しくは当該突出部用にケーシングに設けられた面領域と協働する。この場合、ハブ側のスラスト滑り軸受け面は、多数の個別の部分面から成っている。このためには、ハブは有利には焼結構成部材として構成されている。
【0014】
第2の可能性では、シール保持体装置が軸方向に向けられた少なくとも1つの第2の機能面を有しており、この第2の機能面は、ハブと、ケーシングの内周面を形成する部分領域との間にスラスト滑り軸受け面又はラジアル滑り軸受け面を形成する。この場合、当該の第2の機能面も、多数の部分面領域から形成されてよい。最も簡単なケースでは、キャップ状の構成において何れにしろ存在する結合部材の端面が利用される。この場合、圧力室の遮断を防止するためには、ケーシングの内周面において軸方向でハブに向けられた、エンボス加工部、突出部又は切欠きが、作動媒体流用の貫通開口を実現するために設けられているか、又は軸方向でケーシングの内周面に向けられたハブの端面に、エンボス加工部、突出部又は切欠きが設けられている。
【0015】
この場合、有利にはキャップ状の部材のために、横断面で見て組込み状態においてC字形の構成が選択される。このC字形の構成の横断面は、半径方向で見て互いに同軸的に配置されており且つ結合部材を介して互いに結合される2つの脚片によって特徴付けられている。この場合、この結合は、スラスト軸受けを実現するための機能面の形成下で行われる。
【0016】
この場合、個々の機能若しくは個々の面領域は、シール保持体装置の材料を、対応する機能のための特性に関して適当に選択することに基づき、特に有利な特性によって特徴付けられていてよいか、又は、例えば所定の構成部材に結合するための当接面又は機能面及び/又はスラスト軸受け摩擦面を形成するための機能面等の対応する機能面領域が、適宜表面処理されているか、或いはコーティングされている。即ち、用途に応じて個々の面領域の仕様に基づき廉価な構成が実現され得る。
【0017】
支持しようとするシール装置の形式に関しては、制限は全くない。Oリング、ジンマーリング、方形リング等が使用可能である。更に、特定数のシール装置に構成が制限されているわけではない。数は実情に従って、シール保持体において適宜実現される。
【0018】
更に、切換可能な結合装置用の作動装置と、伝動装置入力軸との間でシール装置をシール若しくは位置固定するためのシール保持体装置がスラスト滑り軸受けとして利用され、この場合、シールはそれぞれハブ部材に対して行われる。このハブ部材は、タービンホイールと相対回動不能に結合されたタービンハブであるか、又は例えば振動緩衝装置の出力部と結合されたハブ部材であってよい。
【0019】
この場合、本発明による構成は、特にスラスト軸受けの機能をシール保持体に対応させることを可能にし、これにより、付加的な構成部材を省くことが可能となる。
【0020】
本発明による構成は、特に切換可能な結合装置、流体力学的なコンポーネント及びこの両者に、入力部と出力部との間の動力伝達において後置された、二次部材がハブと相対回動不能に結合された振動緩衝装置を有する力伝達装置において使用可能であり、この力伝達装置は3通路構成形式で構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。
【0022】
図1には軸方向断面図で、2つの構成部材の間の力伝達装置に設けられた2つの圧力室を制限するための、少なくとも1つ、有利には複数のシール装置を位置固定するための、本発明により構成されたシール保持体装置1の可能な1構成が例示されている。このシール保持体装置は、ジオメトリックな構成に関しては種々様々に構成されていてよいが、フランジ状に半径方向に向けられた突出部20,21に形成された、それぞれシール装置を半径方向及び/又は軸方向で位置固定するための少なくとも1つ(図示の場合は2つ)の当接面22,23と、所定の構成部材に結合若しくは固定するための少なくとも1つの第1の機能面(本実施例では第1の内側の機能面71及び外側の機能面70)と、有利には付加的に、例えばスラスト軸受け滑り面又はラジアル軸受け滑り面を形成するための第2の機能面28とを有している。図示の場合は、シール保持体装置1がC字形横断面を有する環状のキャップ状の部材17として構成されており、このキャップ状の部材17の、例えば周方向で延在する環状の軸方向の突出部が、一方の構成部材に圧着可能であり且つ2つのシール装置を軸方向で当接面22,23を以て支持する。本実施例では、第1の機能面70,71は周方向で延在する面領域により形成され、第2の機能面28は軸方向に向けられた面により形成される。この場合、個々の機能面70,71,28の対応配置は例に過ぎない。構成部材に対する接続部材、並びにシール装置及びこれらのシール部材のための構成部材における当接面の配置形式に応じて多数の構成が考えられるが、但しシール保持体装置1は一貫した支持構造を有している。
【0023】
図2には軸方向断面図で、2つの圧力室(本実施例では軸方向で相並んで配置された2つの圧力室2,3)を相互にシールするための、本発明により構成されたシール保持体装置1を備えた力伝達装置31が示されている。図3には、図2に示した組込み状態の詳細図に基づき、本発明によるシール保持体装置1の第1の有利な構成が示されており、このシール保持体装置1の構成を、接続部材との関連において再度説明する。シール保持体装置1は、構成部材4における2つの圧力室2,3を、接続部材7,8に対してシールするための圧力室2,3用の制限面5,6で以てシールするために役立つ。図示の場合は、構成部材4と、2つの接続部材7,8とがそれぞれ互いに同軸的に配置されている。シール保持体装置1は、個々のシール装置9,10の位置を固定するために役立ち、この場合、第1のシール装置9は、構成部材4と第1の接続部材7との間に配置されており、第2のシール装置10は、構成部材4と第2の接続部材8との間に配置されている。前記の同軸的な配置形式に基づき、本実施例では軸方向シールと半径方向シールとが組み合わされている。構成部材4における位置固定は、軸方向で構成されたストッパ11;12において行われ、このストッパ11;12は周方向で環状に延び且つ軸方向で形成された、対応する面領域13,14によって形成される。このためには、構成部材4は軸方向で少なくとも2つの区分を有しており、この場合、第1の区分15をシール装置9,10の配置されたシール区分と呼ぶ。この第1の区分15は、隣接する第2の区分16よりも小さな外径を備えて形成されている一方で、第1の区分15の内径は、第2の区分16におけるよりも大きく構成されている。これにより、第1の区分15はほぼ、環状に周方向で延在する軸方向の突出部として構成されており、この突出部に沿って個々のシール装置9,10がガイドされている。相互位置に基づき、第1のシール装置9は、構成部材4と接続部材7との間の半径方向外側のシール装置として形成されているのに対して、第2のシール装置10は、構成部材4と接続部材8との間の半径方向内側に位置するシール装置として配置されている。両シール装置9,10を軸方向で位置固定するためには、シール保持体装置1が設けられている。このシール保持体装置1は、キャップ状の部材17として形成されており、このキャップ状の部材17は、第1の区分15により形成された突出部を軸方向及び周方向で取り囲み且つ組込み位置でシール装置9,10に面した端部域18,19にフランジ状の突出部20,21を有しており、これらのフランジ状の突出部20,21は、半径方向で延在しており且つ個々のシール装置9,10のための、軸方向に向けられた当接面22,23を形成している。図示の場合、第1のシール装置9及び第2のシール装置10は、軸方向では例えば一平面内で配置されており且つ半径方向では互いにずらされて配置されている。これに対応して、キャップ状の部材17はそのジオメトリに関して構成され得る。この場合、キャップ状の部材17の突出部を取り囲む環状領域の横断面は、組込み位置で見て回転軸線Rに対して平行に配置された横断面中心軸線MQに関して対称的に形成されている。キャップ状の部材17は、組込み位置で回転軸線Rに相当する中心軸線を中心として回転するC字形横断面により描かれる。扁平な円盤から形成される、横断面がC字形を描く2つの脚片24,25は、端部域18,19にフランジ状の突出部20,21を有しており、これらのフランジ状の突出部20,21は直角で前記脚片24,25に向けられており且つ周方向で延在している。この場合、脚片の長さは個々のシール装置9,10の軸方向の配置に関して構成されている。これらのシール装置9,10が軸方向で互いにずらされて配置されている場合には、脚片24,25の異なる脚片長さが生ぜしめられる。脚片24は、その内周面を描く面で以て第1の機能面70を形成し、脚片25は、その外周面を描く面で以て別の機能面71を形成する。この場合、半径方向に向けられており且つ周方向にも延在する両脚片24,25間の結合域26は、当接面22,23及びシール装置9,10とは反対の側の面、特に端面27で以て、第2の機能面28として利用可能である。これは用途に応じて、軸受け面、特にスラスト軸受け面、突合わせ面又は支持面であってよい。つまり、シール保持体装置1は、シール保持面として機能する当接面22,23、環状の突出部による緊締のための機能面70,71及び機能面28を有しており、この場合、これらの面の相互配置は構成的な実情に関して行われる。これに対応して、シール保持体装置1はそのジオメトリに関しても自由である。但し、シール保持面若しくは当接面及び少なくとも1つの機能面は常に、相当の課題を引き受けることができるように配置される。これに対応して、シール保持体のジオメトリは、横断面で見て構成されている。
【0024】
構成部材4へのシール保持体装置1の結合は、任意に行うことができる。有利には、摩擦接続式又は形状接続式の構成が選択される。摩擦接続の場合、シール保持体装置1は例えばプレス結合により構成部材4と結合され、この場合、この摩擦接続式の結合は、付加的な位置固定部材無しで、特に軸方向で行われる。プレス結合は、本実施例では例えば構成部材4の区分15における外径と、キャップ状の部材17の脚片24の領域の外側の機能面70との間、並びに構成部材4の区分15における内径と、内側の機能面71の直径との間の嵌合に関連して形成される。別の構成では、例えばバヨネット結合の形式で形状接続が実現される。
【0025】
図2に示した力伝達装置31は、3通路ユニットとして構成されている。この3通路ユニットは、入力部Eと出力部Aとを有している。この場合、出力部Aは例えば、力伝達装置31に後置された伝動装置と結合された伝動装置入力軸32により形成される。入力部Eと出力部Aとの間には流体力学的なコンポーネント33が配置されており、この流体力学的なコンポーネント33は、入力部Eと出力部Aとの間の出力伝達時に動力伝達方向で見てポンプホイールPとして機能する少なくとも1つの第1の羽根車と、タービンホイールTとして機能する第2の羽根車とを有しており且つ作動媒体を充填可能な、若しくは充填された作業室29を形成している。この場合、ポンプホイールPは少なくとも間接的に出力部Aと、特に伝動装置入力軸32と接続されている。この接続は図示の場合は間接的に、つまり直接的にではなく振動を緩衝するための装置34を介して行われる。振動を緩衝するためのこの装置34は、種々様々に構成されていてよい。この装置34は一般に、入力部Eと出力部Aとの間の動力伝達において一次部材35と呼ばれる入力部材と、二次部材36と呼ばれる出力部材とを有しており、これらの入力部材と出力部材とは、互いに同軸的に配置されており且つ周方向で所定の範囲内で制限されて相対回動可能であり且つばね結合及び/又は緩衝結合手段37を介して互いに結合されている。この場合、二次部材36はハブ38を介して伝動装置入力軸32と結合されている。ハブ38と伝動装置入力軸32との間の結合は、相対回動不能に行われ且つ軸方向で摺動可能に構成されていてよい。この場合、ハブ38はケーシング39に軸方向で支持されている。ハブ38は構成部材4に相当する。更に、力伝達装置31は切換可能な結合装置40を有している。この結合装置40は、出力伝達を流体力学的なコンポーネント33を介して迂回させるための装置として、特に架橋結合装置として働く。本実施例では、切換可能な結合装置40は摩擦接続的なクラッチとして形成されており、有利にはディスク構成形式で構成されている。特に有利には、切換可能な結合装置40は多板構成形式で形成されている。この場合、第1の結合部材42は、アウタプレート支持体44に固定された、軸方向でガイドされたアウタプレート41と、軸方向で設けられたストッパ45とを備えたアウタプレート支持体44により形成され、前記ストッパ45は例えば軸方向で位置固定された1端部プレートにより形成される。この場合、第1の結合部材42はポンプホイールP若しくは入力部Eと相対回動不能に結合されている。本実施例では、結合はポンプホイールシェル46を以て圧力室3に相当する内室47を形成しつつ、タービンホイールT及び切換可能な結合装置40を取り囲むカバー48が行う。この場合は一緒に回転するケーシング39であり、このケーシング39は、カバー48とポンプホイールシェル46とから形成される。更に、カバー48自体は直接駆動可能であるか、又は所定の駆動機械に結合された部材と相対回動不能に結合される。前者の場合はカバー48が入力部Eを形成する。第2の結合部材43は、少なくとも間接的に出力部A、特に伝動装置入力軸32と相対回動不能に結合されている。この場合、結合は振動を緩衝するための装置34を介して行われる。このためには、図示の場合は例えばインナプレート支持体50と、このインナプレート支持体50に軸方向で可動に固定されたインナプレート51とを有する第2の結合部材43が、前記の振動を緩衝するための装置34の一次部材35と相対回動不能に結合されている。振動を緩衝するための装置34の二次部材36は相対回動不能に、但しハブ38と二次部材36との間で軸方向では相対運動可能にガイドされている。このガイドは有利には、ハブ38の外周面を形成する領域52に沿って行われる。当該の結合は、最も簡単な場合にはスプライン軸結合49又は歯列を介して行うことができる。
【0026】
更に、切換可能な結合装置40の両結合部材42,43を、少なくとも間接的に互いに作用結合状態にもたらす作動装置53が設けられている。両結合部材42,43は複数のプレートを有しており、この場合、少なくとも各1つの結合部材が摩擦面を備えた複数のプレートを有しており、これらのプレートは、有利には鋼プレートの形の他方の結合部材の要素と作用結合状態にもたらすことができる。この場合、切換可能な結合装置40は、通常の圧力比とは無関係に自由に作動可能である、つまり、切換可能な結合装置40は、圧力室に任意の作動圧を供給することにより作動される。作動装置53は、ピストン部材54と、このピストン部材54に対応配置された、圧力媒体を供給可能な室とを有しており、この室は圧力室2に相当する。この圧力室2はケーシング39、特にカバー48の内周面56と、円盤形の部材として形成されたピストン部材54の、流体力学的なコンポーネントとは反対の側の端面57との間に形成される。ピストン部材54は、図示の場合はケーシング49に沿って、特に当該のピストン部材54と相対回動不能に結合された第1の結合部材42に沿って軸方向で摺動可能にガイドされており、更に、ハブ38に沿って摺動可能にガイドされており、この場合、このガイドは圧力密で且つ液密に、圧力媒体を供給可能な室、特に圧力室2の形成下で行われる。対応するシール装置9,10を介して、圧力室2は圧力室3に相当する内室47に対してシールされている。既に述べたように、これは3通路構成であり、つまり、この場合は圧力媒体若しくは作動媒体を供給可能な少なくとも3つの室が設けられている。圧力媒体又は作動媒体を供給可能な第1の室は作業室29により形成され、圧力媒体を供給可能な第2の室は内室47により形成され、第3の圧力室は圧力室2により形成される。これらの室にはそれぞれ少なくとも1つの接続部が対応配置されており、この場合、「接続部」という概念は、作動媒体の流入又は流出が当該接続部を介して行われるということに基づいて機能を理解される。当該接続部は、それぞれ符号58,59,60で示されている。この場合、第1の接続部58は第1の圧力室と接続されており、第2の接続部59は第2の圧力室と接続されており、第3の接続部60はピストン部材54を負荷する第3の圧力室と接続されている。この場合、圧力室2に相当する第3の圧力室は、第2の圧力室3に対してシールされている。このシールは、ピストン部材54の外周面62を形成する部分領域と、ケーシング39若しくはケーシング39と相対回動不能に結合された第1の結合部材42との間に配置されたシールユニット61と、ピストン部材54の内周面64の領域におけるシールを規定する第2のシールユニット63とを介して行われる。
【0027】
この場合、シール装置9,10を有する第2のシールユニット63は、本発明によりシール保持体装置1によって保持される。第1のシール装置9の位置固定は、ピストン部材54の内周面64と、ハブ38の外周面66を形成する面領域との間で行われる。この場合、第2のシール装置10は、伝動装置入力軸32の外周面68と、ハブ38の内周面69を形成する部分領域との間に配置されている。即ち、半径方向で図示の場合は1平面内に配置された2つのラジアルシールリングが設けられている。本実施例の図示の場合は、この配置は有利には回転軸線Rと、この回転軸線Rに対する垂線とによって規定された1平面内で行われる。この場合、シール保持体装置1は前記配置形式に基づいて、回転軸線Rに対して平行な軸線に関して1平面内で対称的に構成されている。シール保持体装置1は、横断面で見て開いた端部域に半径方向で設けられた複数の突出部を備えたC字形の横断面を有しており、前記突出部は当接面22,23若しくはシール装置のための保持面を形成している。更に、脚片間の結合部材26は、カバー48に面した面で以て機能面28を形成している。この機能面28は、有利にはカバー48の内周面56に直接に接触している。従って、組込み状態ではシール保持体の機能面28は、スラスト軸受けと同様に働き且つカバー48とキャップ状の部材17との間で適当な滑り軸受け対を実現する。この場合、ハブ38が内周面56に当接すると、圧力室2が、本実施例では伝動装置入力軸32を通してガイドされた供給通路65により形成される接続部から分離される恐れがある。しかし、作動媒体供給若しくは制御媒体又は圧力媒体供給が可能であるためには、例えば図2に示した貫通開口55がハブ38に設けられており、この貫通開口55は、組込み状態で見て半径方向に延びている。この場合、貫通開口55は、有利には回転軸線Rに対して垂直な半径方向で、ハブ38とシール保持体装置1をも貫通して延びており、しかもこの場合、当該の貫通開口55はハブ38とシール保持体装置1とによりオーバラップされる必要があり、このオーバラップ域は軸方向摺動の可能性を一緒に考慮しなければならない。
【0028】
圧力室2への圧力媒体供給を実現するための、シール保持体装置1の種々様々な構成手段が考えられ、これらの構成手段は突出部又は切欠きにより説明可能である。図3に示した別の構成では、半径方向で延び且つ作動媒体の供給通路65から圧力室2への流入を可能にするエンボス加工部72が、ハブ38に設けられてよい。前記エンボス加工部72は、ハブ38のケーシング39に向いた端面に配置されている。
【0029】
図4に示した更に別の構成では、例えばシール保持体装置1において、軸方向で形成された複数の切欠き73が結合領域26に設けられており、前記切欠き73を介して、ハブ38において軸方向で突出した突出部74がガイドされ、この場合、前記結合領域26は、ハブ38の端面の前記突出部無しの面領域に当接している。この構成では、スラスト軸受け又は突合わせディスク機能が、ハブ38、特にハブ38の突出部74により形成された、カバー48の内周面56と効果的に当接する面領域に移譲される。この場合、ハブ38は有利には焼結構成部材として構成されている。有利には、周方向で互いに均等な間隔で配置された複数の突出部74と切欠き73とが、ハブ38若しくはシール保持体1に設けられている。
【0030】
図5には、図2及び図3で説明したのと同様に、ハブ38及びシール保持体装置1の構成が示されているが、但し、エンボス加工部及び貫通開口は設けられておらず、圧力室2の供給導管65との結合は、ケーシング39の、特に内周面56の領域に設けられた切欠きを介して行われる。これらの切欠きは、周方向で配置され且つ互いに間隔を開けられたエンボス加工部75により形成され、これらのエンボス加工部75は、組込み状態では半径方向で延在し且つ中空室を生ぜしめる。この場合、前記エンボス加工部75は、ハブ38に面した面領域で以て、ハブ38のための当接面若しくは支持面を形成する。
【0031】
従って、作動媒体供給は、カバーに設けられた切欠きか、ハブに設けられた切欠きか、又は機能面の適当な構成を介して、組込み位置でカバー部材に当接した状態で貫通開口を形成することに基づき保証され得る。
【0032】
この場合、シール保持体の固定は、有利には摩擦接続式で行われる。別の可能性、特に形状接続的な結合が考えられる。例えば青銅、アルミニウム等の材料を選択することにより、前記機能面を直接にスラスト軸受けとして利用することができ、これにより、タービンホイールT、特にハブ38の軸方向力が支持される。
【0033】
更に、スラスト軸受けの機能を一緒に引き受けるためには、機能面に表面コーティングを施すだけか、又は表面を適当に処理することも考えられる。
【0034】
この場合、本発明による解決手段は、一方では自由に、つまり相対回転数無しで相対運動する構成部材のための、それぞれ異なる圧力室をシールするためのシール機能を実現するために使用され、更に、所要のシール機能を備えた構成において、比較的低速又は比較的高速の滑り速度で相対回転数を伴って使用されてもよい。重要なのは、シール保持体装置が、それぞれ異なる機能に使用される複数の異なる面領域を有しているということであり、この場合、少なくとも1つのシール支持体若しくは保持機能が挙げられ、更に、例えば直接に滑り軸受けの滑り面として任意に利用可能な機能面が挙げられる。
【0035】
更に、本発明による解決手段は、複数のシール装置を少なくとも軸方向位置で、且つ有利には構成に応じて半径方向位置で位置固定するために役立つ。この場合は、互いに相対運動する構成部材間又は静止構成部材間のシール装置である。
【0036】
このシール装置の構成に関して制限は設けられていない。この場合、シール装置はその相互状態が同一形式で同一タイプか、又は異なる形式で異なるタイプであってよく、しかも、シール保持体装置に関しては適当な適合が行われるに過ぎない。当該のシール保持体装置は一般に薄板部材から成っているので、簡単な変形加工により製作可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明により構成されたシール保持体装置の基本構成の概略図である。
【図2】本発明により構成されたシール保持体装置を備えた、本発明により構成された力伝達装置の軸方向断面図である。
【図3】図2に示した組込み状態に基づき、シール保持体装置の第1の構成を示した図である。
【図4】図2に示した構成で使用するための、シール保持体装置の別の可能な構成を示した図である。
【図5】図2に示した構成で使用するための、シール保持体装置の更に別の可能な構成を示した図である。
【符号の説明】
【0038】
1 シール保持体装置、 2,3 圧力室、 4 構成部材、 5,6 制限面、 7,8 接続部材、 9,10 シール装置、 11,12 ストッパ、 13,14 面領域、 15 第1の区分、 16 第2の区分、 17 キャップ状の部材、 18,19 端部域、 20,21 フランジ状の突出部、 22,23 当接面、 24,25 脚片、 26 結合域、 27 端面、 28 機能面、 29 作業室、 30 シール保持体面、 31 力伝達装置、 32 伝動装置入力軸、 33 流体力学的なコンポーネント、 34 振動緩衝装置、 35 一次部材、 36 二次部材、 37 ばね結合及び/又は緩衝結合手段、 38 ハブ、 39 ケーシング、 40 切換可能な結合装置、 41 アウタプレート、 42 第1の結合部材、 43 第2の結合部材、 44 アウタプレート支持体、 45 ストッパ、 46 一次ホイールシェル、 47 内室、 48 カバー、 49 スプライン軸結合、 50 インナプレート支持体、 51 インナプレート、 53 作動装置、 54 ピストン部材、 55 貫通開口、 56 内周面、 57 端面、 58,59,60 接続部、 61 シールユニット、 63 第2のシールユニット、 64 内周面、 65 供給通路、 68 外周面、 70,71 機能面、 72 エンボス加工部、 73 切欠き、 74 突出部、 E 入力部、 A 出力部、 P ポンプホイール、 T タービンホイール、 L ガイドホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの圧力室(2,3)を力伝達装置(31)に対してシールするための、1構成部材(4)と少なくとも1つの接続部材(7,8)との間の少なくとも1つのシール装置(9,10)を位置固定するためのシール保持体装置(1)であって、該シール保持体装置(1)が、半径方向及び/又は軸方向でシール装置(9,10)を位置固定するための少なくとも1つの当接面(22,23)、前記構成部材(4)に結合するための少なくとも1つの第1の機能面(70,71)及びスラスト滑り軸受け面又はラジアル滑り軸受け面を形成するための少なくとも1つの第2の機能面(28)を有していることを特徴とする、シール保持体装置。
【請求項2】
構成部材(4)に結合するための第1の機能面(70,71)が軸方向に向けられている、請求項1記載のシール保持体装置。
【請求項3】
構成部材(4)に結合するための第1の機能面(70,71)が半径方向に向けられている、請求項1記載のシール保持体装置。
【請求項4】
軸受け面、特にスラスト滑り軸受け面を形成するための第2の機能面(28)が、周方向で互いに間隔をおいて配置された複数の個別の部分面から形成される、請求項1から3までのいずれか1項記載のシール保持体装置。
【請求項5】
当該シール保持体装置(1)が、環状のキャップ状の部材(17)として構成されており且つ横断面で見て、構成部材(4)に当接するための少なくとも2つの同軸的な面領域、軸方向の当接面(22,23)を形成するための、半径方向に向けられた少なくとも1つの突出部(20,21)及びスラスト滑り軸受け面の機能を引き受ける、軸方向に向けられた機能面(28)を備えた、前記の同軸的な面領域のための結合部材(26)を有している、請求項3又は4記載のシール保持体装置。
【請求項6】
シール装置(9,10)のための当接面(22,23)が、それぞれ異なる軸方向及び/又は半径方向平面内に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のシール保持体装置。
【請求項7】
軸受け面を形成するための機能面(28)が表面処理されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のシール保持体装置。
【請求項8】
軸受け面を形成するための機能面(28)がコーティングされている、請求項1から6までのいずれか1項記載のシール保持体装置。
【請求項9】
駆動機械と伝動装置入力軸(32)との間を接続するための力伝達装置(31)であって、伝動装置入力軸(32)と相対回動不能に結合されたハブ(38)を備えており、該ハブが、別の2つの接続部材(7,8)と共に2つの圧力室(2,3)の形成に関与しており、ハブ(38)と各接続部材(7,8)との間にそれぞれシール装置(9,10)が設けられている形式のものにおいて、
ハブ(38)と接続部材(7,8)との間の個々のシール装置(9,10)が、その位置を、シール保持体装置(1)によりハブ(38)及び接続部材(7,8)に対して軸方向及び/又は半径方向で位置固定され、シール保持体装置(1)がハブ(38)に配置されていることを特徴とする、シール保持体装置を備えた力伝達装置。
【請求項10】
シール保持体装置(1)が、ハブ(38)に結合するための少なくとも1つの第1の機能面(70,71)を有している、請求項9記載の力伝達装置。
【請求項11】
第1の機能面(70,71)のハブ(38)との結合が、摩擦接続、殊にプレス結合により行われる、請求項10記載の力伝達装置。
【請求項12】
第1の機能面(70,71)のハブ(38)との結合が形状接続により行われる、請求項10記載の力伝達装置。
【請求項13】
シール保持体装置(1)が、互いに同軸的に配置され且つハブ(38)への当接用の第1の機能面を形成する少なくとも2つの面領域(70,71)を形成するための、殊にC字形又はU字形の環状横断面、軸方向の当接面(22,23)を形成するための、半径方向に向けられた突出部(20,21)及び前記の同軸的な面領域(70,71)間の結合部材(26)を備えた、環状のキャップ状の部材(17)として形成されている、請求項9から12までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項14】
キャップ状の部材(17)が、結合部材(26)の領域に周方向で見て複数の切欠き(73)を有しており、これらの切欠きによって、ハブ(38)において軸方向に向けられてスラスト滑り軸受け面領域を形成する突出部(74)がガイドされている、請求項13記載の力伝達装置。
【請求項15】
ハブ(38)が焼結構成部材として構成されている、請求項14記載の力伝達装置。
【請求項16】
シール保持体装置(1)が、軸方向に向けられた少なくとも1つの第2の機能面(28)を有しており、この第2の機能面が、ハブ(38)と、ケーシング(39)の内周面を形成する部分領域との間でスラスト滑り軸受け面又はラジアル滑り軸受け面を形成する、請求項9から13までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項17】
第2の機能面(28)が、多数の部分面領域により形成される、請求項16記載の力伝達装置。
【請求項18】
軸方向に向けられた第2の機能面(28)が、結合部材(26)に形成されている、請求項16又は17記載の力伝達装置。
【請求項19】
請求項1から9に記載のシール保持体装置(1)が形成されている、請求項18記載の力伝達装置。
【請求項20】
ケーシング(39)の内周面に、軸方向でハブ(38)に向けられたエンボス加工部、突出部又は切欠きが、作動媒体流用の貫通開口を実現するために設けられている、請求項16から19までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項21】
軸方向でケーシング(39)の内周面に対して向けられたハブ(38)の端面に、作動媒体流用の貫通開口を実現するためのエンボス加工部、突出部又は切欠き(72)が設けられている、請求項16から19までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項22】
当該力伝達装置(31)が、切換可能な結合装置(40)、流体力学的なコンポーネント(33)及びこの両者に、入力部(E)と出力部(A)との間の動力伝達において後置された振動緩衝装置(34)を有しており、該振動緩衝装置の二次部材(36)が、ハブ(38)と相対回動不能に結合されている、請求項9から21までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項23】
当該力伝達装置(31)が3通路ユニットとして構成されており、切換可能な結合装置(40)の作動装置を負荷するための圧力媒体を供給可能な圧力室(2)を、ケーシング(39)により取り囲まれた内室(47)に対してシールするためのシール保持体装置(1)が使用される、請求項20記載の力伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−164171(P2008−164171A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336720(P2007−336720)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(390009070)ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト (236)
【氏名又は名称原語表記】LuK Lamellen und Kupplungsbau  Beteiligungs KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 3, D−77815 Buehl, Baden, Germany
【Fターム(参考)】