説明

シール装置及びチューブ容器の製造方法

【課題】十分な溶着強度を確保し、かつ、チューブ容器の端部の形状の設計の自由度を高めることができる技術を提供する。
【解決手段】前記シール部分の周囲に配置され、該シール部分に直接熱を加えながら該シール部分を押圧する押圧手段と、前記押圧手段を押圧方向へ移動させる移動手段と、を備え、前記押圧手段は、前記所定の形状の一部を模った形状を有する第一押圧部であって、前記シール部分のうちの前記チューブ容器の先端側の領域を押圧し、溶着する第一押圧部と、前記所定の形状の他部を模った形状を有する第二押圧部であって、前記シール部分のうちの基端側の領域を、前記第一押圧部による押圧力よりも大きな力を加えて押圧して、溶着するとともに前記基端側を切断する第二押圧部と、を有するシール装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂で形成されたチューブ容器の端部をシールする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂からなるチューブ容器の端部をシールする技術として、熱を加えて溶着するヒートシール方式や超音波振動による摩擦熱によって溶着する超音波方式が知られている。例えば、特許文献1には、チューブ状の容器を挟持して熱溶着するヒータブロックの当接面を分割し、分割されたヒータブロックの夫々の変位を検出することが開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、ヒータブロックによりチューブ容器の端部のシールが可能となり、また、分割されたヒータブロックの変位を検出することで、製造時に発生するチューブ容器の微細な不良を検出することができる。
【0003】
また、特許文献2には、チューブ容器の端部を予熱し、予熱後のチューブ容器の端部を超音波振動により溶着することが記載されている。特許文献2に記載の技術によれば、チューブ容器の端部を予熱してチューブ容器の端部に熱膨張による応力や歪みを予め発生させることで、超音波振動を与えた際の熱膨張による歪み等の影響を低減することができる。
【特許文献1】特許第3595031号公報
【特許文献2】特開2000−153814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チューブ容器の端部をシールする技術として、ヒートシール方式や超音波振動による摩擦熱によって溶着する超音波方式が知られている。ヒートシール方式は、チューブ素材の端部に熱を加え、溶かしたチューブ素材をプレスしてシール成形する。このような従来のヒートシール方式では、溶けたチューブ素材が左右や上下にはみ出してしまい見栄えがよくないことが懸念されていた。
【0005】
なお、従来のチューブ容器は、端部が一直線上にカットされたものが主流であるといったように、デザイン性に優れたものはあまり存在していない。チューブ容器についてもデザイン性を高めたいとの要求はあるものの、例えば、従来のヒートシール方式では、溶けたチューブがはみ出すといった問題があり、チューブ容器の端部の形状に変化をもたせることは困難であり、また、溶着強度を十分に確保できなかった。また、超音波方式は、チューブ素材に対して一定の振動を与える必要があることから、特に細かい形状を成形する上では限界があった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、チューブ容器の基端部をシールする技術であって、十分な溶着強度を確保し、かつ、チューブ容器の基端部の形状の設計の自由度を高めることができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、上述した課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、チューブ容器の基端側のシール部分を所定の形状にシール成形するシール装置であって、前記シール部分の周囲に配置され、該シール部分に直接熱を加えながら該シール部分を押圧する押圧手段と、前記押圧手段を押圧方向へ移動させる移動手段と、を備え、前記押圧手段は、前記所定の形状の一部を模った形状を有する第一押圧部であって、前記シール部分のうちの先端側の領域を押圧し、溶着する第一押圧部と、前記所定の形状の他部
を模った形状を有する第二押圧部であって、前記シール部分のうちの基端側の領域を、前記第一押圧部による押圧力よりも大きな力を加えて押圧して、溶着するとともに前記基端側を切断する第二押圧部と、を有する。
【0008】
本発明によれば、押圧手段によってシール部分に直接熱を加えながらチューブ容器のシール部分を押圧することで、十分な溶着強度を確保することができる。すなわち、本発明では、シール部分を構成するチューブ素材に直接熱が伝達されるので、チューブ素材に対して均等に熱が伝達される。その結果、対向するチューブ素材の内側同士も確実に溶着することができる。
【0009】
また、本発明では、第一押圧部と第二押圧部によってチューブ素材に対して均等に熱を加えながら押圧してシール部分を溶着し、かつ、第二押圧部によってチューブの端部を切断することから、溶けたチューブ素材が左右や上下にはみ出すことによって発生するシール溜まりの発生を抑制することができる。つまり、シール溜まりのない見栄えのよいチューブ容器を成形することができる。更に、本発明では、超音波方式のように振動を与えることなく溶着と切断を同時に行えることから、超音波方式では難しいとされていた細かい成形も可能となる。例えば、押圧部の形状を所望するシール部分の所定の形状に合わせて設計することで、押圧部の形状に対応したチューブ容器の端部の成形が可能となる。つまり、本発明によれば、チューブ容器のシール部分の形状の設計の自由度を高めることができる。
【0010】
本発明のシール装置は、熱可塑性樹脂からなるチューブ容器の端部を所定の形状にシール成形するシール装置として好適に用いることができる。押圧手段は、シール部分の周囲に配置され、シール部分に直接熱を加えながら挟み込んで押圧する。押圧手段は、例えばブロックによって構成することができ、このブロックの表面であってチューブ容器と接触する面には、シール部分と接する第一押圧部と第二押圧部とを設けることができる。押圧手段の材質は、熱伝導性を有していればよく特に限定されない。シール部分に加える熱は、ヒータ等の熱源部によって供給することができる。熱源部は、押圧手段に組み込んでもよく、また押圧手段の外部に設けてもよい。
【0011】
第一押圧部は、前記所定の形状の一部を模った形状を有することで、シール部分のうちのチューブ容器の先端側の領域が所定の形状の一部になるように押圧し溶着する。所定の形状の一部とは、成形されるシール部分の一部であり、所定の形状の他部は、第二押圧部によって溶着される。所定の形状とは、例えば丸型、山型、波型であり、所望する所定の形状に合わせて第一押圧部を形成することで、チューブ容器の端部の形状を自由に形成することができる。
【0012】
第二押圧部は、前記所定の形状の他部を模った形状を有することで、シール部分のうちの基端側の領域が所定の形状になるように押圧し溶着する。第一押圧部と第二押圧部は、押圧手段を押圧方向へ移動させた際に、実際にシール部分と接触してシール部分を押圧すべく、押圧方向へ突出する線状の凸部として構成することができる。
【0013】
本発明のシール装置では、第二押圧部が、第一押圧部の押圧力よりも大きい押圧力をシール部分の基端側の領域に加えることができる。これにより、第二押圧部によれば、押圧方向の押圧力によって、シール部分の溶着に加えてシール部分のうちの基端側を所定の形状に切断することができる。その結果、本発明によれば、従来のヒートシール方式において懸念されていた、溶けたチューブ素材が左右や上下にはみ出すことによって発生するシール溜まりの発生を抑制することができる。
【0014】
また、本発明では、第一押圧部と第二押圧部との間隔を調整することで、シール部分の
長さを適宜変更することができる。シール部分の長さとは、チューブ容器の基端から先端に向けたシール部分の長さ(以下、シール長さとする。)である。本発明では、第一押圧部と第二押圧部との間隔を適宜調整することで、このシール部分の長さを調整することができる。すなわち、シール長さを長くしたい場合には、第一押圧部と第二押圧部との間隔を広げればよい。なお、従来のヒートシール方式では、対向するチューブ素材の内側同士が十分に溶着することができなかったので、このようにシール長さの自由に調整、特に長くすることが難しいとされていた。本発明では、直接熱を加えてチューブ素材の内側同士を確実に溶着することができるので、このようなシール長さの調整が可能となる。なお、シール部分には、例えば販売元のロゴ等を施すこともでき、チューブ容器のデザイン性を向上することができる。
【0015】
移動手段は、押圧手段を押圧方向へ移動する。すなわち、移動手段は、押圧手段を、押圧手段が実際にシール部分を押圧する押圧状態と、チューブ容器をセットするなど準備状態としての非押圧状態と、に変化させる。移動手段は、例えば押圧手段を空気圧力によって移動させるエアシリンダによって構成することができる。また、移動手段は、駆動源としてのモータと、駆動源から供給される駆動力を押圧手段に伝達する伝達機構と、を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【0016】
なお、本発明において、前記第二押圧部は、前記移動手段によって前記押圧手段が押圧方向へ移動した際、該第二押圧部同士の間隔が前記第一押圧部同士の間隔より狭くなることで該第一押圧部による押圧力よりも大きな力を前記基端側の領域に加えるようにしてもよい。
【0017】
本発明では、第二押圧部同士の間隔が第一押圧部同士の間隔よりも狭く設定されているので、第一押圧部による押圧力よりも大きな押圧力が第二押圧部で挟み込まれるシール部分、すなわちシール部分の基端側の領域に働く。その結果、第二押圧部によって押圧されるシール部分の基端には、溶着に適した押圧力を上回る力が加えられるので、シール部分は、シール部分の基端側で切断、換言すると基端側が押し潰されて切断されることになる。
【0018】
また、本発明は、前記チューブ容器に対して予備熱を与える予備熱供給手段を更に備え、前記押圧手段は、前記予備熱供給手段によって予備熱が与えられたチューブ容器のシール部分に直接熱を加えながら該シール部分を押圧するようにしてもよい。予備熱とは、押圧手段によって直接熱を加えてチューブ容器を溶融する前に予め加える熱である。予備熱は、チューブ容器を柔軟にすることができる温度としてチューブ容器の素材に応じて適宜設定することができる。本発明によれば、予備熱を加えてチューブ容器を柔らかくした上で押圧手段による押圧を行うことで、溶着及び切断をより効果的に行うことができる。
【0019】
また、本発明は、前記第一押圧部と前記第二押圧部との押圧によって溶着と切断が行われたシール部分を冷却しながら該シール部分を更に押圧し、該シール部分を前記所定の形状に仕上げ成形する仕上押圧手段を更に備える構成とすることができる。冷却しながら所定の形状になるように再度押圧することでより効果的にチューブ容器のシール成形を行うことができる。なお、仕上押圧手段は、所定の形状に合わせてその形状を設計すればよく、上述した第一押圧部や第二押圧部と同様の構成とすることができる。
【0020】
ここで、本発明において、前記押圧手段は、対向する二つの押圧ブロックからなり、前記シール部分を挟持するように押圧し、前記第一押圧部は、前記二つの押圧ブロックの夫々に設けられる凸部であって、挟持方向に突出した対向する第一凸部からなり、前記第二押圧部は、前記二つの押圧ブロックの前記第一凸部よりも基端側の夫々に設けられる凸部であって、挟持方向に突出した対向する第二凸部からなるようにしてもよい。本発明によ
れば、チューブ容器の基端側のシール部分を平面的に所定の形状にシール成形することができる。
【0021】
また、本発明において、前記押圧手段は、前記チューブ容器の中心軸から放射状に配置された複数の押圧ブロックからなり、前記複数の押圧ブロックは、前記中心軸に向かって移動することで前記チューブ容器を押圧し、前記第一押圧部は、前記複数の押圧ブロックの夫々に設けられる凸部であって、押圧方向に突出した第三凸部からなり、前記第二押圧部は、前記複数の押圧ブロックの前記第一凸部よりも基端側の夫々に設けられる凸部であって、押圧方向に突出した第四凸部からなるようにしてもよい。
【0022】
本発明によれば、チューブ容器の基端側のシール部分を三次元的(立体的に)シール成形することができる。チューブ容器の中心軸から放射状に配置されるとは、筒状のチューブ容器の内側から外側に向けて放射状に配置されることを意味する。複数の押圧ブロックのうち、隣接する押圧ブロック同士は、押圧した際に面同士が対向するようにその形状を設計すればよい。例えば、放射状に3つの押圧ブロックを配置する場合、夫々のブロックは、チューブ容器と接する側に、押圧方向と直交する断面において約120度の角部を有する形状とすればよい。
【0023】
なお、本発明は、前記シール部分の一端部を切断する切断手段を更に備える構成とすることができる。切断手段は、例えばカッタといった刃物によって構成することができる。本発明では、第二押圧部によってチューブ容器の基端側の切断が可能である。従って、この切断手段は、二次的なものとして用いることができる。例えば、第二押圧部によって切断された端部を刃物などのより切れ味の鋭いものからなる切断手段によって切断することでチューブ容器の切断部の見栄えをより向上することができる。
【0024】
以上本発明のシール装置について説明したが、本発明は、上述したシール装置に相当する機能や作用効果を有するチューブ容器の製造方法の発明としてもよい。従って例えば、本発明は、チューブ容器の製造方法であって、前記チューブ容器の基端側のシール部分に直接熱を加えながら該チューブ容器の周囲から押圧する工程を備え、前記押圧する工程では、前記所定の形状の一部を形成するように、前記シール部分のうちの前記チューブ容器の先端側の領域を押圧し、溶着する第一押圧工程と、前記所定の形状の他部を形成するように、前記シール部分のうちの基端側の領域を、前記第一押圧部による押圧力よりも大きな力を加えて押圧して溶着するとともに前記基端側を切断する第二押圧工程と、が行われるチューブ容器の製造方法とすることができる。なお、本発明は、上述したシール装置や製造方法によって製造されるチューブ容器としてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、チューブ容器の基端部をシールする技術であって、十分な溶着強度を確保し、かつ、チューブ容器の基端部の形状の設計の自由度を高めることができる技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明のシール装置の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、熱可塑性樹脂からなるチューブ容器における、開口されている筒状の基端部をシール成形するシール装置を例に説明する。但し、チューブ容器の素材は、特に限定されるものではない。また、チューブ容器は、単層チューブ、積層チューブいずれでもよい。
【0027】
<第一実施形態>
(構成)
図1は、第一実施形態のシール装置のブロック図を示す。第一実施形態のシール装置1
は、チューブ容器3に対して予備熱を加えるダイレクトヒータ51と、チューブ容器3を挟持するように配置される一対のヒータブロック11と、冷却機能を有する仕上成形ブロック61と、を備える。以下、各構成について説明する。
【0028】
ダイレクトヒータ51は、チューブ容器3に対して予備熱を加える。予備熱は、チューブ容器3を柔軟にすることができる温度としてチューブ容器3の素材に応じて適宜設定することができる。
【0029】
一対のヒータブロック11は、チューブ容器3を挟持するように配置され、チューブ容器3のシール部分33を挟み込んで押圧する。図2は、第一実施形態のシール装置のうち、ヒータブロックを中心とした断面図を示す。ヒータブロック11には、挟持方向に突出し、チューブ容器3と接する圧着板10が設けられている。また、ヒータブロック11は、支持部21によって支持され、支持部21の下部には、チューブ容器3の押圧時にチューブ容器3を挟み込んで押さえつける一対の押さえ板22が設けられている。チューブ容器3は、先端のキャップ32がトレイ23に設けられた支持孔24に挿入されることでほぼ垂直に支持されている。
【0030】
ヒータブロック11は、本発明の押圧手段の一部を構成するものであり、本実施形態では、ヒータブロック11とヒータブロック11の挟持方向内側に設けられた圧着板10とが、本発明の押圧手段を構成する。本実施形態のヒータブロック11は、その形状が長方体である。ヒータブロック11は、金属製とすることができる。その材質は特に限定されないが、十分な強度と優れた熱伝導性を有する部材によって構成することが好ましい。
【0031】
また、ヒータブロック11の内部には、チューブ容器3のシール部分33を溶着する際に必要な熱を供給するヒータ15が内蔵されている。なお、本実施形態のヒータブロック11では、ヒータブロック11の下側にヒータ15が設けられているが、ヒータ15の位置は特に限定されるものではない。ヒータ15の取り付け位置は、ヒータ15から発せられる熱を効果的にヒータブロック11に供給できる位置として適宜設計すればよい。ヒータ15から発せられる熱は、チューブ容器3を溶融できる温度であればよく、チューブ容器3の材質によって適宜変更することができる。
【0032】
圧着板10は、チューブ容器3のシール部分33を挟み込んで押圧することで、シール部分33の溶着と切断とを同時に行う。より具体的には、圧着板10は、ヒータブロック11に対して取り外し可能であり、一対の圧着板10の内側表面の夫々には、内側に突出した第一押圧部13と第二押圧部12とが設けられている。圧着板10は、金属製とすることができる。その材質は特に限定されないが、十分な強度と優れた熱伝導性を有する部材によって構成することが好ましい。
【0033】
第一押圧部13は、シール部分33のうち、チューブ容器3の先端側の領域(図2における紙面下側の領域)を挟み込んで押圧する。第一押圧部13もヒータブロック11や圧着板10と同じく熱伝導性を有する金属部材によって構成すればよい。その結果、ヒータブロック11の内部に設けられたヒータ15からの熱がヒータブロック11を介して圧着板10に伝達され、圧着板10に伝達された熱によりチューブ容器3のシール部分33が溶融される。なお、シール部分33に伝達される熱は、チューブ容器3のシール部分33に対して均一に直接伝達され、シール部分33の外側だけでなくシール部分33の内側も溶融される。その結果、本実施形態のシール装置1によれば、シール部分33の内側も溶融された上で挟み込むように押圧されるので十分な溶着強度を確保することができる。
【0034】
第二押圧部12は、シール部分33のうち、チューブ容器3の基端側(図2における紙面上側の領域)を挟み込んで押圧する。第二押圧部12も金属製とすればよい。なお、対
向する第二押圧部12同士の間隔は、対向する第一押圧部13同士の間隔よりも狭く設計されている。その結果、第一押圧部13では、シール部分33の溶着が行われるが、第二押圧部12では、シール部分33の溶着と共に切断が行われることになる。なお、溶着と切断の詳細については、シール装置の動作説明において詳細に説明する。
【0035】
ここで、図3は、圧着板10の平面図を示す。同図に示すように、圧着板10には、山型の第一押圧部13と、第一押圧部13とほぼ平行に設けられた同じく山型の第二押圧部12が設けられている。第一押圧部13及び第二押圧部12は、図2に示すように圧着板10の表面から内側に突出している。なお、圧着板10は、対で構成されるが、図2の左右いずれの圧着板10にも基本的には図3に示すような山型の第一押圧部13と第二押圧部12が設けられている。但し、第二押圧部12同士の間隔が狭くなるように、図2における紙面右側の第一押圧部13の突出高さが、紙面左側の第一押圧部13よりも低く設計されている点で異なる。
【0036】
上述した一対の圧着板10は、一対のヒータブロック11の内側面に接続されており、ヒータブロック11は、一対の支持部21によって支持されている。一対の支持部21は、図示しないエアシリンダによって挟持方向及び非挟持方向へ往復運動する。その結果、支持部21に支持されているヒータブロック11が接近し、第一押圧部13と第二押圧部12がチューブ容器3のシール部分33を押圧することでチューブ容器3の開口する基端がシール成形される。
【0037】
押さえ板22は、チューブ容器3の胴部31を押圧時に押さえる。より具体的には、押さえ板22は、第一押圧部13と第二押圧部12とによってチューブ容器3の基端側を溶着する際、溶着を容易かつ確実に行えるよう補助的にチューブ容器の胴部31を挟み込む。押さえ板22は、その先端が上方向に逃げられるように、基端が回転可能に支持部21に接続されている。なお、押さえ板22と支持部21との接続部には、ばねが設けられ、押圧時に上方向に持ち上げられた押さえ板22が非押圧時の状態に戻るように付勢されている。
【0038】
トレイ23は、チューブ容器3が載置される。具体的には、トレイ23には、チューブ容器3の先端のキャップ32が挿入可能な支持孔24が設けられている。トレイ23は、図示しない駆動装置によって移動可能であり、トレイ23にシールが必要なチューブ容器3がセットされると第一押圧部13及び第二押圧部12によって溶着可能な高さまで上昇する。溶着が完了すると、トレイ23は、下降し、シールされたチューブ容器3が取り外され、新たにシールが必要なチューブ容器3がセットされる。
【0039】
仕上成形ブロック61は、冷却機能を有し、ヒータブロック11によって溶着及び切断が行われたチューブ容器3に対して冷熱を加えて冷却し、押圧する。仕上成形ブロック61は、上述したヒータブロック11とほぼ同じ構成とすればよい。具体的には、ヒータブロック11のヒータ15に替えて、冷熱を供給する冷却部を設け、仕上成形ブロック61の内側面には、ヒータブロック11と同じく圧着板10を設ければよい。なお、冷却部は、仕上成形ブロック61の外部に設けてもよい。
【0040】
(動作)
次に、上述した本実施形態のシール装置1の動作について図面に基づいて説明する。図4は、第一実施形態のシール装置の動作状態を示す。図4(a)は、溶着前の状態を示す。図4(b)は、溶着時(押圧時)の状態を示す。図4(c)は、溶着後の様態を示す。
【0041】
まず、シール成形が必要なチューブ容器3がキャップ32が下になるようにトレイ23にセットされる。チューブ容器3がセットされたトレイ23は、シール成形が可能な高さ
まで上昇する。これにより、図4(a)に示すように、一対の支持部21が、チューブ容器3のシール部分33を挟持するように配置される。まず、ダイレクトヒータ51によって予備熱が加えられ、次にヒータブロック11に接続された第一押圧部13及び第二押圧部12がシール部分33を挟み込んで押圧可能な位置に配置される。また、押さえ板22がチューブ容器3の胴部を挟み込んで押さえることが可能な位置に配置される。
【0042】
次に、一対の支持部21が図示しないエアシリンダによって挟持方向へ移動する。より具体的には、支持部21の移動に伴って、ヒータブロック11、ヒータブロック11に接続されている第一押圧部13及び第二押圧部12、押さえ板22が、挟持方向へ移動する。まず、押さえ板22の先端がチューブ容器3の胴部に接触し、筒状の胴部を徐々に押し潰す。次に、第一押圧部13と第二押圧部12が夫々チューブ容器3のシール部分33を挟み込むように押圧する。
【0043】
ここで、図5は、押圧時の拡大断面図を示す。図5(a)は、第一押圧部13及び第二押圧部12がシール部分33を押圧する直前の状態を示す。図5(b)は、第一押圧部13及び第二押圧部12がシール部分33を押圧した状態を示す。図5(a)に示すように、支持部21(図示せず)が挟持方向へ徐々に移動することで、第一押圧部13及び第二押圧部12との間隔が徐々に狭められていく。更に、支持部21が挟持方向へ移動すると、第一押圧部13と第二押圧部12は、図5(b)に示すように、チューブ容器3のシール部分33を挟み込むように押圧する。この際、第一押圧部13及び第二押圧部12には、チューブ容器3のシール部分33を溶融するのに必要な熱がヒータブロック11を介して伝達されており、チューブ容器3と接することで、この熱がチューブ容器3のシール部分33に加えられる。ここで、第二押圧部12同士の間隔は、第一押圧部13同士の間隔よりも狭く設定されていることから、シール部分33の基端側(紙面上側)には、シール部分33の先端側(紙面下側)よりも大きな押圧力が加えられる。更に支持部21を挟持方向へ移動すると、シール部分33の基端側が第二押圧力0の押圧力によって押し潰され、第二押圧部12の上側のラインで切断される。なお、第二押圧部12によって押圧されるシール部分33には、切断するほどの押圧力が加えられないので押圧力による溶着のみが行われることになる。
【0044】
第一押圧部13及び第二押圧部12による押圧が完了、すなわち、シール部分33の溶着及び切断が完了すると、図4(c)に示すように、支持部21が非挟持方向へ移動する。そして、支持部21の移動に伴って第一押圧部13及び第二押圧部12がチューブ容器3から離れる。その後、チューブ容器3の胴部31を押さえつけていた押さえ板22もチューブ容器3から離れ、押圧時に上方向に持ち上げられた押さえ板22が付勢力によって非押圧時の状態に戻る。
【0045】
次に、チューブ容器3がセットされたトレイ23は、冷却機能を有する仕上成形ブロック61まで移動し、仕上成形ブロック61によって、冷却及び成形が行われる。
【0046】
以上により、チューブ容器3の基端側のシール成形が完了する。ここで、図6は、シール成形完了後のチューブ容器3の側面図を示す。図7は、シール成形完了後のチューブ容器3の正面図を示す。同図に示すように、図6に示すように、シール前において筒状に開口していたチューブ容器3の基端がシール成形されている。また、第一実施形態では、図3に示す山型の第一押圧部13及び第二押圧部12が設けられた圧着板10を用いたことで、図7に示すように、基端が山型形状のチューブ容器3が形成することができる。
【0047】
(効果)
以上説明した第一実施形態のシール装置1によれば、第一押圧部13及び第二押圧部12がチューブ容器3のシール部分33に対して直接熱を加えながら挟み込んで押圧するの
で十分な溶着強度を確保することができる。すなわち、シール部分33を構成するチューブ素材に直接熱が伝達されるので、チューブ素材に対して均等に熱が伝達される。その結果、対向するチューブ素材の内側同士も確実に溶着され、十分な強度を確保することができる。また、第一押圧部13と第二押圧部12によってチューブ素材に対して均等に熱を加えながら押圧してシール部分を溶着し、かつ、第二押圧部12によってチューブ容器3の端部を切断することから、溶けたチューブ素材が左右や上下にはみ出すことによって発生するシール溜まりの発生を抑制することができる。つまり、シール溜まりのない見栄えのよいチューブ容器1を成形することができる。更に、本発明では、超音波方式のように振動を与えることなく溶着と切断を同時に行えることから、超音波方式では難しいとされていた細かい成形も可能となる。すなわち、山型といったデザイン性にも優れたチューブ容器を短時間で製造することができる。つまり、チューブ容器のシール部分の形状の設計の自由度を高めることができる。
【0048】
<第二実施形態>
次に第二実施形態のシール装置1について説明する。第二実施形態のシール装置1の構成は、基本的には第一実施形態のシール装置1と同じである。従って、以下の説明では、第一実施形態のシール装置1と同様の構成については、同一符号を付すことでその詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明するものとする。
【0049】
第二実施形態のシール装置1は、本発明の切断手段に相当するカッタ17を備える点で第一実施形態のシール装置1と異なる。第二実施形態のシール装置1では、第一実施形態の第一押圧部13と第二押圧部12との間に第三押圧部14が設けられている。第二押圧部12同士の間隔が第一押圧部13同士の間隔よりも狭くなるように設計されている点は、同じである。但し、第二押圧部12の押圧力による切断は、予備的な切断であり、カッタ17によって切断することで、チューブ容器3の基端の成形が行われる。
【0050】
ここで、図8は、第二実施形態のシール装置1の動作状態を示す。なお、図8は、第二実施形態のシール装置1のうち、第一押圧部13等を拡大したものである。従って、第一実施形態のシール装置1と同じく、ヒータブロック11は、支持部21に支持されており、支持部21には、押さえ板22が設けられている。また、チューブ容器3は、トレイ23に載置されている。図8(a)は、溶着前の状態を示す。図8(b)は、溶着時(押圧時)の状態を示す。図8(c)は、カッタ17によるカット状態を示す。
【0051】
図8(a)に示すように、第二実施形態のシール装置1は、上述した第一実施形態のシール装置1の構成に加えて更に、第三押圧部14が第一押圧部13と第二押圧部12との間に設けられている。第二押圧部12同士の間隔は、第一押圧部13同士の間隔よりも狭くなるように設計されているので、ヒータブロック11の間隔が狭められていくと、第二押圧部12によってチューブ容器3の基端側が切断される(図8(b)参照)。なお、第一実施形態では、チューブ容器3の基端側を山型に成形するため、第二押圧部12の形状を山型とした。しかし、第二実施形態では、第二押圧部12による切断は、仮切断であるため第二押圧部12の形状は単に直線状とし、シール部分33を成形する第一押圧部13と第三押圧部14の形状を山型とした。また、これに合わせてカッタ17の形状も山型とした。ここで、図9は、第二実施形態の圧着板10aの平面図を示す。同図に示すように、第二実施形態の圧着板10aは、最も上段に水平直線状の第二押圧部12が設けられ、上から順に第三押圧部14、第一押圧部13が設けられている。
【0052】
圧着板10aによる溶着及び仮切断が完了したら、カッタ17によってチューブ容器3の基端を切断する(図8(c)参照)。本実施形態では、カッタ17を一対の刃によって構成し、チューブ容器3を挟み込むことで切断している。しかし、例えば、一方は、平板とし平板に刃を押さえつけるようにして切断するようにしてもよい。なお、カッタ17は
、ヒータブロック11が接続される支持部21に接続してもよく、また、ヒータブロック11が接続される支持部21と同じく挟持方向へ移動可能な専用の支持部21を別途設け、これに接続してもよい。
【0053】
ここで、図10(a)は、シール成形完了後のチューブ容器3の正面図を示す。また、図10(b)は、カッタ17による切断完了後のチューブ容器3の正面図を示す。図10(a)に示すように、カッタ17によるカット前においては、チューブ容器3の基端の仮切断及びシールが完了している。その後、第一押圧部13や第三押圧部14とほぼ動形状の山型のカッタ17によって切断されることで、図10(b)に示すように、基端が山型に切断されたチューブ容器3が完成する。
【0054】
(効果)
以上説明した第二実施形態のシール装置1によれば、チューブ容器3の基端を最終的にカッタ17によって切断することで、より見栄えのよいチューブ容器3を製造することができる。
【0055】
<第三実施形態>
上述した第一実施形態のシール装置1および第二実施形態のシール装置1は、圧着板10がヒータブロック11に対して取り外し可能である。そこで、第一実施形態のシール装置1や第二実施形態のシール装置1は、圧着板10を変更することでチューブ容器3の基端の形状を自由に設計することができる。ここで、図11は、第三実施形態の圧着板10bの平面図を示す。同図に示すように、第三実施形態の圧着板10bは、波型の第一押圧部13と、波型の第二押圧部12が内側に突出するように設けられている。その結果、第三実施形態の圧着板10bを第一実施形態のシール装置1に適用することでチューブ容器3の基端が波型に成形されたチューブ容器3を製造することができる。なお、図12は、第三実施形態の圧着板10aを用いて製造されたチューブ容器3の正面図を示す。
【0056】
<第四実施形態>
図13は、第四実施形態の圧着板10cの平面図を示す。同図に示すように、第四実施形態の圧着板10cは、山型の第一押圧部13と、同じく山型の第二押圧部12が内側に突出するように設けられている点で、第一実施形態の圧着板10と共通する。但し、第四実施形態の圧着板10cでは、第一押圧部13と第二押圧部12との間隔が広く設定されている。その結果、第四実施形態の圧着板10cを用いて製造されるチューブ容器3は、シール長さが第一実施形態の圧着板10を用いて製造されるチューブ容器3よりも長く成形されている。なお、図14は、第四実施形態の圧着板10cを用いて製造されたチューブ容器3の正面図を示す。また、第四実施形態の圧着板10cには、第一押圧部13と第二押圧部12との間に円形の円形押圧部18が設けられている。円形押圧部18同士の間隔は、第二押圧部12同士の間隔と同じように設計されている。従って、円形押圧部18によって押圧することで、シール部分33の中央部に孔が形成されることになる。なお、この孔は、チューブ容器3を店頭に展示する際に用いるフック孔34として用いることができる。
【0057】
<第五実施形態>
図15は、第五実施形態の圧着板10dの平面図を示す。同図に示すように、第五実施形態の圧着板10dは、山型の第一押圧部13と同じく山型の第二押圧部12が内側に突出するように設けられている点で、第一実施形態の圧着板10と共通する。但し、第五実施形態の圧着板10dでは、第一押圧部13と第二押圧部12に断面が波状の凹凸19が設けられている。なお、図16は、図15におけるAA断面図を示す。このような断面視において波状の凹凸19を有する圧着板10dを用いることで、シール部分33の平面上に波状の凹凸を設けることが可能となる。なお、図16では、対向する圧着板10dを点
線で示されている。
【0058】
図17は、第五実施形態の圧着板10dを用いて製造されたチューブ容器3の正面図を示す。また、図18は、第五実施形態の圧着板10dを用いて製造されたチューブ容器3の側面図を示す。これらの図に示すように、シール部分33の平面上に波状の凹凸38を設けることが可能となる。
【0059】
<第六実施形態>
次に第六実施形態のシール装置について説明する。第六実施形態のシール装置1aも基本的には、第一実施形態のシール装置1と同じく、チューブ容器3に対して予備熱を加えるダイレクトヒータと、ヒータブロックと、冷却機能を有する仕上成形ブロックとを備える(図1参照。)。なお、第六実施形態のシール装置1aは、第一から第五実施形態のシール装置1と異なり、3つのヒータブロック11a、11b、11cを備えている。そこで、この相違点を中心に説明する。
【0060】
図19は、第六実施形態のシール装置1aのうち、ヒータブロックの平面図を示す。これらのヒータブロック11a、11b、11cは、チューブ容器3の周囲に、チューブ容器3の中心軸(符号Xで示す。)から放射状に配置されている。ヒータブロック11a、11b、11cは、隣接するヒータブロック同士の面が対向するように、内側に折曲部65が設けられ、この折曲部65の内角は、約120度に設計されている。
【0061】
ヒータブロック11a、11b、11cの構成は同じであることから、ヒータブロック11aを例に説明する。ヒータブロック11aには、圧着板10eが設けられている。この圧着板10eは、ヒータブロック11aの形状に合わせて設計されている。すなわち、熱伝導性を有する板部材を折り曲げることで形成されている。圧着板10eは、圧着板折曲部75と二つの圧着面からなり、圧着面には、圧着面と直交する方向に突出した、第一押圧部13eと第二押圧部12eが設けられている。図20は、圧着板10eの正面図を示す。同図に示すように、圧着板折曲部75の両側の圧着面の夫々に第一押圧部13eと第二押圧部12eが設けられている。
【0062】
なお、第六実施形態のシール装置においても、ヒータブロックが3つ設けられている以外は、上述した第一実施形態のシール装置と同様に構成することができる。すなわち、ヒータブロック11a、11b、11cの内部には、ヒータが内蔵されている。また、ヒータブロック11a、11b、11cは、ヒータブロック11a、11b、11cを中心軸X方向への移動及び、これとは逆方向となる放射方向への移動は、エアシリンダ等によって行うことができる。
【0063】
押さえ板22、トレイ23、チューブ容器3に対して予備熱を加えるダイレクトヒータ51等は、第一実施形態のシール装置1と同様の構成とすればよい。また、冷却機能を有する仕上成形ブロックは、上述したヒータブロック11a、11b、11c及び圧着板11eと同様の形状とすることができる(図19参照。)。すなわち、3つの仕上成形ブロックを設け、図19に示すヒータブロック11aと同じくチューブ容器3の周囲に、チューブ容器3の中心軸(符号Xで示す。)から放射状に配置すればよい。また、3つの仕上成形ブロックは、隣接する仕上成形ブロック同士の面が対向するように、内側に折曲部を設け、この折曲部の内角は、約120度に設計すればよい。仕上成形ブロックには、ヒータブロック11a等の内部に設けられるヒータに替えて、冷却部を設ければよい。3つの仕上成形ブロックには、仕上成形ブロックの形状に合わせて圧着板を設ければよく、この圧着板は、図20に示す圧着板と同じように折曲部を有する仕上成形ブロックの形状に合わせて設計すればよい。なお、仕上成形ブロックに設ける圧着板も、ヒータブロックの圧着板と同じように、例えば、圧着板折曲部と二つの圧着面からなり、圧着面には、圧着面
と直交する方向に突出した、第一押圧部と第二押圧部を設けることができる。
【0064】
図21は、第六実施形態のシール装置の動作状態を示す。図21(a)は、溶着前の状態を示す。図21(b)は、溶着時(押圧時)の状態を示す。図21(c)は、溶着後の様態を示す。図21(a)に示すように、トレイ(図示せず)にセットされたチューブ容器3が所定の位置に移動され、予備熱が加えられる。所定の位置とは、図21(a)に示すように、チューブ容器3の周囲に3つのヒートブロック11a、11b、11cが放射状に配置されている状態である。
【0065】
次に、図21(b)に示すように、ヒートブロック11a、11b、11cが中心軸Xに向けて移動し、チューブ容器3が、ヒートブロック11a、11b、11cによって外側3方向から押圧される。ヒートブロック11a、11b、11cによる押圧が完了すると、図21(c)に示すように、ヒートブロック11a、11b、11cが放射方向に移動される。その後、ヒートブロック11a、11b、11cによる押圧と同様の手順により、仕上成形ブロックによって冷却及び押圧が行われる。
【0066】
以上により、チューブ容器3の基端側のシール成形が完了する。ここで、図22は、シール成形完了後のチューブ容器3の上面図を示す。図23は、シール成形完了後のチューブ容器3の斜視図を示す。同図に示すように、チューブ容器3の基端には、中心軸Xから3方向に延びる稜線Pが形成され、立体的なシール部分が形成されている。このように、本実施形態のシール装置によれば、三次元的なチューブ容器のシール部分を成形することができる。なお、ヒートブロックの数を増やすことで様々な断面形状のチューブ容器を成形することができる。
【0067】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明のシール装置はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。例えば、圧着板10を適宜組み合わせることで様々な形状のチューブ容器3を製造することができる。また、例えば第四実施形態では、シール部分33に展示用のフック孔を設けたが、これに換えて、又はフック孔とともに商品名や社名等をデザイン的に付すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】第一実施形態のシール装置のブロック図を示す。
【図2】第一実施形態のシール装置のうち、ヒータブロックを中心とした断面図を示す。
【図3】第一実施形態の圧着板の平面図を示す。
【図4】第一実施形態のシール装置の動作状態を示す。
【図5】第一実施形態のシール装置における、押圧時の拡大断面図を示す。
【図6】シール完了後のチューブ容器の側面図を示す。
【図7】シール完了後のチューブ容器の正面図を示す。
【図8】第二実施形態のシール装置の動作状態を示す。
【図9】第二実施形態の圧着板10の平面図を示す。
【図10】シール完了後のチューブ容器の正面図、及びカッタによる切断完了後のチューブ容器の正面図を示す。
【図11】第三実施形態の圧着板の平面図を示す。
【図12】第三実施形態の圧着板を用いて製造されたチューブ容器の正面図を示す。
【図13】第四実施形態の圧着板の平面図を示す。
【図14】第四実施形態の圧着板を用いて製造されたチューブ容器の正面図を示す。
【図15】第五実施形態の圧着板の平面図を示す。
【図16】図15におけるAA断面図を示す。
【図17】第五実施形態の圧着板を用いて製造されたチューブ容器の正面図を示す。
【図18】第五実施形態の圧着板を用いて製造されたチューブ容器の側面図を示す。
【図19】第六実施形態のシール装置のうち、ヒータブロックを中心としたの平面図を示す。
【図20】第六実施形態の圧着板の正面図を示す。
【図21】第六実施形態のシール装置の動作状態を示す。
【図22】第六実施形態のシール装置によるシール成形完了後のチューブ容器の上面図を示す。
【図23】第六実施形態のシール装置によるシール成形完了後のチューブ容器3の斜視図を示す。
【符号の説明】
【0069】
1・・・シール装置
3・・・チューブ容器
10、10a、10b、10c・・・圧着板
11・・・ヒータブロック
12・・・第二押圧部
13・・・第一押圧部
14・・・第三押圧部
15・・・ヒータ
21・・・支持部
22・・・押さえ板
31・・・胴部
32・・・キャップ
33・・・シール部分
51・・・ダイレクトヒータ
61・・・仕上成形ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ容器の基端側のシール部分を所定の形状にシール成形するシール装置であって、
前記シール部分の周囲に配置され、該シール部分に直接熱を加えながら該シール部分を押圧する押圧手段と、
前記押圧手段を押圧方向へ移動させる移動手段と、を備え、
前記押圧手段は、
前記所定の形状の一部を模った形状を有する第一押圧部であって、前記シール部分のうちの先端側の領域を押圧し、溶着する第一押圧部と、
前記所定の形状の他部を模った形状を有する第二押圧部であって、前記シール部分のうちの基端側の領域を、前記第一押圧部による押圧力よりも大きな力を加えて押圧して溶着するとともに前記基端側を切断する第二押圧部と、を有する、シール装置。
【請求項2】
前記チューブ容器に対して予備熱を与える予備熱供給手段を更に備え、
前記押圧手段は、前記予備熱供給手段によって予備熱が与えられたチューブ容器のシール部分に直接熱を加えながら該シール部分を押圧する、請求項1に記載のシール装置。
【請求項3】
前記第一押圧部と前記第二押圧部との押圧によって溶着と切断が行われたシール部分を冷却しながら該シール部分を更に押圧し、該シール部分を前記所定の形状に仕上げ成形する仕上押圧手段を更に備える請求項1又は請求項2に記載のシール装置。
【請求項4】
前記押圧手段は、対向する二つの押圧ブロックからなり、前記シール部分を挟持するように押圧し、
前記第一押圧部は、前記二つの押圧ブロックの夫々に設けられる凸部であって、挟持方向に突出した対向する第一凸部からなり、
前記第二押圧部は、前記二つの押圧ブロックの前記第一凸部よりも基端側の夫々に設けられる凸部であって、挟持方向に突出した対向する第二凸部からなる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項5】
前記押圧手段は、前記チューブ容器の中心軸から放射状に配置された複数の押圧ブロックからなり、
前記複数の押圧ブロックは、前記中心軸に向かって移動することで前記チューブ容器を押圧し、
前記第一押圧部は、前記複数の押圧ブロックの夫々に設けられる凸部であって、押圧方向に突出した第三凸部からなり、
前記第二押圧部は、前記複数の押圧ブロックの前記第一凸部よりも基端側の夫々に設けられる凸部であって、押圧方向に突出した第四凸部からなる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項6】
チューブ容器の製造方法であって、
前記チューブ容器の基端側のシール部分に直接熱を加えながら該チューブ容器の周囲から押圧する工程を備え、
前記押圧する工程では、前記所定の形状の一部を形成するように、前記シール部分のうちの先端側の領域を押圧し溶着する第一押圧工程と、前記所定の形状の他部を形成するように、前記シール部分のうちの基端側の領域を、前記第一押圧部による押圧力よりも大きな力を加えて押圧して溶着するとともに前記基端側を切断する第二押圧工程と、が行われるチューブ容器の製造方法。
【請求項7】
前記押圧する工程の前に行われ、前記チューブ容器に対して予備熱を与える予備熱供給
工程を更に備え、
前記押圧工程では、前記予備熱供給工程によって予備熱が与えられたチューブ容器のシール部分に直接熱を加えながら該シール部分を押圧する、請求項6に記載のチューブ容器の製造方法。
【請求項8】
前記第一押圧工程と前記第二押圧工程とを行うことで溶着と切断が行われたシール部分を冷却しながら、該シール部分を更に押圧し、該シール部分を前記所定の形状に仕上げ成形する仕上押圧工程を更に備える請求項6又は請求項7に記載のチューブ容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−126538(P2009−126538A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301527(P2007−301527)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】